(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117725
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】バッファアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16B 37/08 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
F16B37/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009692
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】112105967
(32)【優先日】2023-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳國▲チー▼
(72)【発明者】
【氏名】紀維邦
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み立て中に緩衝機能を有し、素早く分解することができるバッファアセンブリを提供する。
【解決手段】バッファアセンブリ100は、スクリューロッド140、基台110、回転部材120、クランプリング130を含む。回転部材120は、回転軸に沿って基台110に回転可能に配置される。クランプリング130は、接続軸線に沿って回転部材120に着脱可能に接続されるため、クランプリング130は、接続状態又は開放状態への切り替えに適している。クランプリング130は、位置規制空間を有し、回転軸は、接続軸線と直交する。クランプリング130が接続状態にあるとき、位置規制空間と貫通孔は回転軸上に位置し、スクリューロッド140がクランプリング130を押して回転するため、スクリューロッド140は位置規制空間と貫通孔122を通過する。クランプリング130が開放状態にあるとき、位置規制空間は回転軸とずれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリューロッドと、
基台と、
回転軸に沿って前記基台に回転可能に配置され、貫通孔を含む回転部材と、
接続軸線に沿って前記回転部材に着脱可能に接続され、接続状態又は開放状態への切り替えに適するクランプリングであって、位置規制空間と、前記接続軸線と直交する前記回転軸とを含む前記クランプリングと、
を備え、
前記クランプリングが前記接続状態にあるとき、前記位置規制空間と前記貫通孔は前記回転軸上に位置し、前記スクリューロッドは、前記クランプリングを押して回転し、前記スクリューロッドは前記位置規制空間と前記貫通孔を通過するように適し、前記クランプリングが前記開放状態にあるとき、前記位置規制空間が前記回転軸とずれて、前記スクリューロッドは前記貫通孔を通過する、
バッファアセンブリ。
【請求項2】
前記クランプリングは、クランプリング本体と、2つの位置規制突部とを含み、前記2つの位置規制突部は、前記クランプリング本体から前記接続軸線に向けて突出し、前記位置規制空間は前記クランプリング本体の中心に位置する、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【請求項3】
前記位置規制空間は、前記2つの位置規制突部に対する位置から前記接続軸線に沿って両端に向けて徐々に拡大する、
請求項2に記載のバッファアセンブリ。
【請求項4】
前記回転部材は係合突部を含み、前記係合突部の前記接続軸線に垂直な方向の幅は、前記位置規制空間の前記接続軸線に垂直な方向の中心距離よりも大きい、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【請求項5】
前記スクリューロッドの外径は、前記位置規制空間の前記接続軸線に垂直な方向の中心距離よりも大きく、前記外径は前記回転部材の前記貫通孔の直径よりも小さく、クランプリングが前記接続状態にあるとき、前記クランプリングは前記スクリューロッドによって押されて回転するのに適し、前記クランプリングは前記回転部材を駆動して回転させる、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【請求項6】
回転部材は、第1の部分、係合突部及び第2の部分を含み、前記係合突部は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続され、前記クランプリングは、前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置し、前記クランプリングは、前記位置規制空間が前記回転軸に対してずれるように前記係合突部に係合するのに適する、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【請求項7】
前記スクリューロッドは、平坦部と螺旋部とを含み、前記平坦部は前記螺旋部に接続され、前記平坦部及び前記螺旋部は、前記回転軸に沿って延伸し、前記平坦部が前記位置規制空間を通過するとき、前記平坦部は少なくとも部分的に前記接続軸線上に位置する、
請求項6に記載のバッファアセンブリ。
【請求項8】
前記クランプリングは、クランプリング本体と、前記クランプリング本体に接続された操作部とをさらに含み、前記操作部は、前記回転軸に沿って延伸し、前記回転部材の前記第2の部分は傾斜面を含み、前記傾斜面は前記操作部に面する、
請求項6に記載のバッファアセンブリ。
【請求項9】
前記基台は、収容空間を含み、前記クランプリング及び前記回転部材は、前記収容空間内に移動可能に配置され、前記クランプリングが前記開放状態にあるとき、前記クランプリングは少なくとも部分的に前記収容空間から離れる、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【請求項10】
前記回転軸は重力方向と平行である、
請求項1に記載のバッファアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセンブリに関し、特にバッファアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の技術において、シャーシと部材には、組み立て中に緩衝用のバッファアセンブリが配置される。バッファアセンブリは、例えば、ダンピングギアである。ダンピングギアには、摩擦を増加させて緩衝効果を得るためにダンピングオイルを添加する必要がある。しかしながら、ダンピングオイルの減衰特性は温度や湿度などの要因により変化し、ダンピングギヤの緩衝効果が減衰したり消失したりする。部材をシャーシから取り外すとき、部材はダンピングギアと干渉し、すぐに取り外すことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シャーシから部材を取り外すとき、部材がダンピングギアと干渉し、すぐに取り外せないことが良くある。本発明は、組み立て中に緩衝機能を有し、素早く分解することができるバッファアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のバッファアセンブリは、スクリューロッド、基台、回転部材、及びクランプリングを含む。回転部材は、回転軸に沿って基台に回転可能に配置される。回転部材は、貫通孔を含む。クランプリングは、接続軸線に沿って回転部材に着脱可能に接続されるため、クランプリングは、接続状態又は開放状態への切り替えに適している。クランプリングは、位置規制空間を有し、回転軸は、接続軸線と直交する。クランプリングが接続状態にあるとき、位置規制空間と貫通孔は回転軸上に位置し、スクリューロッドがクランプリングを押して回転するため、スクリューロッドは位置規制空間と貫通孔を通過する。クランプリングが開放状態にあるとき、位置規制空間が回転軸とずれて、スクリューロッドは貫通孔を通過する。
【0005】
本発明の一実施形態において、クランプリングは、クランプリング本体と、2つの位置規制突部とを含む。2つの位置規制突部は、クランプリング本体から接続軸線に向けて突出する。位置規制空間はクランプリング本体の中心に位置する。
【0006】
本発明の一実施形態において、位置規制空間は、2つの位置規制突部に対する位置から接続軸線に沿って両端に向けて徐々に拡大する。
【0007】
本発明の一実施形態において、回転部材は係合突部を含み、係合突部の接続軸線に垂直な方向の幅は、位置規制空間の接続軸線に垂直な方向の中心距離よりも大きい。
【0008】
本発明の一実施形態において、スクリューロッドの外径は、位置規制空間の接続軸線に垂直な方向の中心距離よりも大きく、外径は回転部材の貫通孔の直径よりも小さい。クランプリングが接続状態にあるとき、クランプリングはスクリューロッドによって押されて回転するのに適し、クランプリングは回転部材を駆動して回転させる。
【0009】
本発明の一実施形態において、回転部材は、第1の部分、係合突部及び第2の部分を含む。係合突部は、第1の部分と第2の部分との間に接続され、クランプリングは、第1の部分と第2の部分との間に位置する。クランプリングは、位置規制空間が回転軸に対してずれるように係合突部に係合するのに適する。
【0010】
本発明の一実施形態において、スクリューロッドは、平坦部と螺旋部とを含む。平坦部は螺旋部に接続される。平坦部及び螺旋部は、回転軸に沿って延伸する。平坦部が位置規制空間を通過するとき、平坦部は少なくとも部分的に接続軸線上に位置する。
【0011】
本発明の一実施形態において、クランプリングは、クランプリング本体と、クランプリング本体に接続された操作部とをさらに含む。操作部は、回転軸に沿って延伸する。回転部材の第2の部分は傾斜面を含む。傾斜面は操作部に面する。
【0012】
本発明の一実施形態において、基台は、収容空間を含み、クランプリング及び回転部材は、収容空間内に移動可能に配置される。クランプリングが開放状態にあるとき、クランプリングは少なくとも部分的に収容空間から離れる。
【0013】
本発明の一実施形態において、回転軸は重力方向と平行である。
【発明の効果】
【0014】
上記に基づいて、本発明で開示されるバッファアセンブリの回転部材及びクランプリングを使用してスクリューロッドと協働することにより、組み立て時の緩衝機能を実現することができる。また、クランプリングは回転部材に対して相対的に移動して、接続状態又は開放状態に切り替えることができるため、クランプリングが開放状態にあるとき、スクリューロッドは位置規制空間とずれ、スクリューロッドはクランプリングに接触することなく回転部材を通過する。したがって、迅速な取り外しという目的を達成することができる。
【0015】
本発明の上述の特徴及び利点をより明確かつ理解しやすくするために、以下に実施形態を示し、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッファアセンブリの概略図である。
【
図2】
図1のバッファアセンブリ及び筐体の分解図である。
【
図3】
図1のクランプリングと回転部材との接続過程を示す断面図である。
【
図4A】
図1のクランプリングと回転部材との接続過程を示す断面図である。
【
図4B】クランプリングと回転部材とが接続された後の概略図である。
【
図5】
図1のクランプリングの接続状態における概略図である。
【
図6】
図1のクランプリングの開放状態における概略図である。
【
図7】
図1のバッファアセンブリのスクリューロッドの移動過程を示す断面図である。
【
図8】
図1のバッファアセンブリのスクリューロッドの移動過程を示す断面図である。
【
図9】
図1のバッファアセンブリのスクリューロッドの移動過程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるバッファアセンブリの概略図である。
図2は、
図1のバッファアセンブリ及び筐体の分解図である。
図3及び
図4Aは、
図1のクランプリングと回転部材との接続過程を示す断面図である。
図4Bは、クランプリングと回転部材とが接続された後の概略図である。部材の説明の理解を容易にするために、デカルト座標X-Y-Zが明細書に組み込まれている。
【0018】
図1~
図4Bを参照されたい。
図1は、シャーシ200、シャーシ200内に配置された筐体300、及びバッファアセンブリ100を示す。バッファアセンブリ100は、基台110、回転部材120、クランプリング130、及びスクリューロッド140を含む。基台110は、シャーシ200に固定され、スクリューロッド140は筐体300の側面に固定される。基台110及びスクリューロッド140は、例えばスクリューによってシャーシ200及び筐体300にそれぞれ固定されるが、これに限定されるものではない。本実施形態の筐体300は、例えば、ファンアセンブリの筐体であり、シャーシ200と筐体300の両側にそれぞれバッファアセンブリ100が配置されるが、これに限定されるものではない。
【0019】
基台110は、収容空間Sを含む。回転部材120は、基台110の収容空間S内に回転軸Rに沿って回転可能に配置される。回転部材120は、貫通孔122を含み、貫通孔122の中心軸が回転軸Rである。クランプリング130は、接続軸線Lに沿って回転部材120に着脱可能に接続される。クランプリング130は、クランプリング本体134を含み、接続軸線Lは、クランプリング本体134の中心軸と直交し、回転軸Rに対して垂直である。回転部材120がクランプリング130に接続されるとき、貫通孔122の中心軸はクランプリング本体134の中心軸と一致することができる。クランプリング130は、回転部材120と一緒に回転することができる。本実施形態における回転軸Rは、Z軸及び重力方向Gと平行であるが、これに限定されるものではない。スクリューロッド140は、回転軸Rに沿って、回転部材120、クランプリング130及び基台110を通過することができる。
【0020】
図2及び
図3に示すように、クランプリング130は、位置規制空間132、2つの締結具136、及び2つの位置規制突部138を含む。クランプリング本体134は、開口135を有し、クランプリング本体134の形状は、例えばC字状である。位置規制空間132は、クランプリング本体134の中心に位置し、開口部135に接続され、位置規制空間132及び開口135は、いずれも接続軸線L上に位置する。つまり、接続軸線Lは、開口部135の中心と位置規制空間132の中心とを接続する延伸軸である。2つの位置規制突部138は、それぞれ、クランプリング本体134の両側から接続軸線L(つまり、クランプリング本体134の中心)に向けて突出する。各位置規制突部138は、例えば円弧状である。位置規制空間132は、位置規制空間は、2つの位置規制突部138に対する位置から接続軸線Lに沿って両端に向けて徐々に拡大する。各2つの締結具136は、クランプリング本体134から接続軸線Lに向けて突出し、開口部135内に延伸する。具体的には、2つの締結具136は、C字状のクランプリング本体134の2つの自由端にそれぞれ配置され、2つの自由端は開口部135に対応する。
【0021】
回転部材120は、第1の部分124、係合突部128a及び128b、ならびに第2の部分126を含む。第2の部分126は、重力方向Gにおいて第1の部分124の上方に位置する。本実施形態における回転部材120は2層構造であるが、これに限定されるものではない。貫通孔122は、第1の部分124と第2の部分126とを貫通する。係合突部128a、128bの数は2つであるが、これに限定されるものではない。係合突部128a、128bは、第1の部分124と第2の部分126との間に接続される。
【0022】
図3及び
図4Aに示すように、クランプリング130は、接続軸線Lに沿って回転部材120に向けて移動して、回転部材120に接続するのに適する。クランプリング本体134の開口部135の接続軸線Lに垂直な方向の幅は、係合突部128aの接続軸線Lに垂直な方向の幅D5よりも小さい。
【0023】
クランプリング130と回転部材120が組み立てられるとき、クランプリング130の締結具136は係合突部128aに当接してもよい。このとき、係合突部128a、128bは接続軸線L上に位置する。クランプリング130は、係合突部128aが締結具136を開くように押圧力を受けることができる。次に、クランプリング130が若干変形し、変形した開口部135の幅が係合突部128aの幅D5よりも大きくなり、その結果、クランプリング130は
図3に示される位置に移動することができる。
【0024】
クランプリング130が押圧力を受け続けると、締結具136は係合突部128aから遠ざかり、係合突部128aが位置規制空間132に進入する。係合突部128aは、2つの位置規制突部138を押して、クランプリング130を開くことができる。クランプリング130はわずかに変形し、係合突部128aが締結具136から離れた一端に位置するまで、接続軸線Lに沿って移動し続ける(
図4A)。
【0025】
図3に示すように、係合突部128aの幅D5は、接続軸線L(Y軸方向)に垂直な位置規制空間132の中心距離D3よりも大きいため、係合突部128aは、力を加えなければクランプリング130から外れることができない。したがって、クランプリング130と回転部材120とをしっかりと接続することができる。これにより、クランプリング130と回転部材120は完全に組み立てられる。
図4Bに示すように、クランプリング130は、第1の部分124と第2の部分126との間に位置する。クランプリング130が回転するとき、クランプリング130は回転部材120を駆動して一緒に回転することができる。
【0026】
図4Bに示すように、クランプリング130は、操作部137をさらに含む。操作部137は、クランプリング本体134に接続され、回転軸Rに沿って延伸する。操作部137及び締結具136(
図4A参照)は、クランプリング本体134の両端に位置する。回転部材120の第2の部分126は、操作部137に面する傾斜面127を含む。クランプリング130を回転部材120に配置する、又は回転部材120から取り外すとき、操作部137は、ユーザが引くことにより、クランプリング130を操作して移動させることができる。傾斜面127は、ユーザが指で操作部137を引っ張り易くするために配置される。
【0027】
クランプリング130及び回転部材120の構造は、この実施形態に限定されない。例えば、他の実施形態において、回転部材120は、第1の部分124と係合突部128a、128bのみを含み、その結果、回転部材120は単層構造であっても良い。クランプリング130の位置規制突部138は、円弧状に加えて、三角形であってもよい。
【0028】
クランプリング130と回転部材120が完全に接続された後、クランプリング130と回転部材120は基台110上に配置されて良い。
図2に示すように、基台110は、取付孔116を有し、取付孔116は、収容空間Sに接続される。
【0029】
クランプリング130及び回転部材120が基台110に組み付けられるとき、クランプリング130及び回転部材120は、基台110の取付孔116を通過して、収容空間S内に移動することができる。基台110は、フック114をさらに含む。フック114は、取付孔116の一側に位置する。回転部材120は、フック114に当接し、フック114を押し離して、基台110に進入することができる。クランプリング130、回転部材120及び基台110が完全に組み立てられた後、フック114は、クランプリング130及び回転部材120が力を加えられない状況で基台110から外れるのを防止するために、リセットされる。この時点で、クランプリング130、回転部材120及び基台110は完全に組み立てられる。
【0030】
クランプリング130、回転部材120及び基台110の組み立て方法は、これに限定されるものではない。他の実施形態では、回転部材120を先に基台110内に配置し、次にクランプリング130を回転部材120に接続することができる。
【0031】
図5は、
図1のクランプリングの接続状態における概略図である。
図6は、
図1のクランプリングの開放状態における概略図である。
図5及び
図6におけるスクリューロッド140、基台110及び回転部材120は、斜視図で示しており、一部の構成を省略している。
図2、
図5及び
図6を参照されたい。スクリューロッド140は、頭部142、平坦部144、及び螺旋部146を含む。平坦部144は、螺旋部146と頭部142との間に接続され、頭部142は筐体300に固定される。平坦部144及び螺旋部146は、回転軸Rに沿って延伸する。クランプリング130は、基台110及び回転部材120に対して相対的に移動することができ、クランプリング130は、接続状態P1又は開放状態P2に切り替えることができる。
【0032】
図5及び
図6は、平坦部144の回転軸Rに垂直な方向に沿った断面C1と、螺旋部146の終端147の回転軸Rに垂直な方向に沿った断面C2とを概略的に示す。
図5及び
図6に示すように、基台110は開口部112を含む。開口部112の直径D1は、回転部材120の貫通孔122の直径D2よりも大きい。貫通孔122の直径D2は、位置規制空間132の中心距離D3よりも大きい。螺旋部146の外径D4は、中心距離D3よりも大きく、貫通孔122の直径D2よりも小さい。
【0033】
図4B及び
図4Cに示すように、クランプリング130が接続状態P1にあるとき、クランプリング130は回転部材120に完全に押し込まれ、回転部材120の係合突部128a、128bは、クランプリング130の位置規制空間132内に位置する。位置規制空間132及び貫通孔122は回転軸R上に位置する。螺旋部146の断面C2は、位置規制突部138と部分的に重なり、構造的にクランプリング130と干渉することができる。具体的には、螺旋部146は、クランプリング130(位置規制突部138)を押すことができ、それによってクランプリング130及び回転部材120を回転させることができる。
【0034】
図3及び
図6に示すように、クランプリング130が接続軸線Lに沿って基台110から離れる方向に移動し、クランプリング130が開放状態P2にあるとき、締結具136は、係合突部128aと係合することができ、また、位置規制空間132は、貫通孔122及び回転軸Rに対してずれている。クランプリング130は、基台110の収容空間Sから少なくとも部分的に分離し、スクリューロッド140は、クランプリング130と構造的に干渉することなく、回転部材120及び基台110を通過することができる。
【0035】
クランプリング130の締結具136は係合突部128aと係合するため、外力が加えられていないときでも、クランプリング130は依然として回転部材120に接続される。これにより、ユーザがクランプリング130を紛失して、バッファアセンブリ100が故障するのを防止する。他の実施形態では、クランプリング130を回転部材120から完全に離して、クランプリング130を収容空間Sから完全に分離しても良い。
【0036】
図7~
図9は、
図1のバッファアセンブリのスクリューロッドの移動過程を示す断面図である。基台110は省略されており、クランプリング130の構造の一部が破線で概略的に示される。
図7~
図9を参照されたい。筐体300がシャーシ200に組み付けられるとき、筐体300に固定されたスクリューロッド140は、回転軸Rに沿ってクランプリング130及び回転部材120と位置合わせされる。回転軸Rは重力方向Gと平行であるため、筐体300及びスクリューロッド140は、重力方向Gに沿って自由落下することができる。
【0037】
図7に示すように、スクリューロッド140の螺旋部146の終端147は、終端147が位置規制突部138に当接するまで、回転部材120の貫通孔122を通過する。
【0038】
スクリューロッド140は、
図7に示す位置から下方に移動し続ける。そして、スクリューロッド140の終端147は、2つの位置規制突部138を押す。これにより、クランプリング130はスクリューロッド140に対して回転する。クランプリング130の回転により、回転部材120が回転する。クランプリング130及び回転部材120は、終端147が位置規制突部138と位置ずれし、終端147が位置規制突部138を押さなくなり、位置規制空間132に入るまで回転し続ける。このとき、スクリューロッド140は、
図7に示す位置から
図8に示す位置に移動する。スクリューロッド140は、位置規制空間132及び貫通孔122を通過する。
【0039】
次に、スクリューロッド140は、下方に移動し続け、螺旋部146は、クランプリング130の位置規制突部138を押し続ける。これにより、筐体300及びスクリューロッド140がクランプリング130及び回転部材120に対して
図8に示される位置から
図9に示される位置まで移動するまで、クランプリング130及び回転部材120を回転させる。
図9に示すように、スクリューロッド140の平坦部144は、クランプリング130及び回転部材120を通過し、基台110はスクリューロッド140の頭部142に当接する(
図1の拡大図を参照)。この時点で、筐体300とシャーシ200との組み立てが完了する。
【0040】
図5に示すように、平坦部144の断面C1は、X軸方向に延伸する。平坦部144がクランプリング130及び回転部材120を通過するとき、平坦部144は少なくとも部分的に接続軸線L上に位置する。平坦部144は、クランプリング130及び回転部材120の回転を規制することができ、平坦部144は位置規制突部138には当接しない。
【0041】
筐体300とシャーシ200との組み立て工程中、スクリューロッド140は、下方に移動するためにクランプリング130を押す必要があるため、緩衝効果を達成するためにスクリューロッド140(筐体300)の移動速度を遅くすることができる。さらに、回転軸Rが重力方向Gと平行であるため、スクリューロッド140は、基台110、クランプリング130及び回転部材120と位置合わせされる。これにより、スクリューロッド140は、外力を加えることなく自重によって自由落下することができ、それによってバッファアセンブリ100の使用の利便性が向上する。本実施形態におけるクランプリング130は、スクリューロッド140との接触又は回転中にクランプリング130が衝突によって破片を生成しないようにするために、プラスチック製であって良いが、これに限定されるものではない。
【0042】
筐体300がシャーシ200から取り外されるとき、クランプリング130は回転部材120から離れる方向に移動するができ、その結果、クランプリング130は開放状態P2となる。
図5及び
図9に示すように、平坦部144の断面C1はX軸方向に沿って延伸し、取付孔116もX軸上に位置するので、平坦部144が位置規制空間132を通過すると、クランプリング130の操作部137が基台110の取付孔116に対応する。操作部137を引くとクランプリング130が移動することができ、クランプリング130は、少なくとも部分的に取付孔116を通過し、
図6に示すように開放状態P2にある。
【0043】
開放状態P2におけるクランプリング130の位置規制空間132は、スクリューロッド140及び回転軸Rに対してずれている。位置規制空間132とスクリューロッド140との間には構造的な干渉がなく、スクリューロッド140の外径D4(
図6を参照)は、貫通孔122の直径D2よりも小さいので、スクリューロッド140は、干渉なく基台110及び回転部材120から離れることができる。このようにして、ユーザは、筐体300をシャーシ200から素早く取り外すことができる。
【0044】
これより分かるように、スクリューロッド140が基台110、回転部材120及びクランプリング130に組み付けられるとき、バッファアセンブリ100が緩衝機能を有するように、クランプリング130は接続状態P1にあって良い。スクリューロッド140が基台110、回転部材120及びクランプリング130から離れるとき、クランプリング130は、バッファアセンブリ100が緩衝機能を有さないように、開放状態P2にあって良い。スクリューロッド140は、バッファアセンブリ100の取り外し効率を向上させるよう、基台110、回転部材120、及びクランプリング130から素早く取り外すことができる。
【0045】
まとめると、本発明のバッファアセンブリの回転部材及びクランプリングは、スクリューロッドと協働して、組み立て中に緩衝機能を達成する。また、クランプリングが回転部材に対して相対的に移動して、接続状態又は開放状態に切り替えることができるため、クランプリングが開放状態にあるとき、スクリューロッドは位置規制空間とずれ、スクリューロッドはクランプリングに接触することなく回転部材を通過する。したがって、迅速な取り外しという目的を達成することができる。
【0046】
以上、実施形態により本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本技術分野における通常の知識を有する人であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくらかの修正及び改良を行うことができる。したがって、本発明によって保護される範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のアセンブリは、組み立て中の緩衝機能を改善するために、バッファアセンブリに適用され得る。
【符号の説明】
【0048】
C1、C2: 断面
D1、D2: 直径
D3: 中心距離
D4: 外径
D5: 幅
G: 重力方向
L: 接続軸線
P1: 接続状態
P2: 開放状態
R: 回転軸
S: 収容空間
X-Y-Z: デカルト座標
100: バッファアセンブリ
110: 基台
112: 開口部
114: ホック
116: 取付孔
120: 回転部材
122: 貫通孔
124: 第1の部分
126: 第2の部分
127: 傾斜面
128a、128b: 係合突部
130: クランプリング
132: 位置規制空間
134: クランプリング本体
135: 開口部
136: 締結具
137: 操作部
138: 位置規制突部
140: スクリューロッド
142: 頭部
144: 平坦部
146: 螺旋部
147: 終端
200: シャーシ
300: 筐体
【外国語明細書】