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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117692
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】清掃具又は自走式掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/254 20060101AFI20240822BHJP
   A47L 13/24 20060101ALI20240822BHJP
   A47L 11/28 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47L13/254
A47L13/24 A
A47L11/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150188
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2023023462
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023082071
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA08
3B074AB01
3B074AB03
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】 清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして有効活用することができる清掃具を提供する。
【解決手段】 清掃具10は、清掃ヘッド1に複数の毛材5からなるブラシ部材6、6が形成されていると共に、複数の毛材5の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布7により形成された清掃体8が、清掃ヘッド1に装着されるものであって、複数の毛材5の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材5、5同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド1の使用時に、毛材5と清掃体8とは、毛材5の突起部が、清掃体8の繊維に引っ掛かり固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面に固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、他方の面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記他方の面に装着されるものであって、
前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、
前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴とする清掃具
【請求項2】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面の略中央から延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、他方の面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記他方の面に装着されるものであって、
前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、
前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴とする清掃具
【請求項3】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの長手方向の一端側又は両端側から延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されるものであって、
前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、
前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴とする清掃具
【請求項4】
略棒状又は略平板状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドから延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、複数の毛材からなるブラシ部材を有していると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドに装着されるものであって、
前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、
前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴とする清掃具
【請求項5】
自走式掃除機であって
本体と、
該本体の底面に配置された一対の走行用ローラーと、
該走行用ローラーを回転させるためのモータと、
該モータを制御する制御部と、を有し、
前記本体は、前記底面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記本体の前記底面に装着されるものであって、
前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、
前記自走式掃除機の使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴とする自走式掃除機
【請求項6】
清掃ヘッドは、操作用ハンドルに回動可能に固定されているものであって、
前記清掃ヘッドは、略平板状であると共に、該清掃ヘッドが回動することにより、使用時に被清掃面と対向可能な相対する2つの面の各々にブラシ部材が形成されて不織布シートを備えた清掃体は前記相対する2つの面の各々に装着可能であることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の清掃具
【請求項7】
毛材の突起部は、毛材の線径方向の全周に亘り形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の清掃具又は自走式掃除機
【請求項8】
毛材の突起部は、清掃ヘッド又は自走式掃除機の使用時における可動方向に対して略直交する1方向に延出していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の清掃具又は自走式掃除機
【請求項9】
毛材の突起部における延出長さは、0.01mm以上0.1mm以下の範囲であって、不織布清掃体として適用できる不織布の繊維の線径は、0.005mm以上0.05mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の清掃具又は自走式掃除機
【請求項10】
ブラシ部材は、清掃ヘッドの他方の面又は被清掃面と対向する面における4つの角部の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の清掃具
【請求項11】
ブラシ部材は、清掃ヘッドの他方の面又は被清掃面と対向する面における2つの長辺の近傍且つ略平行に、直線状に形成されいていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の清掃具
【請求項12】
清掃ヘッドの他方の面又は被清掃面と対向する面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記緩衝部と前記ブラシ部材との間には、空間が形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の清掃具
【請求項13】
清掃ヘッドの他方の面又は被清掃面と対向する面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記毛材の先端は、前記緩衝部の先端と略同一、又は前記緩衝部の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の清掃具
【請求項14】
清掃ヘッドの他方の面又は被清掃面と対向する面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記緩衝部は、弾性を有する材料で形成されており、前記緩衝部の先端は、前記毛材の先端と略同一、又は前記毛材の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の清掃具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドと操作用ハンドルとを備えた清掃具と、自走式掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から柄棒の先端に連結された拭布取付部材に、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付けたモップの発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のモップは、払掃用の拭布と、該拭布を交換可能に装着するための扁平で細長い拭布取付部材と、該拭布取付部材に連結された操作用の柄棒とからなっていて、 上記拭布取付部材は、合成ゴムや合成樹脂のような柔軟性を持った弾性部材によって長方形をなす薄肉の平板状に形成され、四隅に近い位置に、巻き付けた拭布の端部を係止させるための係止手段が係止され、上面の中央部に、連結手段を介して上記柄棒が連結される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3457402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載のモップの拭布は、四隅に近い位置に形成された係止手段に係止させる手間を必要とするものであると共に、係止手段が切り込み孔で形成されている場合には、拭布がちぎれて係止手段に残存する場合があるため、取り除く作業を必要としていた。また、拭布を拭布取付部材の下面から上面に形成されている係止手段まで巻き付ける構成としていることから、上面部分の拭布は、床面の清掃に寄与することが無く無駄になるという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる清掃具と、自走式掃除機とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面に固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、他方の面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記他方の面に装着されるものであって、前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、不織布シートを備えた清掃体が、清掃ヘッドの操作用ハンドルが固定されている面とは反対側の面に形成されているブラシ部材に固定されることにより着脱が行われる構成としたことによって、従来のように、清掃体を操作用ハンドル側の面に巻き付ける必要が無くなり、清掃体の無駄な部分を少なくし、コストを削減することができる。また、毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッドの使用時には、毛材の突起部が不織布シートの繊維に引っ掛かると共に、隣り合う毛材同士の間に繊維が挟み込まれ、絡まることで、引っ掛かりを維持でき、強く固定できる。一方、取り外し時には、不織布シートを清掃ヘッドの端部側から順次外すことで、毛材が線径方向に撓み、隣り合う毛材同士の間に挟み込まれた繊維が解放されやすくなる。よって、清掃体の取り外しが容易になると共に、毛材に清掃体の繊維屑が付着することを軽減することができ、手入れを容易にできる。
【0009】
請求項2の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面の略中央から延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、他方の面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記他方の面に装着されるものであって、前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴としている。本発明では、清掃ヘッドの一方の面の略中央から操作用ハンドルが延出しているので、使用者は操作用ハンドルを操作して清掃体を被清掃面に強く押し付けることができる。
【0010】
請求項3の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの長手方向の一端側又は両端側から延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されるものであって、前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴としている。本発明では、清掃ヘッドの長手方向の一端側又は両端側から操作用ハンドルを延出させているので、清掃体の着脱時に邪魔になることがないと共に、清掃ヘッドの相対する2つの面に清掃体を固定することが可能となる。
【0011】
請求項4の発明は、略棒状又は略平板状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドから延出する操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、複数の毛材からなるブラシ部材を有していると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記清掃ヘッドに装着されるものであって、前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、前記清掃ヘッドの使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴としている。本発明では、清掃ヘッドが略棒状又は略平板状であることから、清掃ヘッドが狭い隙間や溝等に入り込み易く、効果的に清掃をすることができる。また、操作用ハンドルが略棒状又は略平板状の清掃ヘッドから延出するものであれば、どのような形態であっても含まれることになることから、清掃具の全体形状に自由度を与えることができ、コンパクトな形態の清掃具にも適用することができる。
【0012】
請求項5の発明は、自走式掃除機であって本体と、該本体の底面に配置された一対の走行用ローラーと、該走行用ローラーを回転させるためのモータと、該モータを制御する制御部と、を有し、前記本体は、前記底面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体が、前記本体の前記底面に装着されるものであって、前記複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う前記毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、前記自走式掃除機の使用時に、前記毛材と前記不織布シートとは、前記毛材の突起部が、前記不織布シートの繊維に引っ掛かり固定されることを特徴としている。これにより、自走式掃除機を清掃体の上に載せるだけで、本体底面のブラシ部材と清掃体とを簡単に装着させることができるため、自走式掃除機を裏返す手間など、清掃体の装着にかかる負担を軽減することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項2~4のいずれかの発明において、清掃ヘッドは、操作用ハンドルに回動可能に固定されているものであって、前記清掃ヘッドは、略平板状であると共に、該清掃ヘッドが回動することにより、使用時に被清掃面と対向可能な相対する2つの面にブラシ部材が形成されて不織布シートを備えた清掃体は前記相対する2つの面の各々に装着可能であることを特徴としている。これにより、相対する2つの面の両方に清掃体を装着させた場合は、一度に清掃できる面積が増加するため、清掃体の付け替え頻度(同じ不織布シート内で汚れていない部分に付け替えて使用すること)又は交換頻度を減らすことができ、清掃作業の負担を軽減することができる。また、清掃体の付け替え頻度又は交換頻度が減ることにより、清掃ヘッドに形成されているブラシ部材の消耗を遅らせることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、毛材の突起部は、毛材の線径方向の全周に亘り形成されていることを特徴としている。これにより、清掃体との固定を一層確実に行うことができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、毛材の突起部は、清掃ヘッドの使用時における可動方向に対して略直交する1方向に延出していることを特徴としている。これにより、清掃体との固定を確実に行うことができると共に、取り外し時には、毛材の突起部の延出方向とは逆側から清掃体の取り外しを容易に行うことができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、毛材の突起部における延出長さは、0.01mm以上0.1mm以下の範囲であって、清掃体として適用できる不織布の繊維の線径は、0.005mm以上0.05mm以下の範囲であることを特徴としている。これにより、市販されている一般的な不織布に対応させることができると共に、清掃体との固定を一層確実に行うことができる。尚、毛材の突起部における延出長さが0.01mmより小の場合は、不織布の繊維との引っ掛かりが弱く固定が不十分になると共に、毛材の突起部における延出長さが0.1mmより大の場合は、不織布の繊維間に潜り込みにくく固定が不十分となる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、ブラシ部材は、清掃ヘッドの他方の面における4つの角部の近傍に形成されていることを特徴としている。これにより、ブラシ部材に清掃体の四隅近傍を固定させることができ、清掃体の清掃ヘッドへの固定を効率的かつ確実に行うことができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、ブラシ部材は、清掃ヘッドの他方の面における2つの長辺の近傍且つ略平行に、直線状に形成されいていることを特徴としている。これにより、ブラシ部材を清掃体の2つの長辺の近傍且つ略平行に、直線状に固定させることができ、清掃体の清掃ヘッドへの固定を効率的かつ確実に行うことができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、清掃ヘッドの他方の面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記緩衝部と前記ブラシ部材との間には、空間が形成されていることを特徴としている。これにより、緩衝部によって清掃体を被清掃面にムラなく均一に押し付けることができ、清掃体を効率的に使用することができる。また、緩衝部とブラシ部材との間の空間でブラシ部材を構成する毛材を撓ませることができるので、清掃ヘッドの使用中に清掃体との固着を強くすることができると共に、取り外し時には、容易に取り外すことができる。
【0020】
請求項13の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、清掃ヘッドの他方の面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記毛材の先端は、前記緩衝部の先端と略同一、又は前記緩衝部の先端よりも突出していることを特徴としている。これにより、緩衝部によって清掃体を被清掃面に一層ムラなく押し付けることができ、清掃体を効率的に使用することができる。また、ブラシ部材を構成する毛材を、清掃体を構成する不織布の内部まで入り込ませることが容易であり、清掃ヘッドと清掃体との固着を強くすることができる。
【0021】
請求項14の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、清掃ヘッドの他方の面の一部は、ブラシ部材を構成する毛材の長手方向に突出する緩衝部を有しており、前記緩衝部は、弾性を有する材料で形成されており、前記緩衝部の先端は、前記毛材の先端と略同一、又は前記毛材の先端よりも突出していることを特徴としている。これにより、緩衝部によって清掃体を被清掃面にムラなく押し付けることができ、シートを効率的に使用することができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1~4の発明は、清掃体の無駄な部分を少なくし、コストを削減することができる。また、毛材同士は互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッドの使用時には、毛材の突起部が清掃体の繊維に引っ掛かりつつ、引っ掛かりが維持されるため強く固定できると共に、取り外し時には、毛材が線径方向に撓むことで、毛材の突起部から清掃体の繊維を容易に外せると共に、毛材に清掃体の繊維屑が付着しにくく、手入れを容易にできる。
【0023】
請求項5の発明は、自走式掃除機を清掃体の上に載せるだけで、本体底面のブラシ部材と清掃体とを簡単に装着させることができるため、自走式掃除機を裏返す手間など、清掃体の装着にかかる負担を軽減することができる。また、請求項6の発明は、清掃体の付け替え頻度又は交換頻度を減らすことができ、清掃作業の負担を軽減することができる。また、清掃ヘッドに形成されているブラシ部材の消耗を遅らせることができる。
【0024】
請求項7及び8の発明は、清掃体との固定を確実に行うことができると共に、清掃体の取り外しを容易に行うことができる。
【0025】
請求項9の発明は、清掃体との固定を一層確実に行うことができる。また、請求項10及び11の発明は、清掃体の清掃ヘッドへの固定を効率的かつ確実に行うことができる。
【0026】
請求項12~14の発明は、緩衝部によって清掃体を被清掃面にムラなく押し付けることができ、清掃体を効率的に使用することができる。また、請求項12の発明は、使用中に清掃体との固着を強くすることができると共に、取り外し時には、容易に取り外すことができる。また、請求項13の発明は、清掃ヘッドと清掃体との固着を強くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】(a)本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(b)本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの下面側から視た斜視図
図2】(a)清掃体を固定した状態の本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(b)清掃体を固定した状態の本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの下面側から視た斜視図
図3】(a)~(c)本発明に係る第1実施形態の清掃具に清掃体を固定する手順を示す側面図
図4】(a)ブラシ部材を構成する毛材の第1実施形態を示す斜視図(b)同第2実施形態を示す斜視図(c)同第3実施形態を示す斜視図(d)同第4実施形態を示す斜視図
図5】(a)毛材と不織布との固着状態の一例を示す斜視図(b)毛材と不織布との固着状態の他例を示す斜視図
図6】第2実施形態の清掃具を示す斜視図
図7】(a)及び(b)本発明に係る第3実施形態の清掃具に清掃体を固定する手順を示す側面図
図8】(a)第4実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(b)同第4実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図
図9】(a)清掃体の第1実施形態を示す斜視図(b)清掃体の第2実施形態を示す斜視図(c)清掃体の第3実施形態を示す斜視図(d)清掃体の第4実施形態を示す斜視図
図10】(a)第5実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(b)同第5実施形態の清掃具の側面図(c)第6実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(d)同第6実施形態の清掃具の側面図(e)第7実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(f)同第7実施形態の清掃具の側面図
図11】(a)~(c)第6実施形態の清掃具に清掃体を装着する手順を示す側面図
図12】(a)及び(b)第8実施形態の清掃具を示す斜視図(c)及び(d)第9実施形態の清掃具を示す斜視図
図13】(a)本発明に係る第1実施形態の自走式掃除機を底面側から視た斜視図(b)同第1実施形態の自走式掃除機を上面側から視た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1(a)は、本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図1(b)は、本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの下面側から視た斜視図である。また、図2(a)は、清掃体を固定した状態の本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図2(b)は、清掃体を固定した状態の本発明に係る第1実施形態の清掃具を清掃ヘッドの下面側から視た斜視図である。また、図3(a)~(c)は、本発明に係る第1実施形態の清掃具に清掃体を固定する手順を示す側面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の第1実施形態の概要について以下に説明する。
【0029】
第1実施形態の清掃具10は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド1と、清掃ヘッド1の一方の面1aに固定される操作用ハンドル2と、清掃ヘッド1と操作用ハンドル2とを連結するジョイント部材3とを有している。ジョイント部材3は、回動軸4を備えており、操作用ハンドル2は、回動軸4周りに回動可能な構成としている。
【0030】
そして、清掃ヘッド1は、他方の面1bに複数の毛材5、5・・からなるブラシ部材6が形成されていると共に、複数の毛材5、5・・の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布7により形成された清掃体8が、清掃ヘッド1の他方の面1bに装着される構成としている。
【0031】
また、後述するように、複数の毛材5、5・・の各々は、先端において線径方向に延出する突起部9を有すると共に、隣り合う前記毛材5、5同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド1の使用時に、毛材5と清掃体8とは、毛材5の突起部9が、清掃体8の繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0032】
第1実施形態の清掃具10は、不織布7により形成された清掃体8が、清掃ヘッド1の操作用ハンドル2が固定されている面1aとは反対側の面1bに形成されているブラシ部材6に固定されることにより着脱が行われる構成としたことによって、従来のように、清掃体8を操作用ハンドル側の面1aに巻き付ける必要が無くなり、清掃体8の無駄な部分を無くすと共に、清掃効果を維持しながら、製造コストを削減することができる。また、後述するように、毛材5、5同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド1の使用時に、毛材5と清掃体8とは、毛材5の突起部9が、清掃体8の繊維に引っ掛かり固定される構成としていることから、清掃ヘッド1と清掃体8の着脱作業を容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0033】
尚、第1実施形態の清掃具10は、ブラシ部材6、6が清掃ヘッド1の他方の面1bにおける2つの長辺の近傍に列状に形成される構成としている。これにより、ブラシ部材6、6を清掃体8の2つの長辺の近傍に列状に固定させることができるため、清掃ヘッド1の他方の面1bの全体を清掃体8で確実に覆うことができると共に、清掃体8の清掃ヘッド1への固定を確実に行うことができる。
【0034】
また、第1実施形態の清掃具10は、清掃ヘッド1の他方の面1bの一部は、ブラシ部材6を構成する毛材5の長手方向に突出する緩衝部材35aで形成された緩衝部35を有しており、緩衝部35とブラシ部材6との間には、空間36が形成されている。これにより、緩衝部35によって清掃体8を被清掃面Xにムラなく押し付けることができ、清掃体を効率的に使用することができる。また、緩衝部35とブラシ部材6との間の空間36でブラシ部材6を構成する毛材5を撓ませることができるので、使用中に清掃体との固着を強くすることができると共に、取り外し時には、容易に取り外すことができる。
【0035】
また、第1実施形態の清掃具10は、毛材5の先端が緩衝部35の先端と略同一か、又は緩衝部35の先端よりも突出するように形成されている。これにより、ブラシ部材6を構成する毛材5を、清掃体8を構成する不織布7の内部まで入り込ませることが容易であり、清掃ヘッド1と清掃体8との固着を強くすることができる。
【0036】
次に、図3(a)~(c)を用いて第1実施形態の清掃具10に清掃体8を固定する手順を説明する。先ず、図3(a)に示すように、被清掃面Xに載置されている清掃体8の上にブラシ部材6、6が均等に当接する位置となるようにして清掃具10を押し付ける。この際に、ブラシ部材6、6の複数の毛材5、5・・の先端は、清掃体8の不織布7を形成する絡み合う繊維間に侵入すると共に、毛材5の先端に形成された突起部9が不織布7の繊維に引っ掛かることで固定される。次に、図3(b)に示すように、例えば前進方向である操作用ハンドル2を斜め前下方向(矢印の方向)に押すことによって、ブラシ部材6の毛材5がより柔軟に不織布7の内部まで侵入することができるため、毛材5をより不織布7の内部の奥の繊維と固定させることができる。さらに、図3(c)に示すように、例えば後退方向である操作用ハンドル2を斜め後下方向(矢印の方向)に押した場合は、ブラシ部材6の毛材5がさらに柔軟に不織布7の内部のさらに奥まで侵入することができるため、毛材5をより不織布7の内部のさらに奥の繊維と固定させることができ、清掃体8を清掃ヘッド1の下面1bに確実に装着させることができる。
【0037】
尚、図3(b)、(c)は使用時に行われる動作の一部であるため、清掃体8を清掃ヘッド1に装着させるための特別な動作を必要とせず、利便性に優れている。また、使用時に図3(b)の状態と、図3(c)の状態とが繰り返されることにより、清掃体8と清掃ヘッド1との固定をより確実に行うことができる。さらに、隣り合う複数の毛材5、5・・同士は、干渉し合う間隔で植毛されているため、隣り合う複数の毛材5、5・・同士が互いに支え合い、不織布7の繊維との引っ掛かりが外れることを、抑制することができる。具体的には、毛材の材質としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどを採用することができる。また、毛材の線径としては、0.02mm以上0.2mm以下の範囲ものを採用することができ、好適には毛材の線径が0.06mm以上0.15mm以下の範囲であることが好ましい。かかる材質、線径とすることにより、毛材が撓みやすく、毛材の先端が不織布の絡み合う繊維の内部に侵入し易くなると共に、毛材の突起部を不織布の繊維に引っ掛けることができる。また、毛材の毛丈としては、1mm以上15mm以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材の毛丈が3mm以上8mm以下の範囲であることが好ましい。毛材の先端部間の距離としては、0mm以上2mm以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材先端部間の距離が、0mm以上0.3mm以下の範囲であることが好ましい。かかる毛材の毛丈、毛材間の距離とすることにより、隣り合う毛材同士が干渉し易く、支え合うことができるため、毛材の突起部と不織布の繊維との引っ掛かりを強固にすることができる。
【0038】
図4(a)は、ブラシ部材を構成する毛材の第1実施形態を示す斜視図である。第1実施形態の毛材5は、突起部9を毛材5の先端において線径方向に延出させているものであって、毛材5の長手方向に対して略90度となる方向に延出させている。また、毛材5は、突起部9の延出方向が清掃ヘッド1の使用時における可動方向(清掃ヘッド1の短手方向、又は長手方向)に対して略直交する方向(清掃ヘッド1の長手方向、又は短手方向)となるように清掃ヘッド1に固定される。これにより、清掃体8への固定を確実に行うことができる。また、清掃体8の取り外し時には、毛材の突起部9の延出方向とは逆側から清掃体8の取り外しを容易に行うことができる。
【0039】
図4(b)は、ブラシ部材を構成する毛材の第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態の毛材5aは、突起部9aを毛材5aの先端において線径方向に延出させているものであって、突起部9aを毛材5aの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体8への固定を一層確実に行うことができる。
【0040】
図4(c)は、ブラシ部材を構成する毛材の第3実施形態を示す斜視図である。第3実施形態の毛材5bは、突起部9bを毛材5bの先端において線径方向に延出させているものであって、略球状にすると共に、毛材5bの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体8への固定を一層確実に行うことができる。
【0041】
図4(d)は、ブラシ部材を構成する毛材の第4実施形態を示す斜視図である。第4実施形態の毛材5cは、突起部9cを毛材5cの先端において線径方向に延出させているものであって、毛材5cの長手方向に対して所定の角度となる方向に延出させている。これにより、毛材5cは、突起部9cの延出方向が清掃ヘッド1の使用時における可動方向(清掃ヘッド1の短手方向)に対して所定の角度を有する方向となるように清掃ヘッド1に固定される。これにより、清掃体8への固定具合を調整することができる。また、清掃体8の取り外し時には、毛材の突起部9cの延出方向とは逆側から清掃体8の取り外しを容易に行うことができる。
【0042】
尚、毛材5、5a、5b、5cの突起部9、9a、9b、9cにおける延出長さは、0.01mm以上0.1mm以下の範囲であって、清掃体8として適用できる不織布7の繊維の線径は、0.005mm以上0.05mm以下の範囲であることが好ましい。また、突起部9、9a、9b、9cにおける延出長さと、不織布7の繊維の線径との関係は、突起部の延出長さが繊維の線径の1/2以上あれば、突起部が繊維に引っ掛かることが期待できるものであり、好適には、突起部の延出長さが繊維の線径の2倍以上あれば、確実に突起部を繊維に引っ掛けることができる。
【0043】
図5(a)は、毛材と不織布との固着状態の一例を示す斜視図である。この図に示すように、毛材5の先端の突起部9に、清掃体8を構成する不織布7の繊維が引っ掛かって固定された状態となっている。
【0044】
図5(b)は、毛材と不織布との固着状態の他例を示す斜視図である。この図に示すように、隣り合う毛材5、5同士が互いに干渉し合う間隔で植毛されていることから、挟み込まれるように絡まることで毛材5の先端の突起部9に、清掃体8を構成する不織布7の繊維が引っ掛かった状態を維持することができる。尚、図3(a)~(c)に示す清掃具10に清掃体8を固定する手順を行うことにより、毛材は不織布内部により深く入り込み、 図5(b)に示す毛材同士が互いに干渉し合う強固に固定した状態を形成することができる。尚、図3(b)、(c)は清掃ヘッドの1の使用時に行われる動作の一部であるため、清掃体8を清掃ヘッド1に装着させるための特別な動作を必要とせず、利便性に優れている。
【0045】
図6は、第2実施形態の清掃具を示す斜視図である。第2実施形態の清掃具20は、ブラシ部材16、16、16、16が清掃ヘッド11の他方の面11bにおける4つの角部の近傍に形成されている。これにより、ブラシ部材16を清掃体8の四隅近傍に固定させることができ、清掃ヘッド11の清掃体8への固定を一層確実に行うことができる。また、清掃体8の剥がれを効率良く防止することができる。
【0046】
また、第2実施形態の清掃具20は、清掃ヘッド11の他方の面11bの一部は、ブラシ部材16を構成する毛材5dの長手方向に突出する緩衝部材31aで形成された緩衝部31を有しており、緩衝部31とブラシ部材16との間には、空間33が形成されている。これにより、緩衝部31によって清掃体8を被清掃面Xに強く押し付けることができる。また、緩衝部31とブラシ部材16との間の空間33でブラシ部材16を構成する毛材5dを撓ませることができるので、清掃体8への着脱を容易に行うことができる。
【0047】
また、第2実施形態の清掃具20は、毛材5dの先端が緩衝部31の先端と略同一か、又は緩衝部31の先端よりも突出するように形成されている。これにより、ブラシ部材16を構成する毛材5dを、清掃体8を構成する不織布7の内部まで入り込ませることができるので、清掃ヘッド11と清掃体8との固着を強くすることができる。
【0048】
図7(a)及び(b)本発明に係る第3実施形態の清掃具に清掃体を固定する手順を示す側面図である。第3実施形態の清掃具30は、清掃ヘッド21の他方の面21bの一部がブラシ部材26を構成する毛材5eの長手方向に突出する弾性を有する部材32aで形成された緩衝部32を有しており、緩衝部32の先端は、毛材5eの先端と略同一か、又は毛材5eの先端よりも突出するように形成されている。尚、緩衝部32とブラシ部材26との間には、空間34が形成されている。
【0049】
したがって、図7(a)に示すように、清掃体8に清掃ヘッド21を載置した状態では、緩衝部32が清掃体8に当接することとなり、この状態から図7(b)に示すように、操作用ハンドル2を被清掃面X側に強く押し付けることによって、ブラシ部材26を構成する毛材5eが清掃体8を構成する不織布7に固着された状態となる。これにより、緩衝部32によって清掃ヘッド21の使用時に清掃体8を被清掃面Xに強く押し付けることができる。
【0050】
図8(a)は、第4実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図8(b)は、同第4実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図である。図8(a)に示すように、清掃具40は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド41と、清掃ヘッド41の一方の面41aに固定させる操作用ハンドル42と、清掃ヘッド41と操作用ハンドル42とを連結するジョイント部材43とを有している。ジョイント部材43は、回動軸44を備えており、操作用ハンドル42は、回動軸44周りに回動可能な構成としている。清掃ヘッド41は、他方の面41bの前方側に開口45aを有する吸い込みノズル45と、後方側に複数の毛材5、5・・からなるブラシ部材46、46が、清掃ヘッド41の長辺の近傍且つ略平行に、直線状に形成されている。
【0051】
また、吸い込みノズル45は、操作用ハンドル42の内部に設けられた吸引通路42aを通じて、塵埃を溜めるダストボックス(図示せず)と、吸い込み駆動機構(図示せず)とを有する掃除機本体(図示せず)と連通しており、被清掃面Xの塵埃を吸引する機能を有している。また、ブラシ部材46、46は、複数の毛材5、5・・の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布7により形成された清掃体8が、清掃ヘッド41の他方の面41bに装着される構成としている。また、清掃ヘッド41の他方の面41bの一部は、ブラシ部材46を構成する毛材5の長手方向に突出する緩衝部材47aで形成された緩衝部47を有しており、緩衝部47とブラシ部材46との間、及び吸い込みノズル45とブラシ部材46との間には、空間48が形成されている。これにより、緩衝部47によって清掃体8を被清掃面Xにムラなく押し付けることができ、清掃体8を効率的に使用することができる。また、空間48でブラシ部材46を構成する毛材5を撓ませることができるので、清掃ヘッド41の使用中に清掃体との固着を強くすることができると共に、取り外し時には、容易に取り外すことができる。尚、清掃体8の清掃ヘッド41への取り付け方は、第1実施形態の清掃具の場合と同様のため説明を省略する。
【0052】
第4実施形態の清掃具40は、清掃ヘッド41の前方側に形成されている吸い込みノズル45の開口45aにより、被清掃面X上の大きな塵埃を吸引しつつ、細かな塵埃等は、清掃ヘッド41の後方側に形成されている清掃体8で捕捉することができるため、清掃効率を向上させることができる。また、清掃体8と清掃ヘッド41との固定が、清掃体8の上に清掃ヘッド41のブラシ部材46、46を載せつつ押し付けることで装着可能なため、複雑な取り付け構造が不要であると共に、複雑な取り付け構造に伴う吸い込みノズルの配置や構造に制限を受けないため、製造コストを削減できると共に、利便性を向上させることができる。
【0053】
図9(a)は、清掃体の第1実施形態を示す斜視図である。第1実施形態の清掃体8は、不織布シート7aのみによって形成されている。不織布シート7aは,「ドライ」と「ウエット」の2種類があり、「ウエット」には洗浄剤や抗菌成分を備えた部材が含有されている。不織布シート7aは、複数の繊維が絡み合って形成されており、これにブラシ部材の複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される。
【0054】
図9(b)は、清掃体の第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態の清掃体18は、不織布シート7aの一方の面に複数のひも状ブラシ18a、18a・・・が固定されることによって形成されている。第1実施形態の清掃体8と同様にブラシ部材との固定は不織布シート7aによってなされ、複数のひも状ブラシ18aによって被清掃面の清掃がなされる。また、不織布シート7aに洗浄液を含侵させることによって、複数のひも状ブラシ18aの洗浄効果を長く保たせることができる。
【0055】
図9(c)は、清掃体の第3実施形態を示す斜視図である。第3実施形態の清掃体28は、不織布シート7aの一方の面にスポンジブラシ28aが固定されることによって形成されている。第1実施形態の清掃体8と同様にブラシ部材との固定は不織布シート7aによってなされ、スポンジブラシ28aによって被清掃面の清掃がなされる。また、不織布シート7aに洗浄液を含侵させることによって、スポンジブラシ28aの洗浄効果を長く保たせることができる。
【0056】
図9(d)は、清掃体の第4実施形態を示す斜視図である。第4実施形態の清掃体38は、不織布シート7aの一方の面に複数の球状ブラシ38a、38a・・・が固定されることによって形成されている。第1実施形態の清掃体8と同様にブラシ部材との固定は不織布シート7aによってなされ、複数の球状ブラシ38aによって被清掃面の清掃がなされる。また、不織布シート7aに洗浄液を含侵させることによって、複数の球状ブラシ38aの洗浄効果を長く保たせることができる。また、球状ブラシ38aはクッション性が高いので被清掃面との衝撃を和らげることができ、被清掃面の損傷を防ぐことができる。また、球状ブラシ38aを構成する毛材は細く短いため、細かな塵埃を捕捉することができる。
【0057】
図10(a)は、第5実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図10(b)は、清掃体が固定された状態の第5実施形態の清掃具の側面図である。第5実施形態の清掃具50は、略平板状の清掃ヘッド51と、清掃ヘッド51から延出する操作用ハンドル52とを有する清掃具であって、清掃ヘッド51は、上面側の長辺端部近傍に複数の毛材からなるブラシ部材56、56を有していると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体8aが、清掃ヘッド51の下面を覆うように装着されるものである。複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド51の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0058】
図10(c)は、第6実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図10(d)は、清掃体が固定された状態の第6実施形態の清掃具の側面図である。第6実施形態の清掃具60は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド61と、清掃ヘッド61の長手方向の一端61a側から延出する操作用ハンドル62とを有する清掃具であって、清掃ヘッド61は、被清掃面と対向可能な面の2箇所に複数の毛材からなるブラシ部材66、66が形成されている。また、清掃ヘッド61の一方の側面にもブラシ部材66が形成されている。また、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体8bが、清掃ヘッド61の一方の側面を覆うように、被清掃面と対向可能な相対する2つの面に装着されるものである。複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド61の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0059】
尚、第6実施形態の清掃具60では、清掃ヘッド61の長手方向の一端61a側から操作用ハンドル62を延出させているが、清掃ヘッド61の長手方向の両端側から操作用ハンドル62を延出させてもよく、これも本発明に含まれる。
【0060】
また、第6実施形態の清掃具60は、清掃ヘッド61は、操作用ハンドル62に回動可能に固定されているものであって、清掃ヘッド61は、略平板状であると共に、清掃ヘッド61が回動することにより、使用時は被清掃面と対向可能な相対する2つの面の一方の面の清掃体8bを被清掃面に当接させて清掃し、清掃体8bが汚れた場合は、他方の面の清掃体8bを被清掃面に当接させて清掃することができるため、一度に清掃可能な面積が増加し、清掃効率を向上させることができる。
【0061】
図10(e)は、第7実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図10(f)は、同第7実施形態の清掃具の側面図である。第7実施形態の清掃具70は、略平板状の清掃ヘッド71と、清掃ヘッド71から延出する操作用ハンドル72とを有する清掃具であって、清掃ヘッド71は、複数の毛材からなるブラシ部材76、76を有していると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体8cが、清掃ヘッド71の下面側に装着されるものである。複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド71の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0062】
また、第7実施形態の清掃具70は、清掃ヘッド71は、操作用ハンドル72に回動可能に固定されているものであって、清掃ヘッド71は、略平板状であると共に、清掃ヘッド71が切欠き71aを利用して回動することにより、使用時は被清掃面と対向可能な相対する2つの面のどちらか一方の面に清掃体8cを装着させて清掃することができる。繰り返し清掃体8cを交換することによる、ブラシ部材76、76の毛材の屈曲や、ブラシ部材76、76の内部への繊維屑の残留などにより、清掃体8cとの固定力が弱まった場合であっても、被清掃面と対向可能な他方の面に清掃体8cを装着させることで使用を継続することができる。尚、ブラシ部材76、76と清掃体8cとの固定力は、専用櫛によるブラッシングによりリカバリーすることができる。
【0063】
図11(a)~(c)第6実施形態の清掃具に清掃体を装着する手順を示す側面図である。先ず、図11(a)に示すように、使用者が操作用ハンドル62を操作して、清掃ヘッド61の前方側の側面に形成されているブラシ部材66を不織布シートを備えた清掃体8bの中間位置に押し付けることによって固定すると共に、清掃ヘッド61を矢印方向に倒して図11(b)に示す状態となる。
【0064】
次に、図11(b)に示すように、使用者が操作用ハンドル62を操作して、清掃ヘッド61の被清掃面と対向する面の一方の端部近傍に形成されているブラシ部材66を不織布シートを備えた清掃体8bの一方の端部近傍に押し付けることによって固定すると共に、清掃ヘッド61を矢印方向に回転させて図11(c)に示す状態となる。
【0065】
次に、図11(c)に示すように、使用者が操作用ハンドル62を操作して、清掃ヘッド61の被清掃面と対向する面の一方の端部近傍に形成されているブラシ部材66を不織布シートを備えた清掃体8bの他方の端部近傍に押し付けることによって清掃ヘッド61への清掃体8bの固定が完了する。これにより、使用者は清掃体8bに触れることなく清掃ヘッド61の両面への固定作業を行うことができる。次に、使用者は操作用ハンドル62を操作して矢印方向に清掃具60を押すことによって清掃作業を開始することができる。
【0066】
図12(a)及び(b)第8実施形態の清掃具を示す斜視図であり、図12(b)は、清掃体が固定された状態の第8実施形態の清掃具を示している。第8実施形態の清掃具80は、略平板状の清掃ヘッド81と、清掃ヘッド81の長手方向の一端側から延出する操作用ハンドル82とを有する清掃具であって、清掃ヘッド81は、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材86、86が形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シート(図9(b)参照)を備えた清掃体18が、清掃ヘッド81の被清掃面と対向する面に装着されるものであって、複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド81の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。この構成により、清掃ヘッド81と清掃体18とを強固に固定できるため、持ち運ぶ機会の多いハンディタイプの清掃具の清掃体の落下を抑制することができる。
【0067】
図12(c)及び(d)第9実施形態の清掃具を示す斜視図であり、図12(d)は、清掃体が固定された状態の第9実施形態の清掃具を示している。第9実施形態の清掃具90は、略棒状の清掃ヘッド91と、清掃ヘッド91の長手方向の一端側から延出する操作用ハンドル92とを有する清掃具であって、清掃ヘッド91は、複数の毛材からなるブラシ部材96、96、96、96が形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体8dが、清掃ヘッド91に装着されるものであって、複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド91の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。この構成により、清掃ヘッド91と清掃体8dとを強固に固定できるため、持ち運ぶ機会の多いハンディタイプの清掃具の清掃体の落下を抑制することができる。
【0068】
図13(a)は、本発明に係る第1実施形態の自走式掃除機を底面側から視た斜視図であり、図13(b)は、同第1実施形態の自走式掃除機を上面側から視た斜視図である。第1実施形態の自走式掃除機100は、本体110と、本体の底面110aに配置された一対の走行用ローラー101、101と、走行用ローラー101を回転させるためのモータ(図示せず)と、モータを制御する制御部102とを有しており、本体110は、底面110aに複数の毛材からなるブラシ部材106、106が形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートを備えた清掃体8eが、本体の底面110aに装着されるものであって、複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、自走式掃除機100の使用時に、毛材と不織布シートとは、毛材の突起部が、不織布シートの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0069】
第1実施形態の自走式掃除機100は、吸込み口103に回転清掃体104を備えており、走行用ローラー101及び回転清掃体104の起動は操作パネル105を操作することによって行われる構成としている。これにより、本体110に内蔵されている図示しない吸引装置によって、比較的大きな塵埃を吸込み口103から吸引して取り除くと共に、被清掃面に付着している細かな塵埃は不織布シートを備えた清掃体8eで取り除くことができる。また、自走式掃除機100を清掃体8eの上に載せるだけで、本体底面110aのブラシ部材106、106と清掃体8eとを簡単に装着させることができるため、自走式掃除機100を裏返す手間など、清掃体8eの装着にかかる負担を軽減することができる。尚、第1実施形態の自走式掃除機100は吸引装置による吸込み口103を備えているが、吸引装置を備えていない場合は清掃体8eのサイズを大きくすることで、被清掃面に対する拭き取り効果を向上させることができるものであり、これも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る清掃具及び自走式掃除機は、室内における床や壁、窓等の汚れや塵埃等を除去する掃除道具として利用される。
【符号の説明】
【0071】
1、11、21、41、51、61、71、81、91 清掃ヘッド
1a、41a 清掃ヘッドの一方の面
1b、11b、21b、41b 清掃ヘッドの他方の面
2、42、52、62、72、82、92 操作用ハンドル
3、43 ジョイント部材
4、44 回動軸
5、5a、5b、5c、5d、5e 毛材
6、16、26、46,56、66、76、86、96、106 ブラシ部材
7 不織布
7a 不織布シート
8、8a、8b、8c、8d、8e、18、28、38 清掃体
9、9a、9b、9c 突起部
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 清掃具
31、32、35、47 緩衝部
31a、35a、47a 緩衝部材
32a 弾性を有する部材
33、34、36、48 空間
45 吸い込みノズル
45a 開口
101 走行用ローラー
102 制御部
103 吸込み口
104 回転清掃体
105 操作パネル
110 本体
110a 本体の底面
X 被清掃面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13