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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117696
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/256 20060101AFI20240822BHJP
   A47L 13/24 20060101ALI20240822BHJP
   A47L 13/20 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47L13/256
A47L13/24 A
A47L13/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174150
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2023023462
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023082071
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】 清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして有効活用することができる清掃具を提供する。
【解決手段】 清掃具10の清掃ヘッド1は、被清掃面と対向する面の端部、または、被清掃面と対向する面から連続する側面に、複数の毛材からなるブラシ部材6a、6bが形成されていると共に、不織布シート7からなる清掃体8が、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面を覆うように装着されており、清掃体8を被清掃面に当接させて使用するものであって、ブラシ部材6a、6bは、複数の毛材5の長手方向が被清掃面側に向かい傾斜して形成されていると共に、複数の毛材の先端51は、平面視において、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面の外縁と略同一又は越える位置まで延出させている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面の端部、または、前記被清掃面と対向する面から連続する側面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面を覆うように装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記複数の毛材の長手方向が前記被清掃面側に向かい傾斜して形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端は、平面視において、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面の外縁と略同一又は越える位置まで延出していることを特徴とする清掃具
【請求項2】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の略全面に一体的に形成されていると共に、連続する前記複数の毛材の先端により形成される先端表面が略同一平面状に形成されていると共に、前記複数の毛材の先端部における単位体積あたりの密度が略一定であることを特徴とする清掃具。
【請求項3】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されており、
隣り合う前記ブラシ列は、前記複数の毛材が傾倒した場合に、互いに支持する間隔で形成されていると共に、連続するブラシ列の前記複数の毛材の先端により形成される先端表面は、隣り合うブラシ列の間に凹部が形成されていることを特徴とする清掃具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドと操作用ハンドルとを備えた清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から柄棒の先端に連結された拭布取付部材に、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付けたモップの発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のモップは、払掃用の拭布と、該拭布を交換可能に装着するための扁平で細長い拭布取付部材と、該拭布取付部材に連結された操作用の柄棒とからなっていて、 上記拭布取付部材は、合成ゴムや合成樹脂のような柔軟性を持った弾性部材によって長方形をなす薄肉の平板状に形成され、四隅に近い位置に、巻き付けた拭布の端部を係止させるための係止手段が係止され、上面の中央部に、連結手段を介して上記柄棒が連結される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3457402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載のモップの拭布は、四隅に近い位置に形成された係止手段に係止させる手間を必要とするものであると共に、係止手段が切り込み孔で形成されている場合には、拭布がちぎれて係止手段に残存する場合があるため、取り除く作業を必要としていた。また、拭布を拭布取付部材の下面から上面に形成されている係止手段まで巻き付ける構成としていることから、上面部分の拭布は、床面の清掃に寄与することが無く無駄になるという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面の端部、または、前記被清掃面と対向する面から連続する側面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面を覆うように装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記複数の毛材の長手方向が前記被清掃面側に向かい傾斜して形成されていると共に、前記複数の毛材の先端は、平面視において、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面の外縁と略同一又は越える位置まで延出していることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面の端部、または、被清掃面と対向する面から連続する側面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていることから、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。また、ブラシ部材は、複数の毛材の長手方向が被清掃面側に向かい傾斜して形成されているので、毛材の先端が不織布シートの内部に入り込み易く、不織布シートの固定を容易に行うことができる。また、ブラシ部材を構成する複数の毛材の先端を、平面視において、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の外縁と略同一又は越える位置まで延出させているので、清掃時に壁や障害物との緩衝材の機能を持たせることができると共に、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面よりも広い面積の清掃体を装着することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【0009】
請求項2の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の略全面に一体的に形成されていると共に、連続する前記複数の毛材の先端により形成される先端表面が略同一平面状に形成されていると共に、前記複数の毛材の先端部における単位体積あたりの密度が略一定であることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明では、清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていることから、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。また、ブラシ部材は、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の略全面に一体的に形成されているので、不織布シートとの接触面積が増加し、強固に固定することができると共に、被清掃面の形状への追従性が高く、段差に対して効率的に清掃することができ、清掃ヘッドを被清掃面に押し付けた際のクッション性も向上させることができる。また、連続する複数の毛材の先端により形成される先端表面が略同一平面状に形成されているので、不織布シートとの間に隙間が生じ難く、剥がれを防止することができる。また、複数の毛材の先端部における単位体積あたりの密度が略一定であるので、不織布シートを介して被清掃面を均等に押圧することができ、不織布シート全体に均一に汚れを付着させることができるため、シートの使用効率を高めることができる。
【0011】
請求項3の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されており、隣り合う前記ブラシ列は、前記複数の毛材が傾倒した場合に、互いに支持する間隔で形成されていると共に、連続するブラシ列の前記複数の毛材の先端により形成される先端表面は、隣り合うブラシ列の間に凹部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明では、清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていることから、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。また、複数のブラシ列が略平行に配置されていることから、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の全体に不織布シートを固定することができ、不織布シートが部分的に剥がれるのを防止することができる。また、複数のブラシ列を略平行に配置することによって、ブラシ列毎に不織布シートとの固定強度を調整することができる。また、隣り合うブラシ列は、複数の毛材が傾倒した場合に、互いに支持する間隔で形成されているので、ブラシ列と不織布シートとの固定を補助することができる。また、連続するブラシ列の複数の毛材の先端により形成される先端表面は、隣り合うブラシ列の間に凹部が形成されているので、毛材の先端が柔軟に曲がって不織布シートの奥まで入り込ませることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1~3の発明は、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。また、請求項1の発明は、ブラシ部材の複数の毛材の長手方向が、被清掃面側に向かい傾斜して形成されているので、毛材の先端が不織布シート内部に入り込み易く、不織布シートの固定を容易に行うことができると共に、清掃時に壁や障害物との緩衝材の機能を持たせることができる。更に清掃ヘッドの被清掃面と対向する面よりも広い面積の清掃体を装着することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明は、清掃ヘッドの不織布シートとの接触面積が増加し、強固に固定することができると共に、被清掃面の形状への追従性が高く、段差部も効率的に清掃することができ、清掃ヘッドを被清掃面に押し付けた際のクッション性を向上させることができる。また、不織布シートとの間に隙間が生じ難く、剥がれを防止することができると共に、不織布シートを介して被清掃面を均等に押圧することができるため、不織布シート全体に均一に汚れを付着させることができ、不織布シートの使用効率を高めることができる。また、請求項3の発明は、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面の全体に不織布シートを固定することができ、不織布シートが部分的に剥がれるのを防止することができる。また、ブラシ列毎に不織布シートとの固定強度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)本発明に係る清掃具の第1実施形態を示す斜視図(b)第1実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図
図2】(a)第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す斜視図(b)第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を下方側から視た斜視図
図3】(a)及び(b)第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図(c)第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す平面図
図4】(a)ブラシ部材を構成する毛材の第1実施形態を示す斜視図(b)同第2実施形態を示す斜視図(c)同第3実施形態を示す斜視図(d)同第4実施形態を示す斜視図
図5】(a)毛材と不織布との固着状態の一例を示す斜視図(b)毛材と不織布との固着状態の他例を示す斜視図
図6】(a)第2実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図(b)第2実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図
図7】(a)第3実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図(b)第3実施形態の清掃具の一部拡大側面図
図8】(a)4実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図(b)第4実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1(a)は、本発明に係る清掃具の第1実施形態を示す斜視図であり、図1(b)は、第1実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図である。図2(a)は、第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す斜視図あり、図2(b)は、第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を下方側から視た斜視図である。また、図3(a)及び(b)は、第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図であり、図3(c)は、第1実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す平面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の第1実施形態の詳細について以下に説明する。
【0017】
第1実施形態の清掃具10は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド1と、清掃ヘッド1の一方の面1aに固定される操作用ハンドル2と、清掃ヘッド1と操作用ハンドル2とを連結するジョイント部材3とを有している。ジョイント部材3は、回動軸4を備えており、操作用ハンドル2は、回動軸4周りに回動可能な構成としている。
【0018】
そして、清掃ヘッド1は、他方の面(被清掃面と対向する面)1bの端部に複数の毛材5、5・・からなるブラシ部材6a、6bが形成されていると共に、複数の毛材5、5・・の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シート7からなる清掃体8が、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面1bを覆うように装着されると共に、清掃体8を被清掃面に当接させて使用する構成としている。尚、符号11は、ブラシ部材6a、6b間の隙間を埋める緩衝部材である。尚、ブラシ部材6a、6bを形成する位置は、被清掃面と対向する面1bの端部に変えて、被清掃面と対向する面から連続する側面1cに形成してもよく、これも本発明に含まれる。
【0019】
また、後述するように、複数の毛材5、5・・の各々は、先端において線径方向に延出する突起部9を有すると共に、隣り合う前記毛材5、5同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド1の使用時に、毛材5と清掃体8とは、毛材5の突起部9が、清掃体8の繊維に引っ掛かり固定される構成としている。
【0020】
そして、ブラシ部材6a、6bは、清掃ヘッド1の一端側の端部及び他端側の端部にそれぞれ配置されていると共に、各々のブラシ部材6a、6bの複数の毛材5の長手方向が被清掃面側に向かい傾斜して形成されている。これにより、毛材の先端が不織布シート7の内部に入り込み易く、不織布シート7との固定を容易に行うことができる。また、複数の毛材5の先端51は、平面視において、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面1bの外縁1dを越える位置まで延出させている。尚、複数の毛材5の先端51は、平面視において、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面1bの外縁1dと略同一であってもよく、これも本発明に含まれる。第1実施形態の清掃具10は、清掃ヘッド1が被清掃面と対向する面の端部、または、被清掃面と対向する面から連続する側面に、複数の毛材からなるブラシ部材6a、6bが形成されていることから、清掃体8への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体8の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。
【0021】
また、清掃ヘッド1の被清掃面Xに当接する面の大部分にブラシ部材6a、6bが無いことから、不織布シート7を被清掃面Xに強く押し当てることができ、清掃効果を向上させることができる。
【0022】
また、また、ブラシ部材6a、6bを構成する複数の毛材5の先端51を、平面視において、清掃ヘッド1の被清掃面と対向する面1bの外縁1dと略同一又は越える位置まで延出させているので、清掃時に壁や障害物との緩衝材の機能を持たせることができると共に、清掃ヘッド1の被清掃面Xと対向する面よりも広い面積の清掃体8を装着することができるため、清掃効率を向上させることができる。
【0023】
ここで、隣り合う複数の毛材5、5・・同士は、干渉し合う間隔で植毛されているため、隣り合う複数の毛材5、5・・同士が互いに支え合い、不織布シート7の繊維との引っ掛かりが外れることを、抑制することができる。具体的には、毛材5の材質としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどを採用することができる。また、毛材5の線径としては、0.02mm以上0.2mm以下の範囲ものを採用することができ、好適には毛材5の線径が0.06mm以上0.15mm以下の範囲であることが好ましい。かかる材質、線径とすることにより、毛材5が撓みやすく、毛材の先端が不織布の絡み合う繊維の内部に侵入し易くなると共に、毛材5の突起部を不織布の繊維に引っ掛けることができる。また、毛材5の毛丈としては、1mm以上15mm以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材5の毛丈が3mm以上8mm以下の範囲であることが好ましい。毛材5の先端部間の距離としては、0mm以上2mm以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材5、5先端部間の距離が、0mm以上0.3mm以下の範囲であることが好ましい。かかる毛材5の毛丈、毛材間の距離とすることにより、隣り合う毛材同士が干渉し易く、支え合うことができるため、毛材5の突起部9と不織布シート7の繊維との引っ掛かりを強固にすることができる。
【0024】
図4(a)は、ブラシ部材を構成する毛材の第1実施形態を示す斜視図である。第1実施形態の毛材5は、突起部9を毛材5の先端において線径方向に延出させているものであって、毛材5の長手方向に対して略90度となる方向に延出させている。また、毛材5は、突起部9の延出方向が清掃ヘッド1の使用時における可動方向(清掃ヘッド1の短手方向、又は長手方向)に対して略直交する方向(清掃ヘッド1の長手方向、又は短手方向)となるように清掃ヘッド1に固定される。これにより、清掃体8への固定を確実に行うことができる。また、清掃体8の取り外し時には、毛材の突起部9の延出方向とは逆側から清掃体8の取り外しを容易に行うことができる。
【0025】
図4(b)は、ブラシ部材を構成する毛材の第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態の毛材5aは、突起部9aを毛材5aの先端において線径方向に延出させているものであって、突起部9aを毛材5aの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体8への固定を一層確実に行うことができる。
【0026】
図4(c)は、ブラシ部材を構成する毛材の第3実施形態を示す斜視図である。第3実施形態の毛材5bは、突起部9bを毛材5bの先端において線径方向に延出させているものであって、略球状にすると共に、毛材5bの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体8への固定を一層確実に行うことができる。
【0027】
図4(d)は、ブラシ部材を構成する毛材の第4実施形態を示す斜視図である。第4実施形態の毛材5cは、突起部9cを毛材5cの先端において線径方向に延出させているものであって、毛材5cの長手方向に対して所定の角度となる方向に延出させている。これにより、毛材5cは、突起部9cの延出方向が清掃ヘッド1の使用時における可動方向(清掃ヘッド1の短手方向)に対して所定の角度を有する方向となるように清掃ヘッド1に固定される。これにより、清掃体8への固定具合を調整することができる。また、清掃体8の取り外し時には、毛材の突起部9cの延出方向とは逆側から清掃体8の取り外しを容易に行うことができる。
【0028】
尚、毛材5、5a、5b、5cの突起部9、9a、9b、9cにおける延出長さは、0.01mm以上0.1mm以下の範囲であって、清掃体8として適用できる不織布シート7の繊維の線径は、0.005mm以上0.05mm以下の範囲であることが好ましい。また、突起部9、9a、9b、9cにおける延出長さと、不織布シート7の繊維の線径との関係は、突起部の延出長さが繊維の線径の1/2以上あれば、突起部が繊維に引っ掛かることが期待できるものであり、好適には、突起部の延出長さが繊維の線径の2倍以上あれば、確実に突起部を繊維に引っ掛けることができる。
【0029】
図5(a)は、毛材と不織布シートとの固着状態の一例を示す斜視図である。この図に示すように、毛材5の先端の突起部9に、清掃体8を構成する不織布シート7の繊維が引っ掛かって固定された状態となっている。
【0030】
図5(b)は、毛材と不織布シートとの固着状態の他例を示す斜視図である。この図に示すように、隣り合う毛材5、5同士が互いに干渉し合う間隔で植毛されていることから、挟み込まれるように絡まることで毛材5の先端の突起部9に、清掃体8を構成する不織布シート7の繊維が引っ掛かった状態を維持することができる。
【0031】
図6(a)は、第2実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図であり、図6(b)は、第2実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の第2実施形態の詳細について以下に説明する。
【0032】
第2実施形態の清掃具20は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド21と、清掃ヘッド21の一方の面21aに固定される操作用ハンドル2とを有しており、清掃ヘッド21は、被清掃面Xと対向する面21bに複数の毛材26aからなるブラシ部材26が形成されている。
【0033】
また、複数の毛材26aの先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シート7からなる清掃体8が、清掃ヘッド21の被清掃面Xと対向する面21bに装着されており、清掃体8を被清掃面Xに当接させて使用するものであって、ブラシ部材26は、清掃ヘッド21の被清掃面Xと対向する面21bの略全面に一体的に形成されている。
【0034】
また、連続する複数の毛材26aの先端により形成される先端表面が略同一平面状に形成されていると共に、複数の毛材26aの先端部における単位体積あたりの密度が略一定となるようにしている。
【0035】
前述のように構成された第2実施形態の清掃具20は、清掃ヘッド21が被清掃面Xと対向する面21bに複数の毛材26aからなるブラシ部材26が形成されていることから、清掃体8への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体8の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。
【0036】
また、ブラシ部材26は、清掃ヘッド21の被清掃面Xと対向する面21bの略全面に一体的に形成されているので、不織布シート7との接触面積が増加し、強固に固定することができると共に、被清掃面Xの形状への追従性が高く、段差に対して効率的に清掃することができ、清掃ヘッド21を被清掃面Xに押し付けた際のクッション性を向上させることができる。また、連続する複数の毛材26aの先端により形成される先端表面が略同一平面状に形成されているので、不織布シート7との間に隙間が生じ難く、剥がれを防止することができる。また、複数の毛材26aの先端部における単位体積あたりの密度が略一定であるので、不織布シート7を介して被清掃面Xを均等に押圧することができ、不織布シート7の全体に均一に汚れを付着させることができるため、不織布シート7の使用効率を高めることができる。また、清掃体8の着脱時に、ブラシ部材26の一部に過剰な負荷がかかるのを防ぐことができる。
【0037】
図7(a)は、第3実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図であり、図7(b)は、第3実施形態の清掃具の一部拡大側面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の第3実施形態の詳細について以下に説明する。
【0038】
第3実施形態の清掃具30は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド31と、清掃ヘッド31の一方の面31aに固定される操作用ハンドル2とを有しており、清掃ヘッド31は、被清掃面と対向する面31bに複数の毛材からなるブラシ部材36a、36b、36c、36dが形成されている。尚、符号11aは、ブラシ部材36bと36cの間の隙間を埋める緩衝部材である。
【0039】
また、複数の毛材5の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、清掃ヘッド31の被清掃面と対向する面31bに装着されており(図示せず)、清掃体を被清掃面に当接させて使用するものであって、ブラシ部材36a、36b、36c、36dは、清掃ヘッド31の被清掃面と対向する面31bに複数のブラシ列36a、36b、36c、36dが略平行に配置されている。
【0040】
また、隣り合うブラシ列36a、36bは、複数の毛材が傾倒した場合に、互いに支持する間隔(A≧C:図7(b)参照)で形成されていると共に、連続するブラシ列36a、36bの複数の毛材5の先端により形成される先端表面は、隣り合うブラシ列36a、36bの間に凹部37が形成されている。尚、図7(b)におけるBはブラシ列の幅方向の長さである。また、符号35aと35bは、ブラシ部材36aと36bの基台34a、34bが固定される清掃ヘッド31の一部であり、ブラシ列36a、36bを構成する毛材の長さAを、清掃ヘッドから突出している部分の長さとしている。
【0041】
前述のように構成された第3実施形態の清掃具30は、清掃ヘッド31が被清掃面と対向する面31bに複数の毛材5からなるブラシ部材36a、36b、36c、36dが形成されていることから、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる。
【0042】
また、複数のブラシ列36a、36b、36c、36dが略平行に配置されていることから、清掃ヘッド31の被清掃面と対向する面31bの全体に不織布シートを固定することができ、不織布シートが部分的に剥がれるのを防止することができる。
【0043】
また、複数のブラシ列36a、36b、36c、36dを略平行に配置することによって、ブラシ列毎に不織布シートとの固定強度を調整することができる。また、隣り合うブラシ列36a、36bは、複数の毛材が傾倒した場合に、互いに支持する間隔で形成されているので、ブラシ列36a、36b、36c、36dと不織布シートとの固定を補助することができる。
【0044】
また、連続するブラシ列36a、36b、36c、36dの複数の毛材5の先端により形成される先端表面は、隣り合うブラシ列36a、36bの間に凹部37が形成されているので、毛材の先端が柔軟に曲がって不織布シートの奥まで入り込ませることができる。
【0045】
図8(a)は、第4実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図8(b)は、同第4実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図である。図8(a)に示すように、第4実施形態の清掃具40は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド41と、清掃ヘッド41の一方の面41aに固定させる操作用ハンドル42と、清掃ヘッド41と操作用ハンドル42とを連結するジョイント部材43とを有している。ジョイント部材43は、回動軸44を備えており、操作用ハンドル42は、回動軸44周りに回動可能な構成としている。清掃ヘッド41は、他方の面41bの前方側に開口45aを有する吸い込みノズル45と、後方側に複数の毛材55a、55bからなるブラシ部材46a、46bが、清掃ヘッド41の長辺の端部且つ略平行に、直線状に形成されている。また、ブラシ部材46bの複数の毛材55bの長手方向は、被清掃面側に向かい傾斜して形成されている。
【0046】
また、吸い込みノズル45は、操作用ハンドル42の内部に設けられた吸引通路42aを通じて、塵埃を溜めるダストボックス(図示せず)と、吸い込み駆動機構(図示せず)とを有する掃除機本体(図示せず)と連通しており、被清掃面の塵埃を吸引する機能を有している。また、ブラシ部材46a、46bは、複数の毛材55a、55bの先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートにより形成された清掃体が、清掃ヘッド41の被清掃面と対向する面41bを覆うように装着される構成としている。また、清掃ヘッド41の他方の面41bの一部は、ブラシ部材46a、46bを構成する毛材55a、55bの長手方向に突出する緩衝部材が形成されている。そして、ブラシ部材46bを構成する毛材55bの先端は、平面視において、清掃ヘッド41の被清掃面と対向する面41bの外縁と略同一又は越える位置まで延出するように形成されている。
【0047】
第4実施形態の清掃具40は、清掃ヘッド41の前方側に形成されている吸い込みノズル45の開口45aにより、被清掃面上の大きな塵埃を吸引しつつ、細かな塵埃等は、清掃ヘッド41の後方側に形成されている清掃体で捕捉することができるため、清掃効率を向上させることができる。また、清掃体と清掃ヘッド41との固定が、清掃体の上に清掃ヘッド41のブラシ部材46a、46bを載せつつ押し付けることで装着可能なため、複雑な取り付け構造が不要であると共に、複雑な取り付け構造に伴う吸い込みノズルの配置や構造に制限を受けないため、製造コストを削減できると共に、利便性を向上させることができる。また、ブラシ部材46bの複数の毛材55bの先端は、平面視において、清掃ヘッド41の被清掃面と対向する面41bの外縁と略同一又は越える位置まで延出するように形成されているので、清掃時に壁や障害物との緩衝材の機能を持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る清掃具は、室内における床や壁、窓等の汚れや塵埃等を除去する掃除道具として利用される。
【符号の説明】
【0049】
1、21、31、41 清掃ヘッド
1a、21a、31a、41a 清掃ヘッドの一方の面
1b、21b、31b、41b 清掃ヘッドの他方の面(被清掃面と対向する面)
2 操作用ハンドル
3、43 ジョイント部材
4、44 回動軸
5、5a、5b、5c、26a、55a、55b 毛材
6a、6b、26a、26b、46a、46bブラシ部材
7 不織布シート
8 清掃体
9、9a、9b、9c 突起部
10、20、30、40 清掃具
11、11a、47 緩衝部材
36a、36b、36c、36d ブラシ列(ブラシ部材)
45 吸い込みノズル
45a 開口
51 毛材の先端
X 被清掃面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8