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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117553
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】配車管理装置及び配車管理方法並びに配車管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240822BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240822BHJP
【ＦＩ】
G08G1/123 A
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023023700
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】福山 祥代
(72)【発明者】
【氏名】平林 知己
【テーマコード（参考）】
2F129
5H181
【Ｆターム（参考）】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129DD30
2F129DD32
2F129EE52
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF63
5H181AA01
5H181AA15
5H181BB04
5H181FF11
5H181FF13
5H181FF21
5H181MA48
(57)【要約】
【課題】ルート計算の精度を向上させ、車両の計算負荷や通信負荷を軽減する。
【解決手段】本発明は、配車要求に応じて車両の配車を管理する配車管理装置である。前記装置は、地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルと、前記車両の車載地図情報レベルを含む車両情報を記憶する車両情報データベースと、乗降希望地を含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する配車計画を作成し特定の前記車両に対する配車計画を確定する配車計画策定部と、前記配車計画を前記特定の車両に送信する配車指示部とを備える。前記配車計画策定部は、前記乗降希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含む。
【選択図】図２
【解決手段】本発明は、配車要求に応じて車両の配車を管理する配車管理装置である。前記装置は、地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルと、前記車両の車載地図情報レベルを含む車両情報を記憶する車両情報データベースと、乗降希望地を含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する配車計画を作成し特定の前記車両に対する配車計画を確定する配車計画策定部と、前記配車計画を前記特定の車両に送信する配車指示部とを備える。前記配車計画策定部は、前記乗降希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含む。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配車要求に応じて車両の配車を管理する配車管理装置であって、
地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルと、
複数の車両の各々の車両情報であって、前記車両が有する車載地図情報レベルを含む前記車両情報を記憶する車両情報データベースと、
乗車希望地、降車希望地、及び目的地の少なくともいずれかを含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、
取得された前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する走行ルートを作成し、前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定する配車計画策定部と、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信する配車指示部と、を備え、
前記配車計画策定部は、前記走行ルートに基づいて前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含む、
配車管理装置。
地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルと、
複数の車両の各々の車両情報であって、前記車両が有する車載地図情報レベルを含む前記車両情報を記憶する車両情報データベースと、
乗車希望地、降車希望地、及び目的地の少なくともいずれかを含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、
取得された前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する走行ルートを作成し、前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定する配車計画策定部と、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信する配車指示部と、を備え、
前記配車計画策定部は、前記走行ルートに基づいて前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含む、
配車管理装置。
【請求項2】
前記候補車両抽出部は、前記候補となる車両に対してルート計算処理を要求し、前記候補となる車両から取得したルート計算処理結果に基づいて、前記候補となる車両を絞り込み選択する、
請求項１に記載の配車管理装置。
請求項１に記載の配車管理装置。
【請求項3】
前記候補車両抽出部は、前記乗車希望地と前記ルート計算処理結果が示す乗車地との間の地理的位置関係に基づいて、前記前記候補となる車両を絞り込み選択する、
請求項２に記載の配車管理装置。
請求項２に記載の配車管理装置。
【請求項4】
前記候補車両抽出部は、前記ルート計算処理結果に基づいて、前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出することができなかった場合、前記必要地図情報レベルを緩和して前記車両を抽出する、
請求項２に記載の配車管理装置。
請求項２に記載の配車管理装置。
【請求項5】
前記候補車両抽出部は、前記配車要求が待ち時間優先を示す場合に、前記配車要求が示す希望予約時刻に対する前記候補となる車両が前記乗車地へ到着するまでの到着遅延時間を緩和するよりも前記必要地図情報レベルを優先的に緩和して前記車両を抽出する、
請求項３に記載の配車管理装置。
請求項３に記載の配車管理装置。
【請求項6】
前記候補車両抽出部は、前記ルート計算処理結果に基づいて、前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出することができなかった場合、前記配車要求が示す希望予約時刻に対する前記候補となる車両が前記乗車地へ到着するまでの到着遅延時間を緩和して前記車両を抽出する、
請求項３に記載の配車管理装置。
請求項３に記載の配車管理装置。
【請求項7】
前記候補車両抽出部は、前記配車要求が待ち時間優先を示す場合に、前記必要地図情報レベルを緩和するよりも前記到着遅延時間を優先的に緩和して前記車両を抽出する、
請求項６に記載の配車管理装置。
請求項６に記載の配車管理装置。
【請求項8】
前記候補車両抽出部は、前記乗車希望地と前記ルート計算処理結果が示す乗車地との間の地理的位置関係に基づいて、徒歩ルートを決定するとともに前記徒歩ルートでの徒歩時間を算出する、
請求項３に記載の配車管理装置。
請求項３に記載の配車管理装置。
【請求項9】
前記候補車両抽出部は、前記徒歩時間並びに前記ルート計算処理結果が示す待ち時間及び乗車時間をパラメータとする所定の評価関数の値に従って、前記車両を抽出する、
請求項８に記載の配車管理装置。
請求項８に記載の配車管理装置。
【請求項10】
前記候補車両抽出部は、前記ユーザの特性に応じて前記パラメータに重み係数が設定された前記所定の評価関数の値に従って、前記車両を抽出する、
請求項９に記載の配車管理装置。
請求項９に記載の配車管理装置。
【請求項11】
少なくとも前記乗車地並びに前記乗車希望地から前記乗車地までの徒歩ルート及び徒歩時間を含む前記配車計画を前記ユーザに提案する配車計画提案部を更に備える、
請求項３に記載の配車管理装置。
請求項３に記載の配車管理装置。
【請求項12】
前記配車計画策定部は、前記乗車希望地及び前記降車希望地の各々によって示される前記グリッドに対する前記必要地図情報レベルを決定する必要地図情報レベル決定部を更に含む、
請求項１に記載の配車管理装置。
請求項１に記載の配車管理装置。
【請求項13】
前記配車計画策定部は、前記車載地図情報レベルを前記車両から取得する車載地図情報レベル取得部を更に備える、
請求項１に記載の配車管理装置。
請求項１に記載の配車管理装置。
【請求項14】
複数の車両と、配車要求に応じて前記複数の車両の各々に対する配車を管理する配車管理装置とを備える配車管理システムであって、
前記配車管理装置は、
地図情報及び前記地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルを記憶する地図情報データベースと、
複数の車両の各々の車両情報であって、前記車両が有する車載地図情報レベルを含む前記車両情報を記憶する車両情報データベースと、
乗車希望地、降車希望地、及び目的地の少なくともいずれかを含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、
取得された前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する走行ルートを作成し、前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定する配車計画策定部と、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信する配車指示部と、を備え、
前記配車計画策定部は、前記走行ルートに基づいて前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含み、
前記候補車両抽出部は、前記候補となる車両に対してルート計算処理を要求し、前記候補となる車両から取得したルート計算処理結果に基づいて、前記候補となる車両を絞り込み選択し、
前記候補となる車両は、前記ルート計算処理の要求に応答して、該車両が走行すべき前記走行ルートを計算し、計算された前記走行ルートを含む前記ルート計算処理結果を出力する、
配車管理システム。
前記配車管理装置は、
地図情報及び前記地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルを記憶する地図情報データベースと、
複数の車両の各々の車両情報であって、前記車両が有する車載地図情報レベルを含む前記車両情報を記憶する車両情報データベースと、
乗車希望地、降車希望地、及び目的地の少なくともいずれかを含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、
取得された前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する走行ルートを作成し、前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定する配車計画策定部と、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信する配車指示部と、を備え、
前記配車計画策定部は、前記走行ルートに基づいて前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含み、
前記候補車両抽出部は、前記候補となる車両に対してルート計算処理を要求し、前記候補となる車両から取得したルート計算処理結果に基づいて、前記候補となる車両を絞り込み選択し、
前記候補となる車両は、前記ルート計算処理の要求に応答して、該車両が走行すべき前記走行ルートを計算し、計算された前記走行ルートを含む前記ルート計算処理結果を出力する、
配車管理システム。
【請求項15】
配車要求に応じて車両の配車を管理する配車管理装置による配車管理方法であって、
少なくとも乗車希望地及び降車希望地を含む配車要求を端末装置から取得することと、
地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルを参照して、前記乗車希望地及び降車希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを決定することと、
前記車両が有する車載地図情報レベルを含む車両情報を記憶する車両情報データベースを参照して、前記車両が有する車載地図情報レベルを取得することと、
前記乗車希望地及び前記降車希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を候補となる車両として抽出することと、
抽出された前記候補となる車両に対する前記車両に対する走行ルートを作成することと、
前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定することと、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信することと、を含む、
配車管理方法。
少なくとも乗車希望地及び降車希望地を含む配車要求を端末装置から取得することと、
地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルを参照して、前記乗車希望地及び降車希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを決定することと、
前記車両が有する車載地図情報レベルを含む車両情報を記憶する車両情報データベースを参照して、前記車両が有する車載地図情報レベルを取得することと、
前記乗車希望地及び前記降車希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を候補となる車両として抽出することと、
抽出された前記候補となる車両に対する前記車両に対する走行ルートを作成することと、
前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する走行ルートを確定することと、
確定された前記走行ルートを前記特定の車両に送信することと、を含む、
配車管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の配車を管理する配車管理装置及び配車管理方法並びに配車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
モビリティサービスは、車両による乗客及び／又は荷物の運送（輸送）をスムーズに提供するサービスである。モビリティサービスでは、各車両の稼働率を高めつつ、ユーザの利便性を向上させるために、車両の効率的な配車が要求される。
【0003】
例えば、下記特許文献１は、車両の配車を伴うサービスにおいて、車両の配車のリアルタイム性の向上を図るとともに、車両の配車処理のための計算コストの増加を抑制する技術を開示している。具体的には、特許文献１に記載されたシステムは、サービス提供エリアを分割した複数の管理エリアの情報を含む地図情報を記憶し、サービス提供エリアにおける複数の車両の位置情報を含む車両情報を管理し、地図情報と車両情報とに基づいて複数の管理エリアの間の車両配分を制御する。また、該システムは、複数の管理エリアのそれぞれについて、管理エリアに割り当てられた計算機リソースにより、車両情報と利用者の端末装置から受信したサービス要求とに基づいて管理エリア内の配車ルートを演算して配車対象の車両を決定し、配車対象の車両に移動指示を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-22289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あるモビリティサービスでは、例えば、ユーザは、ある場所から目的地まで移動しようとする場合に、スマートフォンの配車アプリを用いて車両の割り当て（配車）を要求し、これに応答して、サーバ（配車管理装置）は、適切な車両を該ユーザに配車する。ユーザは、指定された場所（乗車地）で配車された車両に乗車し、目的地まで移動する。
【0006】
自動運転車両が保持する地図情報は、バージョンの違いやルート学習の状況等により車両ごとにその情報レベル（詳細度）が異なっている。したがって、車両によっては、サーバによるルート計算処理の要求に応えられないことがある。例えば、例えば、ある車両の地図情報では、詳細度が低い（例：細街路の情報が欠けている。）ため、車両は、配車要求に基づく出発地及び／又は目的地にそもそも辿り着くためのルート計算処理を行うことができない。したがって、このような車両に対してもルート計算処理を行わせると、各種のリソースを消費してしまい無駄になるという不都合がある。
【0007】
そこで、本発明は、ルート計算処理の精度向上を図りつつ、車両の計算負荷やサーバとの通信負荷を軽減することができる配車管理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、ある観点に従う本発明は、配車要求に応じて車両の配車を管理する配車管理装置である。前記配車管理装置は、地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する必要地図情報レベルを定義するマッピングテーブルと、複数の車両の各々の車両情報であって、前記車両が有する車載地図情報レベルを含む前記車両情報を記憶する車両情報データベースと、乗車希望地、降車希望地、及び目的地の少なくともいずれかを含む配車要求を端末装置から取得する配車要求取得部と、取得された前記配車要求に基づいて前記複数の車両の中から抽出される候補となる前記車両に対する配車計画を作成し、前記候補となる車両のうちの特定の前記車両に対する配車計画を確定する配車計画策定部と、確定された前記配車計画を前記特定の車両に送信する配車指示部とを備える。前記配車計画策定部は、前記乗車希望地及び前記降車希望地の各々に対する前記必要地図情報レベルを満たす前記車載地図情報レベルを有する前記車両を前記候補となる車両として抽出する候補車両抽出部を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの配車要求に基づくルート計算処理に対応し得る車両を選別するので、配車要求に対応可能な車両にのみルート計算処理を行わせることができるようになり、車両の計算負荷やサーバ（配車管理装置）との通信負荷を必要最小限に抑えることができるようになる。また、本発明によれば、自動運転車両が、保持する地図情報を用いてルート計算処理を行うので、ルート計算処理結果の精度を向上させることができるようになる。
【0010】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
［第１の実施形態］
本実施形態は、配車管理装置が、ユーザの配車要求に応答して、複数の車両Ｖの中から、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせることを特徴とする。
本実施形態は、配車管理装置が、ユーザの配車要求に応答して、複数の車両Ｖの中から、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせることを特徴とする。
【0013】
図１は、本発明の一実施形態に係る配車管理システムの全体構成の一例を説明する図である。同図に示すように、配車管理システム１は、配車管理装置１０と、端末装置２０と、車両Ｖを含み、これらは通信ネットワークＮを介して相互に通信可能に接続される。また、配車管理システム１は、リアルタイムで種々の交通情報を提供する道路交通情報管理システム３０に通信ネットワークＮを介して接続され得る。
【0014】
本開示の配車管理システム１は、例えば、ある地域を対象にした、複数の車両Ｖを用いた配車サービスを提供する。配車サービスは、オンデマンド方式であっても良いし、予約方式であっても良い。「オンデマンド方式による配車サービス」は、ユーザからの配車要求に即時に応答して、該ユーザに所定の車両を割り当てる（配車する）サービス形態である。つまり、オンデマンド方式による配車サービスでは、ユーザが指定する配車予約日時は存在しない。また、「即時に応答」とは、ユーザからの配車要求に対して間髪入れずに配車するだけでなく、ユーザが通常許容し得るようなある程度の幅をもった時間を含む概念である。一方、「予約方式による配車サービス」とは、配車希望日時が指定されたユーザの配車要求に応答して、該配車希望日時に基づいた配車予約日時での配車の割り当てを予約するサービス形態である。以下では、予約方式による配車サービスを前提とした配車管理システム１について説明するものとする。また、車両Ｖは、自律走行可能な無人運転型車両であるものとするが、いわゆるドライバが運転する有人運転型車両を排除するものではない。
【0015】
配車管理装置１０は、対象地域における複数の車両Ｖによる配車サービスを統括的に管理するコンピューティングデバイスである。配車管理装置１０は、例えば配車管理サーバプログラムを実装し、プロセッサの制御の下、配車管理サーバプログラムを実行することにより、本開示の配車サービスを実現する。
【0016】
配車管理装置１０は、かかる配車サービスを実現するために必要なデータを蓄積し管理する各種のデータベース１２を含む。データベース１２は、後述するように、例えば、ユーザ情報データベース１２ａと、地図情報データベース１２ｂと、車両情報データベース１２ｃと、配車計画データベース１２ｄと、運行履歴情報データベース１２ｅとを含み構成される（図２参照）。本例では、データベース１２は、配車管理装置１０の一部として構成されているが、これに限られず、その全部又は一部が配車管理装置１０とは別体に構成されても良い。
【0017】
概略的には、配車管理装置１０は、ある時刻に車両Ｖによる目的地までの移動のための配車を希望するユーザから配車要求を受け付けて、該配車要求に基づいて複数の車両Ｖの中から抽出される候補となる車両Ｖ（候補車両ｖ）に対して配車計画（走行ルート等）を作成し、作成された配車計画の中から最適な特定の車両Ｖに対する配車計画を確定し、確定した配車計画に従った配車指示を該特定の車両Ｖに行う。配車計画の確定は、例えば、該配車計画の提案に対するユーザの承諾に応答して行われる。
【0018】
配車要求は、例えば、乗客であるユーザからの乗車のための配車要求であるが、これに限られず、荷主（荷物運送事業者又は一般ユーザ）であるユーザからの荷物運送のための配車要求であっても良い。配車要求は、例えば、ユーザ名、運送対象（乗客）、配車希望時刻（予約日時）、発着地（乗車地（出発地）及び降車地（目的地））、運送内容（人数）等に関する項目を含む。
【0019】
配車計画は、車両Ｖが待機する場所（起点となる待機場所）から、ユーザが乗り降りを行う途中の幾つかの地点（発着地）を経由して、終点となる待機場所（最初の待機場所と同じとは限らない。）までを定めた走行ルートを含む。配車計画は、車両Ｖが待機中であれば、新規の配車要求に基づいて新規に作成され、また、車両Ｖの運行中であれば、新規の配車要求に基づいて更新され得る。
【0020】
車両Ｖは、ユーザの利用に供される、車両情報データベース１２ｃに登録された車両である。車両Ｖの車種（例えば、セダン、ミニバン、ＳＵＶ等）は問わない。車両Ｖは、車載バッテリーを動力源とする電気自動車（ＥＶ）であっても良い。また、車両Ｖは、完全な自律走行可能な自動運転車であっても良く、いわゆる自動運転化レベルを問わない。車両Ｖは、配車管理装置１０による指示に従って車両Ｖ自体又はその搭載機器（例えばナビゲーション装置）を制御する制御装置４００を備える（図２参照）。制御装置４００は、例えば、ＧＰＳシステムを介して車両Ｖの地理的位置情報（以下「位置情報」という。）を取得し、これを配車管理装置１０に送信するとともに、配車管理装置１０から配車指示を受け付けて、車両Ｖの各種の機器又は装置の動作を制御する。制御装置４００は、例えば、配車計画に従った走行ルートをドライバに提示するナビゲーション機能や、無人運転型車両であれば、車両Ｖの走行ルートに基づく詳細な実走行ルートを決定し、実走行ルートに沿った自律走行制御機能を含む。
【0021】
また、本開示では、車両Ｖは、地図情報を格納するナビゲーションデータベース４４０を備える。地図情報は、その情報量レベル（詳細度）を示す地図情報レベルが関連付けられている。地図情報レベルは、例えば、詳細度に応じて０～９のスケールで示される。地図情報レベルは、典型的には、車両Ｖごとに相違する。このような地図情報レベルの相違は、車両Ｖのメーカーの相違や年式、データ更新頻度等に起因する。例えば、高い地図情報レベルの地図情報を保有する車両Ｖは、幹線道路のみならず生活道路のような細街路を含むルートを計画し走行することができる一方、低い地図情報レベルの地図情報を保有する車両Ｖは、幹線道路のような比較的広い道路のみを含むルートを計画し走行する。低い地図情報レベルの地図情報を保有する車両Ｖがユーザに配車される場合、幹線道路から離れた場所にいるユーザは、該車両Ｖに乗車するために幹線道路沿いの所定の乗車場所まで徒歩で移動することが要求される場合がある。
【0022】
端末装置２０は、例えば、乗車を希望するユーザがユーザインターフェースを操作して配車要求を行うためのコンピューティングデバイスである。端末装置２０は、例えばスマートフォンやパッドコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ等であるが、これらに限られない。端末装置２０は、例えば、配車管理クライアントプログラム（いわゆる配車アプリ）を実装する。端末装置２０は、プロセッサの制御の下、配車アプリを実行することにより、ユーザによる配車管理装置１０の配車サービスの利用を可能にする。例えば、ユーザは、端末装置２０のユーザインターフェース上の配車要求画面（図示せず）から配車要求を行い、これに応答して配車管理装置１０が作成した配車計画（走行ルート）を承諾することで、車両Ｖの乗車予約を行い得る。
【0023】
道路交通情報管理システム３０は、リアルタイムで道路交通情報を提供する情報通信システムである。例えば、道路交通情報管理システム３０は、道路に設置された車両センサ及びカメラから道路交通データを収集するとともに、車両Ｖに搭載された制御装置４００から走行データを収集し、これらを統合的に処理及び編集した道路交通情報を管理する。編集された道路交通情報は、例えば、通行止めや迂回ルートの情報、道路渋滞情報、特定のルート経由での地点間の所要時間等を含み得る。道路交通情報管理システム３０は、道路交通情報を配車管理装置１０及び車両Ｖに適宜に提供する。道路交通情報は、車両Ｖの走行ルート上での予想到着時刻及びエネルギー消費量（例えば電費）の算出に用いられ得る。
【0024】
本開示では、配車管理装置１０は、ユーザの配車要求に応答して、複数の車両Ｖの中から、乗車地にアクセスするために必要とされる地図情報レベルを有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、該候補車両ｖにルート計算処理要求を送信する。これに応答して候補車両ｖから送信されるルート計算処理結果に基づいて、配車管理装置１０は、ユーザに配車すべき候補車両ｖを選択する。そして、配車管理装置１０は、選択された候補車両ｖに基づいて作成された配車計画（走行ルート）をユーザに提案する。
【0025】
例えば、ユーザの乗降希望地が幹線道路沿いである場合、比較的低い地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖであっても、乗降希望地を発着地として、そこにアクセスできる。一方、ユーザの乗降希望地が生活道路に面した自宅である場合、比較的高い地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖでなければ、乗降希望地にアクセスできない。したがって、配車管理装置１０は、配車要求に基づく乗降希望地にアクセスするために必要な地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせる。なお、配車管理装置１０は、必要な地図情報レベルに従って抽出される候補車両ｖがない場合、必要な地図情報レベルを下げることにより緩和し、候補車両ｖの抽出を試みる。この場合、抽出された候補車両ｖの地図情報レベルによっては、ユーザの発着地（乗降地）は、乗降希望地から少し離れた場所になり、ユーザはその場所まで例えば徒歩にて移動することになる。
【0026】
このように、本開示の配車管理システム１では、配車管理装置１０は、ユーザの配車要求に応答して、複数の車両Ｖの中から、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出するので、配車要求に対応し得る候補車両ｖに限定してルート計算処理を行わせることができるようになる。
【0027】
図２は、本発明の一実施形態に係る配車管理装置の機能構成モデルの一例を示すブロックダイアグラム図である。同図に示すように、配車管理装置１０は、例えば、フロントエンド処理部１１０と、配車要求取得部１２０と、配車計画策定部１３０と、車両通信インターフェース部１４０といった機能構成要素を含む機能構成モデルとして構成され得る。また、配車管理装置１０は、上述したように、各種のデータベース１２を含む。かかる機能モデルは、配車管理装置１０が、プロセッサの制御の下、配車管理サーバプログラムを実行し、これにより、各種のハードウェア資源と協働することにより、実現される。ここに示す機能構成モデルは一例であって、ある機能構成要素における全部又は一部の機能が、他の機能構成要素によって実現されても良い。なお、同図では、説明の便宜上、ユーザの端末装置２０、及び車両Ｖにおける制御装置４００もまた示されている。
【0028】
ユーザ情報データベース１２ａは、配車サービスを利用するユーザに関する情報（以下「ユーザ情報」という。）を格納する。ユーザ情報は、例えば、ユーザＩＤ及びパスワード、個人属性（性別、年齢、介助要否等）、並びにサービス利用状況に関する情報等を含む。ユーザ情報は、例えば配車アプリの最初の起動時にユーザが所定の情報を入力することにより、配車管理装置１０の制御の下、ユーザ情報データベース１２ａに登録される。
【0029】
地図情報データベース１２ｂは、配車サービスの対象地域における地図情報を格納する。地図情報は、例えば、住所、地名、道路、施設等に関する地図データを含む。また、地図情報は、ルート探索に必要な情報、例えば、道路情報、地物情報及び環境情報等を含み得る。また、本開示では、地図情報データベース１２ｂは、ある地点に車両Ｖがアクセスするために必要な地図情報レベル（以下「必要地図情報レベル」という。）を示すマッピングテーブルを含む。例えば、マッピングテーブルは、地図情報が示す地図上の複数のグリッドの各々に対する地図情報レベルが定義されている。必要地図情報レベルは、例えば、詳細度に応じて０～９のスケールで示される。本例では、マッピングテーブルは、地図情報の一部として構成されているが、これに限られず、地図情報とは別個に構成されても良い。
【0030】
車両情報データベース１２ｃは、ユーザの利用に供される車両Ｖに関する情報（車両情報）を格納する。車両情報は、例えば、車両ＩＤ、車両属性（車両登録番号、車種、及び最大乗車人員／最大積載量、運送スペースの数、有人運転型又は無人運転型等）、車両性能、その他の諸元、現在の配車計画、現在位置、及び現在状態（サービス状態、バッテリー残容量（航続可能距離）、乗車人員、及び運送スペースの使用状況等）等に関する情報を含む。本開示では、車両情報は、車両Ｖに搭載されたナビゲーションデータベース４４０の地図情報の地図情報レベル（以下「車載地図情報レベル」という。）を含む。車両通信インターフェース部１４０を介して車両Ｖから取得された車両情報は、随時更新され得る。
【0031】
配車計画データベース１２ｄは、配車要求に基づいて、配車計画策定部１３０によって作成された車両Ｖごとの配車計画を格納する。配車計画は、起点となる待機場所から幾つかの発着地を経由して終点となる待機場所までの走行ルート及び経由地ごとの到着予想時刻等を含む。本開示では、配車計画の走行ルートは、車両Ｖ（候補車両ｖ）におけるルート計算処理によるルート計算処理結果に基づいて作成される。
【0032】
運行履歴情報データベース１２ｅは、例えば車両Ｖごとの過去の運行履歴に関する情報（運行履歴情報）を格納する。運行履歴情報は、例えば、車両Ｖごとの稼働時刻（運行開始時刻及び終了時刻）、走行ルート、及び走行距離等の各種の諸元情報を含む。
【0033】
フロントエンド処理部１１０は、ユーザの端末装置２０との間での各種の処理を行う。一例として、フロントエンド処理部１１０は、ユーザの端末装置２０上の配車アプリからのログイン要求に従って、ユーザ情報データベース１２ａを参照し、ログイン認証処理を行う。また、フロントエンド処理部１１０は、ユーザの端末装置２０上の配車アプリからの配車要求に応答するために、端末装置２０との間でやり取りする。すなわち、フロントエンド処理部１１０は、配車要求を受信して、配車要求取得部１２０に引き渡し、これに応答して配車計画策定部１３０により作成された配車計画を端末装置２０に送信し、端末装置２０のユーザインターフェース上に配車計画（候補車両ｖ）を表示させる。フロントエンド処理部１１０は、これに応答して端末装置２０から送信されるユーザによる承諾又は拒否の通知を受信して、配車計画策定部１３０に引き渡す。
【0034】
配車要求取得部１２０は、フロントエンド処理部１１０を介して、ユーザからの配車要求を受け付けて取得する。配車要求取得部１２０が配車要求を受け付けた時刻は、ユーザの配車待ち時間（到着遅延時間）や各種の限界時間（例えば乗車（荷積）限界時間や降車（荷降）限界時間）の計時開始時刻となる。配車要求取得部１２０は、取得した配車要求を配車計画策定部１３０の各々に引き渡す。
【0035】
配車計画策定部１３０は、引き渡された配車要求に基づいて、対象地域で稼働可能な車両Ｖの中から候補となる車両Ｖ（候補車両ｖ）を抽出し、その配車計画を作成又は更新する。配車計画策定部１３０は、配車計画の作成に際し、候補車両ｖにルート計算処理を依頼する。配車計画策定部１３０は、作成された配車計画の中から適切な配車計画（候補車両ｖ）を選択して、これをユーザに提案する。配車計画策定部１３０は、提案した配車計画に対してユーザによる承諾を受けると、承諾された配車計画を確定し、確定した配車計画を配車計画データベース１２ｄに格納するとともに、その配車計画の車両Ｖに配車指示するために配車指示部１６２に通知する。
【0036】
車両通信インターフェース部１４０は、通信ネットワークＮを介して、車両Ｖとの間で各種の情報をやり取りする。例えば、車両通信インターフェース部１４０は、車両Ｖに車両情報送信要求を送信し、これに応答して車両Ｖが送信する車両情報を受信する。また、車両通信インターフェース部１４０は、車両Ｖにルート計算処理要求を送信し、これに応答して車両Ｖが送信するルート計算処理結果を受信する。更に、車両通信インターフェース部１４０は、確定された配車計画に従って車両Ｖに運行指示を送信する。運行指示を受信した車両Ｖの制御装置４００は、車両Ｖが走行ルートに沿って自律走行がなされるように制御を行う。
【0037】
次に、配車計画策定部１３０の各機能構成要素の詳細について説明する。配車計画策定部１３０は、例えば、必要地図情報レベル決定部１３１と、車載地図情報レベル取得部１３２と、候補車両抽出部１３３と、配車計画作成部１３４と、配車計画提案部１３５と、配車指示部１３６とを含み構成される。
【0038】
必要地図情報レベル決定部１３１は、配車要求が示す乗降希望地に基づいて必要地図情報レベルを決定する。すなわち、必要地図情報レベル決定部１３１は、配車要求が示す乗降希望地に基づいて、地図情報データベース１２ｂのマッピングテーブルを参照し、乗車希望地及び降車希望地によって各々示されるグリッドに対する必要地図情報レベルを決定する。これにより、ユーザの配車要求に対して、候補車両ｖが必要とする地図情報レベルを得ることができる。なお、必要地図情報レベル決定部１３１は、地図情報データベース１２ｂに代わって、マッピングテーブルを保持しても良い。必要地図情報レベル決定部１３１は、決定された必要地図情報レベルを候補車両抽出部１３３に引き渡す。
【0039】
車載地図情報レベル取得部１３２は、車両情報データベース１２ｃを参照し、各車両Ｖの車載地図情報レベルを取得する。或いは、車載地図情報レベル取得部１３２は、配車要求に応答して、車両通信インターフェース部１４０を介して、車両Ｖから車載地図情報レベルを取得しても良い。これにより、配車管理装置１０は、最新の車載地図情報レベルを車両Ｖから取得でき、車両情報データベース１２ｃを最新の状態に保つことができる。
【0040】
候補車両抽出部１３３は、ルート計算処理を行わせる候補車両ｖを抽出する。具体的には、候補車両抽出部１３３は、配車要求に基づいて、配車計画データベース１２ｄを参照し、複数の車両Ｖのうち、配車要求が示す項目を満たさない車両Ｖを除外することにより、候補車両ｖを抽出する。一例として、配車要求が示す乗車の予約日時に他の予約が入っている車両Ｖは除外される。他の例として、配車要求が示す乗車人数を満たさない車両Ｖは除外される。更に他の例として、配車要求が示す乗車希望地から遠く離れた場所を走行している車両Ｖは、移動コスト等の観点から除外される。
【0041】
また、候補車両抽出部１３３は、現在の候補車両ｖの中から、配車要求が示す乗降希望地に基づいて決定された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを抽出する。候補車両抽出部１３３は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを抽出することができなかった場合、必要地図情報レベルを順次に下げながら、同様に、次の候補車両ｖの抽出を試みる。
【0042】
更に、候補車両抽出部１３３は、各候補車両ｖから取得されるルート計算処理結果に基づいて、ユーザに提示するための適切な候補車両ｖを選択する。すなわち、候補車両抽出部１３３は、候補車両ｖの各々に対してルート計算処理要求を送信し、これに応答して各候補車両ｖから送信されるルート計算処理結果を取得して、取得されたルート計算処理結果に従ってルート計算処理を依頼した候補車両ｖを絞り込み、適切な候補車両ｖを選択する。ルート計算処理要求は、例えば、乗降希望地、予約日時及び所定の制約条件を含む。所定の制約条件は、例えば、希望予約時刻に基づく各種の遅延限界時間（配車遅延限界時間、乗車遅延限界時間、及び降車遅延限界等）などを含む。また、ルート計算処理結果は、例えば、配車要求に基づく実際の乗車地（出発地）及び降車地（目的地）、実際の乗車地から降車地までのルート、乗降地への到着予定時刻、及びルート所要時間（ユーザの乗車時間）等を含む。
【0043】
また、候補車両抽出部１３３は、配車要求が示す乗車希望地と実際の乗車地との間の地理的位置関係がずれている場合及び／又は降車希望地と実際の降車地との間の地理的位置関係がずれている場合、地図情報データベース１２ｂを参照して、乗車希望地から実際の乗車地までの徒歩ルート及び移動時間（徒歩時間）を算出する。候補車両抽出部１３３は、例えば、徒歩時間が最も少ない候補車両ｖを選択する。降車希望地についても同様である。これにより、候補車両抽出部１３３は、乗降希望地と乗降地との関係から適切な候補車両ｖを選択することができるようになる。
【0044】
図３は、ユーザの乗降希望地と乗車地との間の地理的位置関係を説明するため模式的な道路地図を示す図である。図（ａ）中、斜線ハッチングされた部分は、配車管理装置１０の地図情報データベース１２ｂの地図情報に基づく道路を示し、太実線で示された部分は、ある車両Ｖのナビゲーションデータベース４４０の地図情報に基づく道路を示している。つまり、同図（ａ）では、配車管理装置１０の地図情報の地図情報レベルと車両Ｖが持つ地図情報レベルとは同じであることが示されている。このような車両ｖの場合、配車要求に基づく乗車希望地と実際の乗車地とは同じになる。
【0045】
一方、同図（ｂ）は、車両Ｖが持つ地図情報は所々で欠けており、地図情報レベルは比較的低い場合を示している。このような車両ｖは、配車要求に基づく乗車希望地にアクセスすることはできないため、ルート計算処理の結果、乗車希望地に近いアクセス可能な道路沿いを実際の乗車地に指定する。したがって、ユーザの乗降希望地と乗車地とは離れているため、候補車両抽出部１３３は、自身の地図情報に基づいて、乗降希望地と乗車地との間の徒歩ルートを決定し、該徒歩ルートでの徒歩時間を算出する。このような徒歩ルート及び徒歩時間を算出することで、ユーザにより具体的な配車計画を提示することができる。
【0046】
図２に戻り、更に、候補車両抽出部１３３は、ルート計算処理結果に基づいて、例えば、以下に示すような、徒歩時間、待ち時間及び乗車時間をパラメータとする評価関数ｆの値が最小又は小さい候補車両ｖを選択する。
ｆ＝Σ（ｗ１・Ｔ＿ｗａｌｋ＋ｗ２・Ｔ＿ｗａｉｔ＋ｗ３・Ｔ＿ｒｉｄｅ）
ここで、ｗ１，ｗ２，ｗ３は重み係数、Ｔ＿ｗａｌｋは徒歩時間、Ｔ＿ｗａｉｔは待ち時間、Ｔ＿ｒｉｄｅは乗車時間である。また、Σは配車計画確定済み及び利用中のユーザを対象とする。
各重み係数は、公平性を考慮して、対象ユーザ間で共通であっても良いし、個々のユーザの特性に応じて個々に設定されても良い。例えば、高齢者や身体の不自由なユーザは、徒歩に対する許容度が低いため、徒歩時間が少なくなる候補車両ｖが優先的に割り当てられる。すなわち、候補車両抽出部１３３は、該ユーザに対する配慮を優先する場合、重み係数ｗ１を重み係数ｗ２及びｗ３に対して相対的に大きく設定する。このような評価関数を用いることにより、ユーザの特性に合った候補車両ｖが抽出される。
ｆ＝Σ（ｗ１・Ｔ＿ｗａｌｋ＋ｗ２・Ｔ＿ｗａｉｔ＋ｗ３・Ｔ＿ｒｉｄｅ）
ここで、ｗ１，ｗ２，ｗ３は重み係数、Ｔ＿ｗａｌｋは徒歩時間、Ｔ＿ｗａｉｔは待ち時間、Ｔ＿ｒｉｄｅは乗車時間である。また、Σは配車計画確定済み及び利用中のユーザを対象とする。
各重み係数は、公平性を考慮して、対象ユーザ間で共通であっても良いし、個々のユーザの特性に応じて個々に設定されても良い。例えば、高齢者や身体の不自由なユーザは、徒歩に対する許容度が低いため、徒歩時間が少なくなる候補車両ｖが優先的に割り当てられる。すなわち、候補車両抽出部１３３は、該ユーザに対する配慮を優先する場合、重み係数ｗ１を重み係数ｗ２及びｗ３に対して相対的に大きく設定する。このような評価関数を用いることにより、ユーザの特性に合った候補車両ｖが抽出される。
【0047】
一方、候補車両抽出部１３３は、各候補車両ｖから取得されるルート計算処理結果から適切な候補車両ｖがないと判断する場合、同様に、必要地図情報レベルを順次に下げながら、次の候補車両ｖを抽出し、該候補車両ｖからルート計算処理結果を取得する処理を、候補車両ｖを選択できるまで繰り返す。
【0048】
候補車両抽出部１３３は、選択された候補車両ｖの配車計画を作成するため、該候補車両ｖ及びそのルート計算処理結果を配車計画作成部に引き渡す。
【0049】
配車計画作成部１３４は、選択された候補車両ｖのルート計算処理結果に基づいて、該候補車両ｖの配車計画を作成する。配車計画は、車両Ｖが待機する場所（起点となる待機場所）から、ユーザが乗り降りを行う途中の幾つかの地点（発着地）を経由して、終点となる待機場所（最初の待機場所と同じとは限らない。）までを定めた走行ルートを含む。また、配車計画は、ユーザの乗降希望地に基づく実際に乗降する場所（乗降地）、並びに乗降希望地と乗降地とが離れている場合にはその徒歩ルート及び徒歩時間を含む。配車計画作成部１３４は、車両Ｖが待機中であれば、配車要求に基づいて配車計画を新たに作成し、また、車両Ｖの運行中であれば、配車要求に基づいて配車計画データベース１２ｄに格納されている車両Ｖの配車計画を更新する。
【0050】
配車計画提案部１３５は、候補車両ｖについて作成された配車計画をユーザに提案し、これに対するユーザの承諾を受け付けると、該配車計画を確定する。すなわち、配車計画提案部１３５は、フロントエンド処理部１１０を介して、ユーザの端末装置２０に特定の車両Ｖ（抽出又は選択された候補車両ｖ）の配車計画を送信し、端末装置２０のユーザインターフェース上に該配車計画を表示させる。ユーザは、配車計画に対する承諾又は拒否を行い、これを受けて、端末装置２０は、その承諾又は拒否の通知を送信する。配車計画提案部１３５は、フロントエンド処理部１１０を介して、ユーザの承諾通知を受信すると、該配車計画を確定する。
【0051】
配車指示部１３６は、配車計画作成部１３４の指示に従い、配車計画データベース１２ｄを参照し、対応する配車計画を特定し、特定された配車計画に従って車両Ｖに運行指示を送信する。運行指示を受信した車両Ｖの制御装置４００は、ナビゲーション機能により、例えばユーザインターフェース（図中「ＵＩ」と表示）４３０上に、配車計画に従った走行ルートを表示する。或いは、配車計画の走行ルートに従って詳細な実走行ルートを決定し、実走行ルートに沿った自律走行がなされるように制御を行う。
【0052】
図４は、本発明の一実施形態に係る配車管理システムにおける車両に搭載された制御装置の機能的モデルを示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、制御装置４００は、例えば、位置情報取得部４１０と、通信部４２０と、ユーザインターフェース部４３０と、ナビゲーションデータベース４４０と、ルート計算処理部４５０と、自律走行制御部４６０とを含み構成される。このような機能的モデルは、制御装置４００が、プロセッサ（図示せず）の制御の下、各種のハードウェア資源と協働しながら所定の制御プログラムを実行することにより、実現される。
【0053】
位置情報取得部４１０は、図示しないＧＰＳシステムから車両Ｖの位置情報を取得する。位置情報取得部４１０は、ＧＰＳシステムから取得された位置情報を配車管理装置１０に送信するために通信部４２０に引き渡す。
【0054】
通信部４２０は、配車管理装置１０の車両通信インターフェース部１４０との間で種々の情報をやり取りするための通信インターフェースである。一例として、通信部５３０は、車両通信インターフェース部１４０から送信される車両情報の送信要求を受信し、これに応答して、位置情報を含む車両情報を車両通信インターフェース部１４０に送信する。他の例として、通信部４２０は、車両通信インターフェース部１４０から送信されるルート計算処理要求を受信し、これに応答して、ルート計算処理結果を車両通信インターフェース部１４０に送信する。更に他の例として、通信部４２０は、車両通信インターフェース部１４０から送信される配車指示を受信し、これをユーザインターフェース部５４０に引き渡す。
【0055】
ユーザインターフェース部４３０は、乗客に対して車両Ｖの各種の状態を表示する。例えば、ユーザインターフェース部４３０は、配車管理装置１０から送信された配車指示に基づく走行ルートや車両Ｖの現在の位置情報を表示する。
【0056】
ナビゲーションデータベース４４０は、配車サービスの対象地域における車両Ｖの自律走行のためのナビゲーション情報を格納する。ナビゲーション情報は、典型的には、地図情報及び走行履歴情報等を含む。車両Ｖのナビゲーションデータベース４４０は、地図情報を含む点で上述した地図情報データベース１２ｂと概略的には同じであるが、地図情報レベルは、車両Ｖごとに異なっている。また、ナビゲーションデータベース４４０は、地図情報は、車両Ｖの実際の自律走行に基づいて、格納されている地図情報や走行履歴情報は、自律走行制御部４６０によって更新され得る。例えば、地図情報は、更新によって詳細化され得る。
【0057】
ルート計算処理部４５０は、配車管理装置１０から送信されるルート計算処理要求に基づいて、ナビゲーションデータベース４４０に格納された地図情報や運行履歴情報を参照し、車両Ｖが実際に走行するルートや各種の到着時間を計算し、その結果をルート計算処理結果として出力する。ルート計算処理部４５０は、道路交通情報管理システム３０から取得される道路交通情報に基づいて、ルート計算処理を行い得る。ルート計算処理結果は、例えば、配車要求に基づく実際の乗車地（出発地）及び降車地（目的地）、実際の乗車地から降車地までのルート、乗降地への到着予定時刻及びルート所要時間（ユーザの乗車時間）を含む。例えば、車両Ｖが既に乗客を乗せて配車計画に従って運行されている場合、ルート計算処理部４５０は、該乗客の降車地への到着時刻を再計算する。また、ルート計算処理部４５０は、ルート計算処理に際して、車両Ｖの各種の運行パラメータ（航続可能距離等）が運行条件を満たしているか否かを判断する。例えば、車両Ｖは、航続可能距離に対して、最終の目的地まで走行可能であるか否かを判断する。ルート計算処理部４５０は、運行パラメータが運行条件を満たさないと判断する場合、配車不可ステータスをルート計算処理結果として出力する。
【0058】
自律走行制御部４６０は、配車管理装置１０による配車指示に応答し、ルート計算処理部４５０により得られたルート計算処理結果に従って、車両Ｖの自律走行を制御する。自律走行制御部４６０は、例えば、決定された走行ルートに従った自律走行に伴い、ナビゲーションデータベース４４０の地図情報及び走行履歴情報を更新する。また、自律走行制御部４６０は、車両Ｖの走行データを、通信部４２０を介して、配車管理装置１０に送信し得る。更に、自律走行制御部４６０は、更新された地図情報に基づいて地図情報レベルを更新し、これを配車管理装置１０に送信し得る。
【0059】
図５は、本発明の一実施形態に係る配車管理システムにおける配車サービスの概要を説明するためのシーケンスチャートである。
【0060】
同図に示すように、配車サービスを利用しようとするユーザは、端末装置２０に実装された配車アプリを実行して、ユーザインターフェース上に表示された配車要求画面に対して配車要求のための必要な情報を入力し、これにより、端末装置２０は、配車要求を配車管理装置１０に送信する（Ｓ５０１）。例えば、乗車（配車予約）を希望するユーザは、配車アプリを操作して、乗降希望地及び乗車人数等を入力する。乗車希望地は、例えば、配車アプリにより表示された地理的マップから選択され得る。或いは、乗車希望地は、ユーザのスマートフォンに搭載されたＧＰＳ機能により取得される現在位置であっても良い。ユーザの乗車希望地に対して、実際に配車される車両Ｖの地図情報レベルによっては、乗車地が異なる場合がある。また、他の実施形態で説明されるように、ユーザは、待ち時間が少ない車両Ｖを優先（以下「待ち時間優先」という。）するか又はユーザの乗降地までの徒歩時間が少ない車両Ｖを優先（以下「徒歩時間優先」という。）するかを選択的に入力し得る。
【0061】
配車管理装置１０は、端末装置２０から配車要求を受信すると（Ｓ５０２）、対象地域における車両Ｖに位置情報等を含む車両情報の取得を要求する（Ｓ５０３）。これに応答して、各車両Ｖは、ＧＰＳシステムから取得される自身の位置情報を含む車両情報を配車管理装置１０に送信する（Ｓ５０４）。各車両Ｖは、ナビゲーションデータベース４４０の地図情報に関連付けられた地図情報レベル（車載地図情報レベル）を車両情報の一部として送信し得る。また、車両Ｖによる車両情報の取得及び送信は、定期的に応じて行われても良い。配車管理装置１０は、車両Ｖから送信される位置情報等を含む車両情報を取得し、車両情報データベース１２ｃを更新する。
【0062】
次に、配車管理装置１０は、車両情報を取得した車両ｖの中から、配車要求が示す乗降希望地に基づいて決定された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出する（Ｓ５０５）。乗降希望地が幹線道路から少し離れたような場所であれば、必要地図情報レベルは高くなり、乗降希望地が幹線道路沿いであれば、必要地図情報レベルは低くなる。例えば、必要地図情報レベルが「５」であれば、「５」以上の地図情報レベルを有する車両Ｖが候補車両ｖとして抽出される。
【0063】
続いて、配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖに対してルート計算処理要求を送信し、ルート計算処理要求を受信した候補車両ｖは、これに応答して、ルート計算処理を行う（Ｓ５０６）。ルート計算処理は、配車要求に基づく実際の乗車地（出発地）及び降車地（目的地）、実際の乗車地から降車地までのルート、及び乗降地への到着予定時刻等の算出を含む。候補車両ｖは、ルート計算処理による結果（ルート計算処理結果）を配車管理装置１０に送信する。
【0064】
配車管理装置１０は、候補車両ｖからルート計算処理結果を受信すると、ユーザに提案すべき候補車両ｖを選択し、その配車計画を作成する（Ｓ５０７）。配車管理装置１０は、配車不可ステータスを示すルート計算処理結果を送信した候補車両ｖ以外の候補車両ｖのうち、所定の評価関数ｆに従って候補車両ｖを選択する。或いは、配車管理装置１０は、候補車両ｖの中から、乗車地に最も近くを走行している候補車両ｖを選択しても良い。或いは、配車管理装置１０は、乗車希望地と乗車地との間の地理的位置関係が最も近い候補車両ｖを選択しても良い。或いは、配車管理装置１０は、配車不可ステータスを示すルート計算処理結果を送信した候補車両ｖ以外の候補車両ｖの全てを選択しても良い。配車管理装置１０は、配車計画を作成後、ユーザに候補車両ｖ（配車計画）を提案するため、候補車両ｖの提案通知をユーザの端末装置２０に送信する。
【0065】
端末装置２０は、候補車両ｖの提案通知を受信すると、これをユーザインターフェース上に候補車両提案画面として表示して、提案された候補車両ｖのいずれかの選択するようにユーザに促す（Ｓ５０８）。ユーザは、候補車両提案画面に対して、所望の候補車両ｖを選択（承諾）又は拒否を入力することができる。ユーザが候補車両提案画面に対して諾否を入力すると、これを受けて、端末装置２０は、諾否通知を配車管理装置１０に送信し（Ｓ５０９）、配車管理装置１０は、端末装置２０から送信される諾否通知を受信する（Ｓ５１０）。例えば、配車管理装置１０は、選択された候補車両ｖを配車すべき車両Ｖとして確定し、配車予約の確定通知を端末装置２０に送信するともに、該車両Ｖに対してその配車計画に従った配車指示を送信する（Ｓ５１１）。
【0066】
端末装置２０は、配車予約の確定通知を受信すると、これをユーザインターフェース上に表示してユーザに配車の予約が確定したことを知らせる（Ｓ５１２）。一方、車両Ｖは、配車指示を受信すると、配車計画に従って配車サービスを実行する（Ｓ５１３）。すなわち、配車指示された車両Ｖが無人運転型車両Ｖであれば、無人運転型車両Ｖは、配車計画に従って具体的な走行ルートを計画し、配車要求を行ったユーザを乗せるために乗降地に向かうために、自律走行を開始する。
【0067】
そして、配車管理装置１０は、配車要求に基づく配車計画に従った車両Ｖの運行が完了すると、該車両Ｖの運行履歴情報を運行履歴情報データベース１２ｅに格納する（Ｓ５１４）。
【0068】
図６は、本発明の一実施形態に係る配車管理装置による配車管理処理の一例を説明するためのフローチャートである。かかる処理は、配車管理装置１０が、プロセッサの制御の下、配車管理サーバプログラムを実行することにより、各種のハードウェア資源との協働がなされ、実現される。
【0069】
同図に示すように、配車管理装置１０は、ユーザからの新規の配車要求があるまで待機している（Ｓ６０１）。配車管理装置１０は、ユーザからの配車要求があると（Ｓ６０１のＹｅｓ）、各車両Ｖに車両情報の送信を要求し、各車両Ｖから送信される位置情報及び地図情報レベルを含む車両情報を取得する（Ｓ６０２）。取得された車両情報は、車両情報データベース１２ｃに格納される。
【0070】
続いて、配車管理装置１０は、配車要求に基づいて、ルート計算処理を行わせる候補車両ｖを抽出する（Ｓ６０３）。候補車両の抽出処理（Ｓ６０３）では、配車管理装置１０は、候補車両Ｖにルート計算処理を要求し、候補車両ｖからそのルート計算処理結果を取得し、取得されたルート計算処理結果に基づいて、更に候補車両を抽出し（絞り込み）、選択する（Ｓ８００）。配車管理装置１０は、。候補車両の抽出処理（Ｓ６０３）の詳細については、後述する。
【0071】
次に、配車管理装置１０は、選択された候補車両ｖの配車計画を、ルート計算処理結果に基づいて作成・更新する（Ｓ６０４）。配車管理装置１０は、配車計画の作成に際し、配車要求が示す乗車希望地と実際の乗車地との間の地理的位置関係がずれている場合及び／又は降車希望地と実際の降車地との間の地理的位置関係がずれている場合、地図情報データベース１２ｂを参照して、乗車希望地から実際の乗車地までのルート及び移動時間（徒歩時間）を算出する。
【0072】
続いて、配車管理装置１０は、選択された候補車両ｖの配車計画の内容をユーザに提案する（Ｓ６０５）。すなわち、配車管理装置１０は、作成した配車計画に基づく承諾要求を端末装置２０に送信し、これに応答して、端末装置２０は、ユーザインターフェース上に候補車両ｖの配車計画の内容を表示して、候補車両ｖに対して承諾するか否かをユーザに促す。
【0073】
次に、配車管理装置１０は、承諾要求に応答してユーザから承諾通知を受け付けたか否かを判断する（Ｓ６０６）。配車管理装置１０は、配車計画の提案に対してユーザから承諾通知を受け付けた場合（Ｓ６０６のＹｅｓ）、配車管理装置１０は、現在の配車計画を確定する（Ｓ６０７）。配車管理装置１０は、確定した配車計画を配車計画データベース１２ｄに格納する。続いて、配車管理装置１０は、配車予約の確定通知を端末装置２０に送信するとともに、配車計画に基づく配車指示を車両Ｖに送信する（Ｓ６０８）。
【0074】
これに対して、配車管理装置１０は、配車計画の提案に対してユーザから拒否通知（キャンセル）を受け付けた場合（Ｓ６０６のＮｏ）、該ユーザの配車要求に基づく現在の配車計画をキャンセルする（Ｓ６０９）。この場合、配車管理装置１０は、配車計画の再作成のために使用された一時的に保留されていた配車計画を元の保留中の配車計画に戻す。ユーザは、別の配車サービスを希望する場合には、新たな配車要求を行うことになる。
【0075】
【0076】
同図に示すように、配車管理装置１０は、配車要求に基づいて、配車計画データベース１２ｄを参照し、複数の車両Ｖのうち、配車要求が示す所定の項目に関する抽出基準を満たさない車両Ｖを除外することにより、候補車両ｖを抽出する（Ｓ７０１）。例えば、配車管理装置１０は、配車要求が示す乗車の予約日時に他の予約が入っている車両Ｖや配車要求が示す乗車人数を満たさない車両Ｖを除外する。また、配車管理装置１０は、移動コスト及び／又は乗車地への予想到着時刻等の観点から、配車要求が示す乗車希望地から遠く離れた場所を走行している車両Ｖを除外する。
【0077】
次に、配車管理装置１０は、地図情報データベース１２ｂを参照して、配車要求が示す乗降希望地に対する必要地図情報レベルを決定する（Ｓ７０２）。また、配車管理装置１０は、車両情報データベース１２ｃを参照して、抽出された各候補車両ｖの車載地図情報レベルを取得する（Ｓ７０３）。
【0078】
次に、配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖの中から、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを更に抽出し（Ｓ７０４）、続いて、配車抽出の結果、候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ７０５）。
【0079】
配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ７０５のＮｏ）、必要地図情報レベルを緩和して（例えば１つ下げて）更新し（Ｓ７０６）、再度、抽出された候補車両ｖの中から、更新された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを更に抽出し（Ｓ７０４）、候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ７０５）。なお、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを所定の数だけ下げても候補車両ｖがないと判断する場合は、配車要求に対する配車が不可であることをユーザに通知して、該配車要求に対する配車処理を終了しても良い。
【0080】
一方、配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ７０５のＹｅｓ）、該候補車両ｖに対してルート計算処理を行わせて、ルート計算処理結果を取得する（Ｓ８００）。各候補車両ｖによるルート計算処理（Ｓ８００）の詳細については、後述する。
【0081】
配車管理装置１０は、各候補車両ｖからルート計算処理結果に基づいて、ユーザに提示すべき候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ７０７）。配車管理装置１０は、候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ７０７のＮｏ）、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを緩和して（例えば１つ下げて）更新し（Ｓ７０６）、続いて、ルート計算処理を行わせた前回までの候補車両ｖを除外して候補車両ｖを絞り込む（Ｓ７０９）。続いて、配車管理装置１０は、Ｓ７０４の処理ステップに戻って、同様に、更新された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを抽出し（Ｓ７０４）、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせて、候補車両ｖを抽出することを繰り返す。
【0082】
一方、配車管理装置１０は、候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ７０７のＹｅｓ）、ルート計算処理結果に基づいて、適切な候補車両ｖを選択し（Ｓ７１０）、候補車両の抽出処理を終了する。
【0083】
図８は、本発明の一実施形態に係る車両によるルート計算処理の一例を説明するためのフローチャートである。すなわち、同図は、図６及び図７等に示すルート計算処理（Ｓ８００）の詳細を示すフローチャートである。かかる処理は、車両Ｖの制御装置４００が、プロセッサの制御の下、各種のハードウェア資源と協働しながら所定の制御プログラムを実行することにより、遂行される。
【0084】
同図に示すように、各車両Ｖ（候補車両ｖ）は、配車管理装置１０からルート計算処理要求があるまで待機している（Ｓ８０１）。車両Ｖは、配車管理装置１０からのルート計算処理要求があると（Ｓ８０１のＹｅｓ）、ルート計算処理要求に基づいて、ナビゲーションデータベース４４０の地図情報を参照し、乗車希望地及び降車希望地に対する乗車地及び降車地を各々決定する（Ｓ８０２）。つまり、車両Ｖが持つ地図情報の地図情報レベルによっては、車両Ｖは、乗車希望地及び／又は降車希望地までアクセスすることができない場合がある。このような場合、車両Ｖは、自身の地図情報に基づいて、乗車希望地近傍の場所を乗車地及び／又は降車希望地近傍の場所を降車地に決定する。
【0085】
次に、車両Ｖは、所定の制約条件に従って、ルート及び各種の到着時刻を計算する（Ｓ８０３）。所定の制約条件は、例えば、希望予約時刻に基づく各種の遅延限界時間（配車遅延限界時間、乗車遅延限界時間、及び降車遅延限界等）などを含む。続いて、車両Ｖは、ルート計算処理によりルートを導出できたか否かを判断する（Ｓ８０４）。
【0086】
車両Ｖは、ルートを導出できなかったと判断する場合（Ｓ８０４のＮｏ）、ルート計算処理結果に配車不可ステータスをセットして（Ｓ８０６）、ルート計算処理結果を配車管理装置１０に送信する（Ｓ８０７）。
【0087】
一方、車両Ｖは、ルートを導出できたと判断する場合（Ｓ８０４のＹｅｓ）、続いて、車両Ｖは、各種の運行パラメータ（航続可能距離等）が運行条件を満たしているか否かを判断する（Ｓ８０５）。例えば、車両Ｖは、航続可能距離に対して、最終の目的地まで走行可能であるか否かを判断する。
【0088】
車両Ｖは、各種の運行パラメータが運行条件を満たしていないと判断する場合（Ｓ８０５のＮｏ）、ルート計算処理結果に配車不可ステータスをセットして（Ｓ８０６）、ルート計算処理結果を配車管理装置１０に送信する（Ｓ８０７）。
【0089】
一方、車両Ｖは、各種の運行パラメータが運行条件を満たしていると判断する場合（Ｓ８０５のＹｅｓ）、ルート計算処理により得られたルート計算処理結果を配車管理装置１０に送信する（Ｓ８０６）。
【0090】
以上のように、本実施形態によれば、配車管理装置１０は、ユーザの配車要求に基づいて乗降希望地にアクセスするための必要地図情報レベルを決定し、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出するので、配車要求に対応し得る候補車両ｖに限定してルート計算処理を行わせることができ、したがって、候補車両ｖ以外の車両Ｖの計算負荷を軽減し、また、配車管理装置１０との通信負荷を軽減することができるようになる。とりわけ、本実施形態によれば、該候補車両Ｖが、自身の地図情報や運行履歴情報等に基づいてルート計算処理を行うので、精度の高いルート計算処理結果を得ることができるようになる。更に、適切な車載地図情報レベルを有する車両Ｖがユーザの乗車地に配車されるため、ユーザの乗車希望地から乗車地までの徒歩移動が極力回避されるようになる。例えば、ユーザが配車アプリを操作して徒歩時間優先を指定した場合、配車管理装置１０は、希望予約時刻に対して多少到着が遅くなってもできる限り乗降希望地に近い乗車地に配車される候補車両ｖを抽出し得る。
【0091】
［第２の実施形態］
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置１０が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、到着遅延時間を緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置１０が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、到着遅延時間を緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。
【0092】
図９は、本発明の一実施形態に係る配車管理装置による候補車両抽出処理の一例を説明するためのフローチャートである。同図は、第１の実施形態で示した図７と基本的には同じであるが、必要地図情報レベルを緩和する代わりに、希望予約時刻に対して車両Ｖが乗車地に到着するまでの遅延時間（到着遅延時間）を緩和する点で、図７と異なっている。また、同図では、複雑化を避けるため、図７に示したＳ７０５及びＳ７０６の処理ステップに相当する処理ステップを省略しているが、これはかかる処理ステップを排除する趣旨ではない。以下では、図７において説明したものと同じものについては、適宜、その説明を省略する。
【0093】
同図に示すように、配車管理装置１０は、配車要求に基づいて、配車計画データベース１２ｄを参照し、複数の車両Ｖのうち、配車要求が示す所定の項目に関する第１の抽出基準を満たさない車両Ｖを除外することにより、候補車両ｖを抽出する（Ｓ９０１）。本実施形態では、第１の抽出基準は、車両Ｖの乗車希望地及び該乗車希望地への予想到着時刻以外の抽出基準である。
【0094】
続いて、配車管理装置１０は、上述したように、乗車希望地に対応する必要地得情報レベルを決定するとともに、候補車両ｖごとの車載地図情報レベルを取得し、必要地得情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを更に抽出する（Ｓ９０２～Ｓ９０４）。配車管理装置１０は、上述したように、候補車両ｖを抽出できなかった場合、必要地得情報レベルを緩和して、候補車両ｖの再抽出を試みても良い。
【0095】
次に、配車管理装置１０は、到着遅延時間を初期値に設定する（Ｓ９０５）。続いて、配車管理装置１０は、配車要求が示す所定の項目に関する第１の抽出基準に該当する車両Ｖを除外することにより、候補車両ｖを絞り込む（Ｓ９０６）。本実施形態では、第２の抽出基準は、車両Ｖの乗車希望地及び該乗車希望地への予想到着時刻以外の抽出基準である。例えば、配車管理装置１０は、配車要求が示す乗車希望地から遠く離れた場所を走行している候補車両ｖを除外するとともに、乗車希望地への予想到着時刻が到着遅延時間を超える候補車両ｖを除外して、候補車両ｖを絞り込む。これにより、ユーザに対して可能な限り配車遅延の少ない車両Ｖを提供することができるようになる。
【0096】
次に、配車管理装置１０は、上述したように、候補車両ｖに対してルート計算処理を行わせて、ルート計算処理結果を取得する（Ｓ６０４）。Ｓ６０４の処理ステップは、図８に示したものと同じであるため、その説明を省略する。
【0097】
次に、配車管理装置１０は、各候補車両ｖからルート計算処理結果に基づいて、ユーザに提示すべき候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ９０７）。配車管理装置１０は、候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ９０７のＮｏ）、配車管理装置１０は、到着遅延時間を緩和して（例えば５分追加して）更新し（Ｓ９０８）、続いて、ルート計算処理を行わせた前回までの候補車両ｖを除外して候補車両ｖを絞り込む（Ｓ９０９）。続いて、配車管理装置１０は、Ｓ９０４の処理ステップに戻って、同様に、更新された到着遅延時間を満たす候補車両ｖを抽出し（Ｓ９０４）、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせて、候補車両ｖを更に抽出することを繰り返す。
【0098】
一方、配車管理装置１０は、ルート計算処理結果により候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ９０８のＹｅｓ）、ルート計算処理結果に基づいて、適切な候補車両ｖを選択し（Ｓ９１０）、候補車両の抽出処理を終了する。
【0099】
以上のように、本実施形態によれば、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖの中から到着遅延時間を緩和させながら候補車両ｖを絞り込んでいくので、希望予約時刻に対して多少到着が遅くなってもできる限り乗降希望地に近い乗車地に配車される車両Ｖをユーザに提供することができるようになる。
【0100】
［第３の実施形態］
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置１０が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、到着遅延時間を優先的に緩和しつつ、更に、必要地図情報レベルを緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。例えば、ユーザは、配車アプリを操作して待ち時間優先を指定し、配車管理装置１０は、本実施形態で説明されるような処理を実行する。
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置１０が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、到着遅延時間を優先的に緩和しつつ、更に、必要地図情報レベルを緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。例えば、ユーザは、配車アプリを操作して待ち時間優先を指定し、配車管理装置１０は、本実施形態で説明されるような処理を実行する。
【0101】
図１０は、本発明の一実施形態に係る配車管理装置による候補車両抽出処理の一例を説明するためのフローチャートである。同図は、候補車両ｖの抽出に際して、希望予約時刻に対して車両Ｖが乗車地に到着するまでの遅延時間（到着遅延時間）を緩和しつつ、適切な候補車両ｖが抽出されない場合に、必要地図情報レベルを緩和して候補車両ｖの対象を広げ、再抽出を行う点で、第２の実施形態で示した図９と異なっている。以下では、図９において説明したものと同じものについては、適宜、その説明を省略する。
【0102】
すなわち、上述したように、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを抽出し（Ｓ１００１～Ｓ１００４）、更に、到着遅延時間を含む第２の抽出基準に従って候補車両ｖを抽出する（Ｓ１００５及びＳ１００６）。続いて、配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖに対してルート計算処理を行わせて、ルート計算処理結果を取得する（Ｓ８００）。
【0103】
次に、配車管理装置１０は、各候補車両ｖからルート計算処理結果に基づいて、ユーザに提示すべき候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ１００７）。配車管理装置１０は、候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ１００７のＮｏ）、続いて、配車管理装置１０は、Ｓ１００６の処理ステップで抽出されなかった候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ１００８）。
【0104】
配車管理装置１０は、未抽出の候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ１００８のＹｅｓ）、到着遅延時間を緩和して（例えば５分追加して）更新し（Ｓ１００９）、Ｓ１００６の処理ステップに戻って、同様に、配車管理装置１０は、更新された到着遅延時間を満たす候補車両ｖを抽出し、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせて、候補車両ｖを更に抽出することを繰り返す。
【0105】
一方、配車管理装置１０は、未抽出の候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ１００８のＮｏ）、必要地図情報レベルを緩和して更新し（Ｓ１０１０）、Ｓ１００４の処理ステップに戻り、再度、抽出された候補車両ｖの中から、更新された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを更に抽出し、ルート計算処理結果による候補車両ｖが抽出されるまで上記の処理を繰り返す。
【0106】
一方、配車管理装置１０は、ルート計算処理結果により候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ１１０７のＹｅｓ）、ルート計算処理結果に基づいて、適切な候補車両ｖを選択し（Ｓ１１１１）、候補車両の抽出処理を終了する。
【0107】
以上のように、本実施形態によれば、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖの中から候補車両ｖを絞り込み、適切な候補車両ｖがない場合には、必要地図情報レベルを優先的に緩和しながら候補車両ｖを絞り込み、それでも適切な候補車両ｖがない場合には、到着遅延時間を緩和して候補車両ｖを絞り込んでいくので、よりユーザの希望に沿った車両Ｖをユーザに提供することができるようになる。例えば、ユーザが配車アプリを操作して徒歩時間優先を指定した場合、配車管理装置１０は、希望予約時刻に対して多少到着が遅くなってもできる限り乗降希望地に近い乗車地に配車される候補車両ｖを抽出し得る。
【0108】
［第４の実施形態］
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、必要地図情報レベルを優先的に緩和しつつ、更に、到着遅延時間を緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。例えば、ユーザは、配車アプリを操作して徒歩時間優先を指定し、配車管理装置１０は、本実施形態で説明されるような処理を実行する。
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、配車管理装置が、ユーザの配車要求に応答して、乗降希望地（発着地）にアクセスするために必要とされる地図情報レベルの地図情報を有する車両Ｖを候補車両ｖとして抽出し、適切な候補車両ｖがない場合に、必要地図情報レベルを優先的に緩和しつつ、更に、到着遅延時間を緩和して、再抽出を行うことを特徴とする。例えば、ユーザは、配車アプリを操作して徒歩時間優先を指定し、配車管理装置１０は、本実施形態で説明されるような処理を実行する。
【0109】
図１１は、本発明の一実施形態に係る配車管理装置による候補車両抽出処理の一例を説明するためのフローチャートである。同図は、候補車両ｖの抽出に際して、必要地図情報レベルを緩和しつつ、適切な候補車両ｖが抽出されない場合に、希望予約時刻に対して車両Ｖが乗車地に到着するまでの遅延時間（到着遅延時間）を緩和して候補車両ｖの対象を広げ、再抽出を行う点で、第３の実施形態で示した図１０と異なっている。
【0110】
すなわち、同図に示すように、配車管理装置１０は、複数の車両Ｖのうち、配車要求が示す所定の項目に関する第１の抽出基準を満たさない車両Ｖを除外することにより、候補車両ｖを抽出する（Ｓ１１０１）。続いて、配車管理装置１０は、乗車希望地に対する必要地得情報レベルを決定するとともに（Ｓ１１０２）、候補車両ｖごとの車載地図情報レベルを取得する（Ｓ１１０３）。
【0111】
次に、配車管理装置１０は、到着遅延時間を含む第２の抽出基準に従って候補車両ｖを抽出する（Ｓ１１０４及びＳ１１０５）。また、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを抽出する（Ｓ１１０６）。続いて、配車管理装置１０は、抽出された候補車両ｖに対してルート計算処理を行わせて、ルート計算処理結果を取得する（Ｓ８００）。
【0112】
次に、配車管理装置１０は、各候補車両ｖからルート計算処理結果に基づいて、ユーザに提示すべき候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ１１０７）。配車管理装置１０は、候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ１１０７のＮｏ）、続いて、配車管理装置１０は、Ｓ１１０６の処理ステップで抽出されなかった候補車両ｖがあるか否かを判断する（Ｓ１１０８）。
【0113】
配車管理装置１０は、未抽出の候補車両ｖがあると判断する場合（Ｓ１１０８のＹｅｓ）、必要地図情報レベルを緩和して更新し（Ｓ１１０９）、Ｓ１１０６の処理ステップに戻って、同様に、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを満たす候補車両ｖを抽出し、抽出された候補車両ｖにルート計算処理を行わせて、候補車両ｖを更に抽出することを繰り返す。
【0114】
一方、配車管理装置１０は、未抽出の候補車両ｖがないと判断する場合（Ｓ１００８のＮｏ）、必要地図情報レベルを緩和して更新し（Ｓ７０６）、再度、抽出された候補車両ｖの中から、更新された必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖを更に抽出し（Ｓ１００４）、ルート計算処理結果による候補車両ｖが抽出されるまで上記の処理を繰り返す。
【0115】
以上のように、本実施形態によれば、配車管理装置１０は、必要地図情報レベルを満たす車載地図情報レベルを有する候補車両ｖの中から候補車両ｖを絞り込み、適切な候補車両ｖがない場合には、到着遅延時間を優先的に緩和しながら候補車両ｖを絞り込み、それでも適切な候補車両ｖがない場合には、必要地図情報レベルを緩和して候補車両ｖを絞り込んでいくので、よりユーザの希望に沿った車両Ｖをユーザに提供することができるようになる。例えば、ユーザが配車アプリを操作して待ち時間優先を指定した場合、配車管理装置１０は、乗車地が多少乗降希望地から離れていたとしても希望予約時刻に対してできる限り早く到着する候補車両ｖを抽出し得る。
【0116】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちの幾つかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ（技術的事項）を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
１…配車管理システム
１０…配車管理装置
１１０…フロントエンド処理部
１２０…配車要求取得部
１３０…配車計画策定部
１３１…必要地図情報レベル決定部
１３２…車載地図情報レベル取得部
１３３…候補車両抽出部
１３４…配車計画作成部
１３５…配車計画提案部
１３６…配車指示部
１４０…車両通信インターフェース部
１２…データベース
１２ａ…ユーザ情報データベース
１２ｂ…地図情報データベース
１２ｃ…車両情報データベース
１２ｄ…配車計画データベース
１２ｅ…運行履歴情報データベース
２０…端末装置
Ｎ…通信ネットワーク
Ｖ…車両
４００…制御装置
４１０…位置情報取得部
４２０…通信部
４３０…ユーザインターフェース部
４４０…ナビゲーションデータベース
４５０…ルート計算処理部
４６０…自律走行制御部
１０…配車管理装置
１１０…フロントエンド処理部
１２０…配車要求取得部
１３０…配車計画策定部
１３１…必要地図情報レベル決定部
１３２…車載地図情報レベル取得部
１３３…候補車両抽出部
１３４…配車計画作成部
１３５…配車計画提案部
１３６…配車指示部
１４０…車両通信インターフェース部
１２…データベース
１２ａ…ユーザ情報データベース
１２ｂ…地図情報データベース
１２ｃ…車両情報データベース
１２ｄ…配車計画データベース
１２ｅ…運行履歴情報データベース
２０…端末装置
Ｎ…通信ネットワーク
Ｖ…車両
４００…制御装置
４１０…位置情報取得部
４２０…通信部
４３０…ユーザインターフェース部
４４０…ナビゲーションデータベース
４５０…ルート計算処理部
４６０…自律走行制御部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】