(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117844
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】コンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20240822BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240822BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20240822BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q5/12
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/92
A61Q5/00
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106646
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2020027580の分割
【原出願日】2020-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(74)【代理人】
【識別番号】100174849
【弁理士】
【氏名又は名称】森脇 理生
(72)【発明者】
【氏名】辻 雄亮
(57)【要約】
【課題】
ビルドアップを抑え、乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを兼ね備えたコンディショニング組成物により上記課題を解決する。
【解決手段】
下記成分(A)~(C)を含み、シリコーン組成物を含有しないことを特徴とするコンディショニング組成物。
(A)コハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等からなる群から選択される25℃において液体状の油剤
(B)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、オレイン酸フィトステリル等からなる群から選択される25℃においてペースト状の油剤
(C)ステアリン酸ステアリル、ジステアリン酸ペンタエリスリチル等からなる群から選択される直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(C)を含み、シリコーン組成物を含有しないことを特徴とするコンディショニング組成物。
(A)コハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ヘキサン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ネオペンタン酸イソデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、オクチルドデカノール、及びイソステアリン酸イソステアリルからなる群から選択される25℃において液体状の油剤
(B)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、オレイン酸フィトステリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ワセリン、及びラノリンからなる群から選択される25℃においてペースト状の油剤
(C)ステアリン酸ステアリル、ジステアリン酸ペンタエリスリチル、パルミチン酸セチル、水添パーム油、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、パラフィン、及びココア脂からなる群から選択される直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤
【請求項2】
成分(A)の含有量が0.1~10.0質量%、成分(B)の含有量が0.1~10.0質量%、成分(C)の含有量が0.1~10.0質量%である請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日々の毛髪ケアにおいて、シャンプー後の毛髪の感触を向上させるためにリンス、コンディショナー、トリートメント等の毛髪化粧料が広く使用されている。
【0003】
これらのリンス、コンディショナー、トリートメント等の毛髪化粧料は、使用者が望む髪の感触に合わせて様々な提案がなされている。しかしながら、シリコーン組成物を含有したコンディショニング組成物を連続して使用するとビルドアップが生じ、感触が低下することが知られているため、ビルドアップを抑制する提案がなされている。
【0004】
例えば、ビルドアップせずになめらかさやしなやかさを付与するために、シリコーン組成物を含有せず、ペースト油剤とポリオキシプロピレンブチルエーテルを含有したコンディショニング組成物の提案がなされている(引用文献1)。しかしながら、これらのコンディショニング組成物においては、ビルドアップを抑制しながらなめらかさやしなやかさを付与できる一方で、毛髪のやわらかさやしっとり感、すすぎ時のきしみという点では満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ビルドアップを抑制しつつ、乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを兼ね備えたコンディショニング組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、25℃において液体状の油剤、25℃においてペースト状の油剤、高級アルコールではない25℃において固体状の油剤を組み合わせることにより、ビルドアップを抑制しつつ、乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを兼ね備えたコンディショニング組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
第一の発明は、下記成分(A)~(C)を含み、シリコーン組成物を含有しないことを特徴とするコンディショニング組成物である。
(A)コハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ヘキサン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ネオペンタン酸イソデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、オクチルドデカノール、及びイソステアリン酸イソステアリルからなる群から選択される25℃において液体状の油剤
(B)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、オレイン酸フィトステリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ワセリン、及びラノリンからなる群から選択される25℃においてペースト状の油剤
(C)ステアリン酸ステアリル、ジステアリン酸ペンタエリスリチル、パルミチン酸セチル、水添パーム油、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、パラフィン、及びココア脂からなる群から選択される直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤
【0009】
第二の発明は、
成分(A)の含有量が0.1~10.0質量%、成分(B)の含有量が0.1~10.0質量%、成分(C)の含有量が0.1~10.0質量%である本願第一の発明に記載のコンディショニング組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ビルドアップを抑制しつつ、乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを兼ね備えたコンディショニング組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本明細書において「ビルドアップを抑制する」とは、コンディショニング組成物を連用した際に、毛髪にコンディショニング組成物が残留し、徐々に感触が悪化してしまう状況を防ぐことをいう。本明細書において「毛髪のやわらかさ」とは、毛髪を折り曲げたときに、クタっとなる状態をいう。本明細書において「毛髪のしっとり感」とは、毛髪を摘まんだ時に冷たく感じ、パサつきが無い状態をいう。本明細書において「毛髪のツルツル感」とは、毛髪を摘まんで引っ張った時に滑り、コートされツルツルしている状態をいう。本明細書において「毛髪のきしみ」とは、毛髪を摘まんで引っ張った時の抵抗感をいう。
【0013】
<コンディショニング組成物>
本発明のコンディショニング組成物は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、リーブオントリートメント等に用いることが出来る。また、本発明のコンディショニング組成物は、常法により製造することができ、その剤型は特に限定されない。具体的には、例えば、クリーム状、乳液状等の適宜な剤型にして用いることができる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式およびポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。
【0014】
本発明のコンディショニング組成物は、
(A)25℃において液体状の油剤
(B)25℃においてペースト状の油剤
(C)直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤
を含むことを特徴とする。以下、本発明のコンディショニング組成物における各成分について詳細に説明する。
【0015】
<(A)25℃において液体状の油剤>
本発明のコンディショニング組成物で用いられる(A)成分は、25℃において液体状の油剤である。25℃において液体状とは、25℃以下の温度に融点を持ち、流動性が存在する状態を示す。(A)成分は、主にビルドアップ抑制に寄与する成分として用いられる。
【0016】
本発明の25℃において液体状の油剤とは、これらに限定されるものではないが、具体的にはコハク酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ヘキサン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ネオペンタン酸イソデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、オクチルドデカノール、イソステアリン酸イソステアリル、ミネラルオイルなどが挙げられ、これらの中から一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。(A)成分は市販のものを用いてもよい。
【0017】
成分(A)の配合量は、本発明の効果を発揮し得る限りにおいては特に限定されるものではないが、コンディショニング組成物に対して0.1~10.0質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上であればビルドアップの抑制が良好で、10.0質量%以下であれば乾燥時のやわらかさが良好となる。
【0018】
<(B)25℃においてペースト状の油剤>
本発明のコンディショニング組成物で用いられる(B)成分は、25℃においてペースト状の油剤である。25℃においてペースト状(半固体)とは、25℃を超える温度に融点を持ち、25℃では完全に固化しない点で、液体状油剤や固体状油剤と区別される油剤である。(B)成分は、主に毛髪の乾燥時のしっとり感に寄与する成分として用いられる。
【0019】
本発明の25℃においてペースト状の油剤は、これらに限定されるものではないが、具体的にはジリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、コメヌカ油脂肪酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ワセリン、ラノリンなどが挙げられ、これらの中から一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。(B)成分は市販のものを用いてもよい。
【0020】
成分(B)の配合量は、本発明の効果を発揮し得る限りにおいては特に限定されるものではないが、コンディショニング組成物に対して0.1~10.0質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上であれば乾燥時の毛髪のしっとり感が良好で、10.0質量%以下であれば乾燥時の毛髪のツルツル感が良好である。
【0021】
<(C)直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤>
本発明のコンディショニング組成物で用いられる(C)成分は、25℃において固体状の油剤である。25℃において固体状とは、26℃以上に融点を有し、25℃以下では一定の体積と形を有しているものを示す。(C)成分は、主に乾燥時の毛髪のツルツル感の寄与に用いられる。また、直鎖飽和高級アルコールとは、炭素数12以上で、分岐および不飽和が無いアルコール類を示す。
【0022】
本発明の、直鎖飽和高級アルコールではない25℃において固体状の油剤は、これらに限定されるものではないが、具体的にはステアリン酸ステアリル、ジステアリン酸ペンタエリスリチル、パルミチン酸セチル、水添パーム油、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、パラフィン、ココア脂などが挙げられ、これらの中から一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。(C)成分は市販のものを用いてもよい。
【0023】
成分(C)の配合量は、本発明の効果を発揮し得る限りにおいては特に限定されるものではないが、コンディショニング組成物に対して0.1~10.0%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上であれば乾燥時の毛髪のツルツル感が向上し、10.0質量%以下であれば乾燥時の毛髪のやわらかさが良好となる。
【0024】
(A)(B)(C)の各油剤において、すすぎ時のきしみの無さの観点から、エステル油剤を用いることが好ましい。
【0025】
したがって、本発明のコンディショニング組成物は、上記特定の成分(A)、成分(B)および成分(C)を組み合わせることにより、ビルドアップを抑えて乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを保つという、ビルドアップと適度なつき感の本来相反する特徴の両方の効果が発揮される。
【0026】
この効果は、(A)(B)(C)の各油剤が相互に溶解し、毛髪への残留性がシリコーン組成物と比べて減少するためにビルドアップを抑制する。一方で、完全には洗い流されない疎水性も有していることから、乾燥後の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さを兼ね備えることができたと推測される。
【0027】
<その他の成分>
本発明のコンディショニング組成物は上記の成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常コンディショニング組成物に一般的に配合される他の成分を目的に応じて配合することができる。
【0028】
そのような成分としては、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤;カチオン化セルロース、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)等の高分子化合物;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ成分;エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;乳酸、クエン酸等の有機酸;DPG、プロピレングリコール等のポリオール;その他紫外線吸収剤、防腐剤、糖類、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤、水等が挙げられる。
【実施例0029】
次に本発明のコンディショニング組成物について実施例および比較例を例示することにより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。まず、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0030】
(1)毛髪のビルドアップ評価法
表1乃至5の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で洗い流し、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた後の毛髪のビルドアップに関して、10名の訓練された評価者が、下記評価基準に従って評価し、処理前のスコアを5点とし、3回処理した後のスコアの差について10人のスコアの平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき、毛髪のビルドアップを判定した。
【0031】
<毛髪のビルドアップ 評価基準>
5点:全く厚みの上昇を感じなかった
4点:僅かに厚みの上昇を感じたが、ほとんど気にならなかった
3点:厚みの上昇を感じたが、あまり気にならなかった
2点:厚みの上昇を感じ、少し厚みが気になった
1点:強い厚みの上昇を感じ、かなり厚みが気になった
【0032】
<毛髪のビルドアップ スコア基準>
◎:大変優れている・・・処理前後のスコア差が1.0点未満
○:優れている・・・・・処理前後のスコア差が1.0点以上、2.0点未満
△:劣っている・・・・・処理前後のスコア差が2.0点以上、3.0点未満
×:大変劣っている・・・処理前後のスコア差が3.0点以上
【0033】
(2)乾燥時の毛髪のやわらかさ評価方法
表1乃至5の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で洗い流し、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた後の毛髪のやわらかさを10名の訓練された評価者が下記評価基準に従って観察評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき洗い流し時の毛髪のやわらかさを判定した。
【0034】
<乾燥時の毛髪のやわらかさ 評価基準 >
5点:非常にやわらかい
4点:かなりやわらかい
3点:少しやわらかい
2点:少し硬い
1点:かなり固い
【0035】
<乾燥時の毛髪のなめらかさ スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0036】
(3)乾燥時の毛髪のしっとり感評価方法
表1乃至5の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた後の毛髪のしっとり感(毛髪を摘んだときの水を含んだような冷たさがある感覚)について、10名の訓練された評価者が、下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪のしっとり感を判定した。
【0037】
<乾燥時の毛髪のしっとり感 評価基準>
5点:毛髪を摘んだ時に冷たく、パサつきが無い
4点:毛髪を摘んだ時にやや冷たく、パサつきが無い
3点:毛髪を摘んだ時にやや冷たいが、ややパサつく
2点:毛髪を摘んだ時に冷たさをほとんど感じず、ややパサつく
1点:毛髪を摘んだ時に冷たさを感じず、パサつく
【0038】
<乾燥時の毛髪のしっとり感 スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0039】
(4)乾燥時の毛髪のツルツル感評価方法
表1乃至5の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯ぎ、濡れた状態の毛束にコーミングを20回行い、タオルドライを5秒間行った後、ドライヤーで完全に乾いたと感じるまで毛束を乾燥させた後の毛髪のツルツル感について、10名の訓練された評価者が、下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づき乾燥時の毛髪のツルツル感を判定した。
【0040】
<乾燥時の毛髪のツルツル感 評価基準>
5点:毛髪を摘んで引っ張った時によく滑り、かなりツルツルしている
4点:毛髪を摘んで引っ張った時に滑り、ツルツルしている
3点:毛髪を摘んで引っ張った時にやや滑り、ややツルツルしている
2点:毛髪を摘んで引っ張った時にあまり滑らず、あまりツルツルしていない
1点:毛髪を摘んで引っ張った時に滑らず、ツルツルしていない
【0041】
<乾燥時の毛髪のしっとり感 スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0042】
(5)すすぎ時のきしみの無さの評価方法
表1乃至5の配合を用いて常法により調製した本発明の実施例および比較例に係るコンディショニング組成物3gを10gの毛束(ビューラックス社製、アジア同一人毛、長さ30cm)に塗布後、10秒間40℃の水で濯いでいる際の毛髪のきしみの無さについて、10名の訓練された評価者が、下記評価基準に従って評価し、10人のスコアの合計の平均値を算出した。当該平均値を用いて下記スコア基準に基づきすすぎ時のきしみの無さを判定した。
【0043】
<濯ぎ時の毛髪のきしみの無さ 評価基準>
5点:毛髪を摘んで引っ張った時によく滑り、きしまない
4点:毛髪を摘んで引っ張った時に滑り、ほとんどきしまない
3点:毛髪を摘んで引っ張った時にやや滑り、ややきしまない
2点:毛髪を摘んで引っ張った時にあまり滑らず、ややきしむ
1点:毛髪を摘んで引っ張った時に滑らず、きしむ
【0044】
<乾燥時の毛髪のしっとり感 スコア基準>
◎:大変優れている・・・4.5点以上
○:優れている・・・・・3点以上、4.5点未満
△:劣っている・・・・・2.0点以上、3点未満
×:大変劣っている・・・2.0点未満
【0045】
実施例1~32および比較例1~3
表1乃至3に記載の配合組成によるヘアコンディショナーを常法により調製し、これらを使用したときの、ビルドアップの無さ、乾燥時の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さについての評価を行った。結果を表1乃至3に示す。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
表1~3より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~32はいずれも優れた性能を示していた。一方、比較例1~3では、組成物のビルドアップの無さ、乾燥時の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感のいずれかの点で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0050】
次に市販されているシリコーン組成物を含有している市販品A、シリコーン組成物を含有しない市販品B、及び本願発明を用いたコンディショナーについて、上記と同じ評価を実施した。結果を表4に示す。
【0051】
シリコーン組成物を含有する市販品Aは、ビルドアップが生じてしまい、シリコーン組成物を含有しない市販品Bは、ビルドアップは生じないもの、乾燥時のやわらかさ・しっとり感・ツルツル感・濯ぎ時のきしみの無さの点で評価が低くなった。市販品Aと市販品Bに対し、本願発明品は各項目に対して優れた評価を得た。
【0052】
【0053】
以下、本発明のコンディショニング組成物のその他の処方例を挙げる。なお、これらの処方例の組成物についても、上記の組成物のビルドアップの無さ、乾燥時の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さの各項目を評価した。
【0054】
処方例1 ヘアパック 配合量(質量%)
(1)ステアルトリモニウムクロリド 3.0
(2)ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2 2.0
(3)パラフィン 1.0
(4)ジステアリン酸ペンタエリスリチル 1.0
(5)ステアリルアルコール 9.0
(6)ステアリン酸ステアリル 1.0
(7)コハク酸ジエチルヘキシル 1.0
(8)ワセリン 1.0
(9)ヒドロキシエチルセルロース 0.4
(10)グルタミン酸 0.1
(11)グルタミン酸Na 0.1
(12)クエン酸 0.2
(13)アルギニン 0.1
(14)フェノキシエタノール 0.2
(15)香料 0.5
(16)精製水 残余
【0055】
処方例2 ヘアトリートメント 配合量(質量%)
(1)ベヘニルPGトリモニウムクロリド 3.0
(2)ベヘナミドプロピルジメチアルアミン 1.0
(3)セバシン酸ジエチル 1.0
(4)コハク酸ジエチルヘキシル 1.0
(5)ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2 1.0
(6)ベヘニルアルコール 1.0
(7)アラニン 0.1
(8)アルギニン 0.1
(9)プロリン 0.1
(10)セリン 0.1
(11)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(12)グルタミン酸Na 0.1
(13)PEG-160M 0.1
(14)乳酸 0.2
(15)ジステアリン酸ペンタエリスリチル 0.5
(16)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 0.2
(17)メントール 0.1
(18)加水分解コンキオリン 0.1
(19)ステアリルアルコール 5.0
(20)フェノキシエタノール 0.2
(21)香料 0.5
(22)精製水 残余
【0056】
処方例3 ヘアコンディショナー 配合量(質量%)
(1)ベヘニルPGトリモニウムクロリド 0.5
(2)ステアルトリモニウムクロリド 0.5
(3)ベヘナミドプロピルジメチルアミン 0.5
(4)ベヘントリモニウムクロリド 0.5
(5)セテアリルアルコール 3.0
(6)ベヘニルアルコール 1.0
(7)加水分解シルク 0.1
(8)サッカロミセス/コメヌカ発酵液エキス 0.1
(9)加水分解コンキオリン 0.1
(10)ジカプリン酸ネッペンチルグリコール 0.2
(11)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(12)ジステアリン酸ペンタエリスリチル 0.2
(13)グリセリン 0.5
(14)コハク酸ジエチルヘキシル 0.2
(15)パラフィン 0.2
(16)乳酸 0.1
(17)ラクトース 0.1
(18)ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2 0.2
(19)メチルパラベン 0.2
(20)香料 0.5
(21)精製水 残余
【0057】
これらの処方例の組成物についても、ビルドアップの無さ、乾燥時の毛髪のやわらかさ、しっとり感、ツルツル感、すすぎ時のきしみの無さについての評価を行ったところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。