(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117578
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】テーブルユニット
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20240822BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B60N3/00 A
A47C7/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023745
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝部 健一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和磨
【テーマコード(参考)】
3B084
3B088
【Fターム(参考)】
3B084JA04
3B084KA05
3B084KA06
3B088AA02
(57)【要約】
【課題】車室内で使用される際に、車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができるテーブルユニットを得る。
【解決手段】テーブルユニット10は、車室内の所定の位置に取り付けられるベース部20と、ベース部20に軸支され、ベース部に格納される格納位置とベース部からテーブル状に張り出される使用位置との間を回動可能に構成された第1テーブル22と、を備えている。また、テーブルユニット10は、第1テーブル22に軸支された機能部材としての第2テーブル24を備えている。この第2テーブル24は、第1テーブル22が格納位置に設定された状態で、第1テーブル22に格納される格納位置と第1テーブル22から張り出される使用位置との間を回動可能に構成されている。そして、第2テーブル24は、使用位置において、ベース部20から張り出す張出量が第1テーブル22よりも小さく設定されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の所定の位置に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に軸支され、前記ベース部に格納される格納位置と前記ベース部からテーブル状に張り出される使用位置との間を回動可能に構成された第1テーブルと、
前記第1テーブルに軸支され、前記第1テーブルが格納位置に設定された状態で前記第1テーブルに格納される格納位置と前記第1テーブルから張り出される使用位置との間を回動可能に構成された機能部材と、を備え、
前記機能部材は、前記使用位置において、前記ベース部から張り出す張出量が前記第1テーブルよりも少ない、テーブルユニット。
【請求項2】
前記機能部材の回動に連動して作動し、前記機能部材が使用位置に設定されることにより前記第1テーブルを格納位置に固定するロック機構と、を更に備える、
請求項1に記載のテーブルユニット。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記機能部材が使用位置に設定されることにより前記第1テーブルの外周部から突出するロック部と、前記ベース部に設けられて前記ロック部を係止する係止部を備える、
請求項2に記載のテーブルユニット。
【請求項4】
前記機能部材は、前記第1テーブルよりも天板の面積が小さい第2テーブルで構成されている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のテーブルユニット。
【請求項5】
前記ベース部は、車室内に搭載された車両用シートを構成するシートバックの背面に取り付けられ、
前記第1テーブル及び前記機能部材は、シート幅方向の軸周りに軸支されている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載のテーブルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車室内の内装部品として、不使用時に折り畳んで収納することができる折り畳み式のテーブルユニットを配置することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-011191号公報
【特許文献2】特開2001-246976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車室内に設けられるテーブルユニットは、テーブルを使用位置に展開することで、不使用時よりも車室内の空間を圧迫する。一方、このようなテーブルユニットは、小さな手荷物の置き場所として利用される場合などもあり、食事用のテーブルとしての用途以外にも使用される。従って、車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避する観点では、求められる機能に応じてテーブルの大きさを変更することが望ましいが、上記特許文献1及び特許文献2に記載された技術では、この点について考慮されていないため、改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、車室内で使用される際に、車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができるテーブルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明のテーブルユニットは、車室内の所定の位置に取り付けられるベース部と、前記ベース部に軸支され、前記ベース部に格納される格納位置と前記ベース部からテーブル状に張り出される使用位置との間を回動可能に構成された第1テーブルと、前記第1テーブルに軸支され、前記第1テーブルが格納位置に設定された状態で前記第1テーブルに格納される格納位置と前記第1テーブルから張り出される使用位置との間を回動可能に構成された機能部材と、を備え、前記機能部材は、前記使用位置において、前記ベース部から張り出す張出量が前記第1テーブルよりも少ない構成となっている。
【0007】
請求項1に記載する本発明のテーブルユニットでは、ベース部に対して第1テーブルを格納位置から使用位置まで回動させると、第1テーブルがテーブル状に張り出される。また、第1テーブルを格納位置に設定した状態で、第1テーブルに軸支された機能部材を格納位置から使用位置まで回動させると、機能部材が第1テーブルから張り出され、使用可能な状態となる。この機能部材は、使用位置において、ベース部から張り出す張出量が第1テーブルよりも少ない。このため、第1テーブルを使用する場合よりも、車室内の空間が圧迫されることが低減される。
【0008】
このように、本発明のテーブルユニットでは、第1テーブルを格納位置に設定した状態で車室内側への張出量の小さな機能部材を使用することができる。これにより、例えば、小さな手荷物用の置き場や、荷掛け用のフック、手摺など、第1テーブルよりも小さな機能部材を備えることで、求められる機能に応じて、使用状態の大きさを変更することができる。その結果、テーブルユニットの使用によって、車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができる。
【0009】
請求項2に記載する本発明のテーブルユニットは、請求項1に記載の構成において、前記機能部材の回動に連動して作動し、前記機能部材が使用位置に設定されることにより前記第1テーブルを格納位置に固定するロック機構と、を更に備えている。
【0010】
請求項2に記載する本発明のテーブルユニットでは、機能部材の回動に連動して作動するロック機構を備えている。このロック機構は、機能部材が使用位置に設定されることにより第1テーブルを格納位置に固定する。これにより、機能部材が使用位置に設定されているにもかかわらず誤って第1テーブルが張り出すことを防止することができる。
【0011】
請求項3に記載する本発明のテーブルユニットは、請求項2に記載の構成において、前記ロック機構は、前記機能部材が使用位置に設定されることにより前記第1テーブルの外周部から突出するロック部と、前記ベース部に設けられて前記ロック部を係止する係止部を備える。
【0012】
請求項3に記載する本発明のテーブルユニットでは、ロック機構は、機能部材が使用位置に設定されることにより第1テーブルの外周部からロック部を突出させ、突出したロック部をベース部に設けられた係止部に係止させることにより第1テーブルを格納位置に固定することができる。
【0013】
請求項4に記載する本発明のテーブルユニットは、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の構成において、前記機能部材は、前記第1テーブルよりも天板の面積が小さい第2テーブルで構成されている。
【0014】
請求項4に記載する本発明のテーブルユニットでは、第1テーブルを格納した状態で、第1テーブルよりも天板の面積が小さい第2テーブルを使用することができる。これにより、例えば、小さな荷物用の置き場としてテーブルユニットを使用する際に、天板の大きさによって車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができる。
【0015】
請求項5に記載する本発明のテーブルユニットは、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の構成において、前記ベース部は、車室内に搭載された車両用シートを構成するシートバックの背面に取り付けられ、前記第1テーブル及び前記機能部材は、シート幅方向の軸周りに軸支されている。
【0016】
請求項5に記載する本発明のテーブルユニットでは、シートバックの背面に取り付けられたベース部から車室内側へ張り出させるようにして、第1テーブルや機能部材を使用することができる。これにより、シートバックの後方側の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係るテーブルユニットでは、車室内で使用される際に、車室内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係るテーブルユニットが搭載された車室内の例を示す側面図であり、(A)には、第1テーブルの使用状態が示されており、(B)には、機能部材としての第2テーブルの使用状態が示されている。
【
図2】第1実施形態に係るテーブルユニットを示す斜視図である。
【
図3】第1テーブルを軸支するヒンジ機構を示す拡大側面図であり、(A)は、第1テーブルが格納位置に設定された状態を示しており、(B)は、第1テーブルが使用位置に設定された状態を示している。
【
図4】第2テーブルを軸支するヒンジ機構と、ヒンジ機構に連結されたロック機構を示す拡大側面図であり、(A)は、第2テーブルが格納位置に設定された状態を示しており、(B)は、第2テーブルが使用位置に設定された状態を示している。
【
図5】第2実施形態に係るテーブルユニットを示す斜視図である。
【
図6】
図5の6-6線に沿って切断した断面を一部拡大して示す断面図であり、第2テーブルが格納位置に設定された状態を示しており、(B)は、第2テーブルが使用位置に設定された状態を示している。
【
図7】(A)~(C)は、機能部材の変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図4を参照して、第1実施形態に係るテーブルユニット10について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FRはシート前方向を示し、矢印UPはシート上方向を示している。また、各図においては、図面を見易くするために、符号を省略している場合がある。
【0020】
本実施形態に係るテーブルユニット10は、車室内の内装部品として配置され、不使用時に折り畳んで収納することができる折り畳み式のテーブルユニットとして構成されている。一例として、テーブルユニット10は、車室R内の所定の位置として車両用シート12を構成するシートバック16の背面に取り付けて使用することができる。
【0021】
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、車両Vの車室R内には、シート前後方向に並べられた複数の車両用シート12が搭載されている。これらの図に示されるように、車両用シート12は、着座乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション14と、着座乗員の背部を支持するシートバック16と、着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト18とを備えている。
【0022】
テーブルユニット10は、シートバック16の背面に取り付けられるベース部20と、ベース部20に軸支された第1テーブル22と、第1テーブル22に軸支された第2テーブル24とを含んで構成されている。第1テーブル22及び第2テーブル24は、後述する使用位置に設定されることで、ベース部20からテーブル状に張り出すように展開される。なお、第2テーブル24は、本発明における「機能部材」の一例である。
【0023】
テーブルユニット10は、第1テーブル22及び第2テーブル24が、シート幅方向の軸周りに回動し、シートバック16からシート後方側に張り出すように展開されることでテーブルとして使用される。従って、前方側の車両用シート12Aに取り付けられたテーブルユニット10は、車両用シート12Aの後方側に配置された車両用シート12Bの乗員Pによって操作される。以下、テーブルユニット10の詳細について説明する。
【0024】
(ベース部)
図2は、テーブルユニット10の主要構成を示す斜視図である。この図に示されるように、ベース部20は、矩形板状をなし、シートバック16の背面の上部にネジ等の締結部材を用いて取り付けられる。ベース部20は、シートバック16に取り付けられた状態では、シート前後方向を板厚方向とし、鉛直方向に沿って起立した姿勢で配置される。
【0025】
また、ベース部20の下部には、シート幅方向の両端部からシート後方側へ立設する左右一対の側壁部201が設けられている。一対の側壁部201は、後述するヒンジ機構30を介して第1テーブル22を軸支している。
【0026】
一方、ベース部20の上部には、シート上方側の端部からシート後方側へ立設する上壁部202が設けられている。
図2に示されるように、第1テーブル22を格納位置に設定した状態では、上壁部202の下面202Aが第1テーブル22の上面と対向するように配置される。
【0027】
上壁部202の下面202Aには、一対の係止部54が形成されている。一対の係止部54は、一例として、シート上方側に窪んだ凹部をなしており、上壁部202の下面に左右一対の状態で形成されている。この係止部54には、後述するロック機構50を構成するロック部52が挿入可能となっている。
【0028】
(第1テーブル)
第1テーブル22は、矩形板状をなし、後述するヒンジ機構30を介してベース部20軸支されている。ヒンジ機構30は、第1テーブル22をシート幅方向の軸周りに回動させ、ベース部20に格納される格納位置とベース部20からテーブル状に張り出される使用位置との間を回動可能に支持している。
【0029】
格納位置において、第1テーブル22は、ベース部20の下部に立設された左右一対の側壁部201とベース部20の上部に立設された上壁部202の内側に格納される(
図2参照)。この状態では、シート上下方向の下端側がベース部20に軸支され、シート後方側に面した側面の上部に取手部26Aが配置される。第1テーブル22は、取手部26Aを把持した操作者によりシート下方側に回動されることで、格納位置から使用位置に展開される。
【0030】
一方、使用位置において、第1テーブル22は、ベース部20と略90度の開閉角度を保持した状態で、シート後方側へテーブル状に張り出される(
図1(A)参照)。この状態では、第1テーブル22が天板となり、上方側に飲食物の容器や手荷物などを置くことができる。
【0031】
(第2テーブル)
第2テーブル24は、第1テーブル22よりも小さな矩形板状をなしている。従って、テーブルとして使用される際の天板の面積が第1テーブル22よりも小さい。第2テーブル24は、後述するヒンジ機構30を介して第1テーブル22に軸支されている。ヒンジ機構30は、第2テーブル24をシート幅方向の軸周りに回動させ、第1テーブル22に格納される格納位置と第1テーブル22からテーブル状に張り出される使用位置との間を回動可能に支持している。
【0032】
ここで、第2テーブル24は、第1テーブル22の側面に設けられた凹部23内に埋め込み式に設けられている。この凹部23は、第1テーブル22を格納位置に配置した状態で、シート後方側に面した側面に設けられている。従って、第2テーブル24の格納位置では、第2テーブル24は、第1テーブル22の側面から突出しない位置に格納され、第1テーブル22と共に一枚の板体を構成する(
図2参照)。
【0033】
また、格納位置において、第2テーブル24は、シート上下方向の下端側が第1テーブル22に軸支され、シート後方側に面した側面の上部に取手部26Bが配置される。第2テーブル24は、第1テーブル22と同様に、取手部26Bを把持した操作者によりシート下方側に回動されることで、格納位置から使用位置に展開される。
【0034】
一方、使用位置において、第2テーブル24は、第1テーブル22と略90度の開閉角度を保持した状態で、シート後方側へテーブル状に張り出される(
図1(B)参照)。この状態では、第2テーブル24が天板となり、上方側に小さな手荷物などを置くことができる。また、第2テーブル24は、第1テーブル22よりも天板の面積が小さく設定されているため、ベース部20からシート後方側へ張り出す張出量が第1テーブル22よりも少なくなる。
【0035】
(ヒンジ機構)
ヒンジ機構30は、第1テーブル22を軸支する第1ヒンジ機構30Aと、第2テーブル24を軸支する第2ヒンジ機構30Bを有している。
【0036】
第1ヒンジ機構30Aは、ベース部20の一対の側壁部201に配置され、第1テーブル22をシート幅方向の軸周りに回動させる。
図3に示されるように、第1ヒンジ機構30Aは、シート幅方向を軸方向として配置される回転軸32と、回転軸32の周囲に配置される支持ブラケット34と、支持ブラケット34に支持される渦巻きバネ36と、第1テーブル22から突出するガイドピン38と、ガイドピン38を案内するピンガイドブラケット40と、を含んで構成される。
【0037】
回転軸32は、シート幅方向を軸方向とする柱状の部材であり、左右一対の側壁部201と、第1テーブル22の両側面とを連結している。この回転軸32は、第1テーブル22に対して左右一対の状態で設けられ、一対の側壁部201に対して第1テーブル22を回動可能に支持している。
【0038】
支持ブラケット34は、一対の側壁部201のシート幅方向外側の側面に取り付けられている。この支持ブラケット34は、シート幅方向視で回転軸32を囲う扇状に形成されており、回転軸32に沿って配置された径方向内側の端部がシート幅方向外側に立ち上がり、立上り部341を形成している(
図3(A)参照)。この立上り部341には、渦巻きバネ36が遊嵌状態で装着されている。
【0039】
付勢部材としての渦巻きバネ36は、支持ブラケット34に一端が係止された状態で、回転軸32と同軸的に配置される。渦巻きバネ36の他端は、後述するガイドピン38に係止されている。渦巻きバネ36は、第1テーブル22を使用位置から回転位置に戻る回転方向に常時付勢している。
【0040】
ガイドピン38は、第1テーブル22の側面から突出し、ベース部20の側壁部201を貫通して設けられている。ガイドピン38の先端は、後述するピンガイドブラケット40に形成されたガイド孔42に挿通されている。
【0041】
ピンガイドブラケット40は、回転軸32を挟んで支持ブラケット34と向い合せに配置されている。ピンガイドブラケット40は、シート幅方向を板厚方向とする板体状に形成されている。ピンガイドブラケット40は、回転軸32の周囲を囲うように形成された円弧状のガイド孔42を有している。また、側壁部201には、ガイド孔42に対応する図示しない貫通孔が形成されており、第1テーブル22から突出するガイドピン38が側壁部201の貫通孔とガイド孔42に挿通されて、シート幅方向の外側に突出している。
【0042】
図3(A)に示されるように、ガイドピン38は、第1テーブル22が格納位置に設定された状態では、円弧状のガイド孔42の下端側に位置している。ガイドピン38は、第1テーブル22が格納位置から使用位置に回動されると、回転軸32周りに円弧状の軌跡を描いて移動しながらガイド孔42に案内され、シート上方側に移動する(
図3(B)参照)。これにより、ガイドピン38は円弧状のガイド孔42の上端側に移動する。この状態では、第1テーブル22に載置した手荷物等の自重が渦巻きバネ36の付勢力に抗うことで、第1テーブル22の展開状態を維持することができる。また、第1テーブル22の上から手荷物等を除くと、第1テーブル22は、渦巻きバネ36の付勢力によって格納位置に戻るように構成されている。
【0043】
図2に戻り、第2ヒンジ機構30Bは、第1テーブル22に形成された凹部23を挟んで左右一対の状態で設けられている。第2ヒンジ機構30Bは、回転軸32、支持ブラケット34、渦巻きバネ36、ガイドピン38、ピンガイドブラケット40を含み、第2テーブル24をシート幅方向の軸周りに回動させる。
【0044】
図4(A)及び
図4(B)に示されるように、第2ヒンジ機構30Bは、基本的な構成は上記第1ヒンジ機構30Aと同一である。即ち、回転軸32は、第2テーブル24に対して左右一対の状態で設けられ、凹部23の左右の側面に対して第2テーブル24を回動可能に支持している。支持ブラケット34は、第1テーブル22のシート幅方向外側の側面に取り付けられて、立上り部341に装着された渦巻きバネ36を支持している(
図3(A)参照)。渦巻きバネ36は、一端が支持ブラケット34に係止され、他端が第2テーブル24の左右の側面から突出するガイドピン38に係止されている。ガイドピン38は、第2テーブル24の左右の側面から突出し、第1テーブル22の左右の側面と、第1テーブル22に取り付けられたピンガイドブラケット40とを貫通してシート幅方向外側に突出している。ピンガイドブラケット40には、回転軸32を囲うように延びる円弧状のガイド孔42が形成され、ガイド孔42にガイドピン38の先端が挿入されている。
【0045】
(ロック機構)
ここで、第2ヒンジ機構30Bには、第1テーブル22を格納位置に固定するロック機構50が連結されている。ロック機構50は、第2ヒンジ機構30Bのガイドピン38に連結されたロック部52と、ロック部52の突出位置においてロック部52をベース部20に係止する係止部54途を含んでいる。
【0046】
ロック部52は、長尺棒状をなし、第2テーブル24に対して左右一対の状態で設けられている。各ロック部52は、延在方向の一端(基端側)がガイドピン38に回動可能に支持された状態で、第1テーブル22の左右側方において内部に設けられた図示しないスライド溝に挿入されている。これにより、第2テーブル24の回動に連動してガイドピン38が移動すると、第1テーブル22のスライド溝の内部をロック部52が摺動する。
【0047】
具体的に、ロック部52は、第2テーブル24の回動に連動して、延在方向の他端(先端側)が第1テーブル22から突出しない退避位置と第1テーブル22から突出する突出位置との間を移動する。
図4(A)に示されるように、第2テーブル24が格納位置に設定された状態では、ロック部52全体が第1テーブル22の内部に収容されることで退避位置に設定される。
【0048】
ロック部52は、第2テーブル24が格納位置から使用位置まで回動すると、第2ヒンジ機構30Bのガイドピン38の上昇に伴って、延在方向の先端側がシート上方側に移動して第1テーブル22の外周部(
図4(B)ではシート上方側の端部)から突出する(突出位置)。この突出位置において、ロック部52の先端は、ベース部20の上壁部202に形成された係止部54に挿入されて係止される。これにより、第2テーブル24が使用位置に展開されると、ロック機構50によって第1テーブル22が格納位置に固定されるため、第2テーブル24が使用位置に設定されているにもかかわらず誤って第1テーブル22が張り出すことが防止される。
【0049】
(作用並びに効果)
以上説明したように、本実施形態のテーブルユニット10では、ベース部20に対して第1テーブル22を格納位置から使用位置まで回動させると、
図1(A)に示されるように、第1テーブル22がテーブル状に張り出される。また、第1テーブル22を格納位置に設定した状態で、第1テーブル22に軸支された第2テーブル24を格納位置から使用位置まで回動させると、
図1(B)に示されるように、第2テーブル24が第1テーブル22から張り出され、使用可能な状態となる。この第2テーブル24は、使用位置において、ベース部20から張り出す張出量が第1テーブル22よりも少ない。このため、第1テーブル22を使用する場合よりも、車室R内の空間が圧迫されることが低減される。
【0050】
このように、本発明のテーブルユニット10では、第1テーブル22を格納位置に設定した状態で車室R内側への張出量の小さな第2テーブル24を使用することができる。これにより、例えば、手荷物用の置き場としてテーブルユニット10が使用される際に、荷物の大きさに応じて使用状態の大きさを変更することができる。その結果、テーブルユニット10の使用によって、車室R内の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができる。
【0051】
また、本実施形態では、第2テーブル24の回動に連動して作動するロック機構50を備えている。具体的に、ロック機構50は、第2テーブル24が使用位置に設定されることにより第1テーブル22の外周部からロック部52を突出させ、突出したロック部52をベース部20に設けられた係止部54に係止させることにより第1テーブル22を格納位置に固定する。これにより、第2テーブル24が使用位置に設定されているにもかかわらず誤って第1テーブル22が張り出すことを防止することができる。
【0052】
さらに、
図1(A)及び
図2(B)に示されるように、シートバック16の背面を取付部としてテーブルユニット10を取り付けると、ベース部20から車室R内側へ張り出させるようにして、第1テーブル22や第2テーブル24を使用することができる。これにより、シートバック16の後方側の空間が必要以上に圧迫されることを回避することができ、複数の車両用シート12を前後に設置した場合に、各シート間に設けられる限られた座席スペースを効率的に利用することができる。
【0053】
<第2実施形態>
以下、
図5~
図6を参照して、第2実施形態に係るテーブルユニット60について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。この第2実施形態では、機能部材としての第2テーブル24を軸支する第2ヒンジ機構70と第2テーブル24の回動に連動して設けられるロック機構80の構成が上記第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0054】
図5は、第2テーブル24が使用位置に設定された状態を示す斜視図である。この図に示されるように、テーブルユニット60は、シートバック16(
図1参照)の背面に取り付けられるベース部20と、第1ヒンジ機構30Aを介してベース部20に軸支された第1テーブル22と、第2ヒンジ機構70を介して第1テーブル22に軸支された第2テーブル24とを含んで構成されている。
【0055】
第2ヒンジ機構70は、シート幅方向を軸方向として配置される回転軸32を有し、第2テーブル24をシート幅方向の軸周りに回動させる。回転軸32は、第2テーブル24に対して左右一対の状態で設けられている。回転軸32は、第1テーブル22に形成された凹部23内に第2テーブル24を収容した状態で、凹部23の左右の側面に対して第2テーブル24を回動可能に支持している。
【0056】
即ち、本実施形態の第2ヒンジ機構70は、第1実施形態における第2ヒンジ機構30Bの構成から、支持ブラケット34、渦巻きバネ36、ガイドピン38及びピンガイドブラケット40を省略した構成である。この第2ヒンジ機構70では、部品点数が少なく、かつ第1テーブル22の側面を貫通して設けられる部品を有しないため設計や組立が容易である点が好適である。
【0057】
ロック機構80は、第2テーブル24の回動に連動して作動し、格納位置に設定された第1テーブル22をベース部20に固定する。具体的に、ロック機構80は、第2テーブル24に左右一対の状態で設けられたガイド突起82と、ガイド突起82に基端側が支持されたロック部52と、突出位置において、ロック部52の先端側が挿入される係止部54とを含んで構成される。
【0058】
ガイド突起82は、第2テーブル24において、回転軸32に軸支された基端側に左右一対の状態で設けられている。左右一対のガイド突起82は、第2テーブル24から第1テーブル22側に立設された縦壁状を成しており、第1テーブル22側に面してR状のガイド面82Aが形成されている。
【0059】
ロック部52は、長尺棒状をなし、第2テーブル24に対して左右一対の状態で設けられている。ロック部52は、延在方向の一端(基端側)が、一対のガイド突起82のガイド面82Aによって下方側から支持されている。ロック部52は、R状のガイド面82Aに支持された状態で、第1テーブル22の左右側方において内部に設けられた図示しないスライド溝に挿入されている。ロック部52は、第2テーブル24が回動されると、延在方向の基端側の位置がR状のガイド面82Aに案内されて変位し、第1テーブル22の内部に設けられたスライド溝内を摺動する。これにより、ロック部52の延在方向の先端側は、第1テーブル22の外周部から突出しない退避位置と外周部から突出する突出位置との間を移動する。
【0060】
図6(A)に示されるように、第2テーブル24が格納位置に設定された状態では、ロック部52全体が第1テーブル22の内部に収容されることで退避位置に設定される。
図6(B)に示されるように、第2テーブル24が格納位置から使用位置まで回動すると、ガイド面82Aに案内されてロック部52の基端側が上昇し、これにより、延在方向の先端側が第1テーブル22の外周部(
図6(B)ではシート上方側の端部)から突出する(突出位置)。この突出位置において、ロック部52の先端は、ベース部20の上壁部202に形成された係止部54に挿入されて係止される。
【0061】
(作用並びに効果)
以上説明したように、第2実施形態に係るテーブルユニット60は、基本的には、第1実施形態に係るテーブルユニット10の構成を踏襲しているため、同様の作用効果を奏することができる。また、本実施形態においても、ロック機構80の作動により、第2テーブル24が使用位置に展開されると、第1テーブル22が格納位置に固定される。これにより、第2テーブル24が使用位置に設定されているにもかかわらず誤って第1テーブル22が張り出すことが防止される。
【0062】
[補足説明]
なお、上記各実施形態では、第1テーブル22に軸支される機能部材として、第1テーブル22よりも天板の面積が小さい第2テーブル24が適用される場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、
図7(A)に示されるように、第1テーブル22に軸支される機能部材が、飲料水の容器を保持するドリンクホルダー90Aで構成されてもよい。また、
図7(B)に示されるように、機能部材が、取手部材90Bで構成されてもよい。また、
図7(C)に示されるように、機能部材が、荷掛け用又は衣類掛け用のフック部材90Cで構成されてもよい。
【0063】
なお、各実施形態及び各変形例の構成は、適宜組み合わされて実施可能である。例えば、
図7(A)~
図7(C)に示される各変形例の図では、第2テーブル24を軸支する第2ヒンジ機構と第1テーブル22をベース部20に固定するロック機構が、上記第2実施形態に係る第2ヒンジ機構70とロック機構80の構成で記載されている。しかしながら、本発明はこれに限らず、
図7(A)~
図7(C)に示される各変形例に、上記第1実施形態に係る第2ヒンジ機構30Bとロック機構50の構成を適用してもよい。
【0064】
また、上記実施形態及び各変形例では、ベース部20の取付箇所である車室内の所定の位置としてシートバック16の背面を想定して説明したが、これに限らず、室内壁を構成しているインナートリムやコンソールの外壁等であっても、テーブルユニット10、60を同様に組み付け可能になっている。
【符号の説明】
【0065】
10 テーブルユニット
12 車両用シート
16 シートバック
20 ベース部
22 第1テーブル
24 第2テーブル(機能部材)
50 ロック機構
52 ロック部(ロック機構)
54 係止部(ロック機構)
60 テーブルユニット
80 ロック機構
90A ドリンクホルダー
90B 取手部材
90C フック部材