(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117761
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】排ガスヒータ用の加熱導体
(51)【国際特許分類】
F01N 3/20 20060101AFI20240822BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F01N3/20 K
H05B3/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022306
(22)【出願日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】10 2023 103 941.5
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2023 105 689.1
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー クシェル
(72)【発明者】
【氏名】ザンドラ ヘッケル
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ イリ
【テーマコード(参考)】
3G091
3K092
【Fターム(参考)】
3G091AB01
3G091AB13
3G091AB14
3G091CA03
3K092PP20
3K092QA06
3K092QB02
3K092QB33
3K092QB45
3K092VV31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構造的に簡単な構成のもとで高められた剛性を有する、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体を提供する。
【解決手段】この加熱導体(16)は、加熱導体長手方向で細長い偏平材料(36)から形成されていて、この偏平材料は、加熱導体厚さ方向で互いに反対側に位置する加熱導体幅面(38,40)と、加熱導体幅方向で互いに反対側に位置する加熱導体偏平面(40,42)とを有している、加熱導体において、加熱導体(16)には、加熱導体長手方向で互いに連続する、かつ/または加熱導体幅方向で互いに連続する、実質的に加熱導体厚さ方向に向けられた複数の成形部が設けられており、これらの成形部は、加熱導体幅方向で変化する成形部高さを有していることを特徴とする、加熱導体。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体であって、前記加熱導体(16)は、加熱導体長手方向(BL)で細長い偏平材料(36)から形成されていて、前記偏平材料は、加熱導体厚さ方向(HD)で互いに反対側に位置する加熱導体幅面(38,40)と、加熱導体幅方向(HB)で互いに反対側に位置する加熱導体偏平面(40,42)とを有している、加熱導体において、
前記加熱導体(16)には、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する、かつ/または前記加熱導体幅方向(HB)で互いに連続する、実質的に前記加熱導体厚さ方向(HD)に向けられた複数の成形部(60)が設けられており、前記成形部は、前記加熱導体幅方向(HB)で変化する成形部高さ(HA)を有していることを特徴とする、加熱導体。
【請求項2】
前記加熱導体長手方向(HL)で、好ましくは実質的に互いに等間隔を置いて連続する成形部(60)の少なくとも1つの列(R1,R2)は、加熱導体幅中心(M)から、両前記加熱導体偏平面(42,44)のうちの一方の加熱導体偏平面(42,44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有している、請求項1記載の加熱導体。
【請求項3】
前記成形部は、前記加熱導体偏平面(42,44)の領域で、最大の成形部高さ(HA)を有している、請求項2記載の加熱導体。
【請求項4】
前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する成形部(60)の2つの列(R1,R2)は、前記加熱導体幅中心(M)から、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちのそれぞれ1つの加熱導体偏平面(42,44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有しており、両前記列(R1,R2)のうちの第1の列(R1)では、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する前記成形部(60)が、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちの第1の加熱導体偏平面(42)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有しており、前記両列(R1,R2)のうちの第2の列(R2)では、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する前記成形部(60)が、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちの第2の加熱導体偏平面(44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有している、請求項2または3記載の加熱導体。
【請求項5】
前記第1の列(R1)の前記成形部(60)は、前記第2の列(R1)の前記成形部(60)に関して、前記加熱導体長手方向(HL)でずらされていない、請求項4記載の加熱導体。
【請求項6】
前記第1の列(R1)の前記成形部(60)は、前記第2の列(R2)の前記成形部(60)に関して、前記加熱導体長手方向(HL)でずらされている、請求項4記載の加熱導体。
【請求項7】
前記成形部は、前記加熱導体幅中心の領域で、最大の成形部高さを有している、請求項2記載の加熱導体。
【請求項8】
前記成形部(60)は、前記加熱導体厚さ方向(HD)における第1の方向(O1)に向けられた少なくとも1つの第1の成形部(601)と、前記加熱導体厚さ方向(HD)における、前記第1の方向(O1)とは実質的に逆方向の第2の方向(O2)に向けられた少なくとも1つの第2の成形部(602)とを含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の加熱導体。
【請求項9】
少なくとも2つの成形部(60)が互いに連続している場合には、前記成形部(60)のうちの一方が第1の成形部(601)であって、他方が第2の成形部(602)であって、好ましくは、第1の成形部(601)と第2の成形部(602)とは交互に互いに連続している、請求項8記載の加熱導体。
【請求項10】
互いに連続する前記成形部(60)は、波形の、好ましくは正弦波状の成形部パターンを形成する、請求項1から9までのいずれか1項記載の加熱導体。
【請求項11】
前記加熱導体(16)は、前記加熱導体厚さ方向(HD)で互いに連続する、好ましくは互いに接触する複数の加熱導体層(66,68)を含んでいる、請求項1から10までのいずれか1項記載のまたは請求項1の上位概念に記載の加熱導体。
【請求項12】
少なくとも2つの加熱導体層(66,68)が、加熱導体偏平面(44)に形成される曲げ領域(64)で互いに接続されている、請求項11記載の加熱導体。
【請求項13】
前記加熱導体(16)は、メアンダ状の構造を有しており、前記メアンダ状の構造は、好ましくは互いに実質的に平行にかつ/または実質的に直線的に延在する複数の隣接するメアンダ長手方向区分(52)と、互いに連続するメアンダ長手方向区分(52)を互いに接続させる円弧状のメアンダ接続区分(54)とを有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の加熱導体。
【請求項14】
少なくとも1つのメアンダ接続区分(54)には、好ましくは各メアンダ接続区分(54)には、成形部(60)が設けられていない、請求項13記載の加熱導体。
【請求項15】
少なくとも1つの前記加熱導体(16)は、少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)を含んでおり、前記少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)のうちの第1の加熱導体メアンダ領域(48)は、前記少なくとも1つの加熱導体(16)を電圧源に接続するための接続領域(55’)を提供し、前記少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)のうちの第2の加熱導体メアンダ領域(48’)は、前記少なくとも1つの加熱導体(16)を前記電圧源に接続するための別の接続領域(55’’)を提供する、請求項13または14記載の加熱導体。
【請求項16】
すべての加熱導体メアンダ領域(46,48)が、唯1つの加熱導体材料片によって形成されており、または少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)が、別個の加熱導体材料片(50)によって形成されており、好ましくは、別個の加熱導体材料片(50)によって形成された少なくとも2つの、好ましくはすべての加熱導体メアンダ領域(46,48)は、互いに実質的に同じ形状に形成されている、請求項15記載の加熱導体。
【請求項17】
内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータであって、実質的に排ガスヒータ長手方向軸線(L)の方向で排ガスが貫流可能な支持体アセンブリ(22)と、前記支持体アセンブリ(22)に支持される、請求項1から16までのいずれか1項記載の少なくとも1つの加熱導体(16)とを含む、排ガスヒータ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、その加熱導体幅面(38,40)で、実質的に前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)の方向に延在するように配置されていて、その加熱導体偏平面(42,44)で、前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)に対して実質的に直交する方向に延在するように配置されている、請求項17記載の排ガスヒータ。
【請求項19】
前記支持体アセンブリ(22)は、支持体ケーシング(20)を含み、前記支持体ケーシングは、前記少なくとも1つの加熱導体(16)の一方の軸方向側に配置された、前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)に対して実質的に横方向に延在するケーシング底面(34)を有しており、前記ケーシング底面(34)には、複数の貫流開口(32)が設けられており、前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、複数の支持体エレメント(26)によって、前記ケーシング底面(24)に支持されている、請求項17または18記載の排ガスヒータ。
【請求項20】
前記支持体ケーシング(20)は、前記ケーシング底面(24)に半径方向外側で接続する周壁(34)を有しており、好ましくは、前記支持体ケーシング(20)は前記ケーシング底面(34)と前記周壁(34)とによってポット状に形成されており、かつ/または前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、その他方の軸方向側で、前記支持体アセンブリ(22)によって実質的にカバーされていない、請求項19記載の排ガスヒータ。
【請求項21】
内燃機関のための排ガス装置であって、少なくとも1つの排ガス処理ユニット(18)、好ましくは触媒および/またはパティキュレートフィルタと、排ガス主流方向(A)で、前記少なくとも1つの排ガス処理ユニット(18)の上流にある、請求項17から20までのいずれか1項記載の少なくとも1つの排ガスヒータ(14)とを含む、排ガス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体に関する。
【0002】
このような形式の排ガスヒータは、排ガス装置内を流れるガス、例えば内燃機関から放出される排ガスを加熱するために、排ガス装置内で使用される。内燃機関から放出される排ガスが比較的低い温度を有している、内燃機関の作動運転の開始段階では特に、加熱装置において排ガスに吸収された熱を、下流側に配置された排ガス処理ユニットもしくは排ガス後処理アセンブリ、例えば触媒またはパティキュレートフィルタに伝達することができる。したがって、このような排ガス処理アセンブリの迅速な加熱が達成され、排ガスが、排ガス処理アセンブリ内で行われる、例えば触媒による清浄化プロセスなしに周囲に放出される期間を著しく短くすることができる。
【0003】
独国特許出願公開第102020123376号明細書から公知の排ガスヒータでは、複数の加熱導体メアンダ領域を備えた加熱導体が形成されている。各加熱導体メアンダ領域では、半径方向に互いに階段状に配置されたメアンダ区分が実質的に周方向に延在している。加熱導体は、1つの材料片として、金属製の偏平材料からの切り離しにより提供され、これにより、加熱導体を、個々の加熱導体メアンダ領域の、もしくは個々の加熱導体メアンダ領域におけるメアンダ区分の形状付与に関して大きな自由度をもって形成することができる。
【0004】
後から公開された独国特許出願第102022102376.1号明細書からは、偏平材料から形成された加熱導体を備えた、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータが公知である。1つの帯状の偏平材料を曲げ加工することにより提供される、排ガス主流方向で互いに連続して配置された加熱導体は、それぞれ1つのメアンダ状の構造を有していて、このメアンダ状の構造は、互いに隣接して延在するメアンダ長手方向区分と、互いに連続するメアンダ長手方向区分を接続させるメアンダ接続区分とを有している。加熱導体は、メアンダ長手方向区分において、波形構造を有している。加熱導体は、その偏平面で、上流方向もしくは下流方向に向けられているので、この加熱導体の周囲を流れる排ガスは、排ガス主流方向で、加熱導体の幅面に沿って流れる。
【0005】
後から公開された独国特許出願第102021122086.6号明細書からは、偏平材料から形成された、基本的にメアンダ状の構造を有する加熱導体を備えた排ガスヒータが公知であり、この加熱導体の幅面が、上流方向もしくは下流方向に向けられている。
【0006】
本発明の課題は、構造的に簡単な構成のもとで高められた剛性を有する、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体を提供することである。
【0007】
本発明によれば、この課題は、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体であって、この加熱導体は、加熱導体長手方向で細長い偏平材料から形成されていて、この偏平材料は、加熱導体厚さ方向で互いに反対側に位置する加熱導体幅面と、加熱導体幅方向で互いに反対側に位置する加熱導体偏平面とを有している、加熱導体により解決される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、加熱導体には、加熱導体長手方向で互いに連続する、かつ/または加熱導体幅方向で互いに連続する、実質的に加熱導体厚さ方向に向けられた複数の成形部が設けられており、これらの成形部は、加熱導体幅方向で変化する成形部高さを有している。
【0009】
加熱導体幅方向で、すなわち加熱導体偏平面の間で変化する成形部高さを有して形成されるこのような成形部により、例えば帯状の金属材料から成形された加熱導体は著しく補強される。その結果、車両で生じる振動により、特に加熱導体の固有振動数の範囲で励振が生じるおそれはなく、これにより一方では振動ノイズの発生が阻止され、他方では加熱導体もしくは加熱導体を支持する支持体アセンブリで生じる機械的な負荷が減じられる。
【0010】
加熱導体の効率的な補強のために、加熱導体長手方向で、好ましくは実質的に互いに等間隔を置いて互いに連続する成形部の少なくとも1つの列は、加熱導体幅中心から、両加熱導体偏平面のうちの一方の加熱導体偏平面に向かう方向で増大する成形部高さを有していることが提案される。
【0011】
この場合、成形部は、加熱導体偏平面の領域で、最大の成形部高さを有することができる。
【0012】
加熱導体の剛性は、加熱導体長手方向で互いに連続する成形部の2つの列が、加熱導体幅中心から、両加熱導体偏平面のうちのそれぞれ1つの加熱導体偏平面に向かう方向で増大する成形部高さを有しており、両列のうちの第1の列では、加熱導体長手方向で互いに連続する成形部が、両加熱導体偏平面のうちの第1の加熱導体偏平面に向かう方向で増大する成形部高さを有しており、両列のうちの第2の列では、加熱導体長手方向で互いに連続する成形部が、両加熱導体偏平面のうちの第2の加熱導体偏平面に向かう方向で増大する成形部高さを有していることによりさらに向上させることができる。
【0013】
この場合、加熱導体幅中心に関して対称の構成のために、第1の列の成形部は、第2の列の成形部に関して、加熱導体長手方向でずらされていないようにすることができる。
【0014】
剛性をさらに高めるために、もしくは励振の発生のリスクをさらに減じるために、第1の列の成形部を、第2の列の成形部に関して、加熱導体長手方向でずらすことが提案される。
【0015】
代替的な構成では、加熱導体幅中心の領域における成形部が最大の成形部高さを有していてよく、これにより加熱導体幅中心の領域には、実質的にアーチ状のもしくはポット状の成形部が設けられる。
【0016】
成形部は、加熱導体厚さ方向における第1の方向に向けられた少なくとも1つの第1の成形部と、加熱導体厚さ方向における、第1の方向とは実質的に逆方向の第2の方向に向けられた少なくとも1つの第2の成形部とを含むことができる。
【0017】
少なくとも2つの成形部が互いに連続している場合に、これらの成形部のうちの一方が第1の成形部であって、これらの成形部のうちの他方が第2の成形部であって、好ましくは、第1の成形部と第2の成形部とが交互に互いに連続しているような構造が設けられるならば、互いに連続する成形部が波形の、好ましくは正弦波状の成形部パターンを形成するような、加熱導体の全体構造が生成され得る。
【0018】
両列内に配置された成形部間の、場合によっては存在するもしくは存在しない上述したずれに関連して、このようなずれは、列のうちの一方においては1つの成形部が形成されている個所に、他方の列では成形部が形成されていないことにより、または第1もしくは第2の形式とは異なる形式の成形部が形成されていることにより生じ得るということを指摘しておく。相互のずれを有さずに両列の成形部が配置されている場合は、列のうちの一方において、第1および第2の形式のうちの一方の形式の成形部が形成されている個所に、他方の列において同じ形式の成形部が存在している。
【0019】
上述した構成態様に関連して特に有利に実現可能であるが、基本的にはそれ自体単独でも、加熱導体の著しく剛性になる構造につながる、本発明の別の構成態様によれば、加熱導体は、加熱導体厚さ方向で互いに連続する、好ましくは互いに接触する複数の加熱導体層を含むことができる。
【0020】
このような多層の構成において、少なくとも2つの加熱導体層が、加熱導体偏平面に形成される曲げ領域で互いに接続されるならば、加熱導体の一体的な構成部分を形成する曲げ領域も、剛性を高めるために寄与することができる。
【0021】
本発明により構成される加熱導体において、この加熱導体の周囲を流れるガス、例えば排ガスと熱的に相互作用するための大きな表面積を提供することができるように、加熱導体は、メアンダ状の構造を有することができ、このメアンダ状の構造は、好ましくは互いに実質的に平行にかつ/または実質的に直線的に延在する複数の隣接するメアンダ長手方向区分と、互いに連続するメアンダ長手方向区分を互いに接続させる円弧状のメアンダ接続区分とを有している。
【0022】
少なくとも1つのメアンダ接続区分において、好ましくは各メアンダ接続区分において、成形部が設けられていないならば、メアンダ状の構造への加熱導体の曲げ加工は、特に簡単に実現可能であり、この場合、成形部によって発生する可能性のある規定されていない曲げ状態がメアンダ接続区分に生じることはない。
【0023】
例えば、この場合、少なくとも1つの加熱導体が、少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域を含んでおり、これらの少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域のうちの第1の加熱導体メアンダ領域は、少なくとも1つの加熱導体を電圧源に接続するための接続領域を提供し、少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域のうちの第2の加熱導体メアンダ領域は、少なくとも1つの加熱導体を電圧源に接続するための別の接続領域を提供することが想定されてよい。
【0024】
特に簡単に実現すべき構成では、すべての加熱導体メアンダ領域を、唯1つの加熱導体材料片によって形成することができ、または少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域を別個の加熱導体材料片によって形成することができる。この場合、別個の加熱導体材料片によって形成される少なくとも2つの、好ましくはすべての加熱導体メアンダ領域が、互いに実質的に同じ形状に形成されるならば、同じ部品を使用するために有利である。
【0025】
本発明は、さらに、内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータであって、実質的に排ガスヒータ長手方向軸線の方向で排ガスが貫流可能な支持体アセンブリと、この支持体アセンブリに支持される、本発明による構成を備えた少なくとも1つの加熱導体とを含む、排ガスヒータに関する。
【0026】
少なくとも1つの加熱導体の表面積を可能な限り大きくしながら、流れの詰まりを可能な限り僅かにするために、少なくとも1つの加熱導体が、その加熱導体幅面で、実質的に排ガスヒータ長手方向軸線の方向に延在するように配置されていて、その加熱導体偏平面で、排ガスヒータ長手方向軸線に対して実質的に直交する方向に延在するように配置されていることが提案される。
【0027】
支持体アセンブリは、支持体ケーシングを含んでいてよく、支持体ケーシングは、少なくとも1つの加熱導体の一方の軸方向側に配置された、排ガスヒータ長手方向軸線に対して実質的に横方向に延在するケーシング底面を有しており、ケーシング底面には、複数の貫流開口が設けられており、少なくとも1つの加熱導体は、複数の支持体エレメントによって、ケーシング底面に支持されている。
【0028】
支持体ケーシングは、排ガス装置内に固定するために、ケーシング底面に半径方向外側で続いている周壁を有することができる。この場合、支持体ケーシングが、ケーシング底面と周壁とによってポット状に形成されており、かつ/または少なくとも1つの加熱導体は、その他方の軸方向側で、支持体アセンブリによって実質的にカバーされていないならば、少なくとも1つの加熱導体の周囲の良好な流れと同時に、構造的に堅固な構成が得られる。
【0029】
本発明はさらに、内燃機関のための排ガス装置であって、少なくとも1つの排ガス処理ユニット、好ましくは触媒および/またはパティキュレートフィルタと、排ガス主流方向で、少なくとも1つの排ガス処理ユニットの上流にある、本発明により形成された少なくとも1つの排ガスヒータとを含む、排ガス装置に関する。
【0030】
以下に、本発明を、添付した図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】車両の内燃機関のための排ガス装置を示す原理図である。
【
図2】
図1の排ガス装置の排ガスヒータを示す、下流側から見た斜視図である。
【
図3】
図2の加熱導体の、1つの加熱導体材料片により形成された加熱導体メアンダ領域を示す図である。
【
図4】加熱導体の偏平面から見た、
図2の加熱導体の側面図である。
【
図5】加熱導体の、
図4に示された区分を示す平面図である。
【
図6】加熱導体の代替的な構成形式を示す端面図である。
【0032】
図1は、車両における内燃機関のための排ガス装置10の一区分を原理図で示している。排ガス装置10は、例えば管状またはケーシング状に形成された排ガス案内構成要素12を含み、この排ガス案内構成要素内では、内燃機関から放出された排ガスが排ガス主流方向Aで流れる。排ガスは、排ガスヒータ14へと流入し、排ガスヒータは、排ガスヒータの加熱導体16に電圧をかけることにより熱を発生させ、この熱を、排ガスに、もしくは排ガス装置10を貫流するガスに伝達する。排ガスもしくはガスは、この熱をさらに下流側に続く、触媒および/またはパティキュレートフィルタ等を含んでいてよい排ガス処理ユニット18へと運ぶ。
【0033】
排ガスヒータ14は、
図2に、より詳細に示されている。排ガスヒータ14は、ポット状の支持体ケーシング20を備えて構成された支持体アセンブリ22を含んでおり、この支持体アセンブリは、一方では加熱導体16を支持していて、他方では、排ガスヒータ14を排ガス案内構成要素12に固定している。このために、支持体ケーシング20は、排ガスヒータ長手方向軸線Lに対して実質的に直交するように向けられたケーシング底面24を有している。ケーシング底面24には、加熱導体16が、複数の支持体エレメント26によって堅固に支持されている。支持体エレメント26は、それぞれ、例えば金属材料により形成された中央のピン28によってケーシング底面24に固定することができ、例えば同じく金属材料により形成されてよい、ピン28を取り囲むスリーブ30によって加熱導体16に固定されていてよい。支持体エレメント26を介した電気的短絡を阻止するために、ピン28とスリーブ30との間には、電気絶縁材料から成る層を配置することができる。排ガス主流方向Aもしくは排ガスヒータ長手方向軸線Lの方向で、支持体ケーシング20へと流れるべき排ガスが、支持体アセンブリ22を貫流することができるように、ケーシング底面24には、例えば長孔状に形成された複数の貫流開口32が設けられている。
【0034】
排ガスは、例えば、まず、ケーシング底面24の上流側に配置された加熱導体16の周囲を流れ、次いでケーシング底面24に設けられた貫流開口32を貫流して、排ガス処理ユニット18に向かう方向で流れることができる。
図1および
図2に示した有利な配置では、支持体ケーシング20のケーシング底面24は加熱導体16の上流側に配置されているので、加熱導体16は排ガス処理ユニット18の上流の端面に直接向かい合って位置しており、ハウジング底面24により遮蔽されておらず、したがって加熱導体16から支持体ケーシング20への熱損失を低減することができる。したがって、加熱導体16からも放出される放射熱は、排ガス処理ユニット18の付加的な加熱に寄与することができる。
【0035】
さらに、支持体ケーシング20は、半径方向外側に、ハウジング底面24に続いて周壁34を有しているので、基本的に、支持体ハウジング20の、上流に向かう方向で開かれたポット状の構造が生じる。周壁34によって、排ガスヒータ14を、排ガス案内構成要素12の内面に、例えば材料接続により固定することができる。
【0036】
加熱導体16は、例えば、帯状の金属材料により形成された偏平材料36によって形成されている。偏平材料36は、
図4にも示されている加熱導体厚さ方向H
Dで互いに間隔を置いて位置し、例えば
図5に示された加熱導体幅方向H
Bで延在する2つの偏平面38,40を有している。さらに、偏平材料36は、加熱導体幅方向H
Bで互いに間隔を置いて位置し、それぞれ上流側もしくは下流側に向けられて配置される2つの加熱導体偏平面42,44を有している。したがって、排ガス主流方向Aもしくは排ガスヒータ長手方向軸線Lの方向で加熱導体16に向かって流れる排ガスは、加熱導体偏平面38,40に沿って流れるので、比較的小さな流れ抵抗のもと、排ガスと加熱導体16との間の熱的な相互作用のために大きな表面積が提供されている。
【0037】
図2に示された構成例では、加熱導体は、2つの加熱導体メアンダ領域46,48を有して形成されている。
図3により判るように、各加熱導体メアンダ領域46,48は、1つの加熱導体材料片50によって提供されている。両加熱導体メアンダ領域46,48は、互いに同じ形状で形成されているので、加熱導体16を構成するために、同じ部品を使用することができる。
【0038】
各加熱導体メアンダ領域46,48は、互いに実質的に平行にかつ実質的に直線的に延在する複数のメアンダ長手方向区分52を有して形成されており、これらのメアンダ長手方向区分は、その長手方向端部領域においてそれぞれメアンダ接続区分54で、メアンダ長手方向区分52のこのような直列配置において後続のメアンダ長手方向区分52に接続されている。加熱導体メアンダ領域46,48の一方の端部領域では、それぞれ最後のメアンダ長手方向区分52が、接続領域55’を形成しており、この接続領域では、
図1に原理的に示された、電圧源に接続するためのフィードスルー56が、加熱導体16に導電的に接触している。他方の端部領域では、それぞれ最後のメアンダ長手方向区分52が、接続領域55’’を形成しており、この接続領域では、
図2に示されたように、例えばプレート状の接続エレメント58が、両加熱導体メアンダ領域46,48の間の接続部を形成している。したがって、加熱導体メアンダ領域46,48は、互いに直列に接続されている。
【0039】
比較的薄い偏平材料36から形成される加熱導体16においてより高い剛性を提供するために、そしてこれにより、励振の発生を防止するために、加熱導体長手方向HLで細長い加熱導体16に、複数の成形部60が設けられている。成形部60は、加熱導体幅方向HBで変化する成形部高さHAを、加熱導体厚さ方向HDで、つまり加熱導体幅方向HBと加熱導体長手方向HLとにより形成される平面に対して直交する平面内に有している。この場合、成形部60の成形部高さHAのための基準として、実質的に成形部60を提供するためには変形されていない、加熱導体幅中心Mの領域における中央領域62を観察することができる。
【0040】
図5には、加熱導体16の図示の構成例において、成形部60の2つの列R
1,R
2が設けられていることが示されており、この場合、第1の列R
1では、成形部60が、加熱導体幅中心Mから第1の加熱導体偏平面42に向かって増大する成形部高さを有しており、第2の列R
2では、成形部60が、加熱導体幅中心Mから第2の加熱導体偏平面44に向かって増大する成形部高さを有している。両列R
1,R
2において、成形部60は、それぞれ加熱導体偏平面42,44で、つまり加熱導体幅中心Mに対して最大の延在が生じているところで、最大の成形部高さH
Aを有している。
【0041】
図4では、加熱導体幅中心Mの領域において中央領域62により規定される基準に関して、加熱導体厚さ方向H
Dで成形部60が互いに異なる向きを有していることが見て取れる。第1の成形部60
1と称される成形部60は、加熱導体厚さ方向H
Dで第1の方向O
1に向けられている、もしくは中央領域62によって規定される基準に関して成形されている。成形部60の第2の成形部60
2は、中央領域62に関して、第1の方向O
1とは逆の第2の方向O
2に向けられて成形されている。第1の成形部60
1と第2の成形部60
2とは、加熱導体長手方向H
Lにおいて交互に連続しかつ好適には加熱導体長手方向H
Lで等間隔もしくは同じ延在長さで配置されており、これにより、両列R
1,R
2のそれぞれにおいて、第1の成形部60
1もしくは第2の成形部60
2のそれぞれ1つの波形構造が生じ、ひいては特に加熱導体偏平面42,44の波形構造も生じる。例えば、これらの波形構造は、実質的に正弦波の延在に相当する。
【0042】
図4および
図5には、さらに、両列R
1,R
2において、第1もしくは第2の成形部60
1,60
2が、加熱導体長手方向H
Lで実質的に互いにずらされて配置されていないことを示している。これは、加熱導体幅方向H
Bで、第1の列R
1のそれぞれ第1の成形部60
1の側方に、同じ方向O
1に向けられた、第2の列R
2の第1の成形部60
1も位置していることを意味している。相応に、加熱導体幅方向H
Bで、第1の列R
1のそれぞれ第2の成形部60
2には、第2の列R
2の第2の成形部60
2が続いている。
【0043】
加熱導体幅方向HBで変化する成形部高さHAを有する、それぞれ縁部領域に位置する成形部60を備えた加熱導体16を提供することにより、加熱導体16は補強され、これにより、付加的な材料使用なしに、励振の危険は回避される。同時に、成形部60は、流れガイドエレメントを形成しており、この流れガイドエレメントは、一方では加熱導体の平坦な構成に関して、排ガスとの熱的な相互作用のための拡大された表面積を提供し、他方では加熱導体16の表面の領域において、排ガスと加熱導体16との熱的な相互作用を強化させるために貢献する渦流を形成することができる。
【0044】
図2および
図3により明らかであるように、加熱導体16もしくは加熱導体メアンダ領域46,48において、このような成形部60は、実質的に、メアンダ長手方向区分52の領域にのみ設けられており、メアンダ接続区分54にはこのような成形部60は設けられていない。これにより、偏平材料36をメアンダ状の構造に曲げ加工する工程は容易になり、成形部60を形成すべき領域において、曲げ加工の際に、規定されていない曲げ状態が生じる危険が回避される。
【0045】
図2および
図3によりさらに、加熱導体16を、支持体エレメント26のスリーブ30に接続すべきところで、メアンダ長手方向区分において、加熱導体幅方向H
Bで連続した膨張部63が形成されていることが判り、この膨張部には、スリーブ30の外表面が面状に接することができ、これにより、特に材料接続による安定した接続を形成することができる。加熱導体幅方向H
Bで実質的に一定の、加熱導体厚さ方向H
Dにおける膨張部高さで延在するこのような膨張部63の領域でも、同様に、加熱導体16とスリーブ30との間の接続の構造的な強度を損なう成形部は形成されない。
【0046】
加熱導体16は、特に成形部60の構成および位置決めに関して異なるように形成されてよいことを指摘しておく。したがって、例えば第1の列R1の各第1の成形部601に、加熱導体幅方向HBで、列R2の成形部602が続くように、両列R1,R2において、成形部60が互いに加熱導体長手方向HLでずらされて位置していてよい。また、成形部60は、加熱導体長手方向HLで変化する延在長さを有していてもよい。別の代替的な構成では、加熱導体長手方向HLで、複数のドーム状もしくはアーチ状の成形部が連続して形成されるように、このような成形部60が中央領域62に形成されていてもよい。
【0047】
さらに、加熱導体16は、図示したメアンダ状の構造とは異なり、別の延在、例えば、排ガスヒータ長手方向軸線Lを中心とした螺旋状の延在を有していてもよい。基本的には、排ガスヒータ14が、排ガスヒータ長手方向軸線Lの方向で連続して配置されたこのような複数の加熱導体16を有することができることを指摘しておく。
【0048】
所望の形状に曲げられる比較的薄い帯状の金属材料を偏平材料として使用する場合、すなわち、加熱導体幅方向での幅が、加熱導体厚さ方向での厚さよりも著しく大きい、例えば幅が、厚さの少なくとも5~80倍である材料が使用される場合、加熱導体の上述した構造により、構造的に簡単に実現される、剛性の構造が得られるが、例えば、薄いプレート状の金属材料から切り離すことによっても加熱導体を形成することができる。薄い金属プレートからの切り離しにより、規定された構造、例えば上述した加熱導体メアンダ領域をもって製造された加熱導体は、この場合、加熱導体厚さ方向で、プレート状の金属材料の厚さに相当する延在長さを有していて、かつこの厚さに直交する、切り離しの際の形状付与により生じる延在長さを加熱導体幅方向で有している。このような加熱導体は、支持体アセンブリにおいて、その加熱導体幅面が、上流の方向もしくは下流の方向に、すなわち、排ガスヒータ長手方向に対して実質的に直交するように方向付けられ、他方で、加熱導体偏平面は、排ガスヒータ長手方向に向けられるように位置決めされている。薄い金属プレートからの切り離しにより形成されるこのような加熱導体においても、加熱導体の変形加工により成形部を形成することができ、この場合、この変形加工は、例えば、金属プレートからの加熱導体の切り離しが打抜きにより実施されると同時に行われる。
【0049】
図6は、偏平材料36により構成されたこのような加熱導体16のさらなる代替的な構成を示している。
図6に示された構成例では、加熱導体16は、多層に、特に2層に形成されている。このような構成は、偏平材料36を、基本的に、完成した加熱導体16の2倍の幅に相当する、加熱導体幅方向H
Bの延在長さを有するように提供することにより達成される。この場合、中央領域において偏平材料36は、屈曲されもしくは曲げられ、これにより、例えば上流の方向に向けられる第2の偏平面44に曲げ領域64が形成され、この曲げ領域では、加熱導体16の2つの層66,68が互いに一体的につながっている。層66は、加熱導体16において第1の加熱導体幅面38を提供し、他方の層68は、第2の加熱導体幅面40を提供する。
【0050】
加熱導体16がこのように多層に構成されている場合も、加熱導体の構成に偏平材料36を使用しているにもかかわらず、励振の発生を実質的に排除する比較的高い剛性が達成される。このためには特に、両層66,68が、加熱導体16の一体の構成部分を提供する曲げ領域64によって互いに結合されていることも貢献している。
【0051】
代替的な構成では、両層66,68は、分離された構成部分として提供されてもよく、これらの構成部分は、材料接続、例えば、ろう接または溶接または接着によって、かつ/または形状接続、例えば折り畳みによって、互いに結合されてよい。
【0052】
図6に示された加熱導体16の多層構造の場合に、加熱導体16の剛性をさらに高めるために、同じく、
図2~
図5につき説明した成形部60を設けることができることも指摘しておく。
【0053】
成形部高さが加熱導体幅方向で変化する成形部を備えた加熱導体の上述した構造により、かつ/または多層構造により、励振の発生を阻止するための高い剛性が得られるだけでなく、熱的に誘発される長さ変化により生じる変形に対する高い強度も得られる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータ用の加熱導体であって、前記加熱導体(16)は、加熱導体長手方向(BL)で細長い偏平材料(36)から形成されていて、前記偏平材料は、加熱導体厚さ方向(HD)で互いに反対側に位置する加熱導体幅面(38,40)と、加熱導体幅方向(HB)で互いに反対側に位置する加熱導体偏平面(40,42)とを有している、加熱導体において、
前記加熱導体(16)には、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する、かつ/または前記加熱導体幅方向(HB)で互いに連続する、実質的に前記加熱導体厚さ方向(HD)に向けられた複数の成形部(60)が設けられており、前記成形部は、前記加熱導体幅方向(HB)で変化する成形部高さ(HA)を有していることを特徴とする、加熱導体。
【請求項2】
前記加熱導体長手方向(HL)で、好ましくは実質的に互いに等間隔を置いて連続する成形部(60)の少なくとも1つの列(R1,R2)は、加熱導体幅中心(M)から、両前記加熱導体偏平面(42,44)のうちの一方の加熱導体偏平面(42,44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有している、請求項1記載の加熱導体。
【請求項3】
前記成形部は、前記加熱導体偏平面(42,44)の領域で、最大の成形部高さ(HA)を有している、請求項2記載の加熱導体。
【請求項4】
前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する成形部(60)の2つの列(R1,R2)は、前記加熱導体幅中心(M)から、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちのそれぞれ1つの加熱導体偏平面(42,44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有しており、両前記列(R1,R2)のうちの第1の列(R1)では、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する前記成形部(60)が、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちの第1の加熱導体偏平面(42)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有しており、前記両列(R1,R2)のうちの第2の列(R2)では、前記加熱導体長手方向(HL)で互いに連続する前記成形部(60)が、前記両加熱導体偏平面(42,44)のうちの第2の加熱導体偏平面(44)に向かう方向で増大する成形部高さ(HA)を有している、請求項2記載の加熱導体。
【請求項5】
前記第1の列(R1)の前記成形部(60)は、前記第2の列(R1)の前記成形部(60)に関して、前記加熱導体長手方向(HL)でずらされていない、請求項4記載の加熱導体。
【請求項6】
前記第1の列(R1)の前記成形部(60)は、前記第2の列(R2)の前記成形部(60)に関して、前記加熱導体長手方向(HL)でずらされている、請求項4記載の加熱導体。
【請求項7】
前記成形部は、前記加熱導体幅中心の領域で、最大の成形部高さを有している、請求項2記載の加熱導体。
【請求項8】
前記成形部(60)は、前記加熱導体厚さ方向(HD)における第1の方向(O1)に向けられた少なくとも1つの第1の成形部(601)と、前記加熱導体厚さ方向(HD)における、前記第1の方向(O1)とは実質的に逆方向の第2の方向(O2)に向けられた少なくとも1つの第2の成形部(602)とを含む、請求項1記載の加熱導体。
【請求項9】
少なくとも2つの成形部(60)が互いに連続している場合には、前記成形部(60)のうちの一方が第1の成形部(601)であって、他方が第2の成形部(602)であって、好ましくは、第1の成形部(601)と第2の成形部(602)とは交互に互いに連続している、請求項8記載の加熱導体。
【請求項10】
互いに連続する前記成形部(60)は、波形の、好ましくは正弦波状の成形部パターンを形成する、請求項1記載の加熱導体。
【請求項11】
前記加熱導体(16)は、前記加熱導体厚さ方向(HD)で互いに連続する、好ましくは互いに接触する複数の加熱導体層(66,68)を含んでいる、請求項1記載の加熱導体。
【請求項12】
少なくとも2つの加熱導体層(66,68)が、加熱導体偏平面(44)に形成される曲げ領域(64)で互いに接続されている、請求項11記載の加熱導体。
【請求項13】
前記加熱導体(16)は、メアンダ状の構造を有しており、前記メアンダ状の構造は、好ましくは互いに実質的に平行にかつ/または実質的に直線的に延在する複数の隣接するメアンダ長手方向区分(52)と、互いに連続するメアンダ長手方向区分(52)を互いに接続させる円弧状のメアンダ接続区分(54)とを有している、請求項1記載の加熱導体。
【請求項14】
少なくとも1つのメアンダ接続区分(54)には、好ましくは各メアンダ接続区分(54)には、成形部(60)が設けられていない、請求項13記載の加熱導体。
【請求項15】
少なくとも1つの前記加熱導体(16)は、少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)を含んでおり、前記少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)のうちの第1の加熱導体メアンダ領域(48)は、前記少なくとも1つの加熱導体(16)を電圧源に接続するための接続領域(55’)を提供し、前記少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)のうちの第2の加熱導体メアンダ領域(48’)は、前記少なくとも1つの加熱導体(16)を前記電圧源に接続するための別の接続領域(55’’)を提供する、請求項13記載の加熱導体。
【請求項16】
すべての加熱導体メアンダ領域(46,48)が、唯1つの加熱導体材料片によって形成されており、または少なくとも2つの加熱導体メアンダ領域(46,48)が、別個の加熱導体材料片(50)によって形成されており、好ましくは、別個の加熱導体材料片(50)によって形成された少なくとも2つの、好ましくはすべての加熱導体メアンダ領域(46,48)は、互いに実質的に同じ形状に形成されている、請求項15記載の加熱導体。
【請求項17】
内燃機関の排ガス装置のための排ガスヒータであって、実質的に排ガスヒータ長手方向軸線(L)の方向で排ガスが貫流可能な支持体アセンブリ(22)と、前記支持体アセンブリ(22)に支持される、請求項1記載の少なくとも1つの加熱導体(16)とを含む、排ガスヒータ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、その加熱導体幅面(38,40)で、実質的に前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)の方向に延在するように配置されていて、その加熱導体偏平面(42,44)で、前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)に対して実質的に直交する方向に延在するように配置されている、請求項17記載の排ガスヒータ。
【請求項19】
前記支持体アセンブリ(22)は、支持体ケーシング(20)を含み、前記支持体ケーシングは、前記少なくとも1つの加熱導体(16)の一方の軸方向側に配置された、前記排ガスヒータ長手方向軸線(L)に対して実質的に横方向に延在するケーシング底面(34)を有しており、前記ケーシング底面(34)には、複数の貫流開口(32)が設けられており、前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、複数の支持体エレメント(26)によって、前記ケーシング底面(24)に支持されている、請求項17記載の排ガスヒータ。
【請求項20】
前記支持体ケーシング(20)は、前記ケーシング底面(24)に半径方向外側で接続する周壁(34)を有しており、好ましくは、前記支持体ケーシング(20)は前記ケーシング底面(34)と前記周壁(34)とによってポット状に形成されており、かつ/または前記少なくとも1つの加熱導体(16)は、その他方の軸方向側で、前記支持体アセンブリ(22)によって実質的にカバーされていない、請求項19記載の排ガスヒータ。
【請求項21】
内燃機関のための排ガス装置であって、少なくとも1つの排ガス処理ユニット(18)、好ましくは触媒および/またはパティキュレートフィルタと、排ガス主流方向(A)で、前記少なくとも1つの排ガス処理ユニット(18)の上流にある、請求項17から20までのいずれか1項記載の少なくとも1つの排ガスヒータ(14)とを含む、排ガス装置。
【外国語明細書】