IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンビ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-揺動機能付き椅子 図1
  • 特開-揺動機能付き椅子 図2
  • 特開-揺動機能付き椅子 図3
  • 特開-揺動機能付き椅子 図4
  • 特開-揺動機能付き椅子 図5
  • 特開-揺動機能付き椅子 図6
  • 特開-揺動機能付き椅子 図7
  • 特開-揺動機能付き椅子 図8
  • 特開-揺動機能付き椅子 図9
  • 特開-揺動機能付き椅子 図10
  • 特開-揺動機能付き椅子 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117582
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】揺動機能付き椅子
(51)【国際特許分類】
   A47D 9/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A47D9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023751
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】391003912
【氏名又は名称】コンビ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】高水 信明
(57)【要約】
【課題】揺動機能付き椅子の設置の自由度を向上させる。
【解決手段】揺動機能付き椅子1は、揺動ユニット10と、支持ユニット20と、バッテリユニット50と、駆動機構40と、を備えている。揺動ユニット10は、座席シート11を有する。支持ユニット20は、揺動ユニット10を揺動可能に支持する。バッテリユニット50は、支持ユニット20に取り付けられている。バッテリユニット50は、二次電池51を含む。駆動機構40は、支持ユニット20に取り付けられている。駆動機構40は、揺動ユニット10と支持ユニット20との間に配置されている。駆動機構40は、バッテリユニット50からの電力供給を受けて揺動ユニット10を支持ユニット20に対して揺動させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席シートを有する揺動ユニットと、
前記揺動ユニットを揺動可能に支持する支持ユニットと、
前記支持ユニットに取り付けられ、二次電池を含むバッテリユニットと、
前記揺動ユニットと前記支持ユニットとの間に配置され、前記バッテリユニットからの電力供給を受けて前記揺動ユニットを前記支持ユニットに対して揺動させる駆動機構と、
を備えた揺動機能付き椅子。
【請求項2】
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記二次電池の軸線の延長線が前記座席シートの居住空間と交差しない、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項3】
前記バッテリユニットは、前記揺動ユニットの下方に位置し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記二次電池の軸線は、前記揺動機能付き椅子の設置面と平行に延びている、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項4】
前記バッテリユニットは、前記揺動ユニットの下方に位置し、
上下方向に見て、前記バッテリユニットの全てが前記揺動ユニットと重なる、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項5】
前記バッテリユニットは、前記座席シートの居住空間の側方に取り付けられる、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項6】
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットに着脱可能に取り付けられている、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項7】
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットの外面に取り付けられ、
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットに対向する壁面であって、前記二次電池の軸線の延長線と交差する壁面を有する、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項8】
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットの外面に取り付けられ、
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを挟んで対向する一対の壁面であって、前記二次電池の軸線の延長線と交差する一対の壁面を有する、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項9】
前記バッテリユニットは、前記二次電池を収容するケースをさらに有し、
前記ケースは、開口を通じて前記二次電池を収容するケース本体と、前記ケース本体の前記開口を塞ぐ蓋と、を有し、
前記蓋は、前記二次電池の軸線の延長線と交わる部分を有する、請求項1に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項10】
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記ケースの前記長手方向は、前記揺動機能付き椅子の幅方向と平行である、請求項9に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項11】
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記ケースの前記長手方向は、前記揺動機能付き椅子の幅方向と交差する方向である、請求項9に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項12】
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを着脱可能に保持する保持部を有し、
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記保持部は、前記バッテリユニットを保持した状態で前記長手方向に沿って延びる壁部を有する、請求項9に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項13】
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを着脱可能に保持する保持部を有し、
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記保持部は、前記バッテリユニットを保持した状態で前記長手方向と交差する方向に延びる壁部を有する、請求項9に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項14】
前記バッテリユニットは、前記保持部の前記壁部に沿ってスライド可能である、請求項12または13に記載の揺動機能付き椅子。
【請求項15】
前記保持部は、前記バッテリユニットの一部を露出する開口を有する、請求項12または13に記載の揺動機能付き椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新生児、乳児および児童を含む子供の椅子または寝台として用いられる揺動機能付き椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座席シートを含む揺動ユニットと、揺動部を揺動可能に支持する支持ユニットと、揺動ユニットを支持ユニットに対して揺動させる駆動機構と、を備えた揺動機能付き椅子が知られている。駆動機構は、揺動機能付き椅子の電源コードを家庭用コンセントに接続することにより、外部から電力供給を受けて、揺動ユニットを駆動する。このような揺動機能付き椅子は、座席シートを前後方向に揺動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭55-99219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、揺動機能付き椅子の設置の自由度を向上させることが望まれている。従来の揺動機能付き椅子の設置可能範囲は、上記電源コードを家庭用コンセントに接続可能な範囲に限られる。
【0005】
本開示の実施形態は、以上の点を考慮してなされたものであり、揺動機能付き椅子の設置の自由度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態は、以下の[1]~[15]に関連する。
【0007】
[1]
本発明による揺動機能付き椅子の一態様は、
座席シートを有する揺動ユニットと、
前記揺動ユニットを揺動可能に支持する支持ユニットと、
前記支持ユニットに取り付けられ、二次電池を含むバッテリユニットと、
前記揺動ユニットと前記支持ユニットとの間に配置され、前記バッテリユニットからの電力供給を受けて前記揺動ユニットを前記支持ユニットに対して揺動させる駆動機構と、
を備えている。
【0008】
[2]
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記二次電池の軸線の延長線が前記座席シートの居住空間と交差しない、[1]に記載の揺動機能付き椅子。
【0009】
[3]
前記バッテリユニットは、前記揺動ユニットの下方に位置し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記二次電池の軸線は、前記揺動機能付き椅子の設置面と平行に延びている、[1]または[2]に記載の揺動機能付き椅子。
【0010】
[4]
前記バッテリユニットは、前記揺動ユニットの下方に位置し、
上下方向に見て、前記バッテリユニットの全てが前記揺動ユニットと重なる、[1]~[3]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0011】
[5]
前記バッテリユニットは、前記座席シートの居住空間の側方に取り付けられる、[1]又は[2]に記載の揺動機能付き椅子。
【0012】
[6]
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットに着脱可能に取り付けられている、[1]~[5]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0013】
[7]
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットの外面に取り付けられ、
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットに対向する壁面であって、前記二次電池の軸線の延長線と交差する壁面を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0014】
[8]
前記バッテリユニットは、前記支持ユニットの外面に取り付けられ、
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを挟んで対向する一対の壁面であって、前記二次電池の軸線の延長線と交差する一対の壁面を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0015】
[9]
前記バッテリユニットは、前記二次電池を収容するケースをさらに有し、
前記ケースは、開口を通じて前記二次電池を収容するケース本体と、前記ケース本体の前記開口を塞ぐ蓋と、を有し、
前記蓋は、前記二次電池の軸線の延長線と交わる部分を有する、[1]~[8]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0016】
[10]
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記ケースの前記長手方向は、前記揺動機能付き椅子の幅方向と平行である、[9]に記載の揺動機能付き椅子。
【0017】
[11]
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記バッテリユニットが前記支持ユニットに取り付けられた状態において、前記ケースの前記長手方向は、前記揺動機能付き椅子の幅方向と交差する方向である、[9]に記載の揺動機能付き椅子。
【0018】
[12]
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを着脱可能に保持する保持部を有し、
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記保持部は、前記バッテリユニットを保持した状態で前記長手方向に沿って延びる壁部を有する、[9]~[11]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0019】
[13]
前記支持ユニットは、前記バッテリユニットを着脱可能に保持する保持部を有し、
前記ケースは、前記二次電池の軸線が延びる方向に沿った長手方向を有し、
前記保持部は、前記バッテリユニットを保持した状態で前記長手方向と交差する方向に延びる壁部を有する、[9]~[11]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【0020】
[14]
前記バッテリユニットは、前記保持部の前記壁部に沿ってスライド可能である、[12]または[13]に記載の揺動機能付き椅子。
【0021】
[15]
前記保持部は、前記バッテリユニットの一部を露出する開口を有する、[12]~[14]のいずれかに記載の揺動機能付き椅子。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態を説明する図であって、揺動機能付き椅子を示す斜視図。
図2図1に示す揺動機能付き椅子の背面図。
図3図1に示す揺動機能付き椅子の側面図。
図4】揺動ユニットとベースユニットと駆動機構の幅方向に沿った概略断面図。
図5】揺動ユニットとベースユニットと駆動機構の前後方向に沿った概略断面図。
図6】ベースの下方部材を上方から見た斜視図。
図7】ベースの下方部材を下方から見た斜視図。
図8】バッテリユニットの斜視図。
図9】バッテリユニットの分解斜視図。
図10】保持部を上方から見た斜視図。
図11】バッテリユニットの装着方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0024】
図1乃至図3に示す揺動機能付き椅子1(以下、単に「椅子1」とも呼ぶ。)は、新生児、乳児および児童を含む子供用の椅子として用いることができるとともに、子供用の寝台としても用いることができる。
【0025】
図1乃至図5に示すように、椅子1は、揺動ユニット10と、支持ユニット20と、駆動機構40と、バッテリユニット50と、を備えている。揺動ユニット10は、子供が着座または横臥する座席シート11を有する。支持ユニット20は、揺動ユニット10を揺動可能に支持する。揺動ユニット10は、支持ユニット20に対して、前後方向に揺動可能である。駆動機構40は、バッテリユニット50からの電力供給を受けて揺動ユニット10を支持ユニット20に対して揺動させる。このような椅子1は、揺動ユニット10を揺動させる際に、電源コードを家庭用コンセントのような外部電源に接続する必要がない。このため、椅子1の設置可能範囲は、電源コードを外部電源に接続可能な範囲に限られない。この結果、椅子1の設置の自由度が向上する。
【0026】
ところで、本明細書中において、椅子1およびその構成要素に対する「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、「上下方向」および「幅方向」の用語は、特に指示がない場合、座席シート11に着座した子供を基準とした「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、「上下方向」および「幅方向」を意味する。さらに詳しくは、「前後方向」とは、図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、座席シート11に着座した子供が向く側であり、図1における紙面の左下側が前側となる。一方、「上下方向」とは椅子1の設置面Sに直交する方向である。したがって、設置面Sが水平面である場合、「上下方向」とは鉛直方向をさす。また、「幅方向」とは横方向であって、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。図1に示すように、図示された椅子1は、全体的に、横方向中心に位置し前後方向及び上下方向に沿って広がる面を中心として、概ね対称な構成を有している。
【0027】
<支持ユニット>
まず、支持ユニット20について説明する。図示された例では、支持ユニット20は、脚部21と、脚部21によって支持されたベースユニット25と、を含む。
【0028】
脚部21は、左右一対の前脚22,22及び後脚23,23を含む。前脚22,22及び後脚23,22の各々の下端には、キャスター24が設けられている。
【0029】
図1に示すように、一対の前脚22,22は、その上方端において、ベースユニット25の後端部に揺動自在に連結されている。前脚22は、ベースユニット25から前方下方に向けて延びている。前脚22の中間部には、一対の前脚22,22間を連結する連結杆22aが設けられている。一対の後脚23,23は、その上方端において、ベースユニット25の前端部に揺動自在に連結されている。後脚23は、ベースユニット25から後方下方に向けて延びている。後脚23の中間部には、一対の後脚23,23間を連結する連結杆23aが設けられている。各前脚22と各後脚23とは、それぞれの中間部において互いに対して回動自在に連結され、椅子1の側面視においてX字状に配置されている。
【0030】
前脚22及び後脚23を互いに対して回動させることにより(言い換えると、前脚22及び後脚23の間の角度を調整することにより)、座席シート11の高さを上下方向に調整可能である。座席シート11は、図1に示す最高位置と図3に示す最低位置との間を移動可能である。前脚22及び後脚23を互いに対して概ね平行にすることにより、座席シート11を図3に示す最低位置に配置することができる。椅子1を図3に示す状態にすることにより、椅子1がコンパクトになり、箱等に収納することが容易である。
【0031】
ベースユニット25は、揺動ユニット10を揺動可能に支持する。ベースユニット25は、ベース30と、前脚保持部26と、後脚保持部27と、揺動ロッド28と、を有する。
【0032】
図4に示すように、ベース30は、座席シート11を下方から覆う。ベース30は、一対の側壁部31,31と底壁部32とを有する。側壁部31は、全体として前後方向及び上下方向に広がる。側壁部31,31は、互いから幅方向に離間している。底壁部32は、一対の側壁部31,31の下縁部を接続する。一対の側壁部31,31の間かつ底壁部32の上方に、後述する座席シート11の座部12及び背部13が配置される。ベース30の側壁部31及び底壁部32は、それぞれ、座席シート11の座部12及び背部13の側を向く内面31a,32aと、内面31a,32aとは反対側の外面31b,32bとを有する。ベース30の寸法及び配置は、座席シート11が図3に示す最低位置にある場合であっても設置面Sに接触しないように決定されている。これにより、座席シート11を最低位置に移動させる際に、ベース30と設置面Sとが干渉して座席シート11の最低位置への移動が妨げられる、という虞が抑制される。
【0033】
図示された例では、ベース30は、側壁部31,31の上方領域を構成する上方部材33と、側壁部31,31の下方領域と底壁部32とを構成する下方部材34と、を有する。
【0034】
図3に示すように、前脚保持部26は、ベース30の後端部に固定されている。前脚保持部26は、前脚22の上端を前後方向に揺動可能に保持する。後脚保持部27は、ベース30の前端部に設けられている。後脚保持部27は、後脚23の上端を前後方向に揺動可能に保持する。後脚保持部27は、ベース30に対して前後方向に揺動可能である。これにより、前脚22及び後脚23を互いに対して回動させる際、前脚22及び後脚23の上端の前後方向の距離を変更することができる。
【0035】
図4及び図5に示すように、揺動ロッド28は、ベース30の側壁部31(より具体的には、上方部材33)に設けられたロッド支持部31cに、揺動可能に接続される。これにより、揺動ロッド28は、ベース30に対して前後方向に揺動可能である。揺動ロッド28は、揺動ユニット10を支持する。揺動ロッド28に支持されることにより、揺動ユニット10は、ベース30に対して前後方向に揺動可能に支持する。
【0036】
図示された例では、揺動ロッド28は、幅方向に延びる中間部28aと、中間部28aの各端部から全体として上方に延びる接続部28bとを有する。接続部28bの上端は、ロッド支持部31cに揺動可能に接続されている。図示された例では、椅子1は、前後方向に互いから離間した2つの揺動ロッド28を有する。これに対応して、図示された例では、各側壁部31は、互いから前後方向に離間した2つのロッド支持部31cを有している。
【0037】
図6は、ベース30の下方部材34を上方からみた斜視図である。また、図7は、下方部材34を、下方から見た斜視図である。図6に示すように、ベース30の底壁部32の内面32aの前側領域及び後側領域のそれぞれには、前後方向に延びる一対の凹部35,35が形成されている。各領域の凹部35,35は、幅方向に互いから離間している。各凹部35は、後述する座席シート11のフランジ部16を受容する。図2及び図6に示すように、底壁部32の外面32bの前側領域及び後側領域のそれぞれには、この凹部35に対応した一対の凸部36,36が形成されている。各領域の凸部36,36は、幅方向に互いから離間している。各凸部36は、前後方向及び上下方向に延びる一対の壁面36a,36bを有する。各領域において、一方の凸部36の幅方向内側を向く壁面36aと他方の凸部36の幅方向内側を向く壁面36aとは、互いに対向している。
【0038】
図7に示すように、ベース30には、バッテリユニット50から駆動機構40へ給電するための給電ケーブルCを差し込む差込口37が形成されている。
【0039】
ベース30は、難燃性の材料で作製されていることが望ましい。これにより、万が一椅子1の周囲で火の気が生じても、座席シート11上の子供が火傷を負う虞が抑制される。
【0040】
<揺動ユニット>
次に、揺動ユニット10について説明する。上述したように、揺動ユニット10は座席シート11を含む。座席シート11は、揺動ロッド28によって支持されている。揺動ロッド28がベース30に対して揺動するのに伴って、座席シート11もベース30に対して揺動する。
【0041】
座席シート11は、座席シート11に着座する子供の臀部に対面する座部12と、子供の背中に対面する背部13と、を有する。背部13は、座部12に揺動可能に接続されている。これにより、背部13の座部12に対する角度を変更することができる。
【0042】
図示された例では、座席シート11は、一対のアームレスト14,14と足乗せ部15とをさらに有する。アームレスト14,14の下端部は、座部12によって接続されている。足乗せ部15は、座部12の前端に揺動可能に接続されている。これにより、足乗せ部15の座部12に対する角度を変更することができる。
【0043】
座部12と背部13とアームレスト14,14と足乗せ部15とによって囲まれた空間が、子供の居住空間Aとなる。座部12及び背部13は、それぞれ、座席シート11に着座した子供に対面する表面12a,13aと、表面12a,13aとは反対側の裏面12b,13bと、を有する。表面12a,13aは、居住空間Aに画成する。
【0044】
図4及び図5に示すように、座部12の裏面12bには、下方に突出したフランジ部16が設けられている。フランジ部16には、揺動ロッド28の中間部28aが揺動可能に接続されている。図示された例では、座部12には、1つの揺動ロッド28に対して、幅方向に互いから離間した2つのフランジ部16,16が設けられている。したがって、座部12には、4つのフランジ部16が設けられている。一方の揺動ロッド28に接続するフランジ部16,16と、他方の揺動ロッド28に接続するフランジ部16,16とは、前後方向に互いから離間している。フランジ部16は、上述したベース30の凹部35内に延び入っている。座席シート11がベース30に対して前後方向に揺動すると、フランジ部16はこの凹部35内を前後方向に移動する。
【0045】
<駆動機構>
次に、駆動機構40について説明する。図4及び図5に示すように、駆動機構40は、座席シート11とベースユニット25との間に形成されている。駆動機構40は、ソレノイド41と、磁性材料からなるプランジャ43を含む。
【0046】
ソレノイド41は、ベース30の底壁部32(より具体的には、下方部材34)の内面32aに固定されている。ソレノイド41は、例えば樹脂等で形成されたボビンに、導線を巻回することにより形成されている。ソレノイド41は、中心部に前後方向に延びる貫通穴42を有している。
【0047】
プランジャ43は、座席シート11に固定されている。より詳しくは、プランジャ43は、座部12の裏面12bに固定されたシャフト44に固定されている。シャフト44は、非磁性材料からなる。シャフト44は、前後方向に延び、ソレノイド41の貫通穴42に挿通されている。プランジャ43は、ソレノイド41の貫通穴42に挿通されている。プランジャ43及びシャフト44は、ソレノイド41に接触しないように設けられている。プランジャ43及びシャフト44は、座席シート11がベース30に対して前後方向に揺動するのに伴って、ソレノイド41に対して前後方向に揺動可能である。
【0048】
駆動機構40は、さらに、座席シート11に固定された位置検出棒45と、ベース30に固定された位置センサ46と、図示しないセンサ回路と、を有する。座席シート11がベース30に対して静止した状態で、位置検出棒45は、位置センサ46に幅方向に対面している。バッテリユニット50から駆動機構40に給電中、座席シート11をベース30に対して前方または後方に移動させることにより位置検出棒45が位置センサ46と対面する位置から移動すると、センサ回路は、ソレノイド41へ一時的に給電する。これにより、ソレノイド41が励磁され、プランジャ43からソレノイド41へ向けて一時的に吸引力が働く。この吸引力を利用することにより、バッテリユニット50から駆動機構40へ給電中、座席シート11はベース30に対して揺動し続けることができる。座席シート11の揺動が継続される仕組みは、例えば特許第3958413号公報に記載されている。
【0049】
なお、駆動機構40は、上述されたものに限定されない。駆動機構40は、バッテリユニット50からの給電を受けて支持ユニット20に対する揺動ユニット10を駆動可能な機構であれば、如何なる機構であってもよい。
【0050】
<バッテリユニット>
次に、バッテリユニット50について説明する。図8は、バッテリユニット50の斜視図である。図8に示す例では、バッテリユニット50は、二次電池51と、二次電池51を収容するケース52とを含む。ケース52は、ケース本体53と蓋54を有する。ケース本体53は、二次電池51を収容する内部空間を有する。ケース本体53は、内部空間に連通する開口53aを有する。二次電池51は、開口53aを通じてケース本体53の内部空間に収容される。蓋54は、ケース本体53の開口53aを塞ぐ。図9は、ケース52の蓋54を開放して、二次電池51の一部をケース本体53から引き出した状態で示す斜視図である。図9に示すように、バッテリユニット50は、さらに電気回路59を有していてよい。
【0051】
二次電池51は、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の蓄電池であってもよいし、電気二重層キャパシタ等のキャパシタであってもよい。二次電池51は、例えば、18650型または21700型のリチウムイオン二次電池であってよい。二次電池51の形状は、円筒形、角型またはその他の形状であってよい。二次電池51は、任意の軸線Bxの周囲に巻かれた正極シート及び負極シートを有する。
【0052】
図示された例では、バッテリユニット50は複数の二次電池51を有するが、これに限られない。バッテリユニット50は、単一の二次電池51を有していてもよい。
【0053】
ケース52の形状は、円筒状、角柱状またはその他の形状であってもよい。図示された例では、ケース52は、全体として直方体である。互いに直行する第1~第3方向D1~D3をバッテリユニット50に対して規定する場合(図8参照)、ケース52は、第1方向D1に沿った長手方向を有する。言い換えると、ケース52の第1方向D1における寸法は、ケース52の第2方向D2及び第3方向D3における寸法よりも長い。
【0054】
図示された例では、二次電池51は、軸線Bxが第1方向D1に沿うように、ケース52に収容される。また、複数の二次電池51は、ケース52内において、第2方向D2に沿った方向に並んでいる。
【0055】
ケース52は、第1方向D1に対面する蓋54及び底壁部55と、蓋54及び底壁部55を接続する側壁部56とを有する。底壁部55と側壁部56が、ケース本体53を構成する。蓋54は、二次電池51の軸線Bxの延長線と交わる部分54aを有する。ここで、二次電池51に衝撃や振動が加わるなどして二次電池51の内容物が噴出した場合、二次電池51の内容物は、軸線Bxが延びる方向に沿って噴出する可能性が高い。蓋54が二次電池51の軸線Bxの延長線と交わる部分54aを有することにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が蓋54に衝突することによって内容物の勢いが低減され、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。図示された例では、ケース52に複数の二次電池51が収容されており、蓋54は、複数の二次電池51すべての軸線Bxの延長線と交わる部分54aを有する。
【0056】
なお、底壁部55は、側壁部56と別体で形成されていてもよい。言い換えると、底壁部55もケース52の蓋として機能してもよい。この場合、側壁部56が、ケース本体53を構成してよい。また、この場合、底壁部55は、二次電池51の軸線Bxの延長線と交わる部分を有することが望ましい。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が底壁部55に衝突することによって内容物の勢いが低減され、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。
【0057】
図8に示すように、ケース52には、バッテリユニット50から駆動機構40へ給電するための給電ケーブルCを差し込む差込口57が形成されている。ケース52には、バッテリユニット50から駆動機構40以外の装置(例えば、椅子1に取り付けられる扇風機等)へ給電するための給電ケーブルが差し込まれる追加の差込口58が設けられていてもよい。図示された例では、差込口57,58は、蓋54に設けられている。
【0058】
バッテリユニット50は、支持ユニット20に取り付けられている。図示された例では、バッテリユニット50は、支持ユニット20に着脱可能に取り付けられている。これにより、バッテリユニット50を椅子1の他の部分から分離して充電することができる。したがって、二次電池51を充電するために椅子1を移動させる必要がない。ただし、バッテリユニット50は、支持ユニット20に着脱不能に取り付けられていてもよい。バッテリユニット50は、支持ユニット20に取り付けられたまま充電されてよい。
【0059】
図示された例では、バッテリユニット50は、支持ユニット20の外面に取り付けられている。これにより、バッテリユニット50の着脱が容易である。
【0060】
図示された例では、バッテリユニット50は、ベースユニット25に取り付けられている。これにより、座席シート11の高さを変更する際に、バッテリユニット50が前脚22及び後脚23の揺動を妨げる虞が少ない。また、バッテリユニット50と駆動機構40との間の距離を短くすることができ、バッテリユニット50から駆動機構40へ給電するための給電ケーブルCの長さを短くすることができる。もちろん、バッテリユニット50は、前脚22又は後脚23に取り付けられていてもよい。
【0061】
図示された例では、バッテリユニット50は、ベース30の底壁部32に取り付けられている。バッテリユニット50は、上下方向に見て、バッテリユニット50の全てが座席シート11と重なるように、設けられている。これにより、座席シート11に着座した子供がバッテリユニット50や給電ケーブルCに触れる虞が低減される。また、椅子1を移動させる際に、バッテリユニット50が椅子1の周囲のものに衝突して二次電池51に衝撃や振動が加わる、という虞が抑制される。ただし、バッテリユニット50は、座席シート11の居住空間Aの側方に取り付けられてもよい。この場合、バッテリユニット50は、支持ユニット20に取り付けられた収容ボックス(図示せず)に収容されてよい。この場合も、椅子1を移動させる際に、バッテリユニット50が椅子1の周囲のものに衝突して二次電池51に衝撃や振動が加わる、という虞が抑制される。
【0062】
図示された例では、バッテリユニット50は、ベース30の最も低い部分(椅子1の設置面Sに最も近い部分)よりも上方に位置している(図2参照)。これにより、座席シート11を図3に示す最低位置に配置した際に、バッテリユニット50と設置面Sとが干渉することが抑制される。これにより、座席シート11を最低位置に移動させる際に、バッテリユニット50と設置面Sとが干渉して座席シート11の最低位置への移動が妨げられる、という虞が抑制される。また、座席シート11を最低位置に移動させる際に、バッテリユニット50が設置面Sと衝突して二次電池51に衝撃や振動が加わる、という虞が抑制される。
【0063】
図示された例では、バッテリユニット50は、複数の二次電池51が並ぶ方向(第2方向D2)が設置面Sに沿うように、支持ユニット20に取り付けられている。これにより、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態でのバッテリユニット50の上下方向の寸法を抑制することができ、バッテリユニット50がベース30の最も低い部分よりも下方に延び出す虞を抑制することができる。もちろん、バッテリユニット50は、複数の二次電池51が並ぶ方向(第2方向D2)が設置面Sと交差するように、支持ユニット20に取り付けられてもよい。
【0064】
図示された例では、バッテリユニット50は、二次電池51の軸線Bxの延長線が座席シート11の居住空間と交差しないように、設けられる。二次電池51の軸線Bxの延長線が座席シート11の居住空間Aと交差しないように二次電池51が設けられることで、仮に二次電池51から内容物が噴出したとしても、内容物が座席シート11の居住空間Aに向かう虞が抑制される。図2に示す例では、バッテリユニット50は、座席シート11の下方に位置している。そして、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態において、二次電池51の軸線Bxは椅子1の設置面Sと平行に延びている。
【0065】
上述したように、バッテリユニット50は、支持ユニット20の外面に取り付けられている。支持ユニット20は、二次電池51に対向する壁面36aであって、二次電池51の軸線Bxの延長線と交差する壁面36aを有する。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が壁面36aに衝突することによって内容物の勢いが低減され、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。図示された例では、バッテリユニット50は、ベース30の外面に形成された一対の凸部36,36の間に、第1方向D1が椅子1の幅方向に沿うように配置されている。一対の凸部36,36の壁面36aは、バッテリユニット50(二次電池51)を挟んで対向する。ケース52の蓋54は、一方の凸部36の壁面36aに対面している。
【0066】
なお、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態での、壁面36aとバッテリユニット50との距離は、特に限定されない。壁面36aとバッテリユニット50との距離は、例えば10cm以下であってもよいし、10cmより大きくてもよい。壁面36aとバッテリユニット50との距離は、例えば20cm以上であってもよい。また、壁面36aは、平面でなくてもよく、曲面であってもよい。また、壁面36aは、軸線Bxの延びる方向に見て、支持ユニット20に取り付けられたバッテリユニット50の全てと重ならなくてもよい。言い換えると、壁面36aは、軸線Bxの延びる方向に見て、支持ユニット20に取り付けられたバッテリユニット50の一部のみと重なってもよい。
【0067】
図示された例では、ベース30の外面に、バッテリユニット50を保持する保持部60が設けられている。保持部60は、バッテリユニット50を着脱可能に保持する。保持部60は、バッテリユニット50を保持した状態でバッテリユニット50の長手方向D1に沿って延びる壁部61,62を有する。言い換えると、保持部60は、バッテリユニット50をその長手方向D1に沿って保持している。これにより、保持部60は、バッテリユニット50を信頼性高く保持することができる。図示された例では、保持部60は、バッテリユニット50のケース52の側壁部56を保持している。
【0068】
もちろん、バッテリユニット50は、バッテリユニット50をその長手方向D1と交差する方向(例えば、前後方向)に沿って保持していてもよい。言い換えると、保持部60は、バッテリユニット50を保持した状態でバッテリユニット50の長手方向D1と交差する方向(例えば、前後方向)に延びる壁部を有していてもよい。例えば、保持部60は、バッテリユニット50のケース52の蓋54及び底壁部55を保持していてもよい。
【0069】
保持部60は、ベース30の底壁部32とともに、バッテリユニット55を収容する空間を画成する。バッテリユニット50は、保持部60の壁部61,62に沿ってスライドすることにより、当該空間内に出し入れ可能である。保持部60は、バッテリユニット50の側壁部56を保持する一対の側壁部61,61と、一対の側壁部61,61の下縁部を接続する底壁部62を有する。一対の側壁部61,61と底壁部62とベース30とによって囲まれた空間内に、バッテリユニット50が収容される。保持部60は、バッテリユニット50を当該空間内に出し入れする方向に沿って延びる延出部63を有する。延出部63によって、バッテリユニット50の上記空間へ出し入れする方向が、視覚的に理解される。図示された例では、延出部63は、底壁部62から延出し、バッテリユニット50の一部を下方から支持する。バッテリユニット50の一部が延出部63によって支持されることにより、保持部60とバッテリユニット50との接触面積を減らして、バッテリユニット50の放熱を促すことができる。なお、延出部63の先端には上方に突出する爪64が形成されている。爪64によって、バッテリユニット50が意図せず上記空間から脱出する虞が抑制される。
【0070】
図示された例では、爪64の上面64aは、その先端から基部に向かって上方に向かう傾斜面を有している。これにより、バッテリユニット55を保持部60の上記空間に収容する際、バッテリユニット55を爪64の上面64aに押し当てて上記空間に向けて水平方向に移動させるだけで、バッテリユニット55によって爪64が押し下げることができ、延出部63の先端を下方に撓ませることができる。爪64が押し下げられることにより、爪64によってバッテリユニット50の上記空間への移動が妨げられる、という虞が抑制される。なお、爪64がバッテリユニット55によって押し下げられることで、バッテリユニット55を保持部60の上記空間に向けて移動させる操作とは別に、延出部63の先端を下方に撓ませる操作を行う必要がない。この結果、バッテリユニット55を保持部60の上記空間に収容することが容易である。
【0071】
保持部60は、バッテリユニット50の一部を露出する開口65を有する。これにより、バッテリユニット50の放熱を促すことができる。
【0072】
<バッテリユニットの装着方法>
次に、図11を参照して、バッテリユニット50の保持部60への装着方法について説明する。図11は、ベース30の底面図である。
【0073】
まず、図11に実線で示す位置にバッテリユニット50を配置する。具体的には、バッテリユニット50を、保持部60の壁部61,62と一方の凸部36との間の空間に、前後方向に対面させる。このとき、バッテリユニット50の第1方向D1が幅方向に沿うように、バッテリユニット50を配向する。
【0074】
次に、バッテリユニット50を前後方向(図11において実線の矢印で示す方向)に移動させ、保持部60の壁部61,62と一方の凸部36との間の空間内に配置する。より具体的には、バッテリユニット50を、図11において破線で示す位置に移動させる。
【0075】
次に、バッテリユニット50を幅方向(図11において破線の矢印で示す方向)に移動させ、保持部60とベース30との間の空間に挿入する。この時、バッテリユニット55を延出部63の爪64の上面64aに押し当てながら上記空間に向けて水平方向に移動させることで、爪64が押し下げられて延出部63の先端が下方に撓む。この結果、バッテリユニット50の移動が爪64によって阻害される、という虞が抑制される。もちろん、手などを使って延出部63を下方に撓ませてもよい。バッテリユニット50が爪64の上を通過すると、延出部63の復元力によって爪64は元の位置に復元する。これにより、爪64が、バッテリユニット50に幅方向から当接し、バッテリユニット50が保持部60に保持される。
【0076】
また、バッテリユニット50を保持部60から取り外す場合は、まず、手で延出部63の先端を下方に押し下げ、その後、バッテリユニット50を保持部60の上記空間から引き抜けばよい。
【0077】
以上に説明してきた上述の一実施の形態において、揺動機能付き椅子1は、揺動ユニット10と、支持ユニット20と、バッテリユニット50と、駆動機構40と、を備えている。揺動ユニット10は、座席シート11を有する。支持ユニット20は、揺動ユニット10を揺動可能に支持する。バッテリユニット50は、支持ユニット20に取り付けられている。バッテリユニット50は、二次電池51を含む。駆動機構40は、支持ユニット20に取り付けられている。駆動機構40は、揺動ユニット10と支持ユニット20との間に配置されている。駆動機構40は、バッテリユニット50からの電力供給を受けて揺動ユニット10を支持ユニット20に対して揺動させる。このような椅子1は、揺動ユニット10を揺動させる際に電源コードを家庭用コンセントのような外部電源に接続する必要がない。このため、椅子1の設置可能範囲は、電源コードを外部電源に接続可能な範囲に限られない。
【0078】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態において、二次電池51の軸線Bxの延長線が座席シート11の居住空間Aと交差しない。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が座席シート11の居住空間に向かう虞が抑制される。
【0079】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、揺動ユニット10の下方に位置している。また、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態において、二次電池51の軸線Bxは、揺動機能付き椅子1の設置面Sと平行に延びている。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が座席シート11の居住空間に向かう虞が抑制される。
【0080】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、揺動ユニット10の下方に位置している。また、上下方向に見て、バッテリユニット50の全てが揺動ユニット10と重なる。これにより、椅子1を移動させる際に、バッテリユニット50が椅子1の周囲のものに衝突して二次電池51に衝撃や振動が加わる、という虞が抑制される。また、座席シート11に着座した子供がバッテリユニット50や給電ケーブルCに触れる虞が低減される。
【0081】
また、上述した一実施の形態の変形例において、バッテリユニット50は、座席シート11の居住空間Aの側方に取り付けられている。
【0082】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、支持ユニット20に着脱可能に取り付けられている。この場合、バッテリユニット50を椅子1の他の部分から分離して、二次電池51を充電することができる。したがって、二次電池51を充電するために椅子1を移動させる必要がない。
【0083】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、支持ユニット20の外面に取り付けられている。また、支持ユニット20は、バッテリユニット50に対向する壁面36aであって、二次電池51の軸線Bxの延長線と交差する壁面36aを有する。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。
【0084】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、支持ユニット20の外面に取り付けられている。支持ユニット20は、バッテリユニット50を挟んで対向する一対の壁面36a,36aであって、二次電池51の軸線Bxの延長線と交差する一対の壁面36a,36aを有する。これにより、椅子1を移動させる際に、バッテリユニット50が椅子1の周囲のものに衝突して二次電池51に衝撃が加わる、という虞が抑制される。また、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。
【0085】
また、上述した一実施の形態において、バッテリユニット50は、二次電池51を収容するケース52をさらに有する。ケース52は、開口53aを通じて二次電池51を収容するケース本体53と、ケース本体53の開口53aを塞ぐ蓋54と、を有する。蓋54は、二次電池51の軸線Bxの延長線と交わる部分54aを有する。これにより、仮に二次電池51の内容物が噴出したとしても、内容物が蓋54に衝突することによって内容物の勢いが低減され、内容物が広範囲に亘って飛散する虞が抑制される。
【0086】
また、上述した一実施の形態において、ケース52は、二次電池51の軸線Bxが延びる方向に沿った長手方向D1を有する。バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態において、ケース52の長手方向D1は、揺動機能付き椅子1の幅方向と平行である。
【0087】
また、上述した一実施の形態の変形例において、ケース52は、二次電池51の軸線Bxが延びる方向に沿った長手方向D1を有する。そして、バッテリユニット50が支持ユニット20に取り付けられた状態において、ケース52の長手方向D1は、揺動機能付き椅子1の幅方向と交差する方向(例えば、前後方向)である。
【0088】
また、上述した一実施の形態において、支持ユニット20は、バッテリユニット50を着脱可能に保持する保持部60を有する。ケース52は、二次電池51の軸線Bxが延びる方向に沿った長手方向D1を有する。保持部60は、バッテリユニット50を保持した状態で上記長手方向D1に沿って延びる壁部61,62を有する。これにより、保持部60は、バッテリユニット50を信頼性高く保持することができる。
【0089】
また、上述した一実施の形態の変形例において、支持ユニット20は、バッテリユニット50を着脱可能に保持する保持部60を有する。ケース52は、二次電池51の軸線Bxが延びる方向に沿った長手方向D1を有する。保持部60は、バッテリユニット50を保持した状態で上記長手方向D1と交差する方向に延びる壁部61,62を有する。
【0090】
また、上述した一実施の形態の変形例において、バッテリユニット50は、保持部60の壁部61,62に沿ってスライド可能である。
【0091】
また、上述した一実施の形態の変形例において、保持部60は、バッテリユニット50の一部を露出する開口65を有する。これにより、バッテリユニット50の放熱を促進することができる。
【0092】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 揺動機能付き椅子
10 揺動ユニット
11 座席シート
20 支持ユニット
21 脚部
25 ベースユニット
30 ベース
40 駆動機構
50 バッテリユニット
51 二次電池
52 ケース
53 ケース本体
54 蓋
60 保持部
Bx 二次電池の軸線
S 設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11