(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117731
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 13/24 20060101AFI20240822BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47L13/24 A
A47L9/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013576
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2023023462
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023082071
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B061
3B074
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】 製造コストの低減を図ることができると共に、被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができ、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる清掃具を提供する。
【解決手段】 平面視が略長方形状の清掃ヘッド1と、清掃ヘッド1の上面に固定される操作用ハンドル2とを有し、不織布により形成された清掃シートが清掃ヘッド1の底面1b側を覆うように装着される清掃具10において、清掃ヘッド1の底面1bは、4個以上の角部3a、3b、3c、3dを備えた多角形の凸部3、13、23、33を複数個と、複数個の凸部3、13、23、33の各々の周囲に形成された溝部4、14、24、34とを有するものであって、凸部3、13、23、33の2個以上の角部3a、3bは、清掃ヘッド1の長手方向に対して直交する方向に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの上面に固定される操作用ハンドルと、を有し、不織布により形成された清掃シートが、前記清掃ヘッドの底面側を覆うように装着される清掃具において、
前記清掃ヘッドの底面は、4個以上の角部を備えた多角形の凸部を複数個と、
前記複数個の凸部の各々の周囲に形成された溝部と、を有するものであって、
前記凸部の2個以上の角部は、前記清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されていることを特徴とする清掃具
【請求項2】
清掃具の使用時に、溝部の底面は、短手方向の中央部側が、両端部側よりも被清掃面に近接している請求項1に記載の清掃具
【請求項3】
複数個の凸部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の中央部側が、両端部側よりも多く形成されている請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項4】
溝部の幅は、清掃ヘッドの底面の短手方向の中央部側が、両端部側よりも狭く形成されている請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項5】
複数の凸部の清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されている角部は、優角で形成された角部を含んでいる請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項6】
複数の凸部は、各々の劣角で形成された角部が、異なる角度で形成されている請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項7】
複数の凸部は、優角で形成された角部と溝部を挟んで対向する位置に劣角で形成された角部が配置されている請求項5に記載の清掃具
【請求項8】
隣り合う凸部の周囲に形成された溝部は、互いに連通している請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項9】
互いに連通する溝部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の一方の端部と他方の端部を結ぶ直線状には形成されていない請求項8に記載の清掃具
【請求項10】
互いに連通する溝部は、大きさが2種類の格子状に形成された溝部を含んでいる請求項8に記載の清掃具
【請求項11】
互いに連通する溝部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の一方の端部側から中央部側に向かい徐々に溝幅が狭くなるように形成されている請求項8に記載の清掃具
【請求項12】
複数の凸部は、清掃ヘッドの長手方向に角部が形成されている請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項13】
溝部の長手方向は、清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向ではない請求項1又は2に記載の清掃具
【請求項14】
清掃シートを固定する固定部が清掃ヘッドの底面側に形成されている請求項1又は2に記載の清掃具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドと操作用ハンドルとを備えた清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの下面を覆って取り付けられたベース体とからなる清掃具本体と、前記清掃ヘッドの下面と反対側の面に取り付けられたハンドル部とを備え、前記ベース体の下面による清掃面を覆って清掃シートが装着されて、該清掃シートにより被清掃面を払拭する清掃具の発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の清掃具は、ベース体の下面が、清掃具本体によって清掃を行う所定の方向と、平面視して垂直な方向での断面が山部と谷部とが交互に連続配置された波形断面形状となっている波形凹凸面部を備えており、該波形凹凸面部の前記谷部は、前記ベース体の前記所定の方向と対向する辺部に端部が開口していると共に、前記所定の方向に対して斜めに延設している斜め谷部を有しており、前記波形凹凸面部は、前記ベース体の全面に波紋状に広がる凹凸面の一部として設けられており、前記波紋状に広がる凹凸面は、前記ベース体の全面に円形状又はひし形状に広がる凹凸面とするものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の清掃具は、波形凹凸面部だけでは被清掃面に付着した塵埃を掻き取る力が弱いことから、波形凹凸面部の山部の頂部から突出する突リブを間隔をおいて複数設ける構成としており、前記突リブの耐久性を考慮した場合には製造コストが嵩むという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、耐久性を向上させて製造コストの低減を図ることができると共に、被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができ、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、平面視が略長方形状の清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの上面に固定される操作用ハンドルと、を有し、不織布により形成された清掃シートが、前記清掃ヘッドの底面側を覆うように装着される清掃具において、前記清掃ヘッドの底面は、4個以上の角部を備えた多角形の凸部を複数個と、前記複数個の凸部の各々の周囲に形成された溝部と、を有するものであって、前記凸部の2個以上の角部は、前記清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、清掃ヘッドの底面が4個以上の角部を備えた多角形の凸部を複数個と、この複数個の凸部の各々の周囲に形成された溝部とを有しているので、耐久性を向上させて製造コストの低減を図ることができると共に、清掃シート全体を強く保持した状態で被清掃面に付着した塵埃を掻き取ることができる。また、凸部の2個以上の角部が清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されているので、清掃ヘッドを被清掃面上で前後方向に移動させた場合に、被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができ、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、清掃具の使用時に、溝部の底面は、短手方向の中央部側が、両端部側よりも被清掃面に近接していることを特徴としている。これにより、両端部側の溝部で比較的大きな塵埃を保持することができると共に、中央部側の溝部では小さな塵埃を保持することができるので、様々な大きさの塵埃を段階的に保持することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、複数個の凸部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の中央部側が、両端部側よりも多く形成されていることを特徴としている。これにより、中央部側に角部を多く配置することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、溝部の幅は、清掃ヘッドの底面の短手方向の中央部側が、両端部側よりも狭く形成されていることを特徴としている。これにより、捕捉した塵埃を中央部側に寄せると共に、収拾して捕獲することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、複数の凸部の清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されている角部は、優角で形成された角部を含んでいることを特徴としている。これにより、優角を形成する2辺で塵埃等を引っ掛けると共に保持することができるため、塵埃の掻き取り効果及び保持効果を向上させることができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、複数の凸部は、各々の劣角で形成された角部が、異なる角度で形成されていることを特徴としている。これにより、被清掃面に付着した塵埃に対して、様々な角度の劣角が当接し、塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5の発明において、複数の凸部は、優角で形成された角部と溝部を挟んで対向する位置に劣角で形成された角部が配置されていることを特徴としている。これにより、清掃ヘッドを前後方向に移動させた場合に、優角と劣角に挟まれた溝部により塵埃を確実に保持することができると共に、塵埃の掻き取り効果を一層向上させることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、隣り合う凸部の周囲に形成された溝部は、互いに連通していることを特徴としている。これにより、捕捉した塵埃を所定の方向に移送することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、互いに連通する溝部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の一方の端部と他方の端部を結ぶ直線状には形成されていないことを特徴としている。これにより、捕捉した塵埃を中央部近傍の溝部で保持することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、互いに連通する溝部は、大きさが2種類の格子状に形成された溝部を含んでいることを特徴としている。これにより、様々な大きさの塵埃を段階的に保持することができ、塵埃の掻き取り効果と保持効果を向上させることができ、清掃効果を一層向上させることができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項8の発明において、互いに連通する溝部は、清掃ヘッドの底面の短手方向の一方の端部側から中央部側に向かい徐々に溝幅が狭くなるように形成されていることを特徴としている。これにより、捕捉した塵埃を中央部側に寄せることができると共に、中央部側の溝に保持された塵埃を圧縮させて強固に保持させることができ、清掃効果を一層向上させることができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1又は2の発明において、複数の凸部は、清掃ヘッドの長手方向に角部が形成されていることを特徴としている。これにより、清掃ヘッドを左右方向に移動させる場合においても塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。
【0020】
請求項13の発明は、請求項1又は2の発明において、溝部の長手方向は、清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向ではないことを特徴としている。これにより、清掃ヘッドを前後方向に移動させた場合に、塵埃が溝部の側面と当接し保持効果を向上させることができる。
【0021】
請求項14の発明は、請求項1又は2の発明において、清掃シートを固定する固定部が清掃ヘッドの底面側に形成されていることを特徴としている。これにより、清掃シートを容易に清掃ヘッドへ固定することができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明は、製造コストの低減を図ることができると共に、清掃シート全体を強く保持した状態で被清掃面に付着した塵埃を掻き取ることができる。また、清掃ヘッドを被清掃面上で前後方向に移動させた場合に、被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができ、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる。また、請求項2~4の発明は、清掃効果を向上させることができる。また、請求項5~7の発明は、塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。
【0023】
請求項8~11の発明は、清掃効果を向上させることができる。また、請求項12の発明は、塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。また、請求項13の発明は、塵埃の保持効果を向上させることができる。また、請求項14の発明は、清掃シートを容易に清掃ヘッドへ固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(a)本発明に係る清掃具を上面側から視た斜視図(b)本発明に係る清掃具を底面側から視た斜視図
【
図2】(a)本発明に係る清掃具の底面図(b)本発明に係る清掃具の右側面図
【
図3】(a)本発明に係る清掃具の一部拡大斜視図(b)本発明に係る清掃具の一部拡大底面図
【
図4】(a)
図2(a)のA-A断面図(b)使用時の本発明に係る清掃具の一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1(a)は、本発明に係る清掃具を上面側から視た斜視図であり、
図1(b)は、本発明に係る清掃具を底面側から視た斜視図である。
図2(a)は、本発明に係る清掃具の底面図あり、
図2(b)は、本発明に係る清掃具の右側面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃具の詳細について以下に説明する。
【0026】
本発明に係る清掃具10は、平面視が略長方形状の清掃ヘッド1と、清掃ヘッド1の上面1aに固定される操作用ハンドル2とを有しており、不織布により形成された清掃シートX(
図4参照)が、清掃ヘッド1の底面1b側に形成されたブラシ状の固定部5a、5b又は、清掃ヘッドの側面側に軟質部材で形成された係止溝状の固定部5c、5dによって、清掃ヘッド1の底面1b側を覆うように装着されて使用するものである。清掃ヘッド1の底面1b側に形成されたブラシ状の固定部5a、5bは、複数の毛材からなるブラシ部材で構成されており、複数の毛材の先端が、清掃シートXの複数の繊維が絡み合う不織布に差し込まれることによって固定される。具体的には、複数の毛材の各々は、先端において線径方向に延出する突起部を有すると共に、隣り合う毛材同士は、互いに干渉し合う間隔で植毛されており、清掃具10の使用時に、毛材と清掃シートXとは、毛材の突起部が、清掃シートXの繊維に引っ掛かり固定される構成としている。これにより、清掃シートXを容易に清掃ヘッド1へ固定することができる。
【0027】
清掃ヘッド1の底面1bは、4個以上の角部3a、3b、3c、3dを備えた多角形の凸部3、13、23、33を複数個と、複数個の凸部3、13、23、33の各々の周囲に形成された溝部4、14、24、34とを有するものであって、凸部3、13、23、33の2個以上の角部は、清掃ヘッド1の長手方向に対して直交する方向に形成されている。尚、清掃ヘッド1の両端部側には、三角形状の凸部43、53が複数個形成されている。また、清掃ヘッドの底面1bは軟質部材で形成されており、清掃シートを介して被清掃面に当接させた際に、被清掃面の凹凸形状に追従するため、清掃シートを強く被清掃面に押圧させることができ、清掃効果を向上させることができる。
【0028】
前述のように、清掃具10は、清掃ヘッド1の底面が4個以上の角部を備えた多角形の凸部を複数個と、この複数個の凸部の各々の周囲に形成された溝部とを有しているので、耐久性を向上させて製造コストの低減を図ることができると共に、清掃シート全体を強く保持した状態で被清掃面に付着した塵埃を掻き取ることができる。また、凸部の2個以上の角部が清掃ヘッドの長手方向に対して直交する方向に形成されているので、清掃ヘッドを被清掃面上で前後方向に移動させた場合に、被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができ、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる。
【0029】
尚、清掃具10は、清掃ヘッド1が電気掃除機用の吸込具の機能も兼ね備えているものであるが、該機能を備えていない通常のモップであっても適用することができ、これも本発明に含まれる。
【0030】
清掃具10の複数個の凸部3、13、23、33は、清掃ヘッド1の底面1bの短手方向の中央部側の凸部3、13が、両端部側の凸部23、33よりも多く形成されている。これにより、清掃ヘッド1の底面1bの短手方向の中央部側に角部3a、3b、・・、13a、13b、・・を多く配置することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0031】
清掃具10の隣り合う凸部3、13の周囲に形成された溝部4、14は、互いに連通している。これにより、捕捉した塵埃を所定の方向に移送することができ、清掃効果を向上させることができる。
【0032】
清掃具10の互いに連通する溝部4、14、24、34は、清掃ヘッド1の底面1bの短手方向の一方の端部と他方の端部を結ぶ直線状には形成されていない。即ち、直線状の部分を、清掃ヘッド1の底面1bの短手方向の一方の端部、又は他方の端部から、中央部近傍までとしている。これにより、捕捉した塵埃を中央部近傍の溝部4、14で保持することができ、清掃効果を向上させることができる。尚、溝部4、14、24、34を波状や階段状に連通させた場合も清掃効果を向上させることができ、本発明に含まれる。
【0033】
清掃具10の複数の凸部3、13、23、33は、清掃ヘッドの長手方向に角部3c、3d、13c、13d、23c、23d、33c、33dが形成されている。これにより、清掃ヘッド1を左右方向に移動させる場合においても塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。
【0034】
溝部4、14、24、34の長手方向は、清掃ヘッド1の長手方向に対して直交する方向ではなく、直交する方向に対して角度を有するように形成されている。これにより、清掃ヘッド1を前後方向に移動させた場合に、塵埃が溝部の側面と当接し保持効果を向上させることができる。
【0035】
図3(a)は、本発明に係る清掃具の一部拡大斜視図であり、
図3(b)は、本発明に係る清掃具の一部拡大底面図である。これらの図に示すように、清掃具10の溝部の幅4a、14a、24aは、清掃ヘッド1の底面の短手方向の中央部側4aが、両端部側24aよりも狭く形成されている。これにより、捕捉した塵埃を中央部側に寄せることができ、清掃効果を向上させることができる。尚、
図3(a)における符号7は、軟質部材で形成されたブレードであり、清掃具10の使用時に、ブレード7が清掃シートを被清掃面に押さえつけることで清掃効果を向上させると共に、清掃シートのズレを防止することができる。
【0036】
清掃具10の複数の凸部23の清掃ヘッド1の長手方向に対して直交する方向に形成されている角部は、優角δで形成された角部を含んでいる。これにより、優角δを形成する2辺で塵埃等を引っ掛けると共に保持することができるため、塵埃の掻き取り効果及び保持効果を向上させることができる。
【0037】
清掃具10の複数の凸部は、各々の劣角α、β、γで形成された角部が、異なる角度で形成されている。これにより、被清掃面に付着した塵埃に対して、様々な角度の劣角α、β、γが当接し、塵埃の掻き取り効果を向上させることができる。
【0038】
また、複数の凸部は、優角δで形成された角部と溝部4を挟んで対向する位置に劣角αで形成された角部が配置されている。これにより、清掃ヘッド1を前後方向に移動させた場合に、優角δと劣角αに挟まれた溝部4により塵埃を確実に保持することができると共に、塵埃の掻き取り効果を一層向上させることができる。
【0039】
清掃具10の互いに連通する溝部4、14、24は、大きさが2種類の格子状に形成された溝部を含んでいる。これにより、様々な大きさの塵埃を段階的に保持することができ、塵埃の掻き取り効果と保持効果を向上させることができ、清掃効果を一層向上させることができる。
【0040】
また、互いに連通する溝部4、14、24は、清掃ヘッド1の底面1bの短手方向の一方の端部側から中央部側に向かい徐々に溝幅が狭くなるように(4a<14a<24a)形成されている。これにより、捕捉した塵埃を中央部側に寄せることができると共に、中央部側の溝4、14に保持された塵埃を圧縮させて強固に保持させることができ、清掃効果を一層向上させることができる。尚、両端部側の溝24、34の端部には開口6a、6bが形成されており、被清掃面に付着している塵埃を溝24、34に取り込み易くしている。また、清掃ヘッド1の底面1bは、短手方向の略中央部を境として両端部側が線対称となるように複数の凸部及び溝部が形成されており、使用時に清掃ヘッド1を前後方向のどちらに移動させた場合も、清掃効果の向上を図ることができる。
【0041】
図4(a)は、
図2(a)のA-A断面図であり、
図4(b)は、使用時の本発明に係る清掃具の一部拡大断面図である。
図4(a)に示すように、本発明に係る清掃具10は、電気掃除機の吸込具の機能を兼ね備えた構成となっており、吸引口2aから吸引された比較的大きな塵埃は、操作用ハンドル2に形成されている吸引通路2bを経て電気掃除機本体側に移送される。
【0042】
一方、被清掃面Yに付着している電気掃除機の吸引力では容易に剥がれない塵埃Zは、清掃ヘッド1の底面1bに形成された4個以上の角部を備えた多角形の凸部3、13、23、33によって掻き取られて、清掃シートXを介して溝部4、14、24、34で保持される。
【0043】
また、
図4(b)に示すように、清掃具の使用時に、溝部の底面4b、24bは、短手方向の中央部側4bが、両端部側24bよりも被清掃面Yに近接する構成としている。これにより、両端部側の溝部24で比較的大きな塵埃Zを保持することができる。また、中央部側の溝部4では小さな塵埃Zを保持することができるので、様々な大きさの塵埃を段階的に保持することができ、清掃効果を一層向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る清掃具は、室内における床や壁、窓等の汚れや塵埃等を除去する掃除道具として利用される。
【符号の説明】
【0045】
1 清掃ヘッド
1a 上面
1b 底面
2 操作用ハンドル
2a 吸引口
2b 吸引通路
3、13、23、33、43 凸部
3a、3b、3c、3d、13a、13b、13c、13d、23a、33a 角部
4、14、24、34 溝部
4a、14a、24a 溝部の幅
4b、24b 溝部の底面
5a、5b ブラシ状の固定部
5c、5d 係止溝状の固定部
6a、6b 開口
7 ブレード
10 清掃具
X 清掃シート
Y 被清掃面
Z 塵埃
α、β、γ 劣角
δ 優角