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特開2024-117577サブキャリア、レーザーモジュール、光学エンジンモジュール及びXRグラス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117577
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】サブキャリア、レーザーモジュール、光学エンジンモジュール及びXRグラス
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/023 20210101AFI20240822BHJP
   G02B 6/42 20060101ALN20240822BHJP
   G02B 6/12 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
H01S5/023
G02B6/42
G02B6/12 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023744
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】本田 隆
(72)【発明者】
【氏名】青柳 岳
(72)【発明者】
【氏名】福田 誠
(72)【発明者】
【氏名】小巻 壮
(72)【発明者】
【氏名】福▲崎▼ 亮平
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5F173
【Fターム(参考)】
2H137AA17
2H137AB11
2H137AC01
2H137BA52
2H137BB02
2H137BB17
2H137BB25
2H137BC51
2H137CA22F
2H137CA34
2H137CC06
2H137CC10
2H137DA07
2H137DA23
2H137DB08
2H137EA04
2H137HA01
2H147AA04
2H147AB04
2H147AB17
2H147BE14
2H147CA13
2H147CA27
2H147CB03
2H147CC14
2H147CD02
2H147CD09
2H147DA05
2H147EA13C
2H147EA14A
2H147EA14B
2H147EA14D
2H147EA15D
2H147EA35A
2H147FC03
2H147GA26
5F173MB03
5F173MC30
5F173MD12
5F173MD64
5F173MD84
5F173ME22
5F173ME33
5F173MF25
5F173MF27
(57)【要約】
【課題】光半導体素子がサブキャリア上に形成されたときに、光半導体素子の照射面が溶融して形成された構造物により遮断されることが抑制されたサブキャリア及びレーザーモジュールを提供する。
【解決手段】このサブキャリアは、レーザーモジュール用のサブキャリアであって、基台と前記基台の表面に形成された保護層とで構成されたウェハ部と、前記保護層上に形成された第1金属層と、前記第1金属層上に形成された共晶層と、前記共晶層上に形成された第2金属層と、を備え、前記ウェハ部は、幅方向において共晶層と重なる領域であって、長手方向において第1金属層よりも外側の領域に凹部が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーモジュール用のサブキャリアであって、
基台と前記基台の表面に形成された保護層とで構成されたウェハ部と、前記保護層上に形成された第1金属層と、前記第1金属層上に形成された共晶層と、前記共晶層上に形成された第2金属層と、を備え、
前記ウェハ部は、幅方向において第2金属層と重なる領域であって、長手方向において第1金属層よりも外側の領域に凹部が形成されている、サブキャリア。
【請求項2】
積層方向から平面視して、前記第1金属層と、前記共晶層と、の長手方向における端面は、前記長手方向において前記基台の端面よりも内側に位置する、請求項1に記載のサブキャリア。
【請求項3】
前記凹部は、前記保護層の表面からの深さが10μm以上である、請求項1又は2に記載のサブキャリア。
【請求項4】
請求項1に記載のサブキャリアと、前記第2金属層上に、前記長手方向にレーザー光を照射可能に形成された光半導体素子と、を備え、
積層方向から平面視して、前記光半導体素子は、前記凹部と重なる、レーザーモジュール。
【請求項5】
前記第1金属層及び前記共晶層は、前記光半導体素子に覆われている、請求項5に記載のレーザーモジュール。
【請求項6】
前記光半導体素子のレーザー光照射方向において、前記第1金属層の端部と前記光半導体素子の端部との距離が、1μm以上である、請求項4又は5に記載のレーザーモジュール。
【請求項7】
請求項4に記載のレーザーモジュールと、
前記レーザーモジュールから出射された光を走査する光走査ミラーと、を備える、光学エンジンモジュール。
【請求項8】
請求項6に記載の光学エンジンモジュールを備える、XRグラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブキャリア、レーザーモジュール、光学エンジンモジュール及びXRグラスに関する。
【背景技術】
【0002】
データトラフィックの増大に伴い、光通信システムや、光通信システムを用いた身の回りの種々の光デバイスの多機能化が進んでいる。最近では多機能化と共に高密度化が求められ、多機能且つ小型な光デバイスが検討されている。
【0003】
近年、シリコン導波路に発光素子や受光素子を集積させるシリコンフォトニクスの技術が進展し、光通信システムに用いられている。合波・分波・波長選択等の光信号処理を行う平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)は、光通信システムに用いられる代表的なシリコン導波路の一つである。
【0004】
光通信システム以外の例えば身の回りのウェアラブルデバイスや小型プロジェクタ等においても、使用目的に応じて複数の機能を発現し、且つ装置全体を持ち歩き可能とする、多機能且つ小型な光デバイスが求められている。
【0005】
AR(Augmented Reality:拡張現実)グラス、VR(Virtual Reality:仮想現実)グラス等のXRグラスは小型のウェアラブルデバイスとして期待されている。ARグラス、VRグラスのようなウェアラブルデバイスにおいては通常の眼鏡型のサイズに各機能が収まるように小型化されることが普及に対するカギとなっている。
【0006】
特許文献1には、レーザー光を出射するレーザーダイオード素子を備えるチップが、溶融したAuSn半田によりサブマウントと接合された、レーザーダイオード素子が開示されています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-001289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のレーザーダイオード素子は、レーザーを出射するレーザーダイオード素子を備えるチップが、溶融したAuSn半田によりサブマウントと接合されており、溶融したAuSn半田がレーザーダイオード素子の照射面にはみ出てしまうと、レーザー光が溶融したAuSnの構造物により遮断されてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、光半導体素子がサブキャリア上に形成されたときに、光半導体素子の照射面が溶融して形成された構造物により遮断されることが抑制され、レーザー光が所望の光路を通るように制御されたサブキャリア、レーザーモジュール、またそれを備える光学エンジンモジュール及びXRグラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
【0011】
(1)本発明の一態様に係るサブキャリアは、レーザーモジュール用のサブキャリアであって、基台と前記基台の表面に形成された保護層とで構成されたウェハ部と、前記保護層上に形成された第1金属層と、前記第1金属層上に形成された共晶層と、前記共晶層上に形成された第2金属層と、を備え、前記ウェハ部は、幅方向において共晶層と重なる領域であって、長手方向において第1金属層よりも外側の領域に凹部が形成されている。
【0012】
(2)上記(1)のサブキャリアにおいて、積層方向から平面視して、前記第1金属層と、前記共晶層と、の長手方向における端面は、前記凹部と重なっていてもよい。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)のいずれかのサブキャリアにおいて、前記凹部の前記保護層の表面からの深さは、10μm以上であってもよい。
【0014】
(4)本発明の一態様に係るレーザーモジュールは、上記(1)~(3)のいずれかのサブキャリアと、前記第2金属層上に、前記長手方向にレーザー光を照射可能に形成された光半導体素子と、を備え、積層方向から平面視して、前記光半導体素子のレーザー光の照射面が前記凹部と重なる。
【0015】
(5)上記(4)のレーザーモジュールにおいて、前記第1金属層及び前記共晶層は、前記光半導体素子に覆われていてもよい。
【0016】
(6)上記(4)又は(5)のレーザーモジュールは、前記光半導体素子のレーザー光照射方向において、前記第1金属層の端部と前記光半導体素子の端部との距離が、1μm以上であってもよい。
【0017】
(7)本発明の一態様に係る光学エンジンモジュールは、上記(4)~(6)のいずれかのレーザーモジュールと、前記レーザーモジュールから出射された光を走査する光走査ミラーと、を備える。
【0018】
(8)本発明の一態様に係るXRグラスは、上記(7)の光学エンジンモジュールを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、光半導体素子がサブキャリア上に形成されたときに、光半導体素子の照射面が溶融して形成された構造物により遮断されることが抑制されたサブキャリア及びレーザーモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るレーザーモジュールの構造を説明する斜視図である。
図2図1に示すレーザーモジュールのPLCの入射面の断面図である。
図3図1に示すレーザーモジュールの一部の平面図である。
図4図1のレーザーモジュールに備えられるサブキャリア及び半導体発光素子の構造を説明する断面図である。
図5図1のレーザーモジュールに備えられるサブキャリア及び半導体発光素子の構造を説明する断面図であって、図2と別の向きの断面を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図であって、ウェハ部に凹部を形成する様子を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図であって、LDを基台に接合させる様子を示す図である。
図9図1のレーザーモジュールの変形例を示す上面図である。
図10図1のレーザーモジュールの変形例を示す斜視図である。
図11】パッケージされた集積レーザーモジュールの平面図である。
図12図11のレーザーモジュールの断面図である。
図13図11のレーザーモジュールのカバーを外した状態の平面図である。
図14図11のレーザーモジュールの出射部側から見た側面図である。
図15図11のレーザーモジュールの使用時の一形態を示す斜視図である。
図16】本発明の一実施形態に係るXRグラスを説明するための概念図である。
図17】本発明の一実施形態に係るレーザーモジュールから出射されたレーザー光によって網膜に直接画像が投影される様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。本実施形態において、ある層が他の層上に形成されるとは、該他の層上に直接形成される例に限定されず、別の層を介して形成される構成を含む。
【0022】
[レーザーモジュール]
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザーモジュールの構造を説明する斜視図である。図2は、図1に示すレーザーモジュールのPLCの入射面の断面図であり、図3は、図1に示すレーザーモジュールの一部の平面図である。
【0023】
図1に示されるレーザーモジュール100は、詳細を後述するサブキャリア10、サブキャリア10の上面11に金属層70を介して接合されたLD(光半導体素子)30、サブキャリア10の面内方向に形成された基板40及び、基板40の上面に設けられたPLC(光導波路)50を備える。LD30は、サブキャリア10に近い側の表面に成長層33が形成されている。LD30は、金属層70のうち、詳細を後述する第2金属層上に、長手方向(y方向)にレーザー光を照射可能に形成されている。図に示すレーザーモジュールにおいて、LD30は、+y方向にレーザー光を照射可能に設けられている。尚、LD30のy方向における両側の面には、例えば、反射面が形成されている。例えば、レーザー光の照射方向である+y方向の端面には反射率の低い反射面が形成され、-y方向には反射率の高い反射面が形成されることで、誘導放出により出射されるレーザー光の強度が高まる。
【0024】
レーザーモジュール100は、光の3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの色の光を合わせる合波器である。レーザーモジュール100は、例えばヘッドマウントディスプレイに搭載される合波器として適用可能である。使用する光源であるLD(光半導体素子)30は、赤(R)、緑(G)、青(B)とは限らず、本実施形態において、例示した光の3原色のLD(光半導体素子)30は、市販の赤色光、緑色光、青色光等の各種レーザー素子が使用可能である。適宜、所望の用途により選択すればよく、例えば、赤色光は、ピーク波長が610nm以上750nm以下である光が使用可能であり、緑色光は、ピーク波長が500nm以上560nm以下である光が使用可能であり、青色光は、ピーク波長が435nm以上480nm以下である光が使用可能である。
【0025】
LD30は、例えば、ウェハ部20に近い側から順に、P+コンタクト層、電流ブロック層、P+クラッド層、N-クラッド層、N-半導体基板がこの順で重なる積層体であり、ウェハ部20に近い側の面が高電位、ウェハ部20から離間した側の面が低電位となるように制御されて動作する。
【0026】
レーザーモジュール100は、赤色光を発するLD30-1、緑色光を発するLD30-2、及び青色光を発するLD30-3を備える。LD30-1,30-2,30-3は、それぞれのLDから発せられる光の出射方向に略直交する方向において互いに間隔をあけて配置され、個別のサブキャリア10の上面に設けられている。詳細を後述する通り、LD30-1、LD30-2、LD30-3は、それぞれサブキャリア10-1,10-2、10-3の上面11-1,11-2,11-3に設けられている。以下では、レーザーモジュール100の任意の構成要素の符号Zについて、符号Z-1,Z-2,…,Z-Kの構成要素に共通する内容については、これらをまとめて符号Zと記載する場合がある。前述のKは2以上の自然数である。
【0027】
尚、言うまでもないが、本実施形態として示した赤(R)、緑(G)、青(B)以外の光も使用可能であり、図面を用いて説明した赤(R)、緑(G)、青(B)の搭載順についても、この順である必要性はなく適宜変更可能である。
【0028】
基板40は、シリコン(Si)で構成されている。PLC50は、集積回路等の微細な構造を形成する際に用いられる公知のフォトリソグラフィやドライエッチングを含む半導体プロセスによって、上面41に、基板40と一体になるように作製されている。図1及び図2に示すように、PLC50には、複数且つLD30-1,30-2,30-3と同数のコア51-1,51-2,51-3と、コア51-1,51-2,51-3を囲むクラッド52が設けられている。クラッド52の厚みと、コア51-1,51-2,51-3の幅方向寸法は、特に制限されない。例えば、50μm程度の厚みを有するクラッド52中に、数ミクロン程度の幅方向寸法を有するコア51-1,51-2,51-3が配設されている。
【0029】
コア51-1,51-2,51-3及びクラッド52は、例えば石英で構成されている。コア51-1,51-2,51-3の屈折率は、クラッド52の屈折率より所定値だけ高くなっている。このことによって、コア51-1,51-2,51-3の各々に入射した光が、各コアとクラッド52との界面で全反射しながら、各コアを伝搬する。コア51-1,51-2,51-3には、例えばゲルマニウム(Ge)等の不純物が前述の所定値に応じた量でドープされている。
【0030】
以下、LD30から発せられる光の出射方向をy方向とする。y方向を含む面内でy方向に直交し、且つLD30-1,30-2,30-3が互いに間隔をあけて配置されている方向をx方向とする。x方向及びy方向に直交し、且つサブキャリア10からLD30に向かう方向をz方向とする。PLC50の入射面61では、コア51-1,51-2,51-3は、x方向及びz方向に関してLD30-1,30-2,30-3から発せられる光の光軸に合わせて配置されている。
【0031】
図1に示すように、コア51-1,51-2,51-3は、PLC50の出射面64に到達する手前側で一つに集められる。すなわち、コア51-1,51-2,51-3は、y方向の前方に向かうに従って集束し、一つのコア51-4に合流する。コア51-1,51-2,51-3は、それぞれ、所定の曲率半径以上の曲率半径でコア51-4に集束することが好ましい。
【0032】
図3に示すように、PLC50の入射面61がLD30の出射面31と対向するように配置されている。詳細には、LD30-1の出射面31-1がコア51-1の入射面61-1と対向している。x方向及びz方向において、LD30-1から発せられる赤色光の光軸と入射面61-1の中心とが略重なっている。同様に、LD30-2の出射面31-2がコア51-2の入射面61-2と対向している。x方向及びz方向において、LD30-2から発せられる緑色光の光軸と入射面61-2の中心とが略重なっている。LD30-3の出射面31-3がコア51-3の入射面61-3と対向している。x方向及びz方向において、LD30-3から発せられる青色光の光軸と入射面61-3の中心とが略重なっている。このような構成及び配置によって、LD30-1,30-2,30-3から発せられる赤色光、緑色光、青色光の少なくとも一部は、コア51-1,51-2,51-3に入射可能である。
【0033】
図1に示すように、LD30-1,30-2,30-3から発せられる赤色光、緑色光、青色光は、コア51-1,51-2,51-3にそれぞれ入射した後、各コアを伝搬する。コア51-1,51-2及びこれらのコアを伝搬する赤色光及び緑色光は、合流位置57-2よりy方向の後方の所定の合流位置57-1(図3参照)で合わさる。コア51-1,51-2同士が合流したコア51-7(図3参照)とコア51-3及びこれらのコアを伝搬する赤色光、緑色光及び青色光は、合流位置57-2で合わさる。合流位置57-2で集光された赤色光、緑色光及び青色光は、コア51-4を伝搬し、出射面64に到達する。出射面64から出射される3色光は、例えばレーザーモジュール100の使用目的に応じて信号光等として用いられる。
【0034】
図3に示すように、PLC50の入射面61がLD30の出射面31と対向するように配置されている。詳細には、LD30-1の出射面31-1がコア51-1の入射面61-1と対向している。x方向及びz方向において、LD30-1から発せられる赤色光の光軸と入射面61-1の中心とが略重なっている。同様に、LD30-2の出射面31-2がコア51-2の入射面61-2と対向している。x方向及びz方向において、LD30-2から発せられる緑色光の光軸と入射面61-2の中心とが略重なっている。LD30-3の出射面31-3がコア51-3の入射面61-3と対向している。x方向及びz方向において、LD30-3から発せられる青色光の光軸と入射面61-3の中心とが略重なっている。このような構成及び配置によって、LD30-1,30-2,30-3から発せられる赤色光、緑色光、青色光の少なくとも一部は、コア51-1,51-2,51-3に入射可能である。
【0035】
図1図3に示すように、LD30-1、30-2、30-3から発せられる赤色光、緑色光、青色光は、コア51-1,51-2,51-3にそれぞれ入射した後、各コアを伝搬する。コア51-1,51-2及びこれらのコアを伝搬する赤色光及び緑色光は、合流位置57-2よりy方向の後方の所定の合流位置57-1(図3参照)で合わさる。コア51-1,51-2同士が合流したコア51-7(図3参照)とコア51-3及びこれらのコアを伝搬する赤色光、緑色光及び青色光は、合流位置57-2で合わさる。合流位置57-2で集光された赤色光、緑色光及び青色光は、コア51-4を伝搬し、出射面64に到達する。出射面64から出射される3色光は、例えばレーザーモジュール100の使用目的に応じて信号光等として用いられる。
【0036】
サブキャリア10及び基板40は、種々の金属層により接合される。サブキャリア10及び基板40は、例えば、AuSn等により接合される。図3においては、サブキャリア10及び基板40が接合層78により接合されている様子を示している。接合層78を構成する層は、一層であってもよく、複数層であってもよい。すなわち、y方向において、サブキャリア10及び基板40の間には、複数の金属層が形成されていてもよい。また、PLC50のサブキャリア10に近い側の端面には、反射防止膜81が設けられていてもよい。反射防止膜81は、例えば、基板40及びPLC50の端面に一体成形されている。反射防止膜81は、例えば、複数の種類の誘電体が、入射光である赤色光、緑色光、青色光の波長に応じた所定の厚みで交互に積層されることによって形成される多層膜である。反射防止膜81に用いられる誘電体としては、例えば酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化シリコン(SiO)、酸化アルミニウム(Al)等が挙げられる。
【0037】
LD30の出射面31とPLC50の入射面61とは、所定の間隔で配置されている。入射面61は出射面31と対向しており、y方向において出射面31と入射面61との間には隙間がある。レーザーモジュール100は空気中に露出されているので、該隙間には空気が満ちている。
【0038】
<サブキャリア>
以下、レーザーモジュール100に備えられるサブキャリア10について説明する。図4は、図1のレーザーモジュール100に備えられるサブキャリア10及び半導体発光素子(LD)30の構造を説明する断面図であり、図5は、図1のレーザーモジュール100に備えられるサブキャリア10及び半導体発光素子30の構造を説明する断面図である。図5の断面図は、図4と直交する断面を示す断面図である。図4では、説明の便宜上、LD30から誘導放出により放出されるレーザーLが合わせて示されている。
【0039】
サブキャリア10は、レーザーモジュール用のサブキャリアであって、基台21と基台21の表面に形成された保護層22とで構成されたウェハ部20と、保護層22上に形成された第1金属層75と、第1金属層75上に形成された共晶層77と、共晶層77上に形成された第2金属層76と、を備え、ウェハ部20は、幅方向において共晶層77と重なる領域であって、長手方向において第1金属層75よりも外側の領域に凹部23が形成されている。本実施形態では、第1金属層75、共晶層77及び第2金属層76を総称して金属層70と呼称される。
【0040】
(ウェハ部)
ウェハ部20は、基台21及び基台21の表面に形成された保護層22を備える。基台21は、例えば、Si等で構成されたウェハである。保護層22は、例えば、Siの酸化物膜、Siの熱酸化膜、Siの窒化物、TEOS(tetraethyl orthosilicate)膜等である。保護層22は、例えば、SiO、Si、TEOS等の絶縁材料で構成されている。保護層22は、基台21をLD30と電気的に分離する役割を担う。基台21は、他の領域と比べ、+z方向に突出している凸部21xを有する。
【0041】
積層方向(z方向)から平面視して、基台21のx方向における端部近傍は、露出している。以下、基台21の平面視して露出している領域のうち、保護層22よりも基板40に近い側に位置する領域を第1領域211と呼称し、保護層22よりも基板40から離れた側に位置する領域を第2領域212と呼称する。すなわち、平面視して、保護層22は、第1領域211及び第2領域212の間に位置している。
【0042】
保護層22は、例えば、平面視して島状に形成されている。すなわち、保護層22は、例えば、平面視して、基台21に囲まれている。換言すると、サブキャリア10において基台21は、例えば、平面視して保護層22と重なる領域を除いて露出している。保護層22は、例えば、凸部21x上に形成されている。保護層22の平面視形状は、凸部21xの形状と同じである。
【0043】
ウェハ部20は、例えば、基台上に保護層を形成した後にエッチング加工される工程を経て、保護層及び基台の一部が除去されて形成される。ウェハ部20は、該工程により、基台の一部が露出した構造となる。そのため、図4及び図5に示す通り、基台21のうち、平面視して露出している領域は、窪んだ形状をした凹部23、24である。以下、本実施形態では、保護層22に対してx方向に位置する凹部を保護層22に対してy方向に位置する凹部23と区別するために、予備凹部24と呼称する場合がある。尚、保護層22に対してx方向に位置する凹部であって、保護層22に対してy方向に位置するものは、凹部23と称する。
【0044】
凹部23及び予備凹部24の保護層22の主面からの深さdは、例えば、10μm以上であることが好ましい。このような深さの凹部23及び予備凹部24が形成されていることで、後述する共晶層77からの溶融物が凹部23,24で固化するように制御し、該溶融物がLD30のレーザー光照射面で固化することを抑制する効果を得られやすい。
【0045】
(金属層)
保護層22上には、金属層70を介してLD30が接合されている。金属層70は、上記の通り、第1金属層75、共晶層77及び第2金属層76を含む。第1金属層75は、ウェハ部20上に設けられている。
【0046】
第1金属層75は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、インジウム(In)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群から選択される1又は複数の金属で構成されている。第1金属層75は、例えば、スパッタ、蒸着、ペースト化した金属の塗布等の公知の手法によって形成可能である。
【0047】
共晶層77は、例えば、AuSn、AuIn等の共晶体で構成されている。共晶層77は、例えば、第1金属層75に含まれる元素及び第2金属層76に含まれる元素で構成されている。
【0048】
第2金属層76は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、鉛(Pb)、インジウム(In)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される1又は複数の金属で構成されている。第2金属層76は、例えば、スパッタ、蒸着、ペースト化した金属の塗布等の公知の手法によって形成可能である。
【0049】
第1金属層75、共晶層77及び第2金属層76は、例えば、y方向に長手方向を有するように形成されている。第1金属層75及び共晶層77の長手方向における端面は、例えば、第2金属層76の長手方向における端面よりも平面視中心に近い側に位置している。また、第1金属層75の端面及び共晶層77の端面は、LD30の端面と比べ、平面視中心近い側に位置していることが好ましい。また、共晶層77の長手方向における端面は、例えば、第1金属層75よいも平面視中心に近い側に位置している。
【0050】
LD30のレーザー光照射方向(y方向)において、第1金属層75の端部及びLD30の端部の距離は、例えば、LD端部が第一金属層よりも突出している。例えば、上記距離は、1μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。共晶層77も同様に、y方向において、端部のLD30の端部との距離は、第一金属層端部より後退していることが、例えば、5μm以上であり、7μm以上であることが好まし好ましい。上記構成により、LD30のレーザー光照射面からのレーザー光が遮られることを抑制するとともに、レーザー光がウェハ部20により反射されることを抑制できる。また、第1金属層75及び共晶層77が、LD30のy方向端部と十分に離れていることで、共晶層77の溶融物が形成される領域を十分に確保し、LD30のy方向における端面に回り込むことを抑制できる。
【0051】
第1金属層75及び共晶層77は、長手方向における端面が凹部23よりも平面視内側に設けられていることが好ましい。すなわち、共晶層77の+y方向における端面は、+y方向における凹部23よりも-y方向に位置していることが好ましく、共晶層77の-y方向における端面は、-y方向における凹部23よりも+y方向に位置していることが好ましい。
【0052】
第1金属層75及び共晶層77が上記のような構造であることで、共晶層77で溶融物が生じた場合に、溶融物が第2金属層76をつたって、LD30の出射面31に固着することを抑制し、溶融物が共晶層77に対して凹部23に近い側に形成するように制御できる。溶融物がLD30の出射面31に固着することを抑制することで、LD30からのレーザー光が溶融物により遮られることを抑制し、レーザーモジュールの信頼性が向上する。
【0053】
また、第1金属層75及び共晶層77は、x方向においても端面がLD30の端面の内側に位置していることが好ましい。すなわち、平面視して、第1金属層75及び共晶層77は、LD30に覆われていることが好ましい。該構成によれば、x方向においてもLD30の側面に溶融物が固着することを抑制できる。
【0054】
図4及び図5では、ウェハ部20及びLD30の間に、第1金属層75、共晶層77、及び第2金属層76のみが形成されている構成を例示したが、本実施形態は上記構成に限定されない。例えば、金属で構成された層と他の層との密着性を向上する観点から、Ti,Ta等で構成されたシード層や、Ti,Ta,Ni,Pt等で構成されたバリア層等が層間に形成されていてもよい。
【0055】
以下、図4及び図5に示される構造体の形成方法について図6図8を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図であって、基台21上に保護層22、第1金属層75及び共晶層77が形成されている様子を示す図である。図7は、本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図であって、ウェハ部20に凹部23を形成する様子を示す図である。図8は、本発明の一実施形態に係るサブキャリアの製造方法を説明する図であって、LD30を基台21に接合させる様子を示す図である。
【0056】
本実施形態に係るサブキャリアの製造方法は、例えば、積層工程及びエッチング工程を有する。その後、レーザーモジュールを製造する場合、さらにLD積層工程及びレーザー光照射工程を有する方法を行う。
【0057】
先ず、基台21上に、保護層22、第1金属層75及び共晶層77を蒸着等により順次形成して中間構造体を作製する(図6、積層工程)。
【0058】
次いで、上記中間構造体に対し、エッチング等により、所定の位置を加工し、ウェハ部20の所定の位置に、ウェハ部20の主面より窪んだ凹部23を形成する(図7、エッチング工程)。エッチング工程において、凹部23とともに予備凹部24Aを合わせて形成してもよい。このようにしてサブキャリアが製造される。
【0059】
次いで、レーザーモジュールの製造方法について説明する。先ず、例えば、凹部23が形成された上記中間構造体に対し、成長層33が表面に形成されたLD30を、第2金属層76を介して積層する。さらに、レーザー装置90からレーザー光をサブキャリア10に照射し、サブキャリア10からの伝熱によって、第1金属層75、共晶層77及び第2金属層76を軟化或いは溶融させ、その後冷却する。従来のレーザーモジュールの製造過程では、溶融物が面内方向に過剰に広がり、LD30の側面に固着する虞があるが、本実施形態に係るレーザーモジュールでは、共晶層77に対してLD30と反対側に凹部23、或いは、凹部23及び予備凹部24Aが形成されているため、溶融物が凹部23、予備凹部24に選択的に形成されることとなり、LD30の側面に固着することを抑制できる。
【0060】
また、上記実施形態では、ウェハ部20に凹部23及び予備凹部24Aが形成されており、平面視して保護層22が基台21に囲まれた島状構造である例を示したが、本発明はこの例に限定されない。図9は、図1のレーザーモジュールの変形例を示す上面図であり、図10は、図1のレーザーモジュールの変形例を示す斜視図である。図9及び図10では、説明の便宜上、ウェハ部20並びにLD30のみが拡大して示されており、ウェハ部20及びLD30の間に形成される金属層70等の部材の図示が省略されている。図9において、ウェハ部20のうち凹部23及び予備凹部24Aが形成されている領域は破線で示され、LD30が設置される領域は二点鎖線で示され、LD30の幅方向における中心に対応する中心線が一点鎖線で示されている。図9及び図10に示されるように、レーザーモジュール101は、出射方向における端部と重なる領域、及び、該端部と重なる領域の±x方向の領域に予備凹部24Aが形成されている。
【0061】
x方向において、レーザーダイオード30の端面と凹部23との距離d23は、例えば、5μm以上50μm以下であり、5μm以上15μm以下であってもよい。
【0062】
予備凹部24Aは、LD30の面内方向(xy方向)のうちレーザー光の照射方向(y方向)と直交する幅方向(x方向)において、LD30のx方向における端面から、例えば、10μm以上50μm以下までの領域に形成されており、15μm以上25μm以下までの領域に形成されていることが好ましい。また、予備凹部24Aは、LD30のx方向端部から少なくとも5μm以上の領域に亘って形成されていることが好ましい。予備凹部24Aが幅方向において十分大きいことで、共晶層76を構成する金属の溶融金属のはみだしによる弊害の防止の観点で望ましい。
【0063】
また、レーザーモジュール101は、レーザーモジュール100と同様、LD30に対して-y方向の位置に凹部23が形成されている。レーザーモジュール101において、LD30の±y方向端部と接して凹部23,予備凹部24Aが形成されていることで、保護層22及び共晶層77の溶融物がLD30のy方向端面に形成されることを抑制し、レーザー光が遮断されることを抑制できる。
【0064】
また、図9図10に示されるレーザーモジュール101によれば、予備凹部24Aが形成されていることで、共晶層77を構成する金属の溶融金属のはみだしによりレーザー光Lをふさぐこと、溶融金属がはみだし盛り上がることでの他部品との干渉、他部品との接合部への流れ込み、などが抑制される。
【0065】
上記実施形態に係るレーザーモジュールは、パッケージに収容されていてもよい。図11図15には、パッケージされたレーザーモジュール500が示されている。図11は、パッケージされたレーザーモジュールの平面図である。図12は、図11のレーザーモジュールの断面図である。図13は、図11のレーザーモジュールのカバーを外した状態の平面図である。図14は、図11のレーザーモジュールの出射部側から見た側面図である。図15は、図11のレーザーモジュールの使用時の一形態を示す斜視図である。レーザーモジュール500は、例えば、パッケージ110を備え、上記実施形態に係るレーザーモジュール100が集積して収容されている。パッケージ110は、キャビティ構造を有する本体102、及び本体102を覆うカバー105を備える。
【0066】
本体102は、例えば、レーザーモジュール100が収容される箱状の収容部107、及び、収容部107に隣接して形成される電極部108を備える。本体102は、例えば、セラミック等で構成されている。収容部107の上面には開口が形成されている。上面視で開口の周縁の収容部107の上面には、コバール等の金属膜112が形成されている。カバー105は、金属膜112を介して、収容部107の上面に形成された開口を隙間なく覆っている。カバー105で収容部107を気密封止する際に、収容部107の内部空間に窒素(N)等の不活性ガスが封入されている。つまり、収容部107は、カバー105によって気密封止されている。収容部107の内部空間は、不活性ガスで満たされている。これにより、LD30及びPLC50の間の隙間には不活性ガスが満たされる。
【0067】
電極部108は、収容部107に対し、-y方向に配置されている。すなわち、電極部108は、LD30の出射面31からのレーザー出射方向と反対方向に設けられている。電極部108の底面は、収容部107の底面と略同じ高さに位置している。電極部108の上面には、x方向に間隔をあけて複数の外部電極パッド210が設けられている。
【0068】
収容部107の低壁部131の所定の位置には、例えば、レーザーモジュール100を設置するための土台180が設けられている。レーザーモジュール100は、例えば、熱伝導性の高い接着層182を介して土台上に設けられている。接着層182は、例えば、銅粉末、アルミニウム粉末、アルミナ粉末等のフィラーが分散された樹脂が用いられる。レーザーモジュール100が上記のように設置されていると、LD30の動作生じた熱を土台180に向けて効率よく放熱できる。図13では、レーザーモジュール100が一体の土台180上に設けられる例を示したが、ウェハ部20に接する部材と基板40と接する部材とで別々な土台上に形成されていてもよい。また、レーザーモジュール100は、土台180上に設けられず、収容部107に直接形成されていてもよい。
【0069】
尚、サブキャリア10の底面及び基板40の底面が同一面上にある構成の例を図示したが、本実施形態は上記構成に限定されず、サブキャリア10の底面及び基板40の底面は、面一である必要はなく、サブキャリア10の底面と基板40の底面で段差が設けられていてもよい。
【0070】
[XRグラス][光学エンジンモジュール]
本実施形態に係るXRグラスは、上記実施形態に係るレーザーモジュールのいずれかがグラスに搭載されている。XRグラス(眼鏡)は、眼鏡型の端末であり、XRは、仮想現実(VR:Virtual Reality)、拡張現実(AR:Augmented Reality)、複合現実(Mixed Reality)の総称である。
【0071】
図16は、本発明の一実施形態に係るXRグラスを説明するための概念図である。図16に示すXRグラス10000は、フレーム10010にレーザーモジュール1001が搭載されている。図16中の符号Liは、画像表示光である。また、図17は、本発明の一実施形態に係るレーザーモジュールから出射されたレーザー光によって網膜に直接画像が投影される様子を示す概念図である。
【0072】
本実施形態では、図16に示す、レーザーモジュール1001、光走査ミラー3001、並びに、レーザーモジュール1001及び光走査ミラー3001を結ぶ光学系2001を合わせて光学エンジンモジュール5001と称する。レーザーモジュール1001としては、上記実施形態に係るレーザーモジュールを使用可能である。
【0073】
レーザーモジュール1001の光源としては、例えば、赤色レーザー光源60-1、緑色レーザー光源60-2及び青色レーザー光源60-3のRGBレーザー光源、並びに、近赤外光レーザー光源を有するものを用いることができる。
【0074】
図17に示すように、メガネフレームに取り付けられたレーザーモジュール1001から照射されたレーザーLは、光走査ミラー3001で反射され、その反射光はヒトの眼球E方向へ反射するミラー4001で反射され、人の眼球E内に入り、網膜Mに直接画像(映像)を投影できる。
光学エンジンモジュールは、アイトラッキング機構を備えることにより、アイトラッキングを行いながら、網膜に直接画像が投影される。アイトラッキング機構としては、公知のものを用いることが出来る。
【0075】
光走査ミラー3001は、例えば、MEMSミラーである。2D画像を投影するためには、光走査ミラー3001は、水平方向(X方向)及び垂直方向(Y方向)に角度を変えてレーザー光を反射するように振動する2軸MEMSミラーであることが好ましい。
【0076】
光学エンジンモジュールは、例えば、レーザーモジュール1001から出射したレーザー光を光学的に処理する光学系2001として、コリメータレンズ2001a、スリット2001b、及びNDフィルタ2001cを備える。上記光学系は、一例であり、光学系2001は、他の構成であってもよい。
【0077】
光学エンジンモジュール5001は、レーザードライバ1100、光走査ミラードライバ1200、及び、これらのドライバを制御するビデオコントローラ1300を備える。
【0078】
上記実施形態に係る光学エンジンモジュールによれば、光半導体素子の照射面が溶融して形成された構造物により遮断されることが抑制され、また、レーザー発光点から出た光が該発光点に戻ることが抑制され、レーザーLの照射の信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0079】
10,10-1,10-2、10-3 サブキャリア
11,11-1,11-2、11-3 上面
20 ウェハ部
21 基台
22 保護層
23 凹部
24 予備凹部
30 半導体発光素子(LD)
31,31-1,31-2、31-3 出射面
33 成長層
40 基板
41 上面
51,51-1,51-2,51-3,51-4,51-7 コア
52 クラッド
57-1,57-2 合流位置
60-1 赤色レーザー光源
60-2 緑色レーザー光源
60-3 青色レーザー光源
61,61-1,61-2,61-3 入射面
64 出射面
70 金属層
75 第1金属層
76 第2金属層
77 共晶層
81 反射防止膜
90 レーザー装置
100 レーザーモジュール
102 本体
105 カバー
107 収容部
108 電極部
110 パッケージ
112 金属膜
131 低壁部
180 土台
182 接着層
210 外部電極パッド
211 第1領域
212 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17