(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117652
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/018 20230101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q30/018
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023864
(22)【出願日】2023-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川名 好史朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 康貴
(72)【発明者】
【氏名】市丸 朋史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB00
5L049BB00
(57)【要約】
【課題】複数のストアの中から転売ストアを容易に抽出することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、受付部と、推定部とを備える。受付部は、複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける。推定部は、転売ストアとの共通性に基づいて、複数のストアの中から他の転売ストアを推定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付部と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得部を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類部と、
前記複数のストアのうち前記転売ストアが前記分類部によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定部と、
前記複数のストアのうち前記判定部によって前記転売ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記転売ストア以外のストアを前記他の転売ストアとして抽出する抽出部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記転売ストアは、
複数種類の転売ストアのうちのいずれかであり、
前記判定部は、
前記転売ストアが前記分類部によって同一のクラスタに分類されたか否かを前記転売ストアの種類毎に判定し、
前記抽出部は、
前記他の転売ストアを前記転売ストアの種類毎に抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記ストアにおける取引対象の販売数を示す情報、前記ストアにおける前記取引対象の種類数を示す情報、前記ストアにおける識別コード付きの前記取引対象の種類数を示す情報、および前記ストアにおける前記取引対象のカテゴリの種類数を示す情報のうちの2以上に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記ストアにおける取引対象のキャンセル率を示す情報に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記ストアの取引対象に関するユーザ評価を示す情報、前記取引対象の名称を示す情報、前記取引対象の詳細情報、および前記取引対象の画像情報のうちの1以上に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部によって推定された前記他の転売ストアをレコメンドまたはファクタリングの適用対象から除外する除外部を備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付工程と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付手順と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引(EC:Electronic Commerce)サイトを用いた商品の取引が一般的に行われている。ECサイトには、各社の自社サイトに加えて、複数のストアが出店するショッピングモール型のECサイト(以下、ECモールと記載する場合がある)がある。かかるECモールでは、各ストアが商品やサービスなどの取引対象を出品し、出品した取引対象をユーザに販売する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ECモールに出店する複数のストアには転売を行うストアである転売ストアが含まれる場合があり、ECモールの運営者は、例えば、ECモールにおいてレコメンドやファクタリングなどの適用対象に転売ストアを含めたくない場合などがある。
【0005】
しかしながら、ECモールに出店する複数のストアには種々のストアが含まれていることから、ECモールの運営者がECモールに出店する複数のストアの中を一つ一つ確認して転売ストアを抽出する場合において、ECモールに出店するストアが多くなればなるほど、その抽出の作業に時間がかかってしまうといった課題がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のストアの中から転売ストアを容易に抽出することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、受付部と、推定部とを備える。受付部は、複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける。推定部は、転売ストアとの共通性に基づいて、複数のストアの中から他の転売ストアを推定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、複数のストアの中から転売ストアを容易に抽出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るストア情報記憶部に記憶されるストア情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の判定部による判定方法の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0012】
情報処理装置1は、ECモールに出店されている各ストアの取引対象の情報を提供し、ストアとユーザUとの間での取引対象の売買を仲介または支援する。かかる情報処理装置1は、例えば、ECモールに出品されている取引対象を検索する機能、ECモールに出店されているストアを検索する機能、ECモールに出品されている取引対象の取引決済を行う機能などを有する。
【0013】
ECモールのユーザUは、端末装置2を操作して、検索キーワードを含む検索クエリを端末装置2から情報処理装置1に送信させることで、ECモールに出品されている取引対象であって検索クエリに応じた検索結果を情報処理装置1から端末装置2に送信させることができる。これにより、ユーザUは、情報処理装置1から送信された検索クエリに応じた検索結果を端末装置2に表示させることができる。
【0014】
ユーザUは、検索クエリに含める検索キーワードを取引対象名にすることによって、検索キーワードで示される取引対象名の取引対象の情報を1以上含むコンテンツを端末装置2に表示させることができる。また、ユーザUは、検索クエリに含める検索キーワードをストア名にすることによって、検索キーワードで示されるストア名のストアで販売される取引対象の情報を1以上含むコンテンツを端末装置2に表示させることができる。
【0015】
図1に示すように、情報処理装置1は、複数のストアの中から2以上の特定のストアの選択を受け付ける(ステップS1)。複数のストアの各々は、例えば、ECモールに出店している仮想ストアであり、商品やサービスなどの取引対象の販売を行う。
【0016】
特定のストアは、例えば、転売ストアや詐欺ストアである。転売ストアは、取引対象を転売するストアであり、例えば、取引対象の無在庫転売を行うストアである。詐欺ストアは、販売詐欺を行う詐欺ストアであり、例えば、ユーザUを騙して取引対象を販売したりユーザUが購入した取引対象を発送しなかったりするストアである。
【0017】
特定のストアの選択は、例えば、ECモールの運営者O(運営者Oから委託された業者などを含む)によって行われる。例えば、ECモールの運営者Oは、運営者装置3を操作して、複数のストアの中から2以上の特定のストアを選択することで、運営者Oが選択した2以上の特定のストアを示す選択情報が運営者装置3から情報処理装置1に送信される。情報処理装置1は、運営者装置3から送信される選択情報を受け付けることによって、以上の特定のストアの選択を受け付ける。
【0018】
ステップS1において、情報処理装置1は、特定のストアの種類毎に複数のストアの中から2以上の特定のストアの選択を受け付けることができる。特定のストアの種類は、例えば、上述した転売ストアや詐欺ストアであるが、かかる例に限定されない。
【0019】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS1で受け付けた2以上の特定のストアとの共通性に基づいて、複数のストアの中から他の特定のストアを推定する(ステップS2)。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、複数のストアを複数のクラスタに分類し、かかる分類結果に基づいて、特定のストア以外のストアのうち特定のストアと同一クラスタに含まれるストアを他の特定のストアとして推定する。
【0021】
ここで、ステップS2の処理について具体的に説明する。まず、情報処理装置1は、複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する(ステップS2-1)。
【0022】
ステップS2-1において、情報処理装置1によって取得される取引対象情報は、例えば、対象情報、カテゴリ種類数情報、取引対象数情報、コード付き取引対象数情報、販売情報、キャンセル情報、およびモール購入情報などを含む。
【0023】
対象情報は、ストアにおいて販売される取引対象の情報であってユーザUによって提供される情報である。かかる対象情報は、取引対象に関するユーザ評価を示す情報、取引対象の名称を示す情報、取引対象の識別コードを示す情報、取引対象の詳細情報、および取引対象の画像情報などのうち1以上の情報を含む。取引対象に関するユーザ評価は、例えば、取引対象の取引に対するユーザUの評価、取引対象に対するユーザUの評価、取引対象を販売するストアに対するユーザUの評価などである。
【0024】
取引対象の詳細情報は、例えば、取引対象の販売価格を示す情報、取引対象の内容を示す情報、取引対象の送料を示す情報などを含む。取引対象の内容は、取引対象が食品である場合、例えば、取引対象の内容量、取引対象の原材料、取引対象のアレルギー関連成分、取引対象の賞味期限、取引対象の栄養成分などである。また、取引対象の内容は、取引対象が家電である場合、例えば、取引対象のスペック、取引対象の解説、注意事項などである。
【0025】
カテゴリ種類数情報は、ストアにおいて販売される取引対象のカテゴリの種類数を示す情報である。カテゴリは、例えば、ツリー状の階層で分類される。カテゴリの種類数は、例えば、ツリー状の階層における最下層のストアにおけるカテゴリの種類数であるが、最下層のカテゴリよりも上層のカテゴリの種類数であってもよい。
【0026】
例えば、大分類のカテゴリ「靴」には、中分類のカテゴリ「スニーカ」が含まれ、中分類のカテゴリ「スニーカ」には、小分類のカテゴリとして、カテゴリ「レディーススニーカ」、カテゴリ「メンズスニーカ」、カテゴリ「レディーススリッポン」、カテゴリ「子供用スニーカ」などが含まれる。この場合、最下層のカテゴリは、小分類のカテゴリである。
【0027】
取引対象数情報は、ストアにおいて販売される取引対象の種類数を示す情報である。取引対象の種類は、例えば、取引対象の識別コードや取引対象の型番などで特定されるが、取引対象の名称などによって特定されてもよい。
【0028】
コード付き取引対象数情報は、ストアにおいて販売される取引対象のうち識別コード付きの取引対象の種類数を示す情報である。識別コードは、例えば、JAN(Japanese Article Number)コードであり、例えば、国コード、メーカコード、商品コード、チェックディジットなどを含む。
【0029】
販売情報は、例えば、ストアにおける取引対象の販売額(注文額)を示す情報、ストアにおける取引対象の販売数(注文数)を示す情報、ストアの出店経過日数を示す情報、およびストアにおける取引対象の平均未発送期間を示す情報を含む。
【0030】
販売額は、例えば、ストアにおける単位時間当たり(例えば、日単位、週単位、または月単位)の販売額(注文額)である。また、販売額は、ストアにおける取引対象毎の単位時間当たりの販売額やカテゴリ毎の単位時間当たりの販売額(注文額)であってもよい。また、販売額は、ストアにおける売り上げ規模(GMV:Gross Merchandise Value)であるが、ストア側からECモールの運営者に支払う手数料を差し引いた額であってもよい。
【0031】
販売数は、ストアにおける単位時間当たり(例えば、日単位、週単位、または月単位)の販売数(注文数)である。また、販売数は、ストアにおける取引対象毎の単位時間当たりの販売数やカテゴリ毎の単位時間当たりの販売数(注文数)であってもよい。
【0032】
ストアの出店経過日数を示す情報は、ECモールでストアが出店を開始してからの経過日数を示す情報を含む。ストアにおける取引対象の平均未発送期間を示す情報は、ストアにおいて注文を受け付けた取引対象の注文時から発送が開始されるまでの未発送期間の平均値を示す情報を含む。
【0033】
キャンセル情報は、ストアにおける単位時間当たり(例えば、日単位、週単位、または月単位)の取引対象のキャンセル率を示す情報である。取引対象のキャンセル率は、例えば、キャンセルされた取引対象の数を販売(注文)された取引対象の数で除した値である。取引対象のキャンセルは、取引対象の発送前のキャンセルに加えて、取引対象の発送後のキャンセル(例えば、返品によるキャンセル)が含まれる。
【0034】
モール購入情報は、ストアで取引対象を購入したユーザUのECモールにおける取引対象の購入回数を示す情報、およびストアで取引対象を購入したユーザUがその後にECモールで取引対象を購入した回数を示す情報を含む。以下において、これらの購入回数の各々を、モール購入回数と記載する場合がある。
【0035】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2-1において取得した複数のストアの各々の取引対象情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する(ステップS2-2)。このように、情報処理装置1は、取引対象情報から特定されるストア間の共通性に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する。
【0036】
例えば、情報処理装置1は、取引対象情報の中から特徴量の対象となる情報を特徴情報として複数抽出し、抽出した複数の特徴情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する。
【0037】
特徴情報は、例えば、ストアの販売数(例えば、週単位の販売数)を示す情報、ストアにおける取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける識別コード付きの取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける取引対象のカテゴリの種類数を示す情報のうちの2以上を含む。
【0038】
また、特徴情報は、上述した情報の一部または全部に代えてまたは加えて、ストアにおける取引対象のキャンセル率を示す情報、上述したモール購入回数を示す情報、ストアにおける取引対象に関するユーザ評価を示す情報、ストアにおける取引対象の名称を示す情報、ストアにおける取引対象の詳細情報、およびストアにおける取引対象の画像情報のうちの1以上を含んでもよい。
【0039】
ステップS2-2において、情報処理装置1は、UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)を用いて複数のストアの各々の複数の特徴情報を低次元化して、複数のストアを2次元空間に投影する。
【0040】
なお、特徴量の次元削減方法は、UMAPに限定されず、情報処理装置1は、例えば、t-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)、PCA(Principal Component Analysis)、PCA&UMAPなどの他の次元削減方法を用いて、特徴量の次元削減を行ってもよい。
【0041】
情報処理装置1は、2次元空間に投影した複数のストアを複数のクラスタに分類する。例えば、情報処理装置1は、k-means法によって、複数のストアを複数のクラスタに分類する。また、情報処理装置1は、例えば、k-means法に代えて、スペクトラルクラスタリング、混合ガウス分布GMM(Gaussian Mixture Models)、またはニューラルネットワークなどを用いて、複数のストアを複数のクラスタに分類することもでき、その他のクラスタリング手法によって、複数のストアを複数のクラスタに分類することもできる。
【0042】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2-2において複数のクラスタに分類した複数のストアのうちステップS1で受け付けた2以上の特定のストアが同一のクラスタに分類されたか否かを判定する(ステップS2-3)。
【0043】
ステップS2-3において、情報処理装置1は、ステップS1において2以上の特定のストアの選択を複数種類の特定のストアの各々について受け付けた場合、特定のストアが同一のクラスタに分類されたか否かを特定のストアの種類毎に判定する。
【0044】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2-3において、ステップS1で選択された2以上の特定のストアが同一のクラスタに分類されたと判定された場合、特定のストアが分類されたクラスタに含まれるストアであってステップS1で選択された2以上の特定のストア以外のストアを、ステップS1で選択された2以上の特定のストアと特徴が共通するストアである共通ストアとして抽出する(ステップS2-4)。なお、「特徴」は、上述した取引対象情報などで示されるストアの特徴である。
【0045】
共通ストアは、ステップS1で選択された2以上の特定のストア以外の他の特定のストアとして推定されるストアであり、例えば、ステップS1で選択された2以上の特定のストアの種類が転売ストアである場合、ステップS1で選択された2以上の転売ストア以外の他の転売ストアである。
【0046】
ステップS2-4において、情報処理装置1は、ステップS1において2以上の特定のストアの選択を複数種類の特定のストアの各々について受け付けた場合、共通ストアを特定のストアの種類毎に抽出する。例えば、ステップS1において選択を受け付けた特定のストアが、転売ストアと詐欺ストアである場合、情報処理装置1は、転売ストアおよび詐欺ストアの各々を互いに異なる共通ストアとして抽出する。
【0047】
例えば、情報処理装置1は、ステップS1で選択された2以上の転売ストアが同一のクラスタに分類されたと判定された場合、ステップS1で選択された2以上の転売ストアと同一のクラスタに含まれるストアであってステップS1で選択された2以上の転売ストア以外の残りのストアを他の転売ストアとして推定する。
【0048】
また、情報処理装置1は、ステップS1で選択された2以上の詐欺ストアが同一のクラスタに分類されたと判定された場合、ステップS1で選択された2以上の詐欺ストアと同一のクラスタに含まれるストアであってステップS1で選択された2以上の詐欺ストア以外の残りのストアを他の詐欺ストアとして推定する。
【0049】
情報処理装置1は、ステップS2で推定した他の特定のストアの情報である抽出情報を運営者装置3に送信することによって、ステップS2で推定した他の特定のストアの情報を運営者Oに通知する(ステップS3)。
【0050】
このように、情報処理装置1は、複数のストアの中から特定のストアの選択を受け付け、特定のストアとの共通性に基づいて、複数のストアの中から他の特定のストアを推定する。これにより、情報処理装置1は、ECモールに出店する複数のストアの中から特定のストア(例えば、転売ストアや詐欺ストア)を容易に抽出することができる。
【0051】
また、情報処理装置1は、複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類し、複数のストアのうち特定のストアが同一のクラスタに分類されたか否かを判定する。そして、情報処理装置1は、特定のストアが同一のクラスタに分類されたと判定された場合、特定のストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって特定のストア以外のストアを特定のストアと特徴が共通するストアである共通ストアとして抽出する。これにより、情報処理装置1は、ECモールに出店する複数のストアの中から特定のストアを容易に抽出することができる。
【0052】
以下、このような処理を行う情報処理装置1、端末装置2、および運営者装置3を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0053】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2と、運営者装置3とを含む。
【0054】
複数の端末装置2は、互いに異なるユーザUによって用いられる。端末装置2は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。ユーザUは、情報処理装置1などから提供されるサービスを利用するユーザである。
【0055】
運営者装置3は、運営者Oによって用いられる端末装置である。運営者装置3は、端末装置2は、例えば、ノートPC、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPCなどであるが、かかる例に限定されない。
【0056】
情報処理装置1、端末装置2、および運営者装置3の各々は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1などが複数含まれてもよい。
【0057】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0058】
端末装置2や運営者装置3は、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0059】
〔3.情報処理装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0060】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2や運営者装置3との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0061】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、ユーザ情報記憶部20と、ストア情報記憶部21とを有する。
【0062】
〔3.2.1.ユーザ情報記憶部20〕
ユーザ情報記憶部20は、ユーザUに関する各種の情報を記憶する。
図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【0063】
図4に示す例では、ユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルは、「ユーザID(Identifier)」、「属性情報」、および「設定情報」といった項目の情報を含む。
【0064】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別子であり、ユーザU毎に付される情報である。「属性情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUの属性を示す属性情報である。ユーザUの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0065】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといったユーザUの興味関心を有する対象である。
【0066】
「設定情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUの設定情報である。なお、ユーザ情報記憶部20に記憶される情報は、上述した情報に限定されず、ユーザUに関する種々の情報を含んでいてもよい。
【0067】
〔3.2.2.ストア情報記憶部21〕
ストア情報記憶部21は、各ストアの情報を記憶する。
図5は、実施形態に係るストア情報記憶部21に記憶されるストア情報テーブルの一例を示す図である。
【0068】
図5に示す例では、ストア情報記憶部21に記憶されるストア情報テーブルは、「ストアID」、「ストア名」、「ストア出店開始日」、および「取引対象情報」といった項目の情報を含む。
【0069】
「ストアID」は、ストアを識別する識別子であり、ストア毎に付される情報である。「ストア名」は、「ストアID」に対応するストアの名称を示す情報である。「ストア出店開始日」は、「ストアID」に対応するストアがECモールに出店を開始した日または日時を示す情報である。
【0070】
「取引対象情報」は、例えば、上述した対象情報、カテゴリ種類数情報、対象種類数情報、コード付き取引対象数情報、販売情報、キャンセル情報、およびモール購入情報などを含む。
【0071】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、端末装置2内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0072】
処理部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。
【0073】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、推定部32と、除外部33と、提供部34とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0074】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した情報を記憶部11に記憶させる。
【0075】
例えば、取得部30は、外部の情報処理装置または端末装置2などから通信部10を介してユーザUの情報であるユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部20のユーザ情報テーブルに追加する。
【0076】
また、取得部30は、外部の情報処理装置またはストアの端末装置などから通信部10を介して複数のストアの各々の取引対象情報の一部または全部を取得し、取得した取引対象情報の一部または全部をストア情報記憶部21に記憶されるストア情報テーブルに追加する。
【0077】
また、取得部30は、提供部34によって提供されるECモールにおける電子商取引の情報を取引対象情報の一部または全部として提供部34から取得し、取得した取引対象情報の一部をストア情報記憶部21に記憶されるストア情報テーブルに追加することでもできる。
【0078】
また、取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、ユーザUの情報であるユーザ情報をユーザ情報記憶部20などから取得する。取得部30によって取得されるユーザ情報は、例えば、上述した属性情報および設定情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0079】
また、取得部30は、複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報をストア情報記憶部21から取得する。取引対象情報は、例えば、上述した対象情報、カテゴリ種類数情報、対象種類数情報、コード付き取引対象数情報、販売情報、キャンセル情報、およびモール購入情報などを含む。また、取得部30は、複数のストアの各々のストア出店開始日を示す情報を取得する。
【0080】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して種々の要求や情報を受け付ける。
【0081】
例えば、受付部31は、端末装置2から送信される検索クエリを通信部10経由で受け付ける。かかる検索クエリには、例えば、取引対象の名称、取引対象のカテゴリ、またはストアの名称などを特定する情報が含まれる。
【0082】
また、受付部31は、端末装置2から送信される注文クエリを通信部10経由で受け付ける。注文クエリには、ユーザUによって注文(購入)が決定された取引対象およびその数などを特定するための情報が含まれる。
【0083】
また、受付部31は、端末装置2から送信されるキャンセルクエリを通信部10経由で受け付ける。キャンセルクエリには、ユーザUによって注文(購入)が決定された取引対象であってキャンセルの対象となる取引対象などを特定するための情報が含まれる。
【0084】
また、受付部31は、ECモールに含まれる複数のストアの中から2以上の特定のストアの選択を運営者Oなどから受け付ける。受付部31は、運営者装置3から送信される選択情報を受け付ける。選択情報には、運営者Oによって選択された2以上の特定のストアの各々を特定するための情報が含まれる。
【0085】
運営者Oなどによって選択される特定のストアは、例えば、複数種類の特定のストアのうち1以上の種類の特定のストアである。特定のストアの種類は、例えば、転売ストア、詐欺ストアなどであるが、かかる例に限定されない。
【0086】
〔3.3.3.推定部32〕
推定部32は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の特定のストアとの共通性に基づいて、ECモールにおける複数のストアの中から他の特定のストアを推定する。
【0087】
推定部32は、例えば、取得部30によって取得された複数のストアの各々の取引対象情報から特定されるストア間の共通性に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する。
【0088】
推定部32は、例えば、受付部31によって受け付けられた特定のストアが転売ストアである場合、複数のストアを複数のクラスタに分類した結果に基づいて、複数のストアの中から他の転売ストアを推定する。
【0089】
また、推定部32は、例えば、受付部31によって受け付けられた特定のストアが詐欺ストアである場合、複数のストアを複数のクラスタに分類した結果に基づいて、複数のストアの中から他の転売ストアを推定する。
【0090】
推定部32は、複数のストアを複数のクラスタに分類する分類部40と、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の特定のストアである2以上の対象特定のストアが同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定部41と、判定部41の判定結果に基づいて、2以上の対象特定のストアと特徴が共通するストアを他の特定のストア(共通ストア)として抽出する抽出部42とを備える。以下、分類部40、判定部41、および抽出部42について具体的に説明する。
【0091】
〔3.3.3.1.分類部40〕
分類部40は、取得部30によって取得された複数のストアの各々の取引対象情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する。分類部40は、例えば、取引対象情報に含まれる2以上の情報を特徴情報として複数のストアを複数のクラスタに分類する。
【0092】
分類部40によって用いられる特徴情報は、例えば、ストアの販売数(例えば、週単位の販売数)を示す情報、ストアにおける取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける識別コード付きの取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける取引対象のカテゴリの種類数を示す情報のうちの2以上を含む。
【0093】
取引対象の種類は、取引対象が識別コード付きの取引対象である場合には、識別コード毎に異なり、取引対象が識別コード付きの取引対象ではない場合、取引対象の型番毎に異なり、取引対象が識別コード付きの取引対象ではなく且つ型番もない場合、取引対象の商品名毎またはカテゴリ毎に異なる。
【0094】
転売ストアは、取引対象の種類数やカテゴリの種類数に対して販売数(例えば、週単位の販売数)が少ないといった傾向があり、取引対象の種類数に対して識別コード付きの取引対象が少ないといった傾向がある。また、詐欺ストアについても、ストアの販売数、ストアにおける取引対象の種類数、ストアにおける識別コード付きの取引対象、ストアにおける取引対象のカテゴリの種類数などで転売ストアやその他のストアとは異なる傾向にある場合がある。
【0095】
そこで、分類部40は、例えば、ストアの販売数(例えば、週単位の販売数)を示す情報、ストアにおける取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける識別コード付きの取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける取引対象のカテゴリの種類数を示す情報などのうちの2以上の情報を特徴情報として用いる。これにより、分類部40は、転売ストアを分類するために、複数のストアを複数のクラスタに適切に分類することができる。
【0096】
また、特徴情報は、上述した情報の一部または全部に代えてまたは加えて、ストアにおける取引対象の販売額(例えば、週単位の販売額)を示す情報、ストアにおける取引対象のキャンセル率(例えば、週単位のキャンセル数)を示す情報、モール購入回数を示す情報のうちの1以上をさらに含んでもよい。
【0097】
転売ストアは、例えば、取引対象の販売額が少ないといった傾向があり、取引対象のキャンセル率が高いといった傾向があり、モール購入回数が少ないといった傾向がある。また、詐欺ストアにおいても、取引対象の販売額やモール購入回数などで転売ストアやその他のストアとは異なる傾向にある場合がある。
【0098】
そこで、分類部40は、取引対象の販売額(例えば、週単位の販売額)、取引対象のキャンセル率(例えば、週単位のキャンセル率)、モール購入回数などをさらに特徴情報として用いる。これにより、分類部40は、転売ストアや詐欺ストアを含む複数のストアを複数のクラスタにより適切に分類することができる。
【0099】
また、特徴情報は、上述した情報の一部または全部に代えてまたは加えて、ストアにおける取引対象に関するユーザ評価を示す情報、ストアにおける取引対象の名称を示す情報、ストアにおける取引対象の詳細情報、およびストアにおける取引対象の画像情報のうちの1以上を含んでもよい。これにより、分類部40は、転売ストアや詐欺ストアを含む複数のストアを複数のクラスタにより適切に分類することができる。
【0100】
また、特徴情報は、上述した情報の一部または全部に代えてまたは加えて、ECモールでの出店開始日時からの経過日数、および注文を受け付けた取引対象の平均未発送期間などのうちの1以上を複数のクラスタにより適切に分類することができる。
【0101】
分類部40は、UMAPを用いて複数のストアの各々の複数の特徴情報を低次元化して、複数のストアを2次元空間に投影する。なお、特徴量の次元削減方法は、UMAPに限定されず、分類部40は、例えば、t-SNE、PCA、PCA&UMAPなどの他の次元削減方法を用いて、特徴量の次元削減を行ってもよい。
【0102】
分類部40は、2次元空間に投影した複数のストアを複数のクラスタに分類する。例えば、分類部40は、k-means法によって、複数のストアを複数のクラスタに分類する。また、分類部40は、例えば、k-means法に代えて、スペクトラルクラスタリング、混合ガウス分布GMM、またはニューラルネットワークなどを用いて、複数のストアを複数のクラスタに分類することもでき、その他のクラスタリング手法によって、複数のストアを複数のクラスタに分類することもできる。
【0103】
上述した例では、分類部40は、教師なしのクラスタリングによって複数のストアを複数のクラスタに分類するが、教師ありクラスタリングを行うこともできる。例えば、受付部31によって複数の特定のストアと特定のストア以外の複数のストアとの選択が特定のストアの種類毎に受け付けられたとする。
【0104】
この場合、分類部40は、受付部31によって選択が受け付けられたストアの取引対象情報に基づいて、複数の特定のストアの有無を示す情報をラベルとし、取引対象情報に含まれる各種の情報を特徴量とする学習用データを特定のストアの種類毎に生成する。
【0105】
そして、分類部40は、生成した学習用データを用いて、取引対象情報に含まれる各種の情報を入力とし、特定のストアである可能性を示すスコアを出力する学習モデルを特定のストアの種類毎に生成する。かかる学習モデルは、ストアの取引対象情報を用いて、かかるストアが特定のストアであるか否かを判別するモデルである。
【0106】
分類部40は、上述した学習モデルを用いて、ストアが、特定のストアに含まれるクラスタか、特定のストアに含まれないクラスタかを分類する。例えば、分類部40は、ストアの取引対象情報に含まれる2以上の特徴情報を学習モデルに入力し、学習モデルから出力されるスコアが閾値以上である場合に、特定のストアであると判定し、そうでない場合に、特定のストアでないと判定する。
【0107】
学習モデルは、例えば、ロジスティック回帰、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)、平均化パーセプション、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークなどであるが、かかる例に限定されない。
【0108】
〔3.3.3.2.判定部41〕
判定部41は、複数のストアのうち2以上の特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する。例えば、判定部41は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の特定のストアがすべて同一のクラスタに分類されたか否かを判定する。
【0109】
また、判定部41は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の特定のストアが複数種類である場合、同一種類の2以上の特定のストアのすべてが同一のクラスタに分類されたか否かを特定のストアの種類毎に判定する。
【0110】
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の判定部41による判定方法の一例を示す図である。
図6に示す例では、分類部40によって複数のストアが投影された2次元空間において、受付部31によって選択が受け付けられた4つの特定のストアのすべてが同一のクラスタに分類されている。
【0111】
そして、
図6に示す例では、受付部31によって選択が受け付けられた4つの特定のストアが単一の種類の特定のストアのみ(例えば、転売ストアのみ)である。この場合、判定部41は、受付部31によって選択が受け付けられた4つの特定のストアのすべてが同一のクラスタに分類されていると判定する。
【0112】
〔3.3.3.3.抽出部42〕
抽出部42は、判定部41の判定結果に基づいて、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の特定のストア以外の特定のストアを共通ストアとして複数のストアの中から特定のストアの種類毎に抽出する。抽出部42によって抽出される特定のストアが、推定部32によって推定される他の特定のストアである。
【0113】
例えば、抽出部42は、判定部41によって2以上の特定のストアが同一のクラスタに分類されたと判定された場合、分類部40によって2以上の特定のストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって特定のストア以外のストアを特定のストアと特徴が共通するストアである共通ストアとして抽出する。
【0114】
例えば、判定部41によって判定された特定のストアの種別が転売ストアのみであり、受付部31によって受け付けられた特定のストアの数が4つであり、これら4つの特定のストアのすべてが同一のクラスタに分類され、かかるクラスタに含まれるストアの数が10であるとする。この場合、抽出部42は、これら4つの特定のストアと同一のクラスタに分類された残りの他の6つのストアの各々を共通ストアとして抽出する。
【0115】
抽出部42は、例えば、判定部41によって同一種類の2以上の特定のストアのすべてが同一のクラスタに分類されたか否かが特定のストアの種類毎に判定された場合、共通ストアを特定のストアの種類毎に抽出する。
【0116】
例えば、抽出部42は、判定部41によって判定された特定のストアの種類が転売ストアである場合、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の転売ストア以外のストアを他の転売ストア(共通ストアの一例)として抽出する。
【0117】
また、抽出部42は、判定部41によって判定された特定のストアの種類が詐欺ストアである場合、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の詐欺ストア以外のストアを他の詐欺ストア(共通ストアの一例)として抽出する。
【0118】
〔3.3.4.除外部33〕
除外部33は、抽出部42によって抽出された共通ストアを特定サービスの提供対象から除外することができる。特定サービスは、例えば、レコメンドやファクタリングなどである。
【0119】
レコメンドの適用対象とは、提供部34によってユーザUに提案するストアとしての適用対象であり、レコメンドの適用対象となったストアの情報は、例えば、提供部34によってユーザUにレコメンドされる情報としてレコメンド情報に含まれる。
【0120】
また、ファクタリングの適用対象とは、ECモールでの売上金の事前受取が行われるストアとしての適用対象であり、ファクタリングの適用対象となったストアの事業者は、ECモールの運営者からECモールでの売上金の事前受取ができる。
【0121】
除外部33は、例えば、抽出部42によって抽出された転売ストアをレコメンドの適用対象およびファクタリングの適用対象のうちの一方から除外することができる。また、除外部33は、抽出部42によって抽出された転売ストアをECモールから退店させることによって、ECモールから除外することもできる。
【0122】
これにより、例えば、ECモールにおいて規約で転売(例えば、無在庫転売)が禁止されているストアである転売ストアに対して、ECモールで利用可能なサービスを制限したり、ECモールから退店させたりすることができる。
【0123】
また、転売ストアは、平均的なストアよりも閉店率が高いことから、転売ストアをファクタリングの適用対象から除外することによって、売上金の回収が難しくなることを事前に回避することができる。
【0124】
また、除外部33は、例えば、抽出部42によって抽出された詐欺ストアを抽出部42によって抽出された転売ストアをレコメンドの適用対象およびファクタリングの適用対象のうちの一方から除外することもできる。また、除外部33は、抽出部42によって抽出された詐欺ストアをECモールから退店させることによって、ECモールから除外することもできる。
【0125】
〔3.3.5.提供部34〕
提供部34は、種々の情報を端末装置2および運営者装置3の各々に通信部10を介して送信することによって、種々の情報をユーザUおよび運営者Oの各々に提供する。
【0126】
例えば、提供部34は、電子商取引サービスをユーザUに提供する。例えば、提供部34は、端末装置2から送信される検索クエリが受付部31によって受け付けられた場合、検索クエリに含まれる情報に基づく検索結果を端末装置2に通信部10を介して送信することによって、検索結果をユーザUに提供する。
【0127】
検索クエリに含まれる情報に基づく検索結果は、例えば、検索クエリに含まれる情報に応じた1以上の取引対象の情報、検索クエリに含まれる情報に応じた1以上のストアの情報などが含まれる。ユーザUは、情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される検索結果を参照して、購入したい取引対象などを調べることができる。
【0128】
また、提供部34は、端末装置2から送信される注文クエリが受付部31によって受け付けられた場合、注文クエリで特定される取引対象の売買処理を行う。また、提供部34は、端末装置2から送信されるキャンセルクエリが受付部31によって受け付けられた場合、キャンセルクエリで特定される取引対象の注文のキャンセルを行う。
【0129】
また、提供部34は、抽出部42によって共通ストアとして抽出された他の特定のストアの情報を含む抽出情報を運営者装置3に通信部10を介して送信することによって、抽出情報を運営者Oに提供する。抽出情報には、例えば、抽出部42によって共通ストアとして抽出された他の特定のストアの各々のストアIDが含まれる。
【0130】
また、提供部34は、抽出部42によって共通ストアとして抽出された他の特定のストアの情報に加えて受付部31によって受け付けられた特定のストアの情報を含む抽出情報を運営者装置3に通信部10を介して送信することによって、抽出情報を運営者Oに提供することもできる。この場合、抽出情報には、例えば、抽出部42によって共通ストアとして抽出された他の特定のストアの各々のストアIDと、受付部31によって受け付けられた特定のストアのストアIDとが含まれる。
【0131】
また、提供部34は、上述した抽出情報を複数種類の特定のストアの各々について含む情報を抽出情報として抽出することができる。この場合、抽出情報には、例えば、複数の特定のストアの各々の種別を示す情報が含まれる。
【0132】
また、提供部34は、レコメンドの適用対象となるストアのレコメンドを行うことができる。ストアのレコメンドは、例えば、お薦めのストアまたはお薦めの取引対象を示す情報を含むレコメンド情報をユーザUの端末装置2に通信部10を介して送信することによって、レコメンド情報をユーザUに提供する。
【0133】
提供部34は、除外部33によってレコメンドの適用対象から除外された特定のストアのレコメンドは行わない。これにより、処理部12は、レコメンドの適用対象から除外された特定のストアまたはその取引対象をお薦めのストアまたはお薦めの取引対象として除外することができる。
【0134】
また、提供部34は、ファクタリングの適用対象となるストアの運営者に対して、ECモールでのストアの売上金の事前支払い処理を決済処理として行うことができる。提供部34は、除外部33によってファクタリングの適用対象から除外された特定のストアの運営者に対する売上金の事前支払い処理を行わない。これにより、処理部12は、ファクタリングの適用対象から除外された特定のストアをファクタリングの対象から除外することができる。
【0135】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0136】
図7に示すように、情報処理装置1の処理部12は、端末装置2からのクエリを受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。処理部12は、クエリを受け付けたと判定した場合(ステップS10:Yes)、受け付けたクエリに応じた処理を行う(ステップS11)。
【0137】
処理部12は、ステップS11の処理が終了した場合、またはクエリを受け付けていないと判定した場合(ステップS10:No)、運営者装置3からの選択情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。
【0138】
処理部12は、選択情報を受け付けたと判定した場合(ステップS12:Yes)、複数のストアの各々の取引対象情報を取得する(ステップS13)。そして、処理部12は、ステップS13で取得した、複数のストアの各々の取引対象情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する(ステップS14)。
【0139】
つづいて、処理部12は、ステップS10で受け付けたと判定した特定のストアが同一のクラスタに分類されたか否かを特定のストアの種類毎に判定する(ステップS15)。そして、処理部12は、特定のストアが分類されたクラスタに含まれる他のストアを共通ストア(例えば、転売ストアや詐欺ストア)として特定のストアの種類毎に抽出する(ステップS16)。
【0140】
つづいて、処理部12は、ステップS16で抽出した特定のストアの情報を特定のストアの種類の各々について含む抽出情報を運営者装置3に送信することによって、抽出情報を運営者Oに提供する(ステップS17)。
【0141】
処理部12は、ステップS17の処理が終了した場合、または選択情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS12:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS18)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0142】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS18:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS18:Yes)、
図7に示す処理を終了する。
【0143】
〔5.変形〕
上述した例では、処理部12は、同一のECモールにおける複数のストアを分類対象として分類したが、互いに異なる複数のECモールにおける複数のストアを分類対象として分類したり、ECモール以外の電子商取引サイトにおける複数のストアを分類対象として分類したりすることができる。
【0144】
また、分類部40は、判定部41によって複数の特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されていないと判定した場合、初期値(例えば、シード値)などを変えて、複数のストアを複数のクラスタに分類する処理である分類処理を繰り返す。分類部40は、例えば、判定部41によって特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されていると判定されるまで、初期値などを変えながら分類処理を繰り返す。
【0145】
また、上述した例では、判定部41は、複数のストアのうち2以上の特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定するが、かかる例に限定されない。例えば、判定部41は、受付部31によって受け付けられた特定のストアの数が1つの場合、複数のストアのうち1つの特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する。この場合、抽出部42は、受付部31によって選択が受け付けられた1つの特定のストア以外の特定のストアを共通ストアとして複数のストアの中から特定のストアの種類毎に抽出する。
【0146】
また、抽出部42は、例えば、判定部41によって同一のクラスタに分類されたと判定された他の複数の特定のストアのうち、販売額(例えば、週単位の販売額)が100万以下且つ販売数(例えば、週単位の販売数)が100以下である他の特定のストアを共通ストアとして抽出することもできる。
【0147】
また、分類部40は、分類処理(クラスタリング)をn回行うこともできる。nは、2以上の整数である。この場合、抽出部42は、判定部41によって複数の特定のストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されているとm回以上判定された場合に、受付部31によって選択が受け付けられた特定のストア以外の特定のストアを抽出することもできる。mは、2以上の整数であり、nとmは、例えば、n>mの関係を有する。なお、mは、例えば、nの1/2よりも大きな値であるが、nに依存しない値であってもよい。
【0148】
また、分類部40は、特定のストアにおける取引対象の内容を示す情報と、特定のストア以外のストアにおける取引対象の内容を示す情報との一致度を取引対象の種類毎に算出し、算出した一致度を示す情報を特徴情報としてさらに含む複数の特徴情報を用いて、複数のストアを複数のクラスタに分類することもできる。
【0149】
また、分類部40は、例えば、複数のストアの各々の取引対象情報に含まれる情報のうち分類処理に有効な情報を推定することもできる。例えば、分類部40は、特定のストアの取引対象情報に含まれる情報と、特定のストア以外の取引対象情報に含まれる情報とを情報毎に比較し、差分が大きい情報を、分類処理に有効な情報を推定する。この場合、分類部40は、分類処理に有効な情報であると推定した情報を特徴情報として用いる。
【0150】
また、上述した例では、複数種類の特定のストアを含む複数のストアの分類処理をまとめて行うが、特定のストアの種類毎に複数のストアの分類処理を行うこともできる。
【0151】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0152】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラム、およびコンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0153】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0154】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイおよびプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0155】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0156】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0157】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0158】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0159】
例えば、上述した情報処理装置1は、端末装置とサーバコンピュータとで実現してもよく、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0160】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0161】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付部31と、転売ストアとの共通性に基づいて、複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定部32とを備える。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを容易に抽出することができる。
【0162】
また、情報処理装置1は、複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得部30を備え、推定部32は、取得部30によって取得された取引対象情報に基づいて、複数のストアを複数のクラスタに分類する分類部40と、複数のストアのうち転売ストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定部41と、複数のストアのうち判定部41によって転売ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって転売ストア以外のストアを他の転売ストアとして抽出する抽出部42とを備える。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを精度よく抽出することができる。
【0163】
また、転売ストアは、複数種類の転売ストアのうちのいずれかであり、判定部41は、転売ストアが分類部40によって同一のクラスタに分類されたか否かを転売ストアの種類毎に判定し、抽出部42は、他の転売ストアを転売ストアの種類毎に抽出する。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを転売ストアの種類毎に抽出することができる。
【0164】
また、取引対象情報は、ストアにおける取引対象の販売数を示す情報、ストアにおける取引対象の種類数を示す情報、ストアにおける識別コード付きの取引対象の種類数を示す情報、およびストアにおける取引対象のカテゴリの種類数を示す情報のうちの2以上に基づいて、他の転売ストアを推定する。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを精度よく抽出することができる。
【0165】
また、取引対象情報は、ストアにおける取引対象のキャンセル率を示す情報に基づいて、他の転売ストアを推定する。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを精度よく抽出することができる。
【0166】
取引対象情報は、取引対象に関するユーザ評価を示す情報、取引対象の名称を示す情報、また、ストアの取引対象の詳細情報、および取引対象の画像情報のうちの1以上に基づいて、他の転売ストアを推定する。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から転売ストアを精度よく抽出することができる。
【0167】
また、情報処理装置1は、推定部32によって推定された他の転売ストアをレコメンドまたはファクタリングの適用対象から除外する除外部33を備える。これにより、情報処理装置1は、複数のストアの中から特定のストアをレコメンドまたはファクタリングの適用対象から除外することができる。
【0168】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0169】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0170】
1 情報処理装置
2 端末装置
3 運営者装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 ユーザ情報記憶部
21 ストア情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 推定部
33 除外部
34 提供部
40 分類部
41 判定部
42 抽出部
100 情報処理システム
N ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付部と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得部と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定部と、を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類部と、
前記複数のストアのうち前記転売ストアが前記分類部によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定部と、
前記複数のストアのうち前記判定部によって前記転売ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記転売ストア以外のストアを前記他の転売ストアとして抽出する抽出部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数のストアの中から詐欺ストアの選択を受け付ける受付部と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得部と、
前記詐欺ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の詐欺ストアを推定する推定部と、を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類部と、
前記複数のストアのうち前記詐欺ストアが前記分類部によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定部と、
前記複数のストアのうち前記判定部によって前記詐欺ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記詐欺ストア以外のストアを前記他の詐欺ストアとして抽出する抽出部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記転売ストアは、
複数種類の転売ストアのうちのいずれかであり、
前記判定部は、
前記転売ストアが前記分類部によって同一のクラスタに分類されたか否かを前記転売ストアの種類毎に判定し、
前記抽出部は、
前記他の転売ストアを前記転売ストアの種類毎に抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記ストアにおける取引対象の販売数を示す情報、前記ストアにおける前記取引対象の種類数を示す情報、前記ストアにおける識別コード付きの前記取引対象の種類数を示す情報、および前記ストアにおける前記取引対象のカテゴリの種類数を示す情報のうちの2以上に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記ストアにおける取引対象のキャンセル率を示す情報に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記ストアの取引対象に関するユーザ評価を示す情報、前記取引対象の名称を示す情報、前記取引対象の詳細情報、および前記取引対象の画像情報のうちの1以上に基づいて、前記他の転売ストアを推定する
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部によって推定された前記他の転売ストアをレコメンドまたはファクタリングの適用対象から除外する除外部を備える
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付工程と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得工程と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定工程と、を含み、
前記推定工程は、
前記取得工程によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類工程と、
前記複数のストアのうち前記転売ストアが前記分類工程によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定工程と、
前記複数のストアのうち前記判定工程によって前記転売ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記転売ストア以外のストアを前記他の転売ストアとして抽出する抽出工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数のストアの中から詐欺ストアの選択を受け付ける受付工程と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得工程と、
前記詐欺ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の詐欺ストアを推定する推定工程と、を含み、
前記推定工程は、
前記取得工程によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類工程と、
前記複数のストアのうち前記詐欺ストアが前記分類工程によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定工程と、
前記複数のストアのうち前記判定工程によって前記詐欺ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記詐欺ストア以外のストアを前記他の詐欺ストアとして抽出する抽出工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
複数のストアの中から転売ストアの選択を受け付ける受付手順と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得手順と、
前記転売ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の転売ストアを推定する推定手順と、をコンピュータに実行させ、
前記推定手順は、
前記取得手順によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類手順と、
前記複数のストアのうち前記転売ストアが前記分類手順によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定手順と、
前記複数のストアのうち前記判定手順によって前記転売ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記転売ストア以外のストアを前記他の転売ストアとして抽出する抽出手順と、を含む
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項11】
複数のストアの中から詐欺ストアの選択を受け付ける受付手順と、
前記複数のストアの各々の取引対象の情報である取引対象情報を取得する取得手順と、
前記詐欺ストアとの共通性に基づいて、前記複数のストアの中から他の詐欺ストアを推定する推定手順と、をコンピュータに実行させ、
前記推定手順は、
前記取得手順によって取得された前記取引対象情報に基づいて、前記複数のストアを複数のクラスタに分類する分類手順と、
前記複数のストアのうち前記詐欺ストアが前記分類手順によって同一のクラスタに分類されたか否かを判定する判定手順と、
前記複数のストアのうち前記判定手順によって前記詐欺ストアが分類されたクラスタに含まれるストアであって前記詐欺ストア以外のストアを前記他の詐欺ストアとして抽出する抽出手順と、を含む
ことを特徴とする情報処理プログラム。