(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117714
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】複数の垂直方向の薄い本体を有するトランジスタ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L29/78 301P
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214488
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】63/446,361
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523478702
【氏名又は名称】日日新半導體架構股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】盧 超群
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA21
5F140AA24
5F140AA29
5F140BA01
5F140BB05
5F140BC15
5F140BF43
5F140BG09
5F140BG12
5F140BG14
5F140BH06
5F140BH07
5F140BH15
5F140BH45
5F140BJ04
5F140BJ11
5F140BJ17
5F140BJ20
5F140BJ27
5F140BK09
5F140BK18
5F140CB04
5F140CC02
5F140CC03
5F140CC08
5F140CC12
5F140CE06
5F140CE07
(57)【要約】
【課題】従来のトランジスタの種々の問題点を解決するための新しいトランジスタ構造を提供すること。
【解決手段】トランジスタ構造は、本体とゲート構造とを含む。本体は、単一の凸状構造を有し、凸状構造は、第1の半導体材料から作製され、トレンチが、単一の凸状構造内に形成される。ゲート構造は、ゲート導電層とゲート誘電体層とを有し、ゲート導電層は、単一の凸状構造の上にわたっており、ゲート導電層の一部は、トレンチ内に充填されている。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ構造であって、
単一の凸状構造を有する本体であって、前記凸状構造は、第1の半導体材料から作製され、トレンチは、前記単一の凸状構造内に形成される、本体と、
ゲート導電層とゲート誘電体層とを有するゲート構造であって、前記ゲート導電層は、前記単一の凸状構造の上にわたっており、前記ゲート導電層の部分は、前記トレンチ内に充填されている、ゲート構造と、を含む、トランジスタ構造。
【請求項2】
前記トレンチの底面および側壁は、前記ゲート誘電体層によって覆われる、請求項1に記載のトランジスタ構造。
【請求項3】
前記凸状構造は、前記ゲート導電層に覆われた第1の外側壁と第2の外側壁とを含み、前記凸状構造は、前記トレンチ内に第1の内側壁と第2の内側壁とをさらに含み、前記第1の内側壁または前記第2の内側壁の長さは、前記第1の外側壁または前記第2の外側壁の長さよりも短い、請求項1に記載のトランジスタ構造。
【請求項4】
前記単一の凸状構造の外側の前記ゲート導電層の底部は、前記トレンチ内に充填された前記ゲート導電層の前記部分の底部よりも低い、請求項1に記載のトランジスタ構造。
【請求項5】
前記単一の凸状構造は、2つの垂直方向の薄い本体を含み、前記ゲート誘電体層は、前記ゲート導電層と前記2つの垂直方向の薄い本体との間に配置される、請求項1に記載のトランジスタ構造。
【請求項6】
前記単一の凸状構造の第1の端部と接触するソース領域と、
前記単一の凸状構造の第2の端部と接触するドレイン領域と、
前記ソース領域を収容する第1の凹部と、
前記ドレイン領域を収容する第2の凹部と、をさらに含み、
前記第1の凹部の側壁および前記第2の凹部の側壁は、STI領域によって囲まれる、請求項5に記載のトランジスタ構造。
【請求項7】
前記ソース領域の縁は、前記2つの垂直方向の薄い本体に接触し、前記ドレイン領域の縁は、前記2つの垂直方向の薄い本体に接触している、請求項6に記載のトランジスタ構造。
【請求項8】
前記ソース領域は、
前記2つの垂直方向の薄い本体と接触するLDD領域と、
前記LDD領域から横方向に延在する高濃度ドープ領域と、
前記第1の凹部内にあり、前記高濃度ドープ領域の側壁と接触する金属領域と、を含む、請求項7に記載のトランジスタ構造。
【請求項9】
前記第1の凹部内に位置する酸化物層であって、前記酸化物層は、垂直方向部と、前記第1の凹部の底部を覆う横方向部と、を含み、前記垂直方向部の上面は、前記横方向部の上面よりも高い、酸化物層と、
前記酸化物層の上にある窒化物層と、をさらに含む、請求項6に記載のトランジスタ構造。
【請求項10】
1つの垂直方向の薄い本体の幅は3 nm以下である、請求項5に記載のトランジスタ構造。
【請求項11】
トランジスタ構造であって、
元の表面を有する凸状構造を有する本体であって、前記本体は、半導体材料から作製され、前記凸状構造は、複数の導電性チャネルを有する、本体と、
前記凸状構造の第1の端部と接触するソース領域と、
前記凸状構造の第2の端部と接触するドレイン領域と、
ゲート導電層を有するゲート領域であって、前記ゲート導電層は、前記凸状構造の上にわたり、前記ゲート導電層の第1の部分は、前記凸状構造内、かつ前記元の表面の下にあり、前記ゲート導電層の第2の部分は、前記元の表面の上にある、ゲート領域と、を含み、
前記ゲート導電層の前記第2の部分の長さは、前記ゲート導電層の前記第1の部分の長さよりも長い、トランジスタ構造。
【請求項12】
トレンチは、前記凸状構造内に、かつ前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成され、前記ゲート導電層の前記第1の部分は、前記トレンチ内に充填される、請求項11に記載のトランジスタ構造。
【請求項13】
前記凸状構造は、上方に延びる2つの薄い本体を含み、薄い本体の各々は、前記薄い本体の側壁に沿って2つの導電性チャネルを含む、請求項12に記載のトランジスタ構造。
【請求項14】
前記ゲート導電層の前記第1の部分で充填された前記トレンチは、前記2つの薄い本体の間にある、請求項13に記載のトランジスタ構造。
【請求項15】
凸状構造の上にわたっているゲート誘電体層であって、前記ゲート導電層の前記第1の部分は、前記トレンチ内で前記ゲート誘電体層によって囲まれている、ゲート誘電体層をさらに含む、請求項14に記載のトランジスタ構造。
【請求項16】
前記ゲート導電層は、前記トレンチの4つの側壁および底部に沿って前記ゲート誘電体層によって囲まれる、請求項15に記載のトランジスタ構造。
【請求項17】
前記トレンチの前記底部の直下には、前記本体の前記半導体材料があり、前記トレンチの前記底部に沿った前記ゲート誘電体層は、前記本体の前記半導体材料と直接接触する、請求項16に記載のトランジスタ構造。
【請求項18】
凸状構造の側壁をクランプする分離壁と、前記分離壁を囲むSTI層とをさらに含む、請求項11に記載のトランジスタ構造。
【請求項19】
トランジスタ構造であって、
単一の凸状構造を有する半導体本体であって、前記単一の凸状構造は、少なくとも4つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面を含み、前記少なくとも4つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面は、互いに水平方向にシフトされる、半導体本体を含む、トランジスタ構造。
【請求項20】
前記単一の凸状構造は、2つの上方に延在する薄い本体を含み、上方に延在する薄い本体の各々は、2つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面を含む、請求項19に記載のトランジスタ構造。
【請求項21】
単一の凸状構造には、前記2つの上方に延在する薄い本体を分離するためにトレンチが形成されている、請求項20に記載のトランジスタ構造。
【請求項22】
前記単一の凸状構造の第1の端部から選択的に成長された単一のソース領域と、
前記単一の凸状構造の第2の端部から選択的に成長された単一のドレイン領域と、をさらに含む、請求項19に記載のトランジスタ構造。
【請求項23】
トランジスタ構造であって、
少なくとも2つの上方に延在する本体を含む凸状構造を有する半導体本体であって、前記半導体本体は第1の半導体材料からなる、半導体本体と、
2つの上方に延在する本体を分離するために単一の凸状構造内に形成されたトレンチと、を含み、
2つの上方に延在する本体の間にはSTI領域は存在しない、トランジスタ構造。
【請求項24】
前記凸状構造の第1の端部と接触するソース領域と、
前記凸状構造の第2の端部と接触するドレイン領域と、
ゲート導電層を有するゲート領域であって、前記ゲート導電層は、前記凸状構造の上にわたる、ゲート領域と、をさらに含む、請求項23に記載のトランジスタ構造。
【請求項25】
前記トレンチの底部は、前記第1の半導体材料と直接接触する、請求項23に記載のトランジスタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ構造、特に、複数の垂直方向の薄い半導体本体(または「VTB」)を有するトランジスタ構造に関し、VTBを有するトランジスタ構造は、一方では、トランジスタ構造のオフ状態の間の漏れ電流経路を効果的に低減することができるだけでなく、トランジスタのオン状態の間の伝導電流を劇的に高めることもできる。
【背景技術】
【0002】
シリコン集積回路(IC)のモノリシック集積は、2021年にダイ上に500億個を超えるトランジスタの実現を達成し、これは、VLSI(ダイ上に数百万個を超えるトランジスタを有する超大規模集積)からのGSI(ギガビットスケール集積、すなわち、ダイ上に数十億個を超えるトランジスタを達成する)の時代と名付けられた。ダイ上のトランジスタの集積能力をより高くする、そのような達成により、PPAC(Performance, Power, Area, and Cost)が大幅に改善されたより強力なマイクロシステムが急速に可能になり、したがって、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SOC)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの多くの強力なチップが作成され、そのことは、指数関数的な経済成長を生み出す基礎を形成したムーアの法則を継続的にサポートするようにシステム能力を高める。
【0003】
経済規模の急速な成長を刺激する新しい用途を成長させるためにGSIから生成されるそのような高い生産性により、ダイ上により多くのトランジスタを集積することが非常に強く要求されている。そのため、半導体産業は、TSI(テラスケールインテグレーション)、すなわち、チップのダイ上に1兆個を超えるトランジスタを集積することに向けて、あらゆる最善の努力を試みることが期待されている。したがって、このTSIの課題を満たすためにトランジスタをいかにして大幅に改善するかは、より良好なPPACを有する、いくつかの根本的に変更されたトランジスタ構造の発明および工学的改善を必要とする。例えば、チップがダイ上に1兆個のトランジスタを集積する場合、各トランジスタが約0.5 pA(アンペアの略)のスタンバイ電流(またはIoffと呼ばれる)を達成するように設定されるならば、合計1兆個のトランジスタは、ダイのIoffが0.5アンペアに近づくことになる。
【0004】
20 nm未満の技術を用いた最先端のトランジスタは、この0.5 pAのIoffをほとんど達成することができないが、FinFETまたはトライゲート設計などの様々なトランジスタ構造を使用することによってさえ、いくつかのIoffは、5~10 pA程度に大きくなり得る。デバイス寸法を継続的に縮小し、加えてIoffを低減する(1 pA未満など)方法は、重要な課題である。
【0005】
フィン構造として形成される活性領域を有する最先端の電界効果トランジスタ(FinFET)の一例が
図1に示される。絶縁体または誘電体層(酸化物、酸化物/窒化物、または何らかの高k誘電体など)の上に何らかの導電性材料(金属、ポリシリコン、またはポリサイドなど)を使用するトランジスタのゲート構造5が、フィン構造または三次元凸状シリコン表面上に形成される。一例としてNMOSトランジスタを使用すると、ソース領域11及びドレイン領域12があり、これらは、高濃度n型ドーパントをp型基板(又はpウェル)に注入するためのイオン注入及び熱アニール技術によって形成され、これにより、2つの分離されたn+/p接合領域が得られる。さらに、高濃度ドープn+/p接合の前に衝突イオン化およびホットキャリア注入を低減するために、イオン注入および熱アニール技術によって高濃度ドープn+ソース/ドレイン領域の前に低濃度ドープドレイン(LDD)領域13を形成することが一般的であり、このようなイオン注入および熱アニール技術は、
図1に示すように、LDD領域13をゲート構造の下に貫通させることが多い。このため、LDD領域13間の実効チャネル14の長さが短くなることは避けられない。
【0006】
一方、製造プロセス技術の進歩は、デバイスの幾何学的形状を水平寸法及び垂直寸法の両方において縮小することによって急速に前進し続けている(例えば、ラムダ(λ)と呼ばれる最小特徴サイズが28 nmから5 nm又は3 nmに縮小される)。しかし、そのようなFinFETまたはトライゲートの幾何学的スケーリングにより、多くの問題が導入され、または悪化している:
【0007】
(1)デバイスのゲート長が微細化されるにつれて、そのオフ電流(Ioff)を低減することが困難になってきている。より高い漏れ電流経路(断面である
図2の破線の矩形領域16)は、フィン構造の表面に沿ってのみではなく、フィン構造内に形成される。このような漏れ電流経路を評価し、
図3に示すようにシミュレーションした。
図3(a)は、技術コンピュータ支援設計(TCAD)シミュレーション下の3D FinFET構造であり、
図3(b)は、
図3(a)の赤色ドット矩形18に対応する3D FinFET構造の断面図であり、
図3(c)は、オフ状態の電流分布である(「“Impact of Current Flow Shape in Tapered (Versus Rectangular) FinFET on Threshold Voltage Variation Induced by Work-Function Variation”, IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL. 61, NO. 6、JUNE 2014」
を参照)。
【0008】
(2)デバイスの寸法が縮小されるにつれて、ゲート、スペーサ、およびイオン注入形成を使用する従来の自己整合方法に従うだけで、LDD接合エッジ(またはソース/ドレイン・エッジ)をゲート構造のエッジに完全な位置で整合させることがより困難になる。また、イオン注入損傷を除去するための熱アニーリング工程は、多様なエネルギー源を使用する急速熱アニーリング(Rapid Thermal Annealing)方法や他の熱処理工程のような高温工程技術を使用しなければならない。そのため、リーク電流を低減するためにはGIDL(Gate-Induced Drain Leakage)リーク電流を抑制する必要があるにもかかわらず、GIDLリーク電流を抑制することが困難であるという問題や、実効チャネル長を制御することが困難であるため、SCE(Short Channel Effect)を抑制することが困難であるという問題がある。GIDLがより良好に制御されるように、ソース/ドレイン・エッジとゲート構造のエッジとの間の相対位置を調整することは困難である。
【0009】
(3)LDD構造(またはNMOSのn+/p接合、またはPMOSのp+/n接合)を形成するためのイオン注入は、シリコン表面の上部から基板に向かって真っ直ぐにイオンを挿入するために、衝撃のように作用するので、ドーパント濃度が、より高いドーピング濃度を有する上部表面からより低いドーピング濃度を有する接合領域に向かって垂直に不均一に分布するので、ソースおよびドレイン領域からチャネルおよび基板本体領域に向かって、より低い欠陥を有する均一な材料界面を形成することは困難である。
【0010】
(4)デバイス寸法が7 nm、5 nm、または3 nmに縮小されるにつれて、NMOSトランジスタのフィン構造の高さ(40~100 nmなど)は、NMOSトランジスタのフィン構造の幅(3~10 nmなど)よりもはるかに大きくなり、その結果、フィン構造は、後続のプロセス(ソース/ドレイン形成、ゲート形成など)中に脆弱になるか、または崩壊さえする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、従来のトランジスタの上述の欠点を解決するための新しい3Dトランジスタ構造を開示し、例えば、新しい3Dトランジスタ構造は、Ioff電流を10~100倍低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態は、トランジスタ構造を提供する。トランジスタ構造は、本体とゲート構造とを含む。本体は、単一の凸状構造を有し、凸状構造は、第1の半導体材料から作製され、トレンチが、単一の凸状構造内に形成される。ゲート構造は、ゲート導電層とゲート誘電体層とを有し、ゲート導電層は、単一の凸状構造の上にわたっており、ゲート導電層の一部は、トレンチ内に充填されている。
【0013】
本発明の一態様によれば、トレンチの底面および側壁は、ゲート誘電体層によって覆われる。
【0014】
本発明の一態様によれば、凸状構造は、ゲート導電層に覆われた第1の外側壁と第2の外側壁とを含み、トレンチ内に第1の内側壁と第2の内側壁とをさらに含み、第1の内側壁または第2の内側壁の長さは、第1の外側壁または第2の外側壁の長さよりも短い。
【0015】
本発明の一態様によれば、単一凸状構造の外側のゲート導電層の底部は、トレンチ内に充填されたゲート導電層の部分の底部よりも低い。
【0016】
本発明の一態様によれば、単一の凸状構造体は、2つの垂直薄体を含み、ゲート誘電体層は、ゲート導電層と2つの垂直薄体との間に配置される。
【0017】
本発明の一態様によれば、ソース領域の縁は、2つの垂直薄体に接し、ドレイン領域の縁は、2つの垂直薄体に接している。
【0018】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、ソース領域、ドレイン領域、第1の凹部、および第2の凹部をさらに含む。ソース領域は、単一の凸状構造の第1の端部と接触する。ドレイン領域は、単一の凸状構造の第2の端部と接触する。第1の凹部は、ソース領域を収容する。第2の凹部は、ドレイン領域を収容する。第1の凹部の側壁および第2の凹部の側壁は、STI領域によって囲まれる。
【0019】
本発明の一態様によれば、ソース領域の縁は、2つの垂直薄体に接触し、ドレイン領域の縁は、2つの垂直薄体に接触している。
【0020】
本発明の一態様によれば、ソース領域は、LDD領域、高濃度ドープ領域、および金属領域を含む。LDD領域は、2つの垂直薄体と接触する。高濃度ドープ領域は、LDD領域から横方向に延在する。金属領域は、第1の凹部内にあり、高濃度ドープ領域の側壁と接触する。
【0021】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、酸化物層および窒化物層をさらに含む。酸化物層は、第1の凹部内に位置し、酸化物層は、垂直方向部と、第1の凹部の底部を覆う横方向部とを含み、垂直方向部の上面は、横方向部の上面よりも高い。窒化物層は酸化物層の上にある。
【0022】
本発明の一態様によれば、1つの垂直薄体の幅は3 nm以下である。
【0023】
本発明の別の実施形態は、トランジスタ構造を提供する。トランジスタ構造は、本体、ソース領域、ドレイン領域、トレンチ、中央極、およびゲート領域を含む。本体は、元の表面を有する凸状構造を有し、本体は、第1の半導体材料から作製され、凸状構造は、複数の導電性チャネルを有する。ソース領域は、凸状構造の第1の端部と接触する。ドレイン領域は、凸状構造の第2の端部と接触する。ゲート領域は、凸状構造の上にわたってゲート導電層を有する。ゲート導電層の第1の部分は、凸状構造内にあり、元の表面の下にあり、ゲート導電層の第2の部分は、元の表面の上にあり、ゲート導電層の第2の部分の長さは、ゲート導電層の第1の部分の長さよりも長い。
【0024】
本発明の一態様によれば、凸状構造内に、かつ第1の端部と第2の端部との間にトレンチが形成され、ゲート導電層の第1の部分は、トレンチ内に充填される。
【0025】
凸状構造は、上方に延びる2つの薄い本体を含み、薄い本体の各々は、薄い本体の側壁に沿って2つの導電性チャネルを含む。
【0026】
ゲート導電層の第1の部分で充填されたトレンチは、2つの薄い本体の間にある。
【0027】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、ゲート誘電体層をさらに含み、ゲート誘電体層は、凸状構造の上にわたっており、ゲート導電層の第1の部分は、トレンチ内でゲート誘電体層によって囲まれている。
【0028】
本発明の一態様によれば、ゲート導電層は、トレンチの4つの側壁および底部に沿ってゲート誘電体層によって囲まれる。
【0029】
本発明の一態様によれば、トレンチの底部の直下には、本体の半導体材料があり、トレンチの底部に沿ったゲート誘電体層は、本体の半導体材料と直接接触する。
【0030】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、凸状構造の側壁をクランプする分離壁をさらに含み、STI層が分離壁を囲む。
【0031】
本発明の別の実施形態は、トランジスタ構造を提供する。トランジスタ構造は、半導体本体を含む。半導体本体は、単一の凸状構造を有し、単一の凸状構造は、少なくとも4つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面を含む。少なくとも4つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面は、互いに水平方向にシフトされる。
【0032】
本発明の一態様によれば、単一の凸状構造は、2つの上方に延在する薄い本体を含み、上方に延在する薄い本体の各々は、2つの上方に延在する導体-酸化物-半導体界面を含む。
【0033】
本発明の一態様によれば、単一の凸状構造には、2つの上方に延在する薄い本体を分離するためにトレンチが形成されている。
【0034】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、単一のソース領域および単一のドレイン領域をさらに含み、単一のソース領域は、単一の凸状構造の第1の端部から選択的に成長され、単一のドレイン領域は、単一の凸状構造の第2の端部から選択的に成長される。
【0035】
本発明の別の実施形態は、トランジスタ構造を提供する。トランジスタ構造は、半導体本体とトレンチとを含む。半導体本体は凸状構造を有し、凸状構造は少なくとも2つの上方に延在する本体を含み、半導体本体は第1の半導体材料からなる。トレンチは、2つの上方に延在する本体を分離するために単一の凸状構造内に形成され、2つの上方に延在する本体の間にはSTI領域は存在しない。
【0036】
本発明の一態様によれば、トレンチの底部は、第1の半導体材料と直接接触する。
【0037】
本発明の一態様によれば、トランジスタ構造は、ソース領域、ドレイン領域、およびゲート領域をさらに含む。ソース領域は、凸状構造の第1の端部と接触し、ドレイン領域は、凸状構造の第2の端部と接触し、ゲート領域は、ゲート導電層を含み、ゲート導電層は、凸状構造の上にわたる。
【0038】
本発明のこれらの目的および他の目的は、種々の図および図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者に疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図を含む本出願のコピーは、オフィス要請に基づいておよび必要な料金の支払いによって提供される。
【0040】
【
図1】従来技術によるFinFETを示す図である。
【
図2】フィン構造内に形成されるより高いリーク電流経路を示す図である。
【
図3】TCAD(Technology Computer-Aided Design)シミュレーション下の3D FinFET構造、3D FinFET構造の断面図、およびオフ状態電流分布を示す図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による垂直方向の薄い本体の電界効果トランジスタ(VTBFET)の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】パッド酸化物層が成長し、パッド窒化物層が堆積し、トレンチが形成されることを示す図である。
【
図6】p型ウェル上に堆積された酸化物スペーサと、酸化物スペーサ上に堆積された窒化物スペーサとを示す図である。
【
図7】形成されている浅いトレンチ分離(STI)と、堆積されている薄い窒化物層とを示す図である。
【
図8】活性領域、および規定された分離領域、の上にわたったゲート領域を示す図である。
【
図9】フォトリソグラフィ(PR)マスクが除去されることを示す図である。
【
図10】トレンチを形成するために窒化物スペーサ-2が形成され、窒化物スペーサ-2に基づくことを示す図である。
【
図11】熱酸化物が成長してトレンチを充填し、中央極を形成し、次いで中央極の上に窒化物キャップが形成されることを示す図である。
【
図12】露出したSTIをエッチバックしてフィン形状を形成することを示す図である。
【
図13】中央磁極関連領域の窒化物キャップおよび窒化物スペーサ-2が除去されることを示す図である。
【
図14】中央極関連領域におけるパッド酸化物層と、フィン形状を覆う酸化物スペーサが除去され、ゲート領域に対応するSTIがまたエッチングされたことを示す図である。
【
図15】中央極が除去され、トレンチ2が露出されたことを示す図である。
【
図16】ゲート領域にゲート誘電体が形成され、ゲート材料がゲート領域に堆積されることを示す図である。
【
図17】キャップ層が堆積され、次いでSTIがエッチングされることを示す図である。
【
図18】パッド窒化物層およびパッド酸化物層がエッチング除去され、STIの一部がエッチバックされ、酸化物-2スペーサおよび窒化物-2スペーサがゲート構造のエッジ上に形成されることを示す図である。
【
図19】酸化物-3層を成長させるために熱酸化プロセスを使用し、窒化物を堆積し、窒化物をエッチバックするためにCVDを使用して、ソースおよびドレインのための浅いトレンチを作成するためにエッチング除去されているいくつかの露出されたシリコンエリアを示す図である。
【
図20】タングステン層が堆積され、次いでTiN層がその上にを堆積されることを示す図である。
【
図21】酸化物-3V層の一部がエッチング除去されてシリコン側壁が露出され、次いでn型LDD、n+ドープソース、およびn+ドープドレインが形成され、次いでTiN層、タングステン層が堆積されることを示す図である。
【
図22】ランディングパッドがn+ドープされたソースおよびn+ドープされたドレインの上に形成されることを示す図である。
【
図23】従来のFinFETと本発明のVTBFETとに関するIonのTCADシミュレーション結果を示す図である。
【
図24】従来のFinFETと本発明のVTBFETとに関するIoffのTCADシミュレーション結果を示す図である。
【
図25】従来のFinFETと本発明のVTBFETsとの間の構造の違いを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
【0042】
ステップ10:開始。
【0043】
ステップ20:半導体基板200に基づいて、活性領域を画定し、複数の電流伝導チャネルまたは複数の垂直薄体を有する凸状構造を形成する。
【0044】
ステップ30:VTBFETのゲート構造を形成する。
【0045】
ステップ40:VTBFETのソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0046】
ステップ50:終了。
【0047】
【0048】
ステップ102:パッド酸化物層204を成長させ、パッド窒化物層206を堆積させる。
【0049】
ステップ104:フォトリソグラフィマスクによって活性領域を画定し、活性領域の外側の半導体材料(シリコンなど)の部分を除去して、凸状構造を形成する。
【0050】
ステップ106:活性領域を囲む窒化物スペーサ306(または酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306)を堆積し、窒化物スペーサ306(または酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306)をエッチバックする。
【0051】
ステップ108:酸化物層を堆積し、化学機械研磨(CMP)技術を用いて余分な酸化物層を除去し、浅いトレンチ絶縁体(STI)領域402を形成する。
【0052】
ステップ110:薄い窒化物層802を堆積する。
【0053】
ステップ112:フォトリソグラフィ(PR)マスク902を利用して、活性領域およびSTI領域402の上にわたってゲート領域を画定し、ゲート領域に対応する薄い窒化物層802およびパッド窒化物層206をエッチング除去する。
【0054】
ステップ114:フォトリソグラフィマスク902を除去し、活性領域内に中心極関連エリアを画定する。
【0055】
ステップ116:SiCOH層(または酸化物/窒化物層の組合せ)を堆積して、SiCOHスペーサを形成する-2 1102。
【0056】
ステップ118:SiCOHスペーサ-2 1102および薄い窒化物層802に基づいて、異方性エッチング技術を利用して、凸状構造に凹部(またはトレンチ)1202を形成する。
【0057】
ステップ120:中央極1302としての誘電体層(熱酸化物など)から、凹部1202を充填する。
【0058】
ステップ122:窒化物層-3を堆積し、窒化物層-3をエッチバックして窒化物キャップ1402を形成する。
【0059】
ステップ124:露出したSTI 402をエッチバックして、画定されたゲート領域に凸状構造を形成する。
【0060】
ステップ126:中央極関連領域に近い窒化物キャップ1402およびSiCOHスペーサ-2 1102、薄い窒化物層802、および窒化物スペーサ306を除去する。
【0061】
ステップ128:中央磁極関連領域に近いパッド酸化物層204、酸化物スペーサ304、および中央磁極1302を除去する。
【0062】
【0063】
ステップ130:ゲート領域にゲート誘電体1502を形成する。
【0064】
ステップ132:ゲート領域にゲート材料1504を堆積し、次いでゲート材料1504をエッチバックする。
【0065】
ステップ138:パッド窒化物層206およびパッド酸化物層204をエッチング除去して、OHSを露出させる。
【0066】
ステップ140:ゲート材料1504およびキャップ層1506の縁部上に酸化物-2スペーサ1802および窒化物-2スペーサ1804を形成する。
【0067】
図4E及び
図19、20、21、22を参照されたい。ステップ40は、以下を含む。
【0068】
ステップ142:露出したシリコンをエッチング除去する。
【0069】
ステップ144:酸化物-3層1002を熱的に成長させる。
【0070】
ステップ146:窒化物層1904を形成する。
【0071】
ステップ148:タングステン層1906を形成する。
【0072】
ステップ150:TiN層1908を形成する。
【0073】
ステップ152:酸化物-3層1002の一部をエッチング除去する。
【0074】
ステップ154:n型低濃度ドープドレイン(LDD)2004、2006を形成し、次いでn+ドープソース2008およびn+ドープドレイン2010を形成する。
【0075】
上記製造方法の詳細な説明は、以下の通りである。例示の目的でNMOSトランジスタを使用して、p型半導体基板200に設置されたウェル設計されたドープp型ウェル202から開始し(本発明の別の実施形態では、p型ウェル202から開始するのではなく、p型基板200から開始することができる)、一例では、p型ウェル202は、OHSから約500 nmの厚さで数えたその上面を有する。また、例えば、p型基板200は、1×1016ドーパント/cm3に近い濃度を有する。実際のドーパント濃度は、最終的な大量生産の最適化によって決定される。
【0076】
ステップ102において、
図5(a)に示すように、OHS上に、適切に設計された厚さを有するパッド酸化物層204を成長させ、パッド酸化物層204の上面に、適切に設計された厚さを有するパッド窒化物層206を堆積させる。
【0077】
ステップ104において、
図5(a)に示すように、フォトリソグラフィマスク技術を用いて、異方性エッチング技術によりVTBFETの活性領域を定義し、異方性エッチング技術により、活性領域以外のシリコン等の材料を除去して、将来のSTI(Shallow Trench Isolation)の必要に応じて、例えば、深さ約300 nmのトレンチを形成し、活性領域の凸状構造を形成する。また、
図5(b)は、
図5(a)に対応する上面図であり、
図5(a)は、
図5(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0078】
ステップ106において、
図6(a)に示すように、活性領域のエッジに酸化物スペーサ304を堆積し、次いで酸化物スペーサ304上に窒化物スペーサ306を堆積し(または活性領域のエッジに窒化物スペーサ306を堆積するだけで)、異方性エッチング技術を用いて酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306をエッチバックして、酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306の上面をOHSまでのレベルにし、酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306は活性領域の外側にある。したがって、ここでの重要な点は、酸化物スペーサ304、次いで窒化物スペーサ306(または窒化物スペーサ306のみ)が、活性領域または狭い凸状構造、特に凸状構造の側壁をクランプするための固体フェンス壁を形成することである。固体クランピング壁は、VTBFETのソース/ドレインまたはゲートを形成する間に狭い凸状またはフィン構造が崩壊するのを防ぐために、単一層(窒化物スペーサ306など)または他の複合層(酸化物スペーサ304および窒化物スペーサ306など)であってもよい。
【0079】
ステップ108において、
図7(a)に示すように、厚い酸化層を堆積して活性領域を囲むトレンチを完全に充填し、CMP技術を用いて余分な酸化層を除去してSTI領域402を形成し、STI領域402の上面はパッド窒化物層206の上面と同じ高さである。この場合も、STI領域402は、活性領域または狭い凸状構造、特に凸状構造のVTBFETをさらに包含またはクランプして、壁のソース/ドレインまたはゲートを形成する間に狭い凸状構造が崩壊するのを防ぐ。
【0080】
ステップ110において、
図7(a)に示すように、パッド窒化物層206およびSTI領域402の上に薄い窒化物層802を堆積する。また、
図7(b)は、
図7(a)に対応する上面図であり、
図7(a)は、
図7(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0081】
ステップ112において、
図8(a)に示すように、フォトリソグラフィ(PR)マスク902を用いて、活性領域およびSTI領域402の上にゲート領域を画定し、ゲート領域に対応する薄い窒化物層802およびパッド窒化物層206を除去して、凹部904を形成する。また、
図8(b)は、
図8(a)に対応する上面図であり、
図8(a)は、
図8(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図8(c)は、
図8(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0082】
ステップ114において、
図9(a)に示すように、フォトリソグラフィ(PR)マスク902を除去する。従って、VTBFETのゲート領域のための薄い窒化物層802及びパッド窒化物層206に沿った滑らかなエッジが達成され、中央極に関連したエリアも活性領域内に画成される。また、
図9(b)は、
図9(a)に対応する上面図であり、
図9(a)は、
図9(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0083】
ステップ116において、
図10(a)に示すように、SiCOH層(または酸化物/窒化物層の組み合わせ)が、中央極関連領域内に堆積され、エッチバックされて、SiCOHスペーサ-2 1102を形成する(例えば、SiCOHスペーサ-2 1102の幅は1~3 nmであり得る)。
図10(b)に示すように、中心極関連領域内の4つの周囲エッジ上のSiCOHスペーサ-2 1102、およびSiCOHスペーサ-2 1102は、下にある元のシリコン領域を保護し、これは、SRS-CPと名付けられた、将来作成される中心極上のシリコンの周囲リング(または周囲Siリング)になる。
【0084】
ステップ118において、
図10(a)に示すように、SiCOHスペーサ-2 1102および薄い窒化物層802に基づいて、異方性エッチング技術を用いて、パッド酸化物層204および基板200の半導体材料を中央極関連領域においてエッチングして、露出したシリコン領域に約50~80 nm(例えば75 nm)の深さを有する凹部(またはトレンチ)1202を形成する。すなわち、SiCOHスペーサ-2 1102および薄い窒化物層802は、中心極関連領域における露出されたパッド酸化物層204が除去され得るようにマスクとして作用し、中心極関連領域における露出されたシリコンも約75 nmの深さだけ除去され、中心極関連領域に凹部1202を形成する。SiCOHスペーサ-2 1102は、作成されるSRS-CPを保護するためにオーニングのように働く。また、
図10(b)は、
図10(a)に対応する上面図であり、
図10(a)は、
図10(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図10(c)は、
図10(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0085】
ステップ120:
図11(a)に示すように、誘電体層を形成し(例えば、熱酸化物の短時間成長、又は化学気相堆積(CVD)堆積を行う)、凹部1202を中心極1302で充填し、又は中心酸化物極又はコラム極(CP)と称する。
【0086】
ステップ122において、
図11(a)に示すように、窒化物層3を堆積し、窒化物層3をエッチバックして、中央極1302を保護するために中央極1302上に窒化物キャップ1402を形成する。また、
図11(b)は、
図11(a)に対応する上面図であり、
図11(a)は、
図11(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図11(c)は、
図11(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0087】
ステップ124において、
図12(a)に示すように、露出されたSTI領域402を約50~80 nmの深さだけエッチバックして、画定されたゲート領域に垂直凸状構造を形成し、画定されたゲート領域のSTI領域402を約75 nmエッチングして凸高さを形成し、一例では、凸高さは、p型ウェル202の元の水平面(OHS)から中心極1302の底部まで計算された中心極1302の高さと同じかまたは実質的に同じである。また、
図12(b)は、
図12(a)に対応する上面図であり、
図12(a)は、
図12(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0088】
ステップ126において、
図13(a)に示すように、エッチングを用いて、中央極関連領域に近い窒化物キャップ1402及びSiCOHスペーサ-2 1102、薄い窒化物層802、及び画定されたゲート領域の凸状構造を覆う窒化物スペーサ306を除去する。したがって、前に定義された中心極関連領域が再び示される。また、
図13(b)は、
図13(a)に対応する上面図であり、
図13(a)は、
図13(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図13(c)は、
図13(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0089】
ステップ128において、
図14(a)に示すように、エッチングを用いて、中心極関連領域に近いパッド酸化物層204と、凸状構造を覆う酸化物スペーサ304とを除去する。ゲート領域の外側のSTI領域402もまた、ある量(例えば、40~80 nmの深さ)だけエッチングされ得、STI領域402の上面は、パッド窒化物層206の上面よりも低い。これにより、
図14(c)に示すように、凸状構造の単結晶シリコンの2つの外側が露出する。より重要なことに、
図14(b)に示すように、中央極(SRS-CP)1302上にシリコンの周囲リングがある。また、
図14(b)は、
図14(a)に対応する上面図であり、
図14(a)は、
図14(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図14(c)は、
図14(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0090】
その後、
図15(a)に示すように、中央ポール1302が除去され、トレンチ-2 1501が露出される。
図15(c)に示すように、凸状構造において、VTBFETのオン状態の間に電流を伝導するための2つの垂直な薄いシリコン本体Sright、Sleftがある。垂直薄体Srightは、トレンチ-2 1501に隣接する1つの外側側壁および1つの内側側壁を有し、垂直薄体Sleftも同様である。垂直薄体Srightの内側壁は、トレンチ-2 1501内の垂直薄体Sleftの内側壁に対向する。また、
図15(b)は、
図15(a)に対応する上面図であり、
図15(a)は、
図15(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図15(c)は、
図15(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0091】
ステップ130において、
図16(a)に示すように、ゲート領域にゲート誘電体(高K誘電体材料または酸化物など)1502を形成する。
【0092】
ステップ132において、
図16(a)に示すように、続いてゲート領域にゲート導電材料(ポリシリコン、またはTiN層上のタングステンのような金属、または適切な仕事関数を有する他の金属など)1504を堆積し、CMP技術を用いて余分なゲート導電材料1504を除去し、次いでゲート導電材料1504をエッチバック/研磨する。もちろん、ゲートラストプロセスがある場合には、前に形成されたゲート導電性材料1504を除去し、他の適切なゲート導電性材料で置き換えることができる。トレンチ-2 1501内のゲート導電性材料1504の部分は、「導電性中央極」と呼ばれることがあり、導電性中央極は、トレンチ-2 1501内のゲート誘電体1502によって囲まれる。また、
図16(b)は、
図16(a)に対応する上面図であり、
図16(a)は、
図16(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図16(c)は、
図16(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0093】
ステップ134において、
図17(a)に示すように、ゲート材料1504の上面のゲート領域に、窒化物層15062とハードマスク酸化物層15064とから構成され得るキャップ層1506を堆積し、キャップ層1506は、ゲート導電性材料1504を保護するために使用される。その後、CMP技術を用いてキャップ層506を研磨し、キャップ層1506の上面をパッド窒化膜206の上面と同じ高さにする。
【0094】
ステップ136において、
図17(a)に示すように、STI領域402(もしあれば、STI領域402上のゲート誘電体1502を含む)をエッチングして、STI 402の上面をパッド酸化物層204の上面までの高さにする。また、
図17(b)は、
図17(a)に対応する上面図であり、
図17(a)は、
図17(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0095】
ステップ138において、
図18(a)に示すように、パッド窒化物層206およびパッド酸化物層204をエッチング除去して、OHSを露出させる。さらに、STI領域402の一部をエッチバックして、STI 402の上面をOHSまでの高さにする。
【0096】
ステップ140において、
図18(a)に示すように、ゲート材料1504およびキャップ層506のエッジ上に、酸化物-2スペーサ1802を形成するための酸化物-2層と、窒化物-2スペーサ1804を形成するための窒化物-2層とを堆積する。また、
図18(b)は、
図18(a)に対応する上面図であり、
図18(a)は、
図18(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0097】
ステップ142において、
図19(a)に示すように、次に、活性領域の露出したシリコン領域の一部をエッチング除去して、VTBFETのソース領域及びドレイン領域(例えば、約50 nm~60 nmの深さ)のための浅いトレンチ1902を形成する。
【0098】
ステップ144において、
図19(a)に示すように、酸化-3プロセスと呼ばれる熱酸化プロセスを用いて、酸化物-3層1002((鋭い結晶配向(110)を有すると仮定して)壁のバルク体の垂直VTBFETを貫通する酸化物-3V層10022と、浅いトレンチ1902の底部上の酸化物-3B層10024との両方を含む)を成長させる。浅いトレンチ1902のVTBFETの一部は、酸化物-2スペーサ1802と窒化物-2スペーサ1804の垂直複合材料を有し、浅いトレンチ1902のそれらの側壁は、STI領域402をさらに包囲するので、酸化-3プロセスは、これらの壁上に酸化物(すなわち、酸化物-3層1002)をほとんど成長させず、その結果、壁のソース/ドレインの巾は、熱酸化プロセスによって実際に影響されない。また、
図19(a)以降に描かれている3 V酸化膜10022および3 B酸化膜10024の厚さは、あくまで説明のために描かれているものであり、その形状は、図示されているSTI領域402の寸法に比例するものではない。例えば、酸化物-3V層10022および酸化物-3B層10024の厚さは、約10~30 nmであるが、STI領域402の垂直高さは、約200~250 nmであり得る。酸化-3プロセスに基づいて、酸化物-3V層10022の厚さは、精密に制御された熱酸化温度、タイミング、および成長速度の両方の下で非常に正確に制御され得る。明確に画定されたシリコン表面上の熱酸化は、酸化物-3V層10022の厚さの40%が除去されることをもたらすはずであるので、VTBFETのバルク体の垂直壁における露出した(110)シリコン表面の厚さ、および酸化物-3V層10022の厚さの残りの60%は、VTBFETのバルク体の垂直壁の外側の追加としてカウントされる。一実施形態では、酸化物-3V層10022のエッジは、ゲート構造のエッジと位置合わせされ、または実質的に位置合わせされ得る。
【0099】
ステップ146において、
図19(a)に示すように、CVDを用いて酸化物-3B層10024の上面に窒化物を堆積し、窒化物をエッチバックして窒化物層1904を形成する。また、
図19(b)は、
図19(a)に対応する上面図であり、
図19(a)は、
図19(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0100】
ステップ148において、
図20(a)に示すように、タングステンを堆積し、タングステンをエッチバックして、窒化物層1904の上面にタングステン層1906を形成する。
【0101】
ステップ150において、
図20(a)に示すように、TiNを堆積(例えば、原子層堆積、ALD)し、TiNをエッチバックして、タングステン層1906の上面の上方にTiN層1908を形成する。また、
図20(b)は、
図20(a)に対応する上面図であり、
図20(a)は、
図20(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図である。
【0102】
ステップ152において、
図21(a)に示すように、TiN層1908の上面を基準として用いて、酸化物-3V層10022の一部をエッチング除去して、シリコン側壁2002(シリコン領域の結晶配向(110)を有する)を露出させる。
【0103】
別の例では、
図20のタングステン層1906およびTiN層1908を形成するステップを省略することができ、
図21の酸化物-3V層10022の部分をエッチングするステップは、窒化物層1904の上面を基準として使用することができる。
【0104】
ステップ154において、
図21(a)に示すように、選択成長技術(例えば、選択エピタキシー成長(SEG)技術)を用いて、n型LDD 2004、2006を形成し、その後、n+ドープソース2008及びn+ドープドレイン2010を形成する。言及すべきこととして、提案されたVTBFETの全てのn型LDD 2004、2006、n+ドープソース2008、及びn+ドープドレイン2010を形成するためのイオン注入は必要なく、n+ドープソース2008及びn+ドープドレイン2010を形成するための強い衝撃による損傷を除去するための高温熱アニールは必要ない。
【0105】
図21(a)に示すように、最後に、TiN層2012およびタングステン層2014を堆積し(例えば、原子層堆積によって実行され得る)、TiN層2012およびタングステン層2014をエッチバックする。一例では、
図21(a)に示すように、導電性中心極の底部は、酸化物-3B層10024の底部よりも低い。n+ドープソース2008およびn+ドープドレイン2010の高さは、約40~60 nmである。
【0106】
一例では、凸部の高さ(約75 nm)は、n+ドープソース2008およびn+ドープドレイン2010の高さ(またはTiN層2012およびタングステン層2014の高さ)よりも約10~30 nm(20 nmなど)高い。したがって、ゲート構造の底部とn+ドープソース2008およびn+ドープドレイン2010(またはTiN層2012およびタングステン層2014の底部)との間のギャップは約10~30 nm(20 nmなど)であり、すなわち、ゲート構造の底部(ゲート誘電体1502またはゲート材料1504のいずれか)は、n+ドープソース2008およびn+ドープドレイン2010の底部(またはTiN層2012およびタングステン層2014の底部)よりも低い。
【0107】
図21(c)に示すように、
図21(c)は、VTBFET表面が、ゲート材料1504の上部ゲート導電性部分15042によって接続された3つの垂直ゲート導電性部分G1~G3を有することを示す。前述のように、ゲート誘電体1502およびゲート材料1504によって覆われた凸状構造の4つの垂直側壁が存在する。垂直ゲート導電部分G1において、1つの外側側壁に沿ったゲート導電材料、酸化物(すなわち、ゲート誘電体1502)、および半導体材料(すなわち、p型ウェル202)は、MOS構造に類似した導体-酸化物-半導体構造2102を形成する。また、垂直ゲート導電部分G3において、別の外側側壁に沿ったゲート導電材料、酸化物(すなわち、ゲート誘電体1502)、および半導体材料(すなわち、p型ウェル202)は、導体-酸化物-半導体構造2104を形成する。同様に、垂直ゲート導電部分G2(または導電性中央極)では、内側側壁に沿ったゲート導電材料、酸化物、および半導体材料が、別の2つの導体-酸化物-半導体構造2106および2108を形成する。したがって、4つの導体-酸化物-半導体構造(またはMOS構造)2102、2104、2106、および2108が存在する。本発明によれば、上記の実施形態の独自性は、縦型薄型本体電界効果トランジスタにおいて1つの共通ソースおよび1つの共通ドレインを共有する4つの導体-酸化物-半導体構造2102、2104、2106、2108があることである。しかし、本発明は、単一の凸状構造内の他の複数のMOS構造(6または8)に適用することができる。
【0108】
別の例では、垂直ゲート導電部分G2の材料は、他の垂直ゲート導電部分G1、G3、または上部ゲート導電部分15042の材料と異なるか、または同じであり得る。
【0109】
また、
図21(a)に示すように、凸状構造の中に半導体からなる周囲のリング部分があるため、OHS上のゲート導電層の長さ「B」は、導電性中心極の長さ「A」よりも長い。また、前記凸状構造の外側側壁の横方向の長さは、前記凸状構造の内側側壁の横方向の長さよりも長い。また、
図21(b)は、
図21(a)に対応する上面図であり、
図21(a)は、
図21(b)に示すX方向のカットラインに沿った断面図であり、
図21(c)は、
図21(b)に示すY方向のカットラインに沿った断面図である。
【0110】
また、
図22に示すように、ランディングパッド2202がn+ドープソース2008及びn+ドープドレイン2010上に形成される場合、n+ドープドレイン2010(又はn+ドープソース2008)の少なくとも2つの側面(1つの側壁及び上面)は、TiN層2012/タングステン層2014及びランディングパッドによって接触され、従って、接触抵抗は、それに応じて低減される。
【0111】
図23は、従来のFinFET(
図23の中央図)が8 nmのフィン巾、70 nmのフィン高さ、1 nmの厚さのゲート酸化物を有し、そしてVTBFET(
図23の左図)が1.5 nmのSright、1.5 nmのSleft、及びSleft及びSrightを覆う1 nmの厚さのゲート酸化物を有する従来のFinFET及び本発明のVTBFETに関するIonのTCADシミュレーション結果を示す。導電性中央極および/またはゲート導電性材料の仕事関数を調整するために適切なゲートメタル材料を用いると、VTBFETのオン状態の間の電流密度(青色曲線で示される)は、従来のFinFETのそれ(茶色の破線曲線で示される)の7倍であり、本発明のIonは、従来のFinFETトランジスタのそれの約2倍である。SleftおよびSrightの薄い本体のために、新しい垂直の薄い本体の電界効果トランジスタには複数の電流伝導チャネルがあることが注目される。
【0112】
一方、
図24は、従来のFinFETと本発明のVTBFETとに関するIoffのTCADシミュレーション結果を示す。同じ構造に基づいて、
図24の右図に示すように、従来のFinFETのオフ状態の間の電流密度(茶色の破線曲線で示す)は、本発明のVTBFETのそれ(青色の曲線で示す)の17倍であり、従来のFinFETトランジスタのIoffは、本発明のVTBFETのそれの34倍である。従って、本発明は、従来のFinFETと比較して、Ion/Ioff比を約68倍に効果的に改善する。
【0113】
また、Sleft/Srightの大きさが約1.5~3 nm(即ち、周囲のSiリングの大きさが約1.5~3 nm)であるため、LDD及び高濃度ドーピング領域を事前設定温度で選択的に成長させる間、他の例では、LDD領域2006のエッジが横方向にシフトしてゲート誘電体1502に接触し、LDD領域2008のエッジも横方向にシフトしてゲート誘電体210に接触する。したがって、この例では、VTBFETの有効チャネル長は、
図21(a)に示されるVTBFETの有効チャネル長(Leff)よりも短くてもよい。
【0114】
図25は、従来のFinFETと本発明のVTBFETとの間の構造の違いを示す。従来のFinFETに対応する
図25(a)に示すように、Ion電流を増加させるために、通常、STI領域によって互いに分離された2つ(またはそれ以上)の独立したフィン構造があり、STI領域は、2つの独立したフィン構造の間にある。ゲート誘電体層およびゲート導電層は、2つの独立したフィン構造およびそれらの間のSTI領域を横切る。その後、フィン構造の各端子は、LDD領域および高濃度にドープされた領域の選択的成長エピタキシーのための1つのシード領域を提供する。このように、2つのフィン構造の2つのN+領域2502、2504は、選択的エピタキシー成長(SEG)技術によって別々に成長され、従来のFinFETにおける2つの成長されたN+領域2502、2504はSTI領域によって制限されないので、これら2つのN+領域2502、2504は、2つの別々のマッシュルームのように徐々に拡張され、最終的に2つのN+領域2502、2504は互いに接続される。したがって、
図25(a)の従来のFinFETのトランジスタ本体は、2つ(またはそれ以上)の独立したフィン構造を含み、各フィン構造の幅は6 nmであり、2つの独立したフィン構造間のSTI領域の幅は25 nmであり、この従来のFinFETと別の同じ従来のFinFETとの間のSTI領域の幅も25 nmである。したがって、
図25(a)の2つの従来のFINFET間のピッチ距離は62 nmである。
【0115】
しかし、本発明の一実施形態に対応する
図25(b)に示すように、半導体基板に基づいて形成された単一の凸状構造体が1つだけ存在し、前述のように、2つの垂直薄体が存在するように、凸状構造体に1つのトレンチが形成される。しかし、これら2つの垂直方向の薄い本体の間にはSTI領域は存在しない。その後、ゲート誘電体層及びゲート導電層が、2つの垂直薄体及びそれらの間のトレンチを横切り、トレンチ内のゲート導電層の部分(すなわち、前述の導電性中央極)は、特にトレンチの4つの側壁及び底部に沿って、ゲート誘電体層によって囲まれる。トレンチの底部の下には、依然として基板の半導体材料がある。したがって、2つの垂直薄体の間にSTI領域は存在しない。
【0116】
2つの垂直方向の薄い本体が存在する場合であっても、前述したように周囲のSiリングが存在するため、周囲のSiリングの1つの露出した端部は、LDD領域及び高濃度にドープされた領域の選択的成長エピタキシーのための、2つの別個のシード領域ではなく、1つのシード領域を提供するだけである。さらに、この実施形態では、VTBFET表面のN+領域2506は、
図21に示すように、STI領域によって制限された凹部内に選択的エピタキシー成長(SEG)技術によって成長される。従って、
図25(b)のVTBFETのトランジスタ本体は、上方に延びる2つの垂直薄体を有する1つの単一凸状構造(又はフィン構造)を含むだけであり、垂直薄体の巾は約1.5 nmであり、垂直薄体の高さは約50~70 nmである。各垂直薄体には、垂直薄体の2つの側壁に沿って2つのMOS構造または2つの導電チャネル(
図25(b)に示される「2C」)がある。この実施例では、ソース/ドレイン領域のLDD領域は、前述したように、熱プロセスによって生じる横方向シフトのために、2つの垂直方向の薄い本体と接触する。このVTBFETと別の同じVTBFETとの間のSTI領域の巾は、12 nmである。したがって、
図25(b)の2つのVTBFETs間のピッチ距離は、22 nm程度に小さくすることができる。
【0117】
また、
図25(c)は、別の実施形態に対応しており、
図25(b)と
図25(c)との間の主な違いは、N+領域2508がSTI領域によって制限された凹部内に成長せず、したがって、N+領域2508が単一のマッシュルームのように徐々に拡張されることである。また、単一の凸状構造に2つの垂直方向の薄い本体が存在する場合であっても、前述のように周囲のSiリングが存在するため、周囲のSiリングの1つの露出した末端は、LDD領域および高濃度ドープ領域の選択的成長エピタキシーのために、2つの別個のシード領域ではなく、1つのシード領域を提供するだけである。
【0118】
要約すると、VTBFETの凸状構造に導電性中心極があり、導電性中心極はゲート誘電体によって取り囲まれる。単一の凸状構造内のこのような導電性中心極は、VTBFETのオフ状態中の漏れ電流経路を効果的に抑制することができる。しかしながら、VTBFETは、オン状態の間の電流伝導のための複数の垂直方向の薄い本体(すなわち、SrightおよびSleft)を依然として有する。また、例えば、Sright(またはSleft)の幅は、約1.5~2 nmであり得る。導電性の中心極はシリコンの周囲リングによって取り囲まれているので、VTBFETのオン状態の間の導電性電流は、ドレイン領域からソース領域に延びる導電性チャネル領域に発散され、次いで収束される。
【0119】
さらに、固体フェンス壁(
図6に示される酸化物スペーサ304、次いで窒化物スペーサ306など)が、活性領域または狭い凸状構造、特に凸状構造の側壁をクランプするように形成される。固体フェンス壁は、VTBFETのソース/ドレインまたはゲート構造を形成する間に狭い凸状構造が崩壊するのを防ぐために、単一層または他の複合層であってもよい。さらに、STI領域402(
図7に示す)は、活性領域または狭い凸状構造、特に凸状構造のVTBFETをさらに包含またはクランプして、壁のソース/ドレインまたはゲートを形成する間に狭い凸状構造が崩壊するのを防ぐ。したがって、凸状構造の高さ(例えば60~300 nm)がVTBFETの凸状構造の厚さ(例えば3~7 nm)よりもはるかに大きくても、本発明の固体フェンス壁によって保護される凸状構造は、後続のプロセス(例えばソース/ドレイン形成、ゲート形成など)中に脆弱になる可能性が低い。
【0120】
本発明の別の利点は、ゲート領域(
図18に示す)のエッジ上に形成される酸化物-2スペーサ1802および窒化物-2スペーサ1804の厚さが制御可能であり、熱酸化プロセスによって作られる酸化物-3V層10022および酸化物-3B層10024(
図19に示す)の厚さも制御可能であるので、ソース/ドレインのエッジをゲート領域のエッジと位置合わせするか、または実質的に位置合わせすることができ(
図21に示すように)、特にソース/ドレインがSEG技法によって形成されることである。したがって、本発明によれば、ソース/ドレインのエッジとゲート領域のエッジとの間の相対的な位置または距離は制御可能であり、ゲート領域のエッジ上に形成されたスペーサの厚さおよび/または酸化物層(酸化物-3V層10022など)の厚さに依存し得る。したがって、有効チャネル長Leffは、ゲート誘起ドレインリーク(GIDL)電流問題が改善され得るように制御され得る。
【0121】
要約すれば、本発明のVTBFETは、以下のような利点を有する。
【0122】
(1)凸状構造内のゲート誘電体層によって囲まれた導電性中心極の存在により、オフ状態中のリーク電流経路が低減され、凸状構造内のゲート誘電体層によって囲まれたこのような導電性中心極は、トランジスタのオフ状態中のリーク電流経路を効果的に抑制することができる。また、凸状構造には複数の垂直薄体が存在し、これらの複数の垂直薄体は、トランジスタのオン状態の間の伝導電流をさらに増加させる。
【0123】
(2)例として5 nmの最小特徴サイズを有するプロセスを使用することによって、複数のMOS構造および複数の導電性チャネルを有する新しい垂直薄型本体電界効果トランジスタは、以下の寸法を有する構造を有する:それらのゲート間に構築された最初の2つの薄型本体は、1.5 nmの本体、1 nmのゲート誘電体厚さ、約3 nmの内側ゲート(導電性中心極)厚さを有し、したがって、約8 nmの開始凸状厚さを必要とする。2つの凸状構造体間のSTI幅が8 nmであると仮定すると、縦型薄型本体電界効果トランジスタのピッチ(スペース+幅)は16 nm(=3.2F)であり、これは、6 nmのフィン幅を有し、2つのフィン間のスペースが24 nmである最先端のFinFETのピッチよりもはるかに小さく、したがって、そのようなトランジスタピッチは30 nm(=6F)である。
【0124】
(3)
図23、
図24は、従来のFinFET(またはトライゲート)に対する縦型薄型本体電界効果トランジスタのいくつかのデバイスシミュレーション結果を示す。本発明の縦型薄型本体電界効果トランジスタのIonは>2Xであり、Ioffは<34Xであり、それぞれの絶対値はかなり改善される。この改善は、最新技術のFinFETの6Fに対して、縦型の薄い本体の電界効果トランジスタの<4Fのデバイス幅ピッチで達成可能である。従って、垂直薄型本体電界効果トランジスタの生産性は、実にはるかに良好であり、非常に手頃な処理の複雑さで新しい構造を実行するのに価値がある。
【0125】
(4)活性領域または狭い凸状構造、特に凸状構造の側壁をクランプするために、固体フェンス壁が形成される。したがって、凸状構造の高さ(60~300 nmなど)が凸状構造の幅(3~7 nmなど)よりもはるかに大きい場合であっても、本発明の固体壁によって保護される凸状構造は、脆弱である可能性が低い。
【0126】
(5)ソース/ドレイン領域のエッジとゲート領域のエッジとの間の相対的な位置または距離は、ゲートのエッジ上に形成されるスペーサの厚さおよび/または酸化物層(酸化物-3V層など)の厚さに応じて制御可能である。
【0127】
(6)ソース/ドレイン領域に金属-半導体接合を形成することにより、ソース/ドレイン領域の抵抗を向上させることができた。
【0128】
(7)酸化物-3B及び/又は窒化物-3による底部構造を含む絶縁材料によって、大部分のソース/ドレイン領域が分離され、接合リークを大幅に低減することができる。
【0129】
以上、本発明の実施形態を参照して説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲に含まれる多様な変形及び等価な構成を含むことが意図される。