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特開2024-117611窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法
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  • 特開-窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117611
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/407 20060101AFI20240822BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240822BHJP
【FI】
B41J3/407
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023793
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】奈良本 正治
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】窓付き梱包材の中身が正しいか否かを確認することができる窓付き梱包材の情報を出力する窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法を提供する。
【解決手段】窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得する内容物情報取得部11aと、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力する情報出力部11cとを備え、上記画像情報を窓付き梱包材に印刷する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得する内容物情報取得部と、
前記内容物の情報に基づいて、前記窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、前記窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力する画像情報出力部とを備えた窓付き梱包材情報出力装置。
【請求項2】
前記内容物の情報に基づいて、前記窓付き梱包材の種類を特定する窓付き梱包材特定部と、
前記窓付き梱包材の種類の情報を出力する窓付き梱包材情報出力部とを備えた請求項1記載の窓付き梱包材情報出力装置。
【請求項3】
前記窓付き梱包材特定部によって特定された窓付き梱包材の種類に基づいて、前記窓付き梱包材における前記画像情報の印刷領域を決定する印刷領域決定部と、
前記印刷領域を出力する印刷領域出力部とを備えた請求項2記載の窓付き梱包材情報出力装置。
【請求項4】
過去に前記画像情報を印刷した窓付き梱包材に関するフィードバック情報を取得するフィードバック情報取得部を備えた請求項1記載の窓付き梱包材情報出力装置。
【請求項5】
請求項1から4いずれか1項記載の窓付き梱包材情報出力装置と、
前記画像情報を窓付き梱包材に対して印刷する印刷装置とを備えた窓付き梱包材印刷システム。
【請求項6】
窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得し、
前記内容物の情報に基づいて、前記窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、前記窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を特定し、
該特定した画像情報を前記窓付き梱包材に対して印刷する窓付き梱包材印刷方法。
【請求項7】
窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得するステップと、
前記内容物の情報に基づいて、前記窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、前記窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力するステップとをコンピュータに実行させる窓付き梱包材情報出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓付き梱包材の情報を出力する窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を梱包する梱包材として種々の梱包材が提案されている。たとえば特許文献1および特許文献2においては、梱包材に窓を設け、その窓から梱包材に収容された中身を確認できる窓付き梱包材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-108827号公報
【特許文献2】特開2018-203328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の窓付き梱包材では、窓から見える中身を確認することはできるが、その中身が正しいか否かまでは確認することができない。
【0005】
また、たとえば窓付き梱包材に添付されたバーコードなどを読み取ることによって、中身を確認する方法もあるが、バーコードリーダなどの設備投資が必要であり、バーコードリーダを備えていない場合には、窓付き梱包材の中身が正しいか否かまで確認することができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、窓付き梱包材の中身が正しいか否かを確認することができる窓付き梱包材の情報を出力する窓付き梱包材情報出力装置およびプログラム並びに窓付き梱包材印刷システムおよび方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の窓付き梱包材情報出力装置は、窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得する内容物情報取得部と、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力する画像情報出力部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の窓付き梱包材情報出力装置によれば、窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得し、その取得した内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力するようにしたので、その画像情報を窓付き梱包材に印刷するようにすれば、窓から見える内容物の外観と印刷された画像情報とを比較することによって、窓付き梱包材の中身が正しいか否かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の窓付き梱包材管理システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
図2】窓付き梱包材の一例を示す図
図3】商品の外観の画像情報が印刷された窓付き梱包材の一例を示す図
図4】商品情報テーブルの一例を示す図
図5】窓付き梱包材情報テーブルの一例を示す図
図6図2に示す窓付き梱包材における印刷可能領域R1と印刷領域R2との関係を示す図
図7】商品が梱包された状態の窓付き梱包材に画像情報を印刷する印刷装置の構成の一例を示す図
図8図1に示す窓付き梱包材管理システムの処理の流れを説明するためフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の窓付き梱包材情報出力装置の一実施形態を用いた窓付き梱包材管理システム1の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の窓付き梱包材管理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
窓付き梱包材管理システム1は、商品(内容物)の発注情報を受け付け、その発注情報に基づいて、窓付き梱包材に商品(内容物)を梱包・封緘し、その荷物を受取人に配送するシステムである。窓付き梱包材とは、中身を視認可能な窓が設けられた梱包材である。窓の位置や形状、窓に設けられる透明フィルムの有無などは特に限定されない。図2は、窓付き梱包材の一例を示す図である。図2に示す窓付き梱包材は、下部の表面に窓Wが設けられており、窓Wから中身の商品の外観が視認可能なように構成されている。
【0012】
そして、本実施形態の窓付き梱包材管理システム1は、窓付き梱包材の表面に、窓付き梱包材に収容される商品の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を印刷するシステムである。図3は、商品の外観の画像情報Gが印刷された窓付き梱包材の一例を示す図である。
【0013】
また、窓付き梱包材管理システム1は、商品を配送する運送会社や商品を受け取った受取人から、窓付き梱包材に関するフィードバック情報や窓付き梱包材に印刷された画像情報に関するフィードバック情報を受け付け、そのフィードバック情報に基づいて、窓付き梱包材の種類を変更したり、画像情報の印刷条件を変更したりするシステムである。フィードバック情報については、後で詳述する。
【0014】
本実施形態の窓付き梱包材管理システム1は、図1に示すように、窓付き梱包材管理装置10、発注者用端末装置20、倉庫業者用端末装置30、印刷装置45および運送業者用端末装置50を備えている。なお、本実施形態では、商品の発注者と受取人が同一人物であるとする。したがって、発注者用端末装置20は、受取人が使用する端末装置でもある。商品の発注者と受取人が異なる場合には、発注者用端末装置20とは別に受取人用端末装置(図示省略)が設けられるものとする。そして、受取人用端末装置は、以下で説明する発注者が受取人である場合における発注者用端末装置20の機能と同様の機能を実行する。
【0015】
発注者用端末装置20、倉庫業者用端末装置30および運送業者用端末装置50と、窓付き梱包材管理装置10とは、インターネット回線などの通信回線を介して接続されており、互いに種々の情報のやり取りが可能に構成されている。
【0016】
また、倉庫業者用端末装置30および印刷装置45は、倉庫業者において設置されるとともに通信回線を介して通信可能に接続され、倉庫業者用端末装置30から印刷装置45に対して、窓付き梱包材に印刷される画像情報が出力される。
【0017】
次に、窓付き梱包材管理システム1を構成する各装置について、より詳細に説明する。
【0018】
窓付き梱包材管理装置10は、内容物管理部11と、梱包材管理部12と、印刷領域管理部13と、フィードバック情報管理部14とを備える。なお、本実施形態においては、梱包材管理部12が、本発明の窓付き梱包材特定部に相当し、印刷領域管理部13が、本発明の印刷領域決定部および印刷領域出力部に相当し、フィードバック情報管理部14が、本発明のフィードバック情報取得部に相当する。
【0019】
内容物管理部11は、窓付き梱包材に収容される内容物に関する情報を管理する。具体的には、内容物管理部11は、内容物情報取得部11aと、内容物情報記憶部11bと、情報出力部11cとを備える。なお、本実施形態においては、情報出力部11cが、本発明の画像情報出力部および窓付き梱包材情報出力部に相当する。
【0020】
内容物情報取得部11aは、発注者によってEC(Electronic Commerce)サイトなどにおいて発注された商品(内容物)の発注情報を取得する。発注情報には、少なくとも発注者の情報(氏名、住所など)、受取人の情報(氏名、住所など)および購入した商品の識別情報(商品ID番号や商品の名称)が含まれている。また、ECサイトに限らず、発注者から注文を受けた販売会社(商店、スーパー、デパートなど)が、その発注情報を端末装置を用いて窓付き梱包材管理装置10、倉庫業者用端末装置および運送業者用端末装置50に出力するようにしてもよい。
【0021】
内容物情報記憶部11bは、商品の識別情報とその商品に関する情報とが紐づけられて記憶されている。内容物情報記憶部11bは、たとえば図4に示すように、各商品(商品Aや商品Bなど)の識別情報とその商品に関する情報が紐付けされた商品情報テーブルを記憶する。
【0022】
商品に関する情報としては、商品のサイズ、名称、外観の画像情報、商品に固有のバーコード、価格、重さ、ケア情報、在庫数などがある。ケア情報とは、商品を取り扱う際に注意すべき情報であり、たとえば割れ物の情報などがある。
【0023】
情報出力部11cは、内容物情報取得部11aによって取得された発注情報に含まれる商品の識別情報に基づいて、内容物情報記憶部11bに記憶された商品情報テーブルを参照し、商品の識別情報に応じた商品に関する情報を出力する。具体的には、情報出力部11cは、倉庫業者用端末装置30に対して、商品の外観の画像情報を出力する。この外観の画像情報は、上述したように窓付き梱包材に収容される商品の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報であり、窓付き梱包材に印刷される画像情報である。
【0024】
また、情報出力部11cは、商品に関する情報のうち、窓付き梱包材の種類を選択するために必要な情報を梱包材管理部12に出力する。具体的には、情報出力部11cは、商品のサイズおよび重さなどの情報を梱包材管理部12に出力する。
【0025】
梱包材管理部12は、情報出力部11cから出力された商品のサイズおよび重さなどの情報を受け付け、その受け付けた情報に基づいて窓付き梱包材の種類を特定し、その窓付き梱包材の種類を印刷領域管理部13および倉庫業者用端末装置30に出力する。
【0026】
梱包材管理部12は、図5に示すように、複数の窓付き梱包材の種類と、その各窓付き梱包材に関する情報とを紐付けした窓付き梱包材情報テーブルを有する。窓付き梱包材に関する情報としては、窓付き梱包材のサイズ、窓のサイズおよび位置、窓付き梱包材における印刷可能領域、耐荷重、材質および色などの情報がある。
【0027】
梱包材管理部12は、内容物管理部11から出力された商品のサイズおよび重さなどの情報に基づいて、窓付き梱包材テーブルを参照し、その商品のサイズや重さなどの情報を満たす窓付き梱包材を特定し、その特定した窓付き梱包材の種類を倉庫業者用端末装置30に出力するとともに、その特定した窓付き梱包材の印刷可能領域を印刷領域管理部13に出力する。
【0028】
なお、本実施形態では、梱包材管理部12が、商品のサイズおよび重さなどの情報に基づいて、窓付き梱包材の種類を特定するようにしたが、これに限らず、梱包材管理部12において、商品の識別情報(ID番号や名称など)と窓付き梱包材の種類とを対応づけた窓付き梱包材テーブルを記憶しておき、商品の識別情報に基づいて、上記窓付き梱包材テーブルを参照することによって、窓付き梱包材の種類を特定するようにしてもよい。
【0029】
また、発注者用端末装置20において、発注者が所望の窓付き梱包材の種類を指定可能としてもよい。そして、梱包材管理部12は、発注者用端末装置20において窓付き梱包材の種類が指定された場合には、その指定された窓付き梱包材の種類を最優先して決定するようにしてもよい。
【0030】
印刷領域管理部13は、梱包材管理部12から出力された窓付き梱包材の印刷可能範囲を受け付け、その印刷可能領域内における印刷領域を決定する。印刷可能領域は、窓付き梱包材の余白部分であって、印刷が可能な領域であり、印刷領域は、その印刷可能領域内において、実際に上述した外観の画像情報が印刷される領域である。印刷領域は、印刷可能領域内における上部、下部、右部または中央部などといった固定位置でもよいし、印刷可能領域において任意に設定された座標の領域でもよい。図6は、図2に示す窓付き梱包材における印刷可能領域R1と印刷領域R2との関係を示す図である。
【0031】
そして、印刷領域管理部13は、決定した印刷領域を倉庫業者用端末装置30に出力する。
【0032】
フィードバック情報管理部14は、発注者用端末装置20、倉庫業者用端末装置30、および運送業者用端末装置50から出力されたフィードバック情報を取得し、これを管理する。フィードバック情報は、窓付き梱包材の不具合の情報および窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報の不具合の情報であるが、後で詳述する。
【0033】
フィードバック情報管理部14は、受け付けたフィードバックの情報を、窓付き梱包材管理装置10に接続されたモニタなどの表示装置(図示省略)に表示させる。窓付き梱包材管理装置10の管理者は、フィードバック情報の内容を確認し、窓付き梱包材に不具合がある場合には、図5に示す窓付き梱包材情報テーブルにおける窓付き梱包材の種類を変更する。
【0034】
また、窓付き梱包材管理装置10の管理者は、窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報に不具合がある場合には、その不具合が窓付き梱包材側の問題である場合には、図5に示す窓付き梱包材情報テーブルにおける窓付き梱包材の種類を変更し、画像情報側の印刷条件の問題である場合には、印刷条件を変更する。印刷条件としては、印刷速度、インク量、ガンマカーブおよび色味などがある。印刷条件の変更は、たとえば管理者が、窓付き梱包材管理装置10に接続された入力装置(図示省略)から設定入力し、窓付き梱包材管理装置10から倉庫業者用端末装置30に出力し、倉庫業者が、印刷装置45の印刷条件を変更する。または、窓付き梱包材管理装置10から倉庫業者用端末装置30に対して画像情報の不具合の内容を出力し、倉庫業者が、その不具合の内容に基づいて、印刷装置45の印刷条件を変更するようにしてもよい。
【0035】
窓付き梱包材管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリやハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/F(Interface)などを備えている。
【0036】
窓付き梱包材管理装置10のストレージには、本発明の窓付き梱包材情報出力プログラムの一実施形態を含む窓付き梱包材管理プログラムがインストールされている。この窓付き梱包材管理プログラムがCPUによって起動されることによって、窓付き梱包材管理装置10の上述した各部の機能が実行される。
【0037】
また、本実施形態においては、CPUによって窓付き梱包材管理プログラムを実行することによって上述した各部の機能を実行するようにしたが、窓付き梱包材管理プログラムが実行する一部の機能または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0038】
次に、発注者用端末装置20について説明する。
【0039】
発注者用端末装置20は、上述したように商品の発注者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0040】
発注者用端末装置20は、たとえばECサイトなどにアクセスし、そのECサイトの発注画面において、発注対象の商品を選択する。ECサイトは、発注者によって発注対象の商品が選択されて購入された場合には、その発注情報を窓付き梱包材管理装置10、倉庫業者用端末装置30および運送業者用端末装置50に出力する。
【0041】
また、発注者用端末装置20は、発注者が商品を受け取った後、窓付き梱包材や窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報に不具合があった場合に、その不具合に関する情報の設定入力を受け付け、受け付けた不具合に関する情報をフィードバック情報として、窓付き梱包材管理装置10に出力する。
【0042】
窓付き梱包材の不具合としては、たとえば窓付き梱包材と商品のサイズ不一致、窓付き梱包材の窓と商品の外観との不一致(大きさ、位置)(窓から内容物が見えにくい)、印刷可能領域の不一致(大きさ、位置)(商品の外観の画像情報がはみ出しているなど)、および窓付き梱包材の強度不足(窓付き梱包材の破損)などがあるが、これに限らない。
【0043】
商品の外観の画像情報の不具合としては、窓付き梱包材の窓と商品の外観の画像情報の位置不一致、外観の画像情報の色のズレ、外観の画像情報の画質が悪い(解像度が荒い、濃度が薄い)などがある。
【0044】
倉庫業者用端末装置30は、倉庫業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0045】
倉庫業者用端末装置30は、ECサイトから出力された発注情報、窓付き梱包材管理装置10から出力された商品の外観の画像情報およびその印刷領域、並びに窓付き梱包材の種類を受け付け、これらの情報を表示させる。
【0046】
倉庫業者は、倉庫業者用端末装置30に表示された発注情報および窓付き梱包材の種類に基づいて、発注された商品および窓付き梱包材を準備し、窓付き梱包材に商品を収容して封緘し、運送業者に発送する。
【0047】
また、倉庫業者用端末装置30は、商品の外観の画像情報および印刷領域を印刷装置45に出力する。印刷装置45は、商品の外観の画像情報および印刷領域を受け付け、これに基づいて、窓付き梱包材に商品の外観の画像情報を印刷する。
【0048】
また、倉庫業者用端末装置30は、商品が窓付き梱包材に収容された荷物が発送される際に、窓付き梱包材または窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報に不具合があった場合に、その不具合に関する情報の設定入力を受け付け、受け付けた不具合に関する情報をフィードバック情報として、窓付き梱包材管理装置10に出力する。
【0049】
印刷装置45は、上述したように窓付き梱包材に対して商品の外観の画像情報を印刷する。印刷装置45の印刷方式は特に限定されず、たとえばインクジェット方式および感熱方式などを用いることができる。
【0050】
また、印刷装置45は、梱包される前の状態の窓付き梱包材に画像情報を印刷するものでもよいし、商品が梱包された状態の窓付き梱包材に画像情報を印刷するものでもよい。図7は、商品が梱包された状態の窓付き梱包材に画像情報を印刷する印刷装置45の構成の一例を示す図である。
【0051】
図7に示す印刷装置45は、ヘッドユニット46と搬送ユニット2を備えている。図7に示すPが、商品が梱包された状態の窓付き梱包材である。以下、単に、窓付き梱包材Pという。
【0052】
搬送ユニット2は、支持台3と、搬送ベルト部4とを備えている。支持台3は、搬送ベルト部4を支持する台である。
【0053】
搬送ベルト部4は、窓付き梱包材Pの搬送方向に直交する方向に延設された2本のプラテンローラと搬送ベルトなどを備える。2本のプラテンローラは、窓付き梱包材Pの搬送方向について離間して平行に配置される。そして、平行に配列された2本のプラテンローラ間に環状の搬送ベルトが掛け渡され、プラテンローラが回転して搬送ベルトが移動し、これにより窓付き梱包材Pが搬送される。
【0054】
ヘッドユニット46は、搬送ユニット2によって搬送された窓付き梱包材Pの印刷面Psに対してインクを吐出することによって印刷を施す。
【0055】
ヘッドユニット46は、図7に示すように、4本のラインヘッド46a,46b,46c,46dを有する。4本のラインヘッド46a~46dは、複数のインクジェットヘッドが鉛直方向に配列されたものであり、窓付き梱包材Pの搬送方向について平行に配列される。
【0056】
4本のラインヘッド46a~46dは、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)のインクを吐出するものである。
【0057】
搬送ユニット2による窓付き梱包材Pの搬送に伴って、各ラインヘッド46a~46dから水平方向にインクが順次吐出され、これにより印刷処理が施される。
【0058】
運送業者用端末装置50は、運送業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0059】
運送業者用端末装置50は、ECサイトから出力された発注情報を受け付けて表示させる。運送業者者は、運送業者用端末装置50に表示された発注情報に基づいて、倉庫業者から発送された荷物を発注者(受取人)まで配送する。
【0060】
また、運送業者用端末装置50は、荷物を受け付けて発注者まで配送される間に、窓付き梱包材や窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報に不具合があった場合に、その不具合に関する情報の設定入力を受け付け、受け付けた不具合に関する情報をフィードバック情報として、窓付き梱包材管理装置10に出力する。
【0061】
次に、本実施形態の窓付き梱包材管理システム1の処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】
まず、発注者が発注者用端末装置20を用いてECサイトなどにおいて商品を発注する(S10)。発注者の発注情報が、ECサイトから窓付き梱包材管理装置10によって取得される。
【0063】
窓付き梱包材管理装置10は、発注情報に基づいて、商品の外観の画像情報、窓付き梱包材の種類および印刷領域を特定し(S12)、これらの情報を倉庫業者用端末装置30に出力する(S14)。
【0064】
倉庫業者は、倉庫業者用端末装置30に表示された発注情報および窓付き梱包材の種類に基づいて、発注された商品および窓付き梱包材を準備し、窓付き梱包材に商品を収容して封緘する(S16)。
【0065】
そして、倉庫業者用端末装置30は、窓付き梱包材に印刷される商品の外観の画像情報と、その印刷領域および予め設定された印刷条件を印刷装置45に出力し、印刷装置45は、入力された商品の外観の画像情報、印刷領域および印刷条件に基づいて、商品が収容されて封緘された窓付き梱包材に対して、商品の外観の画像情報を印刷する(S18)。
【0066】
そして、窓付き梱包材に対して商品の外観の画像情報が印刷された荷物が、倉庫業者から運送業者に発送される(S20)。
【0067】
そして、運送業者者は、運送業者用端末装置50に表示された発注情報に基づいて、倉庫業者から発送された荷物を発注者(受取人)まで配送する(S22)。
【0068】
荷物を受け取った発注者(受取人)は、窓付き梱包材の窓から見える商品の外観と、窓付き梱包材に印刷された商品の外観の画像情報とを比較することによって、荷物の中身の正当性を確認する(S24)。
【0069】
上記実施形態の窓付き梱包材管理システム1によれば、発注者の発注情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される商品の外観の画像情報を特定して出力し、その画像情報を窓付き梱包材に印刷するようにしたので、窓から見える内容物の外観と印刷された画像情報とを比較することによって、窓付き梱包材の中身が正しいか否かを確認することができる。
【0070】
また、上記実施形態の窓付き梱包材管理システム1においては、発注情報に基づいて、窓付き梱包材の種類を特定するようにしたので、窓付き梱包材の種類を選択する手間を省くことができ、より適切な窓付き梱包材の種類を特定することができる。
【0071】
また、上記実施形態の窓付き梱包材管理システム1においては、窓付き梱包材の種類に基づいて、窓付き梱包材における画像情報の印刷領域を決定するようにしたので、印刷領域を設定する手間を省くことができ、窓付き梱包材に合ったより適切な印刷領域を設定することができる。
【0072】
また、窓付き梱包材管理システム1においては、過去に画像情報を印刷した窓付き梱包材に関するフィードバック情報を取得し、そのフィードバック情報に基づいて、窓付き梱包材情報テーブルの窓付き梱包材の種類を変更したり、印刷条件を変更したりするようにしたので、窓付き梱包材の品質を向上させることができる。
【0073】
また、発注者用端末装置20において、発注者が所望のデザイン画像を指定可能としてもよい。そして、発注者用端末装置20においてデザイン画像が指定された場合には、窓付き梱包材管理装置10から倉庫業者用端末装置30にデザイン画像の情報を出力され、印刷装置45によって商品の外観の画像情報とともに、発注者が指定したデザイン画像が窓付き梱包材の印刷可能領域に印刷されるようにしてもよい。
【0074】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0075】
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0076】
(付記1)
本発明の窓付き梱包材情報出力装置は、窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得する内容物情報取得部と、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力する画像情報出力部とを備える。
【0077】
(付記2)
付記1記載の窓付き梱包材情報出力装置は、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材の種類を特定する窓付き梱包材特定部と、窓付き梱包材の種類の情報を出力する窓付き梱包材情報出力部とを備えることができる。
【0078】
(付記3)
付記2記載の窓付き梱包材情報出力装置は、窓付き梱包材特定部によって特定された窓付き梱包材の種類に基づいて、窓付き梱包材における画像情報の印刷領域を決定する印刷領域決定部と、印刷領域を出力する印刷領域出力部とを備えることができる。
【0079】
(付記4)
付記1から付記3いずれかに記載の窓付き梱包材情報出力装置は、過去に画像情報を印刷した窓付き梱包材に関するフィードバック情報を取得するフィードバック情報取得部を備えることができる。
【0080】
(付記5)
本発明の窓付き梱包材印刷システムは、付記1から付記4いずれかに記載の窓付き梱包材情報出力装置と、画像情報を窓付き梱包材に対して印刷する印刷装置とを備える。
【0081】
(付記6)
本発明の窓付き梱包材印刷方法は、窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得し、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を特定し、その特定した画像情報を窓付き梱包材に対して印刷する。
【0082】
(付記7)
本発明の窓付き梱包材情報出力プログラムは、窓付き梱包材に収容される内容物の情報を取得するステップと、内容物の情報に基づいて、窓付き梱包材に収容される内容物の外観であって、窓付き梱包材の窓から視認可能な範囲の画像情報を出力するステップとをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0083】
1 窓付き梱包材管理システム
2 搬送ユニット
3 支持台
4 搬送ベルト部
10 窓付き梱包材管理装置
11 内容物管理部
11a 内容物情報取得部
11b 内容物情報記憶部
11c 情報出力部
12 梱包材管理部
13 印刷領域管理部
14 フィードバック情報管理部
20 発注者用端末装置
30 倉庫業者用端末装置
45 印刷装置
46 ヘッドユニット
46a~46d ラインヘッド
50 運送業者用端末装置
P 窓付き梱包材
Ps 印刷面
R1 印刷可能領域
R2 印刷領域
W 窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8