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  • 特開-挟圧手工爪矯正具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117678
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】挟圧手工爪矯正具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/11 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61F5/11
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023036037
(22)【出願日】2023-02-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】500264227
【氏名又は名称】丸山 政雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 政雄
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB10
4C098BB12
4C098BC08
4C098BC15
4C098BC20
4C098BD01
(57)【要約】
【課題】 変形爪を平坦化矯正できる挟圧手工具において、爪矯正の経験が少ない施術者の握持挟圧による矯正具制御下であっても、変形爪を過加圧による圧壊や擦過傷を起こすことなく安全に略平状に矯正ができる挟圧手工爪矯正具に関する。
【解決手段】 変形爪用の挟圧手工爪矯正具10Aの上側爪加圧脚部1と下側爪加圧脚部2とが握持操作部4を介し最大挟圧で加圧された相対接近移動状態時に、対向配設された下向き爪接触面部1Aと上向き爪接触面部2Aが対向する相対最小離間高さを爪厚以上の高さで、且つ爪の先端が当たらないように爪先端遊離縁の長さ以上の奥行で離間する離間隙間部8を設けて成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下向き爪接触面部を設けた上側爪加圧脚部と、上向き爪接触面部を設けた下側爪加圧脚部とを離間状態に対向配設し、前記上側爪加圧脚部と前記下側爪加圧脚部とを相対接近移動させて、前記下向き爪接触面部と前記上向き爪接触面部との間に挿入配設した変形爪を、前記下向き爪接触面部と前記上向き爪接触面部とで上下方向から挟み加圧することで、前記変形爪を平坦化することができるよう構成された握持挟圧による手工爪矯正具のアゴ先端部近傍において、
前記上側爪加圧脚部と前記下側爪加圧脚部とが最大挟圧状態時に前記下向き爪接触面部と前記上向き爪接触面部が対向する相対最小離間高さが爪厚以上であって、且つ先端縁からの離間奥行が爪先端遊離縁の長さ以上で成る離間隙間部を設けて成していることを特徴とする、挟圧手工爪矯正具。
【請求項2】
最大挟圧状態時の前記下向き爪接触面部と前記上向き爪接触面部が対向する前記離間隙間部の対向離間高の調節が可能な離間隙間調整式保持体を有する前記離間隙間部を設けて成したことを特徴とする、請求項1記載の挟圧手工爪矯正具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形爪を平坦化矯正できる挟圧手工爪矯正具において、施術者の握力またはピンチ力による加圧加減の制御下で変形爪を圧壊することなく安全に略平状に加圧矯正できる挟圧手工爪矯正具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の変形爪を治療する矯正具の発明においては、湾曲変形した爪を略平状へ挟圧矯正する矯正具が提案されている。
【0003】
例えば、本願出願人が過去に発明をした特許文献1は、先に、断面略U字状に形成された矯正具を爪先正面視平坦部へ装着した後、被巻き爪の爪縁部まで横摺動させて、巻き爪の矯正を行う、横摺動挿入による挟圧矯正法を特徴とする巻き爪矯正具であり、また、特許文献2に記載の本願出願人発明の、前記矯正具とともに前記矯正具とは別体の挟持具を用いて前記陥入爪を略平状へ挟圧し、前記矯正具を塑性変形させながら爪へ締着することで前記陥入爪の矯正ができる陥入爪矯正具も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4330012号公報
【特許文献2】特許第4341849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記文献1の断面U字状のクリップ形状の挟圧構造であって、前記断面U字状の離間されて成す爪厚高さより薄い爪挿入用開口部である平滑隙を有する前記矯正具による矯正方法は、巻き爪の爪先正面視略中央平坦部を前記平滑隙へ差し込んだ後、爪甲が湾曲状に爪床内方向へ巻き込んで変形する爪縁端部まで摺動させ、クリップ形状の挟圧構造を有する前記矯正具の挟圧力により湾曲爪縁部を平坦状に整形した状態で前記矯正具を爪に挟着させるのだが、この矯正方法の場合、爪の脆性化を鑑みることなく矯正具の固有挟圧力をもって挟圧矯正するだけでなく、爪から着脱しない強さの挟圧着力も有しており、これにより、爪裂開や爪縁端部の欠損のほか、劈開を起こすことや爪甲表面に擦過傷もみられるので、安易に取り扱える矯正具とはいえない。
【0006】
また、前記文献2の塑性加工による矯正手段を用いた陥入爪矯正具においても、前記陥入爪矯正具と別体の挟持具を用いて前記陥入爪矯正具を塑性変形させることで変形爪に挟圧着させる手段であるが、前記挟持具による挟圧は爪の厚さを超えた薄さにまで加圧できるため、過加圧による圧壊や爪甲が潰れ挫創する危険がある。また爪甲表面に擦過傷を残すこともある。このように従来の挟圧力を用いた矯正具は挟圧力の制御が困難であるため、前記陥入爪矯正具の取り扱いは容易ではなかった。
【0007】
本発明は、挟圧矯正具を用いた巻き爪矯正施術の未経験者であっても、過加圧による圧壊など挫創や擦過傷を起こすことなく、安全に挟圧矯正手段の効果を発揮できる挟圧手工爪矯正具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための本発明の挟圧手工爪矯正具は、以下の技術的手段から構成される。
【0009】
本発明の請求項1に記載の構成は、一体成型または別部材で形設された下向き爪接触面部1Aを設けた上側爪加圧脚部1と、前記下向き爪接触面部1Aと重合するよう成している一体成型または別部材で形設された上向き爪接触面部2Aを設けた下側爪加圧脚部2とを離間状態に対向配設し、前記上側爪加圧脚部1と前記下側爪加圧脚部2とを相対接近移動させ、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aとの間に挿入配設された変形爪を、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aとで上下方向から挟み加圧することで前記爪を平坦化することができるよう構成されたペンチ型またはテコ型またはその他の握持挟圧構造から選ばれて成された変形爪用の挟圧手工爪矯正具10Aの、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aが重合するアゴ先端部位近傍において、前記上側爪加圧脚部1と前記下側爪加圧脚部2とが最大挟圧状態時または最接近時に前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aが対向する相対最小離間高さを爪厚以上の高さで、且つ爪の先端が当たらないように爪先端遊離縁の長さ以上の奥行で離間隙間が形成された離間隙間部8が設けられたことを特徴とする挟圧手工爪矯正具である。
【0010】
なお、前記離間隙間部8を形成するのが困難な挟圧手工爪矯正具の場合には、前記離間隙間部8を形成する前記条件を満たすよう挟圧力の制止機能を有する離間隙間保持体9を、前記上加圧脚部部位1と前記下加圧脚部部位2のどちらか一方または対向する両方に装設されてもよい。
【0011】
このように変形爪を挟圧平坦化する際、爪厚を圧迫する過加圧による前記爪の圧壊や爪甲内部にまで至る挫創や爪甲表面の擦過傷を防ぐことができる前記離間隙間部8が形成され備わったことを特徴とする挟圧手工爪矯正具に係る。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の構成は、前記上側爪加圧脚部1と前記下側爪加圧脚部2とが最大挟圧状態時の前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aが対向する前記離間隙間部8の対向最小離間高を肥厚爪症や爪変形症状の進行状況に合わせて前記離間保持体9の離間高調節が行える機能として突出長を変更可能にするボルト螺挿深度調整式手段または回動歯止めツメ制御によるラチェット歯・板セレーション突出調整手段など、凸状の突出量を自在に変更可能とした離間高調整手段、または凸状離間隙間調整式保持体10の突出高さを爪厚に鑑みて交換変更を可能にした構造、または前記離間隙間保持体10の突出部の差込挿入部に外周面螺条を備え、継ぎ足し用突出部の差込挿入部を受け入れる内周面螺条を備えた継ぎ足し構造、にするなどのいずれかから選ばれた機能を有する離間隙間調整式保持体10を装備し介設したことで、爪の変形状態や個体差を鑑みた繊細な爪厚高さに対応することができたことにより安全性が高まり、挟圧矯正の際に起こる過加圧による圧壊を様々な爪変形に対して防げることを特徴とする挟圧手工爪矯正具に係るものである。
【0013】
なお、本発明に用いられる前記ペンチ型とは、先端側に前記下向き爪接触面部1Aが設けられた前記上側加圧脚部1と前記上側加圧脚部1の基端側に握持操作部4が設けられて成す第一爪挟圧半体6と、先端側に前記上向き爪接触面部2Aが設けられた前記下側加圧脚部2と前記下側加圧脚部2の基端側に握持操作部4が設けられて成す第二爪挟圧半体7とが交差枢着されてなり、前記握持操作部4の開閉操作により、対向配設される前記上側加圧脚部1と前記下側加圧脚部2とを相対接近移動させ、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aとの間に挿入配設された変形爪を挟み加圧矯正することができるように構成されている挟圧手工爪矯正具に係るものである。
【0014】
また本発明に用いられる前記テコ型とは、弾性を有する2枚の長板から成ってかつ互いに上下に対向して配置されて二又形状になるようにそれぞれの後端部を接合されて成る、または弾性を有する1枚の長板から成ってかつ互いに上下に対向して配置されて二又形状になるように長手略中央部からU字状に曲げたことにより、後端部から先端部に向かい上下に分かれた脚部は上側加圧脚部1および下側加圧脚部2とを成し、前記上側加圧脚部1および前記下側加圧脚部2の夫々先端部近傍に設けられたテコ作用支持軸貫通孔21を貫通する略円柱形状のテコ作用支持軸22と、前記テコ作用支持軸22の上端部近傍において前記テコ作用支持軸22の直径方向を回転軸として搖動可能に枢結される押圧操作ハンドル23と、を備え、前記上側加圧脚部1の先端部を下方向に屈曲して形成した下向き爪接触面部1Aと、前記下側加圧脚部2の先端部を上方向に屈曲して形成した上向き爪接触面部2Aとが、前記押圧操作ハンドル23の搖動によって接近および離間し、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aとの間に挿入配設された変形爪を挟み加圧矯正することができるように構成されている挟圧手工爪矯正具に係るものである。
【0015】
また、前記挟圧手工爪矯正具の上側爪加圧脚部1と重合する下側爪加圧脚部2の前記両脚部の先端部側の形状が、平面視後方へ凹湾曲状または平面視平坦状、および先端部側から正面視上方凸湾曲状または正面視平坦状、のいずれかから選択されて成していてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように請求項1に係る発明によれば、挟圧手工爪矯正具10Aのアゴ先端部側に、握持過加圧を抑止できる離間隙間部8を備えたことにより、湾曲変形爪を平坦化挟圧矯正する際、爪厚を潰すほどの握持過加圧を加えられても、爪厚を維持することができることにより、爪矯正施術の経験の少ない施術者が扱っても、爪の圧壊や割れ爪を誘発する爪甲に食い込ませて起こす擦過傷などの傷害を未然に防げることで、安全に且つ容易に変形爪を握持による挟圧矯正することができる。
【0017】
また、請求項2に係る発明によれば、離間隙間部8の対向離間高の調節が可能な離間隙間調整式保持体10で成すことで、爪の変形状態や爪質の個体差を鑑みた繊細な前記離間隙間部8の離間高さの調整対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1挟圧手工爪矯正具アゴ先端部近傍10Aの一例を示す拡大側面斜視図である。(a)は離間隙間部8が拡開されている状態の斜視図。(b)は最大挟圧状態時の離間隙間部8の対向離間高が爪の厚さで離間されていることを表した斜視図である。
図2】実施例2の一例を示すアゴ先端部近傍20Aの拡大側面斜視図である。
図3】ペンチ型の挟圧手工爪矯正具30Aである実施例2の離間隙間調整式保持体10がボルト螺挿深度調整式手段であって、(a)対向離間高が最大に調整された時の要部を示す斜視図である。(b)は最大挟圧状態時の離間隙間部8の対向離間高が爪の厚さであることを表した斜視図である。(爪厚が厚い爪の場合)
図4】ペンチ型の挟圧手工爪矯正具30Aである実施例2の離間隙間調整式保持体10がボルト螺挿深度調整式手段であって、(a)対向離間高が最小に調整された時の要部を示す斜視図である。(b)は最大挟圧状態時の離間隙間部8の対向離間高が爪の厚さであることを表した斜視図である。(爪厚が薄い爪の場合)
図5】テコ型の挟圧手工爪矯正具40Aである実施例2の離間隙間調整式保持体10がボルト螺挿深度調整式手段であって、(a)対向離間高が最大に調整された時の要部を示す斜視図である。(b)は最大挟圧状態時の離間隙間部8の対向離間高が爪の厚さであることを表した斜視図である。(爪厚が厚い爪の場合)
図6】テコ型の挟圧手工爪矯正具40Aである実施例2の離間隙間調整式保持体10がボルト螺挿深度調整式手段であって、(a)対向離間高が最小に調整された時の要部を示す斜視図である。(b)は最大挟圧状態時の離間隙間部8の対向離間高が爪の厚さであることを表した斜視図である。(爪厚が薄い爪の場合)
図7】実施例2のテコ型の挟圧手工爪矯正具40Aに備わる調整可能な離間隙間調整式保持体10が回動歯止めツメ制御によるラチェット歯・板セレーション突出量調整手段を備えたテコ型の挟圧手工爪矯正具40Bの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明するが、本実施形態は以下に限定されるものではなく、例えば、本発明の趣旨を損なわない範囲で上側爪加圧脚部1に設けられた先端側に下向き爪接触面部1Aと前記下側爪加圧脚部2に設けられた先端側に上向き爪接触面部2Aとが最大挟圧状態時の対向最小離間高の離間を爪厚以上で挟圧の制動ができる離間隙間保持体9を用いてもよく、また図1以外であっても前記離間隙間保持体9の機能が損なわない範囲であれば、その形状および手段を任意に変更して実施可能である。また、握持挟圧手段となる手工具においても、本発明の特徴である前記離間隙間部が形成できる挟圧手工具であればペンチ型やテコ型の他、喰い切り型やプライヤー型などの挟圧手段に限定されず任意に挟圧手工具から選択され実施可能である。
【実施例0020】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。(図1参照)
【0021】
本実施例図1は、あご部近傍横幅7mmで成している先端側に下向き爪接触面部1Aを設けた上側加圧脚部1と、先端側に上向き爪接触面部2Aを設けた下側加圧脚部2とが最大挟圧状態時に前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aが対向する相対最小離間高さが0.5mmであって、且つ先端縁からの離間奥行が10mmで成る前記離間隙間部8が形成されて成している。なお、傷の付きやすい爪との接触を考慮し、前記アゴ先端部近傍または爪接触面部を挟圧半体6、7と一体成型または別部材で金属または硬質ゴムまたはエラストマーまたは樹脂などから選択されて用いて成形されてもよい。
【0022】
本実施例図1(a)は、上側加圧脚部1と下側加圧脚部2とが拡開離間状態を表した拡大斜視図である。相対最小離間高さを確保するための離間隙間保持体9が前記上側加圧脚部1と前期下側加圧脚部2とに配設されているが、挟圧手工具の形状で相対離間高さが爪厚以上に設けられるのであれば、前記離間隙間保持体9を必ずしも設ける必要はない。
【0023】
本実施例図1(b)は、前記下向き爪接触面部1Aと前記上向き爪接触面部2Aとの間に挿入配設された変形爪を挟圧矯正する際の最大挟圧状態時に、離間隙間部8の対向する最小離間高が0.5mmで、且つ前記矯正具先端縁から10mm奥行に成るよう、高さ0.25mmの凸部状の前記離間隙間保持体9が重合接触するように前記上側加圧脚部1と前期下側加圧脚部2の対向面に夫々配設されている。
【実施例0024】
また、本実施例は、図3はペンチ型の挟圧手工爪矯正具30Aの斜視図であって、図5はテコ型の挟圧手工爪矯正具40Aの斜視図であって、それぞれに備わる離間隙間調整式保持体10が共通の離間隙間高さ調整可能に螺挿された離間アジャスト用ボルト12を用いた構造で成すボルト螺挿深度調整式保持体で構成された場合の状態を表した図である。
【0025】
この図3に示されたような構成によれば、前記離間アジャスト用ボルト12の螺挿の深度を変えることで、離間隙間部8の開閉度を調整して、変形爪の爪厚の個体差異に適合できる。前記ボルト螺挿深度調整式保持体は離間隙間高さ調整可能に螺挿された前記離間アジャスト用ボルト12を用いた構造で成しており、上側加圧脚部に備わる離間隙間調整式保持体貫通孔14に固着された固着ナット13に螺挿される前記離間アジャスト用ボルト12と第一爪挟圧半体6との間であって、前記ボルト12の回旋が抑えられる方向に付勢するよう前記ボルト12に押しバネを外在させたことで、押しバネによりアジャスト用ボルト高さが保持できる構造を得たことで、離間隙間高さの調整を可能にしている。
【実施例0026】
また、図7に示すように、テコ型の挟圧手工爪矯正具40Bの斜視図であって、離間隙間調整式保持体10がラチェット歯を設けられた板状のセレーションの突出高で離間隙間高さ調整可能にした構造で成すアジャスト用板状セレーション式の離間隙間高調整式保持体で構成された場合の状態を表した図である。
【0027】
この図7に示されたような構成によれば、ラチェット歯を設けられた板状のセレーション31の突出高を変えることで、離間隙間部8の開閉度を調整して、変形爪の爪厚の個体差異に適合できる回動歯止めツメ制御によるラチェット歯セレーション板突出調整式保持体であって、ラチェット歯と噛み合い係止するように下側加圧脚部の孔に回動可能に軸着された歯止め用ツメと噛合する位置にラチェット歯を外装する板状セレーションを設けたことにより、離間隙間高さの調整を可能にしている。なお、各寸法は変形爪2の形状や厚さにより適宜変更されてもよい。
【0028】
挟圧手工爪矯正具30A、40A、40Bはステンレス鋼製であるが、爪の挟圧作業において、安全性に問題なく使用可能であれば、例えば、エラストマーや硬質ゴムなどの他、金属からは鋼、アルミニウム、チタン、コバルト合金など、樹脂からはABS、PE、PP、PS、PVC、FRP、アイオノマー、アクリル、PETなどから選ばれて使用可能である。また、上下爪接触面部の爪接触面に、樹脂製緩衝材であるポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタンや自己潤滑性が高い超高分子量ポリエチレンやテフロンのほか、MCナイロンやPOMやPEEKなどを配設されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、医療用器具および美容器具の産業界において利用できる。
【符号の説明】
【0030】
10A、20A、30A、40A、40B・・・挟圧手工爪矯正具
1・・・上側加圧脚部
2・・・下側加圧脚部
1A・・・下向き爪接触面部
2A・・・上向き爪接触面部
4・・・握持操作部
6・・・第1挟圧半体
7・・・第2挟圧半体
8・・・離間隙間部
9・・・離間隙間保持体
10・・・離間隙間調整式保持体
11・・・連結部
12・・・離間アジャスト用ボルト
13・・・固着ナット
14・・・離間隙間調整式保持体貫通孔
15・・・押しバネ
16・・・押しバネ
21・・・テコ作用支持軸貫通孔
22・・・テコ作用支持軸
23・・・押圧操作ハンドル
31・・・ラチェット歯外装板セレーション
32・・・回動可能軸着歯止めツメ
33・・・軸着ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7