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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117697
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023175002
(22)【出願日】2023-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 拓時
(72)【発明者】
【氏名】漣 竜也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC45
2C088BC47
2C088CA27
2C088DA07
2C333AA11
2C333CA83
(57)【要約】
【課題】遊技機に対する不正や不適切な遊技を防止するための二次元コードを適切に配置した遊技機を提供する。
【解決手段】
遊技機は、主制御基板と、前記主制御基板が内部に収納される主基板ケースと、を備え、遊技者が視認可能な領域上において第1の二次元コードが配置され、前記主基板ケース上において第2の二次元コードが配置され、前記第2の二次元コードはアライメントパターンを有さず、前記第1の二次元コードは、誤り訂正コードを除いて格納可能な情報量が前記第2の二次元コードよりも多く、誤り訂正レベルが前記第2の二次元コードよりも低くされたことを特徴としている。
【選択図】図47
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制御基板と、
前記主制御基板が内部に収納される主基板ケースと、を備え、
遊技者が視認可能な領域上において第1の二次元コードが配置され、
前記主基板ケース上において第2の二次元コードが配置され、
前記第2の二次元コードはアライメントパターンを有さず、
前記第1の二次元コードは、誤り訂正コードを除いて格納可能な情報量が前記第2の二次元コードよりも多く、誤り訂正レベルが前記第2の二次元コードよりも低くされたことを特徴とする
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機、回胴遊技機などの遊技機に係る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ遊技機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴式遊技機等においては、不正をし難くすることが重要である。
例えば、下記特許文献1においては、遊技機において実行される処理に工夫を施すことにより不正を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-092865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機において不正を防止するためには、制御基板等の各部品を正しく遊技機に取り付けることや、正しい遊技方法をユーザに周知することが重要である。
遊技機においては、管理目的や遊技者への情報提供の目的に応じて二次元コードを利用することが可能である。
本発明は、このような状況を鑑みて成されてものであり、遊技機に対する不正や不適切な遊技を防止するための二次元コードを適切に配置した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
遊技機は、主制御基板と、前記主制御基板が内部に収納される主基板ケースと、を備え、遊技者が視認可能な領域上において第1の二次元コードが配置され、前記主基板ケース上において第2の二次元コードが配置され、前記第2の二次元コードはアライメントパターンを有さず、前記第1の二次元コードは、誤り訂正コードを除いて格納可能な情報量が前記第2の二次元コードよりも多く、誤り訂正レベルが前記第2の二次元コードよりも低くされたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機に対する不正や不適切な遊技を防止するための二次元コードを適切に配置した遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】QRコードの概略図である。
図2】QRコードを構成するセルごとの機能についての説明図である。
図3】QRコードにおける位置検出パターンについての説明図である。
図4】QRコードにおけるアライメントパターンについての説明図である。
図5】QRコードにおけるフォーマット領域についての説明図である。
図6】誤り訂正レベルごとの訂正レベル領域の違いを説明するための図である。
図7】QRコードにおける符号化領域についての説明図である。
図8】QRコードのバージョンごとのデータ量を説明するための図である。
図9】QRコードにおけるクワイエットゾーンについての説明図である。
図10】バージョン7以上のQRコードにおける訂正符号領域についての説明図である。
図11】マイクロQRについての概略図である。
図12】マイクロQRを構成するセルごとの機能についての説明図である。
図13図12と同様にマイクロQRを構成するセルごとの機能についての説明図である。
図14】マイクロQRにおける誤り訂正レベルについての説明図である。
図15】マイクロQRのバージョンごとのデータ量を説明するための図である。
図16】遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
図17】遊技機において前枠を開放したときの斜視図である。
図18】遊技機の遊技盤の正面図である。
図19】メイン表示器及び第4図柄表示器を説明する図である。
図20】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図21図20と同様に遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図22】遊技盤の背面図である。
図23】遊技機の背面図である。
図24】遊技盤の正面図であり性能表示シール配置領域を示す図である。
図25】内枠の正面図であり内枠上配置領域を示す図である。
図26】前枠の背面図であり前枠上配置領域を示す図である。
図27】主制御基板と主基板ケースの分解斜視図である。
図28】主制御基板と主基板ケースを遊技機背面から見た図である。
図29】演出制御基板とサブ基板ケースの分解斜視図である。
図30】演出制御基板とサブ基板ケースを遊技機背面から見た図である。
図31】LCDユニットに表示される画像を説明するための図である。
図32】証紙QRコードの一例を説明するための図である。
図33】性能表示QRコードの一例を説明するための図である。
図34】内枠QRコードの一例を説明するための図である。
図35】内枠QRコードの別の例を説明するための図である。
図36】内枠QRコードの更に別の例を説明するための図である。
図37】前枠QRコードの一例を説明するための図である。
図38】電子部品QRコードの一例を説明するための図である。
図39】基板QRコードの一例を説明するための図である。
図40】基板QRコードの別の例を説明するための図である。
図41】基板QRコードの更に別の例を説明するための図である。
図42】基板管理QRコードの一例を説明するための図である。
図43】開封禁止QRコードの一例を説明するための図である。
図44】ケースQRコードの一例を説明するための図である。
図45】ケースQRコードの別の例を説明するための図である。
図46】ケースQRコードの更に別の例を説明するための図である。
図47】液晶QRコードの一例を説明するための図である。
図48】基板における実装領域と非実装領域を説明するための図である。
図49】所定のQRコードの左右領域と上下領域に他のQRコードが配置されないことを説明するための図である。
図50】QRコードの読み取り容易性を向上させるための態様についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施の形態を次の順序で説明する。

<1.二次元コードの構成>
<2.遊技機の構成>
<3.遊技機の制御構成>
<3-1.主制御基板>
<3-2.枠制御基板>
<3-3.電源基板>
<3-4.演出制御基板等>
<4.基板の配置>
<5.QRコードの配置>
<5-1.内枠におけるQRコード>
<5-2.前枠におけるQRコード>
<5-3.主制御基板及び主基板ケースにおけるQRコード>
<5-4.演出制御御基板及びサブ基板ケースにおけるQRコード>
<5-5.LCDユニットにおけるQRコード>
<6.各QRコードの特徴>
<6-1.証紙QRコード>
<6-2.性能表示QRコード>
<6-3.内枠QRコード>
<6-4.前枠QRコード>
<6-5.電子部品QRコード>
<6-6.基板QRコード>
<6-7.基板管理QRコード>
<6-8.開封禁止QRコード>
<6-9.ケースQRコード>
<6-10.液晶QRコード>
<7.QRコードの比較>
<7-1.液晶QRコードと証紙QRコード>
<7-2.遊技者が視認可能なQRコードと主基板ケースに関するQRコード>
<7-3.遊技者が視認可能なQRコードと電子部品QRコード>
<7-4.基板QRコードと証紙QRコード>
<7-5.基板QRコードと基板ケース上のQRコード>
<7-6.基板QRコードと電子部品QRコード>
<7-7.主制御基板の基板QRコードと演出制御基板の基板QRコード>
<7-8.基板QRコードまたは電子部品QRコードと遊技者が視認可能なQRコード><7-9.液晶QRコードとそれ以外のQRコード>
<7-10.主制御基板に係るQRコードと演出制御基板に係るQRコード>
<8.その他>
【0009】
<1.二次元コードの構成>
先ず、遊技機1において作業者やユーザに提示される二次元コードの構成例について、添付図を参照して説明する。なお、以下の実施の形態においては、二次元コードの一例としてQRコード(登録商標)とマイクロQRを挙げる。
【0010】
遊技機1において提示されるQRコード200の例を図1及び図2に示す。なお、QRコード200には、各種のバージョンが存在する。図1及び図2に示す例はバージョン2のQRコード200である。
【0011】
図示するように、QRコード200は、複数の小領域Asが行方向及び列方向に含まれて略正方形状に構成された読取対象領域202(図1において破線で囲む領域)と、読取対象領域202の外周側の領域とされた枠状のクワイエットゾーン203から成る。なお、以下の説明においては小領域Asを「マス」或いは「セルCe」と記載することもある。また、セルCeは「モジュール」と呼ばれることもある。
小領域As、マス、セルCeは、QRコード200を構成する単位領域である。
【0012】
小領域Asは、明領域As0と暗領域As1の何れかとされる。図1に示す例では、明領域As0が白色領域とされ、暗領域As1が黒色領域とされている。
【0013】
なお、白黒反転させたQRコード200においては、明領域As0が黒色領域とされ、暗領域As1が白色領域とされる。以下の説明においては、特筆しない限り明領域As0が白色領域とされ暗領域As1が黒色領域とされたQRコード200を例に挙げる。
【0014】
小領域Asは、1ビットのデータを格納可能であり、例えば、1ビットのデータが「0」である場合に明領域As0で表現され、「1」である場合に暗領域As1で表現される。
【0015】
各小領域Asは、配置される場所に応じて特定の機能を有する。
【0016】
バージョン2のQRコード200の領域ごとの機能について図2を参照して説明する。なお、図2では、QRコード200が有する一つ一つの小領域Asが分かりやすいようにマス目状の補助線を記載している。
【0017】
QRコード200の読取対象領域202における左上の角付近、左下の角付近、右上の角付近にそれぞれ配置された領域は、QRコード200の位置を検出する位置検出パターン204とされている(図2及び図3参照)。
【0018】
位置検出パターン204は、縦横それぞれ3マスの暗領域As1からなる領域と、その外周の一列分のマス(明領域As0)によって形成された枠状の領域と、更にその外周の一列分のマス(暗領域As1)によって形成された枠状の領域とを備えている。
即ち、位置検出パターン204は、縦横それぞれ7マスから成る領域とされる。
また、QRコード200に汚れなどが付着することで位置検出パターン204の一部が識別不能である場合には、QRコード200が読取不能となることがある。
【0019】
QRコード200の読取対象領域202における中央と右下の角の中間付近には、QRコード200が掲示されている物体の歪み等による読み取り時のQRコード200の歪みを補正するためのアライメントパターン205が設けられている(図2及び図4参照)。
【0020】
アライメントパターン205は、1マスの暗領域As1と、その外周の一列分のマス(明領域As0)によって形成された枠状の領域と、更にその外周の一列分のマス(暗領域As1)によって形成された枠状の領域とを備えている。
即ち、アライメントパターン205は、縦横それぞれ5マスから成る領域とされる。
【0021】
なお、QRコード200に設けられるアライメントパターン205の数は、QRコード200のバージョンによって異なる。
【0022】
具体的には、QRコード200がバージョン1である場合には、アライメントパターン205は一つも設けられない。
また、QRコード200がバージョン2からバージョン6の間であれば、アライメントパターン205が一つ設けられる。
更に、QRコード200がバージョン7からバージョン13の間であれば、アライメントパターン205が6個設けられ、バージョン14からバージョン20の間であれば、アライメントパターン205が13個設けられる。
【0023】
以降、バージョン21からバージョン27の間であれば、アライメントパターン205が22個設けられ、バージョン28からバージョン34の間であれば、アライメントパターン205が33個設けられ、バージョン35からバージョン40の間であれば、アライメントパターン205が46個設けられる。
【0024】
QRコード200には、左上と右上の位置検出パターン204の下端同士の間の領域と、左上と左下の位置検出パターン204の右端同士の間の領域が、それぞれタイミングパターン206として設けられている。
【0025】
タイミングパターン206は、9マスから成る一列の領域とされており、暗領域As1と明領域As0が交互に配置されている。
タイミングパターン206は、QRコード200における各小領域Asの位置を特定するために用いられる。
【0026】
図2に示すように、位置検出パターン204の外側の一列分のマスから成るL字領域(図2における斜線ハッチング領域)は、分離パターン207として形成されている。分離パターン207は、位置検出パターン204とそれ以外の領域を区別するために設けられる領域であり、明領域As0から成る。
【0027】
位置検出パターン204に対して分離パターン207の更に外側の領域(分離パターン207に対して位置検出パターン204とは反対側の領域)の一部は、QRコード200のフォーマット情報が格納されるフォーマット領域208として形成されている。具体的には、図5における斜線ハッチング領域がフォーマット領域208とされる。
【0028】
フォーマット領域208には、QRコード200の生成時に用いられたマスクパターンを特定する情報の他に、誤り訂正レベル情報が格納されている。なお、QRコード200の読み取りにおける誤りとは、QRコード200における位置検出パターン204を除いた読取対象領域202の一部が汚れや破損(破れ)などにより正常に読み取りできないときに、QRコード200の設計者が意図していない情報を読み取り者が誤って取得してしまうことを指す。具体的には、明領域As0が汚れなどにより暗領域As1として読み取られてしまった場合などが該当する。また、誤り訂正とは、QRコード200の位置検出パターン204を除いた読取対象領域202の一部において誤った情報を読み取ってしまったときに、QRコード200に含まれる冗長なコードを用いて誤って取得したデータを正す(復元する)ことを指す。
【0029】
誤り訂正レベル情報は、フォーマット領域208のうち、左上の位置検出パターン204の下方に位置するフォーマット領域208における左端の2マスの領域(図5に破線で囲む領域)に格納されており、当該領域は誤り訂正レベル領域209とされている。
【0030】
誤り訂正レベルは誤り訂正の高低を示す情報であり、訂正レベルの低い順に誤り訂正レベルL、誤り訂正レベルM、誤り訂正レベルQ、誤り訂正レベルHの4段階とされている。即ち、誤り訂正レベルは2ビットで表現可能である。
【0031】
誤り訂正のレベルがLの場合(誤り訂正レベルLの場合)は、読み取った各小領域Asのうちの約7%の誤りを訂正可能である。
具体的に、誤り訂正のレベルがLの場合は、QRコード200における位置検出パターン204を除いた読取対象領域202の約7%に該当する領域が汚れや破損などで正常に読み取れない状態であっても正常なデータを復元できるだけの冗長なコードがQRコード200に含まれており、これによりQRコード200の正常な読み取りを可能とする。
同様に、誤り訂正レベルMの場合は約15%の誤りを訂正可能とされ、誤り訂正レベルQの場合は約25%の誤りを訂正可能とされ、誤り訂正レベルHの場合は約30%の誤りを訂正可能とされる。
即ち、誤り訂正レベルが高いほど、QRコード200において正常に読み取れない領域が多くなることが許容される。
【0032】
誤り訂正レベル領域209は、誤り訂正レベルがレベルLの場合に左右の双方の小領域Asが暗領域As1によって構成され、レベルMの場合に左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成され、レベルQの場合に左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成され、レベルHの場合に左右の双方の小領域Asが明領域As0によって構成される(図6参照)。
【0033】
QRコード200においては、位置検出パターン204とアライメントパターン205とタイミングパターン206と分離パターン207に含まれない領域は、1セル(図7に黒丸で示す領域)を除き符号化領域210(図7における斜線ハッチング領域)とされている。
【0034】
符号化領域210は、フォーマット領域208と、QRコード200を読み取った際に得られる情報であって伝達したい情報(ユーザデータ)が格納されるデータ領域211と、読み取ったQRコード200の訂正を行う誤り訂正符号が格納される訂正符号領域212とに分けられる。
【0035】
符号化領域210は、大まかに右側の位置する領域がデータ領域211とされ、左側に位置する領域が訂正符号領域212とされる。
【0036】
符号化領域210におけるデータ領域211の面積と訂正符号領域212の面積の比率は、誤り訂正レベルに応じて異なる。
具体的には、誤り訂正レベルが高いほど訂正符号が多くなり訂正符号領域212の比率が高まる。一方、誤り訂正レベルが低いほど訂正符号が少なくなりデータ領域の比率が高まる。
【0037】
データ領域211と訂正符号領域212の比率について図8に示す。
図示するように、QRコード200のバージョンが上がれば格納可能なデータ量も増えるが、同一バージョンにおいて比較すると、訂正レベルが高いほど訂正符号領域212が増加しデータ領域211に格納可能なデータ量が減少する。
【0038】
クワイエットゾーン203は、QRコード200における最外周領域として、QRコード200が好適に読み取られる可能性を高めるために設けられている。
具体的には、クワイエットゾーン203は、位置検出パターン204とアライメントパターン205とタイミングパターン206と分離パターン207と符号化領域210とから主に成る読取対象領域202の外周側の領域として設けられている。
【0039】
クワイエットゾーン203は、四つの辺から成る枠状の領域とされ、それぞれの辺における短手方向の長さL2は小領域Asの1辺の長さL1の4倍以上の長さとされることが望ましい(図9参照)。
【0040】
なお、以下の説明においては、クワイエットゾーン203を構成する各辺の短手方向の長さL2を、「クワイエットゾーン203の枠幅L2」と記載する。
【0041】
クワイエットゾーン203の枠幅L2は、場所に応じて異なる長さとされていてもよい。
【0042】
なお、詳しくは後述するが、遊技機1においては、クワイエットゾーン203の枠幅L2が小領域Asの一辺の長さL1の4倍未満とされたQRコード200も設けられている。
【0043】
以上、バージョン2のQRコード200について説明したが、バージョン7よりも大きいサイズのQRコード200では、バージョン情報が格納される型番領域213が設けられている。
【0044】
具体的に、図10に示すQRコード200はバージョン7のものであるが、6個のアライメントパターン205が設けられると共に、破線で囲む二つの領域が型番領域213として設けられている。
【0045】
また、QRコード200の小領域Asの数は、バージョンが大きくなるにつれて増加していく。
具体的には、バージョン1のQRコード200の小領域Asの数は、縦と横にそれぞれ21個ずつ配置された合計441個であるが、バージョン2のQRコード200の小領域Asの数は、縦と横にそれぞれ25個ずつ配置された合計625個である。バージョンが1ずつ大きくなるにつれて縦と横にそれぞれ配置された小領域Asの数が4個ずつ増加していく。
なお、小領域Asの大きさがバージョンで共通の大きさである場合、バージョンが大きくなるにつれて小領域Asの数が増加していくため、小領域Asの数の増加に伴いQRコード200の大きさも大きなものになっていく。
【0046】
続いて、マイクロQR201の例を図11に示す。
マイクロQR201には、バージョンM1、M2、M3、M4が存在する。図11に示す例は17個の小領域Asが縦横それぞれに配列されたバージョンM4のマイクロQR201の例である。
【0047】
小領域Asは、「0」のビットを表す場合に白色領域である明領域As0とされ、「1」のビットを表す場合に黒色領域である暗領域As1とされる。
【0048】
各小領域Asは、配置される場所に応じて特定の機能を有する。
【0049】
バージョンM4のマイクロQR201の領域ごとの機能について図11を参照して説明する。なお、図11では、分かりやすいようにこれまでと同様にマス目状の補助線を記載している。
【0050】
マイクロQR201の読取対象領域202における左上の角付近には位置検出パターン204が配置されている。即ち、マイクロQR201は、QRコード200とは異なり位置検出パターン204が一つだけ設けられている。
【0051】
マイクロQR201に含まれる一つの位置検出パターン204の態様は、QRコード200の位置検出パターン204と同様の構成とされている。即ち、位置検出パターン204は、縦横それぞれ7マスから成る領域とされる。
【0052】
マイクロQR201は、アライメントパターン205が設けられていない。
【0053】
図11に示すように、位置検出パターン204の外側の一列分のマスから成るL字領域(図11における斜線ハッチング領域)は、分離パターン207として形成されている。
【0054】
マイクロQR201には、縦横それぞれ17個の小領域Asから成る読取対象領域202の上端及び左端を構成する各小領域Asのうち、位置検出パターン204及び分離パターン207に含まれない部分がタイミングパターン206として設けられている。
【0055】
即ち、タイミングパターン206は、図11に一点鎖線で囲む領域とされ、暗領域As1と明領域As0が交互に配置された9マスから成る一列の領域とされている。
【0056】
位置検出パターン204に対して分離パターン207の更に外側の領域(分離パターン207に対して位置検出パターン204とは反対側の領域)は、タイミングパターン206以外の領域がフォーマット領域208として形成されている。フォーマット領域208は、図12における斜線ハッチング領域とされている。
【0057】
フォーマット領域208における左端の3マスの領域(図13において破線で囲む領域)は、誤り訂正レベル情報の格納領域とされた誤り訂正レベル領域209とされている。
なお、QRコード200における誤り訂正レベル領域209に格納される情報は、誤り訂正レベル情報のみを示す情報とされていた。
一方、マイクロQR201における誤り訂正レベル領域209に格納される情報は、誤り訂正レベル情報に加えてバージョン情報も含まれている。
【0058】
即ち、バージョンM2のマイクロQR201において誤り訂正レベルLの場合に誤り訂正レベル領域209に格納される3ビットのデータと、バージョンM4のマイクロQR201において誤り訂正レベルLの場合に誤り訂正レベル領域209に格納される3ビットのデータは異なる(図14参照)。
【0059】
フォーマット領域208には、バージョン情報を含む誤り訂正レベル情報の他に、マイクロQR201の生成時に用いられたマスクパターンを特定する情報などが格納されている。
【0060】
誤り訂正レベルは訂正レベルの高低を示す情報であり、訂正レベルの低い順に誤り検出のみ、誤り訂正レベルL、誤り訂正レベルM、誤り訂正レベルQの4段階とされている。
【0061】
バージョンM1のマイクロQR201の誤り訂正レベルとされた「誤り検出のみ」は、誤りのあるビットを訂正することはできず、誤りがあることを検出するのみとされている。
【0062】
誤り訂正レベルLの場合は、読み取った各小領域Asのうちの約7%の誤りを訂正可能である。
同様に、誤り訂正レベルMの場合は約15%の誤りを訂正可能とされ、誤り訂正レベルQの場合は約25%の誤りを訂正可能とされる。
【0063】
なお、マイクロQR201の場合はQRコード200とは異なり誤り訂正レベルHを設定することはできない。
【0064】
マイクロQR201の読取対象領域202においては、位置検出パターン204と分離パターン207とタイミングパターン206とを除く領域が符号化領域210として設けられている。
符号化領域210には、フォーマット領域208と、QRコード200を読み取った際に得られる情報であって伝達したい情報が格納されるデータ領域211と、読み取ったQRコード200の訂正を行う誤り訂正符号が格納される訂正符号領域212とに分けられる。
【0065】
符号化領域210は、大まかに右側の位置する領域がデータ領域211とされ、左側に位置する領域が訂正符号領域212とされる。
【0066】
符号化領域210におけるデータ領域211の面積と訂正符号領域212の面積の比率は、誤り訂正レベルに応じて異なる。
具体的には、誤り訂正レベルが高いほど訂正符号が多くなり訂正符号領域212の比率が高まる。一方、誤り訂正レベルが低いほど訂正符号が少なくなりデータ領域の比率が高まる。
【0067】
マイクロQR201におけるデータ領域211と訂正符号領域212の比率について図15に示す。
図示するように、マイクロQR201のバージョンが上がれば格納可能なデータ量も増えるが、同一バージョンにおいて比較すると、訂正レベルが高いほど訂正符号領域212が増加しデータ領域211に格納可能なデータ量が減少する。
【0068】
マイクロQR201はQRコード200と同様に、読取対象領域202の外周側であってマイクロQR201の最外周領域としてクワイエットゾーン203が設けられている。
【0069】
クワイエットゾーン203は枠状の領域とされ、クワイエットゾーン203の枠幅L2は小領域Asの1辺の長さL1の2倍以上の長さとされている(図13参照)。
【0070】
また、マイクロQR201の小領域Asの数は、バージョンが大きくなるにつれて増加していく。
具体的には、バージョンM1のマイクロQR201の小領域Asの数は、縦と横にそれぞれ11個ずつ配置された合計121個であるが、バージョンM2のマイクロQR201の小領域Asの数は、縦と横にそれぞれ13個ずつ配置された合計169個である。バージョンが1ずつ大きくなるにつれて縦と横にそれぞれ配置された小領域Asの数が2個ずつ増加していく。
なお、小領域Asの大きさがバージョンで共通の大きさである場合、バージョンが大きくなるにつれて小領域Asの数が増加していくため、小領域Asの数の増加に伴いマイクロQR201の大きさも大きなものになっていく。
【0071】
以上、QRコード200とマイクロQR201の構成について説明した。
以下の説明においては、特段の記載がない限り「QRコード200」との記載はマイクロQR201を含み得るものとする。
【0072】
<2.遊技機の構成>
本発明に係る実施の形態としての遊技機1の全体構造について添付図を参照して説明する。
【0073】
なお、以下の説明においては、遊技機1に正対した遊技者から見て右方向を遊技機1の右方向とし、遊技機1に正対した遊技者から見て左方向を遊技機1の左方向とする。また、鉛直上方向を遊技機1の上方向とし、鉛直下方向を遊技機1の下方向とする。また、遊技機1から正対した遊技者に向かう方向を遊技機1の前方向し、正対した遊技者から遊技機1に向かう方向を遊技機1の後方向とする。そして、遊技機1の左右方向は、遊技機1の幅方向と同じことを意味する。
【0074】
遊技機1は、内部に封入された遊技球を循環させて遊技に利用する所謂スマートパチンコ機である。
【0075】
遊技機1は、図16及び図17に示すように、木製の外枠3と、外枠3にヒンジ機構4によって開閉可能に取り付けられた内枠5と、内枠5にヒンジ機構4によって開閉可能に取り付けられた前枠7とを備える。ヒンジ機構4は、遊技機1の左上端及び左下端に設けられている。内枠5は、額縁状に形成され、内部に遊技盤9が保持される。
【0076】
前枠7は、中央に透明ガラス11が保持されていると共に、透明ガラス11の周囲の全部または一部を囲むようにサイドユニット13が設けられている。
サイドユニット13は、遊技機1のテーマに合わせた装飾が施されると共に、内部にLEDや可動体役物等の演出手段が設けられることもある。サイドユニット13は、遊技者に遊技の雰囲気を伝える演出効果を発揮する。また、サイドユニット13は、前枠7に対して交換可能に取り付けられる。
【0077】
前枠7の右端には扉ロック解除用のキーシリンダ15が設けられており、このキーシリンダ15にキーを差し込んで一方側に操作すれば内枠5に対する前枠7のロック状態が解除されて前枠7を前側に開放でき、また、他方側に操作すれば外枠3に対する内枠5のロック状態が解除されて内枠5を前側に開放できる。
【0078】
前枠7の下側には、前面操作パネル17が配置されている。前面操作パネル17の右端側には、発射装置31から遊技球を発射させるためのハンドル装置19が設けられている。
【0079】
前面操作パネル17の左側には、遊技球数表示器21及び計数スイッチ23が設けられている。遊技球数表示器21は、6桁の7セグメントLEDによって構成されており、遊技機1が管理する遊技球数(遊技者が保有する遊技球数:以下、管理遊技球数と表記する)を表示する。計数スイッチ23は、管理遊技球数を、遊技球等貸出装置の遊技価値媒体(カード)に移行させる操作入力を遊技者から受け付ける。
【0080】
また、前面操作パネル17には、遊技者が操作可能に構成された操作ボタン25が設けられている。操作ボタン25は、演出ボタン25a、方向キー25b、輝度変更ボタン25c及び音量変更ボタン25dを含んで構成されている。
【0081】
演出ボタン25aは、所定の入力受付期間中に操作可能(入力受付可能)となり、所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。また、演出ボタン25aは、方向キー25bによって選択された項目の決定を指示するための操作子でもある。演出ボタン25aには、後述する演出用振動デバイス77が取り付けられており、演出用振動デバイス77が所定のタイミングで演出ボタン25aを振動させることで演出効果を更に高めることが可能となっている。
【0082】
更に、演出ボタン25aは、遊技の待機中であってLCDユニット(液晶表示装置)57にデモ画面を表示している間において、メニュー画面を表示させるための操作子としても機能する。
【0083】
方向キー25bは、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための操作子である。方向キー25bは、上側に設けられ上を指示するための上キー、左側に設けられ左を指示するための左キー、右側に設けられ右を指示するための右キー、下側に設けられ下を指示するための下キーを含んで構成される。
【0084】
方向キー25bは、上述したメニュー画面において上下や左右に並んで配置されたメニュー項目から所望の項目を選択するために操作される操作子である。遊技者は、演出ボタン25aを操作することによりメニュー画面を表示させ、方向キー25bを操作することにより所望のメニュー項目を選択可能な状態にし、再度演出ボタン25aを操作することにより所望のメニュー項目を選択することが可能とされる。
【0085】
輝度変更ボタン25cは、演出に関する演出用LED27の輝度を調整するための操作子であり、演出用LED27の輝度を上げるプラスボタンと、演出用LED27の輝度を下げるマイナスボタンとを含んで構成されている。
音量変更ボタン25dは、スピーカ29から出力される音の音量を調整するための操作子であり、音量を上げるプラスボタンと、音量を下げるマイナスボタンとを含んで構成されている。
【0086】
前枠7の適所には、さまざまな点灯態様や発光色で発光制御される演出用LED27が複数設けられている。演出用LED27は、遊技機1の周囲、例えば前枠7の周縁、サイドユニット13内、遊技盤9内に多数設けられており、演出制御基板120(図20図21参照)によって点灯制御される。
【0087】
また、遊技機1の周囲、例えば前枠7の周縁には、音を出力する複数のスピーカ29が設けられている。
複数のスピーカ29により、演出に関する音などについて、所謂ステレオ音響再生や、より多チャネルの音響再生を行うことができるようにされている。
【0088】
内枠5には、遊技盤9の下側に発射装置31及び揚上装置33を含む循環機構34が設けられている。循環機構34は、遊技機1内で遊技球を循環させるための機構である。発射装置31は、遊技者によるハンドル装置19のハンドル19aに対する操作量(回転角度)に応じた強度で遊技球を遊技領域37に向けて発射させる。揚上装置33は、遊技領域37(遊技盤9)から排出された遊技球を発射装置31に搬送する。
なお、揚上装置33には、遊技球を揚上させている間に遊技球を研磨する研磨装置が組み込まれている。
【0089】
内枠5及び前枠7の下部には、循環機構34内の遊技球の球詰まりを防止するための振動装置が設けられている。振動装置は、振動デバイス及び振動伝達部を含んで構成されている。
【0090】
次に、図18を参照して、遊技盤9の構成について説明する。図18は、遊技盤9の正面図である。
【0091】
図18に示すように、遊技盤9には、発射された遊技球を案内する外レール35及び内レール36が設けられている。外レール35は、左右方向のやや左下端から円弧状に延び左右方向中央上端を通り過ぎて右上部まで延びている。そして、外レール35に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域37、略円形状の領域の外側が非遊技領域として形成される。
【0092】
遊技領域37は、遊技盤9と透明ガラス11との間に形成される空間であって、遊技球が流下可能な領域である。
内レール36は、外レール35に沿って左右方向のやや左下端から円弧状に左上部まで延びている。外レール35及び内レール36に挟まれた領域が遊技球案内経路35aとして形成される。遊技球案内経路35aは、発射装置31から発射された遊技球が通る経路であり、発射装置31から発射された遊技球を遊技領域37に導く。
【0093】
遊技領域37は、中央に設けられたセンター飾り39によって左右それぞれの左遊技領域37a及び右遊技領域37bに分割されている。センター飾り39には、左遊技領域37a及び右遊技領域37bを分割するために最も上方向に突き出したセンター頂点39aが形成されている。なお、センター頂点39aは、左右方向における中央でなく、中央から右または左にずれた位置に形成されていてもよい。
発射装置31によりセンター頂点39aを超えない所定の発射強度未満で発射された遊技球は左遊技領域37aを流下し、センター頂点39aを超える所定の発射強度以上で発射された遊技球は右遊技領域37bを流下することになる。
【0094】
遊技領域37には、外レール35の右上端に連続するように衝止部38が設けられている。衝止部38は、外レール35に沿った位置に配置されることで、発射装置31により所定の発射強度以上で発射された遊技球を衝突させて右遊技領域37bに導く。
【0095】
また、内レール36の左上端には、逆流防止部材40が設けられている。逆流防止部材40は、遊技球案内経路35aを塞ぐように不図示のバネにより反時計回りに付勢されていると共に、遊技球案内経路35aから遊技領域37に進入する遊技球によって内レール36の左上端を支点として時計回りに回転可能となっている。これにより、逆流防止部材40は、遊技領域37に一度進入した遊技球が遊技球案内経路35aに逆流することを防止する機能を果たす。
【0096】
遊技盤9の中央下側には、特別図柄1始動口41が設けられている。特別図柄1始動口41は、メイン表示器63における第1の特別図柄(以下、特別図柄1と表記し、また、特図1と省略して表記することもある)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、固定始動口として構成されている。
【0097】
遊技盤9の右側には、特別図柄2始動口43が設けられている。特別図柄2始動口43は、メイン表示器63における第2の特別図柄(以下、特別図柄2と表記し、また、特図2と省略して表記することもある)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、普通電動役物45によって開閉制御がなされる可変始動口として構成されている。
【0098】
普通電動役物45は、可動片45aを動作させることにより、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を可能とする開状態と、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とが切り換えられる。
【0099】
右遊技領域37bにおける特別図柄2始動口43の上方には、遊技球が通過可能な普通図柄始動口47が設けられている。この普通図柄始動口47は、メイン表示器63における普通図柄の変動表示動作に係るゲートである。
【0100】
右遊技領域37bにおける特別図柄2始動口43よりも下方には、大入賞口49が設けられている。大入賞口49は、特別電動役物51によって開閉制御がなされる。
特別電動役物51は、可動片51aを動作させることにより、大入賞口49への遊技球の入球を可能とする開状態と、大入賞口49への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに切り換えられる。
【0101】
また、遊技領域37における左右下側には、入賞口53が複数設けられている。また、遊技領域37の中央下端には、アウト口55が設けられており、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球がアウト口55を介して遊技領域37から排出される。
【0102】
なお、特別図柄1始動口41は、左遊技領域37aを流下してきた遊技球のみが入球可能となっているが、右遊技領域37bを流下してきた遊技球が入球可能であってもよい。
また、特別図柄2始動口43、普通図柄始動口47及び大入賞口49は、右遊技領域37bを流下してきた遊技球のみが入球可能であるが、左遊技領域37aを流下してきた遊技球が入球または通過可能であってもよい。
【0103】
遊技機1では、遊技領域37に設けられた各種入賞口に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した入賞口に設定された賞球数(例えば、特別図柄1始動口41は3個、特別図柄2始動口43は1個、大入賞口49は15個、入賞口53は5個)が払い出されるようになっている。
【0104】
遊技盤9の中央においてセンター飾り39で囲まれた領域には、LCDユニット57及びイルミネーションパネル59が設けられている。LCDユニット57は、後述する演出制御基板120の制御に応じて、例えば3つの装飾図柄を変動表示及び停止表示したり、様々な演出用の画像(静止画像及び動画像)を表示したりする。
【0105】
LCDユニット57に表示される装飾図柄は、数字や記号などを含む複数種類が設けられており、停止表示した3つの装飾図柄の組み合わせによって、後述する大当り抽選の結果を遊技者に報知する。
【0106】
イルミネーションパネル59は、板状の透明な合成樹脂材で成り、LCDユニット57よりも遊技者側(前方側)においてLCDユニット57に対向して配置されている。イルミネーションパネル59は、前面もしくは後面に文字、図形、記号、図柄などの所定の絵柄が凹凸加工により形成されている。イルミネーションパネル59は、側面から光が入射されていないときには絵柄が視認不能または視認困難であり、側面から光が入射されると絵柄部分で拡散発光して絵柄が遊技者に視認可能となる。
【0107】
LCDユニット57及びイルミネーションパネル59の間には空間が形成されており、この空間内に1または複数の可動体役物61が配置されている。図18には、複数の可動体役物61の一つを図示している。
可動体役物61は、LCDユニット57よりも前方に配置され、図18において破線で示すように、通常では遊技者が視認できない位置等に退避されている。
そして、可動体役物61は、図18において実線で示すように、装飾図柄の変動表示中(特別図柄1、2の変動表示中)等に可動体モータ61a(図21参照)に駆動され、LCDユニット57の前面に移動してくることで遊技者に大当りの期待感を付与する。
【0108】
遊技盤9の左下部の非遊技領域には、ドット表示器で成るメイン表示器63が設けられている。また、遊技盤9においてLCDユニット57の右下部には、ドット表示器で成る第4図柄表示器65が設けられている。
【0109】
図19は、メイン表示器63及び第4図柄表示器65を説明する図である。メイン表示器63は、主制御基板100(図20参照)によって制御され、遊技の進行に関する情報をLEDの点灯、点滅、消灯によって表示(報知)する。なお、以下では、LEDが点灯、点滅、消灯することをまとめて点灯表示と表記する。
【0110】
図19(a)に示すように、メイン表示器63は、特別図柄1の変動表示動作(点灯表示)が行われる特別図柄1表示器63a、特別図柄2の変動表示動作が行われる特別図柄2表示器63b、普通図柄の変動表示動作が行われる普通図柄表示器63cが設けられている。また、メイン表示器63は、特別図柄1の保留数を表示する特別図柄1保留数表示器63d、特別図柄2の保留数を表示する特別図柄2保留数表示器63e、普通図柄の保留数を表示する普通図柄保留数表示器63f、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を表示するラウンド表示器63g、遊技状態(時短状態、高確率状態)を表示する遊技状態表示器63h、右打ちを遊技者に促す右打ち表示器63iが設けられている。
【0111】
なお、右打ちとは、右遊技領域37bに向けて遊技球を発射させるように遊技者がハンドル19aを操作することである。右打ち表示器63iは、右遊技領域37bに向けて遊技球を発射させた方が、左遊技領域37aに向けて遊技球を発射させた場合より遊技者にとって有利であることを報知するための表示器である。
【0112】
第4図柄表示器65は、演出制御基板120によって制御され、遊技の進行に関する情報をLEDの点灯表示によって報知する。
図19(b)に示すように、第4図柄表示器65は、特別図柄1の変動表示動作が行われる特別図柄1表示器65a、特別図柄2の変動表示動作が行われる特別図柄2表示器65bが設けられている。また、第4図柄表示器65は、特別図柄1の保留数を表示する特別図柄1保留数表示器65c、特別図柄2の保留数を表示する特別図柄2保留数表示器65d、右打ちを遊技者に促す右打ち表示器65eが設けられている。
【0113】
<3.遊技機の制御構成>
図20及び図21は、遊技機1の制御構成を示すブロック図である。図20及び図21のブロック図を参照して、遊技機1の制御構成について説明する。
【0114】
本実施の形態の遊技機1は、主に遊技の進行に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板100と、遊技球数(賞球)の管理に係る制御及び遊技球の管理(発射、循環)に係る制御を統括的に司る枠制御基板110と、主制御基板100から演出制御コマンドを受けて演出手段による演出の実行制御を統括的に司る演出制御基板120と、外部電源から遊技機1に必要な電源電圧を生成し供給する電源基板130と、遊技球等貸出装置と接続される遊技球等貸出装置接続端子板140と、演出手段に係る部品が設けられたり接続されたりする装飾中継基板150と、前枠中継基板160と、上部装飾基板170と、装飾基板180とを含んで構成されている。
【0115】
<3-1.主制御基板>
主制御基板100は、主制御部101及びシステムリセット回路103を備える。主制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RWM(Read/Write Memory)を備えるマイクロプロセッサである。ROMは、遊技動作制御を行うための制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行することで遊技動作制御を行う。
【0116】
システムリセット回路103は、電源投入時や電源断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力して主制御部101をリセットさせる。
また図示はしていないが、主制御部101は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているかを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数(ハード乱数値)を生成するためのカウンタ回路(乱数生成回路)等も備えている。
【0117】
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。主制御部101は、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を大当り判定用乱数(0~65535)として取得し、大当り判定用乱数を大当り抽選に利用する。なお、大当り判定用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、ソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
【0118】
主制御基板100には、特別図柄1始動口41への遊技球の入球を検出する特別図柄1始動口スイッチ41aと、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を検出する特別図柄2始動口スイッチ43aと、普通図柄始動口47への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ47aと、入賞口53への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ53aと、大入賞口49への遊技球の入球を検出する大入賞口スイッチ49aとが接続されている。これらの各スイッチから出力される検出信号は主制御部101に入力される。従って、主制御部101は、各スイッチからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球(通過)したのかを把握可能である。
【0119】
また、主制御基板100には、大入賞口49を開閉する特別電動役物51(可動片51a)を動作させる大入賞口ソレノイド51bと、特別図柄2始動口43を開閉する普通電動役物45(可動片45a)を動作させる普通電動役物ソレノイド45bとが接続されている。主制御部101は、これらソレノイドを制御するための制御信号を出力する。
【0120】
また、遊技盤9には、磁気を検出する磁気センサ67と、電波を検出する電波センサ69と、振動を検出する振動センサ71とが設けられており、これらの各センサが主制御基板100に接続されている。これらの各センサからの信号は主制御部101に入力される。
【0121】
また、主制御基板100には、メイン表示器63が接続されている。主制御部101は、メイン表示器63を点灯表示するための制御信号を出力する。
【0122】
主制御基板100は、枠制御基板110と相互通信が可能に接続されている。主制御基板100(主制御部101)は、主に賞球に関する情報を含む制御コマンド、遊技球の発射の可否を示す発射制御信号を枠制御基板110に送信する。また、主制御基板100は、前枠7の開放を示すドア開放信号、RWMをクリアするためのRWMクリア信号、電源の異常を示す電源異常信号、通信を確認するための枠通信確認信号を枠制御基板110から受信する。更に、主制御基板100は、枠制御基板110から駆動電源(DC35VA、DC12VA、DC5VA、バックアップ電源)を受け取る。
【0123】
主制御基板100は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御基板120に対して送信する。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御基板100は演出制御基板120に対して信号を送信するのみで、演出制御基板120からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
【0124】
<3-2.枠制御基板>
枠制御基板110は、枠制御部111、RWMクリアスイッチ112a、遊技球数クリアスイッチ112b、球抜きスイッチ112c、エラー解除スイッチ112d、性能表示器113、システムリセット回路114、電源異常信号生成回路115、発射制御回路116及びバックアップ電源生成回路117を備える。
【0125】
枠制御部111は、CPU、ROM、RWMを備えるマイクロプロセッサである。ROMは、遊技球数の管理、発射装置31及び揚上装置33の制御等を行うための制御プログラムの他、これらの制御に必要な種々のデータを格納する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行することで遊技球数の管理、発射装置31及び揚上装置33の制御等を行う。
【0126】
RWMクリアスイッチ112a、遊技球数クリアスイッチ112b、球抜きスイッチ112c、エラー解除スイッチ112dは、押しボタン式のスイッチである。
枠制御部111は、電源投入時にRWMクリアスイッチ112aが押下されていた場合、RWMをクリアすると共に、主制御基板100にRWMクリア信号を送信する。RWMクリア信号を受信した主制御部101はRWMの所定領域をクリアする。
【0127】
枠制御部111は、電源投入時に遊技球数クリアスイッチ112bが押下されていた場合、自身が管理する遊技球数をクリアする。遊技球数がクリアされることで、遊技球数表示器21には0が表示されることになる。
【0128】
枠制御部111は、電源投入時に球抜きスイッチ112cが押下されていた場合、遊技機1に封入されている遊技球を外部に排出するための球抜き処理を行う。具体的には、枠制御部111は、後述する揚上入口スイッチ33fで遊技球を検出していることを条件に揚上モータ33aを駆動させる。
【0129】
枠制御部111は、特定のエラーが発生したときにエラー解除スイッチ112dが押下された場合、発生していた特定のエラーを解除する。
【0130】
性能表示器113は、例えば6桁の8セグメント(7セグメント+1ドット)表示器で構成される。性能表示器113は、枠制御部111によって制御され、所定期間(例えば6000ゲーム毎)にわたる遊技結果に基づいて算出される遊技実績情報を表示する。遊技実績情報とは、連続役物比率や役物比率、ベースなどである。連続役物比率は、賞球合計数のうち大入賞口49への入賞による賞球数が占める割合である。役物比率は、賞球合計数のうち特別図柄2始動口43への入賞による賞球数と大入賞口49への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。
なお、性能表示器113では、所定期間毎(区間毎)の遊技実績情報を切り替えて表示可能である。
【0131】
システムリセット回路114は、電源投入時や電源断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力して枠制御部111をリセットさせる。
【0132】
電源異常信号生成回路115は、電源基板130から供給される駆動電源(5V直流電圧(DC5VA)、12V直流電圧(DC12VA))の電圧低下を監視し、所定閾値以下の電圧となった場合に電源異常信号を主制御部101に出力する。また、電源異常信号生成回路115は、24V交流電圧(AC24V)の電圧低下を監視するようにしてもよい。
【0133】
発射制御回路116は、発射装置31(後述する球送りソレノイド31a、発射ソレノイド31b)を駆動制御することで、発射装置31からの遊技球の発射を制御する。
【0134】
バックアップ電源生成回路117は、電源断時に主制御部101及び枠制御部111のRWMに供給されるバックアップ電源(VBB)を生成する。バックアップ電源の供給を受けた主制御部101及び枠制御部111のRWMは、電源断が発生したときであっても記憶されたデータを一定期間に亘って保持する(バックアップする)ことが可能となる。
【0135】
枠制御基板110には、内枠5に設けられたドア開放センサ73が接続されている。ドア開放センサ73は、前枠7が内枠5に対して開放されたこと、及び、内枠5が外枠3に対して開放されたことの少なくとも何れかを検出すると、枠制御基板110を介してドア開放信号を主制御基板100に出力する。
【0136】
内枠5に設けられた循環機構34には、揚上モータ33a、アウト球スイッチ33b、ファール球スイッチ33c、過多位置検出スイッチ33d、過少位置検出スイッチ33e、揚上入口スイッチ33f、揚上出口スイッチ33g、揚上位置検出スイッチ33hが設けられており、これらが枠制御基板110に接続されている。
【0137】
循環機構34には、遊技領域37から排出された遊技球が導かれる揚上前経路、揚上前経路を通過した遊技球が揚上される揚上経路、及び、揚上経路で揚上された遊技球が発射装置31に導かれる揚上後経路が形成されている。
循環機構34では、遊技領域37から排出された遊技球が揚上前経路を通って揚上経路の最下端に導かれる。揚上経路の最下端に導かれた遊技球は、揚上装置33によって揚上経路内で上方向に揚上される。そして、揚上経路の最上端に到達した遊技球は、揚上後経路に送出された後、揚上後経路を通って発射装置31に導かれる。
【0138】
揚上モータ33aは、枠制御部111によって制御され、揚上経路内に配置された例えば螺旋部材を回転させる。回転させられた螺旋部材は、揚上前経路の下流端に到達した遊技球を揚上経路に導くと共に、揚上経路内に滞留された遊技球を上方向に揚上させる。また、揚上経路の最上端から遊技球を揚上後経路に送出する。
【0139】
アウト球スイッチ33b、ファール球スイッチ33c、過多位置検出スイッチ33d、過少位置検出スイッチ33e、揚上入口スイッチ33f、揚上出口スイッチ33gは、遊技球を検出するスイッチであり、遊技球を検出した場合には検出信号を枠制御基板110(枠制御部111)に出力する。
【0140】
アウト球スイッチ33bは、揚上前経路の上流側に配置され、遊技領域37から排出され揚上前経路に導かれた遊技球(アウト球)を検出する。
【0141】
ファール球スイッチ33cは、揚上前経路においてアウト球スイッチ33bと過多位置検出スイッチ33dとがそれぞれ配置された位置の間に接続されたファール球合流経路に配置され、発射装置31から発射された遊技球のうち、遊技領域37に到達せずにファール球合流経路を通って揚上前経路に戻される遊技球を検出する。
【0142】
過多位置検出スイッチ33d及び過少位置検出スイッチ33eは、揚上前経路上におけるアウト球スイッチ33bよりも下流側において所定距離だけ離隔して配置されており、揚上前経路に滞留する遊技球を検出する。過多位置検出スイッチ33dは過少位置検出スイッチ33eよりも揚上前経路の上流側に設けられている。
【0143】
そして、電源投入時に過多位置検出スイッチ33dが遊技球を検出しておらず、かつ、過少位置検出スイッチ33eが遊技球を検出している場合、すなわち、過少位置検出スイッチ33eが設けられた位置には遊技球があり、かつ、過多位置検出スイッチ33dが設けられた位置には遊技球がない場合、遊技機1内に遊技球が正常な数だけ封入されているものと枠制御部111に判断される。
【0144】
一方、電源投入時に過少位置検出スイッチ33eが遊技球を検出していなかった場合には遊技機1内に封入されている遊技球が少ないと枠制御部111に判断され、また、電源投入時に過多位置検出スイッチ33dが遊技球を検出していた場合には遊技機1内に封入されている遊技球が多いと枠制御部111に判断される。すなわち、これらの場合には、遊技機1内に遊技球が正常な数だけ封入されていないと枠制御部111に判断される。この場合、枠制御部111は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことを示す信号を主制御部101に送信し、主制御部101は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことを示す演出制御コマンドを演出制御部121に送信する。そして、演出制御部121は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことをLCDユニット57等に表示したりしてホールスタッフ等に通知する。
【0145】
揚上入口スイッチ33fは、揚上前経路の下流端近傍に配置されており、揚上前経路の下流端近傍に滞留する遊技球を検出する。
揚上出口スイッチ33gは、揚上後経路の途中に配置されており、その位置に滞留する遊技球を検出する。
【0146】
枠制御部111は、揚上入口スイッチ33fで遊技球が検出され(遊技前経路に遊技球が溜まっており)、かつ、揚上出口スイッチ33gで遊技球が検出されていない場合(揚上後経路に遊技球が所定数滞留していない場合)、揚上モータ33aを回転させる。
【0147】
そして、枠制御部111は、揚上出口スイッチ33gで遊技球が検出されている場合、すなわち、揚上後経路に遊技球が所定数滞留している場合に揚上モータ33aを停止させる。
【0148】
揚上位置検出スイッチ33hは、揚上モータ33aの回転角を検出する。枠制御部111は、揚上位置検出スイッチ33hによって検出される回転角に基づいて揚上モータ33aを回転させる。
【0149】
発射装置31には、球送りソレノイド31a、発射ソレノイド31b及び減算出口スイッチ31cを備える。
【0150】
球送りソレノイド31aは、枠制御部111による制御に基づいて、揚上後経路の下流端に位置する遊技球を発射装置31内の発射位置に送出する。
【0151】
発射ソレノイド31bは、枠制御部111による制御に基づいて、球送りソレノイド31aによって発射位置に送出された遊技球を遊技領域37に向けて発射させる。
【0152】
減算出口スイッチ31cは、揚上後経路の下流端に配置されており、球送りソレノイド31aにより発射装置31内の発射位置に送出される遊技球を検出する。
【0153】
枠制御部111は、減算出口スイッチ31cによって遊技球が検出されると、管理遊技球数を1減算する。また、枠制御部111は、発射装置31から発射された遊技球が遊技領域37に到達せずにファール球合流経路を通って揚上前経路に導かれる際にファール球スイッチ33cによって検出されると、減算された値を戻すために管理遊技球数を1加算する。
【0154】
また、枠制御部111は、主制御基板100(主制御部101)から賞球数を示す制御コマンドを受信すると、コマンドに示される賞球数を管理遊技球数に加算する。
【0155】
また、枠制御部111は、前枠7に設けられた計数スイッチ23が遊技者に操作されると、管理遊技球数を、遊技球等貸出装置接続端子板140を介して遊技球等貸出装置の遊技価値媒体に移行させる。
【0156】
具体的には、計数スイッチ23が所定時間よりも短い時間だけ操作されると、管理遊技球数を1減算すると共に、遊技価値媒体に記録される遊技球数を1加算させる信号を遊技球等貸出装置に出力する。これにより、遊技球等貸出装置では、遊技価値媒体に記録される遊技球数を1加算することになる。
【0157】
また、計数スイッチ23が所定時間よりも長い時間操作されると、一定時間毎に、管理遊技球数を250減算すると共に、遊技価値媒体に記録される遊技球数を250加算させる信号を遊技球等貸出装置に随時出力する。これにより、遊技球等貸出装置では、信号を受信するたびに遊技価値媒体に記録される遊技球数を250ずつ加算することになる。
【0158】
更に、枠制御部111は、遊技価値媒体に記憶された遊技球数または金銭情報に基づいて遊技球等貸出装置から遊技球を貸し出すための貸出通知を受けた場合に、貸出通知に応じた遊技球数を、管理遊技球数に加算する。これにより、遊技価値媒体に記録された遊技球数または金銭情報は、貸出通知に応じた遊技球数に対応する値だけ減算されることになる。
【0159】
前枠7に設けられたハンドル装置19には、タッチセンサ19b、発射停止スイッチ19c、発射強度VR19dが設けられており、これらセンサが枠制御基板110に接続されている。枠制御基板110は、タッチセンサ19b、発射停止スイッチ19c、発射強度VR19dからの検出信号を受信可能である。
【0160】
タッチセンサ19bは、遊技者がハンドル19aに触れていることを検出する。
発射停止スイッチ19cは、押しボタン式のスイッチである。
発射強度VR19dは、ハンドル19aの操作量(回転角度)を検出する。
【0161】
発射制御回路116は、主制御部101及び枠制御部111から出力される発射制御信号等に基づき、球送りソレノイド31a及び発射ソレノイド31bへの通電を制御することで発射装置31から遊技球を発射させる。具体的には、主制御部101及び枠制御部111から発射を許可する発射制御信号が出力され、タッチセンサ19bにより遊技者がハンドル19aに触れていることが検出され、かつ、発射停止スイッチ19cが操作されていない場合に、発射装置31による遊技球の発射動作が許容される。
そして、発射制御回路116は、発射強度VR19dによって検出される操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるように発射ソレノイド31bを制御する。
【0162】
また、枠制御基板110には、遊技球数表示器21が接続されている。枠制御基板110は、管理遊技球数を点灯表示するための制御信号を遊技球数表示器21に送信する。
【0163】
また、前枠7には、ファール球スイッチ33cと対向する位置に電波を検出する電波センサ75が設けられており、電波センサ75が枠制御基板110に接続されている。電波センサ75は、コイルが設けられておりコイルに加えられる誘導磁界に基づいて電波を検出する。電波センサ75は、主にファール球スイッチ33cに対する不正な電波を検出し、検出信号を枠制御基板110に出力する。
【0164】
<3-3.電源基板>
電源基板130にはON状態とOFF状態を切り替え可能な電源スイッチ131が設けられている。例えば、電源スイッチ131は所謂シーソースイッチなどとされている。
【0165】
電源基板130は、電源生成回路133を有して構成されている。
電源生成回路133は、電源スイッチ131がON状態とされている場合に、外部から電源基板130に入力されたAC入力電源(AC24V)に基づいて各部の駆動電源となる直流電圧を生成する。
具体的に、電源生成回路133は、電源基板130に入力されたAC入力電源から35V直流電圧(DC35VA、DC35VB)、12V直流電圧(DC12VA、DC12VB)及び5V直流電圧(DC5VA)を生成する。
【0166】
生成された35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)と、外部から入力されたAC入力電源(AC24V)は、枠制御基板110に供給される。
【0167】
また、枠制御基板110に供給された35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)は、枠制御基板110で生成されたバックアップ電源と共に主制御基板100にも供給される。
また、生成された35V直流電圧(DC35VB)、12V直流電圧(DC12VB)は、演出制御基板120に供給される。更に、生成された12V直流電圧(DC12VB)は、前枠中継基板160にも供給される。
【0168】
<3-4.演出制御基板等>
演出制御基板120は、図21に示すように、装飾中継基板150、前枠中継基板160及びLCDユニット57が接続されていると共に、前枠中継基板160を介して上部装飾基板170が接続されている。
【0169】
装飾中継基板150には、可動体役物61を駆動させる可動体モータ61a、可動体役物61の位置を検出する可動体位置検出スイッチ61b、第4図柄表示器65、装飾基板180が接続されている。
【0170】
また、装飾中継基板150には、可動体モータ61aを駆動させるモータドライバ61c、演出用LED27を点灯表示制御するLEDドライバ27aが設けられている。
【0171】
前枠中継基板160は、前枠7におけるヒンジ機構4側の下方に設けられており、後方側(遊技盤9側)にコネクタが露出するように配置されている(図17参照)。
【0172】
前枠中継基板160には、スピーカ29、操作ボタン25、遊技者に振動を与える演出用振動デバイス77、装飾基板180及び振動デバイス81が接続されている。
また、前枠中継基板160には、12V直流電圧(DC12VB)から5V直流電圧(DC5VB)を生成する電源生成回路161が設けられている。電源生成回路161で生成された5V直流電圧(DC5VB)は、12V直流電圧(DC12VB)と共に上部装飾基板170に供給される。
【0173】
上部装飾基板170には、可動体モータ61aを駆動させるモータドライバ61cと、演出用LED27と、演出用LED27を点灯表示制御するLEDドライバ27aが設けられている。
【0174】
上部装飾基板170は、前枠7における上側中央に設けられており、後方側(遊技盤9側)にコネクタが露出するように配置されている(図17参照)。
上部装飾基板170には、可動体モータ61a、可動体位置検出スイッチ61b、風デバイス79、装飾基板180が接続されている。
【0175】
風デバイス79は、演出制御部121の制御によって駆動され、遊技者に対して風を吹き出す。
【0176】
装飾基板180は、主に演出用LED27が配置されるものと、演出用LED27及びLEDドライバ27aが配置されるものがあり、異なる装飾基板180同士が連続して接続されることもある(図21における遊技盤9や前枠7を参照)。
なお、装飾基板180の数及び接続関係は一例に過ぎず、他の構成であってもよい。
【0177】
演出制御基板120は、演出制御部121、音ROM123、音声IC125、VDP回路127、電源生成回路129を備える。
【0178】
演出制御部121は、CPU、ROM、RWMを備えるマイクロプロセッサである。ROMは、演出手段の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムをRWMに展開して実行することで演出手段の制御等を行う。
【0179】
演出制御部121は、演出制御プログラム及び主制御基板100から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、遊技の進行中等に遊技者に有利な状態が発生するか否かを報知または示唆する演出や、大当り遊技中の演出等を行う装置であり、演出用LED27、スピーカ29、LCDユニット57、イルミネーションパネル59、可動体役物61、演出用振動デバイス77、風デバイス79を含むものである。
【0180】
演出制御部121は、主制御基板100からの演出制御コマンドを受信し、演出制御コマンドに基づいて演出シナリオを決定する。そして、演出制御部121は、決定した演出シナリオに基づいた演出を演出手段に実行させるように制御する。
【0181】
例えば、演出制御部121は、演出シナリオに基づいて可動体役物61を可動させるようにモータドライバ61cに指示を出したり、演出シナリオに基づいて演出用LED27を点灯表示させるようにLEDドライバ27aに指示を出したりする。なお、装飾中継基板150に設けられたLEDドライバ27aは、演出用LED27に加え、第4図柄表示器65を点灯表示させるように指示を出す。
【0182】
また、演出制御部121は、演出シナリオに基づいて振動を発生させるように演出用振動デバイス77を駆動させたり、演出シナリオに基づいて風を送風させるように風デバイス79を駆動させたりする。
また、演出制御部121は、遊技の進行に応じて振動デバイス81を駆動させ、循環機構34に振動を与えて球技球の球詰まりを低減(解消)する。
【0183】
音ROM123は、BGMや効果音等の音データ等が格納されている。音声IC125は、決定された演出パターンに対応する音データを音ROM123より読み出し、スピーカ29に出力する。これにより、スピーカ29より決定された演出シナリオに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0184】
VDP回路127は、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)を備える。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。
画像ROMは、VDPが画像展開処理を行う画像データが格納されている。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
VDP回路127は、演出シナリオに基づいて各種の画像データを生成し、LCDユニット57に出力する。これによってLCDユニット57において各種の演出画像が表示される。
【0185】
電源生成回路129は、12V直流電圧(DC12VB)から5V直流電圧(DC5VB)を生成する。
【0186】
<4.基板の配置>
上述したように、遊技機1には各種の基板が取り付けられている。
遊技機1における基板の配置例について図22及び図23等を参照して説明する。なお、図22は遊技盤9の背面図であり、図23は遊技機1の背面図である。
【0187】
主制御基板100は、図22に示すように、遊技盤9の後方(背面)における左右方向の略中央且つ下方に配置されている。
【0188】
枠制御基板110は、図23に示すように、遊技盤9の背面側に配置される背面カバー83の下方に配置されている。
【0189】
演出制御基板120は、図22に示すように、遊技盤9の後方(背面)における左右方向の略中央且つ稍上方に配置されている。
演出制御基板120は、遊技盤9における主制御基板100の上方に配置されている。
【0190】
電源基板130は、図23に破線で示すように、枠制御基板110の前方に大部分が配置されている。電源基板130に設けられた電源スイッチ131は、枠制御基板110とずれた位置に位置しており、枠制御基板110に邪魔されることなく遊技機1の背面側から操作可能とされている。
【0191】
前枠中継基板160は、図17に示すように、前枠7の後方(背面)の下端付近に配置されている。
【0192】
上部装飾基板170は、図17に示すように、前枠7の後方(背面)の上端付近に配置されている。
【0193】
装飾基板180は、例えば、遊技機1の各所に配置された演出用LED27の近傍等の各所に配置されている。
【0194】
<5.QRコードの配置>
遊技機1の各所にはQRコード200が配置され、設けられ、形成され、配され、掲示され、或いは表示されている。遊技機1におけるQRコード200の配置例について添付図を参照して説明する。
【0195】
<5-1.内枠におけるQRコード>
遊技機1が備える内枠5の各部に配置されたQRコード200について説明する。
先ず、遊技機1の前面側であって、内枠5に保持された遊技盤9における下部には、遊技機1のシリアルナンバー等が記載された証紙シール85が貼付されている(図18等参照)。
【0196】
証紙シール85には、QRコード200が配置されている。証紙シール85に配置されたQRコード200を「証紙QRコード200a」と記載する。
【0197】
遊技機1における証紙シール85の貼付場所は遊技盤9における下部であり、例えば、図18に破線で示す証紙配置領域Ar1に含まれ、遊技盤9の右下端付近に配置されている。前枠7に配置されているキーシリンダ15の遊技者側から見て裏側に該当する箇所であり、作業者がキーシリンダ15に鍵を差し込み、前枠7を開放したときの作業者の手元に当たる箇所であるため、証紙シール85が配置されていることに気が付きやすい。 また、前枠7が閉まっている状態で遊技者が遊技機1に正対したときに、証紙QRコード200aの一部または全て、もしくは、証紙QRコード200aの近傍に配置された文字情報87aの一部または全てが前枠7に重なり、遊技者から証紙QRコード200a及び文字情報87aの少なくとも一つが、一部または全てが視認不能となるように証紙シール85が配置されることが望ましい。
【0198】
遊技盤9には、更に、遊技機1の性能の一部が掲示された性能表示シール86が貼付されている。
性能表示シール86には、遊技機1の機種名や各入賞口へ入賞した際の賞球数や大当り抽選の当選確率等の情報のうちの少なくとも一部が表示されている。
【0199】
性能表示シール86には、QRコード200が配置されている。性能表示シール86に配置されたQRコード200を「性能表示QRコード200b」と記載する。
【0200】
遊技機1における性能表示シール86の貼付場所は、遊技盤9の端部付近であり、例えば、図24に破線で示す性能表示シール配置領域Ar2に含まれた何れかの場所とされている。具体的には、性能表示シール配置領域Ar2は、遊技盤9の下端部付近や四隅付近とされている。
【0201】
遊技機1の内枠5には、証紙QRコード200aや性能表示QRコード200b以外にもQRコード200が配置され得る。
これら内枠5に配置されるQRコード200を「内枠QRコード200c」と記載する。
【0202】
内枠QRコード200cの配置場所は、図25に破線で示すように、内枠上配置領域Ar3に含まれている。具体的には、遊技盤9における遊技領域37の周囲(遊技盤9の端部付近)や遊技盤9の下方の領域などが、内枠上配置領域Ar3として設けられている。
【0203】
図25の例では、内枠QRコード200cとして三つのQRコード200が配置されている。遊技盤9における右上の領域に配置された内枠QRコード200cを「内枠QRコード200c1」とする。
【0204】
また、遊技盤9における左下の領域に配置された内枠QRコード200cを「内枠QRコード200c2」とする。
更に、遊技盤9よりも下方の領域であって内枠5における下方の領域に配置された内枠QRコード200cを「内枠QRコード200c3」とする。
【0205】
<5-2.前枠におけるQRコード>
【0206】
続いて、遊技機1が備える前枠7に配置されているQRコード200について説明する。
前枠7の背面側(内側)には、QRコード200が配置され得る。このQRコードを「前枠QRコード200d」と記載する。
【0207】
前枠QRコード200dの配置場所は、図26に示すハッチング領域とされている。即ち、前枠QRコード200dの配置場所は、透明ガラス11の周囲において部品が配置された領域、即ち、後方から透明ガラス11を見たときに透明ガラス11の向こう側(遊技者側)が見えない領域とされている。
前枠QRコード200dの配置場所は、前枠上配置領域Ar4に含まれている。
【0208】
<5-3.主制御基板及び主基板ケースにおけるQRコード>
主制御基板100と主制御基板100が収納される主基板ケース300を備えている(図27図28参照)。
主基板ケース300は、主基板上ケース301と主基板下ケース302を有し二つの部材が組み合わされることにより主制御基板100が配置される配置空間が内部に形成される。
【0209】
主基板上ケース301及び主基板下ケース302には、主基板ケース300が組み合わされた密閉状態を維持するための封止手段(例えばカシメ部)と、主基板ケース300が開封された形跡が残留することにより密閉状態が維持されていることを検出する手段とされた開封禁止シール303が設けられている。
【0210】
このようにして構成された主制御基板100と主基板ケース300には、各所にQRコード200が配置されている。
【0211】
例えば、図27図28に示すように、主制御基板100上に実装された電子部品304の表面には電子部品QRコード200eが配置されている。
【0212】
また、主制御基板100における電子部品304が実装されていない領域には基板QRコード200fが配置されている。基板QRコード200fは、配線部材を避けて配置されていてもよいし、配線部材上に配置されていてもよい。
【0213】
主制御基板100が収納される主基板ケース300の主基板上ケース301には、主制御基板100を管理するための主基板管理シール305が貼付されている。主基板管理シール305には、基板管理QRコード200gが配置されている。
【0214】
更に、主基板ケース300に貼付される開封禁止シール303上には開封禁止QRコード200hが配置されている。
【0215】
主基板ケース300の主基板上ケース301には、基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200h以外にもQRコード200が配置(貼付や印刷)されている。このようなQRコード200を「ケースQRコード200i」と記載する。
【0216】
<5-4.演出制御基板及びサブ基板ケースにおけるQRコード>
演出制御基板120と演出制御基板120が収納されるサブ基板ケース320を備えている(図29図30参照)。
【0217】
サブ基板ケース320は、サブ基板上ケース321とサブ基板下ケース322を有し二つの部材が組み合わされることにより演出制御基板120が配置される配置空間が内部に形成される。
【0218】
本例における演出制御基板120は、2枚の基板が前後に組み合わされて構成されている。
【0219】
演出制御基板120における電子部品323が実装されていない領域には基板QRコード200fが配置されている。基板QRコード200fは、配線部材を避けて配置されていてもよいし、配線部材上に配置されていてもよい。
【0220】
演出制御基板120が収納されるサブ基板ケース320の表面には、ケースQRコード200iが配置されている。
【0221】
なお、主制御基板100や演出制御基板120以外の基板であって、例えば、枠制御基板110などの他の基板にもQRコード200は配置され得る。具体的には、基板上において電子部品が実装されていない領域には、基板QRコード200fが配置されている。そして、基板を保護する基板ケース上にはケースQRコード200iが配置されている。
【0222】
<5-5.LCDユニットにおけるQRコード>
LCDユニット57には、各種の画像Grが表示される。各画像Grの中には、QRコード200が含まれるものもある。
【0223】
LCDユニット57に表示される画像Grに含まれるQRコード200を「液晶QRコード200j」と記載する。
【0224】
LCDユニット57に表示される画像Grの例であって液晶QRコード200jが含まれる画像Grの一例を図31に示す。
図示する画像Grは、設定画面をユーザに提示するための画像Grである。画像Grには、左側の領域に複数の項目選択肢Ciが上下方向に並んで配置されており、右側の領域には液晶QRコード200jとその上下に説明文Txが配置されている。
なお、液晶QRコード200jの付近には、当該機種の主要なキャラクタのイラストで構成されたキャラクタ画像を説明文Txと併せて表示させてもよい。説明文Txとキャラクタ画像を併せて表示することで、遊技者が液晶QRコード200jを注目し易くし、見逃して遊技を開始してしまうことを防止できる。また、キャラクタ画像にて表示されているキャラクタは、演出図柄や背景画像に用いられるキャラクタと同種のキャラクタでも異なる種類のキャラクタでもよい。
【0225】
遊技者は、方向キー25bを操作することにより複数の項目選択肢Ciのうちの一つを選択状態にし、演出ボタン25aを操作することにより選択中の項目選択肢Ciを選択することができる。
【0226】
図31に示す液晶QRコード200jの表示タイミングは、客待ち状態中(図柄の変動が行われていない変動停止中の状態)であるが、遊技者が変動中に操作ボタン25を押し
たときやデモ画面状態中(客待ち状態から所定時間が経過して当該機種のイメージムービーを表示している状態)に表示してもよい。
【0227】
<6.各QRコードの特徴>
上述した各種のQRコード200の特徴について説明する。なお、以下の説明においては、遊技機1基準で方向を示すのではなく、QRコード200を正面視した状態において方向を表す。即ち、各QRコード200は、上辺と下辺と左辺と右辺とによって囲まれた矩形状とされている。
【0228】
<6-1.証紙QRコード>
証紙QRコード200aの特徴について説明する。
証紙QRコード200aの一例を図32に示す。
【0229】
証紙QRコード200aは、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209aは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、証紙QRコード200aにおける誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。
【0230】
証紙QRコード200aのクワイエットゾーン203aは、上下左右の4辺のうち、上辺と左辺と下辺の3辺については、枠幅L2aが小領域Asの1辺の長さL1aの4倍以上の長さとされている。
【0231】
一方、証紙QRコード200aのクワイエットゾーン203aにおける右辺の1辺については、枠幅L2aが小領域Asの1辺の長さL1aの4倍未満の長さとされている。
これにより、証紙QRコード200aの読み取りがし難くされている。
【0232】
証紙QRコード200aの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、証紙QRコード200aの近傍に配置された文字情報87aの一部が含まれている。なお、証紙QRコード200aのデータ領域211に格納される情報は、証紙QRコード200aの近傍に配置された文字情報87aであって、証紙QRコード200aが設けられた証紙シール85上に配置(印字)された文字情報87aが含まれる。
【0233】
また、証紙QRコード200aのデータ領域211に格納される情報は、1台1台の遊技機1を一意に特定可能な情報(製造番号等)が格納される。即ち、証紙QRコード200aのデータ領域211に格納される情報は、遊技機1ごとに異なる情報が含まれている。
【0234】
<6-2.性能表示QRコード>
性能表示QRコード200bの特徴について説明する。
性能表示QRコード200bの一例を図33に示す。
【0235】
性能表示QRコード200bは、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209bは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、性能表示QRコード200bにおける誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0236】
性能表示QRコード200bのクワイエットゾーン203bは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2bが小領域Asの1辺の長さL1bの4倍以上の長さとされている。
これにより、性能表示QRコード200bの読み取りがし易くされている。
【0237】
性能表示QRコード200bの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、性能表示QRコード200bの近傍に配置された文字情報87bが含まれないものとされている。
【0238】
<6-3.内枠QRコード>
内枠QRコード200cの特徴について説明する。
内枠QRコード200cの一例を図34に示す。
【0239】
図34に示す内枠QRコード200cは、図25に示す内枠QRコード200c1を示したものである。
【0240】
内枠QRコード200c1は、遊技盤9の右上に貼付された管理用シール88c1において文字情報87cと共に配置されている。
【0241】
内枠QRコード200c1は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられているバージョン2のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209cは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、内枠QRコード200c1における誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0242】
内枠QRコード200c1のクワイエットゾーン203cは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2cが小領域Asの1辺の長さL1cの4倍以上の長さとされている。
【0243】
内枠QRコード200c1の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c1の近傍に配置された文字情報87cの一部が含まれている。なお、内枠QRコード200c1のデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c1の近傍に配置された文字情報87cであって、内枠QRコード200c1が配置された管理用シール88c1上に配置(印字)された文字情報87cである。
【0244】
なお、内枠QRコード200c1が配置された管理用シール88c1は、図34のA-A断面図に示すように、遊技盤9に設けられた位置決め凹部89に収まるように貼付されている。位置決め凹部89は、管理用シール88c1を所定の位置に貼付するための目印として遊技盤9上に形成されている。
【0245】
内枠QRコード200cの別の例について図35に示す。
図35に示す内枠QRコード200cは、図25に示す内枠QRコード200c2を示したものである。
【0246】
内枠QRコード200c2は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられているバージョン3のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209cは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、内枠QRコード200c2における誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0247】
内枠QRコード200c2のクワイエットゾーン203cは、上下左右の4辺のうち、左辺と右辺と下辺の3辺については、枠幅L2cが小領域Asの1辺の長さL1cの4倍以上の長さとされている。
【0248】
一方、内枠QRコード200c2のクワイエットゾーン203cにおける上辺の1辺については、枠幅L2cが小領域Asの1辺の長さL1cの4倍未満の長さとされている。
これにより、内枠QRコード200c2の読み取りがし難くされている。
【0249】
内枠QRコード200c2の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c2の近傍に配置された文字情報87cの一部が含まれている。なお、内枠QRコード200c2のデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c2の近傍に配置された文字情報87cであって、内枠QRコード200c2が設けられた管理用シール88c2上に配置(印字)された文字情報87cが含まれる。
【0250】
なお、内枠QRコード200c2が配置された管理用シール88c2は、図35に示すように、遊技盤9に設けられた位置決め枠90c2の中に収まるように貼付されている。位置決め枠90c2は、図35のB-B断面図に示すように、管理用シール88c2を所定の位置に貼付するための目印として遊技盤9上に形成された枠状の溝とされている。
【0251】
内枠QRコード200cの更に別の例について図36に示す。
図36に示す内枠QRコード200cは、図25に示す内枠QRコード200c3を示したものである。
【0252】
内枠QRコード200c3は、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209cは、左右の双方の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、内枠QRコード200c3における誤り訂正レベルは、約30%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルHとされている。
【0253】
内枠QRコード200c3のクワイエットゾーン203cは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2cが小領域Asの1辺の長さL1cの4倍以上の長さとされている。
【0254】
内枠QRコード200c3の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c3の近傍に配置された文字情報87cと完全一致している。内枠QRコード200c3のデータ領域211に格納される情報は、内枠QRコード200c3の近傍に配置された文字情報87cであって、内枠QRコード200c3が設けられた管理用シール88c3上に配置(印字)された文字情報87cが含まれる。
【0255】
なお、内枠QRコード200c3が配置された管理用シール88c3は、図36に示すように、内枠5に設けられた位置決め印91c3で囲まれた領域に収まるように貼付されている。位置決め印91c3は、管理用シール88c3を所定の位置に貼付するための目印として内枠5上に印字されたインク等によって形成されている。
【0256】
以上幾つかの例を示して説明したように、遊技機1においては、内枠QRコード200cとして各種のQRコード200が配置されている。
【0257】
<6-4.前枠QRコード>
前枠QRコード200dの特徴について説明する。
前枠QRコード200dの一例を図37に示す。
【0258】
前枠QRコード200dは、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン3のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209dは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、前枠QRコード200dにおける誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。
【0259】
前枠QRコード200dのクワイエットゾーン203dは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2dが小領域Asの1辺の長さL1dの4倍以上の長さとされている。
【0260】
前枠QRコード200dの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、前枠QRコード200dの近傍に配置された文字情報87dの一部が含まれている。なお、前枠QRコード200dのデータ領域211に格納される情報は、前枠QRコード200dの近傍に配置された文字情報87dであって、前枠QRコード200dが設けられた管理用シール88d上に配置(印字)された文字情報87dが含まれる。
【0261】
前枠QRコード200dが配置された管理用シール88dは、図37に示すように、前枠7に設けられた位置決め枠90dで囲まれた領域に収まるように貼付されている。位置決め枠90dは、図37のC-C断面図に示すように、管理用シール88dを所定の位置に貼付するための目印として前枠7上に設けられた枠状の峰部として形成されている。
【0262】
なお、図26においては、前枠7に前枠QRコード200dが一つだけ配置されている例を示しているが、二つ以上の前枠QRコード200dが配置されていてもよい。
また、前枠7における下部だけでなく上部や左右に前枠QRコード200dが配置されていてもよい。
【0263】
<6-5.電子部品QRコード>
電子部品QRコード200eの特徴について説明する。
電子部品QRコード200eの一例を図38に示す。
【0264】
電子部品QRコード200eはICチップなどの電子部品304上に配置されたQRコード200であり、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン3のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209eは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、電子部品QRコード200eにおける誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。なお、電子部品QRコード200eは、電子部品304上にレーザー印刷などの手段で直接印字される方がよい。電子部品QRコード200eをシールに配置し、シールを電子部品304上に貼付すると、電子部品304で発生した熱によってシールの粘着剤が溶けて、シールが電子部品304から?がれてしまう恐れがあるため、電子部品304に直接印字する態様が望ましい。 また、電子部品QRコード200eは、主基板管理シール305や放熱孔とは重ならないように配置する。主制御基板100が主基板ケース300に格納された状態でも電子部品QRコード200eを読み取り可能とし、電子部品QRコード200eの読み取りを簡便化することができる。
【0265】
電子部品QRコード200eのクワイエットゾーン203eは、上下左右の4辺のうち、左辺と右辺の2辺については、枠幅L2eが小領域Asの1辺の長さL1eの4倍以上の長さとされている。
【0266】
一方、電子部品QRコード200eのクワイエットゾーン203eにおける上辺と下辺の2辺については、枠幅L2eが小領域Asの1辺の長さL1eの4倍未満の長さとされている。
これにより、電子部品QRコード200eの読み取りがし難くされている。
【0267】
電子部品QRコード200eの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、電子部品QRコード200eの近傍に配置された文字情報87eの一部が含まれている。なお、電子部品QRコード200eのデータ領域211に格納される情報は、電子部品QRコード200eの近傍に配置された文字情報87eであって、電子部品QRコード200eが設けられた電子部品304上に配置(印字)された文字情報87eが含まれる。
【0268】
電子部品QRコード200eは、明領域As0と暗領域As1の明度差が白と黒の明度差よりも小さくされている。これにより、他のQRコード200と比較して電子部品QRコード200eの読み取りは更にし難くされている。なお、色の明度における基準は、日本工業規格の「色の表示方法-三属性による表示」(JIS8721-1993)に準ずる。
【0269】
なお、電子部品QRコード200eは、明領域As0の色が電子部品304の表面の色と同色とされている。これにより、クワイエットゾーン203を形成するための塗料やシール等を用いずに済み、コストダウンが図られる。
【0270】
また、電子部品QRコード200eは、基板の表面よりも基板の厚み方向にずれた位置に位置している。QRコード200の読み取りでは、読み取り装置としてのスマートフォンのカメラ機能の画角内に電子部品QRコード200eを位置させた状態で電子部品304の表面に合焦する必要がある。しかし、読み取り操作では、電子部品304よりも先に基板が画角内に入るため、基板に合焦されてしまう。その状態で電子部品QRコード200eを画角内に捉えたとしても、基板に対してカメラの光軸方向にずれた位置に電子部品QRコード200eが位置しているため、再合焦し難くQRコード200の読み取りがし難くされている。
【0271】
<6-6.基板QRコード>
基板QRコード200fの一例を図39に示す。
【0272】
基板QRコード200f1は、主制御基板100上に配置されたQRコード200である。基板QRコード200f1は、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209fは、左右の双方の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、基板QRコード200f1における誤り訂正レベルは、約7%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルLとされている。
【0273】
基板QRコード200f1のクワイエットゾーン203fは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2fが小領域Asの1辺の長さL1fの4倍以上の長さとされている。
【0274】
基板QRコード200f1の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、基板QRコード200f1の近傍に配置された文字情報87fの一部が含まれている。なお、基板QRコード200f1のデータ領域211に格納される情報は、基板QRコード200f1の近傍に配置された文字情報87fであって、基板QRコード200f1が設けられた管理用シール306f1外に配置(印字)された文字情報87fが含まれる。
【0275】
基板QRコード200f1が配置された管理用シール306f1は、上記した管理用シール88などとは異なり、角部306f1aが丸みを帯びた形状とされている。
【0276】
また図39に示すように、管理用シール306f1は、位置決め印91f1と主制御基板100の縁部によって囲まれた領域に収まるように貼付されている。位置決め印91f1は、管理用シール306f1を所定の位置に貼付するための目印として主制御基板100上に印字されたインク等によって形成されている。
【0277】
なお、位置決め印91f1には、主制御基板100に対して管理用シール306f1を正しい向きで貼付するための向きマーク92が設けられている。
図39の例では、管理用シール306f1の右上の位置を示すように向きマーク92が設けられている。これに限らず管理用シール306f1の左上の位置を示す態様や左下の位置を示す態様や右下の位置を示す態様で向きマーク92が設けられていてもよい。
【0278】
基板QRコード200fの別の例を図40に示す。
基板QRコード200f2は、演出制御基板120上に配置されたQRコード200である。基板QRコード200f2は、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209fは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、基板QRコード200f2における誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0279】
基板QRコード200f2のクワイエットゾーン203fは、上下左右の4辺のうち、左辺と上辺と下辺の3辺については、枠幅L2fが小領域Asの1辺の長さL1fの4倍以上の長さとされている。
【0280】
一方、基板QRコード200f2のクワイエットゾーン203fにおける右辺については、枠幅L2fが小領域Asの1辺の長さL1fの4倍未満の長さとされている。
これにより、基板QRコード200f2の読み取りがし難くされている。
【0281】
基板QRコード200f2の近傍には文字等が配置されていない。従って、基板QRコード200f2の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、基板QRコード200f2の近傍の情報を含んでいない。
【0282】
基板QRコード200f2が配置された管理用シール324f2は、上記した管理用シール306f1などとは異なり、角部324f2aが丸みを帯びておらず直角形状とされている。
【0283】
また図40に示すように、管理用シール324f2は、演出制御基板120上の位置決め印91f2が形成された領域内に収まるように貼付されている。位置決め印91f2は、管理用シール324f2を所定の位置に貼付するための目印として演出制御基板120上に形成された領域である。位置決め印91f2は、例えば、位置決め印91f2の周囲とは異なる色で形成されることにより演出制御基板120上に設けられている。また、基板QRコード200f2は、サブ基板上ケース321上に設けられている放熱孔などと重ならないように演出制御基板120上に配置されることが望ましい。
【0284】
基板QRコード200fの更に別の例を図41に示す。
基板QRコード200f3は、演出制御基板120上に配置されたQRコード200である。基板QRコード200f3は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン2のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209fは、左右の双方の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、基板QRコード200f3における誤り訂正レベルは、約30%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルHとされている。
【0285】
基板QRコード200f3のクワイエットゾーン203fは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2fが小領域Asの1辺の長さL1fの4倍以上の長さとされている。
【0286】
基板QRコード200f3の近傍には文字等が配置されていない。従って、基板QRコード200f3の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、基板QRコード200f3の近傍の情報を含んでいない。
【0287】
基板QRコード200f3が配置された管理用シール324f3は、上記した管理用シール306f1などとは異なり、角が直角形状とされている。
【0288】
また図41に示すように、管理用シール324f3は、演出制御基板120上に形成された位置決め印91f3の内側に収まるように貼付されている。位置決め印91f3は、管理用シール324f3を所定の位置に貼付するための目印として演出制御基板120上にインク等により描かれたマークである。位置決め印91f3は、例えば、管理用シール324f3の右上の位置と左下の位置を示唆するように設けられている。また、基板QRコード200f3は、サブ基板上ケース321上に設けられている放熱孔などと重ならないように演出制御基板120上に配置されることが望ましい。
【0289】
<6-7.基板管理QRコード>
基板管理QRコード200gの特徴について説明する。
基板管理QRコード200gの一例を図42に示す。
【0290】
基板管理QRコード200gは、主制御基板100が格納された主基板ケース300上に貼付される主基板管理シール305に印字されたQRコード200である。基板管理QRコード200gは、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209gは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、基板管理QRコード200gにおける誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。
【0291】
基板管理QRコード200gのクワイエットゾーン203gは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2gが小領域Asの1辺の長さL1gの4倍以上の長さとされている。
【0292】
主基板管理シール305には、印字領域307が上方に設けられている。印字領域307には、基板管理QRコード200gとその近傍に文字情報87gが印字されている。文字情報87gは、主制御基板100に与えられたシリアル番号とされている。なお、主基板管理シール305上に配置されている文字情報87gと証紙シール85上に配置されている文字情報87aは一部が一致するようにしてもよい。文字情報87gと文字情報87aを照合し、一部を一致させることで、遊技機1の製造工程において、主制御基板100が意図していない遊技機1に配置されてしまうことを抑制できる。
【0293】
基板管理QRコード200gの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、基板管理QRコード200gの近傍に配置された文字情報87gとしてのシリアル番号が一部として含まれている。
【0294】
基板管理QRコード200gが配置された主基板管理シール305は、図42に示すように、主基板ケース300に設けられた位置決め凸部93で囲まれ、放熱孔が存在しない領域に収まるように貼付されている。放熱孔が存在しない平面部分に主基板管理シール305を貼付することで、放熱孔の凹凸上に基板管理QRコード200gが配置されることによる読み取り精度の悪化を抑制することができる。
位置決め凸部93は、図42のD-D断面図に示すように、L字状且つ主基板ケース300の主基板上ケース301から内部空間側(主基板下ケース302側)に凸形状に形成されている。また、位置決め凸部93は、主基板上ケース301の表面から屹立する凸形状に形成されてもよい。
【0295】
主制御基板100及び主基板ケース300が遊技機1に設置されている場合に、基板管理QRコード200gの配置面が、主制御基板100に配置されている電子部品304の上面及び主基板上ケース301の上面の中でも、最も遊技機1の後方に位置する面となるのが望ましい。遊技機1に設置されている基板管理QRコード200gを読み取るときに、基板管理QRコード200gの配置面よりも後方に突出している部品が基板管理QRコード200gの上部に存在した場合、光の当たり方によっては基板管理QRコード200g上に影ができてしまい、基板管理QRコード200gの読み取り精度が悪化する。主制御基板100に配置されている電子部品304の上面及び主基板上ケース301の上面の中でも、基板管理QRコード200gの配置面を最も後方に位置している面にすることで、基板管理QRコード200g上に影が発生してしまうことを抑制し、基板管理QRコード200gの読み取り精度を向上させることが可能である。
【0296】
主制御基板100において、主基板管理シール305の横幅領域の上部に該当する箇所、即ち、主基板管理シール305の直上には、ハーネスなどを接続する接続部品を配置しないことが望ましい。主制御基板100及び主基板ケース300が遊技機1に設置され、基板管理QRコード200gの読み取りを行うときに、光の当たり方によっては基板管理QRコード200g上にハーネスの影ができてしまい基板管理QRコード200gの読み取り精度が悪化する。主制御基板100において、主基板管理シール305の横幅領域の上部に該当する箇所にハーネスなどを接続する接続部品を配置しないことで、基板管理QRコード200g上に影が発生してしまうことを抑制し、基板管理QRコード200gの読み取り精度を向上させることができる。
【0297】
<6-8.開封禁止QRコード>
開封禁止QRコード200hの特徴について説明する。
開封禁止QRコード200hの一例を図43に示す。
【0298】
開封禁止QRコード200hは、主基板ケース300に貼付された開封禁止シール303上に配置されたQRコード200である。
【0299】
開封禁止シール303は、縁部に飾り模様309が施され、各種の文字情報87hやマークなどが開封禁止QRコード200hと共に配置されている。開封禁止シール303には更に、開封禁止シール303を剥がしにくくするためのクロス状の切り込み310が所定の間隔で形成されている。また、開封禁止シール303においては、主基板ケース300から剥がされた場合には主基板ケース300側にその痕跡が残るように構成されている。
【0300】
なお、切り込み310は、開封禁止QRコード200hの読み取りの障害とはならない態様で形成されている。また、切り込み310は、開封禁止QRコード200h上には形成しないようにしてもよい。
【0301】
開封禁止QRコード200hは、例えば、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209hは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、開封禁止QRコード200hにおける誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。
【0302】
開封禁止QRコード200hのクワイエットゾーン203hは、飾り模様309と最外周の小領域Asの間の領域として形成されている。クワイエットゾーン203hは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2hが小領域Asの1辺の長さL1hの4倍以上の長さとされている。
【0303】
開封禁止QRコード200hの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、開封禁止QRコード200hの近傍に配置された文字情報87hを含まない。開封禁止QRコード200hの近傍には主制御基板100を一意に特定可能なシリアル番号が文字情報87hとして印字されているが、開封禁止QRコード200hの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は当該シリアル番号とは異なるユニークなIDが格納されている。
【0304】
開封禁止QRコード200hが配置された開封禁止シール303は、図27に示すように、主基板ケース300の上面と側面と下面に亘るように折り曲げられて貼り付けられる。そして、主基板ケース300の主基板上ケース301と主基板下ケース302が分離された場合、即ち、主基板ケース300が開封された場合には、図示しないカッター機構によって開封禁止QRコード200hが破断されるように構成されている。
更に、カッター機構による開封禁止QRコード200hの破断箇所について、位置検出パターン204の少なくとも1つと重なる箇所または、開封禁止QRコード200hが誤り訂正可能な符号化領域210よりも大きい領域を破断するような箇所を破断箇所として、開封禁止QRコード200hが読み取り不能となるようにしてもよい。
【0305】
<6-9.ケースQRコード>
ケースQRコード200i1の特徴について説明する。
ケースQRコード200i1の一例を図44に示す。
【0306】
ケースQRコード200i1は、主基板上ケース301に貼付された機種名表示シール308上に配置されたQRコード200である。ケースQRコード200i1は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン6のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209iは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、ケースQRコード200i1における誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0307】
ケースQRコード200i1のクワイエットゾーン203iは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2iが小領域Asの1辺の長さL1iの4倍以上の長さとされている。
【0308】
ケースQRコード200i1の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、ケースQRコード200i1の近傍に配置された文字情報87iの一部が含まれている。なお、ケースQRコード200i1のデータ領域211に格納される情報は、ケースQRコード200i1の近傍に配置された文字情報87iであって、ケースQRコード200i1が設けられた機種名表示シール308上に配置(印字)された文字情報87iが含まれる。
【0309】
ケースQRコード200i1が配置された機種名表示シール308は、図44に示すように、主基板ケース300に設けられた位置決め凸部93で囲まれた領域に収まるように貼付されている。位置決め凸部93は、図44のE-E断面図に示すように、機種名表示シール308の3辺を囲むコ字状且つ主基板上ケース301の表面から屹立する凸形状に形成されている。
【0310】
ケースQRコード200iの別の例を図45に示す。
ケースQRコード200i2は、主基板上ケース301に貼付された管理用シール306i2上に配置されたQRコード200である。ケースQRコード200i2は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン2のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209iは、左右の双方の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、ケースQRコード200i2における誤り訂正レベルは、約30%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルHとされている。
【0311】
ケースQRコード200i2のクワイエットゾーン203iは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2iが小領域Asの1辺の長さL1iの4倍以上の長さとされている。
【0312】
ケースQRコード200i2の近傍には文字等が配置されていない。従って、ケースQRコード200i2の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、ケースQRコード200i2の近傍の情報を含んでいない。
【0313】
管理用シール306i2は、図45に示すように、主基板上ケース301に形成された位置決め凸部93に基づく位置に貼付されている。具体的に、位置決め凸部93は、管理用シール306i2を所定の位置に貼付するための目印として主基板上ケース301に形成されている。位置決め凸部93は、図45のF-F断面図に示すように、管理用シール306i2の右辺と下辺の2辺に沿ったL字状且つ主基板上ケース301から内部空間側(主基板下ケース302側)に凸形状に形成されている。
【0314】
ケースQRコード200iの更に別の例を図46に示す。
ケースQRコード200i3は、サブ基板上ケース321に貼付された管理用シール324i3上に配置されたQRコード200である。ケースQRコード200i3は、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン3のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209iは、左の小領域Asが明領域As0且つ右の小領域Asが暗領域As1によって構成されている。即ち、ケースQRコード200i3における誤り訂正レベルは、約25%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルQとされている。
【0315】
ケースQRコード200i3のクワイエットゾーン203iは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2iが小領域Asの1辺の長さL1iの4倍以上の長さとされている。
【0316】
ケースQRコード200i3の符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、ケースQRコード200i3の近傍に配置された文字情報87iであって、ケースQRコード200i3が設けられた管理用シール324i3上に配置(印字)された文字情報87iが含まれる。
【0317】
図46に示すように、管理用シール324i3は、サブ基板上ケース321に形成された位置決め凸部93に基づく位置に貼付されている。具体的に、位置決め凸部93は、管理用シール324i3を所定の位置に貼付するための目印として主基板上ケース301に形成されている。位置決め凸部93は、図46のG-G断面図に示すように、管理用シール324i3の四辺に沿ったロ字状且つ主基板上ケース301から内部空間側(主基板下ケース302側)に凸形状に形成されている。
【0318】
<6-10.液晶QRコード>
液晶QRコード200jの特徴について説明する。
液晶QRコード200jの一例を図47に示す。
【0319】
液晶QRコード200jは、LCDユニット57上に表示される画像上に配置されたQRコード200である。
【0320】
該画像においては、複数の選択ボタン94と共に液晶QRコード200jが配置されている。
【0321】
液晶QRコード200jは、例えば、アライメントパターン205が一つ設けられたバージョン6のQRコード200とされている。誤り訂正レベル領域209jは、左の小領域Asが暗領域As1且つ右の小領域Asが明領域As0によって構成されている。即ち、液晶QRコード200jにおける誤り訂正レベルは、約15%の誤りを訂正可能な誤り訂正レベルMとされている。
【0322】
液晶QRコード200jは、囲み線95によって囲まれた領域の略中央に配置されている。囲み線95と最外周の小領域Asの間の領域がクワイエットゾーン203jとされている。
【0323】
液晶QRコード200jのクワイエットゾーン203jは、上下左右の4辺全てにおいて、枠幅L2jが小領域Asの1辺の長さL1jの4倍以上の長さとされている。
【0324】
液晶QRコード200jの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、液晶QRコード200jの近傍に配置された文字情報87jの一部は含まれていない。液晶QRコード200jの符号化領域210におけるデータ領域211に格納される情報は、ネットワーク上における情報の格納場所を示す情報(即ちURL:Uniform Resource Locator)とされている。また、液晶QRコード200jの近傍に配置された文字情報87jは、液晶QRコード200jの読み取りを促すテキスト情報とされている。
【0325】
液晶QRコード200jの読み取りを行うことにより得られるURL情報にアクセスすると、遊技者は機種情報の詳細など有益な情報を得ることが可能である。
【0326】
液晶QRコード200jの他に、当該機種情報を含むQRコードの配置箇所として、前枠7に設けられているサイドユニット13上の遊技者が正面から視認可能な領域に配置してもよい。その場合、誤り訂正レベルは、液晶QRコード200jの誤り訂正レベルよりも高いものを設定する方がよい。液晶QRコード200jは、照明が少ない暗い環境下でも、LCDユニット57の明るさを調整することで読み取りし易くすることが可能である一方、サイドユニット13上の遊技者が正面から視認可能な領域に配置されたQRコード200は、QRコード200の配置面の明るさの調整を行うことができないため、液晶QRコード200jよりも読み取りし難いものとなってしまう。そこで、サイドユニット13上の当該QRコード200の誤り訂正レベルを液晶QRコード200jよりも高く設定することで、読み取り精度を損なうことなく、サイドユニット13上に当該QRコード200を配置することが可能である。
【0327】
<7.QRコードの比較>
上述した各種のQRコード200の比較について幾つかの例を述べる。
<7-1.液晶QRコードと証紙QRコード>
液晶QRコード200j(図47参照)と証紙QRコード200a(図32参照)の比較について説明する。なお、以下の説明においては、液晶QRコード200jを「第1QRコード200A」と記載し、証紙QRコード200aを「第2QRコード200B」と記載することもある。
【0328】
LCDユニット57上に配置される液晶QRコード200jは、遊技者に対して遊技に係る情報を提供する用途で提示されるQRコード200である。遊技者に提供する情報は多く、QRコード200のバージョンを上げたとしてもQRコード200の符号化領域210におけるデータ領域211の容量に収まらない可能性が高い。また、遊技者に提供したい情報は文字情報だけでなく画像情報を含むことが多いため、QRコード200だけで完結することは難しい。
【0329】
従って、液晶QRコード200jのデータ領域211に格納する情報は、遊技情報を載せたウェブページについてのURL情報が最適である。
【0330】
一方、証紙シール85に配置される証紙QRコード200aは、紙に印字されたQRコード200であり、遊技機1のメーカーや導入先となるホールにおける管理用途で用いられるQRコード200である。具体的には、証紙QRコード200aに格納された製造番号と開封禁止シール303に配置された開封禁止QRコード200hに格納された製造番号を紐付けすることにより、製造された遊技機1ごとに納品先のホールを特定可能にされる。そして、遊技機1が設置される予定のホールにおいては、事前に通達された遊技機1が適切に届けられたかを確認する用途に証紙QRコード200aが用いられる。
【0331】
証紙QRコード200aに格納される情報は、遊技機1を製造したメーカーを特定する情報、製造年、証紙シール85が貼付された部品情報を示す記号、製造番号などとされる。即ち、証紙QRコード200aに格納された情報は、関係者のみが把握できるような英数字の羅列情報とされている。
【0332】
これらを鑑みると、液晶QRコード200jに格納されるURL情報は、製造用や管理用に用いられる文字情報よりも文字数が多くなりがちであり、QRコード200の大きさが大きくなりやすい。
【0333】
また、LCDユニット57上に表示される画像上に配置される液晶QRコード200jは、ボタンや図柄など他の表示物とできるだけ被らないようにする必要がある。例えば、液晶QRコード200jにおいては、読み取り容易性を向上させるために、QRコード200を透過させ他の表示物に重畳させる構成などは好ましくない。
【0334】
従って、LCDユニット57上に複数の表示物を配置することを考えると、液晶QRコード200jのバージョンを下げることにより液晶QRコード200jの大きさを小さくすることや、生成した液晶QRコード200jを縮小して配置することが考えられる。
【0335】
しかし、バージョンを下げてしまうと保有可能な情報量が減少してしまい格納予定のURLが収まりきらなくなってしまう。また、縮小して配置してしまうと、読み取り精度が低下し遊技者に不便が生じてしまう。特に、遊技者が使用する読み取り装置としてのスマートフォンの性能により好適な読み取りが不可能となってしまう可能性がある。
【0336】
本実施の形態における液晶QRコード200jは、証紙QRコード200aよりも誤り訂正レベルを低くし、符号化領域210における訂正符号領域212のデータ量を削減することにより、符号化領域210におけるデータ領域211の容量を増加させると共にQRコード200のサイズも小さくしている。
【0337】
また、液晶QRコード200jの誤り訂正レベルを低くすることで、遊技機1に不具合が生じLCDユニット57に適切な画像が表示できなくなった場合に液晶QRコード200jの誤り訂正がされ難くなり正常な読み取りがし難くなる。これにより、遊技機1における不具合の発生を遊技者に察知させやすくすることができる。
【0338】
即ち、液晶QRコード200jにおいては、ある程度のバージョン(例えばバージョン2以上)にすることで格納可能な情報量を確保するが、大きさを確保しつつ誤り訂正レベルを低くすることで訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量を確保しつつQRコード200の大きさが大きくなりすぎてしまうことを抑制することが好ましい。
【0339】
一方、証紙QRコード200aが配置された証紙シール85は、遊技領域37が大部分を占めた遊技盤9に貼付されている。即ち、限られた面積において管理上必要な情報を表示するために、証紙シール85においてはQRコード200が好適に用いられている。
【0340】
このような証紙QRコード200aは、大きさが大きくなってしまうと限られたスペースに収まりきれなくなってしまうため、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200を採用するのが好適である。
【0341】
証紙QRコード200aは、上述のように、予定通りの遊技機1が納品されたか否かを判定するために用いられるQRコード200である。従って、遊技機1の配送中に証紙シール85が多少汚れてしまったとしても、証紙QRコード200aの読み取りは適切に行えることが望ましい。
【0342】
また、証紙QRコード200aは、ホールの環境下での読み取りが想定されている。ホール環境は、遊技機1の演出による発光を際立たせるためにホール照明を暗めに設定しているところが多い。
従って、証紙QRコード200aとホール照明の位置関係によっては影ができてしまいQRコード200の読み取りに支障を来す虞がある。
【0343】
そのため、証紙QRコード200aの誤り訂正レベルは高くすることが望ましい。
【0344】
それに対して、液晶QRコード200jはそれ自体が発光しているLCDユニット57上において提示されるため、ホール環境による照明の暗さに影響を受けることが少なく、誤り訂正レベルを高くしなくても読み取りを好適に行える可能性が高い。
【0345】
以上の点を踏まえて液晶QRコード200j(第1QRコード200A)と証紙QRコード200a(第2QRコード200B)を比較すると、誤り訂正レベルについては、証紙QRコード200aよりも液晶QRコード200jの方を低く設定することが好ましい。
【0346】
また、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、証紙QRコード200aよりも液晶QRコード200jの方を多くすることが好ましい。
【0347】
更に、読み取り操作を行う人物が遊技者であり読み取り装置としてのスマートフォンの撮像解像度にばらつきがあることを踏まえると、QRコード200の小領域As(セルCe)の大きさについては、証紙QRコード200aよりも液晶QRコード200jの方を大きくすることが望ましい。
【0348】
<7-2.遊技者が視認可能なQRコードと主基板ケースに関するQRコード>
遊技者が視認可能なQRコード200とは、例えば、液晶QRコード200j(図47参照)や性能表示QRコード200b(図33参照)などである。ここでは、液晶QRコード200jや性能表示QRコード200bを総称する場合に「第1QRコード200A」と記載する。
【0349】
主基板ケース300に関するQRコード200とは、例えば、基板管理QRコード200g(図42参照)や開封禁止QRコード200h(図43参照)や上述したケースQRコード200i1(図44参照)、ケースQRコード200i2(図45参照)などである。ここでは、基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hや上述したケースQRコード200i1、200i2などを総称する場合に「第2QRコード200B」と記載する。
【0350】
液晶QRコード200jについては、上述したように、ある程度のバージョン(例えばバージョン2以上)を採用しつつ誤り訂正レベルを低くすることで、データ領域211の容量を増加させつつ遊技機1における不具合の発生を遊技者に察知させやすくすることが好適である。
【0351】
基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hやケースQRコード200i1やケースQRコード200i2は、主に管理のために製造者やホール関係者によって読み取られるQRコード200である。
【0352】
特に、基板管理QRコード200gについては、主基板管理シール305上に配置されたQRコード200であり、証紙QRコード200aに格納された製造番号と組み合わされることにより、製造された遊技機1ごとの納品先のホールを特定する際に用いられる。
【0353】
基板管理QRコード200gについては更に、主制御基板100に付与されたシリアル番号が格納されている。
【0354】
従って、証紙QRコード200aと基板管理QRコード200gの何れか一方のみを読み取ることで納品された遊技機1が適切であるか否かを判定できるだけでなく、何れか一方のシールが剥がされていたとしてもその遊技機1の出荷時期などを特定することが可能となる。
【0355】
また、基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hなどの第2QRコード200Bは、主基板ケース300に配置されているQRコード200であるため、主基板ケース300に格納された状態の主制御基板100に対する視認性を確保することにより主制御基板100に対する不正防止を図るために小さなものにすることが望ましい。
【0356】
即ち、第2QRコード200Bは、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とすることが望ましい。そして、縮小したQRコード200では主制御基板100を管理する上で必要な読み取り操作がし難くなってしまうことからも、第2QRコード200Bはバージョン1であることが望ましい。
【0357】
また、主基板ケース300上に配置された第2QRコード200Bの読み取りをホールで行う場合には、遊技機1の内枠5を前方に開放した状態で行われることが想定される。このとき、ホール関係者は開放された内枠5の背面側を覗き込むような姿勢で読み取りを行うため、安定した読み取り姿勢を取ることができずに読み取り容易性が悪化してしまう虞が高い。そして、製造過程や出荷段階で第2QRコード200Bが汚れてしまうことも想定される。
従って、第2QRコード200Bの誤り訂正レベルは高い方が望ましい。
【0358】
以上の点を踏まえて第1QRコード200Aと第2QRコード200Bを比較すると、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を多くすることが好ましい。
【0359】
また、誤り訂正レベルについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を低く設定することが好ましい。
【0360】
更に、読み取り操作を行う人物が遊技者であり読み取り装置としてのスマートフォンの撮像解像度にばらつきがあることを踏まえると、小領域As(セルCe)の大きさについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を大きくすることが望ましい。
【0361】
<7-3.遊技者が視認可能なQRコードと電子部品QRコード>
遊技者が視認可能なQRコード200とは、例えば、液晶QRコード200j(図47参照)や性能表示QRコード200b(図33参照)などである。ここでは、液晶QRコード200jや性能表示QRコード200bを総称する場合に「第1QRコード200A」と記載する。
また、第1QRコード200Aに対して電子部品QRコード200e(図38参照)を「第2QRコード200B」と記載することもある。
【0362】
液晶QRコード200jについては、上述したように、ある程度のバージョン(例えばバージョン2以上)を採用しつつ誤り訂正レベルを低くすることで、データ領域211の容量を増加させつつ遊技機1における不具合の発生を遊技者に察知させやすくすることが好適である。
【0363】
電子部品QRコード200eは、電子部品304上に配置されているQRコード200であり、適切な電子部品304が適切な基板に実装されているかどうかを確認するために製造工程等で読み取られるQRコード200である。主制御基板100等に代表される各種の基板上には、重要な電子部品304が配置されており、このような重要な電子部品304には電子部品QRコード200eを配置することが考えられる。
【0364】
但し、電子部品304の表面は必ずしも平坦とは限らないため、アライメントパターン205を有するバージョン2以上のQRコード200を採用することが望ましい。
【0365】
また、平坦ではない電子部品304上に配置された電子部品QRコード200eは、凹凸により一部の小領域As(セルCe)が読み取れない場合があるため、誤り訂正レベルを高くすることにより読み取れない小領域As(セルCe)を補完できるように構成することが望ましい。
【0366】
一方で、電子部品304に配置される電子部品QRコード200eは、製造作業時以外の読み取りや管理作業時以外の読み取りがゴト行為に繋がってしまうという観点から、読み取りを難しくすること、換言すれば、そもそもQRコード200であると認識されにくくすることが好ましい。
【0367】
従って、電子部品QRコード200eにおいては、明領域As0と暗領域As1の明度差を白と黒の明度差よりも小さくすることで、2色の小領域As(セルCe)の違いが判別し難く読み取り装置においてそもそもQRコード200と認識され難くすることができる。
更に、電子部品QRコード200eにおけるクワイエットゾーン203の枠幅を小領域As(セルCe)の幅の4倍よりも小さくすることで、よりQRコード200と認識され難くすることが可能である。
【0368】
クワイエットゾーン203の枠幅を十分に設けないことで、電子部品QRコード200eに正対してカメラを向けた場合には読み取りやすくすると共に、電子部品QRコード200eに正対せずにカメラを向けた場合にはクワイエットゾーン203が更に狭くなり読み取りし難くすることが可能である。
また、製造時における電子部品QRコード200eの読み取り操作では、基板を遊技機1に取り付ける前に行うことで電子部品QRコード200eに正対して読み取ることが容易である。
一方で、製造時以外における電子部品QRコード200eの読み取り操作では、基板が遊技機1に取り付けられた状態であり、内枠5を開放させた上で読み取り操作を行う必要があるため、電子部品QRコード200eに正対して読み取ることが難しく、読み取り容易性を低下させることができる。
【0369】
このように電子部品QRコード200eを構成することで、QRコード200と認識され難いが、一旦QRコード200であると認識された場合には読み取れない小領域As(セルCe)の誤りが可能な限り訂正することが可能となる。
【0370】
即ち、一方では読み取り容易性を向上させたいが他方では読み取り容易性を向上させたくないという相反する要求を好適に実現した電子部品QRコード200eを電子部品304に配置することができる。
【0371】
以上の点を踏まえて第1QRコード200Aと第2QRコード200B(電子部品QRコード200e)を比較すると、誤り訂正レベルについては、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方を高く設定することが好ましい。
【0372】
また、明領域As0と暗領域As1の明度差については、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方が小さくすることが好ましい。
【0373】
更に、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を多くすることが好ましい。これは、第1QRコード200Aが液晶QRコード200jである場合に好適である。
【0374】
更に、読み取り操作を行う人物が遊技者であり読み取り装置としてのスマートフォンの撮像解像度にばらつきがあることを踏まえると、小領域As(セルCe)の大きさについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を大きくすることが望ましい。
【0375】
<7-4.基板QRコードと証紙QRコード>
ここでは、基板QRコード200f1(図39参照)や基板QRコード200f2(図40参照)や基板QRコード200f3(図41参照)を総称する場合に「第1QRコード200A」と記載する。
また、第1QRコード200Aに対して証紙QRコード200a(図32参照)を「第2QRコード200B」と記載することもある。
【0376】
基板上に配置された第1QRコード200Aは、基板の種類を特定する際に読み取られることで、基板と電子部品304の組み合わせの正しさや遊技機1における基板の配置位置の正しさや遊技機1の機種情報と基板の組み合わせの正しさの確認に用いられる。
そして、これらの確認作業は主に製造時に行われる。
【0377】
基板上に基板を識別するための識別番号等を直に配置してしまうと、文字の読みやすさ等を考慮して大きくする必要があり、基板上に配置されている電子部品304や配線パターンと干渉してしまう虞がある。
【0378】
この点を解消するために、基板上の所定の位置にQRコード200を配置することが好適である。具体的に図48を参照して説明する。図48は、主制御基板100の実装面を示す図である。主制御基板100における斜線のハッチング領域は、電子部品304や配線パターン(不図示)が実装された実装領域311を示している。また、図48における非ハッチング領域は、電子部品304と配線パターンの何れも実装されていない領域であり、非実装領域312である。
【0379】
第1QRコード200Aは、非実装領域312に全体が収まるように配置されることが望ましい。
【0380】
電子部品304を特定するためのQRコード200(電子部品QRコード200e)ではなく基板を管理するための第1QRコード200Aは、電子部品304や配線パターンを避けて配置することが望ましい。そして、電子部品304や配線パターンを避けることにより第1QRコード200Aの配置場所は平坦とされるため、第1QRコード200Aは歪みを補正するためのアライメントパターン205を有さないバージョン1のものとされてもよい。
【0381】
更に、基板上において電子部品304や配線パターンが実装されていない非実装領域312は限られた領域とされているため、図40図41に示すように、QRコード200のデータ領域211に格納されている情報をQRコード200の近傍に印字しない態様が考えられる。
そして、限られた狭い領域に第1QRコード200Aを配置することを考えると、第1QRコード200Aはバージョン1とされることがより好適である。
【0382】
また、第1QRコード200Aをバージョン1とした場合には、必要な情報をデータ領域211に格納するために訂正符号領域212の容量を削減することが好ましい。即ち、第1QRコード200Aについては、誤り訂正レベルを低くすることが好ましい。
【0383】
なお、第1QRコード200Aの読み取り環境は製造時における定点カメラでの読み取りが想定されるため、カメラの設定を適切に行うことで読み取り時の誤りが発生し難い。従って、第1QRコード200Aの誤り訂正レベルを低くしたとしても製造上の問題は発生し難い。
【0384】
証紙QRコード200aは、上述したように、遊技機1の納品先であるホールにおいても読み取りが想定されるQRコード200である。従って、暗めの環境においても適切に読み取ることができることが望ましく、証紙QRコード200aの誤り訂正レベルは高い方が好適である。
【0385】
以上の点を踏まえて第1QRコード200Aと第2QRコード200B(証紙QRコード200a)を比較すると、誤り訂正レベルについては、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方を高く設定することが好ましい。
【0386】
また、証紙QRコード200aは読み取り操作を行うことが想定されるユーザが製造側のユーザとホール側のユーザの双方とされるため、一定の規則の下で生成された情報が格納される必要がある。
一方、第1QRコード200Aについては、製造側のユーザのみが読み取り操作を行うため、統一されたルールに基づいて生成した情報を格納する必要がなく、QRコード200ごとに異なるルールで生成した情報を格納してもよい。そして、製造現場において複数の機種が製造されることを鑑みると、非常に多くの種類の基板が製造現場で扱われる。これらの多数の基板を識別するために、第1QRコード200Aに格納される情報は多い方が好適である。
【0387】
従って、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を多くすることで、格納情報についての生成ルールの自由度を高めることが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【0388】
<7-5.基板QRコードと基板ケース上のQRコード>
ここでは、基板QRコード200f1(図39参照)や基板QRコード200f2(図40参照)や基板QRコード200f3(図41参照)を総称する場合に「第1QRコード200A」と記載する。
【0389】
基板ケース上のQRコード200とは、例えば、基板管理QRコード200g(図42参照)、開封禁止QRコード200h(図43参照)、ケースQRコード200i1(図44参照)、ケースQRコード200i2(図45参照)、ケースQRコード200i3(図46参照)などである。ここでは、これらの基板を総称する場合に「第2QRコード200B」と記載する。
【0390】
第1QRコード200Aについては、上述したように、読み取り容易性を確保するために、電子部品304と配線パターンの何れも実装されていない領域とされた非実装領域312に全体が収まるように配置されることが望ましい。そして、第1QRコード200Aは、平坦な基板上に配置されることからアライメントパターン205が設けられないバージョン1のQRコード200とされてもよい。更に、第1QRコード200Aは、必要な情報をデータ領域211に格納するために誤り訂正レベルを低くすることで訂正符号領域212の容量を削減することが好ましい。
【0391】
第2QRコード200Bについては、上述したように、遊技機1の納品先であるホールにおいても読み取りが想定されるようなQRコード200であり、特に主基板ケース300に配置されているQRコード200については主制御基板100に対する視認性を確保するためにサイズを小さくすることが好ましく、具体的には、アライメントパターン205が設けられていないバージョン1のQRコード200とすることが望ましい。
【0392】
更に、第2QRコード200Bは、遊技機1の内枠5を前方に開放した状態で内枠5の背面側を覗き込むような姿勢で読み取られることや、製造過程や出荷段階で第2QRコード200Bが汚れてしまうことを考慮して、誤り訂正レベルを高くする方が望ましい。
【0393】
以上の点を踏まえて、第1QRコード200Aと第2QRコード200Bを比較すると、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を多くすることが好ましい。
【0394】
また、誤り訂正レベルについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を低く設定することが好ましい。
【0395】
<7-6.基板QRコードと電子部品QRコード>
ここでは、基板QRコード200f1(図39参照)や基板QRコード200f2(図40参照)や基板QRコード200f3(図41参照)を総称する場合に「第1QRコード200A」と記載する。
また、第1QRコード200Aに対して電子部品QRコード200e(図38参照)を「第2QRコード200B」と記載することもある。
【0396】
第1QRコード200Aについては、上述したように、読み取り容易性を確保するために、電子部品304と配線パターンの何れも実装されていない領域とされた非実装領域312に全体が収まるように配置されることが望ましい。そして、第1QRコード200Aは、平坦な基板上に配置されることからアライメントパターン205が設けられないバージョン1のQRコード200とされてもよい。更に、第1QRコード200Aは、必要な情報をデータ領域211に格納するために誤り訂正レベルを低くすることで訂正符号領域212の容量を削減することが好ましい。
【0397】
第2QRコード200B(電子部品QRコード200e)については、上述したように、電子部品304の表面の非平坦性を考慮し、アライメントパターン205を有するバージョン2以上であって誤り訂正レベルを高くしたQRコード200を採用することが望ましい。また、ゴト行為への懸念から、第2QRコード200Bは、そもそもQRコード200であると認識されにくくするために、明領域As0と暗領域As1の明度差を白と黒の明度差よりも小さくし、且つ、クワイエットゾーン203の枠幅を小領域As(セルCe)の幅の4倍よりも小さくすることが望ましい。
【0398】
以上の点を踏まえて第1QRコード200Aと第2QRコード200B(電子部品QRコード200e)を比較すると、誤り訂正レベルについては、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方を高く設定することが好ましい。
また、明領域As0と暗領域As1の明度差については、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方が小さくすることが好ましい。
【0399】
更に、第2QRコード200BがQRコード200と認識されにくくするために、小領域As(セルCe)の大きさについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を大きくすることが好ましい。
【0400】
<7-7.主制御基板の基板QRコードと演出制御基板の基板QRコード>
主制御基板100の基板QRコード200fとは、基板QRコード200f1(図39参照)などである。
【0401】
また、演出制御基板120の基板QRコード200fとは、基板QRコード200f2(図40参照)や基板QRコード200f3(図41参照)などである。
【0402】
ここでは、基板QRコード200f2(図40参照)や基板QRコード200f3などを総称する場合に「第2QRコード200B」と記載する。
そして、第2QRコード200Bに対して基板QRコード200f1を「第1QRコード200A」と記載することもある。
【0403】
第1QRコード200Aと第2QRコード200Bは、共に基板上に配置されるQRコード200であり、製造時において読み取られることが想定される。製造現場では役割が異なる基板や機種が異なる基板など各種の基板を扱うため、これらのQRコード200は、基板の取り違いを防止する用途で読み取られる。
【0404】
取り違いを防止するためには、第1QRコード200Aが配置された管理用シール306f1と第2QRコード200Bが配置された管理用シール324f2や管理用シール324f3の形状(外形)を異なるものとすることが望ましい。
【0405】
更に、管理用シール306f1の貼付位置を示す位置決め手段と、管理用シール324f2や管理用シール324f3の貼付位置を示す位置決め手段は、異なる態様であることが望ましい。
具体的には、図39に示すように、管理用シール306f1の貼付位置を示す位置決め印91f1の態様と、管理用シール324f2や管理用シール324f3の貼付位置を示す位置決め印91f2と位置決め印91f3の態様は、異なるものとされている。
【0406】
また、第1QRコード200Aと第2QRコード200Bは、配置される基板の重要度に応じて格納される情報の情報量が異なるようにされることが望ましい。主制御基板100と演出制御基板120を比較すると、主制御基板100の方が演出制御基板120よりも重要な基板である。従って、主制御基板100上に配置される基板QRコード200f1のデータ領域211に格納される情報量は、演出制御基板120上に配置される基板QRコード200f2や基板QRコード200f3のデータ領域211に格納される情報量よりも多くされることが望ましい。
【0407】
即ち、訂正符号領域212(誤り訂正コード)を除いて格納可能な情報量については、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を多くすることが好ましい。
【0408】
<7-8.基板QRコードまたは電子部品QRコードと遊技者が視認可能なQRコード>
基板QRコード200fまたは電子部品QRコード200eとは、基板QRコード200f2(図40参照)や電子部品QRコード200e(図38参照)などである。ここでは、これらのQRコード200を総称して「第1QRコード200A」と記載する。
【0409】
遊技者が視認可能なQRコード200とは、液晶QRコード200jや証紙QRコード200aや性能表示QRコード200bなどである。ここでは、これらのQRコード200を総称して「第2QRコード200B」と記載する。
【0410】
第1QRコード200Aは、製造時において読み取られることが想定されるQRコード200であり、ホール関係者や遊技者による読み取りが想定されるものではない。
従って、第1QRコード200Aは、良好な読み取り環境(読み取り装置の性能や照明の態様)において正常に読み取れればよく、読み取り容易性を向上させすぎなくてよい。特に、ゴト行為の抑制を鑑みれば、製造時以外においては第1QRコード200Aの読み取りがし難くされる方が好適である。
【0411】
従って、第1QRコード200Aは、クワイエットゾーン203の枠幅について小領域As(セルCe)の幅の4倍未満とすることで、第1QRコード200AがQRコード200であると認識し難くすることができ、不要な読み取りを抑制することができる。
【0412】
一方、第2QRコード200Bについては遊技者やホール関係者が読み取ることが想定されるQRコード200である。
従って、第2QRコード200Bは、粗末な読み取り環境においても正常に読み取ることができるように構成することが好ましい。即ち、第2QRコード200Bは、クワイエットゾーン203の枠幅について小領域As(セルCe)の幅の4倍以上を確保することで、第2QRコード200Bの読み取り容易性を高めることができる。
【0413】
また、読み取り操作を行う人物が遊技者やホール関係者であり読み取り装置としてのスマートフォンの撮像解像度にばらつきがあることを踏まえると、QRコード200の小領域As(セルCe)の大きさについては、第1QRコード200Aよりも第2QRコード200Bの方を大きくすることが望ましい。
【0414】
<7-9.液晶QRコードとそれ以外のQRコード>
それ以外のQRコード200とは、液晶QRコード200j以外のQRコード200のうち、データ領域211に格納されている情報の少なくとも一部が近傍に文字情報87として配置(印字)されているQRコード200である。
【0415】
具体的に、それ以外のQRコード200とは、証紙QRコード200a(図32参照)、内枠QRコード200c1(図34参照)、内枠QRコード200c2(図35参照)、内枠QRコード200c3(図36参照)、前枠QRコード200d(図37参照)、基板QRコード200f1(図39参照)、基板管理QRコード200g(図42参照)、ケースQRコード200i1(図44参照)、ケースQRコード200i3(図46参照)などである。
【0416】
ここでは、これらのQRコード200を総称して「第2QRコード200B」と記載する。それに対して、液晶QRコード200j(図47参照)を「第1QRコード200A」と記載することもある。
【0417】
第2QRコード200Bは、製造時やホールへの納品時や検査時等において読み取られるQRコード200である。このようなQRコード200は、オフラインでも欲しい情報を得られることが重要である。これにより無駄な通信の発生を抑制することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0418】
一方で、液晶QRコード200jは、遊技者に提供するためのQRコード200である。遊技者に提供する情報の中には、文字情報だけでなく画像データなども含まれる。従って、液晶QRコード200jのデータ領域211に格納される情報は、ネットワーク上の所在地(所謂URL)の情報とすることが望ましい。
【0419】
そして、液晶QRコード200jにURL情報を格納することで、読み取りエラーが発生した場合には、アクセス不能となるかもしくは異なるウェブページへと接続されるため、遊技者は読み取りミスに気がつくことができる。
従って、遊技者に誤った情報を提供する虞を排除することができる。
【0420】
また、液晶QRコード200jの近傍には、当該URLにアクセスすることによりどのような情報を得られるかを示すテキストや、QRコード200の読み取り(URLへのアクセス)を促すテキストなどが文字情報87として配置されることが望ましい。
これにより、事情を知らない遊技者に対しても遊技する上で適切な情報を提供することが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【0421】
一方、第2QRコード200Bについては、各QRコード200のデータ領域211に格納されている情報を製造者やホール関係者が把握しているため、読み取りを促すテキストなどの文字情報87を近傍に配置する必要がない。それよりも、読み取り内容(即ちデータ領域211に格納された情報)を含む文字情報87が第2QRコード200Bの近傍に配置されることにより、正しい位置に第2QRコード200Bが貼付されているかを確認可能とした方が好ましい。
また、第2QRコード200Bは製造や管理の場面以外では読み取って欲しくないQRコード200であるため、読み取りを促す文字情報87を近傍に配置しない方が好ましい。
【0422】
以上の点を踏まえて第1QRコード200A(液晶QRコード200j)と第2QRコード200Bを比較すると、第1QRコード200Aのデータ領域211にはURL情報が格納されることが好ましく、第2QRコード200Bのデータ領域211にはQRコード200の近傍に配置された文字情報87の少なくとも一部が格納されることが好ましい。
【0423】
また、第1QRコード200Aの近傍にはQRコード200の読み取りを促すテキスト等が配置されることが好ましいが、第2QRコード200Bの近傍にはそのようなテキストが配置されることは好ましくない。第2QRコード200Bに許された配置領域の狭さを考慮すれば尚更である。
【0424】
<7-10.主制御基板に係るQRコードと演出制御基板に係るQRコード>
主制御基板100に係るQRコード200とは、主制御基板100に配置された基板QRコード200f1、或いは、主基板ケース300に配置された基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hやケースQRコード200i1やケースQRコード200i2などである。
これらのQRコード200を総称して「第1QRコード200A」と記載する。
【0425】
演出制御基板120に係るQRコード200とは、演出制御基板120に配置された基板QRコード200f2や基板QRコード200f3、或いは、サブ基板ケース320に配置されたケースQRコード200i3などである。
これらのQRコード200を総称して「第2QRコード200B」と記載する。
【0426】
第1QRコード200Aについては、製造現場だけでなくホールにおいても読み取りが想定されるQRコード200である。即ち、上述したように、遊技機1の内枠5を前方に開放した状態でQRコード200の読み取りが行われることが想定される。
【0427】
一方、第2QRコード200Bについては、製造現場のみで読み取りが想定されるQRコード200である。
【0428】
この点を踏まえると、誤り訂正レベルについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を高く設定することが好ましい。
【0429】
更に、読み取り操作を行う人物がホール関係者であり読み取り装置の撮像解像度にばらつきがあることを踏まえると、QRコード200の小領域As(セルCe)の大きさについては、第2QRコード200Bよりも第1QRコード200Aの方を大きくすることが望ましい。
【0430】
なお、主制御基板100に係るQRコード200と演出制御基板120に係るQRコード200の比較においては、特定のQRコード200同士を比較してもよいし、平均値同士を比較してもよい。
【0431】
例えば、特定のQRコード200同士を比較する場合には、ホールでの読み取りが想定されるQRコード200同士で小領域Asの大きさを比較し、主制御基板100に係るQRコード200としての基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hやケースQRコード200i1の何れかと演出制御基板120に係るQRコード200の何れかを比較し、主制御基板100に係るQRコード200の方が小領域Asの大きさが大きくなるように構成してもよい。
【0432】
或いは、QRコード200の小領域As(セルCe)の大きさについて、基板QRコード200f1と基板管理QRコード200gと開封禁止QRコード200hとケースQRコード200i1とケースQRコード200i2の平均値と、基板QRコード200f2と基板QRコード200f3とケースQRコード200i3の平均値同士を比較したときに、前者の小領域Asの大きさの方を大きくなるように構成してもよい。
【0433】
或いは、主制御基板100に係るQRコード200における小領域Asの大きさの最大値が、演出制御基板120に係るQRコード200における小領域Asの大きさの最大値よりも大きくなるように構成してもよい。
【0434】
<8.その他>
基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hなどの主制御基板100に配置された200は、遊技機1のホールへの納品時に確認のために読み取られるQRコード200であり、多数の遊技機1が納品されることを考慮すると台ごとの読み取り作業は円滑に行えることが望ましい。
【0435】
ところで、ホールでのQRコード200の読み取りは、スマートフォンを用いて行われることが考えられる。スマートフォンでQRコード200を読み取る場合には、操作者がカメラのレンズ位置を正確に把握していないために、画角に対して上下左右の何れかにQRコード200がずれてしまうことが多い。
【0436】
この場合には、画角の中心と読み取り対象のQRコード200の中心が一致するようにスマートフォンの位置或いは向きを左右方向或いは上下方向に動かす操作が行われる。
【0437】
このとき、読み取り対象のQRコード200の上下方向或いは左右方向に離隔した位置に別のQRコード200が存在すると、読み取り対象のQRコード200とは異なる別のQRコード200を先に読み取ってしまう。これにより、読み取り作業が円滑に行えないという問題が生じる。
【0438】
上述した遊技機1では、このような問題を解消するために、基板管理QRコード200gや開封禁止QRコード200hの上下方向或いは左右方向にそれ以外のQRコード200が配置されないように構成されている。
【0439】
具体的に図49を参照して説明する。図49は、背面カバー83を不図示とした遊技機1の背面図である。
【0440】
ホールでの読み取りが行われるQRコード200として、図42に示す基板管理QRコード200gと図44に示すケースQRコード200i1を例に挙げる。
【0441】
図49においては、基板管理QRコード200gの左右方向に位置する領域及び上下方向に位置する領域について右上がりの斜線ハッチングの領域Ha1として示している。
【0442】
また、図49においては、ケースQRコード200i1の左右方向に位置する領域及び上下方向に位置する領域について右下がりの斜線ハッチングの領域Ha2として示している。
【0443】
領域Ha1や領域Ha2には、何れのQRコード200も配置されていない。これにより、読み取り対象のQRコード200についての読み取り作業を円滑に行うことが可能となる。
【0444】
なおこれらのことは、遊技機1の前面側に配置された証紙QRコード200aにも適用可能である。
【0445】
また、遊技機1の納品時に読み取られるようなQRコード200は、遊技機1の背面に背面カバー83が取り付けられた状態でも読み取りやすくされている。
【0446】
図50は、遊技機1の背面を示す概略図であり、遊技機1の外形を二点鎖線で示し、背面カバー83と主制御基板100と演出制御基板120を破線で示した図である。
【0447】
背面カバー83には、ケーブルを取り回すためなどに用いられる挿通孔83aが設けられている。また、挿通孔83aは、主基板ケース300に貼付された主基板管理シール305や機種名表示シール308が背面視で見やすいように、主基板管理シール305や機種名表示シール308に対向する部分に形成されている。
【0448】
これにより、主基板管理シール305に配置された基板管理QRコード200gや機種名表示シール308に配置されたケースQRコード200i1の読み取り容易性を更に向上させることができる。
【0449】
上述した各種のQRコード200のうち、液晶QRコード200jや性能表示QRコード200b以外のQRコード200については、読み取り操作の対象者が遊技者ではない。
【0450】
従って、それらのQRコード200であって特に遊技者側に向けて配置されたQRコード200(証紙QRコード200a、内枠QRコード200c1、内枠QRコード200c2、内枠QRコード200c3)のうちの少なくとも一部については、遊技機1が備える所定の部品によって正面からは視認不能(読み取り不能)であって、前枠7を開放していない状態においては斜めからのみ視認可能(読み取り可能)とされていてもよい。
そして、そのようなQRコード200については、前枠7を開放した状態において好適に読み取り可能とされてもよい。
【0451】
これにより、当該QRコード200は読み取り対象のユーザが遊技者ではないことを自然に感じさせることが可能となる。そして、前枠7を開放していない状態であっても斜めから覘くことにより当該QRコード200を視認できることで、QRコード200の配置箇所をホール関係者が容易に把握することが可能となる。更に、前枠7を開放した状態で当該QRコード200が好適に読み取れることから、遊技機1の管理業務を阻害することがない。
【0452】
なお、上述の説明においては、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機を例示したが、本発明の目的を達成できる遊技機1であれば特に制限されない。例えば、遊技媒体として球状以外の形状による遊技媒体を利用する遊技機1や、回胴式遊技機などであっても上述した構成を適用することが可能である。
【0453】
上述した各種の例は、組合せが不可能でない限り適宜組み合わせた構成とすることができる。
【符号の説明】
【0454】
1 遊技機
9 遊技盤
37 遊技領域
57 LCDユニット(表示装置)
87a、87b、87c、87d、87e、87f、87g 文字情報
90c2、90d 位置決め枠
91c3、91f1、91f2、91f3 位置決め印
92 向きマーク
93 位置決め凸部
110 枠制御基板
120 演出制御基板
200 QRコード
200A 第1QRコード
200B 第2QRコード
203 クワイエットゾーン
204 位置検出パターン
205 アライメントパターン
211 データ領域
212 訂正符号領域
300 主基板ケース
304 電子部品
320 サブ基板ケース
As0 明領域
As1 暗領域
Ce セル
Tx 説明文
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
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図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50