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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117787
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】作業機械の表示システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240822BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240822BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240822BHJP
【FI】
E02F9/26 A
H04N7/18 J
G06F3/0482
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095252
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2019167454の分割
【原出願日】2019-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉村 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛宏
(57)【要約】
【課題】作業機械の周辺の状況をオペレータに視認させる。
【解決手段】画像取得部は、作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する。表示制御部は、撮像画像に基づく周囲画像が表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、表示部の遷移後の画面に周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像に基づく周囲画像が表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、
を備える作業機械の表示システム。
【請求項2】
前記作業機械が稼働状態になってから非稼働状態なるまでの間、前記表示信号によって表示される表示画像には、前記周囲画像が含まれる
請求項1に記載の作業機械の表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記作業機械が非稼働状態になったときに、前記周囲画像を含む表示画像から、前記周囲画像が含まれない表示画像を表示するための表示信号を生成する 請求項1または請求項2に記載の作業機械の表示システム。
【請求項4】
前記作業機械の表示システムは、サービスメニュー画像を含む画像を表示するための表示システムであって、
前記表示制御部は、前記サービスメニュー画像を表示する画面に遷移するための信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記サービスメニュー画像と前記周囲画像とが含まれる前記表示画像を表示するための表示信号を生成する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の作業機械の表示システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に表示サイズを変更した前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の作業機械の表示システム。
【請求項6】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得するステップと、
前記撮像画像に基づく周囲画像が表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成するステップと、
を備える作業機械の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機械の較正時において作業機械の周辺の状況をオペレータに視認させるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/191853号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、作業機械の周辺の状況を示す表示データが表示装置に表示されることで、較正作業時において、オペレータは作業機械の周辺の状況を視認することができる。ところで、作業機械の表示装置は、メニュー画面等の作業機械が有する機能に係る情報を表示するために表示する画面に切り替えることができる。しかしながら、切換え後の画面には、機能に係る情報が表示装置の全体に表示され、作業機械の周辺の状況を示す表示データは表示されない。作業機械の少なくとも一部が操作可能な状態にある場合、オペレータは、表示装置に任意の機能に係る情報を表示させた状態のときに、作業機械を作業しようとする可能性がある。
本開示の目的は、作業機械の周辺の状況をオペレータに視認させる作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、作業機械の表示システムは、作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像に基づく周囲画像が前記表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、作業機械の周辺の状況をオペレータに視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る作業機械の構成を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係る作業機械が備える複数のカメラの撮像範囲を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る運転室の内部の構成を示す図である。
図4】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図5】第1の実施形態に係る制御装置の表示制御処理を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
図7】第2の実施形態に係る制御装置の表示制御処理を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
図9】他の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第1の実施形態〉
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
【0009】
《作業機械の構成》
図1は、第1の実施形態に係る作業機械の構成を示す概略図である。
作業機械100は、施工現場にて稼働し、土砂などの施工対象を施工する。第1の実施形態に係る作業機械100は、例えば油圧ショベルである。作業機械100は、走行体110、旋回体120、作業機130および運転室140を備える。
走行体110は、作業機械100を走行可能に支持する。走行体110は、例えば左右1対の無限軌道である。
旋回体120は、走行体110に旋回中心回りに旋回可能に支持される。
作業機130は、油圧により駆動する。作業機130は、旋回体120の前部に上下方向に駆動可能に支持される。運転室140は、オペレータが搭乗し、作業機械100の操作を行うためのスペースである。運転室140は、旋回体120の左前部に設けられる。 ここで、旋回体120のうち作業機130が取り付けられる部分を前部という。また、旋回体120について、前部を基準に、反対側の部分を後部、左側の部分を左部、右側の部分を右部という。
【0010】
《旋回体の構成》
旋回体120には、作業機械100の周囲を撮像する複数のカメラ121が設けられる。図2は、第1の実施形態に係る作業機械が備える複数のカメラの撮像範囲を示す図である。
具体的には、旋回体120には、旋回体120の周囲のうち左後方範囲Raを撮像する左後方カメラ121A、旋回体120の周囲のうち後方範囲Rbを撮像する後方カメラ121B、旋回体120の周囲のうち右後方範囲Rcを撮像する右後方カメラ121C、旋回体120の周囲の右前方範囲Rdを撮像する右前方カメラ121Dが設けられる。なお、複数のカメラ121の撮像範囲の一部は、互いに重複していてもよい。
複数のカメラ121の撮像範囲は、作業機械100の全周のうち、運転室140から視認可能な左前方範囲Reを除く範囲をカバーする。なお、第1の実施形態に係るカメラ121は、旋回体120の左後方、後方、右後方、および右前方を撮像するが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、他の実施形態に係るカメラ121の数および撮像範囲は、図1および図2に示す例と異なっていてよい。
【0011】
なお、左後方カメラ121Aは、図2の後方範囲Rbに示すように、旋回体120の左側方領域、及び左後方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方の領域を撮像するものであってもよい。同様に、右後方カメラ121Cは、図2の右後方範囲Rcに示すように、旋回体120の右側方領域、及び右後方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方の領域を撮像するものであってもよい。同様に、右前方カメラ121Dは、図2の右前方範囲Rdに示すように、旋回体120の右前方領域、及び右側方領域の範囲を撮像するものであるが、そのどちらか一方の領域を撮像するものであってもよい。
【0012】
《作業機の構成》
作業機130は、ブーム131、アーム132、バケット133、ブームシリンダ134、アームシリンダ135、およびバケットシリンダ136を備える。
【0013】
ブーム131の基端部は、旋回体120にブームピンP1を介して取り付けられる。 アーム132は、ブーム131とバケット133とを連結する。アーム132の基端部は、ブーム131の先端部にアームピンP2を介して取り付けられる。
バケット133は、土砂などを掘削するための刃と掘削した土砂を収容するための収容部とを備える。バケット133の基端部は、アーム132の先端部にバケットピンP3を介して取り付けられる。
【0014】
ブームシリンダ134は、ブーム131を作動させるための油圧シリンダである。ブームシリンダ134の基端部は、旋回体120に取り付けられる。ブームシリンダ134の先端部は、ブーム131に取り付けられる。
アームシリンダ135は、アーム132を駆動するための油圧シリンダである。アームシリンダ135の基端部は、ブーム131に取り付けられる。アームシリンダ135の先端部は、アーム132に取り付けられる。
バケットシリンダ136は、バケット133を駆動するための油圧シリンダである。バケットシリンダ136の基端部は、アーム132に取り付けられる。バケットシリンダ136の先端部は、バケット133に接続されるリンク部材に取り付けられる。
【0015】
《運転室の構成》
図3は、第1の実施形態に係る運転室の内部の構成を示す図である。
運転室140内には、運転席141、エンジンキーシリンダ1411(プライマリスイッチ)、セカンダリスイッチ1412、操作装置142および制御装置143が設けられる。
【0016】
エンジンキーシリンダ1411は、エンジンキーの挿入を受け入れ、挿入されたエンジンキーが第1方向に回転されることにより、図示しないエンジンが駆動する。また、エンジンの駆動中に、エンジンキーシリンダ1411に挿入されたエンジンキーが第1方向と逆の第2方向に回転されることにより、エンジンが停止する。
セカンダリスイッチ1412は、運転席141の下部に設けられる。セカンダリスイッチ1412は、緊急時にエンジンを停止させるためのスイッチである。エンジンの駆動中にセカンダリスイッチ1412が押下されると、エンジンが停止する。
【0017】
操作装置142は、オペレータの手動操作によって走行体110、旋回体120および作業機130を駆動させるためのインタフェースである。操作装置142は、左操作レバー1421、右操作レバー1422、左フットペダル1423、右フットペダル1424、左走行レバー1425、右走行レバー1426を備える。
【0018】
左操作レバー1421は、運転席141の左側に設けられる。右操作レバー1422は、運転席141の右側に設けられる。
【0019】
左操作レバー1421は、旋回体120の旋回動作、及び、アーム132の引き/押し動作を行うための操作機構である。具体的には、作業機械100のオペレータが左操作レバー1421を前方に倒すと、アーム132が押し動作する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー1421を後方に倒すと、アーム132が引き動作する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー1421を右方向に倒すと、旋回体120が右旋回する。また、作業機械100のオペレータが左操作レバー1421を左方向に倒すと、旋回体120が左旋回する。なお、他の実施形態においては、左操作レバー1421を前後方向に倒した場合に旋回体120が右旋回または左旋回し、左操作レバー1421が左右方向に倒した場合にアーム132が引き動作または押し動作してもよい。
【0020】
右操作レバー1422は、バケット133の掘削/ダンプ動作、及び、ブーム131の上げ/下げ動作を行うための操作機構である。具体的には、作業機械100のオペレータが右操作レバー1422を前方に倒すと、ブーム131の下げ動作が実行される。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー1422を後方に倒すと、ブーム131の上げ動作が実行される。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー1422を右方向に倒すと、バケット133のダンプ動作が行われる。また、作業機械100のオペレータが右操作レバー1422を左方向に倒すと、バケット133の掘削動作が行われる。なお、他の実施形態においては、右操作レバー1422を前後方向に倒した場合に、バケット133がダンプ動作または掘削動作し、右操作レバー1422を左右方向に倒した場合にブーム131が上げ動作または下げ動作してもよい。
【0021】
左フットペダル1423は、運転席141の前方の床面の左側に配置される。右フットペダル1424は、運転席141の前方の床面の右側に配置される。左走行レバー1425は、左フットペダル1423に軸支され、左走行レバー1425の傾斜と左フットペダル1423の押し下げが連動するように構成される。右走行レバー1426は、右フットペダル1424に軸支され、右走行レバー1426の傾斜と右フットペダル1424の押し下げが連動するように構成される。
【0022】
左フットペダル1423および左走行レバー1425は、走行体110の左側履帯の回転駆動に対応する。具体的には、作業機械100のオペレータが左フットペダル1423または左走行レバー1425を前方に倒すと、左側履帯は前進方向に回転する。また、作業機械100のオペレータが左フットペダル1423または左走行レバー1425を後方に倒すと、左側履帯は後進方向に回転する。
【0023】
右フットペダル1424および右走行レバー1426は、走行体110の右側履帯の回転駆動に対応する。具体的には、作業機械100のオペレータが右フットペダル1424または右走行レバー1426を前方に倒すと、右側履帯は前進方向に回転する。また、作業機械100のオペレータが右フットペダル1424または右走行レバー1426を後方に倒すと、右側履帯は後進方向に回転する。
【0024】
制御装置143は、入出力装置であり、作業機械100が有する複数の機能に係る情報を表示するディスプレイ1431を備える。制御装置143は、表示システムの一例である。また、ディスプレイ1431は、表示部の一例である。第1の実施形態に係る制御装置143の入力手段は、ハードキーである。なお、他の実施形態においては、タッチパネル、マウス、またはキーボード等を入力手段として用いてもよい。また、第1の実施形態に係る制御装置143は、ディスプレイ1431と一体に設けられるが、他の実施形態においては、ディスプレイ1431が制御装置143と別個に設けられていてもよい。
【0025】
《制御装置の構成》
図4は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
制御装置143は、プロセッサ210、メインメモリ230、ストレージ250、インタフェース270を備えるコンピュータである。
【0026】
ディスプレイ1431は、インタフェース270を介してプロセッサ210に接続される。
ストレージ250は、一時的でない有形の記憶媒体である。ストレージ250の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ250は、制御装置143のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース270または通信回線を介して制御装置143に接続される外部メディアであってもよい。ストレージ250は、作業機械100の周囲監視を実現するためのプログラムを記憶する。また、ストレージ250には、ディスプレイに表示させるためのアイコン、ユーザメニュー画像、サービスメニュー画像、および機能画像を含む複数の画像が予め記憶されている。
【0027】
プログラムは、制御装置143に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ250に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、制御装置143は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0028】
プロセッサ210は、プログラムを実行することで、画像取得部211、俯瞰画像生成部212、表示画像生成部213、入力部214、選択部215、表示制御部216、機能実行部217、車両状態監視部218として機能する。また、プロセッサ210は、プログラムを実行することで、ストレージ250に記憶されている複数の画像をメインメモリ230に読み出しておいてもよい。
【0029】
画像取得部211は、複数のカメラ121から撮像画像を取得する。
俯瞰画像生成部212は、画像取得部211が取得した複数の撮像画像を変形し、合成することで、作業機械100を中心として、現場を上方から平面視した俯瞰画像を生成する。俯瞰画像生成部212は、変形後のそれぞれの撮像画像の一部を切り出して、切り出した撮像画像を合成することで、俯瞰画像を生成してもよい。俯瞰画像生成部212が生成する俯瞰画像の中央には、作業機械100を上方から平面視した画像が予め貼り付けられている。俯瞰画像は、作業機械100の周囲が写る周囲画像の一例である。
【0030】
表示画像生成部213は、作業機械100が有する複数の機能のそれぞれについて、当該機能を実現するための情報を表す表示画像を生成する。作業機械100が有する機能の例としては、ユーザメニューの表示機能、燃料残量やクーラント温度などの車両情報の表示機能、作業機械100のパワーモードを調整する機能などが挙げられる。
表示画像生成部213が生成する各機能に係る表示画像には、俯瞰画像生成部212が生成した俯瞰画像、および当該機能を実現するための機能画像とが含まれる。
【0031】
入力部214は、利用者によるハードキーの押下によって発生する入力信号を受け付ける。
選択部215は、入力部214が受け付けた入力信号に基づいて、作業機械100が有する複数の機能のうち利用者によって選択されたものを特定する。すなわち、選択部215は、作業機械100が有する複数の機能のうち何れか1つの選択を受け付ける。また、選択部215は、作業機械100のディスプレイ1431に表示する画面を遷移させるための遷移信号を受け付ける遷移受付部の一例である。
【0032】
表示制御部216は、表示画像生成部213が生成する表示画像のうち、選択部215が特定した機能に係る表示画像を表示するための表示信号を生成し、ディスプレイ1431に出力する。
機能実行部217は、選択部215が特定した機能を実行する。
【0033】
車両状態監視部218は、エンジンの稼働状態を含む車両状態を監視する。例えば、セカンダリスイッチ1412が押下されたことによりエンジンが停止した場合、車両状態監視部218は、エンジンの停止を検出する。
【0034】
《制御装置の動作》
図5は、第1の実施形態に係る制御装置の表示制御処理を示すフローチャートである。図6は、第1の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
【0035】
エンジンキーシリンダ1411にエンジンキーが挿入され、第1方向に回転されると、エンジンが駆動し、また制御装置143が起動する。制御装置143が起動すると、ディスプレイ1431には、図6に示すように、作業機械100が起動中であることを表す表示画像D0が表示される。表示画像D0の表示中は、制御装置143が起動を完了しておらず、俯瞰画像を生成することができない。そのため、当該表示画像D0には、俯瞰画像が含まれない。なお、制御装置143の起動が完了するまで、作業機械100は非稼働状態となる。
【0036】
制御装置143の起動が完了すると、図5に示す表示制御処理を実行する。まず画像取得部211は、複数のカメラ121から撮像画像を取得する(ステップS1)。次に、俯瞰画像生成部212は、ステップS1で取得した複数の撮像画像を変形し、合成することで、俯瞰画像を生成する(ステップS2)。次に、表示画像生成部213は、ステップS1で取得した撮像画像の1つ(単カメラ画像G12)と、ステップS3で生成した俯瞰画像G11とを含むデフォルトの表示画像D1を生成する(ステップS3)。例えば、図6の表示画像D1には、単カメラ画像G12として、右後方カメラ121Cが撮像した画像が配置される。
【0037】
図6に示すように、制御装置143は、ディスプレイ1431の直下にハードキーである6つのファンクションキーF1-F6を備えている。表示画像D1の下部のうち、ファンクションキーF6に対応する部分には、アイコンG13が配置される。アイコンG13は、ユーザメニューの表示機能を示すアイコンである。すなわち、アイコンG13は、ファンクションキーF6の押下によりユーザメニューの表示機能を実行することを表している。アイコンG13は、予めストレージ250またはメインメモリ230に記憶されている。
【0038】
表示制御部216は、ステップS3で生成した表示画像D1を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS4)。これにより、制御装置143の起動が完了し、作業機械100が稼働状態になると、ディスプレイ1431には、俯瞰画像を含む表示画像が表示される。
【0039】
次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、押下されたファンクションキーがユーザメニューの表示機能を示すファンクションキーF6であるか否かを判定する(ステップS5)。ファンクションキーF6が押下されていない場合(ステップS5:NO)、制御装置143は処理をステップS1に戻し、表示画像D1の生成および表示を続ける。他方、ファンクションキーF6が押下された場合(ステップS5:YES)、選択部215は、ユーザメニューの表示機能の選択を受け付ける(ステップS6)。すなわち、選択部215は、ファンクションキーF6の押下によって発生する信号を、ユーザメニューの表示画面への遷移信号として受け付ける。
【0040】
次に、表示画像生成部213は、ステップS3で生成した俯瞰画像G21と、予め記憶されたユーザメニュー画像G22とを含む表示画像D2(表示画像D2A、表示画像D2B)を生成する(ステップS7)。ユーザメニュー画像G22は、ユーザメニューの表示機能を実現するための機能画像である。ユーザメニュー画像G22には、作業機械100の複数の機能のリストが含まれ、当該リストにおける複数の項目のうち1つはフォーカス状態となっている。フォーカス状態の項目は他の項目と異なる色に設定される。ユーザメニュー画像G22は、リストの種類を示す複数のタブが表示される。すなわち、表示画像D2A、表示画像D2Bに示すように、ユーザメニュー画像G22にはフォーカスを有するタブによって異なるリストが配置される。また、表示画像D2の下部のファンクションキーF1-F6に対応する部分には、それぞれアイコンG23-G28が配置される。アイコンG23-G28は、予めストレージ250またはメインメモリ230に記憶されている。
【0041】
アイコンG23は、左移動を示すアイコンである。すなわち、アイコンG23は、ファンクションキーF1の押下によりユーザメニューのタブのフォーカスが左へ移動することを表している。
アイコンG24は、右移動を示すアイコンである。すなわち、アイコンG24は、ファンクションキーF2の押下によりユーザメニューのタブのフォーカスが右へ移動することを表している。
アイコンG25は、下移動を示すアイコンである。すなわち、アイコンG25は、ファンクションキーF3の押下によりユーザメニューのフォーカスが下へ移動することを表している。
アイコンG26は、上移動を示すアイコンである。すなわち、アイコンG26は、ファンクションキーF4の押下によりユーザメニューのフォーカスが上へ移動することを表している。
アイコンG27は、1つ前の画面への遷移を示すアイコンである。すなわち、アイコンG27は、ファンクションキーF5の押下によりユーザメニューの表示機能を取り消し、1つ前の画面を表示させることを表している。
アイコンG28は、決定を示すアイコンである。すなわち、アイコンG28は、ファンクションキーF6の押下によりユーザメニューにおいてフォーカスを有する機能が選択され、当該機能に係る表示画面を表示させることを表している。
【0042】
表示制御部216は、ステップS7で生成した表示画像D2を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS8)。ディスプレイ1431には、俯瞰画像を含む表示画像D2が表示される。なお、このとき、作業機械100は稼働状態にある。
【0043】
次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、押下されたファンクションキーが左右移動を示すファンクションキーF1またはF2であるか、上下移動を示すファンクションキーF3またはF4であるか、1つ前の画面への遷移を示すファンクションキーF5であるか、決定を示すファンクションキーF6であるかを判定する(ステップS9)。
【0044】
上下移動を示すファンクションキーF3またはF4が押下された場合(ステップS9:上下移動)、表示制御部216は、押下されたファンクションキーに基づいてフォーカスを有する項目を変更し、ステップS7に処理を戻して表示画像D2を更新する。
左右移動を示すファンクションキーF1またはF2が押下された場合(ステップS9:左右移動)、表示画像生成部213は、押下されたファンクションキーに基づいて、ストレージ250またはメインメモリ230からタブの切り替え後のユーザメニュー画像G22を取得する(ステップS10)。そして、制御装置143は、ステップS7に処理を戻して、表示画像D2を更新する。例えば、図6に示す表示画像D2Aが表示されているときに、ファンクションキーF2が押下されると、表示画像生成部213は、表示画像D2Bを生成する。
【0045】
ファンクションキーF5が押下された場合(ステップS9:前画面)、制御装置143は処理をステップS1に戻し、ディスプレイ1431に表示画像D1を表示させる。
ファンクションキーF6が押下された場合(ステップS9:決定)、選択部215は、複数の機能のうちフォーカスを有する項目に係る機能の選択を受け付ける(ステップS11)。すなわち、選択部215は、ファンクションキーF6の押下によって発生する信号を、機能画像の表示画面への遷移信号として受け付ける。
【0046】
次に、機能実行部217は、ストレージ250またはメインメモリ230からステップS11において選択された機能を実現するための機能画像G32を取得する(ステップS12)。例えば、選択された機能が作業機械100のパワーモードを調整する機能である場合、機能実行部217は、パワーモードを調整するための機能画像を取得する。また例えば、選択された機能が作業機械100のアタッチメント設定機能である場合、機能実行部217は、作業機械100に備えるアタッチメントに使用する油の流量を設定するための機能画像を取得する。これにより、アタッチメントのパワーを変更することができる。
【0047】
次に、表示画像生成部213は、ステップS2で生成した俯瞰画像G31と、ステップS12において取得された機能画像G32とを含む表示画像D3を生成する(ステップS13)。図6に示す例では、表示画像D3の下部のファンクションキーF1-F6に対応する部分には、それぞれアイコンG33-G36が配置される。アイコンG33-G36は、予めストレージ250またはメインメモリ230に記憶されている。
【0048】
アイコンG33は、下移動を示すアイコンである。アイコンG34は、上移動を示すアイコンである。アイコンG35は、1つ前の画面への遷移を示すアイコンである。アイコンG36は、決定を示すアイコンである。なお、選択された機能によって、表示画像D3に配置されるアイコンの種類および数は異なっていてもよい。他方、少なくとも表示画像D3には1つ前の画面への遷移を示すアイコンが配置される。
【0049】
表示制御部216は、ステップS14で生成した表示画像D3を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS14)。ディスプレイ1431には、俯瞰画像を含む表示画像D3が表示される。なお、このとき、作業機械100は稼働状態にある。
【0050】
次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、1つ前の画面への遷移を示すファンクションキーF5であるか、他のファンクションキーF1-F4およびF6の何れかであるかを判定する(ステップS15)。
【0051】
ファンクションキーF1-F4およびF6の何れかが押下された場合(ステップS15:その他)、機能実行部217は、押下されたファンクションキーに基づいてステップS11において選択された機能を実行し(ステップS16)、処理を終了する。その後、制御装置143は、改めて図5に示す表示制御処理を実行し、ディスプレイ1431に表示画像D1を表示させる。
【0052】
他方、ファンクションキーF5が押下された場合(ステップS15:前画面)、ステップS7に処理を戻し、ディスプレイ1431に1つ前の画面である表示画像D2を表示させる。すなわち、1つ前の画面が表示画像D2Aであれば、表示画像D2Aが再度表示され、1つ前の画面が表示画像D2Bであれば、表示画像D2Bが再度表示される。
【0053】
なお、図5に示すフローチャートは一例であり、他の実施形態においては必ずしもすべてのステップを実行しなくてもよい。例えば、他の実施形態において、ショートカットボタンなどによって表示画像D2を介さずに機能を選択できる場合、制御装置143はステップS6-10を実行しなくてもよい。また、表示画像D3の表示自体が機能の実行に相当する場合、制御装置143はステップS16を実行しなくてもよい。
【0054】
なお、制御装置143の車両状態監視部218が、セカンダリスイッチ1412の押下によるエンジンの停止を検出すると、表示制御部216は、割り込み処理によってエンジンキーのオフを促す停止表示画面を表示させる表示信号をディスプレイ1431に出力する。当該表示信号には俯瞰画像が含まれない。なお、セカンダリスイッチ1412の押下によるエンジンの停止中は、作業機械100が非稼働状態となる。
【0055】
《作用・効果》
このように、第1の実施形態に係る制御装置143は、俯瞰画像がディスプレイ1431に表示されているときに遷移信号を受け付けた場合、遷移後の画面にも俯瞰画像を含む表示画像を表示させる。これにより、制御装置143は、オペレータの操作によって画面が遷移されても、ディスプレイ1431に俯瞰画像を常に表示させておくことができる。これにより、制御装置143は、作業機械の周辺の状況をオペレータに視認させることができる。
【0056】
また、第1の実施形態に係る制御装置143は、作業機械100が稼働状態になってから非稼働状態なるまでの間、表示信号によってディスプレイ1431に表示される表示画像には、図6に示すように周囲画像が含まれる。これにより、オペレータが作業機械100の少なくとも一部を操作可能である間、ディスプレイ1431に俯瞰画像を常に表示させておくことができる。
【0057】
また、第1の実施形態に係る制御装置143は、セカンダリスイッチ1412の押下などによって作業機械100が非稼働状態になったときに、俯瞰画像が含まれない表示画像を表示するための表示信号を生成する。これにより、制御装置143は、オペレータに対し、俯瞰画像の有無によって作業機械100が操作可能か否かを提示することができる。すなわち、オペレータは、俯瞰画像の有無によって作業機械100が操作可能か否かを直感的に認識することができる。
【0058】
また、第1の実施形態においては、作業機械100の複数の機能には、ユーザメニューの表示機能を含み、表示画像D2には俯瞰画像が含まれる。これにより、制御装置143は、表示画像D2の表示時にもディスプレイ1431に俯瞰画像を表示させておくことができる。
【0059】
また、第1の実施形態においては、俯瞰画像G11、俯瞰画像G21、俯瞰画像G31は、いずれも同じ位置に表示されている。従って、画面の遷移によらず、俯瞰画像の表示位置が一定のため、オペレータは、画面の遷移の前後において、違和感なく作業機械100の周囲を確認することができる。
【0060】
また、第1の実施形態においては、ユーザメニュー画像G22や機能画像G32を含む表示画像には、表示画像D1に表示されていたエンジン水温、燃料残量、エンジンの稼働時間を表示するサービスメータが表示されていない。このように画面の遷移後には、オペレータに必要な情報のみ表示することによって、表示が煩雑になることを抑制することができる。
【0061】
〈第2の実施形態〉
第1の実施形態に係る制御装置143は、作業機械100の稼働中における表示画像に俯瞰画像を含める。これに対し、第2の実施形態に係る制御装置143は、作業機械100の稼働中における表示画像に単カメラ画像を含める。単カメラ画像は、作業機械100の周囲が写る周囲画像の一例である。
第2の実施形態に係る制御装置143は、俯瞰画像生成部212を備えなくてよい。
【0062】
図7は、第2の実施形態に係る制御装置の表示制御処理を示すフローチャートである。図8は、第2の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。
エンジンキーシリンダ1411にエンジンキーが挿入され、第1方向に回転されると、エンジンが駆動し、また制御装置143が起動する。制御装置143が起動すると、ディスプレイ1431には、図6に示すように、作業機械100が起動中であることを表す表示画像D0が表示される。
【0063】
制御装置143の起動が完了すると、図7に示す表示制御処理を実行する。まず画像取得部211は、複数のカメラ121から撮像画像を取得する(ステップS101)。次に、表示画像生成部213は、ステップS101で取得した撮像画像の2つ(単カメラ画像G51、G52)を含むデフォルトの表示画像D5を生成する(ステップS102)。例えば、図8の表示画像D5には、単カメラ画像G51として、右前方カメラ121Dが撮像した画像が、単カメラ画像G52として、右後方カメラ121Cが撮像した画像が配置される。表示画像D5の下部のうち、ファンクションキーF6に対応する部分には、アイコンG53が配置される。アイコンG53は、ユーザメニューの表示機能を示すアイコンである。アイコンG53は、予めストレージ250またはメインメモリ230に記憶されている。
【0064】
表示制御部216は、ステップS102で生成した表示画像D5を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS103)。これにより、制御装置143の起動が完了し、作業機械100が稼働状態になると、ディスプレイ1431には、単カメラ画像を含む表示画像が表示される。
【0065】
次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、押下されたファンクションキーがユーザメニューの表示機能を示すファンクションキーF6であるか否かを判定する(ステップS104)。ファンクションキーF6が押下されていない場合(ステップS104:NO)、制御装置143は処理をステップS101に戻し、表示画像D5の生成および表示を続ける。他方、ファンクションキーF6が押下された場合(ステップS104:YES)、選択部215は、ユーザメニューの表示機能の選択を受け付ける(ステップS105)。すなわち、選択部215は、ファンクションキーF6の押下によって発生する信号を、ユーザメニューの表示画面への遷移信号として受け付ける。
【0066】
次に、表示画像生成部213は、ステップS101で取得した単カメラ画像G61、G62と、予め記憶されたユーザメニュー画像G63とを含む表示画像D6(表示画像D6A、表示画像D6B)を生成する(ステップS106)。表示画像D6の下部のファンクションキーF1-F6に対応する部分には、それぞれアイコンG64-G69が表示される。アイコンG64-G69は、予めストレージ250またはメインメモリ230に記憶されている。
【0067】
表示制御部216は、ステップS106で生成した表示画像D6を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS107)。ディスプレイ1431には、単カメラ画像を含む表示画像D6が表示される。なお、このとき、作業機械100は稼働状態にある。
【0068】
次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、押下されたファンクションキーが左右移動を示すファンクションキーF1またはF2であるか、上下移動を示すファンクションキーF3またはF4であるか、1つ前の画面への遷移を示すファンクションキーF5であるか、決定を示すファンクションキーF6であるかを判定する(ステップS108)。
【0069】
上下移動を示すファンクションキーF3またはF4が押下された場合(ステップS108:上下移動)、表示制御部216は、押下されたファンクションキーに基づいてフォーカスを有する項目を変更し、ステップS106に処理を戻して表示画像D6を更新する。 左右移動を示すファンクションキーF1またはF2が押下された場合(ステップS108:左右移動)、表示画像生成部213は、押下されたファンクションキーに基づいて、ストレージ250またはメインメモリ230からタブの切り替え後のユーザメニュー画像G63を取得する(ステップS109)。そして、制御装置143は、ステップS106に処理を戻して、表示画像D6を更新する。例えば、図8に示す表示画像D6Aが表示されているときに、ファンクションキーF2が押下されると、表示画像生成部213は、表示画像D6Bを生成する。
【0070】
ファンクションキーF5が押下された場合(ステップS108:前画面)、制御装置143は処理をステップS101に戻し、ディスプレイ1431に表示画像D5を表示させる。
ファンクションキーF6が押下された場合(ステップS108:決定)、選択部215は、複数の機能のうちフォーカスを有する項目に係る機能の選択を受け付ける(ステップS110)。すなわち、選択部215は、ファンクションキーF6の押下によって発生する信号を、機能画像の表示画面への遷移信号として受け付ける。
【0071】
次に、機能実行部217は、ストレージ250またはメインメモリ230からステップS110において選択された機能を実現するための機能画像G72を取得する(ステップS111)。次に、表示画像生成部213は、ステップS101で取得した単カメラ画像G71、G72と、ステップS111において取得された機能画像G73とを含む表示画像D7を生成する(ステップS112)。図6に示す例では、表示画像D7の下部のファンクションキーF3-F6に対応する部分には、それぞれアイコンG74-G76が配置される。
【0072】
表示制御部216は、ステップS112で生成した表示画像D7を表示するための表示信号をディスプレイ1431に出力する(ステップS113)。次に、入力部214が利用者によるファンクションキーの押下の有無を検出すると、選択部215は、1つ前の画面への遷移を示すファンクションキーF5であるか、他のファンクションキーF3、F4およびF6の何れかであるかを判定する(ステップS114)。
【0073】
ファンクションキーF3、F4およびF6の何れかが押下された場合(ステップS114:その他)、機能実行部217は、押下されたファンクションキーに基づいてステップS110において選択された機能を実行し(ステップS115)、処理を終了する。その後、制御装置143は、改めて図7に示す表示制御処理を実行し、ディスプレイ1431に表示画像D5を表示させる。
【0074】
他方、ファンクションキーF5が押下された場合(ステップS114:前画面)、ステップS106に処理を戻し、ディスプレイ1431に1つ前の画面である表示画像D6を表示させる。すなわち、1つ前の画面が表示画像D6Aであれば、表示画像D6Aが再度表示され、1つ前の画面が表示画像D6Bであれば、表示画像D6Bが再度表示される。
【0075】
なお、図7に示すフローチャートは一例であり、他の実施形態においては必ずしもすべてのステップを実行しなくてもよい。例えば、他の実施形態において、ショートカットボタンなどによって表示画像D6を介さずに機能を選択できる場合、制御装置143はステップS105-109を実行しなくてもよい。また、表示画像D7の表示自体が機能の実行に相当する場合、制御装置143はステップS115を実行しなくてもよい。
【0076】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
【0077】
上述した実施形態では、作業機械100は、油圧ショベルとして説明したが、他の実施形態においては、ダンプトラック、ホイールローダなど種々の作業機械に適用可能である。例えば、ダンプトラックや、ホイールローダや他の作業機械用の表示システムに適用可能である。
【0078】
また、上述した実施形態では、単カメラ画像G12に代えて、ユーザメニュー画像を表示するものとして説明したが、他の実施形態においては、俯瞰画像と、単カメラ画像とをともに、ユーザメニュー画像を表示するようにしてもよい。すなわち、俯瞰画像生成部212は、ユーザメニューおよび単カメラ画像とともに表示できるように、縮小した俯瞰画像を生成する。また、表示画像生成部213は、ユーザメニューおよび俯瞰画像とともに表示できるように、縮小した単カメラ画像を生成する。すなわち、表示制御部216は、遷移信号を受け付けた場合、遷移後の画面に表示サイズを変更した周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する。
【0079】
また、上述した実施形態では、1台の制御装置143が作業機械100に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、制御装置143の一部の構成を他の制御装置に配置し、2台以上の制御装置からなる表示システムによって実現されてもよい。なお、上述の実施形態に示す1台の制御装置143も、表示システムの一例である。
【0080】
また、上述した実施形態に係る制御装置143は、作業機械100に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、制御装置143の一部、または全部の構成が作業機械100の外部に設置されてもよい。例えば、他の実施形態においては、制御装置143は、遠隔操作に係る作業機械100を制御するものであってもよい。この場合、制御装置143は、遠隔操作室に配置される表示装置に、上述の画面の表示をさせる。
【0081】
また上述した実施形態に係る制御装置143は、左前方範囲Reを撮像する左前方カメラを備えないが、他の実施形態においては左前方範囲Reを撮像する左前方カメラを備えてもよい。この場合、制御装置143は、作業機械100の周囲の全周が写る俯瞰画像を生成することができる。
【0082】
上述した実施形態に係る制御装置143はディスプレイ1431を有し、当該ディスプレイ1431に表示画像を表示させるが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、他の実施形態に係る制御装置143は、ディスプレイ1431を備えないものであって、制御装置143と別体のディスプレイ1431に表示画像を表示させる信号を送信するものであってよい。なお、制御装置143とは別体のディスプレイ1431と、上述した制御装置143の構成の一部ずつを備える2台以上の制御装置とからなる表示システムから実現されてもよい。
【0083】
上述した実施形態に係る制御装置143はセカンダリスイッチ1412の押下などによって作業機械100が非稼働状態になったときに、俯瞰画像および単カメラ画像が含まれない表示画像を表示するための表示信号を生成するが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、セカンダリスイッチ1412の押下などによって作業機械100が非稼働状態になったときにも、俯瞰画像または単カメラ画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成するようにしてもよい。
【0084】
上述した実施形態に係る制御装置143では、オペレータ等による操作を受け付けるための機能の表示(例えば、ユーザメニュー画像や機能画像など)の際に俯瞰画像または単カメラ画像を含む表示画像をディスプレイ1431に表示するが、他の実施形態においては、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、制御装置143は、サービスマンによる操作を受け付けるためのサービスメニューなどの表示の際に、俯瞰画像または単カメラ画像を含む表示画像をディスプレイ1431に表示してもよい。
【0085】
図9は、他の実施形態に係るディスプレイに表示される画面の遷移を示す画面遷移図である。制御装置143の起動後、俯瞰画像G11を含むデフォルトの表示画像D1を表示し、俯瞰画像や単カメラ画像などの作業機械100の周囲画像と、サービスメニュー画像G92とを含む表示画像D8を表示するようにしてもよい。表示画像D8は、制御装置143の起動後に表示画像が表示されている際、例えばデフォルトの表示画像D1が表示されている際に、ディスプレイ1431の所定の操作によって表示される。表示画像D2などのメニュー画像が表示されている際に、ディスプレイ1431の所定の操作によって表示されるようにしてもよい。
【0086】
このように、制御装置143が、作業機械100の周囲画像と、サービスメニュー画像G92とを含む表示画像D8を表示することで、サービスマンは、作業機械100の各種履歴の確認や、設定を行っている際に、作業機械100の周囲の状況を確認できるため、周囲の安全を確認後に作業機械100を動作させることができる。
【0087】
また、上述した実施形態では、ディスプレイ1431が作業機械100に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、ディスプレイ1431が作業機械100の外に設置されるものであってもよい。例えば、作業現場から離れた地点にディスプレイ1431を設け、制御装置143は、ディスプレイ1431に表示画像を表示させる信号をインターネットなどのネットワークを介して送信するものであってよい。
【符号の説明】
【0088】
100…作業機械 121…カメラ 140…運転室 141…運転席 1411…エンジンキーシリンダ 1412…セカンダリスイッチ 143…制御装置 211…画像取得部 212…俯瞰画像生成部 213…表示画像生成部 214…入力部 215…選択部 216…表示制御部 217…機能実行部 218…車両状態監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、
緊急時にエンジンを停止させるための緊急停止スイッチと、
前記撮像画像に基づく周囲画像が表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、
を備える作業機械の表示システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記緊急停止スイッチが押下され、前記作業機械が非稼動状態になったときにおいても、前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する、
請求項1に記載の作業機械の表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記緊急停止スイッチが押下され、前記作業機械が非稼動状態になったとき、前記周囲画像が含まれない表示画像を表示するための表示信号を生成する、
請求項1に記載の作業機械の表示システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、エンジンの停止を示す表示画面を表示するための表示信号を生成する、
請求項3に記載の作業機械の表示システム。
【請求項5】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、
前記作業機械の外部に設置される表示部と、
前記撮像画像に基づく周囲画像が前記表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、
を備える作業機械の表示システム。
【請求項6】
前記作業機械を遠隔操作する制御部と、を備え、
前記表示部は、前記作業機械の遠隔操作室に設置され、
前記表示制御部は、前記遠隔操作室に設置される前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する、
請求項5に記載の作業機械の表示システム。
【請求項7】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像に基づく俯瞰画像が表示部に表示されているときに、サービスメニュー画像を表示する画面に遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記俯瞰画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、
を備える作業機械の表示システム。
【請求項8】
作業機械の表示システムであって、
作業機械の周囲が写る撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像に基づく周囲画像、及び車両情報を示す画像が表示部に表示されているときに、画面を遷移させるための遷移信号を受け付けた場合、前記表示部の遷移後の画面に前記周囲画像を含む表示画像を表示するための表示信号を生成する表示制御部と、を備え、
前記遷移後の画面に、前記車両情報を示す画像が含まれない、
作業機械の表示システム。
【請求項9】
前記車両情報は、エンジンの稼働時間を示すサービスメータである、
請求項8に記載の作業機械の表示システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、作業機械の表示システムに関する。