(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117558
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20240822BHJP
F24H 15/104 20220101ALI20240822BHJP
F24H 15/246 20220101ALI20240822BHJP
F24H 15/265 20220101ALI20240822BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240822BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240822BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240822BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20240822BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20240822BHJP
G01S 13/04 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47K3/00 D
F24H15/104
F24H15/246
F24H15/265
F24H15/281
F24H15/395
F24H15/457
A47K4/00
A47K3/00 B
F24H15/196 301X
G01S13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023713
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】滝島 裕貴
【テーマコード(参考)】
2D005
2D132
3L024
5J070
【Fターム(参考)】
2D005BA01
2D005CA01
2D132GA00
3L024CC10
3L024GG12
3L024GG39
3L024GG42
3L024GG50
3L024HH60
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC11
5J070AF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】浴槽の開口部を覆う蓋部材の開閉状態を容易に検知することができる風呂システムを提供すること。
【解決手段】浴室2内に設置された浴槽6と、浴槽6の開口部8を覆うための蓋部材10と、浴槽6の上方に配設された測距器12と、測距器12の測定信号に基づいて判定を行うコントローラと、を備えた風呂システム。コントローラは、測距器12から蓋部材10までの基準距離を基準にして比較する距離比較手段と、浴槽6の開口部における蓋部材10の有無を判定する蓋有無判定手段とを含み、測距器12は、浴槽6の開口部8に向けて電磁波(又は超音波)を照射し、その反射電磁波又は反射超音波を受けて距離を測定し、距離比較手段は、測距器12による測定距離とこの基準距離とを比較し、蓋有無判定手段は、測距器12の測定距離がこの基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に設置された浴槽と、前記浴槽の開口部を覆うための蓋部材と、前記浴槽の上方に配設された測距器と、前記測距器の測定信号に基づいて判定を行うコントローラとを備え、前記コントローラは、前記測距器から前記蓋部材までの基準距離を基準にして比較する距離比較手段と、前記浴槽の前記開口部における前記蓋部材の有無を判定する蓋有無判定手段とを含み、前記測距器は、前記浴槽の前記開口部に向けて電磁波又は超音波を照射し、その反射電磁波又は反射超音波を受けて距離を測定し、前記距離比較手段は、前記測距器による測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする風呂システム。
【請求項2】
前記測距器は、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に移動しながら前記電磁波又は超音波を走査する移動走査手段を備え、前記距離比較手段は、移動方向における前記測距器による前記測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記移動方向における前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項3】
前記浴槽の上方には、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に平行に延びる走査移動機構が設けられ、前記移動走査手段は、前記走査移動機構に沿って前記浴槽の前記長辺方向又は短辺方向に移動されて前記電磁波又は超音波を走査することを特徴とする請求項2に記載の風呂システム。
【請求項4】
前記測距器は、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に延びる旋回軸を中心として旋回しながら前記電磁波又は超音波を走査する旋回走査手段を備え、前記距離比較手段は、旋回方向における前記測距器による前記測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記旋回方向における前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項5】
前記浴室内には人を検知するための人検知手段が配設され、前記コントローラは、前記浴室内の人の有無を判定する人有無判定手段と、前記測距器による距離測定を禁止する測距禁止手段を含んでおり、前記人有無判定手段が前記人検知手段からの検知信号に基づいて人有り判定を行うと、前記測距禁止手段は、前記人有無判定手段による前記人有り判定に基づいて前記測距器による距離測定を禁止することを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項6】
前記浴槽に関連して、前記浴槽内の水の水位を検知する水位検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記浴槽内の残湯の有無を判定する残湯有無判定手段と、前記浴槽内の残湯の過放熱状態を判定する過放熱状態判定手段とを含んでおり、前記過放熱状態判定手段は、前記蓋開閉状況判定手段が全閉状態の判定を除くその他の判定をし且つ前記残湯有無判定手段が残湯有り判定をしたときに過放熱状態と判定することを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項7】
前記浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、前記浴室暖房乾燥機の暖房乾燥機用コントローラと前記コントローラとが通信手段を介して通信接続されており、また前記暖房乾燥機用コントローラは、前記浴室内を換気する換気モード、前記浴室内を乾燥する乾燥モード及び前記浴室内を換気しながら送風する涼風モードの運転を受け付ける運転モード受付手段と、前記浴室暖房乾燥機に対する前記換気モード、前記乾燥モード及び前記涼風モードの運転指令を拒否する運転指令拒否手段とを含んでおり、前記運転モード受付手段が前記換気モード、前記乾燥モード及び前記涼風モードのいずれかの運転を受け付け、且つ前記過放熱状態判定手段が過放熱状態と判定したときに、前記運転指令拒否手段は、前記運転モード受付手段により受け付けた運転の運転指令を拒否することを特徴とする請求項6に記載の風呂システム。
【請求項8】
前記浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、前記測距器は、前記浴室暖房乾燥機に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項9】
前記コントローラは、携帯情報端末装置と通信接続されており、少なくとも1つの測距位置において前記蓋有無判定手段が前記蓋無し判定すると、前記浴槽の前記開口部の少なくとも一部が前記蓋部材により覆われていないとして蓋無し信号が生成され、前記蓋無し信号が前記コントローラから前記携帯情報端末装置に送信されることを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【請求項10】
前記測距器は、レーザー光を利用したレーザー測距器、ミリ波を利用したミリ波測距器又は超音波を利用した超音波測距器であることを特徴とする請求項1に記載の風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の開口部を覆う蓋部材を備えた風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、浴槽の開口部を覆うために蓋部材が用いられ、この蓋部材を自動的に開閉する風呂蓋開閉装置を備えた風呂システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この風呂システムの風呂蓋開閉装置は、湾曲自在な風呂蓋と、この風呂蓋を巻き取るための巻取りシャフトと、この巻取りシャフトを回転駆動させる駆動手段と、風呂蓋を収容するための風呂蓋収容部とを備えている。また、風呂蓋の先端部には磁石が設けられ、この磁石に対応して、浴槽の浴槽リム部の所定部位にホール素子が設けられている。
【0003】
この風呂蓋開閉装置においては、巻取りシャフトが駆動手段により巻取り方向に回動されると、風呂蓋が巻取りシャフトに巻き取られて風呂蓋収容部に収容され、これによって、浴槽の開口部から風呂蓋を除いてこの開口部を開放することができる。また、巻取りシャフトが駆動手段により巻戻し方向に回動されると、風呂蓋が巻取りシャフトから巻き戻されて風呂蓋収容部から出され、これによって、浴槽の開口部を風呂蓋により覆ってこの開口部を閉じることができる。
【0004】
また、風呂蓋が閉状態(浴槽の開口部を覆っている状態)にあるときには、風呂蓋側の磁石が浴槽側のホール素子に対応する位置まで移動し、このホール素子が磁石を検出することによって、風呂蓋が閉状態であることを検知することができる。また、風呂蓋が開状態(浴槽の開口部を開放している状態)にあるときには、風呂蓋側の磁石が浴槽側のホール素子に対応する位置から離れ、このホール素子が磁石を検出しなくなることによって、風呂蓋が開状態であることを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような風呂蓋開閉装置を備えた風呂システムでは、風呂蓋を自動開閉するための風呂蓋開閉装置(例えば、風呂蓋を巻き取るための巻取りシャフト、巻取りシャフトを回動させる駆動手段及び風呂蓋を収容するための風呂蓋収容部など)と、この風呂蓋開閉装置に組み合わされる風呂蓋の開閉検知手段(例えば、風呂蓋側の磁石、浴槽側のホール素子など)が設けられており、それ故に、風呂蓋開閉装置の構造が複雑になる問題がある。また、この風呂蓋開閉装置を適用するためには、浴槽全体の変更が必要であるため、設置する際の障壁が大きいとの問題がある。
【0007】
加えて、浴槽の開口部を手で開閉する風呂蓋であれば、この風呂蓋の開閉状態は目視することでしか認識することができず、このような風呂蓋においては、その開閉状態を簡便に判定することができない。
【0008】
本発明の目的は、浴槽の開口部を覆う蓋部材の開閉状態を容易に検知することができ、例えば手で開閉する風呂蓋にも適用することができる風呂システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の風呂システムは、浴室内に設置された浴槽と、前記浴槽の開口部を覆うための蓋部材と、前記浴槽の上方に配設された測距器と、前記測距器の測定信号に基づいて判定を行うコントローラとを備え、前記コントローラは、前記測距器から前記蓋部材までの基準距離を基準にして比較する距離比較手段と、前記浴槽の前記開口部における前記蓋部材の有無を判定する蓋有無判定手段とを含み、前記測距器は、前記浴槽の前記開口部に向けて電磁波又は超音波を照射し、その反射電磁波又は反射超音波を受けて距離を測定し、前記距離比較手段は、前記測距器による測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の風呂システムでは、前記測距器は、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に移動しながら前記電磁波又は超音波を走査する移動走査手段を備え、前記距離比較手段は、移動方向における前記測距器による前記測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記移動方向における前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の風呂システムでは、前記浴槽の上方には、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に平行に延びる走査移動機構が設けられ、前記移動走査手段は、前記走査移動機構に沿って前記浴槽の前記長辺方向又は短辺方向に移動されて前記電磁波又は超音波を走査することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の風呂システムでは、前記測距器は、前記浴槽の長辺方向又は短辺方向に延びる旋回軸を中心として旋回しながら前記電磁波又は超音波を走査する旋回走査手段を備え、前記距離比較手段は、旋回方向における前記測距器による前記測定距離と前記基準距離とを比較し、前記蓋有無判定手段は、前記旋回方向における前記測距器の前記測定距離が前記基準距離よりも大きいときに蓋無し判定をすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の風呂システムでは、前記浴室内には人を検知するための人検知手段が配設され、前記コントローラは、前記浴室内の人の有無を判定する人有無判定手段と、前記測距器による距離測定を禁止する測距禁止手段を含んでおり、前記人有無判定手段が前記人検知手段からの検知信号に基づいて人有り判定を行うと、前記測距禁止手段は、前記人有無判定手段による前記人有り判定に基づいて前記測距器による距離測定を禁止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載の風呂システムでは、前記浴槽に関連して、前記浴槽内の水の水位を検知する水位検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記浴槽内の残湯の有無を判定する残湯有無判定手段と、前記浴槽内の残湯の過放熱状態を判定する過放熱状態判定手段とを含んでおり、前記過放熱状態判定手段は、前記蓋開閉状況判定手段が全閉状態を除くその他の判定をし且つ前記残湯有無判定手段が残湯有り判定をしたときに過放熱状態と判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載の風呂システムでは、前記浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、前記浴室暖房乾燥機の暖房乾燥機用コントローラと前記コントローラとが通信手段を介して通信接続されており、また前記暖房乾燥機用コントローラは、前記浴室内を換気する換気モード、前記浴室内を乾燥する乾燥モード及び前記浴室内を換気しながら送風する涼風モードの運転を受け付ける運転モード受付手段と、前記浴室暖房乾燥機に対する前記換気モード、前記乾燥モード及び前記涼風モードの運転指令を拒否する運転指令拒否手段とを含んでおり、前記運転モード受付手段が前記換気モード、前記乾燥モード及び前記涼風モードのいずれかの運転を受け付け、且つ前記過放熱状態判定手段が過放熱状態と判定したときに、前記運転指令拒否手段は、前記運転モード受付手段により受け付けた運転の運転指令を拒否することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項8に記載の風呂システムでは、前記浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、前記測距器は、前記浴室暖房乾燥機に取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項9に記載の風呂システムでは、前記コントローラは、携帯情報端末装置と通信接続されており、少なくとも1つの測距位置において前記蓋有無判定手段が前記蓋無し判定すると、前記浴槽の前記開口部の少なくとも一部が前記蓋部材により覆われていないとして蓋無し信号が生成され、前記蓋無し信号が前記コントローラから前記携帯情報端末装置に送信されることを特徴とする。
【0018】
更に、本発明の請求項10に記載の風呂システムでは、前記測距器は、レーザー光を利用したレーザー測距器、ミリ波を利用したミリ波測距器又は超音波を利用した超音波測距器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の風呂システムによれば、測距器は、浴槽の開口部に向けて電磁波(又は超音波)を照射して測距器からの距離を測定し、このとき、浴槽の開口部が蓋部材に覆われているときには測距器から蓋部材までの距離を測定し、蓋部材に覆われていないときには測距器から浴槽の側壁乃至底壁までの距離を測定するようになる。
【0020】
コントローラは距離比較手段及び蓋有無判定手段を有し、この距離比較手段は測距器から蓋部材までの基準距離と測距器による測定距離とを比較する。浴槽が蓋部材により覆われているときには、測距器による測定距離とこの基準距離とが等しくなるが、蓋部材がないときには測距器による測定距離がこの基準距離よりも大きくなり、このときには、蓋有無判定手段は、浴槽の開口部が蓋部材により覆われていないとして蓋無し判定をする。このようにして蓋有無判定をするので、人が目視することなく、浴槽の蓋の開閉状態を自動的に判定することができ、また測距器及びコントローラを設けるという簡単な構成でもって蓋の開閉状態を簡便に検知することができ、既設の浴槽に後付けすることも可能となる。
【0021】
また、本発明の請求項2に記載の風呂システムによれば、測距器は移動走査手段を備え、この移動走査手段は浴槽の長辺方向(又は短辺方向)に移動しながら浴槽の開口部に向けて電磁波(又は超音波)を照射するので、測距器による測定距離は、浴槽の長辺方向(又は短辺方向)に沿って複数箇所でもって得ることができる。そして、距離比較手段は複数箇所における測距器から蓋部材までの基準距離と測距器による測定距離とを比較し、また蓋有無判定手段はこれら複数箇所における蓋有無判定を行うので、浴槽の長辺方向(又は短辺方向)のどの移動走査位置まで蓋部材により覆われているかを検知することができ、その結果、蓋部材が全閉状態、半開状態、全開状態など開閉状態を具体的に判定することができる。
【0022】
また、本発明の請求項3に記載の風呂システムによれば、浴槽の上方にその長辺方向(又は短辺方向)に延びる走査移動機構が設けられ、移動走査手段はこの走査移動機構に沿って浴槽の長辺方向(又は短辺方向)に移動されるので、蓋部材の開閉状態(即ち、蓋部材がどこまで開いているか)を精度良く判定することができる。
【0023】
また、本発明の請求項4に記載の風呂システムによれば、測距器は旋回走査手段を備え、この旋回走査手段は、浴槽の長辺方向(又は短辺方向)に延びる旋回軸を中心として旋回しながら浴槽の開口部に向けて電磁波(又は超音波)を照射するので、測距器による測定距離は、浴槽の短辺方向(又は長辺方向)に沿って複数箇所でもって得ることができる。そして、距離比較手段は複数箇所における測距器から蓋部材までの基準距離と測距器による測定距離とを比較し、また蓋有無判定手段はこれら複数箇所における蓋有無判定を行うので、浴槽の短辺方向(又は長辺方向)のどの旋回走査位置まで蓋部材が存在する(換言すると、蓋部材により覆われている)かを検知することができ、このように構成した場合においても、蓋部材が全閉状態、半開状態、全開状態などの開閉状態を具体的に判定することができる。
【0024】
また、本発明の請求項5に記載の風呂システムによれば、浴室内に人を検知するための人検知手段が設けられ、コントローラは人有無判定手段及び測距禁止手段を含んでいる。この人検知手段が人を検知すると、人有無判定手段は人有り判定を行い、測距禁止手段はこの人有り判定に基づいて測距器による距離測定を禁止するので、浴室内に人がいるときには測距器が作動せず、測距器から電磁波(又は超音波)が照射されず、使用上の安全性を確保することができる。
【0025】
また、本発明の請求項6に記載の風呂システムによれば、浴槽内の水位を検知するための水位検知手段が設けられ、コントローラは残湯有無判定手段及び過放熱状態判定手段を含んでいる。残湯有無判定手段は、水位検知手段が浴槽内の残湯を検知したときには残湯有り判定を行い、過放熱状態判定手段は、蓋開閉状況判定手段が全閉状態を除くその他の判定をし且つ残湯有無判定手段が残湯有り判定をしたときに過放熱状態と判定する。このように過放熱状態の判定を行うことにより、浴槽内に残湯が有る状態で浴槽の開口部の少なくとも一部が開放されていることがわかり、使用者に対し蓋部材を閉じて残湯の温度低下を抑える措置を促すことができ、その結果、追焚きによるエネルギー消費の低減を図ることができる。
【0026】
また、本発明の請求項7に記載の風呂システムによれば、浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、この暖房乾燥機用コントローラと風呂システムのコントローラとが通信接続されている。浴室暖房乾燥機側にて換気モード(又は乾燥モード、涼風モード)を設定したときに浴槽に残湯が有り且つ過放熱状態判定手段が過放熱状態と判定したときには、運転指令拒否手段が換気モード(又は乾燥モード、涼風モード)の運転指令を拒否する。例えば、換気運転(又は乾燥運転、涼風運転)の場合においては、浴槽内の残湯の温度低下を防ぎ、追焚き機能によるエネルギー消費を抑えることができ、また、乾燥運転の場合においては、浴槽内の残湯による湿度上昇を防ぎ、乾燥運転によるエネルギー消費を抑えることができる。
【0027】
また、本発明の請求項8に記載の風呂システムによれば、測距器は、浴室内に設置された浴室暖房乾燥機に取り付けられているので、測距器を浴室暖房乾燥機と一体化することができ、この測距器を簡便に設置することができる。
【0028】
また、本発明の請求項9に記載の風呂システムによれば、風呂システムのコントローラは、携帯情報端末装置(例えば、スマートフォン)と通信接続され、少なくとも1つの測距位置において蓋有無判定手段が蓋無し判定すると蓋無し信号が生成され、この蓋無し信号がコントローラから携帯情報端末装置に送信されるので、浴槽の少なくとも一部が蓋無しの状態であることを使用者が認識することができ、浴槽の開口部を蓋部材で覆うなどの省エネ措置を促すことができる。
【0029】
更に、本発明の請求項10に記載の風呂システムによれば、測距器として、レーザー光を利用したレーザー測距器、ミリ波を利用したミリ波測距器、超音波を利用した超音波測距器を好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に従う風呂システムの第1の実施形態を適用した例を示す簡略断面図。
【
図2】
図1の風呂システムにおける測距器の旋回走査を説明するための説明図。
【
図3】
図1の風呂システムにおいて蓋部材が半開き状態のときの測距器による距離測定を説明する断面図。
【
図4】第1の実施形態の風呂システムの制御系を簡略的に示すブロック図。
【
図5】
図4の制御系による蓋有無検知の流れを示すフローチャート。
【
図6】本発明に従う風呂システムの第2の実施形態を適用した例を示す簡略断面図。
【
図7】本発明に従う風呂システムの第3の実施形態を適用した例を示す簡略断面図。
【
図8】第3の実施形態の風呂システムの制御系を簡略的に示すブロック図。
【
図9】
図8の制御系による蓋有無検知の流れを示すフローチャート。
【
図10】本発明に従う風呂システムの第4の実施形態を適用した例を示す簡略断面図。
【
図11】第4の実施形態の風呂システムの制御系を簡略的に示すブロック図。
【
図12】
図11の制御系による蓋有無検知の流れを示すフローチャート。
【
図13】本発明に従う風呂システムの第5の実施形態を適用した例を示す簡略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う風呂システムの各種実施形態について説明する。まず、
図1~
図5を参照して、本発明に従う風呂システムの第1の実施形態について説明する。
【0032】
図1及び
図2において、図示の風呂システムは、浴室2の床面4に設置された浴槽6と、この浴槽6の開口部8を覆う蓋部材10と、この蓋部材10までの距離を測定する測距器12とを備えている。浴槽6は直方体状の浴槽本体14から構成され、この浴槽本体14の上面に矩形状の開口16が設けられている。
図1からは明確ではないが、この浴槽本体14においては、
図1において左右方向が長くて浴槽6の長辺方向となり、
図1において紙面に対して垂直な方向が短くて浴槽6の短辺方向となる。
【0033】
この実施形態では、蓋部材10は、板状の2つの部材、即ち浴槽6(浴槽本体14)の開口16の片側(
図1において左側)を覆う第1部材18とその他側(
図1において右側)を覆う第2部材20から構成されている。第1及び第2部材18,20が浴槽6(浴槽本体14)の開口部8(開口16)を覆うと、浴槽6は全閉状態となり、第1部材18又は第2部材20が浴槽6の開口部8を覆うと、浴槽6は半開状態となり、第1及び第2部材18,20が浴槽6の開口部8から取り外されると、浴槽6は全開状態となる。
【0034】
尚、この実施形態では、蓋部材10を2つの板状部材、即ち第1及び第2部材18,20から構成しているが、このような構成に限定されず、この蓋部材10を1つの板状部材、又は3つ以上の板状部材から構成するようにしてもよく、或いは筒状に巻くことができる1つの可撓性部材から構成するようにしてよい。
【0035】
測距器12は、浴槽6(浴槽本体14)の上方に、この実施形態では浴室2の天井22に取り付けられている。
図2をも参照して、測距器12は、旋回しながら電磁波を照射する旋回走査手段24を備えている。天井22には、旋回走査手段24を旋回動させるための走査旋回機構26が設けられ、この走査旋回機構26は、浴槽6(浴槽本体14)の短辺方向(
図1及び
図2において紙面に垂直な方向)に延びる軸部材27と(旋回軸を構成する)と、この軸部材27を回動させるための駆動モータ30(旋回駆動源を構成する)と有し、旋回走査手段24はこの軸部材27に固定されている。操作旋回機構26は、更に、旋回走査手段24の旋回角度位置を検知するための旋回角度センサ32を含み、この旋回角度センサ32は、旋回走査手段24が距離を測定する所定旋回角度位置に位置付けられたことを検知する。
【0036】
この実施形態においては、走査旋回機構26は、浴槽6の短辺方向に延びる軸部材27を中心に旋回走査手段24を旋回させているが、このような構成に限定されず、浴槽6の長辺方向に延びる軸部材を中心に旋回走査手段24を旋回させるようにしてもよい。
【0037】
このように構成されているので、浴槽6(浴槽本体14)の開口部8に向けて電磁波を照射するときには、この旋回走査手段24は、例えば
図2に実線24に示す旋回角度位置に位置付けられ、この角度位置から
図2において反時計方向(矢印25で示す方向)に旋回され、
図2に一点鎖線24Aで示す旋回角度位置を通して
図2に一点鎖線24Bで示す旋回角度位置まで旋回され、このように所定角度範囲に渡って旋回される間に、浴槽6の開口部8に向けて電磁波を走査する。
【0038】
この実施形態では、
図1~
図3に示すように、旋回走査手段24は、
図2に実線24で示す最大左旋回角度位置に位置するときには、旋回走査手段24からの電磁波は、実線矢印28で示すように、浴槽6の開口部8の一端部(換言すると、この開口部8を覆う蓋部材10の一端部)に向けて電磁波を照射し、また
図2に一点鎖線24Bで示す最大右旋回角度位置に位置するときには、旋回走査手段24からの電磁波は、一点鎖線の矢印28fで示すように、浴槽6の開口部8の他端部(換言すると、この開口部8を覆う蓋部材10の他端部)に向けて電磁波を照射する。
【0039】
そして、この最大左旋回角度位置と最大右旋回角度位置との間においては、この所定角度範囲を等分割した5つの旋回角度位置(α°の角度で分割された中間旋回角度位置)の各旋回角度位置に位置するときに、旋回走査手段24からの電磁波は、一点鎖線の矢印28a(又は28b~28e)で示すように、浴槽6の開口部8(換言すると、この開口部8を覆う蓋部材10)に向けて電磁波を照射し、このように照射される電磁波を利用して浴槽6の開口部8が蓋部材10により覆われているかを後述する如くして判定する。尚、旋回角度センサ32は、最大左旋回角度位置、最大右旋回角度位置及び5つの中間旋回角度位置を検知する。
【0040】
この実施形態では、最大左旋回角度位置及び最大右旋回角度位置に加えてこれらの間の5つの中間旋回角度位置において旋回走査手段24から電磁波を照射しているが、このような構成に限定されず、最大左旋回角度位置及び最大右旋回角度位置の2つの旋回角度位置においてのみ電磁波を照射するようにしてもよく、或いは最大左旋回角度位置及び最大右旋回角度位置に加えて1~4つ、又は6つ以上の中間旋回角度位置において旋回走査手段24から電磁波を照射するようにしてもよい。
【0041】
測距器12としては、例えばレーザー光を利用したレーザー測距器を用いることができ、この場合、旋回走査手段24は、レーザー光を照射する照射手段(図示せず)と、蓋部材10又は浴槽6からの反射レーザー光を受光する受光手段(図示せず)とを備え、照射手段がレーザー光を照射した後に受光手段が反射レーザー光を受光するまでの時間に基づいて測距器12(旋回走査手段24)からの距離を測定する。
【0042】
測距器12としては、レーザー測距器に代えて、ミリ波を利用したミリ波測距器を用いるようにしてもよく、この場合、旋回走査手段は、ミリ波を発信する発信手段と、蓋部材10又は浴槽6からの反射ミリ波を受信する受信手段とを備える。或いは、超音波を利用した超音波測距器を用いるようにしてもよく、この場合、旋回走査手段は、超音波を発信する発信手段と、蓋部材10又は浴槽6からの反射超音波を受信する受信手段を備える。
【0043】
この風呂システムは、更に、操作リモコン34を含んでいる。図示の操作リモコン34は、コントローラ36に加えて操作スイッチ38及び表示手段40を備えている。操作スイッチ38はオンスイッチ42及びオフスイッチ44を備え、オンスイッチ42は押圧操作すると蓋検知を開始し、オフスイッチ44は押圧操作すると蓋検知を終了する。また、表示手段40は液晶表示装置などから構成され、後述する各種情報を表示する。
【0044】
コントローラ36は、例えばマイクロプロセッサなどから構成され、信号処理手段46、測距信号生成手段48、測定距離演算手段50、距離比較手段52、蓋有無判定手段54及び蓋開閉状況判定手段56を備え、更に第1メモリ手段58及び第2メモリ手段60を含んでいる。これら各種手段は、例えば、これら機能を発揮するように組み込まれたソフトウェアにより達成される。
【0045】
信号処理手段46は、各種信号を後述する如く処理し、測距信号生成手段48は、蓋部材10までの距離を測定する測距信号を生成し、測距器12(旋回走査手段24)が所定旋回角度位置に位置したことを旋回角度センサ32が検知したときに測距信号を生成する。測定距離演算手段50は、旋回走査手段24からの測定信号に基づいて測定距離を演算する。
【0046】
また、距離比較手段52は、測定距離演算手段50により演算された測定距離と基準距離とを比較する。この基準距離とは、浴槽6の開口部8を蓋部材10でもって覆った状態における測距器12(旋回走査手段24)から蓋部材10(その表面)までの距離であり、この実施形態では、最大左旋回角度位置、最大右旋回角度位置及びそれらの間の5つの中間旋回角度位置にそれぞれ対応した基準距離があり、これら7つの基準距離が、例えばマップ形式、例えば旋回角度-基準距離マップとして第1メモリ手段58に登録される。例えば、この距離比較手段52は、最大左旋回角度位置(又は中間旋回角度位置、最大右旋回角度位置)にて浴槽6に向けて距離を測定したときには、この測定距離と最大左旋回角度位置(又は中間旋回角度位置、最大右旋回角度位置)に対応した基準距離とを比較する。
【0047】
更に、蓋有無判定手段54は、後述するようにして各旋回角度位置における蓋部材10の有無を判定する。
図1及び
図3から理解されるように、例えば、最大左旋回角度位置(又は中間旋回角度位置、最大右旋回角度位置)において、浴槽6の開口部8が蓋部材10により覆われているときには、測距器12(旋回走査手段24)からの電磁波は、蓋部材10の表面により反射されることから、測距器12による測定距離は、蓋部材10までの距離となる。従って、測距器12による測定距離とこの基準距離とが等しくなり、このときには、蓋有無判定手段54は蓋有り判定をする。
【0048】
また、最大左旋回角度位置(又は中間旋回角度位置、最大右旋回角度位置)において、浴槽6の開口部8が蓋部材10により覆われていないときには、
図3に一部示すように、測距器12(旋回走査手段24)からの電磁波は、浴槽6の側壁62乃至底壁64の表面により反射されることから、測距器12による測定距離は、浴槽6の側壁62乃至底壁64までの距離となる。従って、測距器12による測定距離は、この基準距離よりも大きくなり、このときには、蓋有無判定手段54は蓋無し判定をする。蓋有無判定手段54はこのように各旋回角度位置において蓋有無の判定を行い、その判定結果は、第2メモリ手段60に記憶される。
【0049】
蓋開閉状況判定手段56は、各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果に基づいて蓋開閉状況を判定する。例えば、各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果が全て蓋有り判定であるときには、蓋開閉状況判定手段56は、蓋部材10により浴槽6の開口部8(開口16)の全域が覆われているとして全閉状態の判定をする。また、例えば、各旋回角度位置において蓋有無判定手段54の判定結果が全て蓋無し判定であるときには、蓋開閉状況判定手段56は、浴槽6の開口部8(開口16)の全域が開放されている(換言すると、蓋部材10により覆われていない)として全開状態の判定をする。
【0050】
また、
図3に示すように、各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果のうち3~4つが蓋有り判定であるときには、蓋開閉状況判定手段56は、蓋部材10により浴槽6の開口部8(開口16)の半分領域が覆われているとして半閉状態(半開状態)の判定をする。更に、各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果のうち5~6つが蓋有り判定であるときには、蓋開閉状況判定手段56は、蓋部材10により浴槽6の開口部8(開口16)の大部分領域が覆われているとしてほぼ閉状態(一部開状態)の判定をし、また各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果のうち1~2つが蓋有り判定であるときには、蓋開閉状況判定手段56は、蓋部材10により浴槽6の開口部8(開口16)の大部分領域が開放されているとしてほぼ開状態(一部閉状態)の判定をする。
【0051】
蓋開閉状況判定手段56のこのような判定結果(判定情報)は、第2メモリ手段60に記憶されるとともに、操作リモコン34の表示手段40に表示される。この表示は、例えば、蓋開閉状況判定手段56の判定結果をそのまま表示する、例えば「全閉状態」、「一部開状態(ほぼ閉状態)」、「半開状態(半閉状態)」、「一部閉状態(ほぼ開状態)」及び「全開状態」と文字情報でもって表示するようにしてもよく、或いは、浴槽6の開口部8の大きさを表示する棒状図形において、各旋回角度位置における蓋有無判定手段54の判定結果が「蓋有り」の領域では例えば「黒」で表示し、蓋有無判定手段54の判定結果が「蓋無し」のときにはそのままにするようにして図形情報でもって表示するようにしてもよい。
【0052】
尚、上述した実施形態では、蓋部材10による浴槽6の開閉状態を「全閉状態」、「一部開状態」、「半開状態」、「一部閉状態」及び「全開状態」の5段階で判定しているが、このような設定に代えて、「全閉状態」を閉状態に、「全閉状態」を除くその他の状態、即ち「一部開状態」、「半開状態」、「一部閉状態」及び「全開状態」を開状態と判定するようにしてもよい。
【0053】
この風呂システムにおける蓋検知は、例えば、
図5に示すフローチャートの流れに沿って行われる。主として
図4及び
図5を参照して、浴槽6の蓋検知を行うには、操作リモコン34のオンスイッチ42を押圧操作してシステムを作動させ(ステップS1)、このように操作することによって、蓋有無検知が開始される(ステップS2)。
【0054】
このようにして蓋有無検知が開始されると、走査旋回機構26によって旋回走査手段24の走査開始角度位置、例えば最大左旋回角度位置(
図2において実線24で示す旋回角度位置)への位置付けが行われ、この走査開始角度位置(例えば、最大左旋回角度位置)に位置付けられると、ステップS3からステップS4に進み、旋回角度センサ32からの角度信号に基づいて測距信号生成手段48が測距信号を生成する。
【0055】
かくすると、測距器12(旋回走査手段24)は、この測距信号に基づいて浴槽6の開口部8に向けて電磁波(例えば、レーザー光)を照射した後にその反射レーザー光を受光し、このようにして測距器12による距離測定が行われ(ステップS5)、この測距器12からの測定信号がコントローラ36に送給される。
【0056】
この測定信号が送給されると、コントローラ36の測定距離演算手段50は、この測定信号に基づいて測定距離の演算を行い、(ステップS6)、距離比較手段52は、走査開始角度位置(最大左旋回角度位置)における測定距離とこの走査開始角度位置に対応した基準距離とを比較し(ステップS7)、この比較結果に基づいて蓋有無判定手段54は、蓋部材10により覆われている否かの蓋有無判定を行う(ステップS8)。測定距離演算手段50による測定距離が基準距離と等しいときには蓋部材10により覆われているとして、蓋有無判定手段54は蓋有り判定を行い、この測定距離が基準距離よりも大きいときには蓋部材10により覆われていないとして、蓋有無判定手段54は蓋無し判定を行い、この判定結果が第2メモリ手段60に記憶される(ステップS9)。
【0057】
この蓋有無の判定は、走査開始角度位置(最大左旋回角度位置)から走査終了角度位置(最大右旋回角度位置)までの7つの旋回角度位置において行われ、この間、ステップS3からステップS10が繰返し遂行され、全旋回角度位置における蓋有無の判定結果が第2メモリ手段60に記憶される。
【0058】
そして、全旋回角度位置において蓋有無の判定が行われると、ステップS10からステップS11に進み、蓋開閉状況判定手段56は、上述の蓋有無の判定結果に基づいて蓋開閉状況の判定を行い、この実施形態では、上述したように「全閉状態」、「一部開状態(ほぼ閉状態)」、「半開状態(半閉状態)」、「一部閉状態(ほぼ開状態)」又は「全開状態」の判定をし、この判定結果が第2メモリ手段60に記憶される。また、この蓋開閉状況の判定結果は、表示手段40に表示され(ステップS12)、操作者は、この表示手段40の表示内容を見ることによって、浴槽6の開口部8の開閉状態を容易に認識することができ、このようにして蓋有無の検知が終了する(ステップS13)。
【0059】
次に、
図6を参照して、本発明に従う風呂システムの第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態においては、測距器が浴槽の開口部に沿って移動されるように構成されている。尚、以下の実施形態において、上述の第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0060】
図6において、この第2の実施形態では、浴室2に設置された浴槽6の上方、この第2の実施形態では浴室2の天井22に走査移動機構72が設けられている。この走査移動機構72は支持レール74を備え、この支持レール74は、浴槽6(浴槽本体14)の長辺方向(
図6において左右方向)に平行に延びている。走査移動機構72は、更に、測距器12Aを移動させるための駆動モータ(図示せず)(移動駆動源を構成する)と、この駆動モータの回転運動を直線運動に変換するための直線運動変換機構(図示せず)とを備え、この直線運動変換機構としては、例えば、駆動モータにより回動されるねじ軸とこのねじ軸に螺合されたナット部材から構成される。また、測距器12Aは、浴槽6の長辺方向に沿って距離測定を行う移動走査手段76から構成され、この移動走査手段76が直線運動変換機構のナット部材(図示せず)に取り付けられる。
【0061】
この第2の実施形態では、例えば、移動走査手段76は、最大左移動位置(走査開始移動位置)(
図6において実線76で示す位置)から最大右移動位置(走査終了移動位置)(
図6において一点鎖線76gで示す位置)まで矢印78示す方向に移動され、この最大左移動位置76と最大右移動位置76gとの間が6つの移動位置、即ち
図6において一点鎖線で示す中間移動位置76a~76fに等分割され、これらの移動位置(最大左移動位置76、最大右移動位置76g及びこれらの間の6つの中間移動位置76a~76f)において、移動走査手段76は、浴槽6の開口部8(開口16)に向けて電磁波を照射し、蓋部材10又は浴槽6の底壁64にて反射された反射電磁波を受ける。
【0062】
例えば、
図6に示すように、浴槽6の開口部8が蓋部材10の第1部材18により覆われている(即ち、浴槽6の片側が半閉状態である)ときには、最大左移動位置76及びこれに続く3つの中間移動位置76a~76cにおける移動走査手段76からの電磁波は、実線矢印78及び一点鎖線矢印78a~78cで示すように、蓋部材10の第1部材18により反射されて戻り、また中間移動位置76cに続く3つの中間移動位置76d~76f及び最大右移動位置76gにおける移動走査手段76からの電磁波は、一点鎖線矢印78d~78gで示すように、浴槽6の底壁64により反射されて戻る。
【0063】
この第2の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と同様に構成することができ、このように構成した場合においても、
図6から理解されるように、各移動位置(最大左移動位置76、中間移動位置76a~76f及び最大右移動位置76g)において、浴槽6の開口部8(開口16)が蓋部材10で覆われているときは、測距器12Aによる測定距離と第1メモリ手段(図示せず)に登録された基準距離とが等しくなり、またこの開口部8が蓋部材10により覆われていない(即ち、開放状態である)ときには、測距器12Aによる測定距離がこの基準距離よりも大きくなり、従って、測距器12Aからの電磁波を浴槽6の開口部8に向けて照射することによって、浴槽6の開閉状態を上述したと同様にして判定することができる。
【0064】
この第2の実施形態では、走査移動機構72を浴槽6(浴槽本体14)の長辺方向に平行に設け、測距器12A(移動走査手段76)をこの長辺方向に移動させているが、このような構成に代えて、走査移動機構72を浴槽6の短辺方向に平行に設け、測距器12Aをこの短辺方向に移動させるようにしてもよい。
【0065】
次いで、
図7~
図9を参照して、本発明に従う風呂システムの第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態においては、浴室内に人がいるときには測距器による距離測定が行われず(換言すると、蓋有無の検知が行われない)、このように構成することによって、蓋有無検知をする際の安全性を確保している。
【0066】
図7及び
図8において、この第3の実施形態では、浴室2内に人検知手段82(例えば、人検知センサ)が設けられ、この人検知手段82からの検知信号は操作リモコン34Bに送給される。この人検知手段82は、
図7に示すように、例えば浴室2の天井22に設けられるが、このような構成に代えて、浴室の側壁などに設けるようにしてもよい。
【0067】
この人検知手段82に関連して、操作リモコン34Bのコントローラ36Bは、人の有無を判定する人有無判定手段84及び測距を禁止する測距禁止手段86を含んでいる。この第3の実施形態のその他の構成は、上述の第1の実施形態と実質上同一である。
【0068】
この第3の実施形態の風呂システムにおける蓋有無の検知は、例えば、
図9に示すフローチャートの流れに沿って行われる。主として
図8及び
図9を参照して、蓋検知をするには、上述したと同様に、操作スイッチ38のオンスイッチ42を押圧すればよく(ステップS21)、このように押圧操作すると、蓋有無の検知が開始される(ステップS22)。
【0069】
この蓋有無検知の初めに人有無の検知が行われる。即ち、人検知手段82からの検知信号がコントローラ36Bに送られ、コントローラ36Bの人有無判定手段84は、この人検知手段82からの検知信号に基づいて浴室2内の人の有無を判定する。浴室2内に人がいるときには、ステップS23からステップS24に進み、人有無判定手段84は人検知手段82からの検知信号に基づいて人有り判定を行い、この人有り判定に基づき、測距禁止手段86は、測距器12による距離測定を禁止する(ステップS25)。従って、このときには、測距器12を用いた蓋有無検知は行われずに終了する(ステップS26)。
【0070】
また、浴室2内に人がいないときには、ステップS23からステップS27に移り、人有無判定手段84は人検知手段82からの検知信号に基づいて人無し判定を行い、この人判定に基づき蓋有無検知が継続して行われる。この蓋有無検知においては、ステップS28からステップS38までが遂行され、これらステップS28~ステップS38の内容は、第1の実施形態におけるステップS3~ステップS13の内容と同様である。
【0071】
次に、
図10~
図12を参照して、本発明に従う風呂システムの第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態においては、浴槽に残湯があり且つ浴槽の蓋部材が開放されている場合に、浴槽の残湯の過放熱状態を判定するように構成されている。
【0072】
図10及び
図11において、この第4の実施形態の風呂システムは、浴槽6内のお湯(乃至水)の水位を検知するための水位検知手段92(例えば、水位センサから構成される)を備え、この水位検知手段92としてお湯を生成する熱源機93に搭載されたものを利用しているが、例えば浴槽6に専用の水位検知手段を設けるようにしてもよい。
【0073】
この水位検知手段92に関連して、操作リモコン34Cのコントローラ36Cは、浴槽6にお湯(乃至水)が残っているかを判定する残湯有無判定手段94と、浴槽6内の残湯が過放熱状態であるかを判定する過放熱状態判定手段96とを含み、また操作リモコン34Cには過放熱状態であることを知らせる警告ランプ98が設けられている。尚、この警告ランプ98に代えて、表示手段40に過放熱状態であることを表示するようにしてもよい。この第4の実施形態のその他の構成は、上述の第1の実施形態と実質上同一である。
【0074】
この第4の風呂システムにおける蓋有無の検知は、例えば、
図12に示すフローチャートの流れに沿って行われる。主として
図11及び
図12を参照して、蓋検知をするには、操作スイッチ38のオンスイッチ42を押圧すればよく(ステップS41)、このように押圧操作すると、蓋有無の検知が開始され(ステップS42)、続いてステップS43からステップS52までが遂行され、これらステップS43~ステップS52の内容は、上述した第1の実施形態におけるステップS3~ステップS12と同様である。
【0075】
この第4の実施形態において、蓋開閉状況判定手段56が浴槽6の蓋部材10の蓋開閉状況の判定をし(ステップS51)、この蓋開閉状況が操作リモコン34Cの表示手段40に表示された(ステップS52)後、次のようにして過放熱状態の判定が行われる。即ち、水位検知手段92が浴槽6の水位を検知し(ステップS53)、浴槽6にお湯(乃至水)が残っているときには、この水位検知手段92からの検知信号に基づいて、残湯有無判定手段94は残湯有り判定を行い、浴槽6にお湯(乃至水)が残っていないときには、残湯有無判定手段94は残湯無し判定を行う。
【0076】
そして、過放熱状態判定手段96は、残湯有無判定手段94及び蓋開閉状況判定手段56の判定結果に基づいて過放熱状態かの判定をする(ステップS54)。即ち、残湯有無判定手段94が残湯有り判定を行い且つ蓋開閉状況判定手段56が「全閉状態」を除くその他の判定、この実施形態では「一部開状態(ほぼ閉状態)」、「半開状態(半閉状態)」、「一部閉状態(ほぼ開状態)」及び「全開状態」のときには、浴槽6の開口部8(開口16)の少なくとも一部が開放されていて(換言すると、蓋部材10が浴槽6の開口部8を完全に覆っていない)浴槽6内の残湯が冷めやすくなっているとして、過放熱状態判定手段96は過放熱状態の判定を行う(ステップS55)。
【0077】
このように過放熱状態の判定が行われるとステップS56に進み、過放熱状態判定手段96の過放熱状態の判定結果に基づき警告ランプ98が点灯し、使用者は、この警告ランプ98の点灯によって、浴槽6の残湯が過放熱状態であること容易に認識することができ、このようにして蓋有無検知が終了する(ステップS57)。尚、浴槽6に残湯が残っていない及び/又は浴槽6の開口部8が全閉状態であるときには、浴槽8の残湯が過放熱状態でないとしてステップS54からステップS57に移る。
【0078】
この第4の実施形態において、操作リモコン34Cのコントローラ36Cと携帯情報端末装置(図示せず)、例えばスマートフォンとを通信接続するようにしてもよい。この場合、少なくとも1つの測距位置(測距旋回角度位置)において蓋有無判定手段54が蓋無し判定すると、浴槽6の開口部8の少なくとも一部が蓋部材10により覆われていないとして蓋無し信号が生成され、この蓋無し信号がコントローラ36Cから携帯情報端末装置(図示せず)に送信される。このとき、この蓋無し信号に基づいて、携帯情報端末装置の表示画面に、例えば「浴槽が開状態である」と表示するように構成することができ、このように構成することにより、使用者に携帯情報端末装置を介して浴槽6が開状態であることを知らせ、浴槽6の開口部8を蓋部材10で覆って閉状態にするなどの省エネ措置を取ることを促すことができる。
【0079】
次に、
図13を参照して、本発明に従う風呂システムの第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態では、浴室内に浴室暖房乾燥機が設置され、この浴室暖房乾燥機の運転モードを設定する運転指令の一部についてその指令を拒否するように構成されている。
【0080】
図13において、この第5の実施形態の風呂システムでは、浴室2の天井22に浴室暖房乾燥機102が取り付けられている。浴室暖房乾燥機102としては、それ自体周知の構成のものが用いられ、暖房乾燥機本体104内に熱交換器106、循環ファン108及び換気ファン110が搭載されている。また、浴室暖房乾燥機102に関連して熱源機93が設置され、熱源機93にて生成された温水が浴室暖房乾燥機102の熱交換器106を通して循環される。
【0081】
この浴室暖房乾燥機102は、暖房乾燥機用リモコン112を備えており、この暖房乾燥機用リモコン112を入力操作することによって、暖房乾燥機102が運転制御される。暖房乾燥機用リモコン112は、乾燥スイッチ114、暖房スイッチ116、涼風スイッチ118及び換気スイッチ120及び停止スイッチ122を備えている。
【0082】
乾燥スイッチ114は、乾燥モードの運転を設定するためのものであり、この乾燥モードの運転においては、熱源機93が作動し、この熱源機93からの温水が熱交換器106を通して循環されるととともに、循環ファン108及び換気ファン110が作動され、循環ファン108によって浴室2内に温風が送給されるとともに、浴室2内の高湿度の空気が換気ファン110によって浴室2外に排出される。暖房スイッチ116は、暖房モードの運転を設定するためのものであり、この暖房モードの運転においては、熱源機93が作動し、この熱源機93からの温水が熱交換器106を通して循環されるとともに、循環ファン108が作動され、循環ファン108によって浴室2内に温風が送給される。
【0083】
また、涼風スイッチ118は涼風モードを設定するためのものであり、涼風モードの運転においては、循環ファン108及び換気ファン110が作動され、循環ファン108によって浴室2内の空気が循環されるとともに、浴室2内の空気が換気ファン110によって浴室2外に排出される。更に、換気スイッチ120は、換気モードの運転を設定するためのものであり、換気モードの運転においては、換気ファン110が作動され、浴室2内の空気が浴室2外に排出される。更にまた、停止スイッチ122は、各種運転モード(乾燥モード、暖房モード、涼風モード及び換気モード)の運転を停止させるためのものであり、この停止スイッチ122を押圧操作することにより、各種運転モードの運転が終了する。
【0084】
この暖房乾燥機用リモコン112は、更に、浴室2内の温度を設定するための温度設定スイッチ124及び浴室暖房乾燥機102の作動時間を設定するための時間設定スイッチ126を含んでいる。この実施形態では、温度設定スイッチ124は、設定温度をアップさせる温度アップスイッチ及び設定温度をダウンさせる温度ダウンスイッチから構成され、また時間設定スイッチ126は、作動時間をアップさせる時間アップスイッチ及び作動時間をダウンさせる時間ダウンスイッチから構成される。
【0085】
この暖房乾燥機用リモコン112からの操作信号は、暖房乾燥機本体104に内蔵された暖房乾燥機用コントローラ128に送給される。この実施形態では、暖房乾燥機用コントローラ128は、運転モード設定手段130、制御手段132、運転モード受付手段134及び運転指令拒否手段136を含んでいる。運転モード設定手段130は、暖房乾燥機用リモコン112からの操作信号に基づいて運転モードを設定する。例えば乾燥スイッチ114(又は暖房スイッチ116、涼風スイッチ118、換気スイッチ120)を押圧操作したときには、この運転モード設定手段130は、乾燥モード(又は暖房モード、涼風モード、換気モード)の運転を設定し、設定した乾燥モード(又は暖房モード、涼風モード、換気モード)の運転指令信号を生成する。
【0086】
また、制御手段132は、運転モード設定手段130により設定された運転モードの運転指令信号、例えば乾燥モード(又は暖房モード、涼風モード、換気モード)の運転指令信号に基づいて循環ファン108、換気ファン110及び熱源機93を上述したように作動制御する。運転モード受付手段134は、設定した運転モードのうち乾燥モード、涼風モード及び換気モードの運転モードを受け付け、例えば運転モード設定手段130からの運転指令信号に基づいてこれらの運転モード(乾燥モード、涼風モード、換気モード)を受け付ける。また、運転指令拒否手段136は、後述するようにして運転モード受付手段134により受け付けた運転モードの運転指令を拒否する。
【0087】
この実施形態では、測距器12は浴室暖房乾燥機102の暖房乾燥機本体104の所定部位(具体的には、浴室2内の浴槽6の開口部8に対向する部位)に設けられ、このような部位に設けることによって、測距器12を浴室暖房乾燥機102と一体化することができ、またその取付設置も容易に行うことができる。
【0088】
また、この浴室暖房乾燥機102に関連して、操作リモコン34C、測距器12、操作旋回機構26及び水位検知手段92(例えば、熱源機93に設けられる)を備える蓋有無検知システム140が設けられ、この蓋有無検知システム140のコントローラ36Cは、浴室暖房乾燥機102の暖房乾燥機用コントローラ128と通信接続され、このコントローラ36Cと暖房乾燥機用コントローラ128との間で各種信号の送受信が行われ、この蓋有無検知システム140を含む第5の実施形態の風呂システムにおけるその他の構成は、上述した第4の実施形態と実質上同一である。
【0089】
この第5の実施形態において、暖房乾燥機用リモコン112の乾燥スイッチ114(又は暖房スイッチ116、涼風スイッチ118、換気スイッチ120)を入力操作すると、この暖房乾燥機用リモコン112からの操作信号が暖房乾燥機用コントローラ128に送給され、運転モード設定手段130は、乾燥モード(又は暖房モード、涼風モード、換気モード)の運転を設定し、乾燥モード(又は暖房モード、涼風モード、換気モード)の運転指令信号を生成する。
【0090】
例えば、乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令信号が生成されたときには、この運転指令信号に基づいて運転モード受付手段134は、設定した運転モード、例えば乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令を受け付ける。このとき、蓋有無検知システム140側の操作リモコン34Cの過放熱状態判定手段(図示せず)が過放熱状態の判定であるかが判断される。
【0091】
そして、運転モード受付手段134が例えば乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令を受け付け、且つ蓋有無検知システム140側の過放熱状態判定手段(図示せず)が過放熱状態の判定をしたときには、運転指令拒否手段136は、運転モード設定手段130により生成された運転指令信号に基づく、例えば乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令を拒否し、これによって、制御手段132による乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転が強制的に拒否される。このように制御することによって、浴槽6に残湯があり且つ浴槽6の蓋部材10が開放状態であるときに乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転がされることがなく、乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転による浴槽6の残湯の温度低下を抑え、追焚き機能によるエネルギー消費を少なくすることができる。また、乾燥モードの運転においては、浴槽6の残湯による湿度上昇も抑え、乾燥モードの運転におけるエネルギー消費も少なくすることができる。
【0092】
尚、操作リモコン34Cの過放熱状態判定手段(図示せず)にて過放熱状態の判定が行われない、換言すると浴槽6の蓋部材10が全閉状態であるときには、運転指令拒否手段136は、例えば乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令を拒否することはなく、この場合、運転モード設定手段130にて生成された例えば乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転指令信号に基づいて、上述した乾燥モード(又は涼風モード、換気モード)の運転が行われる。
【0093】
また、運転モード設定手段130が暖房モードの運転指令信号を生成したときには、運転モード受付手段134は、この暖房モードの運転指令を受け付けることがなく、この場合、運転指令拒否手段136により暖房モードの運転指令が拒否されることがなく、この暖房モードの運転指令信号に基づいて上述した暖房運転が行われる。
【0094】
以上、本発明に従う風呂システムの各種実施形態を図面を参照して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0095】
例えば、第3の実施形態の風呂システム(
図7~
図9に示すものであって、人検知手段を備えたもの)を第4の実施形態の風呂システム(
図10~
図12に示すものであって、過放熱状態判定手段を備えたもの)又は第5の実施形態の風呂システム(
図13に示すものであって、浴室暖房乾燥機を備えたもの)に組み合わせて適用することもできる。
【符号の説明】
【0096】
2 浴室
6 浴槽
8 開口部
10 蓋部材
12,12A 測距器
24 旋回走査手段
34,34B,34C 操作リモコン
36,36B,36C コントローラ
52 距離比較手段
54 蓋有無判定手段
56 蓋開閉状況判定手段
76 移動走査手段
82 人検知手段
84 人有無判定手段
86 測距禁止手段
92 水位検知手段
94 残湯有無判定手段
96 過放熱状態有無判定手段
102 浴室暖房乾燥機
112 暖房乾燥機用リモコン
128 暖房乾燥機用コントローラ
130 運転モード設定手段
134 運転モード受付手段
136 運転指令拒否手段
140 蓋有無検知システム