(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117542
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】移動体監視システムおよび移動体監視方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240822BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240822BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240822BHJP
G08B 13/22 20060101ALI20240822BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20240822BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240822BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240822BHJP
【FI】
G08B25/04 F
E05B49/00 J
G08B25/04 G
G08B25/10 A
G08B13/22
H04W4/029
H04W76/10
H04W84/10 110
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023683
(22)【出願日】2023-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮越 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 実樹
【テーマコード(参考)】
2E250
5C084
5C087
5K067
【Fターム(参考)】
2E250AA12
2E250BB15
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF36
5C084AA02
5C084AA07
5C084CC19
5C084DD01
5C084FF02
5C084FF27
5C084GG07
5C084GG09
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD06
5C087DD20
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF25
5C087GG12
5K067AA35
5K067BB21
5K067BB43
5K067DD17
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】小規模な設備構成で共連れ防止を実現する。
【解決手段】登録移動体30Aが第1のエリア50内に位置し、かつ、非登録移動体30B,30Cが第1のエリア50内に位置しない場合に施錠開錠装置84にドア82を開錠させ、前記登録移動体30Aが第1のエリア50内に位置し、かつ、前記非登録移動体30B,30Cが前記第1のエリア50内に位置する場合には、前記登録移動体30Aにおいて所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置84に前記ドア82を開錠させるドア制御部70を、移動体監視システム1における制御部60に設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、
ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、
前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理部と、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別部と、
前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御部と、を備える
ことを特徴とする移動体監視システム。
【請求項2】
前記センサ部は、前記第1のエリアを含み、前記第1のエリアよりも広い第2のエリア内に位置する前記移動体を監視するものであり、
前記親機は、前記第2のエリア内に位置する前記子機から、第1のプロトコルによる無線通信によって識別情報の取得を試行するものであり、
前記移動体位置管理部は、前記第1のエリアに加えて前記第2のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理するものであり、
前記移動体識別部は、
前記第2のエリア内に位置する前記子機から送信された前記識別情報に基づいて、何れかの前記子機を前記登録子機として識別し、前記登録子機を装備する前記移動体を前記登録移動体として識別する機能と、
前記登録子機以外の前記子機を装備する前記移動体を、前記非登録移動体の一種である第1種非登録移動体として識別する機能と、
前記子機を装備しない前記移動体を、前記非登録移動体の他の一種である第2種非登録移動体として識別する機能と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体監視システム。
【請求項3】
前記子機は、前記親機に対して第2のプロトコルによる無線通信によってペアリング情報を送信する機能を有し、
前記親機は、前記第2のエリアに位置する前記子機から前記第2のプロトコルによる無線通信によって前記ペアリング情報を取得すると、前記子機との間で前記第1のプロトコルに基づく無線通信を確立する機能を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体監視システム。
【請求項4】
前記移動体位置管理部は、何れかの前記登録移動体が前記第1のエリアに進入した場合に、その旨を示す情報を前記ドア制御部に供給する
ことを特徴とする請求項3に記載の移動体監視システム。
【請求項5】
各々の前記登録子機に対して、重複することなく一対一に対応付けられている一または複数の登録情報を記憶する登録情報記憶部から前記登録情報を取得する登録情報取得部をさらに備え、
前記移動体識別部は、何れかの前記登録情報に一致する前記識別情報を送信した前記子機を前記登録子機として識別する
ことを特徴とする請求項3に記載の移動体監視システム。
【請求項6】
前記第1のプロトコルはIEEE標準規格「802.15.4z」に基づくものであり、
前記第2のプロトコルはIEEE標準規格「802.15.1」に基づくものであり、
前記センサ部は、LiDARセンサを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の移動体監視システム。
【請求項7】
前記ドアは規制エリアと外部エリアとの間に設けられているものであり、
前記親機アンテナは、前記外部エリアにおける前記第1のエリアである第1の入場側エリアに設けられた、入場側親機アンテナと、前記規制エリアにおける前記第1のエリアである第1の退場側エリアに設けられた、退場側親機アンテナと、を備え、
前記センサ部は、前記第1の入場側エリアに設けられた入場側センサ部と、前記第1の退場側エリアに設けられた、退場側センサ部と、を備え、
前記制御部は、
前記子機から何れかの前記登録情報に一致する前記識別情報を取得した場合に前記子機を前記登録子機として識別し、それ以外の前記子機を非登録子機として識別する機能と、
前記外部エリアにおける前記第2のエリアである第2の入場側エリアにおいて前記子機を装備する前記移動体が位置し、前記親機と前記子機との間で前記第2のプロトコルによる通信が確立すると、前記親機と前記子機との間で前記第1のプロトコルによる通信を開始させる機能と、
前記登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を入場側登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記非登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を第1種入場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記子機を装備せず前記外部エリアに位置する前記移動体を第2種入場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記規制エリアにおける前記第2のエリアである第2の退場側エリアにおいて前記子機を装備する前記移動体が位置し、前記親機と前記子機との間で前記第2のプロトコルによる通信が確立すると、前記親機と前記子機との間で前記第1のプロトコルによる通信を開始させる機能と、
前記登録子機を装備し前記規制エリアに位置する前記移動体を退場側登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記非登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を第1種退場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記子機を装備せず前記外部エリアに位置する前記移動体を第2種退場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の移動体監視システム。
【請求項8】
前記ドア制御部は、
前記第1の入場側エリアに前記入場側登録移動体が位置し、前記第1の入場側エリアに前記第1種入場側非登録移動体または前記第2種入場側非登録移動体の何れもが位置しない場合に、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記入場側登録移動体が前記第1の退場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体監視システム。
【請求項9】
前記ドア制御部は、
前記第1の退場側エリアに前記退場側登録移動体が位置し、前記第1の退場側エリアに前記第1種退場側非登録移動体または前記第2種退場側非登録移動体の何れもが位置しない場合に、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記退場側登録移動体が前記第1の入場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体監視システム。
【請求項10】
前記ドア制御部は、
前記入場側登録移動体と、前記第1種入場側非登録移動体または前記第2種入場側非登録移動体である入場側非登録移動体と、が共に前記第1の入場側エリアに位置し、かつ、前記入場側登録移動体が装備する前記登録子機から所定の開錠指令信号が出力されると、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記入場側登録移動体と前記入場側非登録移動体と、が共に前記第1の退場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体監視システム。
【請求項11】
親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、制御部と、を備える移動体監視システムに適用される移動体監視方法であって、
前記制御部が、前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理過程と、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別過程と、
前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御過程と、を実行する
ことを特徴とする移動体監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体監視システムおよび移動体監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「[課題]入退室管理エリアへの共連れ入退室を高い確実性で防止する共連れ防止入退室管理システムを提供する。[解決手段]共連れ防止入退室管理システム1は、前室8から機器室9へ進入する際に本人照合を行ない本人か否かを確認し、第1扉7aの開錠を判断する第1指紋照合ユニット4aと、前室から外部エリアへ退室する際に本人照合を行ない本人か否かを確認し、第2扉7bの開錠を判断する第2指紋照合ユニット4bと、第5カメラ3eにより撮影された映像から共連れ入退室か否かを検知する共連れ検知センサー5と、共連れ検知センサー5により前室8内に共連れの入退室者20を検知した場合には、第1指紋照合ユニット4a、及び第2指紋照合ユニット4bを共に操作禁止とし、警報を発報する入退室管理制御部11と、を備える。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術では、設備構成が大規模になるという問題がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、小規模な設備構成で共連れ防止を実現できる移動体監視システムおよび移動体監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の移動体監視システムは、親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理部と、前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別部と、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、小規模な設備構成で共連れ防止を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態による移動体監視システムの模式図である。
【
図3】制御部における識別情報の照合動作を模式的に示す図である。
【
図4】第2実施形態による移動体監視システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の前提]
後述する実施形態による移動体監視システムは、管理されたエリアにおいて、登録された子機を装備する移動体(以下、「登録移動体」と呼ぶ)と、登録されていない子機を装備する移動体または子機を有しない移動体(以下、両者を「非登録移動体」と呼ぶ)と、を識別する。そして、移動体監視システムは、これらの移動体の存在位置を管理することによりこれらの移動体を監視するものである。これにより、当該移動体監視システムは、ドアの操作を許可された登録移動体と、許可されてない非登録移動体(例えば侵入者)と、を区別し、管理された建造物への共連れ入場または管理された建造物からの共連れ退場を防止するものである。
【0009】
上述した特許文献1の技術では、確かに共連れを防止する入退管理は可能である。しかし、入退室管理エリアへの進入および該エリアからの退室を「前室」を介して行うため、設備が大規模になる。これに対して、後述する各実施形態は、小規模な設備構成で共連れ防止を実現するものである。また、特許文献1の技術では、本人照合を生体認証(指紋照合)により行っている。この本人照合では、入退室者の足を止めることとなって時間がかかる。さらに、指を怪我している等、指紋を採取することが困難な場合も考えられる。後述する各実施形態は、共連れの防止とともに、これらの課題も解決するものである。
【0010】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、第1実施形態による移動体監視システム1の模式図である。
移動体監視システム1は、親機10と、親機アンテナ12と、センサ部14と、制御部60と、ドア82と、施錠開錠装置84と、を備えている。ドア82の周囲には、複数の移動体30-1,30-2,30-3が位置している。なお、以下の説明において、同一または類似の機能、意義を有する複数の構成要素や情報等を、例えば「移動体30-1,30-2,30-3」のように、同一の符号に「-」と数字を付して、表記する場合がある。但し、これら複数の構成要素等を区別する必要がない場合には、例えば「移動体30」のように、「-」と数字を省略して表記する場合がある。なお、移動体30は、例えば入退場者(人間)であるが、台車や搬送車などであってもよい。
【0011】
図示の例において、移動体30-1,30-2は、それぞれ子機20-1,20-2を備えているが、移動体30-3は子機20を備えていない。各子機20は子機アンテナ22を備えている。但し、子機アンテナ22は子機20に内蔵されていてもよい。子機20は、移動体監視システム1に適用する専用端末であってもよいし、スマートフォンなどの汎用端末であってもよい。また、親機10は親機アンテナ12に接続され、親機アンテナ12を介して、子機20と通信する。但し、親機アンテナ12は親機10に内蔵してもよい。
【0012】
親機10と、子機20とは、第1のプロトコルP1(図示せず)を適用した第1の無線通信、および第2のプロトコルP2(図示せず)を適用した第2の無線通信を行う。上述した親機アンテナ12および子機アンテナ22は、第1および第2のプロトコルP1,P2の双方に対応している。
【0013】
ここで、第2のプロトコルP2は、第1のプロトコルP1と比較して、子機20の消費電力を低減できるプロトコルであり、例えば、ブルートゥース(登録商標)、すなわちIEEE標準規格「802.15.1」を採用することができる。また、第1のプロトコルP1は、親機10において子機20の位置を検出できるプロトコルであり、例えば、UWB(Ultra Wide Band;超広帯域無線)、すなわちIEEE標準規格「802.15.4z」を採用することができる。子機20は、当該子機20を識別する識別情報IDC(
図3参照)を記憶しており、子機20は、第1のプロトコルP1によって識別情報IDCを親機10に送信する。
【0014】
図1において、狭域管理エリア50(第1のエリア)は、ドア82の近傍のエリアである。また、広域管理エリア40(第2のエリア)は、狭域管理エリア50を含む、さらに広いエリアである。広域管理エリア40および狭域管理エリア50は、親機アンテナ12からの離間距離を基準に設定するとよい。すなわち、移動体監視システム1を本運用する前段階において移動体監視システム1をテスト運用し、移動体監視システム1を使用する条件等に基づいて広域管理エリア40および狭域管理エリア50として適切な範囲を設定するとよい。また、親機アンテナ12は指向性を有することが好ましく、広域管理エリア40に向けて設置するとよい。
【0015】
また、センサ部14は、広域管理エリア40と同一範囲(但し、若干の相違があってもよい)における移動体30の位置および形状を検出する。センサ部14には、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)センサを適用することが好ましい。但し、センサ部14として、監視カメラ等を適用し、撮影した画像データを解析することによって移動体30の位置および形状を算出してもよい。
【0016】
施錠開錠装置84は、制御部60からの指令に基づいて、ドア82に対する施錠、開錠、開扉および閉扉を実行する。制御部60は、登録情報記憶部62と、登録情報取得部64と、移動体識別部66(移動体識別過程)と、移動体位置管理部68(移動体位置管理過程)と、ドア制御部70(ドア制御過程)と、を備えている。
【0017】
登録情報記憶部62は、上述した識別情報IDCのうち一部を、ドア82に対する開扉および開錠を許可する登録情報IDR(
図3参照)として記憶する。登録情報取得部64は、登録情報記憶部62から、これら登録情報IDRを取得する。移動体位置管理部68は、センサ部14の検出結果に基づいて、広域管理エリア40(狭域管理エリア50を含む)における各移動体30の存在位置を検出し、管理する。移動体識別部66は、移動体位置管理部68が検出した各移動体30の位置、および各子機20の位置等に基づいて、移動体30を複数の種類のうち何れかに分類する。ドア制御部70は、各移動体30の位置等に基づいて、施錠開錠装置84に対して、ドア82の施錠、開錠、開扉および閉扉の指令を出力する。
【0018】
図2は、コンピュータ980のブロック図である。
図1に示した制御部60は、
図2に示すコンピュータ980を、1台または複数台備えている。
図2において、コンピュータ980は、CPU981と、記憶部982と、通信I/F(インタフェース)983と、入出力I/F984と、メディアI/F985と、を備える。ここで、記憶部982は、RAM982aと、ROM982bと、HDD982cと、を備える。通信I/F983は、通信回路986に接続される。入出力I/F984は、入出力装置987に接続される。メディアI/F985は、記録媒体988からデータを読み書きする。ROM982bには、CPUによって実行されるIPL(Initial Program Loader)等が格納されている。HDD982cには、制御プログラムや各種データ等が記憶されている。CPU981は、HDD982cからRAM982aに読み込んだ制御プログラム等を実行することにより、各種機能を実現する。先に
図1に示した、制御部60の内部は、制御プログラム等によって実現される機能をブロックとして示したものである。
【0019】
〈第1実施形態の動作〉
次に、本実施形態の動作を説明する。
子機20は、広域管理エリア40の内側に位置するか、外側に位置するかにかかわらず、第2のプロトコルP2によるペアリング情報を、常時送信し続け、親機10との通信を試行する。このように、子機20は第2のプロトコルP2におけるペアリング情報を常時送信するため、上述したように、第2のプロトコルP2は、消費電力の小さなプロトコルであることが好ましい。
【0020】
そして、子機20が広域管理エリア40に入ると、親機10がペアリング情報に応答し、親機10と子機20とのペアリング、すなわち第2のプロトコルP2による第2の無線通信が確立する。次に、親機10は、子機20との間で第1のプロトコルP1による第1の無線通信を開始する。これにより、親機10は、広域管理エリア40における子機20の位置、すなわち対応する移動体30の位置を高精度に検出できるようになる。
【0021】
広域管理エリア40に移動体30が進入すると、移動体識別部66は、移動体30を、登録移動体30A、第1種非登録移動体30B、または第2種非登録移動体30Cのうち何れかに分類する。なお、第1種非登録移動体30Bおよび第2種非登録移動体30Cを総称して「非登録移動体30B,30C」と称することがある。
図1の例においては、移動体30-1が登録移動体30Aであり、移動体30-2が第1種非登録移動体30Bであり、移動体30-3が第2種非登録移動体30Cである。以下、これらの分類について説明する。
【0022】
(登録移動体30A)
移動体30が子機20を装備し、当該子機20が登録情報記憶部62に登録されている場合、当該移動体30は登録移動体30Aである。移動体位置管理部68は、何れかの移動体30が空間中に占める3次元領域の外縁の内側に何れかの子機20が位置するのであれば、当該移動体30は当該子機20を装備する、と判定する。また、移動体位置管理部68は、何れかの子機20が何れの移動体30の外縁の内に位置しない場合には、当該子機20に最も近接する移動体30が、当該子機20を装備する、と判定する。
【0023】
上述したように、子機20を装備する移動体30が広域管理エリア40に進入すると、親機10と子機20との間で第2の無線通信が確立する。そして、第2の無線通信が確立した後、親機10と子機20との間で第1の無線通信が確立する。移動体識別部66は、親機10を介して、第1の無線通信により子機20から識別情報IDCを取得する。また、登録情報取得部64は、移動体識別部66を読み出して登録情報IDRを取得する。
【0024】
移動体識別部66は、取得した識別情報IDCを、各登録情報IDRと照合する。そして、識別情報IDCが何れかの登録情報IDRと一致した場合、移動体識別部66は、当該子機20が制御部60に登録されている登録子機20Aであると識別する。また、移動体識別部66は、登録子機20Aを装備した移動体30を登録移動体30Aとして識別する。その後、移動体位置管理部68は、第1の無線通信を用いて、広域管理エリア40および狭域管理エリア50における登録子機20Aの存在位置を検出し、これに基づいて登録移動体30Aの存在位置を検出し管理する。
【0025】
図3は、制御部60における識別情報IDCの照合動作を模式的に示す図である。
まず、制御部60の登録情報記憶部62には、複数の登録情報IDRが記憶されている。これら登録情報IDRは、英文字、数字などの組合せであり、ユニークなものである。制御部60の移動体識別部66(
図1参照)は、子機20から識別情報IDCを取得する。図示の例において、識別情報IDCは、「XXX003」であったとする。登録情報記憶部62に記憶されている複数の登録情報IDRには、この識別情報IDCと同一の「XXX003」が含まれている。従って、移動体識別部66は、当該子機20が登録子機20Aであると識別し、当該登録子機20Aを装備する移動体30(
図1参照)を登録移動体30Aとして識別する。
【0026】
(第1種非登録移動体30B)
上述したように、子機20を装備する移動体30が広域管理エリア40に進入すると、親機10と子機20との間で第2の無線通信が確立する。そして、第2の無線通信が確立すると、親機10と子機20との間で第1の無線通信が確立する。制御部60は、親機10を介して、第1の無線通信により子機20から識別情報IDCを取得しようとするが、そもそも識別情報IDCを取得できない場合がある。
【0027】
また、識別情報IDCを取得できた場合であっても、当該識別情報IDCが、登録情報記憶部62に記憶された登録情報IDRに含まれない場合がある。このような場合、移動体識別部66は、当該子機20を非登録子機20Bとして識別し、非登録子機20Bを装備する移動体30を第1種非登録移動体30Bとして識別する。その後、移動体位置管理部68は、第1の無線通信を用いて、広域管理エリア40および狭域管理エリア50における非登録子機20Bの存在位置を検出し、これに基づいて第1種非登録移動体30Bの存在位置を検出し管理する。
【0028】
(第2種非登録移動体30C)
また、子機20を装備しない移動体30が広域管理エリア40に進入すると、センサ部14が当該移動体30の存在を検出する。この場合、親機10とペアリングできる子機20が存在しないため、移動体識別部66は、当該移動体30を第2種非登録移動体30Cとして識別する。その後、移動体位置管理部68は、センサ部14による検出結果に基づいて、広域管理エリア40および狭域管理エリア50における第2種非登録移動体30Cの存在位置を検出し、管理することにより移動を監視する。
【0029】
移動体位置管理部68は、何れかの移動体30が狭域管理エリア50に進入すると、その旨、および当該移動体30の種別(登録移動体30Aまたは非登録移動体30B,30C)を示す情報をドア制御部70に供給する。ドア制御部70は、登録移動体30Aが狭域管理エリア50に位置し、非登録移動体30B,30Cの何れも狭域管理エリア50内に位置しない場合にドア82を自動的に開錠および開扉させる。
【0030】
一方、ドア制御部70は、登録移動体30Aが狭域管理エリア50に位置し、非登録移動体30B,30Cのうち何れかが狭域管理エリア50内に位置する場合には、登録移動体30Aの登録子機20Aにおいて所定の操作が行われたことを条件として、施錠開錠装置84を制御してドア82を開錠および開扉させる。より詳細に述べると、登録子機20Aにおいて所定の操作が行われると、登録子機20Aから親機10を介して制御部60のドア制御部70に開錠指令信号が出力される。この開錠指令信号に基づいて、ドア制御部70は、施錠開錠装置84にドア82を開錠および開扉させる。
【0031】
登録移動体30Aが狭域管理エリア50に位置しているにもかかわらずドア82が自動的に開錠しない場合には、非登録移動体30B,30Cのうち何れかが狭域管理エリア50に位置することを意味する。そして、非登録移動体30B,30Cがドア82に近接しているということは、非登録移動体30B,30Cが登録移動体30Aとともにドア82を通過する共連れが起こる可能性が生じているということになる。これにより、登録移動体30Aは、共連れが起こる可能性を認識することができ、周囲に注意を払いながらドア82を開錠および開扉することにより、共連れを防止することができる。
【0032】
[第2実施形態]
〈第2実施形態の構成〉
図4は、第2実施形態による移動体監視システム2の模式図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
移動体監視システム2は、規制エリア300に入退室する移動体30を監視するシステムである。なお、規制エリア300は、個人住宅、集合住宅、事業用のオフィス、物品を保管する倉庫等である。また、規制エリア300の外側を外部エリア200と呼ぶ。
【0033】
ところで、外部エリア200においてドア82に近づく移動体30は、規制エリア300に入場しようとしている可能性が高い。そこで、外部エリア200のことを「入場側」と称することがある。また、規制エリア300においてドア82に近づく移動体30は、規制エリア300から退場しようとしている可能性が高い。そこで、規制エリア300のことを「退場側」と称することがある。
【0034】
移動体監視システム2は、第1実施形態の移動体監視システム1と同様に、親機10と、親機アンテナ12と、センサ部14と、制御部60と、ドア82と、施錠開錠装置84と、を備えている。
【0035】
但し、移動体監視システム2は、親機アンテナ12およびセンサ部14を、入場側および退場側の双方に備えている。ここで、入場側の親機アンテナ12およびセンサ部14を、それぞれ入場側親機アンテナ212および入場側センサ部214と呼ぶ。また、入場側における広域管理エリア40および狭域管理エリア50を、それぞれ入場側広域管理エリア240(第2の入場側エリア)および入場側狭域管理エリア250(第1の入場側エリア)と呼ぶ。また、退場側の親機アンテナ12およびセンサ部14を、それぞれ退場側親機アンテナ312および退場側センサ部314と呼ぶ。また、退場側における広域管理エリア40および狭域管理エリア50を、それぞれ退場側広域管理エリア340(第2の退場側エリア)および退場側狭域管理エリア350(第1の退場側エリア)と呼ぶ。
【0036】
本実施形態においても、移動体30は、子機20を装備している場合、および子機20を装備しない場合がある。そして、親機10と子機20とは、入場側および退場側の何れにおいても、第2の無線通信および第1の無線通信を行う。すなわち、親機10は、第1および第2のプロトコルP1,P2を用いて、入場側広域管理エリア240および退場側広域管理エリア340に位置する子機20と通信する。
【0037】
ここで、入場側狭域管理エリア250はドア82の周辺におけるエリアであり、入場側広域管理エリア240の一部である。同様に、退場側狭域管理エリア350は、ドア82の周辺におけるエリアであり、退場側広域管理エリア340の一部である。本実施形態においては、登録移動体30Aのうち、入場側に位置するものを入場側登録移動体230Aと呼び、退場側に位置するものを退場側登録移動体330Aと呼ぶ。
【0038】
同様に、第1種非登録移動体30Bのうち入場側に位置するものを第1種入場側非登録移動体230B(入場側非登録移動体)と呼び、退場側に位置するものを第1種退場側非登録移動体330Bと呼ぶ。同様に、第2種非登録移動体30Cのうち入場側に位置するものを第2種入場側非登録移動体230C(入場側非登録移動体)と呼び、退場側に位置するものを第2種退場側非登録移動体330Cと呼ぶ。
【0039】
入場側広域管理エリア240に子機20を装備する移動体30が進入し、親機10と子機20との間で第2の無線通信が確立すると、親機10は子機20との間で第1の無線通信を開始する。そして、親機10は、子機20から識別情報IDCの取得を試行する。子機20から識別情報IDCが取得でき、かつ、その識別情報IDCが登録情報記憶部62に記憶された登録情報IDRに含まれる場合、移動体識別部66は、当該子機20を登録子機20Aとして識別し、これを装備する移動体30を、入場側登録移動体230Aとして、移動を監視する。
【0040】
また、入場側広域管理エリア240の移動体30において、子機20から識別情報IDCが取得できなかった場合、または取得できた識別情報IDCが登録情報IDRに含まれない場合、移動体識別部66は、当該子機20を非登録子機20Bとして識別し、これを装備する移動体30を、第1種入場側非登録移動体230Bとして識別し、移動体位置管理部68は、その移動を監視する。また、入場側広域管理エリア240に子機20を装備しない移動体30が進入した場合に、移動体識別部66は、当該移動体30を第2種入場側非登録移動体230Cとして識別し、移動体位置管理部68は、その移動を監視する。
【0041】
また、退場側広域管理エリア340に子機20を装備する移動体30が進入し、親機10と子機20との間で第2の無線通信が確立すると、親機10は子機20との間で第1の無線通信を開始する。そして、親機10は、子機20から識別情報IDCの取得を試行する。子機20から識別情報IDCが取得でき、かつ、その識別情報IDCが登録情報記憶部62に記憶された登録情報IDRに含まれる場合、移動体識別部66は、当該子機20を登録子機20Aとして識別し、これを装備する移動体30を退場側登録移動体330Aとして識別し、移動体位置管理部68は、その移動を監視する。
【0042】
また、退場側広域管理エリア340の移動体30において、子機20から識別情報IDCが取得できなかった場合、または取得できた識別情報IDCが登録情報IDRに含まれない場合、移動体識別部66は、当該子機20を非登録子機20Bとして識別し、これを装備する移動体30を第1種退場側非登録移動体330Bとして識別し、移動体位置管理部68は、その移動を監視する。また、退場側広域管理エリア340に子機20を装備しない移動体30が進入した場合に、移動体識別部66は、当該移動体30を第2種退場側非登録移動体330Cとして識別し、移動体位置管理部68は、その移動を監視する。
【0043】
〈第2実施形態の動作〉
(事前設定)
本実施形態の移動体監視システム2においては、移動体30が入場側から退場側に移動しようとする場合、および退場側から入場側に移動しようとする場合に、制御部60はその適否を判定し、ドア82を施錠または開錠するものである。この移動体監視システム2を本運用する前段階のテスト運用において、作業員は、次の準備を遂行する。
(1)入場側親機アンテナ212を介して親機10が第2の無線通信をするための通信範囲として入場側広域管理エリア240および入場側狭域管理エリア250を設定する。
【0044】
(2)さらに入場側広域管理エリア240と同一(若干の誤差があってもよい)の範囲で入場側センサ部214の検知範囲を設定する。
(3)退場側親機アンテナ312を介して親機10が第2の無線通信をするための通信範囲として退場側広域管理エリア340および退場側狭域管理エリア350を設定する。
(4)さらに退場側広域管理エリア340と同一(若干の誤差があってもよい)の範囲で退場側センサ部314の検知範囲を設定する。
【0045】
(5)制御部60の登録情報記憶部62に、一または複数の登録情報IDRを記憶する。複数の登録情報IDRを記憶する場合は、それぞれの登録情報IDRをユニークなものとして、重複の無いものを使用する。
(6)記憶した一または複数の登録情報IDRを選択し、各々の登録情報IDRを、規制エリア300に対する入退場を許可すべき、同数の子機20の識別情報IDCとして設定する。これにより、これら子機20は、規制エリア300に対する入場および規制エリア300からの退場が許可された登録子機20Aになる。
(7)ドア制御部70を介して施錠開錠装置84に開錠動作を指令する開錠指令信号を登録子機20Aが送信できるように、登録子機20Aに開錠指令手段を設定する。この開錠指令手段は、登録子機20Aに設置したハードウエア(例えば、ボタンと送信回路)であってもよいし、ソフトウエア(例えば、アイコン+端末の通信機能)であってもよい。
【0046】
(本運用の動作)
次に、移動体監視システム2の本運用における動作を説明する。
なお、以下の説明においては、主として外部エリア200から規制エリア300に移動体30が移動する場合の動作について述べる。規制エリア300から外部エリア200に移動体30が移動する場合には、例えば「入場」と「退場」とが入れ替わる等、動作が相似形になるため、説明を省略する。
【0047】
(1)移動体30に子機20が装備されているとする。当該子機20は、常に第2のプロトコルP2によってペアリング情報を送信している。ここで、当該移動体30が入場側広域管理エリア240に進入すると、親機10と子機20との間でペアリングが成立し、第2の無線通信が確立する。その後、親機10と子機20との間で、第1のプロトコルP1による第1の無線通信が確立する。
【0048】
第1のプロトコルP1において、親機10は子機20から識別情報IDCを受信する。この識別情報IDCが、登録情報記憶部62に記憶されている何れかの登録情報IDRと一致したとする。すると、移動体識別部66は、該子機20を登録子機20Aとして識別し、この登録子機20Aを装備した移動体30を入場側登録移動体230Aとして識別する。そして、移動体位置管理部68は、第1の無線通信によって登録子機20Aおよび入場側登録移動体230Aの存在位置を管理し、これらの移動を監視する。
【0049】
また、親機10が子機20から何れかの登録情報IDRと一致する識別情報IDCを取得できなかった場合、移動体識別部66は、該子機20を非登録子機20Bとして識別し、この非登録子機20Bを装備した移動体30を第1種入場側非登録移動体230Bとして識別する。そして、移動体位置管理部68は、第1の無線通信によって該非登録子機20Bおよび第1種入場側非登録移動体230Bの存在位置を管理し、これらの移動を監視する。
【0050】
(2)ドア制御部70は、移動体位置管理部68から供給された各移動体30の位置情報に基づいて、入場側狭域管理エリア250に入場側登録移動体230Aが進入したことを確認したとする。この場合、ドア制御部70は、狭域管理エリア50(すなわち入場側狭域管理エリア250または退場側狭域管理エリア350)に第1種非登録移動体30Bまたは第2種非登録移動体30Cが位置するか否かを判定する。
【0051】
そして、何れの狭域管理エリア50にも、第1種非登録移動体30Bまたは第2種非登録移動体30Cが存在しないと判定した場合、ドア制御部70は、開錠信号を施錠開錠装置84に送信してドア82を開錠する。さらに、施錠開錠装置84はドア82を自動開扉してもよい。その後、ドア制御部70は、入場側登録移動体230Aであった移動体30が退場側広域管理エリア340に移動したことを確認すると、施錠信号を施錠開錠装置84に送信してドア82を自動閉扉し施錠する。このように、本実施形態によれば、狭域管理エリア50に非登録移動体30B,30Cが位置しないことを条件としてドア82を開錠するため、これによって共連れを防止できる。
【0052】
(3)また、ドア制御部70が、入場側狭域管理エリア250に入場側登録移動体230Aが進入したことを確認し、さらに狭域管理エリア50に第1種入場側非登録移動体230Bまたは第2種入場側非登録移動体230Cが位置することを確認したとする。この場合、ドア制御部70は、登録子機20Aから開錠指令信号が供給されるまで、ドア82を開錠しない。
【0053】
一方、登録子機20Aにおける開錠指令手段が操作され、開錠指令信号が親機10を介してドア制御部70に供給されると、ドア制御部70は、開錠信号を施錠開錠装置84に送信してドア82を開錠させる。さらに、施錠開錠装置84は、ドア82を自動開扉してもよい。すなわち、規制エリア300への入退場が許可された登録移動体30Aは、登録子機20Aを操作して、共連れを許可することができる。ここで、入場側登録移動体230Aと、第1種入場側非登録移動体230Bまたは第2種入場側非登録移動体230Cと、が共に退場側広域管理エリア340に移動したとする。ドア制御部70は、両者が共に退場側広域管理エリア340に移動したことを確認すると、施錠信号を施錠開錠装置84に送信することにより、ドア82を自動閉扉させ施錠させる。
【0054】
[実施形態の効果]
以上のように上述した実施形態によれば、制御部60は、第1のエリア(50)内に位置する移動体30の存在位置を管理する移動体位置管理部68と、第1のエリア(50)内に位置する移動体30を、ドア82の通過が許可された子機20である登録子機20Aを装備した登録移動体30Aと、それ以外の移動体30である非登録移動体30B,30Cと、に分類する移動体識別部66と、登録移動体30Aが第1のエリア(50)内に位置し、かつ、非登録移動体30B,30Cが第1のエリア(50)内に位置しない場合に施錠開錠装置84にドア82を開錠させ、登録移動体30Aが第1のエリア(50)内に位置し、かつ、非登録移動体30B,30Cが第1のエリア(50)内に位置する場合には、登録移動体30Aにおいて所定の操作が行われたことを条件として、施錠開錠装置84にドア82を開錠させるドア制御部70と、を備える。これにより、小規模な設備構成で共連れ防止を実現できる。
【0055】
また、センサ部14は、第1のエリア(50)を含み、第1のエリア(50)よりも広い第2のエリア(40)内に位置する移動体30を監視するものであり、親機10は、第2のエリア(40)内に位置する子機20から、第1のプロトコルP1による無線通信によって識別情報IDCの取得を試行するものであり、移動体位置管理部68は、第1のエリア(50)に加えて第2のエリア(40)内に位置する移動体30の存在位置を管理するものであり、移動体識別部66は、第2のエリア(40)内に位置する子機20から送信された識別情報IDCに基づいて、何れかの子機20を登録子機20Aとして識別し、登録子機20Aを装備する移動体30を登録移動体30Aとして識別する機能と、登録子機20A以外の子機20を装備する移動体30を、非登録移動体30B,30Cの一種である第1種非登録移動体30Bとして識別する機能と、子機20を装備しない移動体30を、非登録移動体30B,30Cの他の一種である第2種非登録移動体30Cとして識別する機能と、を備えると一層好ましい。
【0056】
これにより、第1のエリア(50)よりも広い第2のエリア(40)内に位置する移動体30を監視できる。さらに、非登録移動体30B,30Cを第1種非登録移動体30Bおよび第2種非登録移動体30Cに分類するため、非登録移動体30B,30Cを一層高精度に識別できる。
【0057】
また、子機20は、親機10に対して第2のプロトコルP2による無線通信によってペアリング情報を送信する機能を有し、親機10は、第2のエリア(40)に位置する子機20から第2のプロトコルP2による無線通信によってペアリング情報を取得すると、子機20との間で第1のプロトコルP1に基づく無線通信を確立する機能を有すると一層好ましい。これにより、第2のプロトコルP2として、子機20の消費電力を第1のプロトコルP1よりも低減できるものを採用することができ、子機20における電力消費を低減できる。
【0058】
また、移動体位置管理部68は、何れかの登録移動体30Aが第1のエリア(50)に進入した場合に、その旨を示す情報をドア制御部70に供給すると一層好ましい。これにより、ドア制御部70は、施錠開錠装置84を介してドア82を制御することができる。
【0059】
また、制御部60は、各々の登録子機20Aに対して、重複することなく一対一に対応付けられている一または複数の登録情報IDRを記憶する登録情報記憶部62から登録情報IDRを取得する登録情報取得部64をさらに備え、移動体識別部66は、何れかの登録情報IDRに一致する識別情報IDCを送信した子機20を登録子機20Aとして識別すると一層好ましい。これにより、移動体識別部66は、各子機20が登録子機20Aであるか否かを迅速に判定できる。
【0060】
また、第1のプロトコルP1はIEEE標準規格「802.15.4z」に基づくものであり、第2のプロトコルP2はIEEE標準規格「802.15.1」に基づくものであり、センサ部14は、LiDARセンサを含むと一層好ましい。これにより、正確に移動体30を管理できる移動体監視システムを安価に構成することができる。
【0061】
また、ドア82は規制エリア300と外部エリア200との間に設けられているものであり、親機アンテナ12は、外部エリア200における第1のエリア(50)である第1の入場側エリア(250)に設けられた、入場側親機アンテナ212と、規制エリア300における第1のエリア(50)である第1の退場側エリア(350)に設けられた、退場側親機アンテナ312と、を備え、センサ部14は、第1の入場側エリア(250)に設けられた入場側センサ部214と、第1の退場側エリア(350)に設けられた、退場側センサ部314と、を備え、制御部60は、子機20から何れかの登録情報IDRに一致する識別情報IDCを取得した場合に子機20を登録子機20Aとして識別し、それ以外の子機20を非登録子機20Bとして識別する機能と、外部エリア200における第2のエリア(40)である第2の入場側エリア(240)において子機20を装備する移動体30が位置し、親機10と子機20との間で第2のプロトコルP2による通信が確立すると、親機10と子機20との間で第1のプロトコルP1による通信を開始させる機能と、登録子機20Aを装備し外部エリア200に位置する移動体30を入場側登録移動体230Aとして識別して移動を監視する機能と、非登録子機20Bを装備し外部エリア200に位置する移動体30を第1種入場側非登録移動体230Bとして識別して移動を監視する機能と、子機20を装備せず外部エリア200に位置する移動体30を第2種入場側非登録移動体230Cとして識別して移動を監視する機能と、規制エリア300における第2のエリア(40)である第2の退場側エリア(340)において子機20を装備する移動体30が位置し、親機10と子機20との間で第2のプロトコルP2による通信が確立すると、親機10と子機20との間で第1のプロトコルP1による通信を開始させる機能と、登録子機20Aを装備し規制エリア300に位置する移動体30を退場側登録移動体330Aとして識別して移動を監視する機能と、非登録子機20Bを装備し外部エリア200に位置する移動体30を第1種退場側非登録移動体330Bとして識別して移動を監視する機能と、子機20を装備せず外部エリア200に位置する移動体30を第2種退場側非登録移動体330Cとして識別して移動を監視する機能と、を備えると一層好ましい。これにより、外部エリア200および規制エリア300における移動体30をより精密に監視することができる。
【0062】
また、ドア制御部70は、第1の入場側エリア(250)に入場側登録移動体230Aが位置し、第1の入場側エリア(250)に第1種入場側非登録移動体230Bまたは第2種入場側非登録移動体230Cの何れもが位置しない場合に、施錠開錠装置84に開錠信号を送信してドア82を開錠させる機能と、施錠開錠装置84に開錠信号を送信した後、入場側登録移動体230Aが第1の退場側エリア(350)に移動したことを条件として、施錠開錠装置84に施錠信号を送信してドア82を施錠させる機能と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、第1の入場側エリア(250)から第1の退場側エリア(350)に入場側登録移動体230Aが移動する場合に、ドア82を適切に開錠し、施錠することができる。
【0063】
また、ドア制御部70は、第1の退場側エリア(350)に退場側登録移動体330Aが位置し、第1の退場側エリア(350)に第1種退場側非登録移動体330Bまたは第2種退場側非登録移動体330Cの何れもが位置しない場合に、施錠開錠装置84に開錠信号を送信してドア82を開錠させる機能と、施錠開錠装置84に開錠信号を送信した後、退場側登録移動体330Aが第1の入場側エリア(250)に移動したことを条件として、施錠開錠装置84に施錠信号を送信してドア82を施錠させる機能と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、第1の退場側エリア(350)から第1の入場側エリア(250)に退場側登録移動体330Aが移動する場合に、ドア82を適切に開錠し、施錠することができる。
【0064】
また、ドア制御部70は、入場側登録移動体230Aと、第1種入場側非登録移動体230Bまたは第2種入場側非登録移動体230Cである入場側非登録移動体230B,230Cと、が共に第1の入場側エリア(250)に位置し、かつ、入場側登録移動体230Aが装備する登録子機20Aから所定の開錠指令信号が出力されると、施錠開錠装置84に開錠信号を送信してドア82を開錠させる機能と、施錠開錠装置84に開錠信号を送信した後、入場側登録移動体230Aと入場側非登録移動体230B,230Cと、が共に第1の退場側エリア(350)に移動したことを条件として、施錠開錠装置84に施錠信号を送信してドア82を施錠させる機能と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、必要に応じて共連れを許容することができる。
【0065】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0066】
(1)上記各実施形態においては、登録移動体30A以外の非登録移動体を第1種非登録移動体30Bおよび第2種非登録移動体30Cに分類したが、両者は必ずしも分類する必要はなく、非登録移動体を全て第2種非登録移動体30Cとみなしてもよい。但し、上記実施形態のように、非登録移動体を第1種非登録移動体30Bおよび第2種非登録移動体30Cに分類することにより、非登録移動体の識別、管理が容易になるという利点がある。例えば、多数の非登録移動体が密集している場合、センサ部14による検出結果のみでは、個々の非登録移動体を弁別することが困難になる場合がある。このような場合、非登録移動体の少なくとも一部を第1種非登録移動体30Bとして管理することにより、他の移動体30とは弁別できるため、個々の非登録移動体を精密に弁別できるようになる。
【0067】
(2)また、上記各実施形態において、子機20は第1および第2のプロトコルP1,P2の双方を用いて親機10と通信した。その理由は、子機20は第2のプロトコルP2によるペアリング情報を常時送信するため、そのための消費電力を低減するためであった。しかし、特に子機20の消費電力を考慮する必要が無い場合、第2のプロトコルP2は用いなくてもよい。すなわち、子機20は第1のプロトコルP1を用いてペアリング情報を常時送信してもよい。
【0068】
(3)上記実施形態における制御部60のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体(プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0069】
(4)上述した各処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0070】
(5)登録情報記憶部62は、ネットワーク(図示せず)上のクラウド等に置いてもよく、制御部60に含めなくてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,2 移動体監視システム
10 親機
12 親機アンテナ
14 センサ部
20 子機
20A 登録子機
20B 非登録子機
30 移動体
30A 登録移動体
30B 非登録移動体、第1種非登録移動体
30C 非登録移動体、第2種非登録移動体
40 広域管理エリア(第2のエリア)
50 狭域管理エリア(第1のエリア)
60 制御部
62 登録情報記憶部
64 登録情報取得部
66 移動体識別部(移動体識別過程)
68 移動体位置管理部(移動体位置管理過程)
70 ドア制御部(ドア制御過程)
82 ドア
84 施錠開錠装置
200 外部エリア
212 入場側親機アンテナ
214 入場側センサ部
230A 入場側登録移動体
230B 第1種入場側非登録移動体(入場側非登録移動体)
230C 第2種入場側非登録移動体(入場側非登録移動体)
240 入場側広域管理エリア(第2の入場側エリア)
250 入場側狭域管理エリア(第1の入場側エリア)
300 規制エリア
312 退場側親機アンテナ
314 退場側センサ部
330A 退場側登録移動体
330B 第1種退場側非登録移動体
330C 第2種退場側非登録移動体
340 退場側広域管理エリア(第2の退場側エリア)
350 退場側狭域管理エリア(第1の退場側エリア)
P1 第1のプロトコル
P2 第2のプロトコル
IDC 識別情報
IDR 登録情報
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、
ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、
前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理部と、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別部と、
前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御部と、を備え、
前記センサ部は、前記第1のエリアを含み、前記第1のエリアよりも広い第2のエリア内に位置する前記移動体を監視するものであり、
前記親機は、前記第2のエリア内に位置する前記子機から、第1のプロトコルによる無線通信によって識別情報の取得を試行するものであり、
前記移動体位置管理部は、前記第1のエリアに加えて前記第2のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理するものであり、
前記移動体識別部は、
前記第2のエリア内に位置する前記子機から送信された前記識別情報に基づいて、何れかの前記子機を前記登録子機として識別し、前記登録子機を装備する前記移動体を前記登録移動体として識別する機能と、
前記登録子機以外の前記子機を装備する前記移動体を、前記非登録移動体の一種である第1種非登録移動体として識別する機能と、
前記子機を装備しない前記移動体を、前記非登録移動体の他の一種である第2種非登録移動体として識別する機能と、を備える
ことを特徴とする移動体監視システム。
【請求項2】
前記子機は、前記親機に対して第2のプロトコルによる無線通信によってペアリング情報を送信する機能を有し、
前記親機は、前記第2のエリアに位置する前記子機から前記第2のプロトコルによる無線通信によって前記ペアリング情報を取得すると、前記子機との間で前記第1のプロトコルに基づく無線通信を確立する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体監視システム。
【請求項3】
前記移動体位置管理部は、何れかの前記登録移動体が前記第1のエリアに進入した場合に、その旨を示す情報を前記ドア制御部に供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体監視システム。
【請求項4】
各々の前記登録子機に対して、重複することなく一対一に対応付けられている一または複数の登録情報を記憶する登録情報記憶部から前記登録情報を取得する登録情報取得部をさらに備え、
前記移動体識別部は、何れかの前記登録情報に一致する前記識別情報を送信した前記子機を前記登録子機として識別する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体監視システム。
【請求項5】
前記第1のプロトコルはIEEE標準規格「802.15.4z」に基づくものであり、
前記第2のプロトコルはIEEE標準規格「802.15.1」に基づくものであり、
前記センサ部は、LiDARセンサを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体監視システム。
【請求項6】
前記ドアは規制エリアと外部エリアとの間に設けられているものであり、
前記親機アンテナは、前記外部エリアにおける前記第1のエリアである第1の入場側エリアに設けられた、入場側親機アンテナと、前記規制エリアにおける前記第1のエリアである第1の退場側エリアに設けられた、退場側親機アンテナと、を備え、
前記センサ部は、前記第1の入場側エリアに設けられた入場側センサ部と、前記第1の退場側エリアに設けられた、退場側センサ部と、を備え、
前記制御部は、
前記子機から何れかの前記登録情報に一致する前記識別情報を取得した場合に前記子機を前記登録子機として識別し、それ以外の前記子機を非登録子機として識別する機能と、
前記外部エリアにおける前記第2のエリアである第2の入場側エリアにおいて前記子機を装備する前記移動体が位置し、前記親機と前記子機との間で前記第2のプロトコルによる通信が確立すると、前記親機と前記子機との間で前記第1のプロトコルによる通信を開始させる機能と、
前記登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を入場側登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記非登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を第1種入場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記子機を装備せず前記外部エリアに位置する前記移動体を第2種入場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記規制エリアにおける前記第2のエリアである第2の退場側エリアにおいて前記子機を装備する前記移動体が位置し、前記親機と前記子機との間で前記第2のプロトコルによる通信が確立すると、前記親機と前記子機との間で前記第1のプロトコルによる通信を開始させる機能と、
前記登録子機を装備し前記規制エリアに位置する前記移動体を退場側登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記非登録子機を装備し前記外部エリアに位置する前記移動体を第1種退場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、
前記子機を装備せず前記外部エリアに位置する前記移動体を第2種退場側非登録移動体として識別して移動を監視する機能と、を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の移動体監視システム。
【請求項7】
前記ドア制御部は、
前記第1の入場側エリアに前記入場側登録移動体が位置し、前記第1の入場側エリアに前記第1種入場側非登録移動体または前記第2種入場側非登録移動体の何れもが位置しない場合に、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記入場側登録移動体が前記第1の退場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載の移動体監視システム。
【請求項8】
前記ドア制御部は、
前記第1の退場側エリアに前記退場側登録移動体が位置し、前記第1の退場側エリアに前記第1種退場側非登録移動体または前記第2種退場側非登録移動体の何れもが位置しない場合に、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記退場側登録移動体が前記第1の入場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載の移動体監視システム。
【請求項9】
前記ドア制御部は、
前記入場側登録移動体と、前記第1種入場側非登録移動体または前記第2種入場側非登録移動体である入場側非登録移動体と、が共に前記第1の入場側エリアに位置し、かつ、前記入場側登録移動体が装備する前記登録子機から所定の開錠指令信号が出力されると、前記施錠開錠装置に開錠信号を送信して前記ドアを開錠させる機能と、
前記施錠開錠装置に前記開錠信号を送信した後、前記入場側登録移動体と前記入場側非登録移動体と、が共に前記第1の退場側エリアに移動したことを条件として、前記施錠開錠装置に施錠信号を送信して前記ドアを施錠させる機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体監視システム。
【請求項10】
親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、制御部と、を備える移動体監視システムに適用される移動体監視方法であって、
前記制御部が、前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理過程と、
前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別過程と、
前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御過程と、を実行し、
前記センサ部は、前記第1のエリアを含み、前記第1のエリアよりも広い第2のエリア内に位置する前記移動体を監視するものであり、
前記親機は、前記第2のエリア内に位置する前記子機から、第1のプロトコルによる無線通信によって識別情報の取得を試行するものであり、
前記移動体位置管理過程は、前記第1のエリアに加えて前記第2のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理するものであり、
前記移動体識別過程は、
前記第2のエリア内に位置する前記子機から送信された前記識別情報に基づいて、何れかの前記子機を前記登録子機として識別し、前記登録子機を装備する前記移動体を前記登録移動体として識別するステップと、
前記登録子機以外の前記子機を装備する前記移動体を、前記非登録移動体の一種である第1種非登録移動体として識別するステップと、
前記子機を装備しない前記移動体を、前記非登録移動体の他の一種である第2種非登録移動体として識別するステップと、を実行するものである
ことを特徴とする移動体監視方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の移動体監視システムは、親機アンテナを介して子機と無線通信する親機と、ドアの周辺における第1のエリア内に位置する移動体を監視するセンサ部と、前記ドアを施錠または開錠する施錠開錠装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理する移動体位置管理部と、前記第1のエリア内に位置する前記移動体を、前記ドアの通過が許可された前記子機である登録子機を装備した登録移動体と、それ以外の前記移動体である非登録移動体と、に分類する移動体識別部と、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置しない場合に前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させ、前記登録移動体が前記第1のエリア内に位置し、かつ、前記非登録移動体が前記第1のエリア内に位置する場合には、前記登録移動体において所定の操作が行われたことを条件として、前記施錠開錠装置に前記ドアを開錠させるドア制御部と、を備え、前記センサ部は、前記第1のエリアを含み、前記第1のエリアよりも広い第2のエリア内に位置する前記移動体を監視するものであり、前記親機は、前記第2のエリア内に位置する前記子機から、第1のプロトコルによる無線通信によって識別情報の取得を試行するものであり、前記移動体位置管理部は、前記第1のエリアに加えて前記第2のエリア内に位置する前記移動体の存在位置を管理するものであり、前記移動体識別部は、前記第2のエリア内に位置する前記子機から送信された前記識別情報に基づいて、何れかの前記子機を前記登録子機として識別し、前記登録子機を装備する前記移動体を前記登録移動体として識別する機能と、前記登録子機以外の前記子機を装備する前記移動体を、前記非登録移動体の一種である第1種非登録移動体として識別する機能と、前記子機を装備しない前記移動体を、前記非登録移動体の他の一種である第2種非登録移動体として識別する機能と、を備えることを特徴とする。