特開 2024-117699 清掃具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024117699

(43)【公開日】2024-08-29

(54)【発明の名称】清掃具

(51)【国際特許分類】

   A47L 13/24 20060101AFI20240822BHJP

   A47L 13/20 20060101ALI20240822BHJP

【ＦＩ】

A47L13/24 A

A47L13/20 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023178661

(22)【出願日】2023-10-17

(31)【優先権主張番号】P 2023023462

(32)【優先日】2023-02-17

(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP

(31)【優先権主張番号】P 2023082071

(32)【優先日】2023-05-18

(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP

(71)【出願人】

【識別番号】391044797

【氏名又は名称】株式会社コーワ

(72)【発明者】

【氏名】町田 幸雄

(72)【発明者】

【氏名】横山 広

(72)【発明者】

【氏名】高井 勉

(72)【発明者】

【氏名】吉田 知弘

(72)【発明者】

【氏名】中川 和紀

【テーマコード（参考）】

3B074

【Ｆターム（参考）】

3B074AA08

3B074AB01

3B074EE01

(57)【要約】

【課題】 清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして有効活用することができる清掃具を提供する。
【解決手段】 清掃ヘッド１に固定される操作用ハンドル２を有する清掃具１０において、清掃ヘッド１は、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材６ａ、６ｂが形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、清掃ヘッド１の被清掃面と対向する面に装着されると共に、清掃体を被清掃面に当接させて使用するものであって、ブラシ部材６ａ、６ｂは、清掃ヘッド１の一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、各々のブラシ部材６ａ、６ｂの複数の毛材の長手方向は、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜させている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されると共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする清掃具

【請求項2】

平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向しない面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面を覆うと共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする清掃具

【請求項3】

平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面及び被清掃面と対向しない面のそれぞれに複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面から被清掃面と対向しない面に亘り装着されると共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする清掃具

【請求項4】

ブラシ部材は、複数のブラシ片で構成された単位ブラシ体が間隔を空けて一列状に複数個形成されてなるブラシ列状体を有すると共に、前記ブラシ列状体における隣り合う前記単位ブラシ体の複数の毛材の長手方向は、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の清掃具

【請求項5】

平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面又は他方の面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されていると共に、
前記ブラシ部材は、複数の毛材が固定される固定面を有する略板状の基台を有し、連続する前記複数の毛材により形成される先端表面は略平面状であると共に、前記固定面に対して傾斜して形成されているものであって、使用時に、前記複数の毛材の先端表面と被清掃面とが略平行となる状態で操作が可能なように、前記ブラシ部材が清掃ヘッドに固定されていることを特徴とする清掃具

【請求項6】

平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、
前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面又は他方の面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、
前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、
前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されていると共に、
複数の毛材は、毛丈の異なる２種類以上の毛材群を有し、使用時に、各々の前記毛材群の先端部と被清掃面との距離が略一定となる状態で操作が可能なように、前記ブラシ部材が清掃ヘッドに固定されていることを特徴とする清掃具

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、清掃ヘッドと操作用ハンドルとを備えた清掃具に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から柄棒の先端に連結された拭布取付部材に、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付けたモップの発明が知られている（特許文献１）。

【0003】

特許文献１に記載のモップは、払掃用の拭布と、該拭布を交換可能に装着するための扁平で細長い拭布取付部材と、該拭布取付部材に連結された操作用の柄棒とからなっていて、 上記拭布取付部材は、合成ゴムや合成樹脂のような柔軟性を持った弾性部材によって長方形をなす薄肉の平板状に形成され、四隅に近い位置に、巻き付けた拭布の端部を係止させるための係止手段が係止され、上面の中央部に、連結手段を介して上記柄棒が連結される構成としている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特許第３４５７４０２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら上記特許文献１に記載のモップの拭布は、四隅に近い位置に形成された係止手段に係止させる手間を必要とするものであると共に、係止手段が切り込み孔で形成されている場合には、拭布がちぎれて係止手段に残存する場合があるため、取り除く作業を必要としていた。また、拭布を拭布取付部材の下面から上面に形成されている係止手段まで巻き付ける構成としていることから、上面部分の拭布は、床面の清掃に寄与することが無く無駄になるという課題を有するものであった。

【0006】

本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃体への着脱が容易であり、作業性を向上させることができると共に、清掃体の使用されない無駄な部分を少なくして製造コストを削減することができる清掃具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

前記従来の課題を解決するために、請求項１の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されると共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴としている。

【0008】

請求項１の発明では、不織布シートからなる清掃体が、清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に装着されると共に、清掃体を被清掃面に当接させて使用する構成としたことによって、清掃体を操作用ハンドル側の面に巻き付ける必要が無くなり、清掃体の無駄な部分を少なくし、コストを削減することができる。また、清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されており、不織布シートに複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定されるので、強く固定でき、清掃体への着脱を容易にすることができる。また、ブラシ部材は、清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜させているので、清掃具を前後又は左右に動かす動作を行うことによって、ブラシ部材を不織布シートに深く入り込み易くすることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。

【0009】

請求項２の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向しない面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面を覆うと共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴としている。これにより、清掃具を前後又は左右に動かした際に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、壁の垂直面に清掃体を押し当てることができ、壁際を効果的に清掃することができる。

【0010】

請求項３の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面及び被清掃面と対向しない面のそれぞれに複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面から被清掃面と対向しない面に亘り装着されると共に、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向は、前記不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴としている。これにより、清掃具を、清掃ヘッドの短手方向の前後又は左右に動かした際に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、壁の垂直面に清掃体を押し当てることができ、壁際を効果的に清掃することができると共に、清掃体の着脱を一層容易にすることができる。

【0011】

請求項４の発明は、請求項１～３のいずれかの発明において、ブラシ部材は、複数のブラシ片で構成された単位ブラシ体が間隔を空けて一列状に複数個形成されてなるブラシ列状体を有すると共に、前記ブラシ列状体における隣り合う前記単位ブラシ体の複数の毛材の長手方向は、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜していることを特徴としている。これにより、隣り合う単位ブラシ体間の隙間により、柔軟に毛材の先端が動いて不織布シートの内部に深く入り込み易くすることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、隣り合う単位ブラシ体の毛材同士が逆方向に傾斜しているため、清掃体をブラシ部材に一層強固に固定することができる。

【0012】

請求項５の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面又は他方の面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されていると共に、前記ブラシ部材は、複数の毛材が固定される固定面を有する略板状の基台を有し、連続する前記複数の毛材により形成される先端表面は略平面状であると共に、前記固定面に対して傾斜して形成されているものであって、使用時に、前記複数の毛材の先端表面と被清掃面とが略平行となる状態で操作が可能なように、前記ブラシ部材が清掃ヘッドに固定されていることを特徴としている。

【0013】

請求項５の発明では、毛材の先端表面が傾斜していないブラシ部材と比較して、不織布シートとの当接面積を増加させることができる。また、毛材の差し込み方向が不織布シート面に対して垂直でないと共に、一方向でもなく、広く前後方向に広がるため、清掃具使用時の前後方向の動きによって、毛材が不織布シートに深く入り込むと共に、前後の動きに対して清掃体を外れ難くすることができる。また、毛丈の短い毛材は、毛腰が強く差し込まれ、毛丈の長い毛材は、不織布シート内部への挿入量が長くなるので強固に固定することができる。

【0014】

請求項６の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルと、を有する清掃具において、前記清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面又は他方の面に、複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、前記複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、前記清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されており、前記清掃体を前記被清掃面に当接させて使用するものであって、前記ブラシ部材は、前記清掃ヘッドの被清掃面と対向する面に複数のブラシ列が略平行に配置されていると共に、複数の毛材は、毛丈の異なる２種類以上の毛材群を有し、使用時に、各々の前記毛材群の先端部と被清掃面との距離が略一定となる状態で操作が可能なように、前記ブラシ部材が清掃ヘッドに固定されていることを特徴としている。

【0015】

請求項６の発明では、毛丈の異なる２種類以上の毛材群を有していることで、各毛材群の毛材の差し込み深さが深くなり、清掃体を外れ難くすることができる。また、毛丈の短い毛材群と毛丈の長い毛材群との先端部に隙間を生じさせることができ、柔軟に毛材の先端が動いて不織布シート内部に深く入り込み易くすることができる。また、毛丈の短い毛材は、毛腰が強く差し込まれ、毛丈の長い毛材は、不織布シート内部への挿入量が長くなるので強固に固定することができる。

【発明の効果】

【0016】

請求項１の発明は、清掃体の無駄な部分を少なくし、コストを削減することができる。また、清掃体への着脱を容易にすることができると共に、ブラシ部材を不織布シートに深く入り込み易く清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、請求項２及び３の発明は、清掃具を、前後又は左右に動かした際に、清掃体が外れるのを防ぐことができると共に、清掃体の着脱を容易にすることができる。

【0017】

請求項４の発明は、隣り合う単位ブラシ体間の隙間により、柔軟に毛材の先端が動いて不織布シートの内部に深く入り込み易くすることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、清掃体をブラシ部材に一層強固に固定することができる。また、請求項５の発明は、毛丈の短い毛材は、毛腰が強く差し込まれ、毛丈の長い毛材は、不織布シート内部への挿入量が長くなるので強固に固定することができる。また、請求項６の発明は、差し込み深さが深くなり、外れ難くすることができると共に、柔軟に毛材の先端が動いて不織布シートの内部に深く入り込み易くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】本発明に係る清掃具の第１実施形態を示す斜視図

【図2】（ａ）第１実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図（ｂ）第１実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を下方側から視た斜視図（ｃ）第１実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図

【図3】（ａ）ブラシ部材を構成する毛材の第１実施形態を示す斜視図（ｂ）同第２実施形態を示す斜視図（ｃ）同第３実施形態を示す斜視図（ｄ）同第４実施形態を示す斜視図

【図4】（ａ）毛材と不織布との固着状態の一例を示す斜視図（ｂ）毛材と不織布との固着状態の他例を示す斜視図

【図5】（ａ）第２実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図（ｂ）第３実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図

【図6】（ａ）第４実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図（ｂ）第５実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図

【図7】（ａ）第６実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図（ｂ）第７実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図

【図8】（ａ）第８実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図（ｂ）第９実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図

【図9】（ａ）第１０実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図（ｂ）第１１実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図

【図10】（ａ）本発明に係る清掃具を構成するブラシ部材の第１実施形態を示す断面図（ｂ）同第２実施形態を示す断面図（ｃ）同第３実施形態を示す断面図

【図11】（ａ）第２実施形態のブラシ部材の使用状態を示す断面図（ｂ）第３実施形態のブラシ部材の使用状態を示す断面図

【図12】（ａ）第１２実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図（ｂ）第１２実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図１は、本発明に係る清掃具の第１実施形態を示す斜視図であり、図２（ａ）は、第１実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図である。また、図２（ｂ）は、第１実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を下方側から視た斜視図であり、図２（ｃ）は、第１実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の第１実施形態の詳細について以下に説明する。

【0020】

第１実施形態の清掃具１０は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド１と、清掃ヘッド１の一方の面１ａに固定される操作用ハンドル２と、清掃ヘッド１と操作用ハンドル２とを連結するジョイント部材３とを有している。ジョイント部材３は、回動軸４を備えており、操作用ハンドル２は、回動軸４周りに回動可能な構成としている。

【0021】

そして、清掃ヘッド１は、他方の面（被清掃面と対向する面）１ｂに複数の毛材５、５・・からなるブラシ部材６ａ、６ｂが形成されていると共に、複数の毛材５、５・・の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シート７からなる清掃体８が、清掃ヘッド１の被清掃面と対向する面１ｂに装着されると共に、清掃体８を被清掃面に当接させて使用する構成としている。尚、符号１１は、ブラシ部材６ａ、６ｂ間の隙間を埋める緩衝部材である。

【0022】

また、後述するように、複数の毛材５、５・・の各々は、先端において線径方向に延出する突起部９を有すると共に、隣り合う前記毛材５、５同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃ヘッド１の使用時に、毛材５と清掃体８とは、毛材５の突起部９が、清掃体８の繊維に引っ掛かり固定される構成としている。

【0023】

そして、ブラシ部材６ａ、６ｂは、清掃ヘッド１の一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、各々のブラシ部材６ａ、６ｂの複数の毛材の長手方向は、不織布シート７に対して互いに逆方向に傾斜させている。ここで、毛材の傾斜方向は二種類あり、図２（ａ）の矢印は、各々のブラシ部材６ａ、６ｂの長手方向に沿って不織布シート７に対して互いに逆方向に傾斜させていることを示している。また、図２（ｃ）の矢印は、各々のブラシ部材６ａ、６ｂの短手方向に沿って不織布シート７に対して互いに逆方向に傾斜させていることを示している。尚、上記二種類の毛材の傾斜方向のどちらか一方を採用している場合も本発明に含まれる。第１実施形態の清掃具１０は、不織布シート７からなる清掃体８が、清掃ヘッド１の被清掃面と対向する面に装着されると共に、清掃体８を被清掃面に当接させて使用する構成としたことによって、清掃体８を操作用ハンドル２側の面に巻き付ける必要が無くなり、清掃体８の無駄な部分を少なくし、コストを削減することができる。また、清掃ヘッド１は、被清掃面と対向する面に複数の毛材５、５・・からなるブラシ部材６ａ、６ｂが形成されており、清掃ヘッド１を清掃体８に載せるだけで、不織布シート７に複数の毛材５、５・・の先端が差し込まれつつ固定されるので、強く固定でき、清掃体８への着脱を容易にすることができる。

【0024】

また、複数の毛材５、５・・を各々のブラシ部材６ａ、６ｂの長手方向に沿って不織布シート７に対して互いに逆方向に傾斜させることによって、清掃ヘッド１の長手方向に動かす動作（図２（ａ）の矢印方向）でブラシ部材６ａ、６ｂの毛材を不織布シート７の奥深くに入り込ませることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。

【0025】

また、複数の毛材５、５・・を各々のブラシ部材６ａ、６ｂの短手方向に沿って不織布シート７に対して互いに逆方向に傾斜させることによって、清掃ヘッド１の短手方向に動かす動作（図２（ｃ）の矢印方向）でブラシ部材６ａ、６ｂの毛材を不織布シート７の奥深くに入り込ませることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。

【0026】

ここで、隣り合う複数の毛材５、５・・同士は、干渉し合う間隔で植毛されているため、隣り合う複数の毛材５、５・・同士が互いに支え合い、不織布シート７の繊維との引っ掛かりが外れることを、抑制することができる。具体的には、毛材５の材質としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどを採用することができる。また、毛材５の線径としては、０.０２ｍｍ以上０.２ｍｍ以下の範囲ものを採用することができ、好適には毛材５の線径が０.０６ｍｍ以上０.１５ｍｍ以下の範囲であることが好ましい。かかる材質、線径とすることにより、毛材５が撓みやすく、毛材の先端が不織布の絡み合う繊維の内部に侵入し易くなると共に、毛材５の突起部を不織布の繊維に引っ掛けることができる。また、毛材５の毛丈としては、１ｍｍ以上１５ｍｍ以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材５の毛丈が３ｍｍ以上８ｍｍ以下の範囲であることが好ましい。毛材５の先端部間の距離としては、０ｍｍ以上２ｍｍ以下の範囲のものを採用することができ、好適には毛材５、５先端部間の距離が、０ｍｍ以上０.３ｍｍ以下の範囲であることが好ましい。かかる毛材５の毛丈、毛材間の距離とすることにより、隣り合う毛材同士が干渉し易く、支え合うことができるため、毛材５の突起部９と不織布シート７の繊維との引っ掛かりを強固にすることができる。

【0027】

図３（ａ）は、ブラシ部材を構成する毛材の第１実施形態を示す斜視図である。第１実施形態の毛材５は、突起部９を毛材５の先端において線径方向に延出させているものであって、毛材５の長手方向に対して略９０度となる方向に延出させている。また、毛材５は、突起部９の延出方向が清掃ヘッド１の使用時における可動方向（清掃ヘッド１の短手方向、又は長手方向）に対して略直交する方向（清掃ヘッド１の長手方向、又は短手方向）となるように清掃ヘッド１に固定される。これにより、清掃体８への固定を確実に行うことができる。また、清掃体８の取り外し時には、毛材の突起部９の延出方向とは逆側から清掃体８の取り外しを容易に行うことができる。

【0028】

図３（ｂ）は、ブラシ部材を構成する毛材の第２実施形態を示す斜視図である。第２実施形態の毛材５ａは、突起部９ａを毛材５ａの先端において線径方向に延出させているものであって、突起部９ａを毛材５ａの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体８への固定を一層確実に行うことができる。

【0029】

図３（ｃ）は、ブラシ部材を構成する毛材の第３実施形態を示す斜視図である。第３実施形態の毛材５ｂは、突起部９ｂを毛材５ｂの先端において線径方向に延出させているものであって、略球状にすると共に、毛材５ｂの線径方向の全周に亘り形成している。これにより、清掃体８への固定を一層確実に行うことができる。

【0030】

図３（ｄ）は、ブラシ部材を構成する毛材の第４実施形態を示す斜視図である。第４実施形態の毛材５ｃは、突起部９ｃを毛材５ｃの先端において線径方向に延出させているものであって、毛材５ｃの長手方向に対して所定の角度となる方向に延出させている。これにより、毛材５ｃは、突起部９ｃの延出方向が清掃ヘッド１の使用時における可動方向（清掃ヘッド１の短手方向）に対して所定の角度を有する方向となるように清掃ヘッド１に固定される。これにより、清掃体８への固定具合を調整することができる。また、清掃体８の取り外し時には、毛材の突起部９ｃの延出方向とは逆側から清掃体８の取り外しを容易に行うことができる。

【0031】

尚、毛材５、５ａ、５ｂ、５ｃの突起部９、９ａ、９ｂ、９ｃにおける延出長さは、０.０１ｍｍ以上０.１ｍｍ以下の範囲であって、清掃体８として適用できる不織布シート７の繊維の線径は、０.００５ｍｍ以上０.０５ｍｍ以下の範囲であることが好ましい。また、突起部９、９ａ、９ｂ、９ｃにおける延出長さと、不織布シート７の繊維の線径との関係は、突起部の延出長さが繊維の線径の１／２以上あれば、突起部が繊維に引っ掛かることが期待できるものであり、好適には、突起部の延出長さが繊維の線径の２倍以上あれば、確実に突起部を繊維に引っ掛けることができる。

【0032】

図４（ａ）は、毛材と不織布シートとの固着状態の一例を示す斜視図である。この図に示すように、毛材５の先端の突起部９に、清掃体８を構成する不織布シート７の繊維が引っ掛かって固定された状態となっている。

【0033】

図４（ｂ）は、毛材と不織布シートとの固着状態の他例を示す斜視図である。この図に示すように、隣り合う毛材５、５同士が互いに干渉し合う間隔で植毛されていることから、挟み込まれるように絡まることで毛材５の先端の突起部９に、清掃体８を構成する不織布シート７の繊維が引っ掛かった状態を維持することができる。

【0034】

図５（ａ）は、第２実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第２実施形態の清掃具２０における第１実施形態の清掃具１０との相違点は、清掃ヘッド２１の被清掃面と対向しない面に複数の毛材からなるブラシ部材２６ａ、２６ｂが形成されている点である。尚、各々のブラシ部材２６ａ、２６ｂを構成する複数の毛材は、内向きに傾斜させている。これにより、清掃具２０を、清掃ヘッド２１の短手方向の前後に動かした際に、清掃体２８が外れるのを防ぐことができる。また、清掃体２８の着脱時に、汚れた箇所を触らずに取り外すことができるため、手を汚さずに清潔に掃除をすることができる。

【0035】

図５（ｂ）は、第３実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第３実施形態の清掃具３０における第１実施形態の清掃具１０との相違点は、清掃ヘッド３１の被清掃面と対向しない面に複数の毛材からなるブラシ部材ブラシ部材３６ａ、３６ｂが形成されている点であり、第２実施形態の清掃具２０との相違点は、各々のブラシ部材３６ａ、３６ｂを構成する複数の毛材を外向きに傾斜させて，清掃体３８を固定している点である。

【0036】

図６（ａ）は、第４実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第４実施形態の清掃具４０は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド４１と、清掃ヘッド４１に固定される操作用ハンドル４２とを有するものであって、清掃ヘッド４１は、被清掃面Ｘと対向と対向する面及び被清掃面と対向しない面のそれぞれに複数の毛材からなるブラシ部材４６ａ、４６ｂが形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シート４７からなる清掃体４８が、清掃ヘッド４１の被清掃面Ｘと対向する面から被清掃面Ｘと対向しない面に亘り装着されると共に、清掃体４８を被清掃面Ｘに当接させて使用するものであって、各々のブラシ部材４６ａ、４６ｂの複数の毛材の長手方向は、不織布シート４７に対して互いに逆方向に傾斜させた構成としている。尚、各々のブラシ部材４６ａ、４６ｂを構成する複数の毛材は、内向きに傾斜させている。これにより、清掃具４０を、清掃ヘッド４１の短手方向の前後に動かした際に、清掃体４８が外れるのを防ぐことができる。また、清掃ヘッド４１に清掃体４８を取り付ける場合は、清掃ヘッド４１を清掃体４８に載せるだけで、ブラシ部材４６ａと不織布シート４７の一端とを固定させることができるため、比較的簡単に装着することができる。一方で、清掃ヘッド４１から清掃体４８を取り外す場合は、不織布シート４７の他端をブラシ部材４６ｂから引き剥がすだけのため、清掃体４８の汚れた箇所を触る必要が無く、手を汚さずに清潔に掃除をすることができる。

【0037】

図６（ｂ）は、第５実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第５実施形態の清掃具５０における第４実施形態の清掃具４０との相違点は、各々のブラシ部材５６ａ、５６ｂを構成する複数の毛材を外向きに傾斜させている点である。

【0038】

図７（ａ）は、第６実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第６実施形態の清掃具６０の構成は、図６（ａ）の第４実施形態の清掃具４０とほぼ同様であるが、相違点は、被清掃面と対向しない面に形成されているブラシ部材６６ｂが、清掃ヘッド６１の側面に形成されている点である。尚、各々のブラシ部材６６ａ、６６ｂを構成する複数の毛材は、内向きに傾斜させている。これにより、ブラシ部材６６ｂが清掃ヘッド６１の側面に形成されているため、清掃ヘッド６１と障害物等との衝突を緩和できると共に、壁などを清掃体６８で簡単に清掃することができる。

【0039】

図７（ｂ）は、第７実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第７実施形態の清掃具７０の構成は、図７（ａ）の第６実施形態の清掃具６０とほぼ同様であるが、相違点は、各々のブラシ部材７６ａ、７６ｂを構成する複数の毛材を、外向きに傾斜させている点である。

【0040】

図８（ａ）は、第８実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第８実施形態の清掃具８０の構成は、図６（ａ）の第４実施形態の清掃具４０とほぼ同様であるが、相違点は、第４実施形態の清掃具４０の操作用ハンドルは清掃ヘッドの上面に固定されているのに対して、第８実施形態の操作用ハンドルは、ジョイント部材８３を介して清掃ヘッド８１の側面に回動可能に固定されている点と、被清掃面Ｘと対向しない面に形成されているブラシ部材８６ｂが、被清掃面と対向する面に形成されているブラシ部材８６ａと同様に、清掃ヘッド８１の短手方向の一方の端部に形成されている点である。尚、各々のブラシ部材８６ａ、８６ｂを構成する複数の毛材は、内向きに傾斜させている。これにより、１度に清掃できる面積を２倍に増やすことができると共に、清掃ヘッド８１の側面側を下にしてタンスの隙間などに挿入させると、床とタンスの側面と壁の３面を同時に清掃することが可能となる。

【0041】

図８（ｂ）は、第９実施形態の清掃具に清掃体が装着された状態を示す側面図である。第９実施形態の清掃具９０の構成は、図８（ａ）の第８実施形態の清掃具８０とほぼ同様であるが、相違点は、各々のブラシ部材９６ａ、９６ｂを構成する複数の毛材を、外向きに傾斜させている点である。

【0042】

図９（ａ）は、第１０実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図である。第１０実施形態の清掃具１００は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、清掃ヘッドに固定される操作用ハンドルとを有しており、清掃ヘッドは、被清掃面と対向する面に複数の毛材からなるブラシ部材が形成されていると共に、複数の毛材の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートからなる清掃体が、清掃ヘッドの前記被清掃面と対向する面に装着されると共に、清掃体を被清掃面に当接させて使用するものであって、ブラシ部材は、清掃ヘッドの一端側及び他端側にそれぞれ配置されていると共に、各々のブラシ部材の複数の毛材の長手方向を、不織布シートに対して互いに逆方向（外向き）に傾斜させており、上記構成は、第１実施形態の清掃具１０と同様である。

【0043】

第１０実施形態の清掃具１００の特徴は、ブラシ部材１０６ａ、１０６ｂは、複数のブラシ片で構成された単位ブラシ体１２ａ、１２ｂ、・・、１２ｃ、１２ｄ・・が間隔を空けて一列状に複数個形成されてなるブラシ列状体１３ａ、１３ｂを有すると共に、ブラシ列状体１３ａ、１３ｂにおける隣り合う単位ブラシ体１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄの複数の毛材の長手方向を、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜（図９（ａ）中の矢印の方向）させている点である。これにより、隣り合う単位ブラシ体１２ａ、１２ｂ、・・、１２ｃ、１２ｄ・・間の隙間により、柔軟に毛材の先端が動いて不織布シートの内部に深く入り込み易くすることができると共に、清掃体が外れるのを防ぐことができる。また、隣り合う単位ブラシ体１２ａ、１２ｂ、・・、１２ｃ、１２ｄ・・の毛材同士が逆方向に傾斜しているため、清掃体をブラシ部材１０６ａ、１０６ｂに一層強固に固定することができる。

【0044】

図９（ｂ）は、第１１実施形態の清掃具を下方側から視た斜視図である。第１１実施形態の清掃具１１０の構成は、図９（ａ）の第１０実施形態の清掃具１００とほぼ同様であるが、相違点は、各々のブラシ部材１１６ａ、１１６ｂを構成する複数の毛材を、内向きに傾斜させている点と、ブラシ列状体１３ｃ、１３ｄにおける隣り合う単位ブラシ体１２ｅ、１２ｆ、１２ｇ、１２ｈの複数の毛材の長手方向を、不織布シートに対して互いに逆方向に傾斜（図９（ｂ）中の矢印の方向）させている方向が第１０実施形態の清掃具１００の傾斜方向と異なる点である。

【0045】

尚、第１０実施形態及び第１１実施形態で示したブラシ列状体の構成は、第１実施形態の清掃具だけでなく、図５（ａ）で示した第２実施形態の清掃具、図５（ｂ）で示した第３実施形態の清掃具、図６（ａ）で示した第４実施形態の清掃具、図６（ｂ）で示した第５実施形態の清掃具にも適用することができる。同様に、第６実施形態～第９実施形態の清掃具に適用することも可能である。

【0046】

図１０（ａ）は、本発明に係る清掃具を構成するブラシ部材の第１実施形態を示す断面図である。第１実施形態のブラシ部材６ａは、ブラシ部材６ａを構成する複数の毛材が、略板状の基台１４ａの固定面１４ｂに対して略垂直上方向に延出しており、複数の毛材の先端表面１５ａが基台の固定面１４ｂに対して略平行な平面状となるように形成されている。

【0047】

図１０（ｂ）は、本発明に係る清掃具を構成するブラシ部材の第２実施形態を示す断面図であり、図１１（ａ）は、図１０（ｂ）に示した第２実施形態のブラシ部材の使用状態を示す断面図である。第２実施形態のブラシ部材１２６ａは、ブラシ部材１２６ａを構成する複数の毛材が、略板状の基台１４ａの固定面１４ｂに対して略垂直上方向に延出しており、複数の毛材の先端表面１５ｂは、略平面状であると共に、基台の固定面１４ｂに対して傾斜面となるように形成されている。そして、図１１（ａ）に示すように、使用時に、複数の毛材の先端表面１５ｂと被清掃面Ｘとが略平行となる状態で操作が可能なように、ブラシ部材１２６ａが清掃ヘッドに固定されている。これにより、毛材の先端表面が傾斜していないブラシ部材と比較して、不織布シート７との当接面積を増加させることができる。また、毛材の差し込み方向が不織布シート７の表面に対して垂直でないと共に、一方向でもなく、広く前後方向に広がるため、清掃具使用時の前後方向の動きによって、深く入り込むと共に、前後の動きに対して外れ難くすることができる。また、毛丈の短い毛材は、毛腰が強く差し込まれ、毛丈の長い毛材は、不織布シート内部への挿入量が長くなるので強固に固定することができる。

【0048】

図１０（ｃ）は、本発明に係る清掃具を構成するブラシ部材の第３実施形態を示す断面図であり、図１１（ｂ）は、図１０（ｃ）に示した第３実施形態のブラシ部材の使用状態を示す断面図である。第３実施形態のブラシ部材１３６ａは、複数の毛材は、基台１４ａからの毛丈の異なる２種類以上の毛材群１６ａ、１６ｂを有している。そして、図１１（ｂ）に示すように、使用時に、各々の毛材群の先端部と被清掃面との距離が略一定となる状態で操作が可能なように、ブラシ部材１３６ａが清掃ヘッドに固定されている。第３実施形態のブラシ部材１３６ａは、毛丈の異なる２種類以上の毛材群１６ａ、１６ｂを有していることで、差し込み深さが深くなり、外れ難くすることができる。また、毛丈の短い毛材群１６ｂと毛丈の長い毛材群１６ａとの先端部に隙間を生じさせることができ、柔軟に毛材の先端が動いて深く入り込み易くすることができる。また、毛丈の短い毛材群１６ｂは、毛腰が強く差し込まれ、毛丈の長い毛材群１６ａは、不織布シート７の内部への挿入量が長くなるので強固に固定することができる。

【0049】

図１２（ａ）は、第１２実施形態の清掃具を清掃ヘッドの上面側から視た斜視図であり、図１２（ｂ）は、同第１２実施形態の清掃具の清掃ヘッドの底面図である。図１２（ａ）に示すように、第１２実施形態の清掃具１２０は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド１２１と、清掃ヘッド１２１の一方の面１２１ａに固定させる操作用ハンドル１２２と、清掃ヘッド１２１と操作用ハンドル１２２とを連結するジョイント部材１２３とを有している。ジョイント部材１２３は、回動軸１２４を備えており、操作用ハンドル１２２は、回動軸１２４周りに回動可能な構成としている。清掃ヘッド１２１は、他方の面１２１ｂの前方側に開口１２５ａを有する吸い込みノズル１２５と、後方側に複数の毛材５ｄ、５ｅ・・からなるブラシ部材１４６ａ、１４６ｂが、清掃ヘッド１２１の長辺の近傍且つ略平行に、直線状に形成されている。また、各々のブラシ部材１４６ａ、１４６ｂの複数の毛材５ｄ、５ｅの長手方向は、清掃ヘッド１２１に装着される不織布シートからなる清掃体に対して互いに逆方向となるように傾斜させている。

【0050】

また、吸い込みノズル１２５は、操作用ハンドル１２２の内部に設けられた吸引通路１２２ａを通じて、塵埃を溜めるダストボックス（図示せず）と、吸い込み駆動機構（図示せず）とを有する掃除機本体（図示せず）と連通しており、被清掃面の塵埃を吸引する機能を有している。また、ブラシ部材１４６ａ、１４６ｂは、複数の毛材５ｄ、５ｅ・・の先端が差し込まれつつ固定される複数の繊維が絡み合う不織布シートにより形成された清掃体が、清掃ヘッド１２１の他方の面１２１ｂに装着される構成としている。また、清掃ヘッド１２１の他方の面１２１ｂの一部は、ブラシ部材１４６ａ、１４６ｂを構成する毛材５ｄ、５ｅ・・の長手方向に突出する緩衝部材で形成された緩衝部１２７を有している。

【0051】

第１２実施形態の清掃具１２０は、清掃ヘッド１２１の前方側に形成されている吸い込みノズル１２５の開口１２５ａにより、被清掃面上の大きな塵埃を吸引しつつ、細かな塵埃等は、清掃ヘッド１２１の後方側に形成されている清掃体で捕捉することができるため、清掃効率を向上させることができる。また、清掃体と清掃ヘッド１２１との固定が、清掃体の上に清掃ヘッド１２１のブラシ部材１４６ａ、１４６ｂを載せつつ押し付けることで装着可能なため、複雑な取り付け構造が不要であると共に、複雑な取り付け構造に伴う吸い込みノズルの配置や構造に制限を受けないため、製造コストを削減できると共に、利便性を向上させることができる。また、各々のブラシ部材１４６ａ、１４６ｂの複数の毛材５ｄ、５ｅの長手方向は、清掃ヘッド１２１に装着される不織布シートからなる清掃体に対して互いに逆方向となるように傾斜させているので、複数の毛材５ｄ、５ｅを不織布シートの奥深くまで入り込ませることができ、清掃体が外れるのを防ぐことができる。

【産業上の利用可能性】

【0052】

本発明に係る清掃具は、室内における床や壁、窓等の汚れや塵埃等を除去する掃除道具として利用される。

【符号の説明】

【0053】

１、２１、３１、４１、１２１ 清掃ヘッド
１ａ、１２１ａ 清掃ヘッドの一方の面
１ｂ、１２１ｂ 清掃ヘッドの他方の面
２、１２２操作用ハンドル
３、１２３ ジョイント部材
４、１２４ 回動軸
５、５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅ 毛材
６ａ、６ｂ、２６ａ、２６ｂ、３６ａ、３６ｂ、４６ａ、４６ｂ、５６ａ、５６ｂ、１４６ａ、１４６ｂ ブラシ部材
７ 不織布シート
８ 清掃体
９、９ａ、９ｂ、９ｃ 突起部
１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００、１１０、１２０ 清掃具
１１、１２７ 緩衝部材
１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ、１２ｅ、１２ｆ、１２ｇ、１２ｈ 単位ブラシ体
１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄ ブラシ列状体
１４ａ 基台
１４ｂ 固定面
１５ａ、１５ｂ 先端表面
１６ａ、１６ｂ 毛材群
１２５ 吸い込みノズル
１２５ａ 開口
Ｘ 被清掃面

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】