(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117723
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電力コンバーターにおけるクロスコンダクション防止
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006409
(22)【出願日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】18/140,470
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/446,388
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【弁理士】
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】アクシェイ ナヤクヌール
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730BB43
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE13
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD24
5H730FG02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同期スイッチング式電力コンバーターのクロスコンダクションを回避する。
【解決手段】制御装置は、一次制御装置と二次制御装置とを含み、一次制御装置は、一次巻線と電力コンバーターの一次スイッチとに結合され、二次制御装置は、二次巻線と、同期整流器の二次スイッチとに結合されている。二次制御装置が、同期整流器制御/駆動回路、制御論理回路、クロスコンダクションディテクター回路を含み、クロスコンダクションは、二次スイッチが有効であるときに一次スイッチがオンに切り替わるときである。クロスコンダクションディテクター回路は、クロスコンダクションイベントが検出されたとき、Disable_SR信号を生成し、ゼロ電圧スイッチングクロスコンダクションイベントおよび最小伝導期間クロスコンダクションイベントを検出する。SR駆動回路が、Disable_SR信号を受信したことに応答して、同期整流器を無効化する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー伝達要素と一次スイッチと同期整流器とを含む電力コンバーターのための制御装置であって、
前記制御装置が、二次制御装置を備え、
前記二次制御装置が、
有効化クロスコンダクションコマンド信号を受信するように結合された制御論理回路と、
前記同期整流器に、前記制御論理回路に、および前記エネルギー伝達要素のフォワードノードに結合された同期整流器(SR)制御/駆動回路であって、前記SR制御/駆動回路がSR信号を生成し、前記同期整流器が有効であることを前記SR信号が示す、前記SR制御/駆動回路と、
前記フォワードノードに、前記制御論理回路に、および、前記SR制御/駆動回路に結合されたクロスコンダクションディテクター回路であって、前記フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したときに前記一次スイッチが導通していることを検出し、前記一次スイッチが導通していることの検出に応答して、Disable_SR信号を生成する、前記クロスコンダクションディテクター回路と、
を備え、
前記SR制御/駆動回路が、前記Disable_SR信号を受信するように、および前記同期整流器を無効化するように更に結合された、
制御装置。
【請求項2】
前記制御論理回路が、有効化クロスコンダクション検出信号を生成するために、前記有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、
前記クロスコンダクションディテクター回路が、
前記フォワードノードに結合された比較器であって、前記閾値電圧を受信し、前記フォワードノードにおける電圧が前記閾値電圧より高く上昇したことに応答して比較器出力信号を生成する、前記比較器と、
前記比較器出力信号と前記有効化クロスコンダクション検出信号と前記SR信号とを受信したことに応答して前記Disable_SR信号を生成するANDゲートと、
を更に備える、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記閾値電圧が、前記同期整流器の動作パラメータに基づいて選択された、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御論理回路が、第1の有効化クロスコンダクション検出(CCD)信号と第2の有効化CCD信号とZVS信号とを生成するために、前記有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、前記第1の有効化CCD信号が、前記同期整流器(SR)を使用した前記一次スイッチのゼロ電圧スイッチング中にクロスコンダクションの検出を有効化し、前記第2の有効化CCD信号が、前記同期整流器の最小伝導期間中にクロスコンダクションの検出を有効化し、
前記クロスコンダクションディテクター回路が、
前記フォワードノードに結合された比較器であって、前記閾値電圧を受信し、前記フォワードノードにおける前記電圧が前記閾値電圧より高く上昇したことに応答して比較器出力信号を生成する、前記比較器と、
前記比較器出力信号と前記第1の有効化CCD信号と前記ZVS信号とに応答してZVS無効化信号を生成する第1のANDゲートと、
前記比較器出力信号と前記第2の有効化CCD信号と前記SR信号とに応答して最小伝導Disable_SR信号を生成する第2のANDゲートと、
前記ZVS無効化信号と前記最小伝導Disable_SR信号とに応答して前記Disable_SR信号を生成するORゲートと、
を備える、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記エネルギー伝達要素の一次巻線に、および前記制御論理回路に結合された一次制御装置を更に備え、前記一次制御装置と前記二次制御装置とが、ガルバニック絶縁されている、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記一次制御装置と前記二次制御装置とが、モノリシック集積回路に含まれる、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記一次制御装置と前記二次制御装置とが、1つの集積回路パッケージに含まれる、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項8】
一次巻線と二次巻線とを含むエネルギー伝達要素と、
前記二次巻線のフォワードノードに結合された同期整流器(SR)と、
前記一次巻線に結合された一次制御装置と、
前記一次制御装置に、および前記一次巻線に結合された一次スイッチと、
前記二次巻線に、および前記一次制御装置に結合された二次制御装置と、
を備え、
前記二次制御装置が、
有効化クロスコンダクションコマンドを受信するように結合された制御論理回路と、
前記同期整流器に、前記制御論理回路に、および前記フォワードノードに結合された同期整流器(SR)制御/駆動回路であって、前記SR制御/駆動回路がSR信号を生成し、前記同期整流器が有効であることを前記SR信号が示す、前記SR制御/駆動回路と、
前記フォワードノードに、前記制御論理回路に、および、前記SR制御/駆動回路に結合されたクロスコンダクションディテクター回路であって、前記フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したときに前記一次スイッチが導通していることを検出し、前記一次スイッチが導通していることの検出に応答して、Disable_SR信号を生成する、前記クロスコンダクションディテクター回路と、
を備え、
前記SR制御/駆動回路が、前記Disable_SR信号を受信したことに応答して、前記同期整流器を無効化する、
システム。
【請求項9】
前記制御論理回路が、有効化クロスコンダクション検出信号を生成するために、前記有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、
前記クロスコンダクションディテクター回路が、
前記フォワードノードに結合された比較器であって、前記閾値電圧を受信し、前記フォワードノードにおける電圧が前記閾値電圧より高く上昇したことに応答して比較器出力信号を生成する前記比較器と、
前記比較器出力信号と前記有効化クロスコンダクション検出信号と前記SR信号とを受信したことに応答して前記Disable_SR信号を生成するANDゲートと、
を更に備える、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記閾値電圧が、前記同期整流器の動作パラメータに基づいて選択された、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御論理回路が、第1の有効化クロスコンダクション検出(CCD)信号と第2の有効化CCD信号とZVS信号とを生成するために、前記有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、前記第1の有効化CCD信号が、前記同期整流器(SR)を使用した前記一次スイッチのゼロ電圧スイッチング中にクロスコンダクションの検出を有効化し、前記第2の有効化CCD信号が、前記同期整流器の最小伝導期間中にクロスコンダクションの検出を有効化し、
前記クロスコンダクションディテクター回路が、
前記フォワードノードに結合された比較器であって、前記フォワードノードにおける電圧が前記閾値電圧より高く上昇したことに応答して比較器出力信号を生成する、前記比較器と、
前記比較器出力信号と前記第1の有効化CCD信号と前記ZVS信号とに応答してZVS無効化信号を生成する第1のANDゲートと、
前記比較器出力信号と前記第2の有効化CCD信号と前記SR信号とに応答して最小伝導Disable_SR信号を生成する第2のANDゲートと、
前記ZVS無効化信号と前記最小伝導Disable_SR信号とに応答して前記Disable_SR信号を生成するORゲートと、
を備える、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記一次制御装置と前記二次制御装置とが、モノリシック集積回路に含まれる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記一次制御装置と前記二次制御装置とが、1つの集積回路パッケージに含まれる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
エネルギー伝達要素と一次スイッチと同期整流器とを含む電力コンバーターにおけるクロスコンダクションを検出するための方法であって、前記方法が、
前記同期整流器が伝導しているときを検出することと、
前記エネルギー伝達要素の二次巻線のフォワードノードにおける順電圧を検出することと、
前記順電圧を、選択された閾値電圧と比較することであって、比較結果が、前記一次スイッチが導通しているときを示す、比較することと、
前記同期整流器が伝導しており、かつ、前記一次スイッチが伝導しているとき、クロスコンダクションを検出することと、
前記同期整流器を無効化することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記選択された閾値電圧が、同期整流器の動作パラメータを示す複数の電圧から選択された、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ゼロ電圧スイッチング中に前記一次スイッチが導通している、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
最小伝導期間中に前記同期整流器が伝導している、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001] 本出願は、2023年2月17日に出願された米国仮特許出願第63,446,388号の利益を主張し、同文献の全体が参照により組み込まれる。
【0002】
[002] 本発明は概して、電力コンバーターを制御することに関する。より詳細には、本発明の例は、スイッチング式電力コンバーターを制御することに関する。
【背景技術】
【0003】
[003] スイッチング式電力コンバーターは、例えば電子モバイルデバイスにおいて一般的に使用される充電器などの、それらの動作のために調節された直流電流(DC:direct current)電源を必要とする家庭用または産業用の機器に広く使用される。オフラインAC-DCコンバーターは、低周波(例えば50Hzまたは60Hz)の高電圧の交流(AC:alternating current)入力電圧を、必要とされるレベルのDC出力電圧に変換する。それらの適切に調節された出力、高効率、および小さいサイズ、並びに、それらの安全性および保護機能を理由として、様々な種類のスイッチング式電力コンバーターが一般的に利用される。スイッチング式電力コンバーターの一般的なトポロジーは、フライバック、フォワード、ブースト、バック型、ハーフブリッジ、およびフルブリッジを包含するだけでなく、共振型を含む他の多くのものを包含する。
【0004】
[004] 例えば同期スイッチング式電力コンバーターといった幾つかのスイッチング式電力コンバーターは、電力コンバーターの一次側における一次スイッチと、電力コンバーターの二次側における例えば同期整流回路のスイッチといった二次スイッチとを含み得る。一次スイッチは、電力コンバーターの入力と出力との間のエネルギー伝達を制御するために、オン状態(すなわち閉じたスイッチ)とオフ状態(すなわち開いたスイッチ)との間でスイッチングされ得る。二次スイッチは、一次スイッチがオフ状態にスイッチングされたときにエネルギーが電力コンバーターの出力に伝達される効率を高めるために使用され得る。動作時、クロスコンダクションを防ぐために両方のスイッチが同時にオン状態にならないように、二次スイッチが、一次スイッチと連動してオン状態とオフ状態との間でスイッチングされ得るが、クロスコンダクションは、電力コンバーターが、電力コンバーターの効率の低下をもたらし得るような出力における短絡回路にエネルギーを提供しようと試みる状態である。
【0005】
[005] クロスコンダクションを回避するために、スイッチに対する駆動信号は、一次スイッチがオフに切り替わるときと二次スイッチがオンに切り替わるときとの間の期間に短い「デッドタイム」を含む。デッドタイムを延ばすことは、スイッチを保護することに役立つが、それは、電力コンバーターの効率を下げるような、および利用可能なデューティサイクルレンジを下げるような、両方のスイッチがオフであるときに発生する別のタイプの損失を更に生成する。結果として、クロスコンダクションが発生しないことを確実なものとしながら、駆動信号のデッドタイムを最小化することが、重要な設計目標である。
【発明の概要】
【0006】
[006] 以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明され、同様の参照符号は様々な図を通して、別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】[007]
図1Aは、本発明の教示による、クロスコンダクションを検出するための、および二次スイッチを無効化するための、クロスコンダクションディテクター回路を使用するフライバック構成による電力コンバーターの例示的な機能ブロック図を示す。
【
図1B】
図1Bは、本発明の教示による、クロスコンダクションを検出するための、および二次スイッチを無効化するための、クロスコンダクションディテクター回路を使用するフライバック構成による電力コンバーターの別の例示的な機能ブロック図を示す。
【
図1C】
図1Cは、集積回路パッケージ内に含まれるクロスコンダクションディテクター回路および制御回路を含む
図1Aまたは
図1Bに示されるフライバック構成による電力コンバーターの回路図を示す。
【
図2】[008]
図2は、例示的な電力コンバーターにおいて観測される一次駆動信号、二次駆動信号、およびFWD電圧の例示的な波形を示す例示的なタイミング図を示す。
【
図3】[009]
図3は、本発明の教示による、クロスコンダクションディテクター回路の一例のタイミング図を示す。
【
図4】[0010]
図4は、クロスコンダクションイベントを検出するための判断工程に対するフロー
図400の例を示す。
【
図5】[0011]
図5は、
図1Aに例示されているSR駆動回路138に対する、および制御論理回路140に対するクロスコンダクションディテクター回路144の結合に対する論理図を示す。
【
図6】[0012]
図6は、
図1Bに例示されているSR駆動回路138に対するクロスコンダクションディテクター回路144の結合に対する論理図を示す。
【
図7】[0013]
図7は、
図1Aの実施形態による二次スイッチ122のオン切り替えとオフ切り替えとを制御するためのSR駆動回路138の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014] 図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれているとは限らないことを理解する。例えば、図中の幾つかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素は多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように図示されていない。
【0009】
[0015] 以下の説明では、本発明を十分に理解してもらうために多くの具体的な詳細事項が記載される。しかし、本発明を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例を挙げると、よく知られた材料または方法については、本発明が理解しにくくなるのを防ぐために、詳細には説明されていない。
【0010】
[0016] 本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切なコンポーネントに含まれてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれているとは限らないことが理解される。
【0011】
[0017] 例示を目的として、以下の説明は、正の論理極性を使用した電力コンバーターを説明する。当業者は、本発明の概念を負の論理極性を使用することまで広げ得る。
【0012】
[0018] 例示を目的として、以下の説明は、電力コンバーターが電池駆動式製品にエネルギーを提供することを目的として出力電圧および電流を提供するために使用され得ることについて説明していることに留意されたい。しかし、本発明が概して任意の電力コンバーターに適用され得ることが理解される。
【0013】
[0019] 本明細書において説明されている様々な例において、二次スイッチが伝導状態にあり、一次スイッチがオンに切り替わるとき、クロスコンダクションイベントが存在する。これは、フォワードFWD電圧を観察することにより検出され得る。
【0014】
[0020] 例えば一次側と二次側との間に電流が流れないガルバニック絶縁を含むフライバックコンバーターでは、エネルギーまたは情報は他の手段によりやり取りされる。二次側により制御されるフライバックコンバーターの場合、一次側に関する情報はFWDノード114を監視することにより外挿され得る。FWDノード114は一次スイッチにまたがる電圧に比例的に追従する。通常動作中、一次スイッチが伝導し始め、および、二次スイッチが非伝導状態であるとき、または開いているとき、フォワードノード114における電圧が上昇する。一次スイッチが非伝導状態であり、および二次スイッチが伝導しているとき、フォワードノードにおける電圧は基準グランド未満である。どちらのスイッチも伝導状態でないとき、一次スイッチにリンギングが存在し、FWDノード114における電圧が一次スイッチにおける電圧に追従する。
【0015】
[0021] クロスコンダクションイベントが発生したとき、一次スイッチと二次スイッチとの両方が伝導状態にあり、FWDノード114における電圧を高める。このイベントは場合によってはトランジスタを損傷させる。開示されているクロスコンダクションディテクター回路は、二次スイッチの状態およびFWDノード114における電圧の上昇を検出する。この状態はクロスコンダクションイベントと考えられ、無効化信号が二次スイッチに送信される。
【0016】
[0022]
図1Aは、本発明の教示による、クロスコンダクションを検出するための、および二次スイッチを無効化するためのクロスコンダクションディテクター回路を使用するフライバック構成による電力コンバーターの例示的な機能ブロック図を示す。
図1Bは、本発明の教示による、クロスコンダクションを検出するための、および二次スイッチを無効化するためのクロスコンダクションディテクター回路を使用するフライバック構成による電力コンバーターの別の例示的な機能ブロック図を示す。
図1Cは、集積回路パッケージ内に含まれるクロスコンダクションディテクター回路および制御回路を含む
図1Aまたは
図1Bに示されるフライバック構成による電力コンバーターの回路図を示す。
【0017】
[0023] 電力コンバーター100は、例えば電池駆動式製品といった電子デバイスにエネルギーを提供するために使用され得る。破線により示される実効ドレイン静電容量CPS120は、電力スイッチ116にまたがって効果的に結合された全ての静電容量を表す。静電容量CPS120は、エネルギー伝達要素、すなわちエネルギー伝達要素T1 106の内部に本来的に備わる静電容量、および、電力スイッチ116の本来的に備わる内部静電容量を含み得る。静電容量CPS120は、ノイズをフィルタリングするために、およびスイッチング電圧の遷移を遅くするために回路の様々な部分に意図的に配置された独立したコンデンサを更に表し得る。
【0018】
[0024] 示される例において、電力コンバーター100は、一次制御装置134と二次制御装置132とを更に含む。一次制御装置134は、一次スイッチ116のスイッチングを制御し、二次制御装置132は、例えば同期整流器(SR:synchronous rectifier)122といった二次スイッチのスイッチングを制御する。一次制御装置134および二次制御装置132は、ガルバニック絶縁された通信リンク133を介して通信し得る。
【0019】
[0025] 一次制御装置134および二次制御装置132は、制御装置130として示される(例えば非絶縁フライバックコンバーターにおける)ハイブリッド集積回路とモノリシック集積回路とのいずれかとして製造される集積回路の一部として形成され得る。一例において、一次スイッチ116は、制御装置130とともに1つの集積回路パッケージに集積されてもよい。別の例では、クロスコンダクションディテクター回路144は、制御装置130とともに1つの集積回路パッケージに集積され得る。一次制御装置と二次制御装置との両方が1つの制御装置パッケージに含まれる必要はないこと、および、別々の制御装置パッケージに実装されてもよいことが理解されなければならない。更に、一次制御装置134および二次制御装置132は、別の集積回路として形成されてもよい。
【0020】
[0026] 有効化クロスコンダクションコマンド信号は、外部コンポーネントをトリミングすることによりレジスタ内に記憶された値、または、例えばインターインテグレーテッド回路(I2C:inter-integrated circuit)バスといった通信リンクを通して受信された信号であり得る。
【0021】
[0027]
図1Aおよび
図1Bは、SR制御/駆動回路138とクロスコンダクションディテクター回路144とを含み得る二次制御装置132の例である。比較器146は、(出力量U
Oを表す)フィードバック信号FBを受信し、フィードバック信号FBを基準と比較して、要求を生成する。要求は、一次スイッチ116がオンに切り替えられなければならないことを示す。出力量U
Oは、電力コンバーター100の出力電圧V
Oを表し得る。要求に応答して、制御論理回路140がREQ信号を生成する。REQ信号は、一次スイッチ116をいつ有効化するかを選択する。SR制御/駆動回路138はREQ信号を受信し、二次スイッチ122を有効化する駆動信号S
DRを生成する。二次スイッチ122は、同期整流器SRであり得る。一例において、駆動信号S
DRはデジタル波形であり、駆動信号S
DRにおける立ち上がりエッジは、二次スイッチ122を有効化してオンに切り替えることに対応する。
【0022】
[0028] 検出回路128は、コンデンサCo124にかかる出力電圧Voを検出する。検出回路は、出力量Uoを表すフィードバック信号FBを生成する。
【0023】
[0029] SR制御/駆動回路138は、エネルギー伝達要素106のFWDノード114、同期整流器122、クロスコンダクションディテクター回路144、および制御論理回路140に結合されている。
【0024】
[0030] クロスコンダクションディテクター回路144は、FWDノード114、SR制御/駆動回路138、および制御論理回路140に結合されている。
【0025】
[0031]
図1Aでは、例えばEN_CCD_ZVSまたはEN_CCD_MCといった有効化クロスコンダクション検出信号が、制御論理回路140から受信される。この例は、クロスコンダクションイベントのタイプに基づいてクロスコンダクションディテクター回路144を有効化することを提供する。
図1Bでは、例えばEN_CCDといった有効化クロスコンダクション検出信号が、制御論理回路140から受信される。この例は、最小伝導期間イベントとゼロ電圧ZVSイベントとの両方に基づいてクロスコンダクションディテクター回路144を有効化することを提供する。
【0026】
[0032]
図1Aに対する動作時、例えばEN_CCD_ZVSまたはEN_CCD_MCといった有効化クロスコンダクション検出信号が有効であるとき、クロスコンダクションディテクター回路144がオンに切り替わる。クロスコンダクションディテクター回路144は、例えばFWD電圧といったFWDノード114における電圧を監視することにより、いつ一次スイッチ116がオンであるかを検出する。要求信号REQおよびSR122が有効化された後にFWD電圧が所定の閾値より高く上昇したとき、クロスコンダクションディテクター回路144がDISABLE_SR信号を生成する。SR制御/駆動回路138がDISABLE_SR信号を受信し、同期整流器SR122をオフに切り替える。所定の閾値は、同期整流器122の動作パラメータに基づいて選択され得る。
【0027】
[0033]
図1Aでは、クロスコンダクションディテクター回路144がEN_CCD_MC信号を受信したとき、クロスコンダクションディテクター回路144は、同期整流器(SR)二次伝導期間中に発生し得るクロスコンダクションイベントを探す。一次スイッチ116がオフに切り替わった後、SR122が二次伝導期間中にオンに切り替わる。SR122は、例えば1マイクロ秒といった最小伝導期間を伴う。FWD電圧が基準グランドより高く上昇したとき、SR122がオフに切り替えられる。クロスコンダクションイベントが発生したとき、例えば一次スイッチ116がオンであるとき、クロスコンダクションディテクター回路144が最小SR二次伝導期間中にSR122を無効化する。通常動作のもとでは、FWDノード114の電圧は最小伝導期間中に基準グランド未満である。クロスコンダクションイベントが発生したとき、FWD電圧が基準グランドより高く急速に上昇する。FWD電圧が所定の閾値と比較される。所定の閾値は、クロスコンダクションイベント中のみにSR122が無効化されるように選択されている。
【0028】
[0034]
図1Aでは、クロスコンダクションディテクター回路144がEN_CCD_ZVS信号を受信したとき、クロスコンダクションディテクター回路144は、SR-ZVS-ON期間中に発生し得るクロスコンダクションイベントを探す。SR-ZVS-ON期間に対する通常動作中、FWD電圧が基準グランドより高くなる。クロスコンダクションイベントが発生したとき、例えば一次スイッチ116がオンであるとき、FWD電圧が急速に上昇する。FWD電圧が所定の閾値と比較される。SR122がクロスコンダクションイベント中にのみ無効化されるように、所定の閾値が選択されている。
【0029】
[0035]
図1Bでは、有効化クロスコンダクション検出信号、例えばEN_CCDが、制御論理回路140から受信される。
【0030】
[0036] 動作時、有効化クロスコンダクション検出信号、例えばEN_CCDが受信されたとき、クロスコンダクションディテクター回路144がオンに切り替わる。クロスコンダクションディテクター回路144は、FWDノード114におけるFWD電圧を監視することにより、いつ一次スイッチ116がオンであるかを検出する。要求信号REQおよびSR122が有効化された後、FWD電圧が所定の閾値より高く上昇したとき、クロスコンダクションディテクター回路144が、DISABLE_SR信号を生成する。SR制御/駆動回路138が、DISABLE_SR信号を受信し、二次スイッチSR122をオフに切り替える。所定の閾値は、同期整流器の動作パラメータに基づいて選択され得る。
【0031】
[0037] クロスコンダクションディテクター回路144がEN_CCD信号を受信したとき、クロスコンダクションディテクター回路144は、同期整流器(SR)の任意の二次伝導期間中に発生し得るクロスコンダクションイベントを探す。クロスコンダクションが発生したとき、例えば一次スイッチ116がオンであるとき、例えばFWD電圧が基準グランド125より高く急速に上昇したとき、クロスコンダクションディテクター回路144がSR122を無効化する。FWD電圧が所定の閾値と比較される。SR122がクロスコンダクションイベント中にのみ無効化されるように、所定の閾値が選択されている。
【0032】
[0038]
図2は、一次駆動信号P
DR、FWD電圧、および二次駆動信号S
DRの例示的な波形の信号挙動を示す例示的なタイミング
図200を示す。時間インターバルt
1~t
6の間の例示的な波形のサイクルが示される。
【0033】
[0039] 時間インターバルt1からt2中、一次駆動信号PDRが一次スイッチ116を伝導モードにする。同期整流器122は伝導しておらず、FWDノード114にかかる電圧はハイである。
【0034】
[0040] 時間インターバルt2からt3中、同期整流器122が伝導状態であるとき、FWD電圧は基準グランド125未満である。
【0035】
[0041] 時間インターバルt3からt4中、一次駆動信号PDRと二次駆動信号SDRとのどちらもアサートされない。電力コンバーターが不連続伝導モードである。一次電力スイッチのドレインノードにおける静電容量とエネルギー伝達要素のインダクタンスとの間の共振によるリンギング電圧が存在し得る。
【0036】
[0042] 時間インターバルt4からt5中、一次スイッチのゼロ電圧スイッチングZVSを実現するために、二次駆動信号SDRがアサートされ得る。
【0037】
[0043] 二次スイッチ122が伝導している時間インターバル中、例えば時間インターバルt2からt3およびt4からt5中、一次スイッチ116がオンに切り替えられた場合、クロスコンダクションイベントが発生し得る。
【0038】
[0044]
図3は、クロスコンダクションイベント中の一次駆動信号P
DR、FWD電圧、および二次駆動信号S
DRの例示的な波形を示す例示的なタイミング
図300を示す。時間インターバルt
1~t
3の間の例示的な波形のサイクルが示される。
【0039】
[0045] 時間インターバルt1からt2中、一次駆動信号PDRが一次スイッチ116を伝導モードにする。二次スイッチ122は伝導しておらず、FWDノード114におけるFWD電圧はハイである。
【0040】
[0046] 時間インターバルt2からt3中、(二次駆動信号SDRにより示される)二次側における同期整流器122が伝導状態であるとき、FWD電圧が基準グランド125未満である。
【0041】
[0047] 時点t3において、FWDノード114におけるFWD電圧が急速に上昇する。この急速な上昇は、一次スイッチ116が伝導状態であることを示す。これはクロスコンダクションイベントである。SR制御/駆動回路138がオフに切り替えられる。
【0042】
[0048]
図4は、クロスコンダクションイベントを検出する判断工程に対するフロー
図400の例を示す。
【0043】
[0049] ステップ405において、クロスコンダクションディテクター回路144が有効化されているか否かが判定される。NO(いいえ)である場合、ステップ405を繰り返す。YES(はい)である場合、ステップ410において、FWD電圧がVth以上であるか否かを確認する。FALSE(偽)である場合、ステップ405から繰り返す。TRUE(真)の場合、ステップ415において、SR122を無効化する。
【0044】
[0050]
図5は、
図1Aに例示されているSR駆動回路138に対する、および制御論理回路140に対するクロスコンダクションディテクター回路144の結合に対する論理図を示す。
【0045】
[0051] この例では、クロスコンダクションイベントの検出は、検出されるクロスコンダクションイベントのタイプ、および、FWD電圧の値に依存する。クロスコンダクションディテクター回路144は、比較器506、2つのANDゲート504、508、ORゲート502、および単安定マルチバイブレーター(例えばワンショット)512を含む。
【0046】
[0052] 比較器506は、その反転入力に結合された少なくとも1つの閾値電圧と、その非反転入力に結合されたFWDノード114とを含む。DC基準510が反転入力と基準グランド125との間に結合されている。これらの閾値電圧は、同期整流器122の動作パラメータに基づく。比較器506の出力は、いつFWDノード114が閾値電圧より高い電圧をもつかを示す。
【0047】
[0053] 第1のANDゲート504は、制御論理回路140に結合された第1の入力および第2の入力と、比較器506の出力に結合された第3の入力とを含む。制御論理回路140EN_CCD_ZVS信号とSRO_ZVS信号とを提供する。これらの信号は、同期整流器122を使用した一次スイッチのゼロ電圧スイッチングZVS中のクロスコンダクションイベントをクロスコンダクションディテクター回路144が検出することを可能にする。
【0048】
[0054] 第2のANDゲート508は、比較器506の出力に結合された第1の入力と、制御論理回路140に結合された第2の入力と、SR制御/駆動回路138に結合された第3の入力とを含む。制御論理回路140は、EN_CCD_MC信号を提供し、SR制御/駆動回路138は、SR_1uS信号を提供する。これらの信号は、同期整流器122の最小伝導期間中にクロスコンダクションイベントをクロスコンダクションディテクター回路144が検出することを可能にする。
【0049】
[0055] ORゲート502は、第1のANDゲート504および第2のANDゲート508の出力に結合された入力を含む。選択されたクロスコンダクションイベントのうちの1つが検出されたとき、ORゲート502の出力がアサートされる。ワンショット512は、ORゲート502の出力に結合されており、ORゲート502の出力の前エッジに応答してDISABLE_SR信号を出力する。アサートされたDISABLE_SR信号を受信したことに応答して、SR制御/駆動回路138は、同期整流器122をオフに切り替える。
【0050】
[0056]
図6は、
図1Bに例示されているSR駆動回路138に対するクロスコンダクションディテクター回路144の結合に対する論理図を示す。
【0051】
[0057] この例では、クロスコンダクション検出は、イベントタイプに依存しない。クロスコンダクションディテクター回路144は、比較器606、ANDゲート604、および単安定マルチバイブレーター(例えばワンショット)612を含む。
【0052】
[0058] 比較器606は、その反転入力に結合された少なくとも1つの閾値電圧と、その非反転入力に結合されたFWDノード114とを含む。DC基準610が、反転入力と基準グランド125との間に結合されている。これらの閾値電圧は、同期整流器122の動作パラメータに基づく。比較器606の出力は、いつFWDノード114が閾値電圧より高い電圧をもつかを示す。
【0053】
[0059] ANDゲート604は、SR制御/駆動回路138に結合された第1の入力と、制御論理回路140に結合された第2の入力と、比較器606の出力に結合された第3の入力とを含む。SR制御/駆動回路138は、同期整流器122が伝導しているときに発生するクロスコンダクションイベントをクロスコンダクションディテクター回路144が検出することを可能にするSDR信号を提供する。ANDゲート604の出力は、クロスコンダクションイベントの検出を示す。ワンショット612は、ANDゲート604の出力に結合されており、ANDゲート604の出力の前エッジに応答してDISABLE_SR信号を出力する。アサートされたDISABLE_SR信号を受信したことに応答して、SR制御/駆動回路138が同期整流器122をオフに切り替える。
【0054】
[0060]
図7は、本開示の実施形態による、二次スイッチ122のオン切り替えとオフ切り替えとを制御するためのSR制御/駆動回路138の一例を示す。SR制御/駆動回路138は、遅延回路702、比較器710、比較器716、ANDゲート706、ラッチ704、ラッチ708、単安定マルチバイブレーター(例えばワンショット)712、単安定マルチバイブレーター(例えばワンショット)714、ANDゲート718、およびORゲート720を含んだ状態で示される。
【0055】
[0061] SR制御/駆動回路138は、FWDノード114における電圧と要求信号REQとを受信するように結合されている。受信された信号に応答して、SR制御/駆動回路138は二次駆動信号SDRを出力する。二次駆動信号SDRは、二次スイッチ122のトランジスタのオン切り替えとオフ切り替えとを制御する。
【0056】
[0062] 比較器710は、その反転入力におけるFWD電圧と、その非反転入力におけるオン切り替え閾値電圧SR_ONとを受信するように結合されている。比較器710の出力は、FWD電圧がオン切り替え閾値電圧SR_ON未満であるとき、ハイであり、FWD電圧がオン切り替え閾値電圧SR_ONより高いとき、ローである。比較器710の出力は、ANDゲート706により受信される。比較器710の出力は更に、ワンショット回路712とも呼ばれる単安定マルチバイブレーター712により受信される。
【0057】
[0063] 単安定マルチバイブレーター712は、比較器710の出力に結合されており、矩形波を出力する。矩形波は、二次スイッチ122の最小伝導期間に実質的に等しいハイセクションの持続期間をもち得る。一例において、二次スイッチ122がSR制御/駆動回路138によりオンに切り替えられた後、二次スイッチ122が、少なくとも最小伝導期間にわたってオンに制御される。例えばFWD電圧がオン切り替え閾値電圧SR_ON未満に低下したときの、比較器710の出力における前エッジに応答して、単安定マルチバイブレーター712が、最小伝導期間に実質的に等しいハイ持続期間をもつ矩形波を出力する。単安定マルチバイブレーター712の出力は、ANDゲート718により受信される。特に、ANDゲート718は、ANDゲート718の入力における小さい円により示されるように、単安定マルチバイブレーター712の反転出力を受信する。
【0058】
[0064] 比較器716は、その非反転入力におけるFWD電圧と、その反転入力におけるオフ切り替え閾値電圧SR_OFFとを受信するように結合されている。比較器716の出力は、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高いとき、ハイであり、FWD電圧がオフ切り替え閾値SR_OFF未満であるとき、ローである。比較器716の出力は、ANDゲート718により受信される。
【0059】
[0065] ANDゲート718は、単安定マルチバイブレーター712の反転出力と、比較器716の出力とを受信するように結合されている。ANDゲート718の出力は、単安定マルチバイブレーター714により受信される。動作時、FWD電圧がオン切り替え閾値電圧SR_ON未満に低下してから、少なくとも最小伝導期間が経過した後、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFに到達したとき、ANDゲート718の出力における前エッジが発生する。最小伝導期間が経過する前に、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したとき、ANDゲート718の出力の前エッジは、実質的に最小伝導期間の終了に伴って発生する。最小伝導期間が経過した後、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したとき、実質的にFWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFに到達したことに伴って、ANDゲート718の出力の前エッジが発生する。
【0060】
[0066] 単安定マルチバイブレーター714は、ANDゲート718の出力を受信するように結合されており、ANDゲート718の出力における前エッジに応答して、固定の持続期間の論理ハイパルスを出力する。言い換えると、単安定マルチバイブレーター714は、少なくとも最小伝導期間が経過した後、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したことに応答して、固定の持続期間の論理ハイパルスを出力する。ORゲート720は、入力として、単安定マルチバイブレーター714の出力と、クロスコンダクションディテクター回路144からのDISABLE_SR信号とを受信する。ORゲート720の出力は、ラッチ708のR入力(例えばリセット入力)において受信される。動作時、ラッチ708がリセットされ、二次駆動信号SDRが、二次スイッチ122をオフに切り替えるために、ロー値に遷移する。
【0061】
[0067] 遅延回路702は、要求信号REQを受信するように結合されており、遅延された要求信号DELAY-REQを出力する。示される例において、遅延回路702は、要求信号REQにブランキング期間TBLとも呼ばれる遅延期間TBLを適用する。要求信号REQに要求イベントが存在するとき、遅延回路702が遅延された要求信号DELAY_REQを出力し、この場合において、受信された要求イベントのブランキング期間TBL後に要求イベントが発生する。
【0062】
[0068] ラッチ704は、遅延回路702の出力と単安定マルチバイブレーター714の出力とを受信するように結合されている。特に、ラッチ704は、そのS入力(例えばセット入力)における遅延された要求信号と、そのR入力(例えばリセット入力)における単安定マルチバイブレーターの出力とを受信するように結合されている。ラッチ704のQ出力は、ANDゲート706により受信される。動作時、遅延された要求信号DELAY_REQにおける要求イベントに応答して、ラッチ704がセットされる。特に、要求信号REQにおける受信された要求イベント後、空白期間TBLが経過した後、ラッチ704がセットされる。言い換えると、ラッチ704の出力は、受信された要求イベント後、空白期間TBLが経過した後、論理ハイとなる。FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したとき、ラッチ704がリセットされる。
【0063】
[0069] ANDゲート706は、比較器710の出力とラッチ704の出力とを受信するように結合されている。ラッチ708は、ANDゲート706の出力を受信するように結合されている。ラッチ708のQ出力は、二次駆動信号SDRである。
【0064】
[0070] 動作時、受信された要求イベント後、少なくともブランキング期間TBLが経過したとき、FWD電圧がオン切り替え閾値電圧SR_ON未満に低下したとき、ANDゲート706が論理ハイ値を出力してラッチ708をセットする。二次スイッチ122の最小伝導期間が経過するまで、ラッチ708はリセットされることを防止される。最小伝導期間が経過する前に、FWD電圧がオフ切り替え閾値SR_OFFに到達した場合、実質的に最小伝導期間の経過を伴ってラッチ708がリセットされる。最小伝導期間が経過した後に、FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFに到達した場合、実質的にFWD電圧がオフ切り替え閾値SR_OFFに到達したことに伴って、ラッチ708がリセットされる。ラッチ708がセットされたとき、二次スイッチ122をオンに切り替えるために、二次駆動信号SDRがハイ値に遷移する。FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したとき、かつ、二次スイッチ122をオフに切り替えるために二次駆動信号SDRがロー値に遷移したとき、ラッチ708がリセットされる。FWD電圧がオフ切り替え閾値電圧SR_OFFより高く上昇したとき、要求信号REQにおける次の受信された要求イベントまで、ラッチ708のセットを防止するために、および、二次駆動信号SDRが二次スイッチ122をオンに切り替えるためにハイ値に遷移することを防止するために、ラッチ708がリセットされる。
【0065】
[0071] 本発明に関して示される例についての上述の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。本発明の特定の実施形態および例が本明細書において例示を目的として説明されるが、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱せずに様々な同等な変更が可能である。実際、具体的で例示的な電圧、電流、周波数、出力範囲値、時間などが説明のために提示されること、および、本発明の教示による他の実施形態および例において他の値が使用されてもよいことが理解される。
【0066】
[0072] 本発明は請求項において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0067】
[0073] 例1.エネルギー伝達要素と一次スイッチと同期整流器とを含む電力コンバーターのための制御装置は、二次制御装置を含み、二次制御装置は、有効化クロスコンダクションコマンド信号を受信するように結合された制御論理回路と、同期整流器に、制御論理回路に、および、エネルギー伝達要素のフォワードノードに結合された同期整流器(SR)制御/駆動回路であって、SR制御/駆動回路がSR信号を生成し、同期整流器が有効であることをSR信号が示す、SR制御/駆動回路と、フォワードノードに、制御論理回路に、および、SR制御/駆動回路に結合されたクロスコンダクションディテクター回路であって、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したときに一次スイッチが導通していることを検出し、一次スイッチが導通していることの検出に応答してDisable_SR信号を生成する、クロスコンダクションディテクター回路と、を備え、SR制御/駆動回路が、Disable_SR信号を受信するように、および同期整流器を無効化するように更に結合されている。
【0068】
[0074] 例2.制御論理回路が、有効化クロスコンダクション検出信号を生成するために有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、クロスコンダクションディテクター回路が、フォワードノードに結合された比較器であって、閾値電圧を受信し、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したことに応答して、比較器出力信号を生成する、比較器と、比較器出力信号と有効化クロスコンダクション検出信号とSR信号とを受信したことに応答して、Disable_SR信号を生成するANDゲートと、を更に備える、例1に記載の制御装置。
【0069】
[0075] 例3.閾値電圧が、同期整流器の動作パラメータに基づいて選択されている、例2に記載の制御装置。
【0070】
[0076] 例4.制御論理回路が、第1の有効化クロスコンダクション検出(CCD:cross conduction detection)信号と第2の有効化CCD信号とZVS信号とを生成するために、有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、第1の有効化CCD信号が、同期整流器(SR)を使用した一次スイッチのゼロ電圧スイッチング中にクロスコンダクションの検出を有効化し、第2の有効化CCD信号が、同期整流器の最小伝導期間中にクロスコンダクションの検出を有効化し、クロスコンダクションディテクター回路が、フォワードノードに結合された比較器であって、閾値電圧を受信して、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したことに応答して、比較器出力信号を生成する、比較器と、比較器出力信号と第1の有効化CCD信号とZVS信号とに応答して、ZVS無効化信号を生成する第1のANDゲートと、比較器出力信号と第2の有効化CCD信号とSR信号とに応答して、最小伝導Disable_SR信号を生成する第2のANDゲートと、ZVS無効化信号と最小伝導Disable_SR信号とに応答して、Disable_SR信号を生成するORゲートと、を備える、例1に記載の制御装置。
【0071】
[0077] 例5.例4に記載の制御装置が、エネルギー伝達要素の一次巻線に、および制御論理回路に結合された一次制御装置を更に備え、一次制御装置と二次制御装置とがガルバニック絶縁されている。
【0072】
[0078] 例6.一次制御装置と二次制御装置とが、モノリシック集積回路に含まれる、例5に記載の制御装置。
【0073】
[0079] 例7.一次制御装置と二次制御装置とが、1つの集積回路パッケージに含まれる、例5に記載の制御装置。
【0074】
[0080] 例8.システムが、一次巻線と二次巻線とを含むエネルギー伝達要素と、二次巻線のフォワードノードに結合された同期整流器(SR)と、一次巻線に結合された一次制御装置と、一次制御装置に、および一次巻線に結合された一次スイッチと、二次巻線に、および一次制御装置に結合された二次制御装置とを備える。二次制御装置は、有効化クロスコンダクションコマンドを受信するように結合された制御論理回路と、同期整流器に、制御論理回路に、およびフォワードノードに結合された同期整流器(SR)制御/駆動回路であって、SR制御/駆動回路がSR信号を生成し、同期整流器が有効であることをSR信号が示す、SR制御/駆動回路と、フォワードノードに、制御論理回路に、および、SR制御/駆動回路に結合されたクロスコンダクションディテクター回路であって、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したときに一次スイッチが導通していることを検出し、一次スイッチが導通していることの検出に応答して、Disable_SR信号を生成する、クロスコンダクションディテクター回路と、を備え、SR制御/駆動回路が、Disable_SR信号を受信したことに応答して、同期整流器を無効化する。
【0075】
[0081] 例9.制御論理回路が、有効化クロスコンダクション検出信号を生成するために、有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、クロスコンダクションディテクター回路が、フォワードノードに結合された比較器であって、閾値電圧を受信して、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したことに応答して、比較器出力信号を生成する、比較器と、比較器出力信号と有効化クロスコンダクション検出信号とSR信号とを受信したことに応答して、Disable_SR信号を生成するANDゲートと、を更に備える、例8に記載のシステム。
【0076】
[0082] 例10.閾値電圧が、同期整流器の動作パラメータに基づいて選択されている、例9に記載のシステム。
【0077】
[0083] 例11.制御論理回路が、第1の有効化クロスコンダクション検出(CCD)信号と第2の有効化CCD信号とZVS信号とを生成するために、有効化クロスコンダクションコマンドに結合されており、第1の有効化CCD信号が、同期整流器(SR)を使用した一次スイッチのゼロ電圧スイッチング中にクロスコンダクションの検出を有効化し、第2の有効化CCD信号が、同期整流器の最小伝導期間中にクロスコンダクションの検出を有効化し、クロスコンダクションディテクター回路が、フォワードノードに結合された比較器であって、フォワードノードにおける電圧が閾値電圧より高く上昇したことに応答して比較器出力信号を生成する、比較器と、比較器出力信号と第1の有効化CCD信号とZVS信号とに応答して、ZVS無効化信号を生成する第1のANDゲートと、比較器出力信号と第2の有効化CCD信号とSR信号とに応答して、最小伝導Disable_SR信号を生成する第2のANDゲートと、およびZVS無効化信号と最小伝導Disable_SR信号とに応答して、Disable_SR信号を生成するORゲートとを備える、例9に記載のシステム。
【0078】
[0084] 例12.一次制御装置と二次制御装置とが、モノリシック集積回路に含まれる、例8に記載のシステム。
【0079】
[0085] 例13.一次制御装置と二次制御装置とが、1つの集積回路パッケージに含まれる例8に記載のシステム。
【0080】
[0086] 例14.エネルギー伝達要素と一次スイッチと同期整流器とを含む電力コンバーターにおけるクロスコンダクションを検出するための方法は、同期整流器が伝導しているときを検出することと、エネルギー伝達要素の二次巻線のフォワードノードにおける順電圧を検出することと、順電圧を選択された閾値電圧と比較することであって、比較結果が、一次スイッチが導通しているときを示す、比較することと、同期整流器が伝導しており、かつ、一次スイッチが伝導しているクロスコンダクションを検出することと、同期整流器を無効化することと、を含む。
【0081】
[0087] 例15.選択された閾値電圧が、同期整流器の動作パラメータを示す複数の電圧から選択された、例14に記載の方法。
【0082】
[0088] 例16.ゼロ電圧スイッチング中に一次スイッチが導通している、例14に記載の方法。
【0083】
[0089] 例17.最小伝導期間中に同期整流器が伝導している、例14に記載の方法。
【外国語明細書】