(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117763
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電気掃除機用吸込具
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A47L9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022354
(22)【出願日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2023023462
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023082071
(32)【優先日】2023-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AA26
3B061AA41
3B061AA51
(57)【要約】
【課題】 回転管の回動範囲を広くした場合でも回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる電気掃除機用吸込具を提供する。
【解決手段】 電気掃除機用吸込具10は、吸引口1aを有する吸込口本体1と、吸引口1aと連通する吸引通路2aを備えた接続管2と、接続管2と連通する吸引通路3aを備えた回転管3と、を有しており、回転管3の端部が接続管2の内部に連結軸3bを介して回動可能に固定されている。回転管3は、吸込口本体1との傾きを調整する角度調整機構4を有しており、角度調整機構4は、押圧体4a、4aと、連結軸3bの軸方向と略平行な方向に押圧体4a、4aを付勢する付勢部材5と、を有している。回転管3の回動範囲において、押圧体4a、4aは、接続管2の内壁面2b、2bをに押圧する構成としている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口を有する吸込口本体と、
前記吸引口と連通する吸引通路を備えた接続管と、
前記接続管と連通する吸引通路を備えた回転管と、を有する電気掃除機用吸込具において、
前記回転管の端部は、前記接続管の内部に、連結軸を介して回動可能に固定されており、
前記回転管は、前記吸込口本体との傾きを調整する角度調整機構を有し、
前記角度調整機構は,押圧体と、前記連結軸の軸方向と略平行な方向に前記押圧体を付勢する付勢部材と、を有し、
前記回転管の回動範囲において、前記押圧体は、前記接続管の内壁面を押圧することを特徴とする電気掃除機用吸込具
【請求項2】
回転管の回動範囲において、付勢部材の略中央から押圧体と当接する接続管の内壁面までの距離が略一定である請求項1に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項3】
付勢部材は、左右一対の押圧体を付勢し、前記一対の押圧体が接続管の相対する左右の内壁面を同時に押圧する請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項4】
接続管は、回転管の回動範囲に開口部を有しており、側面視した状態で、前記回転管を該回転管の吸引通路の長手方向が吸込口本体の底面と垂直となる方向へ回動させた際に、押圧体は前記接続管の前記開口部近傍に近づくように円弧状に摺動する請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項5】
側面視した状態で、回転管を、該回転管の吸引通路の長手方向を吸込口本体の底面と略平行となる位置まで回動させた際に、角度調整機構は、前記吸引通路の下方に位置する請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項6】
角度調整機構は、連結軸の略鉛直下方から前方側に位置する請求項5に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項7】
回転管の回動範囲は、回転管の吸引通路の長手方向が吸込口本体の底面と略平行となる位置から略垂直となる位置まで回動可能であって、
角度調整機構は、回転管の前記回動範囲内で常に押圧体が接続管の内壁面と当接している請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項8】
回転管の回動範囲において、押圧体と当接する接続管の内壁面は、1つの面で形成されている請求項7に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項9】
接続管は上ケースと下ケースとを有するものであって、前記下ケースは、後方の一部に上方に向かい延出する延出部が形成されており、押圧体は、前記下ケースの前記延出部を含む内壁面にのみ当接する請求項8に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項10】
接続管は、吸込口本体の上面に対して回動可能に固定されている請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項11】
接続管の内壁面及び押圧体は樹脂材で形成されていると共に、前記押圧体は、前記接続管の内壁面より硬度の低い樹脂材である請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【請求項12】
付勢部材は、1個の圧縮コイルばねを有しており、前記圧縮コイルばねは、回転管の幅方向の略中央に配置されている請求項1又は2に記載の電気掃除機用吸込具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動可能に固定された回転管を有する電気掃除機用吸込具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から回動自在に軸支された連通管を有する電気掃除機の吸込口体に関する発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の電気掃除機の吸込口体は、下面に吸込口を有するケース体と、このケース体に設けられた係合部と、この係合部に上下方向に摺動可能に係合される回動軸を有し前記ケース体に一端側が上下方向に回動自在に軸支された連通管と、前記回動軸に回転自在に設けられた走行輪とを具備すると共に、吸込口を開口するケース体の下面を下方に付勢する付勢手段を設けたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の電気掃除機の吸込口体は、上下方向に回動自在に軸支された連通管の先端開口上縁部に、板バネからなる付勢手段を当接させる構造となっており、ケース体の下面方向に押圧力が働く連通管の回動範囲は狭いものであると共に、押圧力が一定にならず、吸込口体と連通管との傾き角度が不安定になるという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、回転管の回動範囲を広くした場合でも回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる電気掃除機用吸込具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、吸引口を有する吸込口本体と、前記吸引口と連通する吸引通路を備えた接続管と、前記接続管と連通する吸引通路を備えた回転管と、を有する電気掃除機用吸込具において、前記回転管の端部は、前記接続管の内部に、連結軸を介して回動可能に固定されており、前記回転管は、前記吸込口本体との傾きを略一定に調整する角度調整機構を有し、前記角度調整機構は、押圧体と、前記連結軸の軸方向と略平行な方向に前記押圧体を付勢する付勢部材と、を有し、前記回転管の回動範囲において、前記押圧体は、前記接続管の内壁面を押圧することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、電気掃除機用吸込具は、角度調整機構が、連結軸の軸方向と略平行な方向に押圧体を付勢する付勢部材を有しており、回転管の回動範囲において、押圧体が接続管の内壁面を押圧する構成としたことによって、回転管の回動範囲を広くした場合でも回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、回転管の回動範囲において、付勢部材の略中央から押圧体と当接する接続管の内壁面までの距離が略一定であることを特徴としている。これにより、付勢部材が押圧体を介して接続管の内壁面を一定の押圧力で押圧することができ、回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、付勢部材は、左右一対の押圧体を付勢し、前記一対の押圧体が接続管の相対する左右の内壁面を同時に押圧することを特徴としている。これにより、付勢部材が一対の押圧体を介して接続管の左右の内壁面を略同一であり且つ一定の押圧力で押圧することができ、回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、接続管は、回転管の回動範囲に開口部を有しており、側面視した状態で、前記回転管を該回転管の吸引通路の長手方向が吸込口本体の底面と垂直となる方向へ回動させた際に、押圧体は前記接続管の前記開口部近傍に近づくように円弧状に摺動することを特徴としている。これにより、回転管の回動範囲を広げた場合でも接続管が大型化するのを防ぐことができると共に、回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、側面視した状態で、回転管を、該回転管の吸引通路の長手方向を吸込口本体の底面と略平行となる位置まで回動させた際に、角度調整機構は、前記吸引通路の下方に位置することを特徴としている。これにより、回転管が大型化するのを防ぐことができると共に、回転管の吸引通路の容積を減らすことなく角度調整機構を設けることができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、角度調整機構は、連結軸の略鉛直下方から前方側に位置することを特徴としている。これにより、回転管を一層コンパクトにすることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1又は2の発明において、回転管の回動範囲は、回転管の吸引通路の長手方向が吸込口本体の底面と略平行となる位置から略垂直となる位置まで回動可能であって、角度調整機構は、回転管の前記回動範囲内で常に押圧体が接続管の内壁面と当接していることを特徴としている。これにより、回転管の回動範囲を広くした場合でも付勢部材が押圧体を介して接続管の左右の内壁面を一定の押圧力で押圧することができ、回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、回転管の回動範囲において、押圧体と当接する接続管の内壁面は、1つの面で形成されていることを特徴としている。これにより、回転管を滑らかに回動させることができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、接続管は上ケースと下ケースとを有するものであって、前記下ケースは、後方の一部に上方に向かい延出する延出部が形成されており、押圧体は、前記下ケースの前記延出部を含む内壁面にのみ当接することを特徴としている。これにより、回転管を滑らかに回動させることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1又は2の発明において、接続管は、吸込口本体の上面に対して回動可能に固定されていることを特徴としている。これにより、回転管を、吸込口本体に対して前後方向のみならず、左右方向にも回動させることができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1又は2の発明において、接続管の内壁面及び押圧体は樹脂材で形成されていると共に、押圧体は、接続管の内壁面より硬度の低い樹脂材であることを特徴としている。これにより、接続管の内壁面と押圧体との間で生じる摩耗による損傷は、押圧体に発生しやすくなるため、押圧体の交換により簡単にメンテナンスをすることができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1又は2の発明において、付勢部材は、1個の圧縮コイルばねを有しており、前記圧縮コイルばねは、回転管の幅方向の略中央に配置されていることを特徴としている。これにより、角度調整機構は複数のばねを必要としないと共に、1個の圧縮コイルばねが左右の押圧体を介して接続管の左右の内壁面を一定の押圧力で押圧することができ、回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明は、回転管の回動範囲を広くした場合でも回転管と吸込口本体との傾き角度を安定的に調整することができる。また、請求項2及び3の発明は、付勢部材が押圧体を介して接続管の内壁面を一定の押圧力で押圧することができる。また、請求項4の発明は、回転管の回動範囲を広げた場合でも接続管が大型化するのを防ぐことができる。
【0021】
請求項5の発明は、回転管が大型化するのを防ぐことができると共に、回転管の吸引通路の容積を減らすことなく角度調整機構を設けることができる。また、請求項6の発明は、回転管を一層コンパクトにすることができる。また、請求項7の発明は、回転管の回動範囲を広くした場合でも付勢部材が押圧部材を介して接続管の左右の内壁面を一定の押圧力で押圧することができる。
【0022】
請求項8及び9の発明は、回転管を滑らかに回動させることができる。また、請求項10の発明は、回転管を、吸込口本体に対して前後方向のみならず、左右方向にも回動させることができる。また、請求項11の発明は、接続管の内壁面と押圧体との間で生じる摩耗による損傷に対して、押圧体の交換により簡単にメンテナンスをすることができる。
また、請求項12の発明は、角度調整機構が複数の付勢部材を必要としないと共に、1個の圧縮コイルばねが左右の押圧体を介して接続管の左右の内壁面を一定の押圧力で押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る電気掃除機用吸込具を示す斜視図
【
図2】本発明に係る電気掃除機用吸込具を示す底面図
【
図3】(a)本発明に係る電気掃除機用吸込具を示す右側面図(b)
図2のA-A断面図
【
図4】(a)本発明に係る電気掃除機用吸込具を構成する接続管と回転管の分解斜視図(b)
図2のB-B断面図
【
図5】回転管を被清掃面に対して略平行及び略垂直にした状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係る電気掃除機用吸込具を示す斜視図であり、
図2は、同底面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機用吸込具の概要について以下に説明する。
【0025】
本発明に係る電気掃除機用吸込具10は、吸引口1aを有する吸込口本体1と、吸引口1aと連通する吸引通路2aを備えた接続管2と、接続管2と連通する吸引通路3aを備えた回転管3と、を有している。
【0026】
吸込口本体1は、平面視が略長方形状の軟質部材からなる清掃プレート6を有しており、不織布により形成された清掃シート(図示せず)が、清掃プレート6の底面側を覆うように装着されて使用するものである。また、清掃プレート6は、底面側に、角部を備えた多角形の凸部6a、6a・・を複数個と、この複数個の凸部6a、6a・・の各々の周囲に形成された溝部6b、6b・・と、を有している。これにより、清掃シート全体を強く保持した状態で被清掃面に付着した塵埃を掻き取ることができる。
【0027】
吸込口本体1は、清掃シートを被清掃面側に押さえつける軟質部材からなる押圧ブレード7と、清掃シートを固定する固定部材8と、を有している。固定部材8は、複数の毛材からなるブラシ部材から構成されており、固定部材8の複数の毛材の先端が、清掃シートの複数の繊維が絡み合う不織布に差し込まれることによって固定させることができる。尚、吸込口本体1の両側面側に軟質部材で形成された係止溝状の固定部9が設けられており、この固定部9を使用して清掃シートを固定することもできる。
【0028】
本発明に係る電気掃除機用吸込具10は、比較的大きな塵埃を吸引口1aで吸引することができ、小さな塵埃を、清掃シートを介した清掃プレート6で掻き取ることができ、清掃シートを介した押圧ブレード7で被清掃面に付着した塵埃を強く掻き取ることができるので、清掃面全体で被清掃面の清掃を行うことができる。また、押圧ブレード7を吸引口1a側と清掃プレート6側との間に位置させているので、吸引口1aからの負圧が清掃プレート6側に逃げるのを防ぐことができ、吸引力を維持することができる。
【0029】
図3(a)は、本発明に係る電気掃除機用吸込具を示す右側面図であり、
図3(b)は、
図2のA-A断面図である。また、
図4(a)は、本発明に係る電気掃除機用吸込具を構成する接続管と回転管の分解斜視図であり、
図4(b)は、
図2のB-B断面図である。これらの図を用いて本発明に係る電気掃除機用吸込具の詳細について以下に説明する。
【0030】
本発明に係る電気掃除機用吸込具10は、回転管3の端部が接続管2の内部に連結軸3bを介して回動可能に固定されている。また、回転管3は、吸込口本体1との傾きを調整する角度調整機構4を有しており、角度調整機構4は、押圧体4a、4aと、連結軸3bの軸方向と略平行な方向に押圧体4a、4aを付勢する付勢部材5と、を有している。そして、回転管3の回動範囲において、押圧体4a、4aは、接続管2の内壁面2b、2bを略一定に押圧する構成としている。尚、角度調整機構4は、蓋体3cによって外部から視認できないように覆われている。
【0031】
接続管の内壁面2b、2b及び押圧体4a、4aは樹脂材で形成されていると共に、押圧体4a、4aは、接続管の内壁面2b、2bより硬度の低い樹脂材で形成されている。具体的には、接続管の内壁面2b、2bをABS樹脂材として、押圧体4a、4aはエラストマー材又はゴム材としている。これにより、接続管の内壁面2b、2bと押圧体4a、4aとの間で生じる摩耗による損傷は、押圧体4a、4aに発生しやすくなるため、押圧体4a、4aの交換により簡単にメンテナンスをすることができる。尚、ゴム材の材質としては、例えば天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等があり、好適にはシリコーンゴムを使用することが望ましい。シリコーンゴムを使用することで、接続管の内壁面2b、2bと押圧体4a、4aとの間で生じる摩耗を抑制することができると共に、角度調整機構4の持続性の向上を図ることができる。
【0032】
上述のように、電気掃除機用吸込具10は、角度調整機構4が、連結軸3bの軸方向と略平行な方向に押圧体4aを付勢する付勢部材5を有しており、回転管3の回動範囲において、押圧体4aが接続管2の内壁面2bを略一定に押圧する構成としたことによって、回転管3の回動範囲を広くした場合でも回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0033】
角度調整機構4は、回転管3の回動範囲において、付勢部材5の略中央から押圧体4aと当接する接続管2の内壁面2bまでの距離が略一定となるようにしている。これにより、付勢部材5が押圧体4aを介して接続管2の内壁面2bを一定の押圧力で押圧することができ、回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0034】
また、付勢部材5は、左右一対の押圧体4a、4aを付勢し、一対の押圧体4a、4aが接続管2の相対する左右の内壁面2b、2bを同時に押圧する構成としている。これにより、付勢部材5が一対の押圧体4a、4aを介して接続管2の左右の内壁面2b、2bを略同一であり且つ一定の押圧力で押圧することができ、回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0035】
電気掃除機用吸込具10は、側面視した状態で、回転管3を、該回転管3の吸引通路3aの長手方向を吸込口本体1の底面1bと略平行となる位置まで回動させた際に、角度調整機構4は、吸引通路3aの下方に位置する構成としている。また、角度調整機構4は、連結軸3bの略鉛直下方から前方側に位置する構成としている。これにより、回転管3が大型化するのを防いでコンパクトな形状にすることができると共に、回転管3の吸引通路3aの容積を減らすことなく角度調整機構4を設けることができる。
【0036】
電気掃除機用吸込具10は、回転管3の回動範囲が回転管3の吸引通路3aの長手方向が吸込口本体1の底面1bと略平行となる位置から略垂直となる位置まで回動可能であって、角度調整機構4は、回転管3の回動範囲内で常に押圧体4aが接続管2の内壁面2bと当接している。これにより、回転管3の回動範囲を広くした場合でも付勢部材5が押圧体4aを介して接続管2の左右の内壁面2b、2bを一定の押圧力で押圧することができ、回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。また、回転管3の回動範囲において、押圧体4aと当接する接続管2の内壁面2bは、1つの面で形成されている。これにより、回転管3を滑らかに回動させることができる。
【0037】
また、接続管2は上ケース2Aと下ケース2Bとを有するものであって、下ケース2Bは、後方の一部に上方に向かい延出する延出部2cが形成されており、押圧体4aは、下ケース2Bの延出部2cを含む内壁面2bにのみ当接する構成としている。これにより、回転管3を滑らかに回動させることができる。
【0038】
尚、接続管2は、吸込口本体1の上面1cに対して回動可能に固定されている。これにより、回転管3を、吸込口本体1に対して前後方向のみならず、左右方向にも回動させることができる。
【0039】
付勢部材5は、1個の圧縮コイルばね5aと、圧縮コイルばね5aの両端部に固定され、押圧体4a、4aに当接する当接体5b、5bと、を有しており、圧縮コイルばね5aは、回転管3の幅方向の略中央に配置されている。これにより、角度調整機構4は複数のばねを必要としないと共に、1個の圧縮コイルばね5aが両端部の当接体5b、5b及び左右の押圧体4a、4aを介して接続管2の左右の内壁面2b、2bを一定の押圧力で押圧することができ、回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。
【0040】
図5は、回転管3を被清掃面Xに対して略平行及び略垂直にした状態を示す側面図である。この図に示すように、接続管2は、回転管3の回動範囲に開口部2dを有しており、側面視した状態で、回転管3を該回転管3の吸引通路3aの長手方向が吸込口本体1の底面1bと略平行となる方向から略垂直となる方向へ回動(矢印A)させた際に、押圧体4aは接続管2の外縁を開口部2d近傍に近づくように円弧状に摺動する(矢印B)構成としている。
【0041】
これにより、回転管3の回動範囲を広げた場合でも接続管2が大型化するのを防ぐことができると共に、回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。また、押圧体4aが接続管2の外縁を摺動することで、回転管3の回動時の押圧体4aの摺動面積を広く設けることができるため、より回転管3と吸込口本体1との傾き角度を安定的に調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る電気掃除機用吸込具は、電気掃除機に搭載されて利用される。
【符号の説明】
【0043】
1 吸込口本体
1a 吸引口
1b 底面
1c 上面
2 接続管
2a 吸引通路
2b 内壁面
2c 延出部
2d 開口部
2A 上ケース
2B 下ケース
3 回転管
3a 吸引通路
3b 連結軸
3c 蓋体
4 角度調整機構
4a 押圧体
5 付勢部材
5a 圧縮コイルばね
5b 当接体
6 清掃プレート
6a 凸部
6b 溝部
7 押圧ブレード
8 固定部材
9 固定部
10 電気掃除機用吸込具
X 被清掃面
A、B 矢印