(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011766
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】マニキュア用ベースコート剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/64 20060101AFI20240118BHJP
A61Q 3/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K8/64
A61Q3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114020
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】500011263
【氏名又は名称】株式会社ナチュラルフィールドサプライ
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(72)【発明者】
【氏名】川本 浩司
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AC102
4C083AD112
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD441
4C083AD442
4C083CC28
4C083DD23
(57)【要約】
【課題】マニキュア用のベースコート剤として、安全性の高い自然由来の材料を含有するベースコート剤を供給する。
【解決手段】トウモロコシ由来の成分であるゼインを1~20重量%の範囲で含有し、場合により更にラノリンまたは/およびケラチンを含有させたマニキュア用ベースコート剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼインを1~20重量%含有することを特徴とするマニキュア用ベースコート剤。
【請求項2】
ラノリンまたは/およびケラチンを含有する請求項1に記載のマニキュア用ベースコート剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネイルポリッシュに使用されるベースコート剤に関するもので、更に詳しくは、植物由来(トウモロコシ由来)のボタニカルベースコート剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネイルポリッシュ(以下マニキュアという)には、油性(ラッカー系)のものと水性のものがあり、発色性と耐久性の優位性から、油性のものが主に使われてきた。カラーマニキュアに油性が使われる場合、そのベースコートには同じく油性のものが使われるのが通常である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ベースコートの使用目的は、(1)カラーマニキュアの定着性をよくする。(2)自爪への色素沈着を防ぐ。(3)自爪表面の凹凸を減らす。などである。
【0004】
特にベースコートは自爪に直接塗布するため、近年ではその安全性が求められるようになってきた。そのような背景から、最近では水性マニキュアが作られるようになってきている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
以下に、前者の油性マニキュアの内容成分一例を示す。この油性マニキュアに有機溶剤が多く使用されている。
[油性マニキュアベースコート]の組成成分一例
・樹脂成分:ニトロセルロース(10~20%含有)
・有機溶剤:酢酸エチル(10~20%含有)
・有機溶剤:酢酸ブチル(0~40%含有)
・有機溶剤:トルエン(10~35%含有)
・樹脂類(10~20%含有)
・可塑剤(かそざい)(少量)
【0006】
次に、後者の水性マニキュアの内容成分一例を示す。水性マニキュアでは有機溶剤は油性マニキュアに比べて比較的少ないが、化学物質が多く使われている。
[水性マニキュアベースコート]の組成成分一例
水、樹脂成分:(アクリレーツ/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー、PG、エタノール、カプリリルグリコール、イソプロパノール、フェノキシエタノール、アンモニア水、シメチコン、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル-10、セルロースガム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-119676号公報
【特許文献2】特開2004-224721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、先に述べたように、安全性の観点から水性マニキュアが作られるようになってきたため、ベースコート剤としても、水性マニキュアに有効な、安全性の高いものが求められてきている。もちろん、油性マニキュアのベースコートとしても、爪に直接塗布するベースコートとして安全性が求められている。
【0009】
そこで、この発明の課題は、マニキュア用として、安全性の高い自然由来のベースコート剤を供給するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、マニキュア用ベースコート剤であって、ゼインを1~20重量%含有する構成を採用するものである。
【0011】
また、請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、ラノリンまたは/およびケラチンを含有する構成を採用したものである。
【0012】
この発明のベースコート剤としては、合成樹脂を使わず、自然由来の材料として、トウモロコシより分離された、α-ゼイン(分子量21,000~25,000)を使用したものである。
【0013】
「ゼイン」は食品用、工業用に広く使用されるトウモロコシデンプンの「コーンスターチ」の生産過程でできる副産物より製造される。このゼインは、化粧品では髪の毛の艶、ハリ、強度を出すなどに使用されてきたが、マニキュアの樹脂成分としては使用されていなかった。
【発明の効果】
【0014】
爪の成分はアミノ酸であるが、請求項1に記載の発明のマニキュア用ベースコート剤の主成分のゼインは、アミノ酸成分のグルタミン酸とロイシンを多く含み、自爪に対して安定しており、皮膜形成能や酸化制御能などの機能性があり、爪のベースとしての機能を備える。
【0015】
また、トウモロコシという自然素材由来の材料から得られたゼインが主成分であり、人体(自爪)に対して直接塗布するベースコートとして安全性が高く、安全性の見地から採用された水性マニキュア用ベースコート剤として最適であると共に、ベースコート剤として本来有する安全性から、油性マニキュアのベーズコート剤としても使用することができる。
【0016】
また、ゼインには疎水性があり、硬い皮膜は硬化後水に対して安定しているが、アルコール水溶液や溶剤で溶かすことができるので、爪からの除去作業も容易にできる。
【0017】
よって、この発明品をベースコートとして自爪に直接塗布することにより、爪を傷めず強化し、カラーマニキュアから色素沈着を防ぐと同時に、マニキュアの定着性を高めることができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明では、爪に効果があるとされる、ラノリンやケラチンを含有することから、爪用の栄養補給剤としての効果も期待できるものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明のマニキュア用ベースコート剤(ボタニカルベースコート)の成分例は、表1の通りである。成分は重量%で示す。
【0020】
【0021】
表1に示すように、この発明のベースコート剤の特徴的な主成分のゼインは、1~20%の範囲内で含油させ、残りはエタノールや水を加えて調整する。
【0022】
また、場合によっては、爪に効果があるとされる、ラノリンやケラチンを、それぞれ1.0%迄の範囲内含有させることもできる。