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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117837
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】耐火保温材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/18 20060101AFI20240822BHJP
   C04B 16/08 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 14/04 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 18/08 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 22/06 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 14/38 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 16/02 20060101ALI20240822BHJP
   B28B 3/02 20060101ALI20240822BHJP
   B28B 23/02 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 14/48 20060101ALI20240822BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20240822BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20240822BHJP
   C04B 111/28 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C04B28/18
C04B16/08
C04B14/04 Z
C04B18/08 Z
C04B22/06 Z
C04B14/38
C04B16/02 Z
B28B3/02 M
B28B23/02 A
C04B14/48 Z
B28B3/02 S
E04B1/80 A
E04B1/94 T
C04B111:28
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024104444
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2022548801の分割
【原出願日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】202010085173.3
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010085174.8
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010947577.9
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521290728
【氏名又は名称】上海聖奎塑業有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SHENGKUI PRODUCTS.CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 218 Yuegong Road, Caojing Town, Jinshan District Shanghai 201507, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】劉 丙強
(72)【発明者】
【氏名】劉 念界
(57)【要約】
【課題】耐火保温材料及びその製造工程を開示する。
【解決手段】本発明の耐火保温材料の製造工程は、耐火保温材の原料組成物を均一に混合して得られた生コンクリ-トを加圧・加熱する工程を含み、前記加圧の圧力は0.28MPa以上であり、前記加熱温度は50~150℃であり、前記耐火保温材の原料組成物は、無機原料、有機原料及び水を含み、ここで、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質を含み、前記有機原料はポリスチレン粒子を含み、前記無機原料と有機原料の重量比は10~66.6であり、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~19である。当該製造方法により製造されたフレキシブル保温プレートは、高い引張強度及び高い耐火グレードを有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火保温材の原料組成物を均一に混合して得られた生コンクリ-トを加圧・加熱する工程を含み、
前記加圧する圧力は0.28MPa以上であり、加熱温度は50~150℃であり、前記耐火保温材の原料組成物は、無機原料、有機原料及び水を含み、
ここで、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質を含み、前記有機原料はポリスチレン粒子を含み、前記無機原料と有機原料の重量比は10~66.6であり、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~19である、耐火保温材料の製造工程。
【請求項2】
前記耐火保温材料の原料組成物において、前記無機原料で、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス及び珪藻土の中の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記無機原料で、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料で、前記ポリスチレン粒子は、発泡性ポリスチレン粒子であり、例えば、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は、減水剤及び/又は強化繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項3】
前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料で、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡されたポリスチレン粒子であり、前記予備発泡されたポリスチレン粒子は、前記耐火保温材料の原料組成物を混合する前に、前記製造工程は更に前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含み、例えば、前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子を加熱及び加圧して発泡させる工程である方法で得られ、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記減水剤は、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の一つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記減水剤の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の4.5wt%以下であり、例えば4wt%以下であり、また例えば3wt%以下であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記強化繊維は、無機細断繊維、木質繊維、金属繊維、繊維綿の中の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の25wt%以下であり、例えば13wt%以下であり、また例えば11wt%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項4】
前記製造工程は、
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得る工程と、
前記生コンクリ-トを金型にいれ、金型を加圧して金型の圧力を維持させ、金型に加える圧力を0.28MPa以上にし、生コンクリ-トの内部温度を50~150℃に達するように金型とその生コンクリ-トを加熱し、加熱・加圧して成形させ、離型する工程と
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項5】
前記金型は上部金型と下部金型を含み、前記製造工程は、前記上部金型と下部金型を使用して前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型がプレスプラットフォームに入った後、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形されるように圧縮し、上部金型と下部金型をロックする工程を含み、
及び/又は、前記生コンクリ-ト内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、
及び/又は、前記製造工程は更に金型に強化部品を配置することを含み、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ又はリブの中の1つ又は複数を含んで、前記生コンクリ-トの少なくとも一側に前記強化部品が埋め込まれるようにすることを特徴とする、請求項4に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項6】
前記生コンクリ-トを厚さ方向で17~38%に圧縮して成形させ、
及び/又は、複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、複数の耐火保温プレートを同時にプレスし、
及び/又は、前記生コンクリ-トの内部に加える加熱温度は70~140℃であることを特徴とする、請求項5に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項7】
前記耐火保温材料の原料組成物は、下記いずれかのスキームであり、
スキーム(1):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、無機原料90~100部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部であり、
スキーム(2):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、無機原料200~250部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部であり、
スキーム(3):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部及び水35~120部を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項8】
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、
前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であり、好ましくは、1.22~3であり、より好ましくは、1.5~2.33であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は10.5~22.1であり、好ましくは10.5~18.5であり、より好ましくは10.5~14であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0.3~4.8部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維を含み、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の1~11wt%であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は0.55MPa以上であり、好ましくは、0.55MPa~30MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の密度は230kg/m以下であり、好ましくは、210~230kg/mであり、より好ましくは、220~228kg/mであり、
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、
前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であり、好ましくは、3.67~5.67であり、より好ましくは、1.5~3であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は10.5~58.9であり、好ましくは10.5~35.3であり、より好ましくは10.5~16であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0.6~9部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維(例えば、無機細断繊維)を含み、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の1~13wt%であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は2.8MPa以上であり、好ましくは、2.8MPa~30MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の密度は525kg/m以下であり、好ましくは、500~525kg/mであり、
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、
前記ポリスチレン粒子の使用量は3~11部であり、例えば、3.4~10部であり、
及び/又は、前記珪物質の使用量は100~110部であり、例えば、100~107.9部であり、
及び/又は、前記カルシウム物質の使用量は6~12部であり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は5.6~19であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は12~35.5であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は0.28~0.55MPaであり、好ましくは、0.35~0.55MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0~50部であり、0ではなく、例えば、3~42部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維を含み、前記強化繊維の使用量は2.4~30部であり、例えば、4.8~30部であることを特徴とする、請求項7に記載の耐火保温材料の製造工程。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造工程により製造された耐火保温材料。
【請求項10】
スキーム(a)、床用耐火保温材料の製造工程:
前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、無機原料90~100部、ポリスチレン粒子4.25~8.94部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱させ、ここで、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55MPa以上であり、金型内の材料の密度は230kg/m以下であり、加圧・加熱を維持させ、離型する工程
スキーム(b)、保温壁材の製造工程:
前記保温壁材の原料組成物は重量部で、無機原料200~250部、ポリスチレン粒子3.8~21.4部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱させ、ここで、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度は525kg/m及び以下であり、加圧・加熱を維持させ、離型する工程
スキーム(c)、耐火保温材料の製造工程:
前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部及び水35~120部を含み、前記製造工程は、前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得る工程、及び前記生コンクリ-トを金型に入れ、金型を加圧して圧力を維持させて、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaにし、金型とその中の生コンクリ-トを加熱して生コンクリ-トの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形させ、離型し、硬化させる工程
のいずれか一つの工程であることを特徴とする、保温材料の製造工程。
【請求項11】
前記保温材料の製造工程がスキーム(a)である場合、
前記珪物質は、マイクロシリコン粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の中の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であり、好ましくは、1.22~3であり、より好ましくは、1.5~2.33であり、
及び/又は、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~22.1であり、好ましくは10.5~18.5であり、より好ましくは10.5~14であり、
及び/又は、前記原料組成物はまた、減水剤を含み、好ましくは、前記減水剤の使用量は0.3~4.8部であり、
及び/又は、前記原料組成物はまた、無機細断繊維を含み、好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~11%であり、
前記保温材料の製造工程がスキーム(b)である場合、
前記珪物質は、マイクロシリコン粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の中の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であり、好ましくは、3.67~5.67であり、より好ましくは、1.5~3であり、
及び/又は、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~58.9であり、好ましくは10.5~35.3であり、より好ましくは10.5~16であり、
及び/又は、前記原料組成物は更に、減水剤を含み、好ましくは、前記減水剤の使用量は0.6~9部であり、
及び/又は、前記原料組成物は更に、無機細断繊維を含み、好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~13%であり、
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は、3~11部であり、例えば、3.4~10部であり、また例えば、4.55部、5.1部、5.95部、6.5部、7部、7.5部、8部、8.5部、9部又は9.5部であり、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子であり、例えば、Wuxi Xingda New Foam Materials Co.,Ltd.から購入した発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス、珪藻土の中の1つ又は複数であり、例えば、Shanghai Victory Industrial Development Co.,Ltd.から購入したマイクロシリコン粉末であり、又はHuzhou Huatian Micro Powder Factoryから購入したシリコンマイクロ粉末であり、又はShanghai Commodity Fly Ash Products Co.,Ltd.から購入したC類高カルシウムアッシュであり、
及び/又は、前記珪物質の使用量は、100~110部であり、好ましくは、100~107.9部であり、
及び/又は、前記カルシウム物質は酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、例えば、Taicang Dongfang Metallurgical Lime Products Factoryから購入した酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記カルシウム物質の使用量は、6~12部であり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、更に減水剤を含み、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、更に強化繊維を含むことを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項12】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
前記減水剤の使用量は0~50部であり、0ではなく、例えば、3~42部であり、また例えば、6部、16部、24部又は36部であり、
及び/又は、前記減水剤の種類がリグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系高性能減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の中の1つ又は複数を含む場合、好ましくは、例えば、Shanghai Dongda Chemical Co.,Ltd.から購入したHF凝結遅延性高性能減水剤であるポリカルボン酸系高性能減水剤であり、
及び/又は、前記強化繊維の種類は、木質繊維、金属繊維及び繊維綿の1つ又は複数を含み、好ましくは、繊維綿であり、例えば、Shijiazhuang Dinglong Building Materials Sales Co.,Ltd.から購入した繊維綿であり、
及び/又は、前記強化繊維の使用量は、2.4~30部であり、例えば、4.8~30部であり、また例えば、7.2部、9.6部、12部、14.4部、16.8部、19.2部、21.6部、24部、26.4部又は28.8部であることを特徴とする、請求項11に記載の製造工程。
【請求項13】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
無機原料と有機原料の重量比は、12~35.5であり、前記無機原料は前記珪物質と前記カルシウム物質を指し、前記有機原料は前記発泡性ポリスチレン粒子と前記減水剤を指すことを特徴とする、請求項12に記載の製造工程。
【請求項14】
前記保温材料の製造工程がスキーム(a)である場合、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質であり、好ましくは、前記カルシウムは、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質であり、好ましくは、前記床用耐火保温材料の密度は210~230kg/mであり、より好ましくは、220~228kg/mであり、
前記保温材料の製造工程がスキーム(b)である場合、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質であり、好ましくは、前記カルシウムは、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質であり、好ましくは、前記保温壁材の密度は500~525kg/mであることを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項15】
前記保温材料の製造工程がスキーム(a)である場合、前記圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限であり、前記圧力は好ましくは、0.55MPa~30Mpaであり、
及び/又は、前記保温材料の製造工程がスキーム(b)である場合、前記圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限であり、前記圧力は好ましくは、2.8MPa~30Mpaであることを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項16】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
前記金型は上部金型と下部金型を含み、前記上部金型と下部金型を使用して、前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型をプレスプラットフォームに入れた後、生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形されるように圧縮し、上部金型と下部金型をロックする工程を含み、
好ましくは、前記生コンクリ-トは厚さ方向で17~38%に圧縮されて成形されることを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項17】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%に圧縮されて成形されるように、複数の耐火保温プレートが成形されるように同時にプレスすることを特徴とする、請求項16に記載の製造工程。
【請求項18】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
前記生コンクリ-ト内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、例えば、70~140℃であり、また例えば、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃又は130℃であり、
及び/又は、前記金型に加える圧力は、0.35~0.55Mpaであることを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項19】
前記保温材料の製造工程がスキーム(c)である場合、
前記製造工程は更に金型に強化部品を配置することを含み、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ又はリブの中の1つ又は複数を含んで、生コンクリ-トの少なくとも一側に強化部品が埋め込まれるようにし、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡ポリスチレン粒子であり、前記予備発泡ポリスチレン粒子は、前記生コンクリ-トを攪拌する前に、前記製造工程は更に前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含む方法で得られ、
例えば、前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子に加熱・加圧処理して発泡させることを特徴とする、請求項10に記載の製造工程。
【請求項20】
請求項10~19のいずれか一項に記載の保温材料の製造工程により製造されることを特徴とする保温材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は出願日が2020年2月10日である中国特許出願2020100851733の優先権、出願日が2020年2月10である中国特許出願2020100851748の優先権、出願日が2020年9月10である中国特許出願2020109475779の優先権を主張する。本出願は上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は建材分野に関し、特に耐火保温材及びその製造工程に関する。
【背景技術】
【0003】
建築用保温材は一般的に、熱伝導係数(25℃)、W/(m・k)係数が0.2W/(m・K)以下の材料を指す。最近、保温材の急速の発展に連れ、産業及び建築で性能の良い保温技術と保温材を使用することは、多くの場合優れた省エネ及び排出量削減効果を奏する。科学技術の発展と人々の生活水準の向上に伴い、保温材への要求もますます高くなっている。
【0004】
建物自体の保温性能を向上させることは、自己保温技術の発展の核心であり、建築省エネ技術の最終的な方向である。しかし、現在自己保温技術の発展は比較的遅く、多くの要因がその開発を制限している。現在、市場で使用されている主流の無機自己保温材オートクレーブ気泡コンクリートブロックは、材料自体の原因により、それ自体が重く(建設強度が高く、建設安全上の危険可能性がある)、熱伝導率が低く(熱伝導率は約0.16W/(m・K)であり、保温効果は低い)、吸水率が大きい(材料が水を吸収すると、吸水率は構造強度と保温性能に深刻な影響を及ぼす)。その結果、壁の自己保温技術は広く普及されていなかった。
【0005】
消防安全の要件により、現在先行技術で保温要件を満たし、A級耐火性を有する保温材は、大きく2つに分類される。一つ目の種類は、ロックウールを代表とした柔軟なA級耐火保温材であるが、その引張強度と疎水性が劣り、吸水後は保温性能が大幅に低下するだけでなく、保温効果も失われ、また、その引張強度を更に低下させ、外壁から脱落する安全上の危険が生じやすく、もう一の種類は、発泡ガラスを代表とした硬質A級耐火保温材であるが、その自体がもろくて割れやすいため、加工が難しく、施工が難しい。
【0006】
建物の壁という施工環境は、保温材の圧縮性能、保温性能及び耐火性能(室内であるため、さらに高い耐火性能を要求する)に対してより高い要求を提出した。しかし、現在の保温材は、物理的性能、保温性能及び耐火性能の3つ性能を同時に考慮することができないことが多、即ち、3つ性能のバランスがとれていない。
【発明の概要】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、先行技術における上記欠点を克服して、引張強度が高く、貼り付けた後脱落しにくく、良好な保温性能を有し、耐火グレードが不燃である耐火保温材及びその製造工程を提供することである。
【0008】
本発明は、耐火保温材料の製造工程を提供し、耐火保温材の原料組成物を均一に混合して得られた生コンクリ-トを加圧・加熱する工程を含み、前記加圧する圧力は0.28MPa以上であり、前記加熱温度は50~150℃であり、前記耐火保温材の原料組成物は、無機原料、有機原料及び水を含み、ここで、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質を含み、前記有機原料はポリスチレン粒子を含み、前記無機原料と有機原料の重量比は10~66.6であり、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~19である。
【0009】
前記耐火保温材料の製造工程において、特定のパラメータは下記に記載された通りであり、関与しないパラメータは、本発明の解決策のいずれか一つ(以下、「前記耐火保温材料の製造工程において」と言う)に記載された通りであり、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記無機原料で前記珪物質は、当技術分野で従来で使用される珪素質物鉱物であり、例えば、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス、及び珪藻土の中の1つ又は複数であり、また例えば、マイクロシリコン粉末(Shanghai Victory Industrial Development Co.,Ltd.から購入)、シリコンマイクロ粉末(Huzhou Huatian Micro Powder Factoryから購入)及びフライアッシュ(Shanghai Commodity Fly Ash Products Co.,Ltd.から購入したC類高カルシウムアッシュ)の1つ又は複数である。
【0010】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物においける前記無機原料で、前記カルシウム物質は、当技術分野の一般的にに使用されるカルシウム物質鉱物であり、例えば、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、また例えば、酸化カルシウム(Taicang Dongfang Metallurgical Lime Products Factoryから購入)である。
【0011】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料で、前記ポリスチレン粒子は、当技術分野の一般的に使用されるポリスチレン粒子であり、例えば、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子(Wuxi Xingda New Foam Materials Co.,Ltd.から購入したグラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子)である。
【0012】
前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡されたポリスチレン粒子であり、前記予備発泡されたポリスチレン粒子は、市販により入手可能な予備発泡されたポリスチレン粒子であってもよく、又は前記予備発泡されたポリスチレン粒子は、前記耐火保温材料の原料組成物を混合する前に、前記製造工程は更に前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含む方法により得ることができる。
【0013】
ここで、前記予備発泡工程は、当技術分野の一般的な発泡工程に従って、前記ポリスチレン粒子を要求のグラム数に発泡させることができ、例えば、前記予備発泡工程は、前記ポリスチレン粒子を加熱・加圧処理して、発泡させる工程である。
【0014】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、更に減水剤を含むことができる。前記減水剤は、当技術分野の一般的に使用される減水剤であり、例えば、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系高性能減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の1つ又は複数であり、また例えば、ポリカルボン酸系高性能減水剤(例えば、Shanghai Dongda Chemical Co.,Ltd.から購入したHF凝結遅延性高性能減水剤)である。前記減水剤の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物総重量の4.5wt%であってもよく、例えば、4wt%以下であってもよく、また例えば、3wt%以下であってもよい。
【0015】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、更に強化繊維を含むことができる。前記強化繊維は、当技術分野の一般的に使用される強化繊維であり、例えば、無機細断繊維、木質繊維、金属繊維及び繊維綿の中の1つ又は複数であり、また例えば、繊維綿(Shijiazhuang Dinglong Building Materials Sales Co.,Ltd.から購入)である。前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物総重量の25wt%以下であってもよく、例えば13wt%以下であり、また例えば11wt%以下である。
【0016】
前記耐火保温材料の製造工程は更に、耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得て、前記生コンクリ-トを金型に入れ、金型を加圧した後金型の圧力を維持させ、金型に加える圧力を0.28MPa以上にし、金型とその中の生コンクリ-トを加熱して生コンクリ-トの内部温度が50~150℃に達するようにさせ、加熱・加圧して成形させ、離型する下記工程を含むことができる。
【0017】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記金型は上部金型と下部金型とを含むことができ、前記製造工程は、前記上部金型と下部金型を使用し、前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型をプレスプラットフォームに入れ、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%(例えば、17~38%)圧縮されて成形されるように圧縮し、上部金型と下部金型をロックする工程を含むことができる。
【0018】
前記耐火保温材料の製造工程において、複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%(例えば、17~38%)に圧縮されて成形されるように、複数の耐火保温プレートを同時にプレスする。
【0019】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記生コンクリ-トの内部に加える加熱温度は、60~150℃であってもよく、例えば、70~140℃(80℃、90℃、100℃、110℃、120℃又は130℃)である。
【0020】
前記耐火保温材料の製造工程において、加熱し、加圧して成形される過程において、当業者は、加熱方法に応じて、前記加熱、前記加圧する時間を一般的に調整することができ、例えば、通常の蒸気加熱又は伝熱液体を伝熱媒体とする加熱方法を使用する場合、加熱時間は30分以上であり、また例えば、マイクロ波加熱方法を使用する場合、加熱時間は5分以上である。
【0021】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記製造工程は更に金型に強化部品を配置することを含むことができ、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ(Fiber Reinforced Plastics mesh)又はリブの中の1つ又は複数であり、前記生コンクリ-トの少なくとも一側に前記強化部品が埋め込まれるようにする。
【0022】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物は、下記いずれかのスキームであってもよい。
スキーム(1):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、無機原料90~100部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質47~85部とカルシウム物質9~47部である。
スキーム(2):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、無機原料200~250部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質56.2~208部とカルシウム物質16.9~168.7部である。
スキーム(3):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部及び水30~120部を含む。
【0023】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であってもよく、好ましくは1.22~3であり、より好ましくは1.5~2.33である。
【0024】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記無機原料及び有機原料の重量比は10.5~22.1であってもよく、好ましくは10.5~18.5であり、より好ましくは10.5~14である。
【0025】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、減水剤を含むことができ、前記減水剤の使用量は0.3~4.8部であってもよい。
【0026】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、強化繊維(例えば、無機細断繊維)を含むことができ、前記強化繊維の使用量は前記耐火保温材料の原料組成物総重量の1~11wt%であってもよい。
【0027】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記加圧する圧力は0.55MPa以上であってもよく、好ましくは、0.55MPa~30MPaである。
【0028】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、前記耐火保温材料の密度は230kg/m以下であってもよく、好ましくは、210~230kg/mであり、より好ましくは、220~228kg/mである。
【0029】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であってもよく、好ましくは3.67~5.67であり、より好ましくは1.5~3である。
【0030】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記無機原料及び有機原料の重量比は10.5~58.9であってもよく、好ましくは10.5~35.3であり、より好ましくは10.5~16である。
【0031】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、減水剤を含むことができ、前記減水剤の使用量は0.6~9部であってもよい。
【0032】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、強化繊維(例えば、無機細断繊維)を含むことができ、前記強化繊維の使用量は前記耐火保温材料の原料組成物総重量の1~13wt%である。
【0033】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記加圧する圧力は2.8MPa以上であってもよく、好ましくは、2.8MPa~30MPaである。
【0034】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、前記耐火保温材料の密度は、525kg/m以下であってもよく、好ましくは、500~525kg/mである。
【0035】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記ポリスチレン粒子の使用量は3~11部であってもよく、例えば、3.4~10部(4.55部、5.1部、5.95部、6.5部、7部、7.5部、8部、8.5部、9部又は9.5部)である。
【0036】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記珪物質の使用量は100~110部であってもよく、例えば、100~107.9部である。
【0037】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前カルシウム物質の使用量は6~12部であってもよい。
【0038】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記水の使用量は35~90部であってもよい。
【0039】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は5.6~19(例えば、5.6、9又は19)であってもよい。
【0040】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記無機原料と有機原料の重量比は12~35.5であってもよい。
【0041】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記加圧する圧力は0.28~0.55MPaであってもよく、好ましくは、0.35~0.55MPaである。
【0042】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は、減水剤を含むことができ、前記減水剤の使用量は0~50部であってもよく、0ではなく、例えば、3~42部(6部、16部、24部又は36部)である。
【0043】
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、前記耐火保温材料の原料組成物における前記有機原料は強化繊維(例えば、繊維綿)を含むことができ、前記強化繊維の使用量は2.4~30部であってもよく、例えば、4.8~30部(7.2部、9.6部、12部、14.4部、16.8部、19.2部、21.6部、24部、26.4部又は28.8部)である。
【0044】
本発明はまた、上記記載の耐火保温材料の製造工程により製造された耐火保温材料を提供する。
【0045】
もう一つの形態において、本発明はまた、以下のスキーム(a)、スキーム(b)及びスキーム(c)のいずれかである保温材料の製造工程を提供する。
【0046】
スキーム(a)、床用耐火保温材料の製造工程
前記床用耐火保温材料の製造工程において、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部に従って、無機原料90~100部、ポリスチレン粒子4.25~8.94部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱し、ここで金型内の温度は50~150℃にし、金型に加える圧力は0.55MPa以上にして、金型内の材料の密度が230kg/m以下になるようにし、加圧・加熱を維持させ、金型を離型する。
【0047】
好ましくは、材料の密度は210~230kg/mであり、より好ましくは、220~228kg/mである。
【0048】
ここで、材料の密度は、214.7kg/m、218.4kg/m、219kg/m、220kg/m、221.6kg/m、222kg/m、222.5kg/m、223kg/m、224.5kg/m、224.8kg/m、225kg/m、226kg/m、228.5kg/m又は230.4kg/mであってもよい。
【0049】
スキーム(a)において、加圧・加熱する過程で、ポリスチレン粒子の二次発泡反応と珪物質とカルシウム物質の化学反応が同時に発生し、金型の有効キャビティ容積は変化せず、ポリスチレン粒子と珪質骨材がより緊密に結合するため、230kg/m以下の低密度で0.55MPa以上の圧縮強度と0.13MPa以上の引張強度を達成できる。
【0050】
好ましくは、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含む。
【0051】
好ましくは、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質である。
【0052】
好ましくは、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムである。
【0053】
好ましくは、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であり、例えば、9、5.66、4、3、2.33、1.5、1.22又は1である。
【0054】
好ましくは、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1.22~3である。
【0055】
より好ましくは、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1.5~2.33である。
【0056】
好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~22.1であり、例えば、10.5、11.1、11.6、11.9、12.1、13.3、14、16.1、16.5、18.5、19.7又は22.1である。
【0057】
好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~18.5である。
【0058】
より好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~14である。
【0059】
好ましくは、前記原料組成物はまた、珪物質とカルシウム物質との反応に影響を及ぼさない任意の添加剤を含む。
【0060】
好ましくは、前記原料組成物は更に減水剤を含み、ここで減水剤は、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤又はスルファメート塩系高性能減水剤を含むが、これらに限定されない。
【0061】
より好ましくは、前記減水剤の使用量は0.33~4.82部であり、例えば、0.33、0.75、1.5、2.63、3.94又は4.82である。
【0062】
好ましくは、前記原料組成物はまた、無機細断繊維を含む。
【0063】
より好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~11%であり、例えば、1%、3%、6%、9%又は11%である。
【0064】
好ましくは、前記圧力は0.55MPa~30MPaである。ここで、圧力は、0.55MPa、0.6MPa、0.8MPa、1MPa、5MPa、10MPa又は30MPaである。
【0065】
本発明はまた、床用耐火保温材料を提供し、前記床用耐火保温材料は、上記いずれか一項の製造方法により製造して得ることができる。
【0066】
スキーム(b)、保温壁材の製造工程
前記保温壁材の製造工程において、前記保温壁材の原料組成物は重量部に従って、無機原料200~250部、ポリスチレン粒子3.8~21.4部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱し、ここで、金型内の温度を50~150℃にし、金型に加える圧力を2.8MPa以上にして、金型内の材料の密度を525kg/m及びその以下にし、加圧・加熱を維持させ、金型を離型する。
【0067】
ここで、材料の密度は、496kg/m、498kg/m、500kg/m、501kg/m、503kg/m、506kg/m、507kg/m、508kg/m、509kg/m、510kg/m、512kg/m、514kg/m、515kg/m、516kg/m、518kg/m、520kg/m、523kg/m又は525kg/mであってもよい。材料の密度が525kg/m以上である場合、熱伝導率が高くなって、0.14W/(m・K)以下の要件を満たさなくなる。
【0068】
好ましくは、材料の密度は400~525kg/mである。より好ましくは、前記材料の密度は、500~525kg/mである。
【0069】
スキーム(b)において、加圧・加熱の過程で、ポリスチレン粒子の二次発泡反応と珪物質とカルシウム物質の化学反応が同時に発生し、金型の有効キャビティ容積は変化せず、ポリスチレン粒子と珪質骨材がより緊密に結合するため、525kg/m以下の低密度で2.8MPa以上の圧縮強度と0.16MPa以上の引張強度を達成できる。
【0070】
好ましくは、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含む。
【0071】
好ましくは、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質である。
【0072】
好ましくは、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムである。
【0073】
好ましくは、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であり、例えば、0.33、0.43、0.54、0.67、0.82、1、1.22、1.5、1.86、2.33、3、4、5.67、9又は12.33である。
【0074】
好ましくは、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は3.67~5.67である。
【0075】
より好ましくは、前記珪物質とカルシウムの重量比は1.5~3である。
【0076】
好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~58.9であり、例えば、10.5、11.0、11.5、12.2、15.4、16.0、17.4、19.8、24.5、27.8、31.1、35.3、39.8、44.7、50.0、55.8又は58.9である。
【0077】
好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~35.3である。
【0078】
より好ましくは、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~16である。
【0079】
好ましくは、前記原料組成物はまた、珪物質とカルシウムとの反応に影響を及ぼさない任意の添加剤を含む。
【0080】
好ましくは、前記原料組成物は更に減水剤を含む。ここで減水剤は、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤及びスルファメート塩系高性能減水剤の中の一つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0081】
より好ましくは、前記減水剤の使用量は0.6~9部であり、例えば、0.6、1.2、3、5、7.5又は9である。
【0082】
好ましくは、前記原料組成物は更に無機細断繊維を含む。
【0083】
より好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~12%であり、例えば、1%、2%、4%、8%、10%、12%又は13%である。
【0084】
金型に加える圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限である。好ましくは、前記圧力は2.8MPa~30MPaである。ここで、圧力は、2.8MPa、3.5MPa、5MPa、10MPa又は30MPaであってもよい。
【0085】
本発明はまた、保温壁材を提供し、前記保温壁材は、上記いずれか一項の製造方法によりの製造することができる。
【0086】
スキーム(c)、耐火保温材料の製造工程
前記耐火保温材料の製造工程において、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム6~18部及び水35~120部を含み、前記製造工程は、前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得て、前記生コンクリ-トを金型に入れ、金型に加圧した後圧力を維持させ、前記金型に加える圧力が0.28~0.55MPaに達するようにさせ、金型とその中の前記生コンクリ-トを加熱して前記生コンクリ-トの内部温度を50~150℃に達するようにさせ、加熱し、加圧して成形させ、離型し、硬化させる工程を含むことができる。
【0087】
スキーム(c)において、前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は好ましくは、3~11部であり、例えば、3.4~10部であり、更に例えば、4.55部、5.1部、5.95部、6.5部、7部、7.5部、8部、8.5部、9部又は9.5部である。
【0088】
スキーム(c)において、前記発泡性ポリスチレン粒子は好ましくは、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子であり、例えば、Wuxi Xingda New Foam Materials Co.,Ltd.から購入したグラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子である。
【0089】
スキーム(c)において、前記珪物質は好ましくは、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス、珪藻土の1つ又は複数であり、例えば、Shanghai Victory Industrial Development Co.,Ltd.から購入したマイクロシリコン粉末であり、又はHuzhou Huatian Micro Powder Factoryから購入したシリコンマイクロ粉末であり、又はShanghai Commodity Fly Ash Products Co.,Ltd.から購入したC類高カルシウムアッシュであるフライアッシュである。
【0090】
スキーム(c)において、前記珪物質の使用量は好ましくは、100~110部であり、例えば、100~107.9部である。
【0091】
スキーム(c)において、前記カルシウム物質は、好ましくは、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、例えば、Taicang Dongfang Metallurgical Lime Products Factoryから購入した酸化カルシウムである。
【0092】
スキーム(c)において、前記カルシウム物質の使用量は好ましくは、6~12部である。
【0093】
スキーム(c)において、前記水の使用量は好ましくは、35~90部である。
【0094】
スキーム(c)において、前記耐火保温材料の原料組成物は好ましくは、更に減水剤を含む。
【0095】
ここで、減水剤の使用量は、当技術分野の一般的な使用量であり、好ましくは、0~50部であり、0ではなく、例えば、3~42部、また例えば、6部、16部、24部又は36部である。
【0096】
ここで、前記減水剤の種類は、当技術分野で従来の種類であってもよく、好ましくは、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の1つ又は複数を含み、より好ましくは、Shanghai Dongda Chemical Co.,Ltd.から購入したHF凝結遅延性高性能減水剤のようなポリカルボン酸シリーズ高性能減水剤である。
【0097】
ここで、無機原料と有機原料の重量比は好ましくは、12~35.5であり、前記無機原料は前記珪物質と前記カルシウム物質であり、前記有機原料は前記発泡性ポリスチレン粒子と前記減水剤である。
【0098】
スキーム(c)において、前記耐火保温材料の原料組成物は好ましくは、更に強化繊維を含む。
【0099】
ここで、前記強化繊維の種類は、当技術分野で従来の種類であってもよく、前記強化繊維は好ましくは、木質繊維、金属繊維及び繊維綿の1つ又は複数を含み、より好ましくは、繊維綿であり、例えば、Shijiazhuang Dinglong Building Materials Sales Co.,Ltd.から購入した繊維綿である。
【0100】
ここで、前記強化繊維の使用量は、当技術分野のぴ慰安的な使用量であり、好ましくは、2.4~30部であり、例えば、4.8~30部であり、また例えば、7.2部、9.6部、12部、14.4部、16.8部、19.2部、21.6部、24部、26.4部又は28.8部である。
【0101】
スキーム(c)において、好ましくは、前記金型は上部金型と下部金型とを含み、前記製造工程は下記工程を含み、前記上部金型と下部金型を使用して、前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型がプレスプラットフォームに入った後、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形するまで圧縮し、上部金型と下部金型をロックする。
【0102】
スキーム(c)において、前記生コンクリ-トは厚さ方向で好ましくは、17~38%圧縮されて成形される。
【0103】
スキーム(c)において、好ましくは、複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、前記生コンクリ-トが厚さ方向に10~45%に圧縮されて成形されるように、複数の耐火保温プレートを同時にプレスする。
【0104】
スキーム(c)において、好ましくは、前記生コンクリ-ト内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、例えば、70~140℃であり、また例えば、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃又は130℃である。
【0105】
スキーム(c)において、好ましくは、前記金型に加える圧力は、0.35~0.55MPaである。
【0106】
スキーム(c)において、加熱し、加圧して成形される過程において、当業者は、加熱方法に応じて、前記加熱、前記加圧する時間を日常的に調整することができ、例えば、通常の蒸気加熱又は伝熱液体を伝熱媒体として使用する加熱方法を使用する場合、加熱時間は30分以上であり、また例えば、マイクロ波加熱方法を使用する場合、加熱時間は5分以上である。
【0107】
スキーム(c)において、好ましくは、前記製造工程は更に金型に強化部品を配置することを含むことができ、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ(トウメッシュ)又はリブの中の1つ又は複数であり、生コンクリ-トの少なくとも一側に前記強化部品が埋め込まれるようにする。
【0108】
スキーム(c)において、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡ポリスチレン粒子であり、前記予備発泡ポリスチレン粒子は、市販により入手可能な予備発泡ポリスチレン粒子であってもよく、又は前記予備発泡ポリスチレン粒子は、下記の方法により得ることができ、前記生コンクリ-トを攪拌する前に、前記製造工程は更に前記予備発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含む。
【0109】
ここで、前記予備発泡工程は、当技術分野の従来の発泡工程に従って、前記発泡性ポリスチレン粒子を要求のグラム数に発泡させることができ、例えば、前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子を加熱・加圧処理して発泡させる。
【0110】
本発明はまた、上記記載の耐火保温材料の製造工程により製造された耐火保温材料を提供する。
【0111】
本技術分野の常識に違反しない限り、前記各好ましい条件は、任意に組み合わせることができ、即ち、本発明の各好ましい実施例を得ることができる。
【0112】
本発明で使用される試薬及び原料は市販品として入手できる。
【0113】
本発明の積極的な進歩的効果は、本発明の製造工程は製造圧力を低く維持させる前提下で、製造された耐火保温材は引張強度が高く、貼り付け後に脱落しにくく、良好な保温性能を兼ねて有し、耐火グレードは不燃であることにある。
【発明を実施するための形態】
【0114】
以下、実施例によってさらに本発明を説明するが、これによって本発明を前記実施例の範囲内に限定するわけではない。
【0115】
本発明の各実施例と比較例で使用できる材料の具体的な説明は下記の通りである。
珪物質:下記実施例(実施例C-19を除く)のマイクロシリコン粉末又はフライアッシュは任意に置き換えて使用することができる。ここで、マイクロシリコン粉末はShanghai Weiterui Industrial Development Co.,Ltd.から購入し、フライアッシュは、Shanghai Commodity Fly Ash Products Co.,Ltd.から購入したC類高カルシウムアッシュである。
【0116】
実施例C-19で使用した珪物質はシリコンマイクロ粉末であり、シリコンマイクロ粉末は、Huzhou Huatian Micro Powder Factoryから購入したものである。
【0117】
カルシウム物質:下記実施例のカルシウム物質は酸化カルシウム又は水酸化カルシウムで任意に置き換えて使用することができる。酸化カルシウムは、生石灰とも呼ばれ、Taicang Dongfang Metallurgical Lime Product Factoryから購入したものである。
【0118】
ポリスチレン粒子(発泡性ポリスチレン粒子):Wuxi Xingda Foam New Material Co.、Ltdから購入したものである。
【0119】
減水剤:HF凝結遅延性高性能減水剤、Shanghai Dongda Chemical Co.,Ltdから購入したものである。
【0120】
繊維綿:Shijiazhuang Dinglong Building Materials Sales Co., Ltd.から購入したものである。
【0121】
無機細断繊維:Beijing Xinshijiye Thermal Insulation Fiber Spraying Technology Co.,Ltd.,から購入し、モデルはF-16Gである。
【0122】
用語説明:
珪物質:酸化カルシウム/水酸化カルシウム物質と反応してケイ酸カルシウムを形成することができる物質を指す。
カルシウム物質:酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質を指す。
【0123】
減水剤:単位水の消費量を減らし、生コンクリ-トの流動性を改善し、作業性を改善できる物質を指す。リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系減水剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤を含むが、これらに限定されない。
【0124】
無機細断繊維:細断された長さが1mm~25mmの無機繊維を指す。
【0125】
以下の実施例及び比較例において、Aは珪物質の重量を表し、Bはカルシウム物質の重量を表し、Cは無機原料の重量(即ち、珪物質とカルシウム物質の和)を表し、Dは有機原料(即ち、発泡性ポリスチレン粒子、又はポリスチレンと減水剤、又はポリスチレンと強化繊維)の重量を表す。表中の物質の使用量データを10で割って、各物質の対応する部数を取得する。
【0126】
以下の実施例及び比較例では、検出基準は下記の通りである。圧縮強度はGB/T5486-2008「無機硬質保温製品の試験方法」に従って試験し、プレート表面に垂直な引張強度はGB/T29906-2013「発泡ポリスチレンをベースにした外部保温複合システム(External thermal insulation composite systems based on expanded polystyrene)」に従って試験し、燃焼性能レベルはGB8624-2012「建築材料及び製品の燃焼性能分類」に従って試験し、曲げ変形はGB/T10801.1「保温用成形ポリスチレンフォーム」に従って試験し、体積吸水率は、GB/T1034-2008「プラスチックの吸水率の測定」に従って試験し、熱伝導率はGB/T10294「保温材の定常熱抵抗と関連特性の決定-保護ホットプレート法」に従って試験した。
【0127】
実施例A-1~実施例A-90及び比較例A-1~比較例A-4の床用耐火保温材料の製造方法は下記の通りである。
【0128】
先ず、加熱してポリスチレン粒子を膨張させて体積を増加させ、予備発泡ポリスチレン粒子を得た。蒸気圧を設定することにより密度に相応する変化が発生するようにさせて、必要な密度要件に達し、ポリスチレン粒子の密度が6~12g/Lに達すようにさせた。蒸気圧を0.2Mpaに設定し、温度を100℃に設定し、時間を30秒に設定し、圧力を10秒間維持させ、3秒間減圧させた。
【0129】
次に、すべての材料が均一に攪拌されて予混合したゲル化材料になるように、10~30℃で水、珪物質(二酸化ケイ素)、カルシウム物質(酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)及び使用する可能性がある無機細断繊維、減水剤を混合し、均一に攪拌した(攪拌時間を、温度変化に応じて調整し、攪拌機の回転速度を、300rpm/分に設定した)。
【0130】
混合タンクに一次発泡したポリスチレン粒子を加え、ミキサーを作動させた後、予混合したゲル化材料を入れ、十分に混合及び攪拌して均一に混合した。試験を何回か繰り返して、攪拌回転速度を200rpm/分以下に設定して、ポリスチレン粒子の収縮又は変形を防いだ。また、実際の必要な容積重量に応じて、ポリスチレン材料の容積重量を調整することができる。
【0131】
その後、撹拌した後の混合物(一次発泡ポリスチレン粒子を含む)を金型に入れた(金型の垂直高さは、設定された高さに達するまで圧力を加圧して調整することができる)。材料が加熱・加圧された後、所定の割合で収縮するため、試験を何回か繰り返した結果、製品の厚さ5cmを例とすれば、レベルセンサーの高さを6~9cmに調整する必要があり、収縮率は10~45%であることが分かった。原料組成物の内部の圧力を0.55Mpa以上に維持させた。原料組成物の密度を230kg/m以下に達するようにさせた。
【0132】
金型をプレスプラットフォームに入れる前に、油温機の温度を50~150℃に設定して、プレスプラットフォームを予熱した。温度が設定値に達した時、金型を押し込み、35分以上加圧して成形させた後、自然に冷却させ、離型した。加熱・加圧する過程で、ポリスチレン粒子は金型で2次発泡して、密度が更に向上され、引張強度も向上された。
【0133】
最後に、離型した後の製品に対して、硬化室で硬化させ、硬化室は、乾燥、換気させる必要があり、硬化時間は一般に約5~10日であり、温度及び湿度に応じて設定した。
【0134】
加熱・加圧:金型内温度を50~150℃にし、金型に加える圧力を0.55MPa以上にした。
【0135】
加熱・加圧を維持する:金型内温度が50~150℃に達し、金型に加える圧力を0.55MPa以上にした後、温度及び圧力を一定に保ち、一定時間を維持させた。
表A-1:異なる珪物質/カルシウム物質比率に関する実施例A-1~実施例A-4

表A-2:異なる珪物質/カルシウム物質比率に関する実施例A-5~実施例A-9

表A-3:異なる無機/有機比率に関する実施例A-10~実施例A-14

表A-4:異なる無機/有機比率を含む実施例A-15~実施例A-21

表A-5:
異なる珪物質/カルシウム物質比で減水剤の添加に関する実施例A-22~実施例A-26
表A-6:
異なる珪物質/カルシウム物質比率で減水剤の添加に関する実施例A-27~実施例A-30

表A-7:異なる無機/有機比率で減水剤の添加に関する実施例A-31~A-35

表A-8:
異なる無機/有機比率で減水剤の添加に関する実施例A-36~実施例A-39

表A-9:異なる減水剤添加比率に関する実施例A-40~実施例A-46

表A-10:無機細断繊維の添加に関する実施例A-47~実施例A-53

表A-11:無機細断繊維の添加に関する実施例A-54~実施例A-60

表A-12:無機細断繊維の添加に関する実施例A-61~実施例A-67

表A-13:無機細断繊維の添加に関する実施例A-68~実施例A-72

表A-14:
異なる比率の無機細断繊維の添加に関する実施例A-73~実施例A-77

表A-15:温度範囲に関する実施例A-78~実施例A-83

表A-16:圧力範囲に関する実施例A-84~実施例A-90

表A-17:比較例A-1~比較例A-4
【0136】
表A-1より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を16に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が1~9である場合、圧縮強度は0.55MPa以上、引張強度は0.174MPa以上、熱伝導率は0.066以下に達することができた。表2より、珪物質とカルシウム物質の重量比が1.22~3である場合、圧縮強度は0.567MPa以上、引張強度は0.18MPa以上、熱伝導率は0.065以下に達することができた。珪物質とカルシウム物質の重量比が1.5~2.33である場合、圧縮強度は0.58MPa以上、引張強度は0.181MPa以上、熱伝導率は0.0648以下に達することができた。
【0137】
表A-3及び表A-4より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比が2.33であり、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~22.1である場合、圧縮強度は0.551MPa以上、引張強度は0.124MPa以上、熱伝導率は0.0676以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~18.5である場合、圧縮強度は0.56MPa以上、引張強度は0.138MPa以上、熱伝導率は0.0671以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~14である場合、圧縮強度は0.6MPa以上、引張強度は0.183MPa以上、熱伝導率は0.0646以下に達することができた。
【0138】
表A-5及び表A-6より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を16に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が1~9の範囲内にある場合、材料総重量1%の減水剤を加え、圧縮強度は0.6MPa以上、引張強度は0.19MPa以上、熱伝導率は0.0667以下に達することができた。珪物質とカルシウム物質の重量比が9以上である場合、圧縮強度は0.54であり、圧縮要件を満たさなかった。珪物質とカルシウム物質の重量比が1未満である場合も、圧縮要件を満たさなかった。
【0139】
表A-7及び表A-8より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比を2.33に維持させ、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10~16.3である場合、材料総重量1%の減水剤を加え、圧縮強度は0.6MPa以上、引張強度は0.142MPa以上、熱伝導率は0.068以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5以下であっても、例えば、10.2又は10である場合、減水剤を加えることで最終製品の耐火性をA2級に保つことができた。しかし、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が9.7である場合、最終製品の耐火性はB1級であった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が16.8である場合、熱伝導率は0.068であり、保温要件を満たしていなかった。
【0140】
表A-7及び表A-8より分かるように、ポリスチレン粒子の添加は保温材料製品の引張強度を大幅に向上させることができた。特に、表8では、引張強度が0.18MPa以上に達した。
【0141】
表A-9より分かるように、4%以内の減水剤の添加はいずれも引張強度及び圧縮強度を効果的に向上させることができ、4%以上の減水剤を加えた場合、材料を成形させることは困難であった。
【0142】
表A-10及び表A-11より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を16に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が1~9の範囲内にある場合、材料総重量10%の無機細断繊維を加え、圧縮強度は0.551MPa以上、引張強度は0.145MPa以上、熱伝導率は0.0673以下に達することができた。珪物質とカルシウム物質の重量比が9以上である場合、成形できなかった。
【0143】
表A-12及び表A-13より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比を7:3に維持させ、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~22.1の範囲内にある場合、材料総重量10%の無機細断繊維を加え、圧縮強度は0.606MPa以上、引張強度は0.137MPa以上、熱伝導率は0.0669以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10未満である場合、最終製品の耐火性はB1級であった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が22.1より大きい場合、成形できなかった。
【0144】
表A-14より分かるように、異なる使用量の無機細断繊維の添加はいずれも強度の向上に役立った。
【0145】
表A-15より分かるように、温度は50~150℃でいずれもよかった。温度が50℃未満である場合、引張強度及び圧縮強度はいずれも急激に低下した。温度が150℃より大きい場合、骨材が焦げた。
【0146】
表A-16より分かるように、圧力が0.55MPa以上であり、鋼製金型の終局強度は235MPaの範囲内であればいずれもよかった。圧力が0.55MPa未満である場合、最終製品の圧縮強度は0.55MPa以下であり、圧力が0.55MPaより大きい場合、金型が破壊された。
【0147】
表A-17より分かるように、減水剤と無機細断繊維を加えなく、珪物質とカルシウム物質の重量比が9より大きいか1未満である場合、圧縮強度はいずれも5MPa未満であり、圧縮強度が基準を満たしていなかった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が22.1より大きい場合、原料は成形できず、製造することができなかった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5未満である場合、耐火性はB1級となり、耐火性は基準を満たしていなかった。
【0148】
実施例B-1~実施例B-118及び比較例B-1~比較例B-4の保温壁材の製造方法は下記の通りである。
【0149】
先ず、加熱してポリスチレン粒子を膨張させて体積を増加させ、予備発泡ポリスチレン粒子を得た。蒸気圧を設定することにより密度に相応する変化をさせて、必要な密度要件に達するようにさせ、ポリスチレン粒子の密度が6~12g/Lに達するようにさせた。蒸気圧を0.2Mpaに設定し、温度を100℃に設定し、時間を30秒に設定し、圧力を10秒間維持させ、3秒間減圧させた。
【0150】
次に、すべての材料が均一に攪拌されて予混合したゲル化材料になるように、10~30℃で水、珪物質(二酸化ケイ素)、カルシウム物質(酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)及び使用する可能性のある無機細断繊維、減水剤を混合し、均一に攪拌した(攪拌時間を、温度変化に応じて調整し、攪拌機の回転速度を、300rpm/分に設定した)。
【0151】
混合タンクに一次発泡したポリスチレン粒子を添加し、ミキサーを作動させた後、予混合したゲル化材料を入れ、十分に混合及び攪拌して均一に混合した。試験を何回か繰り返して、攪拌回転速度を200rpm/分以下に設定して、ポリスチレン粒子の収縮又は変形を防いだ。また、実際の必要な容積重量に応じて、前記添加するポリスチレン材料の容積重量を調整することができた。
【0152】
その後、撹拌した後の混合物(一次発泡ポリスチレン粒子を含む)を金型に入れた(金型の垂直高さは、設定された高さに達するまで圧力を加圧して調整することができる)。材料が加熱・加圧された後、所定の割合で収縮するため、試験を何回か繰り返した結果、製品の厚さ5cmを例とすれば、レベルセンサーの高さを6~9cmに調整する必要があり、収縮率は10~45%であることが分かった。原料組成物の内部の圧力を2.8Mpa以上に維持させた。原料組成物の密度を525kg/m以下にした。
【0153】
金型をプレスプラットフォームに入れる前に、油温機の温度を50~150℃に設定して、プレスプラットフォームを予熱した。温度が設定値に達した時、金型を押し込み、35分以上加圧して成形させた後、自然に冷却させ、離型した。加熱・加圧する過程で、ポリスチレン粒子は金型で2次発泡して、密度が更に向上され、引張強度も向上された。
【0154】
最後に、離型した後の製品に対して、硬化室で硬化させ、硬化室は、乾燥、換気させる必要があり、硬化時間は一般に約5~10日であり、温度及び湿度に応じて設定した。
【0155】
加熱・加圧:金型内温度を50~150℃にし、金型に加える圧力を2.8MPa以上にした。
【0156】
加熱・加圧を維持する:金型内温度が50~150℃に達し、金型に加える圧力を2.8MPa以上にした後、温度及び圧力を一定に保ち、一定時間を維持させた。
表B-1:珪物質/カルシウム物質の異なる比率に関する実施例B-1~実施例B-5
表B-2:
珪物質/カルシウム物質の異なる比率に関する実施例B-6~実施例B-11
表B-3:
珪物質/カルシウム物質の異なる比率に関する実施例B-12~実施例B-15
表B-4:無機/有機の異なる比率に関する実施例B-16~実施例B-21
表B-5:無機/有機の異なる比率に関する実施例B-22~実施例B-27
表B-6:無機/有機の異なる比率に関する実施例B-28~実施例B-32
表B-7:
珪物質/カルシウム物質の異なる比率で減水剤の添加に関する実施例B-33~実施例B-38
表B-8:
珪物質/カルシウム物質の異なる比率で減水剤の添加に関する実施例B-39~実施例B-44
表B-9:
無機/有機の異なる比率で減水剤の添加に関する実施例B-45~実施例B-52
表B-10:
無機/有機の異なる比率で減水剤の添加に関する実施例B-53~実施例B-60
表B-11:減水剤の異なる添加比率に関する実施例B-61~実施例B-67
表B-12細断繊維の添加に関する実施例B-68~実施例B-75
表B-13:無機細断繊維の添加に関する実施例B-76~B-83
表B-14:無機細断繊維の添加に関する実施例B-84~実施例B-89

表B-15:無機細断繊維の添加に関する実施例B-90~実施例B-95
表B-16:無機細断繊維の添加に関する実施例B-96~実施例B-100
表B-17:
異なる割合の無機細断繊維の添加に関する実施例B-101~実施例B-105
表B-18:温度範囲に関する実施例B-106~実施例B-111
表B-19:圧力範囲に関する実施例B-112~実施例B-118
表B-20:比較例B-1~比較例B-4
【0157】
表B-1より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を19.8に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が0.33~12.33である場合、圧縮強度は2.8MPa以上、引張強度は0.160MPa以上、熱伝導率は0.14以下に達することができた。表2より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比が3.67~5.67である場合、圧縮強度は3.1MPa以上、引張強度は0.184MPa以上、熱伝導率は0.126以下に達することができた。表3より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比が1.5~3である場合、圧縮強度は3.5MPa以上、引張強度は0.202MPa以上、熱伝導率は0.1275以下に達することができた。
【0158】
表B-4より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比を2.33に維持させ、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が35.3~58.9である場合、圧縮強度は2.8MPa以上、引張強度は0.179MPa以上、熱伝導率は0.1285以下に達することができた。表5において、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が16~31.1である場合、圧縮強度は3.4MPa以上、引張強度は0.273MPa以上、熱伝導率は0.1262以下に達することができた。表6において、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~15.4である場合、圧縮強度は3.7MPa以上、引張強度は0.367MPa以上、熱伝導率は0.124以下に達することができた。
【0159】
総合表B-1~表B-6より分かるように、本発明は、最終製品の体積吸水率に大きな優位性を有し、実施例1~32の体積吸水率は基本的に10%~40%の間に維持させ、類似製品の中で優勢を占めた。さらに、乾燥密度が525kg/m未満の条件下で、圧縮強度はいずれも2.8MPa以上、乃至は3.5MPa以上に達した。
【0160】
表B-7及び表B-8より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を19.8に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が0.54~9の範囲内である場合、材料総重量1.3%の減水剤を加え、圧縮強度は3.8MPa以上、引張強度は0.238MPa以上、熱伝導率は0.127以下に達することができた。珪物質とカルシウム物質の重量比が12.33より大きい場合、圧縮強度は3.8MPa未満であり、圧縮要件を満たさなかった。珪物質とカルシウム物質の重量比が0.54未満である場合、圧縮強度も3.8MPa未満であった。
【0161】
表B-9及び表B-10より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比を2.33に維持させ、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~55.8である場合、材料総重量1.3%の減水剤を加え、圧縮強度は3.8MPa以上、引張強度は0.24MPa以上、熱伝導率は0.1294以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が55.8以上である場合、熱伝導率は0.13以上であり、保温要件を満たしていなかった。
【0162】
減水剤の添加により、もう一つの有意な効果をもたらし、製品の体積吸水率が大幅に低下し、表7~表11の実施例のほとんどの体積吸水率がいずれも10%未満であることであり、これは、このタイプの保温材では非常に低い値であった。表11より、4%以内の減水剤の添加はいずれも引張強度及び圧縮強度を効果的に向上させることができ、4%より大きい減水剤を加えた場合、材料は成形させることが困難であった。
【0163】
表B-12及び表B-13より分かるように、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比を17.8に維持させ、珪物質とカルシウム物質の重量比が0.25~12.33の範囲内にある場合、材料総重量約5%の無機細断繊維を加え、圧縮強度は3.1MPa以上、引張強度は0.203MPa以上、熱伝導率は0.1385以下に達することができた。珪物質とカルシウム物質の重量比が12.33より大きい場合、成形できなかった。
【0164】
表B-14、表B-15及び表B-16より分かるように、珪物質とカルシウム物質の重量比を7:3に維持させ、無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5~58.9の範囲内にある場合、材料総重量約5%の無機細断繊維を加え、圧縮強度は3.7MPa以上、引張強度は0.268MPa以上、熱伝導率は0.1272以下に達することができた。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10未満である場合、最終製品の耐火性はB1級であった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が58.9より大きい場合、成形できなかった。
【0165】
表B-17より分かるように、異なる使用量の無機細断繊維の添加はいずれも強度の向上に役立った。
【0166】
表B-18より分かるように、温度は50~150℃のいずれであってもよかった。温度が50℃未満である場合、引張強度及び圧縮強度はいずれも急激に低下した。温度が150℃より大きい場合、骨材が焦げた。
【0167】
表B-19より分かるように、圧力が2.8MPa以上であり、鋼製金型の終局強度は235MPaの範囲内であればいずれもよかった。圧力が2.8MPa未満である場合、最終製品の圧縮強度は2.8MPa未満であり、圧力が0.55MPaより大きい場合、金型が破壊された。
【0168】
表B-20より分かるように、減水剤と無機細断繊維を加えない場合、珪物質とカルシウム物質の重量比が12.33より大きいか0.33未満である場合、圧縮強度はいずれも2.5MPa未満であり、圧縮強度は基準を満たしていなかった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が58.9より大きい場合、圧縮強度はいずれも2.5MPa未満であるため、圧縮強度は基準を満たしていなかった。無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比が10.5未満である場合、耐火性はB1級であり、耐火性は基準を満たしていなかった。
【0169】
実施例C-1~実施例C-103及び比較例C-1~比較例C-20の耐火保温材料の製造方法は下記の通りである。
【0170】
先ず、加熱して発泡性ポリスチレン粒子を膨張させて体積を増加させ、予備発泡性ポリスチレン粒子を得た。蒸気圧を設定することにより密度に相応する変化をさせ、必要な密度要件に達するようにさせて、発泡性ポリスチレン粒子の密度が4~25g/Lに達するようにさせた。
【0171】
次に、すべての材料が均一に攪拌されて予混合したゲル化材料になるように、常温で水、珪物質、カルシウム物質(酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)及び使用する可能性のある繊維綿、減水剤を混合し、均一に攪拌した。
【0172】
混合タンクに予備発泡した発泡性ポリスチレン粒子を添加し、ミキサーを作動させた後、予混合したゲル化材料を入れ、十分に混合及び攪拌して均一に混合して全て原料の生コンクリ-トを得た。
【0173】
その後、撹拌した後の混合物(予備発泡した発泡性ポリスチレン粒子を含む)を金型に入れ、金型の垂直高さは、設定された高さに達するまで圧力を加圧する状態で調整することができ、材料が加熱・加圧された後、所定の割合で収縮するため、試験を何回か繰り返した結果、製品の厚さ5cmを例とすれば、レベルセンサーの高さを6~9cmに調整する必要があり、収縮率は10~45%であることが分かった。金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持させた。原料組成物の密度を230kg/m以下に達するようにさせた。
【0174】
金型がプレスプラットフォームに入れる前に、油温機の温度を50~150℃に設定して、プレスプラットフォームを予熱した。温度が設定値に達した時、金型を押し込み、加圧・加熱して成形させた後、冷却させ、離型した。加熱・加圧する過程で、発泡性ポリスチレン粒子は金型で加熱されて2次発泡し、密度が更に向上され、引張強度も向上された。
【0175】
最後に離型した後の製品を硬化させた。
【0176】
下記の表3-1~表3-10に関する油温機の温度は130℃であり、金型に加える圧力は0.55MPaである。
下記の表3-1~表3-12の原料の質量単位は全てgである。
表C-1:無機原料と有機原料の異なる比率に関して
表C-2:珪物質とカルシウム物質の異なる比率に関して
表C-3:無機原料と有機原料の異なる比率での減水剤の添加
表C-4:珪物質とカルシウム物質の異なる比率での減水剤の添加

表C-5:添加された減水剤の異なる比率
表C-6:無機原料と有機原料の異なる比率での繊維綿の添加
表C-7:珪物質とカルシウム物質の異なる比率での繊維綿の添加
表C-8:添加された繊維綿の異なる比率
表C-9:異なる温度の影響
表C-10:減水剤を加える場合の温度の影響
表C-11:異なる圧力の影響
表C-12:減水剤を加える場合の圧力の影響
【0177】
実施例C-1~実施例C-15、実施例C-20~実施例C-33、実施例C-45~実施例C-59及び比較例C-1~比較例C-2、比較例C-5、比較例C-9~比較例C-10の組み合わせにより分かるように、比較例C-1~比較例C-2は、有機原料が本出願の限定範囲外にあるため、その結果、耐火保温材料の厚さが要件に達せず、成形できないか、又は耐火グレードがB級しか達していなかった。
【0178】
実施例C-16~実施例C-19、実施例C-34~実施例C-36、実施例C-60~実施例C-62及び比較例C-3~比較例C-4、比較例C-6~比較例C-7、比較例C-11~比較例C-12の組み合わせにより分かるように、珪物質とカルシウム物質が本出願の限定範囲外にあるため、その結果、保温材料の強度が非常に低く、ほとんど成形できなった。
【0179】
実施例C-37~実施例C-44及び比較例C-8の組み合わせにより分かるように、減水剤の添加率が4.5%以上である場合、耐火グレードがB級しか達していなかった。
【0180】
実施例C-63~実施例C-76及び比較例C-13の組み合わせにより分かるように、強化繊維の添加率が26%以上である場合、耐火保温材料の繊維とスラリーが均一に攪拌できなかった。
【0181】
実施例C-77~実施例C-98及び比較例C-14~比較例C-17の組み合わせにより分かるように、温度が50~150℃の範囲外にある場合、発泡性ポリスチレン粒子は再び発泡できないか又は骨材は焦げた。
【0182】
実施例C-99~実施例C-103及び比較例C-18~比較例C-20の組み合わせにより分かるように、圧力が0.28~0.55MPaの低圧域にある場合は依然として良い効果が得られたが、圧力が235MPaを超えて大き過ぎる場合、金型が破壊された。
【0183】
以上では本発明の具体的な実施様態を記載したが、当業者は、これらが単なる例であり、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって限定されることが分かる。当業者は、本発明の原理及び実質から逸脱しない限り、これらの実施形態に様々な変更又は修正を行うことができるが、これらの変更又は修正は全て本発明の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0183
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0183】
以上では本発明の具体的な実施様態を記載したが、当業者は、これらが単なる例であり、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって限定されることが分かる。当業者は、本発明の原理及び実質から逸脱しない限り、これらの実施形態に様々な変更又は修正を行うことができるが、これらの変更又は修正は全て本発明の保護範囲に含まれる。
本発明に関連する発明の実施形態の一部を以下に示す。
[実施形態1]
耐火保温材の原料組成物を均一に混合して得られた生コンクリ-トを加圧・加熱する工程を含み、
前記加圧する圧力は0.28MPa以上であり、加熱温度は50~150℃であり、前記耐火保温材の原料組成物は、無機原料、有機原料及び水を含み、
ここで、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質を含み、前記有機原料はポリスチレン粒子を含み、前記無機原料と有機原料の重量比は10~66.6であり、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~19である、耐火保温材料の製造方法。
[実施形態2]
前記耐火保温材料の原料組成物において、前記無機原料で、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス及び珪藻土の中の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記無機原料で、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料で、前記ポリスチレン粒子は、発泡性ポリスチレン粒子であり、例えば、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は、減水剤及び/又は強化繊維を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態3]
前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料で、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡されたポリスチレン粒子であり、前記予備発泡されたポリスチレン粒子は、前記耐火保温材料の原料組成物を混合する前に、前記製造方法は更に前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含み、例えば、前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子を加熱及び加圧して発泡させる工程である方法で得られ、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記減水剤は、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の一つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記減水剤の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の4.5wt%以下であり、例えば4wt%以下であり、また例えば3wt%以下であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記強化繊維は、無機細断繊維、木質繊維、金属繊維、繊維綿の中の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の25wt%以下であり、例えば13wt%以下であり、また例えば11wt%以下であることを特徴とする、実施形態2に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態4]
前記製造方法は、
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得る工程と、
前記生コンクリ-トを金型にいれ、金型を加圧して金型の圧力を維持させ、金型に加える圧力を0.28MPa以上にし、生コンクリ-トの内部温度を50~150℃に達するように金型とその生コンクリ-トを加熱し、加熱・加圧して成形させ、離型する工程と
を含むことを特徴とする、実施形態1~3のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態5]
前記金型は上部金型と下部金型を含み、前記製造方法は、前記上部金型と下部金型を使用して前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型がプレスプラットフォームに入った後、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形されるように圧縮し、上部金型と下部金型をロックする工程を含み、
及び/又は、前記生コンクリ-ト内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、
及び/又は、前記製造方法は更に金型に強化部品を配置することを含み、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ又はリブの中の1つ又は複数を含んで、前記生コンクリ-トの少なくとも一側に前記強化部品が埋め込まれるようにすることを特徴とする、実施形態4に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態6]
前記生コンクリ-トを厚さ方向で17~38%に圧縮して成形させ、
及び/又は、複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、複数の耐火保温プレートを同時にプレスし、
及び/又は、前記生コンクリ-トの内部に加える加熱温度は70~140℃であることを特徴とする、実施形態5に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態7]
前記耐火保温材料の原料組成物は、下記いずれかのスキームであり、
スキーム(1):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、無機原料90~100部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部であり、
スキーム(2):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、無機原料200~250部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部であり、
スキーム(3):
前記耐火保温材料の原料組成物は、重量部で、ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部及び水35~120部を含むことを特徴とする、実施形態1~6のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態8]
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(1)である場合、
前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であり、好ましくは、1.22~3であり、より好ましくは、1.5~2.33であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は10.5~22.1であり、好ましくは10.5~18.5であり、より好ましくは10.5~14であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0.3~4.8部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維を含み、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の1~11wt%であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は0.55MPa以上であり、好ましくは、0.55MPa~30MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の密度は230kg/m 以下であり、好ましくは、210~230kg/m であり、より好ましくは、220~228kg/m であり、
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(2)である場合、
前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であり、好ましくは、3.67~5.67であり、より好ましくは、1.5~3であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は10.5~58.9であり、好ましくは10.5~35.3であり、より好ましくは10.5~16であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0.6~9部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維(例えば、無機細断繊維)を含み、前記強化繊維の使用量は、前記耐火保温材料の原料組成物の総重量の1~13wt%であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は2.8MPa以上であり、好ましくは、2.8MPa~30MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の密度は525kg/m 以下であり、好ましくは、500~525kg/m であり、
前記耐火保温材料の原料組成物がスキーム(3)である場合、
前記ポリスチレン粒子の使用量は3~11部であり、例えば、3.4~10部であり、
及び/又は、前記珪物質の使用量は100~110部であり、例えば、100~107.9部であり、
及び/又は、前記カルシウム物質の使用量は6~12部であり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は5.6~19であり、
及び/又は、前記無機原料と有機原料の重量比は12~35.5であり、
及び/又は、前記加圧する圧力は0.28~0.55MPaであり、好ましくは、0.35~0.55MPaであり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は減水剤を含み、前記減水剤の使用量は0~50部であり、0ではなく、例えば、3~42部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物において、前記有機原料は強化繊維を含み、前記強化繊維の使用量は2.4~30部であり、例えば、4.8~30部であることを特徴とする、実施形態7に記載の耐火保温材料の製造方法。
[実施形態9]
実施形態1~8のいずれか一項に記載の耐火保温材料の製造方法により製造された耐火保温材料。
[実施形態10]
スキーム(a)、床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、無機原料90~100部、ポリスチレン粒子4.25~8.94部及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱させ、ここで、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55MPa以上であり、金型内の材料の密度は230kg/m 以下であり、加圧・加熱を維持させ、離型する工程
スキーム(b)、保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物は重量部で、無機原料200~250部、ポリスチレン粒子3.8~21.4部及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部を含み、前記原料組成物の生コンクリ-トを金型内で加圧・加熱させ、ここで、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度は525kg/m 及び以下であり、加圧・加熱を維持させ、離型する工程
スキーム(c)、耐火保温材料の製造方法:
前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部及び水35~120部を含み、前記製造方法は、前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリ-トを得る工程、及び前記生コンクリ-トを金型に入れ、金型を加圧して圧力を維持させて、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaにし、金型とその中の生コンクリ-トを加熱して生コンクリ-トの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形させ、離型し、硬化させる工程
のいずれか一つの工程であることを特徴とする、保温材料の製造方法。
[実施形態11]
前記保温材料の製造方法がスキーム(a)である場合、
前記珪物質は、マイクロシリコン粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の中の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は1~9であり、好ましくは、1.22~3であり、より好ましくは、1.5~2.33であり、
及び/又は、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~22.1であり、好ましくは10.5~18.5であり、より好ましくは10.5~14であり、
及び/又は、前記原料組成物はまた、減水剤を含み、好ましくは、前記減水剤の使用量は0.3~4.8部であり、
及び/又は、前記原料組成物はまた、無機細断繊維を含み、好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~11%であり、
前記保温材料の製造方法がスキーム(b)である場合、
前記珪物質は、マイクロシリコン粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の中の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記珪物質とカルシウム物質の重量比は0.33~12.33であり、好ましくは、3.67~5.67であり、より好ましくは、1.5~3であり、
及び/又は、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は10.5~58.9であり、好ましくは10.5~35.3であり、より好ましくは10.5~16であり、
及び/又は、前記原料組成物は更に、減水剤を含み、好ましくは、前記減水剤の使用量は0.6~9部であり、
及び/又は、前記原料組成物は更に、無機細断繊維を含み、好ましくは、前記無機細断繊維の使用量は材料総重量の1~13%であり、
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は、3~11部であり、例えば、3.4~10部であり、また例えば、4.55部、5.1部、5.95部、6.5部、7部、7.5部、8部、8.5部、9部又は9.5部であり、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン粒子であり、例えば、Wuxi Xingda New Foam Materials Co.,Ltd.から購入した発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス、珪藻土の中の1つ又は複数であり、例えば、Shanghai Victory Industrial Development Co.,Ltd.から購入したマイクロシリコン粉末であり、又はHuzhou Huatian Micro Powder Factoryから購入したシリコンマイクロ粉末であり、又はShanghai Commodity Fly Ash Products Co.,Ltd.から購入したC類高カルシウムアッシュであり、
及び/又は、前記珪物質の使用量は、100~110部であり、好ましくは、100~107.9部であり、
及び/又は、前記カルシウム物質は酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、例えば、Taicang Dongfang Metallurgical Lime Products Factoryから購入した酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記カルシウム物質の使用量は、6~12部であり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、更に減水剤を含み、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、更に強化繊維を含むことを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態12]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
前記減水剤の使用量は0~50部であり、0ではなく、例えば、3~42部であり、また例えば、6部、16部、24部又は36部であり、
及び/又は、前記減水剤の種類がリグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート系高性能減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の中の1つ又は複数を含む場合、好ましくは、例えば、Shanghai Dongda Chemical Co.,Ltd.から購入したHF凝結遅延性高性能減水剤であるポリカルボン酸系高性能減水剤であり、
及び/又は、前記強化繊維の種類は、木質繊維、金属繊維及び繊維綿の1つ又は複数を含み、好ましくは、繊維綿であり、例えば、Shijiazhuang Dinglong Building Materials Sales Co.,Ltd.から購入した繊維綿であり、
及び/又は、前記強化繊維の使用量は、2.4~30部であり、例えば、4.8~30部であり、また例えば、7.2部、9.6部、12部、14.4部、16.8部、19.2部、21.6部、24部、26.4部又は28.8部であることを特徴とする、実施形態11に記載の製造方法。
[実施形態13]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
無機原料と有機原料の重量比は、12~35.5であり、前記無機原料は前記珪物質と前記カルシウム物質を指し、前記有機原料は前記発泡性ポリスチレン粒子と前記減水剤を指すことを特徴とする、実施形態12に記載の製造方法。
[実施形態14]
前記保温材料の製造方法がスキーム(a)である場合、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質であり、好ましくは、前記カルシウムは、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質であり、好ましくは、前記床用耐火保温材料の密度は210~230kg/m であり、より好ましくは、220~228kg/m であり、
前記保温材料の製造方法がスキーム(b)である場合、前記無機原料は珪物質とカルシウム物質であり、好ましくは、前記カルシウムは、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含む物質であり、好ましくは、前記保温壁材の密度は500~525kg/m であることを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態15]
前記保温材料の製造方法がスキーム(a)である場合、前記圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限であり、前記圧力は好ましくは、0.55MPa~30Mpaであり、
及び/又は、前記保温材料の製造方法がスキーム(b)である場合、前記圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限であり、前記圧力は好ましくは、2.8MPa~30Mpaであることを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態16]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
前記金型は上部金型と下部金型を含み、前記上部金型と下部金型を使用して、前記生コンクリ-トを予成形させ、前記金型をプレスプラットフォームに入れた後、生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形されるように圧縮し、上部金型と下部金型をロックする工程を含み、
好ましくは、前記生コンクリ-トは厚さ方向で17~38%に圧縮されて成形されることを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態17]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、前記生コンクリ-トが厚さ方向で10~45%に圧縮されて成形されるように、複数の耐火保温プレートが成形されるように同時にプレスすることを特徴とする、実施形態16に記載の製造方法。
[実施形態18]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
前記生コンクリ-ト内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、例えば、70~140℃であり、また例えば、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃又は130℃であり、
及び/又は、前記金型に加える圧力は、0.35~0.55Mpaであることを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態19]
前記保温材料の製造方法がスキーム(c)である場合、
前記製造方法は更に金型に強化部品を配置することを含み、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ又はリブの中の1つ又は複数を含んで、生コンクリ-トの少なくとも一側に強化部品が埋め込まれるようにし、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡ポリスチレン粒子であり、前記予備発泡ポリスチレン粒子は、前記生コンクリ-トを攪拌する前に、前記製造方法は更に前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を含む方法で得られ、
例えば、前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子に加熱・加圧処理して発泡させることを特徴とする、実施形態10に記載の製造方法。
[実施形態20]
実施形態10~19のいずれか一項に記載の保温材料の製造方法により製造されることを特徴とする保温材料。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)~(c)のうちのいずれか一つである製造方法:
(a)以下の工程を含む床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55~30MPaであり、金型内の材料の密度を210~230kg/m にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記床用耐火保温材料の原料組成物は、無機原料、ポリスチレン粒子、水及び減水剤を含み、減水剤2.63重量部を基準として、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、水30~94部、及び無機原料90~100部を含み、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、珪物質51.69重量部を基準として、前記無機原料は、カルシウム物質9~47重量部を含み、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は(14~18.5):1である、
(b)以下の工程を含む保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度を525kg/m 以下にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記保温壁材の原料組成物は無機原料、ポリスチレン粒子及び水を含み、水200重量部を基準として、前記保温壁材の原料組成物は重量部で、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、及び無機原料200~250部を含み、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、101.3重量部の珪物質を基準として、前記無機原料は、カルシウム物質16.9~168.7部を含み、前記カルシウム物質は酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、前記無機原料の前記ポリスチレン粒子に対する重量比は24.5~35.3である、
(c)以下の工程を含む耐火保温材料の製造方法:
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリートを得る工程、及び
前記生コンクリートを金型に入れ、金型を加圧し、前記金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持し、金型とその中の前記生コンクリートを加熱して前記生コンクリートの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形し、離型し、硬化させる工程、
ここで、前記耐火保温材料の原料組成物は、珪物質、発泡性ポリスチレン粒子、カルシウム物質、水及び減水剤を含み、珪物質107.9重量部を基準として、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、カルシウム物質12~18部、水35~120部、及び減水剤1.6~50部を含む。
【請求項2】
以下の(a)~(c)のうちのいずれか一つである製造方法:
(a)以下の工程を含む床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55~30MPaであり、金型内の材料の密度を210~230kg/m にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記床用耐火保温材料の原料組成物は、無機原料、ポリスチレン粒子、水及び減水剤を含み、減水剤3.94重量部を基準として、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、水30~94部、及び無機原料90~100部を含み、前記無機原料は珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、珪物質51.69重量部を基準として、前記無機原料は、カルシウム物質9~47重量部を含み、前記無機原料と前記ポリスチレン粒子の重量比は(14~18.5):1である、
(b)以下の工程を含む保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の原料組成物の密度を525kg/m 以下にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記保温壁材の原料組成物は無機原料、ポリスチレン粒子及び水を含み、水200重量部を基準として、前記保温壁材の原料組成物は重量部で、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、及び無機原料200~250部を含み、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、101.3重量部の珪物質を基準として、前記無機原料は、カルシウム物質16.9~168.7部を含み、前記カルシウム物質は酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、前記無機原料の前記ポリスチレン粒子に対する重量比は24.5~35.3である、
(c)以下の工程を含む耐火保温材料の製造方法:
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリートを得る工程、及び
前記生コンクリートを金型に入れ、金型を加圧し、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持し、金型とその中の前記生コンクリートを加熱して、前記生コンクリートの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形し、離型し、硬化させる工程、
ここで、前記耐火保温材料の原料組成物は、珪物質、発泡性ポリスチレン粒子、カルシウム物質、水及び減水剤を含み、珪物質110部を基準として、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、カルシウム物質12~18部、水35~120部、及び減水剤1.6~50部を含む。
【請求項3】
前記製造方法(a)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~11wt%であり、
前記製造方法(b)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記原料組成物は、減水剤を更に含み、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~13wt%であり、
前記製造方法(c)において、
前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は、3~11部であり、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、グラファイトを含むグラファイト発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス及び珪藻土の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、強化繊維を更に含む、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記製造方法(a)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~11wt%であり、
前記製造方法(b)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記原料組成物は、減水剤を更に含み、前記減水剤の使用料は、0.6~9部であり、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~13wt%であり、
前記製造方法(c)において、
前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は3.4~10部であり、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、グラファイトを含むグラファイト発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス及び珪藻土の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、強化繊維を更に含む、l
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記製造方法(a)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~11wt%であり、
前記製造方法(b)において、
前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、カオリン、ベントナイト及び珪藻土の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記原料組成物は、減水剤を更に含み、前記減水剤の使用量は、0.6~9部であり、
及び/又は、前記原料組成物は、無機細断繊維を更に含み、前記無機細断繊維の使用量は、原料組成物総重量の1~13wt%であり、
前記製造方法(c)において、
前記発泡性ポリスチレン粒子の使用量は4.55部、5.1部、5.95部、6.5部、7部、7.5部、8部、8.5部、9部又は9.5部であり、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、グラファイトを含むグラファイト発泡性ポリスチレン粒子であり、
及び/又は、前記珪物質は、シリコンマイクロ粉末、マイクロシリコン粉末、スラグ粉末、フライアッシュ、石英粉末、カオリン、ベントナイト、水ガラス及び珪藻土の1つ又は複数であり、
及び/又は、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムであり、
及び/又は、前記水の使用量は35~90部であり、
及び/又は、前記耐火保温材料の原料組成物は、強化繊維を更に含む、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記製造方法(c)において、
前記減水剤の使用量は、3~42部であり、
及び/又は、前記減水剤の種類は、リグノスルホン酸塩減水剤、ナフタレンスルホン酸塩減水剤、メラミン系減水剤、スルファメート塩系高性能減水剤及びポリカルボン酸系高性能減水剤の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記強化繊維の種類は、木質繊維、金属繊維及び繊維綿の1つ又は複数を含み、
及び/又は、前記強化繊維の使用量は2.4~30部である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
前記製造方法(c)において、
前記減水剤の使用量は、6部、16部、24部又は36部であり、
及び/又は、前記減水剤は、ポリカルボン酸系高性能減水剤であり、
及び/又は、前記強化繊維は、繊維綿であり、
及び/又は、前記強化繊維の使用量は、4.8~30部である、
ことを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記製造方法(c)において、
前記強化繊維の使用量は、7.2部、9.6部、12部、14.4部、16.8部、19.2部、21.6部、24部、26.4部又は28.8部である;
ことを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記製造方法(a)において、
前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質であり、前記カルシウム物質は、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを含み、前記床用耐火保温材料の密度は、220~228kg/m であり、
前記製造方法(b)において、
前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質であり、前記保温壁材の密度は、500~525kg/m である、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項10】
前記製造方法(b)において、
前記圧力の上限は、金型が耐えられる圧力の上限であり、前記圧力は2.8MPa~30MPaであり、
前記製造方法(c)において、
前記金型は上部金型と下部金型を含み、前記製造方法は下記工程を含み、前記上部金型と下部金型を使用して、前記生コンクリートを予成形させ、前記金型がプレスプラットフォームに入った後、前記生コンクリートが厚さ方向で10~45%圧縮されて成形するまで圧縮し、上部金型と下部金型をロックする、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項11】
前記製造方法(c)において、
前記生コンクリートが厚さ方向で17~38%圧縮されて成形する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記製造方法(c)において、
複数のセットの金型を順次に繰り返し積み重ねて、前記生コンクリートが厚さ方向に10~45%に圧縮されて成形されるように、複数の耐火保温プレートを同時にプレスする、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項13】
前記製造方法(c)において、
前記生コンクリートの内部に加える加熱温度は、60~150℃であり、
及び/又は、前記金型に加える圧力は0.35~0.55MPaである、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項14】
前記製造方法(c)において、
前記生コンクリートの内部に加える加熱温度は、70~140℃であり、
及び/又は、前記金型に加える圧力は0.35~0.55MPaである、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項15】
前記製造方法(c)において、
前記生コンクリートの内部に加える加熱温度は、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃又は130℃であり、
及び/又は、前記金型に加える圧力は0.35~0.55MPaである、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項16】
前記製造方法(c)において、
前記製造方法は金型に強化部品を配置することを更に含み、前記強化部品は、金属メッシュ、グラスファイバーメッシュ、FRPメッシュ又はリブの中の1つ又は複数を含み、前記生コンクリートの少なくとも一側に前記強化部品が埋め込まれ、
及び/又は、前記発泡性ポリスチレン粒子は、予備発泡ポリスチレン粒子であり、前記製造方法は、前記予備発泡ポリスチレン粒子は、前記生コンクリートを攪拌する前に行われる前記発泡ポリスチレン粒子の予備発泡工程を更に含み、
前記予備発泡工程は、前記発泡性ポリスチレン粒子に加熱・加圧処理して発泡させる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項17】
以下の(a)~(c)のうちのいずれか一つである製造方法:
(a)以下の工程を含む床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55MPa以上であり、金型内の材料の密度を230kg/m 以下にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、無機原料、ポリスチレン粒子、水及び減水剤を含み、ここで、無機原料の部数は表A-1~A-17に表される通りであり、ポリスチレン粒子の部数は表A-1~A-17に表される通りであり、水の部数は表A-1~A-17に表される通りであり、減水剤の部数は表A-1~A-17に表される通りであり、ここで、前記無機原料は珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、珪物質の部数は表A-1~A-17に表される通りであり、カルシウム物質の部数は表A-1~A-17に表される通りである、
(b)以下の工程を含む保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度を525kg/m 以下にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記保温壁材の原料組成物は重量部で、無機原料、ポリスチレン粒子及び水を含み、ここで、無機原料の部数は表B-1~B-20に表される通りであり、ポリスチレン粒子の部数は表B-1~B-20に表される通りであり、水の部数は表B-1~B-20に表される通りであり、ここで、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、ここで、珪物質の部数は表B-1~B-20に表される通りであり、カルシウム物質の部数は表B-1~B-20に表される通りである、
(c)以下の工程を含む耐火保温材料の製造方法:
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリートを得る工程、及び
前記生コンクリートを金型に入れ、金型を加圧し、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持し、金型とその中の前記生コンクリートを加熱して生コンクリートの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形し、離型し、硬化させる工程、
ここで、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子、珪物質、カルシウム物質、水及び減水剤を含み、ここで、発泡性ポリスチレン粒子の部数は表C-1~C-12に表される通りであり、珪物質の部数は表C-1~C-12に表される通りであり、カルシウム物質の部数は表C-1~C-12に表される通りであり、水の部数は表C-1~C-12に表される通りであり、減水剤の部数は表C-1~C-12に表される通りである。
【請求項18】
以下の(a)~(c)のうちのいずれか一つである製造方法:
(a)以下の工程を含む床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55MPa以上であり、金型内の材料の密度は230kg/m 以下であり、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、無機原料90~100部、ポリスチレン粒子4.25~8.94部、及び水30~94部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質47~85部及びカルシウム物質9~47部を含む、
(b)以下の工程を含む保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度は525kg/m 以下であり、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記保温壁材の原料組成物は重量部で、無機原料200~250部、ポリスチレン粒子3.8~21.4部、及び水63~250部を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質56.2~208部及びカルシウム物質16.9~168.7部を含む、
(c)以下の工程を含む耐火保温材料の製造工程:
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリートを得る工程、及び
前記生コンクリートを金型に入れ、金型を加圧し、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持し、金型とその中の前記生コンクリートを加熱して生コンクリートの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形し、離型し、硬化させる工程、
ここで、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子1.8~12部、珪物質100~115部、カルシウム物質6~18部、及び水35~120部を含む。
【請求項19】
以下の(a)~(c)のうちのいずれか一つである製造方法:
(a)以下の工程を含む床用耐火保温材料の製造方法:
前記床用耐火保温材料の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は0.55~30MPaであり、金型内の材料の密度を210~230kg/m にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記床用耐火保温材料の原料組成物は重量部で、無機原料、ポリスチレン粒子及び水を含み、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、前記珪物質のカルシウム物質に対する重量比は、1~9であり、前記無機原料のポリスチレン粒子に対する重量比は、10.5~22.1である、
(b)以下の工程を含む保温壁材の製造方法:
前記保温壁材の原料組成物の生コンクリートを金型内で加圧・加熱する工程であって、金型内の温度は50~150℃であり、金型に加える圧力は2.8MPa以上であり、金型内の材料の密度を525kg/m 以下にし、加圧・加熱を維持する工程、及び
離型する工程、
ここで、前記保温壁材の原料組成物は重量部で、無機原料、ポリスチレン粒子及び水を含み、ここで、前記無機原料は、珪物質及びカルシウム物質を含み、前記珪物質のカルシウム物質に対する重量比は、0.33~12.33であり、前記無機原料のポリスチレン粒子に対する重量比は、10.5~58.9である、、
(c)以下の工程を含む耐火保温材料の製造方法:
前記耐火保温材料の原料組成物を均一に混合して、生コンクリートを得る工程、及び
前記生コンクリートを金型に入れ、金型を加圧し、金型に加える圧力を0.28~0.55MPaに維持し、金型とその中の前記生コンクリートを加熱して、前記生コンクリートの内部温度を50~150℃にし、加熱・加圧して成形し、離型し、硬化させる工程、
ここで、前記耐火保温材料の原料組成物は重量部で、発泡性ポリスチレン粒子、珪物質、カルシウム物質及び水を含み、ここで、無機原料の有機原料に対する重量比は、12~35.5であり、前記無機原料は、前記珪物質及び前記カルシウム物質であり、前記有機原料は、前記発泡性ポリスチレン粒子及び前記減水剤である。
【請求項20】
請求項~19のいずれか一項に記載の保温材料の製造方法により製造されることを特徴とする保温材料。