(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117674
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
E03D9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023036031
(22)【出願日】2023-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】523083665
【氏名又は名称】高橋 敦史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 敦史
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038AA02
2D038BA05
2D038BA10
(57)【要約】
【課題】 手洗い口が設けられていない給水タンクに薬剤を供給し、水質を改質するための薬剤供給装置を提供する。
【解決手段】 遊動防止機構を設けた通水性の包材に薬剤および、必要に応じてフロートを封入した薬剤供給装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤と、薬剤を封入するように設けられた通水性を有する包材と、包材に連結された遊動防止機構を有することを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項2】
薬剤と、フロートと、薬剤およびフロートを封入するように設けられた通水性を有する包材と、包材に連結された遊動防止機構を有することを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項3】
薬剤が芳香剤、消臭剤、洗浄剤、抗菌剤、着色剤のうちいずれか1つまたは任意の複数の組み合わせであることを特徴とする、請求項1または2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
包材が金属製網、樹脂製網、金属製籠、樹脂製籠、布いずれか1つまたはこれらの組み合わせで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊動防止機構を設けた通水性の包材に薬剤を封入した薬剤供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットの給水タンク上部の手洗い口の下に設置するタイプの薬液供給具(特許文献1)や、トイレットの給水タンクの内壁に設置するタイプの薬液供給具(特許文献2)、トイレットの給水タンク内に直接投入するタイプの固形型の洗浄剤(特許文献3)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4592256号公報
【特許文献2】公開実用新案公報昭60-165570号公報
【特許文献3】特許第2939769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら先行技術には次のような問題点があった。
(イ)給水タンク上部に手洗い口が設けられていない場合、薬液供給具を設置することが不可能であった。
(ロ)給水タンク内部に薬液供給具を設置するための取り付け金具を新たに設置する等、追加の加工が必要であった。
(ハ)洗浄剤が水流に乗って給水タンク内を移動して排水弁に吸い込まれ、排水が止まらなくなるなどの誤作動を引き起こすことがあった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
薬剤を通水性の包材で封入する。この際、薬剤の比重が水よりも大きく、沈んでしまう場合は、十分な浮力を得るためにフロートを同時に封入しても良い。
次いで、包材の上端部に遊動防止機構を設ける。
この薬剤供給装置をトイレットの給水タンク内部の、排水機構の動作を阻害しない位置に投入して水面に浮かべ、遊動防止機構をオーバーフロー管や補助水管などに連結する。
以上を特徴とする薬剤供給装置である。
【発明の効果】
【0006】
手洗い口が設けられていない給水タンクであっても、給水タンク内に追加の加工を必要とせず、排水機構の誤作動を引き起こすことなく、薬剤を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】 フロートを配置した本発明の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(イ)開口部を有する通水性を有する包材(1)に、薬剤(2)を配置し、縫合、接着、溶着などの手法を用いて開口部を閉じ、薬剤(2)を封入する。この際、薬剤(2)の比重が水よりも大きく、沈んでしまう場合には、十分な浮力を得るためのフロート(4)を薬剤(2)とともに封入しても良い。
(ロ)包材の上端部に、遊動防止機構(3)として糸、紐、樹脂または金属製の結束バンド、樹脂または金属製の鎖などを設ける。
本発明は以上のような構成である。
本発明を使用するときは、トイレットの給水タンク内に設置された排水機構の動作を阻害しない位置に投入して水面に浮かべ、遊動防止機構(3)をオーバーフロー管や補助水管などに連結し、本発明の薬剤供給装置が給水タンク内を遊動して排水機構の動作を阻害することを防ぐ。この際、包材(1)の内部に侵入した水が薬剤(2)と接触し、成分が水に溶け出して給水タンク内に拡散する。なお、この薬剤(2)として、市販されている芳香剤や消臭剤、洗浄剤、抗菌剤、着色剤を使用してもよく、例えば小林製薬株式会社製ブルーレット ドボン、有限会社ブリッジメディカル製 加湿器キレイ、有限会社サイトカイン製 銀イオンセラミックボールなどを使用してもよい。
【符号の説明】
【0009】
1 包材
2 薬剤
3 遊動防止機構
4 フロート