(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117847
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、決済処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q20/20 310
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106818
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2020129087の分割
【原出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】染谷 英則
(72)【発明者】
【氏名】西田 真琴
(72)【発明者】
【氏名】中村 一輝
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、構成の複雑化を抑えつつ、複数の店舗から売上情報を収集することを可能とする情報処理装置、決済処理システム、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、
前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、
前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、
前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、
前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記注文情報管理部は、注文情報に係る商品が店舗から顧客に提供がなされたことを示す情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決済が完了した注文情報に係る売上を、当該売上を計上する店舗毎に管理する売上情報管理部をさらに備える
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の店舗にそれぞれ設けられた店舗端末と、各店舗に対する注文を受け付ける情報処理装置と、を有する注文処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、
前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、
前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、
前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、
前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、を備え、
前記店舗端末は、
前記注文情報送信部が送信した注文情報を受信する注文情報受信部
を備える注文処理システム。
【請求項5】
情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、
前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、
前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、
前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、
前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、決済処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングセンター等には、複数の店舗とこれら店舗の商品を購入した顧客が共通で利用する座席とが設けられた、いわゆるフードコートが設置されている。ショッピングセンターを管理する管理会社は、フードコートを管理するうえで必要な情報として、各店舗から売上情報を取得している。例えば、管理会社は、各店舗の売上に応じて賃料を定めるなどの場合に店舗の売上情報を活用する。
【0003】
管理会社が各店舗の売上情報を自動的に収集するためのシステムは採用されておらず、各店舗は定期的に売上を集計して個別に管理会社に報告しているのが現状である。一方、フードコートで用いられるシステムとしては、顧客の利便性を高めるために、座席に設置された端末装置で注文、決済を行うことができるようにしたものが知られているが(例えば、特許文献1)、このシステムは上述した売上情報の収集に貢献するものではない。
【0004】
このため、フードコートを管理する管理会社においては、売上情報を容易に収集できるようにすることが望まれている。特に、売上情報取集のための専用のシステムを設けるなどせずに、簡素化した構成で複数の店舗から売上情報を収集できることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構成の複雑化を抑えつつ、複数の店舗から売上情報を収集することを可能とする情報処理装置、決済処理システム、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の決済処理システムを含むシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態の情報処理装置のユーザマスタ部のデータ構成を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態の情報処理装置のメニューマスタ部のデータ構成を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施形態の情報処理装置の注文情報DB部のデータ構成を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施形態の情報処理装置の売上情報DB部のデータ構成を説明する図である。
【
図7】
図7は、実施形態の情報処理装置の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態の決済処理システムを含むシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態の情報処理装置の出力部による出力例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の情報処理装置の制御部による決済処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態の情報処理装置の制御部による注文確定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の決済処理システム等について、図面を参照して説明する。
図1は、決済処理システムを含むシステムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態においては、決済処理システムをショッピングセンターに設けられるフードコートに適用した例で説明するが、これに限らない。決済処理システムは、複数の店舗が設けられるビルなどで適用可能である。
【0009】
決済処理システム1は、フードコート管理サーバ2およびフードコートで営業する各店舗にそれぞれ設けられる店舗端末3を備える。フードコート管理サーバ2と各店舗端末3とは、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して互いに接続されている。
【0010】
フードコート管理サーバ2は、LANなどのネットワークを介してテナント管理サーバ4と接続されている。また、フードコート管理サーバ2は、インターネットなどのネットワークを介して、決済サーバ5およびユーザ端末6と接続されている。フードコート管理サーバ2は、情報処理装置の一例である。
【0011】
テナント管理サーバ4は、フードコートを管理する管理会社が備えるもので、フードコートで営業する各店舗の売上情報の管理などを行う。決済サーバ5は、クレジットカード会社の決済センタによって管理されるもので、フードコート管理サーバ2からの決済要求に基づいて各店舗への注文に係る料金の決済を実行する。なお、フードコート管理サーバ2、各店舗端末3、テナント管理サーバ4、および決済サーバ5は、それぞれ複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0012】
ユーザ端末6は、顧客であるフードコートの利用会員(以下、ユーザともいう)が保有するスマートフォンなどの情報端末である。フードコート利用会員は、フードコート管理サーバ2に会員登録する際にクレジット情報を登録する。ユーザ端末6は、フードコート内の店舗に対する注文や当該注文に係る支払を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0013】
次にフードコート管理サーバ2について説明する。
図2は、フードコート管理サーバ2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。フードコート管理サーバ2は、制御部10と、メモリ部20と、通信I/F(Interface)30、40、50、60等を備える。制御部10、メモリ部20、および通信I/F30~60はバス70を介して互いに接続されている。
【0014】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、およびRAM(Random Access Memory)13を備える。CPU11、ROM12、およびRAM13は、バス70を介して互いに接続されている。
【0015】
CPU11は、フードコート管理サーバ2の全体の動作を制御する。ROM12は、CPU11の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM13は、CPU11のワークエリアとして使用され、ROM12やメモリ部20に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部10は、CPU11がROM12やメモリ部20に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、フードコート管理サーバ2の各種制御処理を実行する。
【0016】
メモリ部20は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Memory)などの記憶装置で構成される。メモリ部20は、制御プログラム部21、ユーザマスタ部22、メニューマスタ部23、注文情報DB部24、および売上情報DB部25を備える。制御プログラム部21は、フードコート管理サーバ2として機能するための制御プログラムの他、各種制御プログラムを記憶する。
【0017】
ユーザマスタ部22は、ユーザマスタを記憶する。
図3は、ユーザマスタ部22のデータ構成を説明する図である。ユーザマスタは、ユーザID221とクレジットカード情報222とを関連付けて記憶したマスタファイルである。ユーザマスタ部22は、ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部の一例である。
【0018】
ユーザID221は、ユーザを特定する情報であり、ユーザ情報の一例である。クレジットカード情報222は、ユーザがクレジットカードによる支払を行う際に必要な情報であり、カードNo、カード有効期限などを含む。
【0019】
メニューマスタ部23は、メニューマスタを記憶する。
図4は、メニューマスタ部23のデータ構成を説明する図である。メニューマスタは、店舗ID231、メニューID232、メニュー名233、および単価234を互いに関連付いて記憶したマスタファイルである。
【0020】
店舗ID231は、フードコートで営業する店舗を特定する情報である。メニューID232は、各店舗の商品を特定する情報である。メニューID232は、上位3桁が店舗を特定するコードとなっている。メニュー名233は、メニューIDで特定される商品の名称である。単価234は、メニューIDで特定される商品の価格である。
【0021】
注文情報DB部24は、注文情報データベースを記憶する。
図5は、注文情報DB部24のデータ構成を説明する図である。注文情報データベースは、フードコート内の店舗に対してなされる注文を管理するデータベースであり、日付241、注文ID242、ユーザID221、メニューID232、決済ステータス243、発注ステータス244、および受取ステータス245を互いに関連付けて記憶したデータベースである。フードコート管理サーバ2がユーザ端末6から注文を受け付ける毎に、注文情報データベースに注文情報が登録され、注文された商品の状況に応じて各種ステータスが書換えられる。
【0022】
ユーザID221およびメニューID232が示す情報は、上述したとおりである。日付241は、ユーザから注文を受け付けた日付を示す情報であり、フードコート管理サーバ2が備える時計機能に基づいて記憶される。注文ID242は、ユーザ端末6から受付けた注文を特定する情報である。決済ステータス243は、メニューID232で特定される注文商品の代金に係る決済が済んだか否かを示す情報である。発注ステータス244は、ユーザ端末6から受信したメニューIDで特定される注文商品を、当該注文商品を扱う店舗に対して発注したか否かを示す情報である。受取ステータス245は、注文した商品をユーザが受け取ったか否かを示す情報である。
【0023】
売上情報DB部25は、売上情報データベースを記憶する。
図6は、売上情報DB部25のデータ構成を説明する図である。売上情報データベースは、各店舗の商品ごとに売上を管理するデータベースであり、店舗ID231、店舗名251、注文メニュー名252、単価234、および受注数253を関連付けて記憶したデータベースである。
【0024】
店舗ID231および単価234が示す情報は、上述したとおりである。店舗名251は、店舗ID231で特定される店舗の名称を示す情報である。注文メニュー名252は、ユーザによって注文された商品の名称を示す情報である。受注数は、注文メニュー名252で示される商品がユーザから注文を受けた数を示す情報である。売上情報データベースは、注文された商品の取引が完了する毎に更新される。
【0025】
図2に戻って、通信I/F30は、店舗端末3に接続されている。通信I/F40は、テナント管理サーバ4に接続されている。通信I/F50は、決済サーバ5に接続されている。通信I/F60は、ユーザ端末6に接続されている。これにより、制御部200は、店舗端末3、テナント管理サーバ4、決済サーバ5、およびユーザ端末6と情報(データ)の送受信が可能である。
【0026】
次に、フードコート管理サーバ2の機能構成について説明する。
図7は、フードコート管理サーバ2の機能構成を示すブロック図である。制御部10は、CPU11がROM12や制御プログラム部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、注文受付部101、注文情報管理部102、決済処理部103、受信部104、送信部105、表示データ生成部106、売上情報管理部107、出力要求受付部108、出力情報作成部109、および出力部110として機能する。なお、上記各機能構成はハードウェアで実現してもよい。
【0027】
注文受付部101は、ユーザ端末6から、顧客を特定するユーザ情報と店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける。具体的には、注文受付部101は、ユーザ端末6で入力されたユーザIDおよびメニューIDを受付ける。
【0028】
注文情報管理部102は、注文受付部101が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する。具体的には、注文情報管理部102は、注文受付部101が受付けた注文情報を注文情報データベースに登録する。注文情報は、注文する商品を特定するメニューIDを含む。また、注文情報管理部102は、登録された注文情報について決済が完了すると、決済ステータス243を「済」に書き換える。注文情報管理部102は、登録された注文情報について店舗端末3への注文情報の送信が完了すると、発注ステータス244を「済」に書き換える。注文情報管理部102は、登録された注文情報についてユーザが注文した商品を受け取ったことを認識すると、受取ステータス245を「済」に書き換える。
【0029】
決済処理部103は、注文受付部101がユーザ情報および注文情報を受付けると、ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、注文情報に係る決済処理を行う。具体的には、決済処理部103は、注文受付部101がユーザIDおよびメニューIDを受付けると、メニューIDで特定される商品(以下、注文商品ともいう)の代金支払を行うための処理を実行する。例えば、決済処理部103は、ユーザマスタ部22を参照して、注文受付部101が受付けたユーザIDに関連付いて記憶されたクレジットカード情報を決済サーバ5に送信する。併せて、決済処理部103は、注文商品に係る代金の金額を示す情報と、決済要求を決済サーバ5に送信する。
【0030】
受信部104は、決済サーバ5から決済完了通知を受信する。また、受信部104は、各店舗端末3から、調理完了通知および受取通知を受信する。店舗端末3は、注文された商品の調理が完了した旨の入力がなされると、調理完了通知をフードコート管理サーバ2に送信する。また、店舗端末3は、注文された商品のユーザへの受け渡しが完了した旨の入力がなされると、受取完了通知をフードコート管理サーバ2に送信する。
【0031】
送信部105は、受信部104が決済完了通知を受信すると、当該決済完了通知に係る注文情報を該当する店舗の店舗端末3に送信するとともに、注文受付通知をユーザ端末6に送信する。注文受付通知は、注文した商品に係る代金の決済が完了して正式に注文を受け付けたことをユーザに知らしめる通知である。また、送信部105は、受信部104が調理完了通知を受信すると、ユーザ端末6に調理完了通知を送信する。送信部105は、注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部として機能する。
【0032】
表示データ生成部106は、受信部104が店舗端末3から調理完了通知を受信すると、ユーザ端末6の表示画面に二次元コードを表示させるための表示データを生成する。表示データは、ユーザが注文した商品を受け取ったことを示す情報であり、ユーザが店舗で商品を受け取る際に店舗端末3に接続されたコードリーダ(図示せず)で読み取られる。表示データ生成部106が生成した表示データは、送信部105によって、調理完了通知とともにユーザ端末6に送信される。
【0033】
売上情報管理部107は、決済が完了した注文情報に係る売上を、当該売上を計上する店舗毎に管理する。売上情報管理部107は、例えば、決済が完了してユーザへの商品の受け渡しが完了した取引について、売上情報DB部25に登録する。売上情報管理部107は、ユーザへの商品の受け渡しが確認される度に売上情報データベースを更新する。なお、売上情報管理部107は、注文した商品に係る代金の決済が完了した時点で売上情報データベースを更新するようにしてもよい。
【0034】
出力要求受付部108は、テナント管理サーバ4から、各店舗の売上情報に係る出力要求を受付ける。
【0035】
出力情報作成部109は、出力要求受付部108が出力要求を受付けると、出力要求に応じた出力情報、例えば、店舗毎の売上情報などを作成する。なお、出力情報作成部109は、出力要求受付部108が受付ける出力要求とは無関係に定期的に出力情報を作成してもよい。
【0036】
出力部110は、決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する。出力部110は、出力情報作成部109が作成した出力情報を、出力要求受付部108が受付けた出力要求に応じて、あるいは、定期的にテナント管理サーバ4に出力する。
【0037】
次いで、上記構成に基づく、決済処理システム1を含むシステムの動作について説明する。
図8は、決済処理システム1を含むシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、フードコート管理サーバ2による各店舗の売上情報の管理および売上情報の出力に関する動作を示すものである。また、このシーケンスチャートは、何らのエラーも発生しない場合の動作を示すものである。
【0038】
まず、ユーザがフードコートの座席に着座した後、自己のユーザ端末6を操作してアプリケーションプログラムを立ち上げて、注文入力を行う(S1)。注文入力は、例えば、ユーザがユーザIDおよび注文する商品のメニューIDを入力することでなされる。入力されたユーザIDとメニューIDは、ユーザの操作によりユーザ端末6からフードコート管理サーバ2に送信される(S2)。このとき、ユーザは複数の店舗の商品を一括で注文することができる。
【0039】
フードコート管理サーバ2は、受信したユーザID、メニューIDに基づいて注文IDを発行するとともに、この注文に関連する情報を注文情報データベースに登録する(S3)。次いで、フードコート管理サーバ2は、決済処理を実行する(S4)。決済処理は、注文された商品に係る代金の支払いを行うための処理であり、詳細については後述する。フードコート管理サーバ2は、決済処理に基づいて決済サーバ5に決済要求を送信する(S5)。決済要求は、注文を受けたユーザIDに対応するクレジットカード情報および上記代金を示す情報を含む。
【0040】
決済サーバ5は、決済要求を受けた取引、すなわちユーザによって注文された商品に係る代金の取引について、決済に関連する処理を行う(S6)。クレジットカード会社では、決済要求に含まれるクレジットカード情報に基づいてオーソリゼーションを行う。オーソリゼーションは、受信したクレジットカード情報で決済可能か否かを判断するもので、クレジットカードの有効期限が切れていないか、利用限度額を超えていないか、などがチェックされる。決済サーバ5は、オーソリゼーションの結果、上記取引の決済が可能であると判断されると決済完了通知をフードコート管理サーバ2に送信する(S7)。
【0041】
決済完了通知を受信したフードコート管理サーバ2は、注文確定処理を実行する(S8)。注文確定処理の詳細は後述する。フードコート管理サーバ2は、ユーザからの注文について支払が完了したことを認識すると、ユーザ端末6に対して注文受付通知およびレシート情報を送信する(S9)。注文受付通知は、フードコート管理サーバ2が受付けた注文について決済が完了し、正式に注文を受け付けたことを通知するものである。レシート情報は、決済された注文に係る商品の商品情報や金額情報等、通常のレシートに印刷される内容を示す情報である。
【0042】
また、フードコート管理サーバ2は、決済が終了した注文について、注文IDおよびメニューIDを各店舗の店舗端末3に送信する(S10)。これにより、店舗は注文を受け付けることとなる。店舗において、注文された商品の調理が完了すると、店舗端末3に調理完了入力がなされる(S11)。店舗端末3は、調理完了入力がなされると、フードコート管理サーバ2に調理完了通知を送信する(S12)。調理完了通知は、注文IDとメニューIDとを含む情報である。このため、フードコート管理サーバ2は、注文情報DB部24を参照することで、どのユーザから注文された商品の調理が完了したかを認識することができる。
【0043】
調理完了通知を受信したフードコート管理サーバ2は、表示データを作成する(S13)。表示データは、例えば二次元コードをユーザ端末6の表示画面に表示させるためのデータであって、注文した商品を受け取ったことを示すものである。フードコート管理サーバ2は、作成した表示データおよび調理完了通知をユーザ端末6に送信する(S14)。ユーザは、ユーザ端末6に調理完了通知が通知されることにより注文した商品の調理が完了したことを知ることができる。
【0044】
ユーザは、調理が完了した商品を店舗に取りに行く。このとき、ユーザ端末6は、フードコート管理サーバ2から受信した表示データに基づき、二次元コードの表示を行う(S15)。ユーザは、店舗で注文した商品を受け取るとともに、ユーザ端末6に表示された二次元コードを店舗に対して提示する。店舗は、ユーザに商品を渡すとともに、ユーザ端末6に表示された二次元コードを店舗端末3に接続された二次元コードリーダで読取る(S16)。これにより、店舗端末3は、ユーザが商品を受け取ったことを示す情報を取得し、フードコート管理サーバ2に受取完了通知を送信する(S17)。受取完了通知は、注文IDとメニューIDとを含む情報である。
【0045】
フードコート管理サーバ2は、受取完了通知を受信すると、注文情報データベースを更新する(S18)。具体的には、フードコート管理サーバ2は、受取完了通知に含まれる注文IDとメニューIDとからユーザに商品が提供された商品を特定し、当該商品に関して注文情報DB部24の受取ステータス245を「済」に書き換える。続いて、フードコート管理サーバ2は、ユーザに商品が提供された商品に係る取引が完了したと認識して、当該商品について売上情報データベースに売上を登録する(S19)。
【0046】
以上の処理により、ユーザ端末6からの注文、注文された商品に係る代金の決済、ユーザに対する商品の調理完了の通知、ユーザが商品の提供を受けたことの把握、注文された商品の売上管理、などを行うことができる。このため、ユーザや店舗の利便性を向上させることができるばかりでなく、フードコート全体の売上管理も行うことができる。
【0047】
次に、フードコート管理サーバ2が管理する売上情報の出力について説明する。フードコートを管理する管理会社のテナント管理サーバ4に売上情報の出力要求が入力されると(S20)、テナント管理サーバ4は、フードコート管理サーバ2に出力要求を送信する(S21)。出力要求は、売上情報を要求する対象期間などを含む。
【0048】
フードコート管理サーバ2は、受信した出力要求に応じて出力情報を作成し(S22)、これを出力する(S23)。出力情報は、決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けて記憶したものである。
図9は、フードコート管理サーバ2が出力する出力情報の一例である出力ファイルのデータ構成を示す図である。出力ファイルは、店舗名401、売上402、および期間403を関連付けて記憶したファイルである。
【0049】
店舗名401は、店舗の名称を示す情報である。売上402は、売上金額を示す情報である。期間403は、売上金額が集計された期間を示す情報である。テナント管理サーバ4が出力ファイルを受信することによって、管理会社は、フードコートの店舗毎の売上情報を容易に認識することができる。
【0050】
次に、フードコート管理サーバ2の制御部10が行う決済処理について説明する。
図10は、フードコート管理サーバ2の制御部10による決済処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、決済処理は、注文情報管理部102が注文情報データベースに注文情報を登録した後に実行される。
【0051】
決済処理部103は、注文情報データベースに登録された注文に関する合計金額の算出を行う(S31)。次いで、決済処理部103は、ユーザマスタ部22を参照して、注文受付部101がメニューIDとともに受付けたユーザIDに対応するクレジットカード情報が記憶されているか否か判断する(S32)。
【0052】
決済処理部103は、上記クレジットカード情報があると(S32のY)、決済サーバ5に決済要求を送信して(S33)決済処理を終了する。上記クレジットカード情報がないと(S32のN)、決済処理部103は、会員登録がされていない旨のエラー通知をユーザ端末6に送信する(S34)。
【0053】
続いて、決済処理部103は、注文情報データベースを更新して(S35)、決済処理を終了する。注文情報データベースの更新では、
図8のS3で登録された注文情報を注文情報データベースから削除する処理がなされる。これにより、決済が可能な注文情報、すなわち本システムを利用して注文することができる注文情報を適切に管理することができる。
【0054】
次に、フードコート管理サーバ2の制御部10が行う注文確定処理について説明する。
図11は、フードコート管理サーバ2の制御部10による注文確定処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、注文確定処理は、受信部104が決済サーバ5から決済完了通知を受信した後に実行される。
【0055】
注文情報管理部102は、受信部104が決済サーバ5から決済通知を受信したか否か判断し(S41)、受信していなければ(S41のN)、S41の処理に戻って待機する。決済通知を受信すると(S41のY)、注文情報管理部102は、受信した決済通知が決済の完了を示すものか否か判断する(S42)。
【0056】
決済通知が決済の完了を示すものでない場合(S42のN)、送信部105は、決済が認められなかった旨のエラー通知をユーザ端末6に送信し(S43)、注文情報データベースを更新して(S44)、注文確定処理を終了する。注文情報データベースの更新では、
図8のS3で登録された注文情報を注文情報データベースから削除する処理がなされる。これにより、決済が可能な注文情報、すなわち本システムを利用して注文することができる注文情報を適切に管理することができる。
【0057】
決済通知が決済完了を示すものである場合(S42のY)、注文情報管理部102は、注文情報DB部24の決済ステータス243を「済」に更新し(S45)、送信部105に対して注文受付通知の送信を指示する。送信部105は、注文受付通知をユーザ端末6に送信する(S46)。続いて、注文情報管理部102は、送信部105に対して注文情報の送信を指示し、送信部105は、店舗端末3に注文情報を送信する(S47)。注文情報は、注文IDおよびメニューIDを含む。注文情報管理部102は、送信部105から注文情報が送信されると、注文情報DB部24の発注ステータス244を「済」に更新し(S48)、注文確定処理を終了する。
【0058】
以上説明したとおり、本実施形態のフードコート管理サーバ2は、店舗を利用する顧客のユーザ端末から、当該顧客を特定するユーザ情報と前記店舗に対する注文内容を示す注文情報とを受付ける注文受付部と、前記注文受付部が受付けた複数の店舗に対する注文情報を管理する注文情報管理部と、前記注文受付部が前記ユーザ情報および注文情報を受付けると、前記ユーザ情報と決済に必要な決済情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部を参照して、前記注文情報に係る決済処理を行う決済処理部と、前記注文情報に係る決済が完了すると、当該決済が完了した前記注文情報を対応する店舗の店舗端末に送信する注文情報送信部と、前記決済が完了した注文情報に係る売上と当該売上を計上する店舗とを関連付けた出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0059】
このため、フードコート管理サーバ2によって、複数の店舗に対する注文を受付け、これら注文を一括で管理することができる。具体的には、フードコート管理サーバ2は、ユーザからの注文の受付および各店舗への発注、注文された商品に係る代金の決済、などに係る各種処理を実行する。したがって、フードコートを利用するユーザやフードコートで営業する店舗の利便性を向上できる。例えば、ユーザは座席に座ったまま複数の店舗の商品を注文することができ、店舗は、ユーザから個別に注文を取る必要がない。
【0060】
また、本実施形態のフードコート管理サーバ2は、上記のとおりフードコート内の店舗に対する注文を一括で管理するので、注文された商品の売上管理も行うことができる。したがって、フードコートを管理する管理会社は、フードコート内の売上情報を容易に取得することができる。しかも、本実施形態のフードコート管理サーバ2は、フードコート内の売上情報を取得することを目的とした専用のものではなく、店舗への注文を容易にしてユーザや店舗の利便性を高めるためのものであるから、上記売上情報を取得するために別途システムを構築する必要がなく、構成を簡素化することができる。
【0061】
さらに、注文情報管理部102は、注文情報に係る商品が店舗から顧客に提供がなされたことを示す情報を取得する。このため、フードコート管理サーバ2は、注文された商品がユーザに提供されたか否かも管理することができる。したがって、フードコート管理サーバ2は、商品が提供されて取引が完了した注文の売上を正確に管理することができる。
【0062】
加えて、フードコート管理サーバ2は、決済が完了した注文情報に係る売上を、当該売上を計上する店舗毎に管理する売上情報管理部107を備える。このため、フードコート管理サーバ2は、店舗毎の売上情報をテナント管理サーバ4に出力することができる。したがって、フードコート管理サーバ2によって、管理会社に有用な情報を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。
【0064】
例えば、注文した商品の調理完了をユーザに知らせる調理完了通知は、フードコート管理サーバ2からではなく、店舗端末3からユーザ端末6に送信するようにしてもよい。さらに、本実施形態は、情報処理装置をフードコートの管理に適用したが、フードコートに限らず、複数の店舗を管理する場合に適用することができる。その他、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0065】
なお、本実施形態において、フードコート管理サーバ2、店舗端末3、およびユーザ端末6で用いられる制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、本実施形態のフードコート管理サーバ2、店舗端末3、およびユーザ端末6で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 決済処理システム
2 フードコート管理サーバ(情報処理装置)
3 店舗端末
22 ユーザマスタ部(ユーザ情報記憶部)
101 注文受付部
102 注文情報管理部
103 決済処理部
105 送信部(注文情報送信部)
107 売上情報管理部
110 出力部
【0067】