IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社川島製作所の特許一覧

<>
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図1
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図2
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図3
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図4
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図5
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図6
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図7
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図8
  • 特開-動作条件復旧装置及び包装関連装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117613
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】動作条件復旧装置及び包装関連装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B65B57/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023800
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浩之
(57)【要約】      (修正有)
【課題】包装関連装置において製品を生産している途中等に、動作条件等の設定を変更する必要が生じた場合、容易に過去に設定した最適の動作条件等が設定でき、効率よく動作条件等の設定が変更できるようにする。
【解決手段】縦ピロー包装機の動作条件復旧装置であって、製品パラメータテーブルに登録されたパラメータのバックアップデータを所定期間内に複数回生成するバックアップデータ生成部と、バックアップデータ生成部が複数回生成した複数のバックアップデータを保存するバックアップデータ保存部と、バックアップデータ保存部が保存した複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力するバックアップデータ選択出力手段とを備えた動作条件復旧装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部と記憶部を有する包装関連装置制御部を備えた包装関連装置の動作条件復旧装置であって、
前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の駆動機器の動作を制御する動作制御部を備え、
前記記憶部は、前記包装関連装置が生産する製品の種類に対応して前記動作制御部が前記駆動機器を動作させるための動作条件を含む制御情報であるパラメータが登録されている製品パラメータテーブルを備え、
動作条件復旧装置は、
前記製品パラメータテーブルに登録された前記パラメータのバックアップデータを所定期間内に複数回生成するバックアップデータ生成手段と、
前記バックアップデータ生成手段が複数回生成した前記バックアップデータの全部又は一部となる複数のバックアップデータを保存するバックアップデータ保存手段と、
前記バックアップデータ保存手段が保存した前記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力するバックアップデータ選択出力手段と
を備えたことを特徴とする動作条件復旧装置。
【請求項2】
前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の調整機器の動作を制御する調整機器制御部を備え、前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータは、前記調整機器制御部を動作させるための調整条件を含むことを特徴とする請求項1記載の動作条件復旧装置。
【請求項3】
前記製品パラメータテーブルには、前記包装関連装置が生産する全種類の製品に対応する全パラメータが登録され、
前記バックアップデータ生成手段は、前記全パラメータのバックアップデータを生成し、
前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータを保存することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動作条件復旧装置。
【請求項4】
前記バックアップデータ生成手段は、定期的に前記全パラメータのバックアップデータを生成し、
前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータのうち、予め定められた期間に前記バックアップデータ保存手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータを保存することを特徴とする請求項3記載の動作条件復旧装置。
【請求項5】
前記バックアップデータ生成手段は、不定期に前記全パラメータのバックアップデータ又は特定種類の製品に対応する特定パラメータのバックアップデータを生成し、
前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段生成した前記全パラメータのバックアップデータ又は前記特定パラメータのバックアップデータ保存することを特徴とする請求項3記載の動作条件復旧装置。
【請求項6】
前記バックアップデータ生成手段が前記所定の期間内に複数回生成する前記バックアップデータの各々を特定するバックアップデータ情報を生成するバックアップデータ情報生成手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の動作条件復旧装置。
【請求項7】
前記バックアップデータ選択出力手段は、選択した前記一のバックアップデータを前記包装関連装置制御部に送り、前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータが前記一のバックアップデータに変更されるようにすることを特徴とする請求項1記載の動作条件復旧装置。
【請求項8】
前記バックアップデータ選択出力手段が選択した前記一のバックアップデータと前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータを比較して比較結果を出力するパラメータ比較出力手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の動作条件復旧装置。
【請求項9】
包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部と記憶部を有する包装関連装置制御部と、動作条件復旧装置を備えた包装関連装置であって、
前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の駆動機器の動作を制御する動作制御部を備え、
前記記憶部は、前記包装関連装置が生産する製品の種類に対応して前記動作制御部が前記駆動機器を動作させるための動作条件を含む制御情報であるパラメータが登録されている製品パラメータテーブルを備え、
動作条件復旧装置は、
前記製品パラメータテーブルに登録された前記パラメータのバックアップデータを所定期間内に複数回生成するバックアップデータ生成手段と、
前記バックアップデータ生成手段が複数回生成した前記バックアップデータの全部又は一部となる複数のバックアップデータを保存するバックアップデータ保存手段と、
前記バックアップデータ保存手段が保存した前記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力するバックアップデータ選択出力手段と
を備えたことを特徴とする包装関連装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、製函機、箱詰め装置、封緘機等の包装関連装置における各種駆動機器等の動作条件等を復旧させる動作条件復旧装置及び包装関連装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装関連装置には、筒状に成形された包材の中に被包装品を順次充填し、シールや切断等を施して包装体を製造するピロー包装機、被包装品を裁断された包装材で包むようにして包装するラッピング包装機、包装材料で1個または複数個の被包装品をおおう上包み包装機、製品を収納する箱を作る製函機、製品を箱詰め等する箱詰め装置、製品を収納した箱の封緘を行う封緘機等があり、ピロー包装機には、包材を上下方向(縦方向)に送って被包装品を充填する縦ピロー包装機と、包材を左右方向(横方向)に送って被包装品を充填する横ピロー包装機等がある。
このような種々の包装関連装置においては、作業者により、生産する製品毎にモータ、ヒータ等の駆動機器を動作させる動作条件が設定され、製品が生産される。
具体的には、縦ピロー包装機や横ピロー包装機では、駆動機器の動作条件として、例えば、単位時間当たりに生産される袋の個数、1袋の長さ、ヒータ温度(シール温度)が設定され。
また、包装関連装置においては、調整機器の調整条件として、例えば、巻取り包材の左右方向の位置、日付印字装置の左右方向の位置、縦ピロー包装機の縦シールブロックの位置、横ピロー包装機のテンションアームの角度(テンションローラ角度)、テンションローラの位置(テンションローラ距離)が設定される。
しかしながら、包装関連装置における動作条件と調整条件(以下「動作条件等」という。)の設定は、作業者の経験と勘により行われることも多く、最適の動作条件等に設定するのに時間を要したり、一度設定した動作条件等を再度設定できなかったり、再度設定するのに時間を要したりする等の問題が生じていた。
このため、包装関連装置における動作条件等の設定に関して、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平8-198206号公報)には、原反ロールから繰出されるフイルムを一対のヒートシールロールによりヒートシールする包装装置であって、前記原反ロールを支持する回転軸に設けられた制動手段と、前記フイルムのテンション値を検出するフイルムテンション検出手段と、前記テンション値が略一定となるように前記制動手段を制御するテンションコントロール手段と、品種毎の包装形態に応じた生産条件を入力する生産条件設定手段(タッチパネル22)と、前記生産条件により品種毎の包装形態に適応した基準テンション値を演算処理し前記テンションコントロール手段を制御するテンション制御手段(制御回路18)と、前記基準テンション値を不揮発的に記憶する記憶手段(バックアップRAM19)とを備えた包装装置が開示されている。
この特許文献1の包装装置(充填包装機)においては、タッチパネル22の生産条件設定画面に前記生産条件が入力されると、制御回路18のCPU15は、フイルムFのテンション値tを演算処理し、これを基準テンション値として前記テンションコントロール手段が前記制動手段を制御し、例えばヒートシールが良好に行われず基準テンション値tに対し補正を必要とする場合は、CPU15は、タッチパネル22により入力される補正値を基準テンション値tに対し例えば、加減算処理して補正後の基準テンション値tを前記テンションコントロール手段に出力し、基準テンション値tに対し補正をする必要がない場合は、この基準テンション値tがバックアップROM19に記憶されるようになっていることから、同一の包装形態により繰り返し充填包装機を運転する場合、基準テンション値tをバックアップROM19から読み出すだけで良く、段取り時間の短縮が図れることとなる。
しかしながら、特許文献1の包装装置では記憶手段(バックアップRAM)に記憶されるのは、生産条件と基準テンション値であって、包装関連装置の各種動作条件等ではない。
【0004】
ところで、包装関連装置においては、同一種類の製品であっても、常に同一の動作条件等で製品を生産することはできず、例えば、温度、湿度等の環境等の変化に対応して動作条件等を変更する必要があり、製品の生産中に頻繁に動作条件等を変更し、最終的に元の動作条件等、あるいは、過去の特定の時期に設定した動作条件等に設定した方が生産効率上望ましい場合もある。
また、経験の浅い作業者にとって、製品を生産している場合に製品不良が生じた場合、どのように動作条件等を変更すれば製品不良が解消するのが判断できず、生産阻害が生ずる場合がある。
さらに、包装関連装置の保守等を行うと、保守等後の動作条件等は、保守等前の動作条件等の多くを変更する必要があり、動作条件等の設定に時間を要する場合がある。
このような場合、仮に、包装関連装置の各種動作条件等を、特許文献1の記憶手段(バックアップRAM)に記憶しておき読み出せるようにしておいても、記憶手段(バックアップRAM)に記憶されるのは、一度設定した動作条件等または補正された動作条件等であることから、上記のような場合に対応することができない。
【0005】
特許文献2(特開2012-176771号公報)には、被包装物が投入される被包装物投入部と、前記被包装物が包装された状態で排出される被包装物排出部と、投入された被包装物を包装して排出するための複数の電気消費部品と、前記電気消費部品を制御する制御部とを備え、前記被包装物投入部、及び/又は、前記被包装物排出部の近傍には、前記被包装物の投入を行う人の存在を検出する人体検知手段が配置され、前記制御部は、前記人体検知手段による検知結果に基づいて、通常モードと前記通常モードよりも消費電力を抑える第1スタンバイモードとを切り替えるモード切替部を有し(引用文献2の[請求項1])、第1スタンバイモード及び第2スタンバイモードにおいて、バックアップ実行部が、ストレッチ包装装置1のセットアップのための基本的なデータであるマスターデータ(商品マスター、トレーマスター等)をバックアップし、ストレッチ包装装置が故障したような場合、前回バックアップしたマスターデータに設定できるようにしたストレッチ包装装置(引用文献1の段落[0080]、[0086])が開示されている。
しかしながら、引用文献2のストレッチ包装装置のバックアップ実行部がバックアップするのは、商品やトレーに関する情報(マスターデータ)であって、包装関連装置の動作条件等ではない。
仮に、包装関連装置において、引用文献2のストレッチ包装装置のバックアップ実行部のようなものを設けて、動作条件等をバックアップしても、前回の動作条件等が設定できるだけであり、前回の動作条件等が最適でない場合は、設定した動作条件等を最適のものに変更する必要があり、特許文献1の記憶手段(バックアップRAM)に動作条件等を記憶させた場合と同様の問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8-198206号公報
【特許文献2】特開2012-176771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、包装関連装置において製品を生産している途中等に、動作条件等の設定を変更する必要が生じた場合、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適の動作条件等が設定でき、効率よく動作条件等の設定が変更できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部と記憶部を有する包装関連装置制御部を備えた包装関連装置の動作条件復旧装置であって、前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の駆動機器の動作を制御する動作制御部を備え、前記記憶部は、前記包装関連装置が生産する製品の種類に対応して前記動作制御部が前記駆動機器を動作させるための動作条件を含む制御情報であるパラメータが登録されている製品パラメータテーブルを備え、動作条件復旧装置は、前記製品パラメータテーブルに登録された前記パラメータのバックアップデータを所定期間内に複数回生成するバックアップデータ生成手段と、前記バックアップデータ生成手段が複数回生成した前記バックアップデータの全部又は一部となる複数のバックアップデータを保存するバックアップデータ保存手段と、前記バックアップデータ保存手段が保存した前記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力するバックアップデータ選択出力手段とを備えた動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の調整機器の動作を制御する調整機器制御部を備え、前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータは、前記調整機器制御部を動作させるための調整条件を含む動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記製品パラメータテーブルには、前記包装関連装置が生産する全種類の製品に対応する全パラメータが登録され、前記バックアップデータ生成手段は、前記全パラメータのバックアップデータを生成し、前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータを保存する動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記バックアップデータ生成手段は、定期的に前記全パラメータのバックアップデータを生成し、前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータのうち、予め定められた期間に前記バックアップデータ保存手段が生成した前記全パラメータのバックアップデータを保存する動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記バックアップデータ生成手段は、不定期に前記全パラメータのバックアップデータ又は特定種類の製品に対応する特定パラメータのバックアップデータを生成し、前記バックアップデータ保存手段は、前記バックアップデータ生成手段生成した前記全パラメータのバックアップデータ又は前記特定パラメータのバックアップデータ保存する動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記バックアップデータ生成手段が前記所定の期間内に複数回生成する前記バックアップデータの各々を特定するバックアップデータ情報を生成するバックアップデータ情報生成手段をさらに備えている動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、前記バックアップデータ選択出力手段は、選択した前記一のバックアップデータを前記包装関連装置制御部に送り、前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータが前記一のバックアップデータに変更されるようにする動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0015】
請求項8の発明は、前記バックアップデータ選択出力手段が選択した前記一のバックアップデータと前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータを比較して比較結果を出力するパラメータ比較出力手段をさらに備えている動作条件復旧装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0016】
請求項9の発明は、包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部と記憶部を有する包装関連装置制御部と、動作条件復旧装置を備えた包装関連装置であって、前記演算制御部は、前記包装関連装置本体の駆動機器の動作を制御する動作制御部を備え、前記記憶部は、前記包装関連装置が生産する製品の種類に対応して前記動作制御部が前記駆動機器を動作させるための動作条件を含む制御情報であるパラメータが登録されている製品パラメータテーブルを備え、動作条件復旧装置は、前記製品パラメータテーブルに登録された前記パラメータのバックアップデータを所定期間内に複数回生成するバックアップデータ生成手段と、前記バックアップデータ生成手段が複数回生成した前記バックアップデータの全部又は一部となる複数のバックアップデータを保存するバックアップデータ保存手段と、前記バックアップデータ保存手段が保存した前記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力するバックアップデータ選択出力手段とを備えた包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明の動作条件復旧装置においては、包装関連装置において製品を生産している途中等に、動作条件を含むパラメータの設定を変更する必要が生じた場合に、バックアップデータ生成手段が、所定期間内に複数回生成してバックアップデータ保存手段が保存した記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力することから、過去に設定した最適の動作条件のパラメータが得られ、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適の動作条件に設定でき、効率よく動作条件の設定ができるという効果を奏する。
【0018】
請求項2に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、前記製品パラメータテーブルに登録されたパラメータは、前記調整機器制御部を動作させるための調整条件を含むことから、包装関連装置において製品を生産している途中等に、調整条件を含むパラメータの設定を変更する必要が生じた場合に、過去に設定した最適の調整条件のパラメータが得られ、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適の調整条件に設定でき、効率よく調整条件の設定ができるという効果を奏する。
【0019】
請求項3に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、包装関連装置において製品を生産している途中等に、動作条件や調整条件を含むパラメータの設定を変更する必要が生じた場合に、過去に設定した最適の動作条件や調整条件のパラメータが全製品について得られ、経験の浅い作業者であっても、容易に全製品について過去に設定した最適の動作条件に設定でき、効率よく動作条件の設定ができるという効果を奏する。
【0020】
請求項4に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、定期的に前記全パラメータのバックアップデータが生成され、予め定められた期間に生成されたバックアップデータが保存されことから、保存されるバックアップデータの更新を容易に行うことができ、バックアップデータを最新のものにできるという効果を奏する。
【0021】
請求項5に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、不定期に全パラメータ又は特定パラメータのバックアップデータが生成されて保存されることから、不定期に設定された最適な全パラメータ又は特定パラメータのバックアップデータを保存できるという効果を奏する。
【0022】
請求項6に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、バックアップデータ情報生成手段が生成したバックアップデータ情報により、バックアップデータ選択出力手段の一のバックアップデータの選択が容易に行われるという効果を奏する。
【0023】
請求項7に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、動作条件を含むパラメータの設定を変更する必要が生じた場合に、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適のパラメータに変更でき、効率よくパラメータの変更ができるという効果を奏する。
【0024】
請求項8に記載の発明の動作条件復旧装置においては、さらに、パラメータ比較出力手段が出力する比較結果から、どのパラメータをどのように変更すればよいかを示唆する情報が得られ、効率よく最適のパラメータの変更ができるという効果を奏する。
【0025】
請求項9に記載の発明の包装関連装置においては、製品を生産している途中等に、動作条件を含むパラメータの設定を変更する必要が生じた場合に、バックアップデータ生成手段が、所定期間内に複数回生成してバックアップデータ保存手段が保存した記複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータを選択して出力することから、過去に設定した最適の動作条件のパラメータが得られ、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適の動作条件に設定でき、効率よく動作条件の設定ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の動作条件復旧装置を備えた包装関連装置が縦ピロー包装機である場合の制御部分の構成を示すブロック図である。
図2図1に示す縦ピロー包装機本体の全体構成を表した斜視図である。
図3】製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図である。
図4】縦ピロー包装機1の動作条件復旧装置がバックアップデータを生成して保存する動作を示したフローチャートである。
図5】縦ピロー包装機1の動作条件復旧装置が保存したバックアップデータにより製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータを変更する動作を示したフローチャートである。
図6】バックアップデータ情報を表示する画面の例を示した画面構成図である。
図7】バックアップデータ情報を表示する画面の他の例を示した画面構成図である。
図8】、画面40において一のバックアップデータ情報が選択された状態を説明する説明図である。
図9】画面50において一のバックアップデータ情報が選択された状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[縦ピロー包装機の構成]
図1は、本発明の動作条件復旧装置を備えた包装関連装置が縦ピロー包装機である場合の制御部分の構成を示すブロック図である。
図中、1は本発明の包装関連装置となる縦ピロー包装機、10は縦ピロー包装機本体、20は縦ピロー包装機制御部、21は演算制御部、21aは動作制御部、22bは調整機器制御部、22は記憶部、22aは製品パラメータテーブル、23は送受信部、30は操作パネル、31はコンピュータ、31aはバックアップデータ生成部、31bはバックアップデータ情報生成部、31cはバックアップデータ保存部、31dはバックアップデータ選択出力部、31eはパラメータ比較出力部、31fは表示画面作成部、33送受信部、34入力表示部、CLは通信回線である。
縦ピロー包装機1の制御部分は、縦ピロー包装機本体10に接続された縦ピロー包装機制御部20と、縦ピロー包装機制御部20に通信回線CLを介して接続された操作パネル30とから構成されている。
縦ピロー包装機制御部20は、演算制御部21、記憶部22及び送受信部23を備え、操作パネル30は、コンピュータ31、送受信部33及び入力表示部34を備えている(詳細は後述する)。
そして、コンピュータ31は、本発明の動作条件復旧装置を構成するバックアップデータ生成部31a、バックアップデータ情報生成部31b、バックアップデータ保存部31c、バックアップデータ選択出力部31d、パラメータ比較出力部31e、表示画面作成部31fを備えている(詳細は後述する)。
【0028】
[縦ピロー包装機本体10]
図2は、縦ピロー包装機本体10の全体構成を表した斜視図である。
図2において、11は包材(包装材料)供給部、12は張力調整部、12aは搖動機構、13は日付印字部、13aは日付印字装置、13bは昇降ローラ、14は被包装品供給部、14aはホッパー、14bは充填筒、15は製筒部、15aは製筒器(フォーマ)、15bは押さえ部材、15cはスライドローラ、16は包材送り部、16aはプーリー、16bは送りベルト、17は縦シール部、17a、17bは縦シールブロック、18は横シール・切断部、18a、18bは横シールブロック、19は包装体排出部、19aはベルトコンベア、Fiは包材(フィルム)、grはガイドローラ、MRは巻取り包材、Pcは包装体、tsは縦シール部分、ysは横シール部分である。
縦ピロー包装機本体10は、包材(包装材料)供給部11、張力調整部12、印字部13、被包装品供給部14、製筒部15、包材送り部16、縦シール部17、横シール・切断部18、包装体排出部19等から構成される。
【0029】
包材供給部11は、巻取り包材MRを繰り出す巻取り包材供給装置(図示せず)等を備え、巻取り包材MRから包材Fiを繰り出す。
張力調整部12は、複数のローラやフレーム等を搖動する搖動機構12aを備え、包材供給部11から繰り出される包材Fiに急激な張力がかからないようにその張力を調整する。
日付印字部13は、日付印字装置13a、昇降ローラ13b等を備え、包材Fiに日付印字を行う。
被包装品供給部14は、上部がホッパー14aとなっている充填筒14b、被包装品投入装置(図示せず)等を備え、被包装品投入装置より投入されるスナック菓子等の被包装品をホッパー14aで受けて充填筒14bに充填する。
製筒部15は、製筒器15a、押さえ部材15b、スライドローラ15c等を備え、包材供給部11より繰り出されて日付印字部13で日付が印字された包材Fiを、スライドローラ15cで案内し、製筒器15aで筒状に成形して押さえ部材15bにより充填筒14b外周面に押し付ける。
包材送り部16は、プーリー16a、送りベルト16b、モータ(図示せず)等を備えた一対の包材送り機構を充填筒14bの両側に配置し、充填筒14bの外周面を包んでいる包材Fiを、一定の長さだけ下方に送る。
縦シール部17は、縦シールブロック17a、17b、ヒータ(図示せず)等を備え、充填筒14bの外周面包んで重ね合わされた包材F1の両端部分に縦シールを施して縦シール部分tsを形成する。
横シール・切断部18は、横シールブロック18a、18b、ヒータ(図示せず)、切断装置(図示せず)等を備え、被包装品が充填された縦シール済包材に対して横シールを施して横シール部分ysを形成し、横シール部分ysの中央部を切断して袋Baを形成し、袋Baの中に被包装品が詰め込まれた包装体Pcを生成する。
包装体排出部19は、ベルトコンベア19a等を備え、包装体Pcをベルトコンベア19aにより排出する。
【0030】
[縦ピロー包装機本体10の調整機器]
縦ピロー包装機本体10の調整機器(以下単に「調整機器」という。)には、日付印字装置13aの移動機構、日付印字送り方向位置調整ローラとなる昇降ローラ13bの昇降機構、スライドローラ15cのスライド機構、縦シールブロック17a、17bの移動機構(いずれも図示せず)等がある。
日付印字装置13aは移動機構により左右方向に移動可能となっており、その左右方向の位置は、縦ピロー包装機1が生産する製品毎に定められ、その定められた位置に日付印字装置13aが移動され、日付印字装置13aの左右方向の位置の設定・調整が行われる。
昇降ローラ13bは昇降機構により上下方向に移動して包材Fiに印字する日付の送り方向の位置(日付印字送り方向位置)を調整するもので、昇降ローラ13bの位置は、縦ピロー包装機1が生産する製品毎に定められ、その定められた位置に昇降ローラ13bが移動され、日付印字送り方向位置の設定・調整が行われる。
スライドローラ15cは、製筒器15aの手前にスライド可能に取り付けられ、その位置は、縦ピロー包装機1が生産する製品に使用される製筒器15aの大きさ(サイズ)によって決まり、スライド機構によりその決められた位置にスライドローラ15cが移動され、スライドローラ15cの位置の設定・調整が行われる。
縦シールブロック17a、17bは、充填筒14bから離れる方向に移動可能となっており、その位置は縦ピロー包装機1が生産する製品(袋)の折り径等によって決まり、移動機構によりその決められた位置に縦シールブロック17a、17bが移動され、縦シールブロック17a、17bの位置の設定・調整が行われる。
【0031】
[縦ピロー包装機制御部20]
図1に示すように、縦ピロー包装機制御部20は、演算制御部21、記憶部22及び送受信部23を備え、演算制御部21は動作制御部21a、調整機器制御部21bを備え、記憶部22は製品パラメータテーブル22aを備えている。
動作制御部21aは、操作パネル30で設定された製品について、記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータ、または、送受信部23から送られてくるパラメータに基づいて、縦ピロー包装機本体10の駆動機器、例えば、包材送り部16のモータ、縦シール部17や横シール・切断部18の各種ヒータの動作を制御する。
調整機器制御部21bは、操作パネル30で設定された製品について、記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータ、または、送受信部23から送られてくる信号に基づいて、縦ピロー包装機本体10の調整機器、例えば、日付印字装置13aの移動機構、昇降ローラ13bの昇降機構、スライドローラ15cのスライド機構の動作を制御する。
また、演算制御部21は、測定情報管理部や生産情報管理部(いずれも図示せず)を備えると共に縦ピロー包装機制御部20統括的に制御する。
演算制御部21の測定情報管理部は、縦ピロー包装機本体10に設けられた測定機器、例えば、縦シール部17や横シール・切断部18の各種ヒータの温度を測定する温度センサーが測定した情報を取得し、送受信部23に送る。
演算制御部21の生産情報管理部は、縦ピロー包装機本体10から、生産された包装体Pcに関する情報、例えば、出来高(包装体Pcの生産数量)、空袋の数量、運転時間等を取得し、送受信部23に送ると共に記憶部22の生産情報テーブル(図示せず)に登録する。
【0032】
記憶部22は、製品パラメータテーブル22a、生産情報テーブル(図示せず)等を記憶し、生産情報テーブルには、実際に生産された製品について、出来高、空袋、ロス袋、稼動率、運転時間、停止時間、待機時間等の生産実績が登録されている。
図3は、製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図である。
製品パラメータテーブル22aには、No.(登録番号)、製品名、生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦左、縦右、横前、横後)、日付印字装置位置、昇降ローラ位置、スライドローラ位置、縦ヒータブロック位置等が登録されている。但し、「No.(登録番号)」、「製品名」、「生産能力」、「袋長さ」、「折り径」、「ヒータ温度(縦左、縦右、横前、横後)」、「日付印字装置位置」、「昇降ローラ位置」、「スライドローラ位置」、「縦ヒータブロック位置」といった項目名自体は登録されておらず、登録されているのは項目名を除いた部分である。
No.(登録番号)は、縦ピロー包装機1(縦ピロー包装機本体10)が生産を行う製品を特定する番号であり、01~99まで用意されている。
No.と製品名は、操作パネル30の入力表示部34に表示される製品名登録画面(図示せず)から入力され、送受信部31から通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20の送受信部21に送信され、送受信部21で受信されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
【0033】
生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦左、縦右、横前、横後)の数値は、縦ピロー包装機本体10の駆動機器(モータ、ヒータ等)を動作させるための動作条件を示す値となるパラメータ(制御情報)である。
例えば、「生産能力」のパラメータ「80」は「80bpm」(bpmは1分間に生産される袋の個数である)、すなわち、1分間に80個(袋)生産されることを意味し、「袋長さ」のパラメータ「250」は「250mm」、すなわち、1袋の長さが250mmであることを意味し、「ヒータ温度・縦左」に対応するパラメータ「160」は「160℃」、すなわち、左側の縦ヒータの温度が「160℃」であることを意味している。
日付印字装置位置、昇降ローラ位置、スライドローラ位置、縦ヒータブロック位置の数値は、縦ピロー包装機本体10の調整機器となる日付印字装置13aの移動機構、昇降ローラ13bの昇降機構、スライドローラ15cのスライド機構、縦シールブロック17a、17bの移動機構を動作させるための調整条件を示す値となるパラメータ(制御情報)である。
例えば、製品名「AAAA」の行に示された「20」、「30」、「50」、「15」は、それぞれ、製品名「AAAA」の日付印字装置13aの左右方向の位置、昇降ローラ13bの位置、スライドローラ15cの位置、縦シールブロック17a、17bの位置が20mm、30mm、50mm、15mmであることを意味する。
【0034】
パラメータは、操作パネル30の入力表示部34に表示される各種パラメータ設定画面、例えば、生産能力・袋仕様設定画面、ヒータの温度設定画面(いずれも図示せず)等から入力され、送受信部33から通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信され、送受信部23で受信されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
そして、上述のように動作制御部21aが、製品パラメータテーブル22aに登録された01~99までのNo.(登録番号)から指定されたNo.の動作条件に関するパラメータに基づいて、縦ピロー包装機本体10の駆動機器、例えば、包材送り部16のモータ、縦シール部17や横シール・切断部18の各種ヒータの動作を制御する。
また、調整機器制御部21bが、縦ピロー包装機本体10の調整機器、例えば、日付印字装置13aの移動機構、昇降ローラ13bの昇降機構、スライドローラ15cのスライド機構、縦シールブロック17a、17bの移動機構を動作させ、日付印字装置13a、昇降ローラ13b、スライドローラ15c、縦シールブロック17a、17bを製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータの位置に移動させる。
なお、調整機器制御部21bは、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータに基づいて、日付印字装置13aの移動機構等の調整機器を動作させることに代えて、作業者の操作により操作パネル30等から入力される信号に基づいて、日付印字装置13aの移動機構等の調整機器を動作させるようにしてもよい。
この場合は、製品パラメータテーブル22aに登録された調整条件に関するパラメータは、操作パネル30の入力表示部34等に表示されるだけであり、作業者が、入力表示部34等に表示されたパラメータにしたがって、入力表示部34等から調整機器を動作させる信号を入力したり、手動で調整機器の調整を行ったりする。
【0035】
[操作パネル30]
操作パネル30は、図1に示すようにコンピュータ31、送受信部33及び入力表示部34を備えている。
コンピュータ31は、演算処理部や記憶部を備え、縦ピロー包装機本体10に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に縦ピロー操作パネル30を統括的に制御する。
送受信部33は、コンピュータから送られてくる各種データを通信回線CLを介して縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信し、縦ピロー包装機制御部20の送受信部23から通信回線CLを介して送信される各種データを受信してコンピュータ31に送る。
入力表示部34は、タッチパネル式の表示画面を有し、表示画面作成部31eによって作成された各種画面を表示する。
【0036】
コンピュータ31の演算処理部は、上述のようにバックアップデータ生成部31a、バックアップデータ情報生成部31b、バックアップデータ保存部31c、バックアップデータ選択出力部31d、パラメータ比較出力部31e及び表示画面作成部31fを備えている。
バックアップデータ生成部31aは、製品パラメータテーブル22aに登録されたすべての製品のすべてのパラメータ(全パラメータ)のバックアップデータ(全パラメータのコピーデータ)を、所定の期間内に複数回生成することにより、全パラメータについての複数のバックアップデータを生成する。
具体的には、定期的に、例えば1週間に1回(例えば毎週金曜日)、縦ピロー包装機1がその日予定されている製品の生産を終了した後、作業者の操作により、あるいは自動的にバックアップデータ生成部31aが全パラメータのバックアップデータを生成する。これにより、バックアップデータ生成部31aは、1月間で4~5回全パラメータのバックアップデータを生成する。
また、バックアップデータ生成部31aは、不定期に、例えば、縦ピロー包装機1の保守や修理を行った後にパラメータが変更されたときに、作業者の操作により、あるいは自動的にバックアップデータ生成部31aが全パラメータのバックアップデータを生成する。
さらに、バックアップデータ生成部31aは、例えば、特定の製品の生産中に製品不良が生じ、作業者以外の専門員等がパラメータを変更してその製品不良が解消した場合に、作業者の操作により、あるいは自動的にバックアップデータ生成部31aが、変更されたその特定の製品のパラメータ(特定パラメータ)のバックアップデータを生成する。
バックアップデータ情報生成部31bは、バックアップデータ生成部31aが生成した複数のバックアップデータについて、各々のバックアップデータを特定するバックアップデータ情報、例えば、定期的に生成されたバックアップデータであれば生成した年月日等の日付情報、不定期に生成されたバックアップデータであれば生成した日付情報と保守・修理等の理由情報、特定パラメータのバックアップデータであれば製品情報と日付情報とパラメータ変更理由情報を生成する。
このバックアップデータ情報生成部31bが生成したバックアップデータ情報は(日付情報等)は、入力表示部34に表示される。
【0037】
バックアップデータ保存部31cは、バックアップデータ生成部31aが全パラメータのバックアップデータあるいは特定パラメータのバックアップデータを生成するたびに、バックアップデータ生成部31aが生成したバックアップデータと、そのバックアップデータについてバックアップデータ情報生成部31bが生成したバックアップデータ情報を保存する。
また、バックアップデータ保存部31cは、バックアップデータ生成部31aが不定期に生成した全パラメータのバックアップデータとバックアップデータ情報を保存する。
さらに、バックアップデータ保存部31cは、バックアップデータ生成部31aが生成した特定パラメータのバックアップデータとバックアップデータ情報を保存する。
そして、バックアップデータ保存部31cに保存されたバックアップデータとバックアップデータ情報のうち、予め定められた期間から外れるバックアップデータとバックアップデータ情報は削除される。
これにより、バックアップデータ保存部31cには、予め定められた期間に生成されたバックアップデータとバックアップデータ情報だけが保存されることなる。
バックアップデータ選択出力部31dは、バックアップデータ保存部31cが保存する複数のバックアップデータの中から一のバックアップデータを選択し、選択した一のバックアップデータを送信部33に送り、この一のバックアップデータが通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20に送られ、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータがこの一のバックアップデータに変更されるようにする。
パラメータ比較出力部31eは、現在縦ピロー包装機1が生産している製品について、バックアップデータ選択出力部31dが選択した一のバックアップデータと、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータを比較し、比較結果(例えば、相違するパラメータ名とそのバックアップデータの数値と製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータの数値)を出力する(例えば、入力表示部34に表示する)。
表示画面作成部31eは、入力表示部34に表示される各種画面、例えば、各種パラメータ設定画面(生産能力・袋仕様設定画面、ヒータの温度設定画面等)、記憶部22の生産情報テーブルに記憶された縦ピロー包装機1の生産実績を表示する画面、バックアップデータ情報生成部31bが生成したバックアップデータ情報を表示する画面を作成する。
【0038】
[動作条件復旧装置の動作]
図4は、縦ピロー包装機1の動作条件復旧装置がバックアップデータを生成して保存する動作を示したフローチャートである。
以下、図に基づいて動作条件復旧装置のバックアップデータ生成・保存動作を説明する。
まず、コンピュータ31の演算処理部において、バックアップデータ生成部31aにバックアップデータの生成指令がなされる(S1)。
このバックアップデータの生成指令は、定期的に、例えば1週間に1回(例えば毎週金曜日)、縦ピロー包装機1がその日予定されている製品の生産を終了した後、作業者の操作パネル30を操作することにより、あるいは自動的になされる。
また、このバックアップデータの生成指令は、不定期に、例えば、縦ピロー包装機1の保守や修理を行った後にパラメータが変更されたときに、作業者の操作パネル30を操作することにより、あるいは自動的になされる。
さらに、このバックアップデータの生成指令は、例えば、特定の製品の生産中に製品不良が生じ、作業者以外の専門員等がパラメータを変更してその製品不良が解消した場合に、作業者の操作パネル30を操作することにより、あるいは自動的になされる。
次いで、バックアップデータ生成部31aが、送受信部33、通信回線CLを介して縦ピロー包装機制御部20にバックアップデータ送信指令を行い、製品パラメータテーブル22aに登録されたすべての製品のすべてのパラメータ(全パラメータ)のバックアップデータ(全パラメータのコピーデータ)、あるいは、特定の製品のパラメータ(特定パラメータ)のバックアップデータ(特定パラメータのコピーデータ)が、送受信部23、通信回線CLを介してコンピュータ31に送信されてコンピュータ31に取り込まれ、これによりバックアップデータ生成部31aによるバックアップデータの生成が行われたこととなる(S2)。
【0039】
この後、バックアップデータ情報生成部31bが、バックアップデータ生成部31aが生成したバックアップデータについて、そのバックアップデータを特定するバックアップデータ情報、例えば、定期的に生成されたバックアップデータであれば生成した年月日等の日付情報、不定期に生成されたバックアップデータであれば生成した日付情報と保守・修理等の理由情報、特定パラメータのバックアップデータであれば製品情報と日付情報とパラメータ変更理由情報を生成する(S3)。
次いで、バックアップデータ生成部31aが生成したバックアップデータ(縦ピロー包装機制御部20からコンピュータ31に送信された全パラメータのバックアップデータあるいは特定パラメータのバックアップデータ)に、バックアップデータ情報生成部31bが生成したバックアップデータ情報を対応付け、このバックアップデータとバックアップデータ情報がバックアップデータ保存部31cに保存される(S5)。
最後に、バックアップデータ保存部31cに保存されたバックアップデータとバックアップデータ情報のうち、予め定められた期間から外れるバックアップデータとバックアップデータ情報が削除され(S5)、処理を終了する。
具体的には、予め定められた期間が、直近の1月である場合、バックアップデータ保存部31cに保存されてから1月以上経過したバックアップデータとバックアップデータ情報は削除され、バックアップデータ保存部31cには、直近の1月の間に保存されたバックアップデータとバックアップデータ情報(直近の1月の間に、週1回生成されたバックアップデータ、不定期に生成されたバックアップデータ、これらのバックアップデータに対応するバックアップデータ情報)だけが保存されることとなる。
【0040】
図5は、縦ピロー包装機1の動作条件復旧装置が保存したバックアップデータにより製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータを変更する動作を示したフローチャートである。
以下、図5に基づいて動作条件復旧装置による製品パラメータテーブル22aのパラメータ変更動作を説明する。
まず、表示画面作成部31eが、バックアップデータ情報を表示する画面を作成して入力表示部34に表示し、バックアップデータ保存部31cに保存されたバックアップデータについてのバックアップデータ情報が入力表示部34に表示される(S11)。
図6は、バックアップデータ情報を表示する画面の例を示した画面構成図であり、図中、40は画面、41はボタンである。
図6に示すように、画面40の上部には「バックアップデータ情報」の文字と、日付(現在の年月日)「2022年12月1日」が表示され、その下に、バックアップ日(バックアップした日)、バックアップしたパラメータ(バックアップしたパラメータの種別)、理由(バックアップした理由)がリスト形式で表示され、各リストの左にチェックボックスが表示され、画面40の右下には、パラメータ変更のボタン41が表示されている。
図6に示した例では、2022年11月25日、2022年11月18日、2022年11月15日、2022年11月11日、2022年11月4日に生成された全パラメータのバックアップテータと2022年11月9日に生成された製品「AAAA」のパラメータのバックアップテータの合計6つのバックアップデータがバックアップデータ保存部31cに保存されている。
【0041】
図7は、バックアップデータ情報を表示する画面の他の例を示した画面構成図であり、図中、50は画面、51はボタンである。
図7に示すように、画面50の上部には「バックアップデータ情報」の文字と、日付(現在の年月日)「2022年12月1日」が表示され、その下に、直近の1月である2022年11月の各日が週毎に行を変えて表示され(いわゆる月単位のカレンダー表示)、バックアップテータを生成した日が図形で囲われて表示されている。
具体的には、定期的に全パラメータのバックアップデータを生成した日(4日、11日、18日、25日)が丸の図形で囲われ、不定期に全パラメータのバックアップデータを生成した日(15日)を四角の図形で囲われてバックアップデータを生成した理由「保守」が表示され、特定製品のパラメータのバックアップデータを生成した日(9日)が三角の図形で囲われてその製品名「AAAA」とバックアップデータを生成した理由「シール不良」が表示されている。
【0042】
次いで、作業者の操作により、入力表示部34に表示されたバックアップデータ情報から、一のバックアップデータ情報が選択されると、バックアップデータ選択出力部31dが、バックアップデータ保存部31cに保存された複数のバックアップデータの中から、一のバックアップデータ情報に対応するバックアップデータ(一のバックアップデータ)を選択する(S12)。
具体的には、作業者が、入力表示部34の画面に表示された複数のバックアップデータ情報のいずれかにタッチすると、タッチされたバックアップデータ情報が選択される。
図8は、画面40において一のバックアップデータ情報が選択された状態を説明する説明図である。
図8では、画面40に表示されたバックアップデータ情報のリストから、2番目の「2022年11月18日 全パラメータ 定期」が選択された状態を示し、選択された行が色帯表示され、左側のチェックボックスにチェックが入っている。
図9は、画面50において一のバックアップデータ情報が選択された状態を説明する説明図である。
図9では、画面50に表示されたカレンダーから、丸の図形で囲われた「18」が選択された状態を示し、選択された丸の図形が灰色で塗りつぶされている。
そして、作業者が、画面40のボタン41または画面50のボタン51をタッチすることにより、バックアップデータ選択出力部31dが、11月18日に生成された全パラメータのバックアップデータを選択する。
【0043】
次いで、バックアップデータ選択出力部31dが選択した一のバックアップデータは、送受信部33に送られ、通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20に送信される(S13)。
具体的には、11月18日に生成された全パラメータのバックアップデータが操作パネル30から通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20に送信される。
このようにして縦ピロー包装機制御部20に送信されたバックアップデータは、送受信部23で受信されて演算制御部21に送られ、製品パラメータテーブル22aに登録された全パラメータが一のバックアップデータに変更され、具体的には、11月18日に生成された全パラメータのバックアップデータに変更され(S14)、処理を終了する。
また、S12で一のバックアップデータとして、特定の製品のパラメータのバックアップデータ、例えば、2022年11月9日に生成された製品「AAAA」のパラメータのバックアップデータが選択された場合、選択されたバックアップデータが縦ピロー包装機制御部20に送信され、製品パラメータテーブル22aに登録された製品「AAAA」のパラメータが、送信された製品「AAAA」のパラメータのバックアップデータに変更される。
なお、S12で一のバックアップデータとして全パラメータのバックアップデータが選択された場合、製品パラメータテーブル22aに登録された全パラメータをバックアップデータに変更するのではなく、指定された製品のパラメータだけバックアップデータに変更するようにしてもよい。
その場合は、操作パネル30の入力表示部34に製品パラメータテーブル22aに登録された全製品のリストを表示し、作業者がパラメータを変更する製品を指定乃至選択するようにすればよい。
【0044】
また、S12で、現在縦ピロー包装機1が生産している製品について、パラメータ比較出力部31eが、バックアップデータ選択出力部31dが選択した一のバックアップデータと、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータを比較し、比較結果を入力表示部34に表示するようにしてもよい。
具体的には、現在縦ピロー包装機1が生産している製品が「AAAA」で、バックアップデータ選択出力部31dが、11月18日に生成された全パラメータのバックアップデータを選択した場合、作業者の操作により、パラメータ比較出力部31eが、11月18日に生成された製品「AAAA」のパラメータのバックアップデータと、製品パラメータテーブル22aに登録された製品「AAAA」のパラメータを比較し、比較結果として、パラメータの数値が相違するパラメータ名とそのパラメータの数値、例えば、相違するパラメータ名が「ヒータ温度・縦左」で、バックアップデータの数値が「165」、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータの数値が「160」であれば、入力表示部34に「11月18日のヒータ温度・縦左:165度 現在のヒータ温度・縦左:160度」と表示する。
これにより、作業者は、今生産している製品について設定されているパラメータのうち、どのパラメータがどのようにバックアップデータと相違しているかを知ることができる。
この場合、S13以降の処理は行わず、作業者の操作により、入力表示部34にヒータの温度設定画面を表示し、ヒータ温度のパラメータを変更してもよい。
【0045】
本発明の動作条件復旧装置は、上記の縦ピロー包装機1に組み込まれたものに限定されず、横ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、製函機、箱詰め装置、封緘機等に組み込まれるものであってもよい。
例えば、横ピロー包装機に動作条件復旧装置を組み込む場合、横ピロー包装機1の制御部分は、横ピロー包装機本体に接続された横ピロー包装機制御部と、横ピロー包装機制御部に通信回線を介して接続された操作パネルから構成され、横ピロー包装機制御部は、縦ピロー包装機制御部20と同様に、動作制御部と調整機器制御部を有する演算制御部、製品パラメータテーブルを有する記憶部及び送受信部を備え、操作パネルは、操作パネル30と同様にコンピュータ、送受信部、入力表示部から構成されることから、操作パネルのコンピュータに、動作条件復旧装置を構成するバックアップデータ生成部、バックアップデータ情報生成部、バックアップデータ保存部、バックアップデータ選択出力部、表示画面作成部等を組み込むようにすればよい。
そして、動作条件復旧装置が組み込まれた横ピロー包装機においては、バックアップデータ生成部が、横ピロー包装機制御部の記憶部に記憶された製品パラメータテーブルのパラメータのバックアップデータを生成し、生成したバックアップデータはバックアップデータ保存部に保存され、バックアップデータ選択出力部から選択されたバックアップデータより製品パラメータテーブルのパラメータが変更される。
【0046】
以上のように縦ピロー包装機1は、縦ピロー包装機本体10、縦ピロー包装機本体10に接続された縦ピロー包装機制御部20、縦ピロー包装機制御部20に通信回線CLを介して接続された操作パネル30を備え、縦ピロー包装機制御部20は、縦ピロー包装機本体10の駆動機器の動作を制御する動作制御部21aを有する演算制御部21、製品パラメータテーブル22aを有する記憶部22及び送受信部23を備え、製品パラメータテーブル22aには、縦ピロー包装機本体10の駆動機器を動作させるための動作条件を含むパラメータが製品の種類毎に登録(記憶)され、操作パネル30は、コンピュータ31、送受信部33及び入力表示部34を備え、コンピュータ31の演算処理部は、動作条件復旧装置を構成するバックアップデータ生成部31a、バックアップデータ情報生成部31b、バックアップデータ保存部31c、バックアップデータ選択出力部31d、パラメータ比較出力部31e及び表示画面作成部31fを備え、バックアップデータ生成部31aが、製品パラメータテーブル22aに登録されたすべての製品のすべてのパラメータ(全パラメータ)のバックアップデータ(全パラメータのコピーデータ)、あるいは、特定の製品のパラメータ(特定パラメータ)のバックアップデータ(特定パラメータのコピーデータ)を生成し、バックアップデータ情報生成部31bが、バックアップデータ生成部31aが生成したバックアップデータについて、そのバックアップデータを特定するバックアップデータ情報を生成し、予め定められた期間に生成されたバックアップデータとバックアップデータ情報は、バックアップデータ保存部31cが保存し、バックアップデータ選択出力部31dが保存された複数のバックアップデータから一のバックアップデータを選択し、選択された一のバックアップデータは、縦ピロー包装機制御部20に送信されて、製品パラメータテーブル22aに登録された全パラメータ又は特定の製品のパラメータが一のバックアップデータに変更され、さらには、パラメータ比較出力部31eが、上記一のバックアップデータと、製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータを比較して比較結果を出力することから、縦ピロー包装機1において製品を生産している途中にパラメータを変更する必要が生じた場合、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適のパラメータに変更でき、効率よくパラメータの設定が変更できることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の動作条件復旧装置は、包装関連装置において製品を生産している途中等に、動作条件等の設定を変更する必要が生じた場合、経験の浅い作業者であっても、容易に過去に設定した最適の動作条件等が設定でき、効率よく動作条件等の設定が変更でき、縦ピロー包装機、横ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、製函機、箱詰め装置、封緘機等の包装関連装置に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 縦ピロー包装機
10 縦ピロー包装機本体
11 包材(包装材料)供給部
12 張力調整部
12a 搖動機構
13 日付印字部
13a 日付印字装置
13b 昇降ローラ
14 被包装品供給部
14a ホッパー
14b 充填筒
15 製筒部
15a 製筒器(フォーマ)
15b 押さえ部材
15c スライドローラ
16 包材送り部
16a プーリー
16b 送りベルト
17 縦シール部
17a、17b 縦シールブロック
18 横シール・切断部
18a、18b 横シールブロック
19 包装体排出部
19a ベルトコンベア
20 縦ピロー包装機制御部
21a 動作制御部
22b 調整機器制御部
22 記憶部、
22a 製品パラメータテーブル
23 送受信部
30 操作パネル
31 コンピュータ
31a バックアップデータ生成部
31b バックアップデータ情報生成部
31c バックアップデータ保存部
31d バックアップデータ選択出力部
31e パラメータ比較出力部
31f 表示画面作成部
33 送受信部
34 入力表示部
40、50 画面
41、51 ボタン
Fi 包材(フィルム)
gr ガイドローラ
MR 巻取り包材
Pc 包装体
ts 縦シール部分
ys 横シール部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9