(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117849
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240822BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106935
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2021080309の分割
【原出願日】2020-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】豊島 有紀
(57)【要約】
【課題】ユーザが競技に投票しやすくする。
【解決手段】投票システム1は、第1端末と第2端末とを備えるシステムであって、第1端末は、第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を第2端末が取得できる状態である共有状態に設定する設定部213と、共有状態にある投票情報を出力する出力部215と、を有し、第2端末は、投票情報を取得する情報取得部216と、投票情報に基づく第2端末の第2ユーザの競技への投票を可能にする投票処理部214と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末と第2端末とを備える情報処理システムであって、
前記第1端末は、
前記第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を前記第2端末が取得できる状態である共有状態に設定する設定部と、
前記共有状態にある前記投票情報を出力する出力部と、を有し、
前記第2端末は、
前記投票情報を取得する情報取得部と、
前記投票情報に基づく前記第2端末の第2ユーザの前記競技への投票を可能にする投票処理部と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
競輪、競馬又は競艇等の投票が行われる各種の競技における投票を携帯端末により行うことができるシステムが知られている。特許文献1には、投票者が携帯端末を用いて投票券を購入することができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投票が行われる競技に採用されている投票の方法は複雑であり、投票の経験が少ない投票者(以下、「投票初心者」という。)にとっては、投票することに対する敷居が高い。例えば、競輪・競馬・競艇等の場合、投票初心者は、投票方式及び競技者を多くの投票パターンの中から選択しなければならないため、どのように投票すればよいかを把握しづらいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが競技に投票しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、第1端末と第2端末とを備える情報処理システムであって、前記第1端末は、前記第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を前記第2端末が取得できる状態である共有状態に設定する設定部と、前記共有状態にある前記投票情報を出力する出力部と、を有し、前記第2端末は、前記投票情報を取得する情報取得部と、前記投票情報に基づく前記第2端末の第2ユーザの前記競技への投票を可能にする投票処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが競技に投票しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る投票システム1のシステム構成を示す図である。
【
図2】端末20のハードウエア構成例を示す図である。
【
図3】記憶部22が記憶する投票情報の一例を示す図である。
【
図4】プロセッサ21の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図5】端末20aの出力部215が出力する投票情報の一例を示す図である。
【
図6】端末20bの表示制御部211が表示する投票情報の一例を示す図である。
【
図7】端末20aが第1端末モードで動作する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】端末20bが第2端末モードで動作する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る投票システム1のシステム構成を示す図である。
図1に示す投票システム1は、情報処理装置10と、複数の端末20とを備える。情報処理装置10及び端末20は、インターネット、イントラネット、無線LAN、又は移動通信網等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。複数の端末20のそれぞれは、他の端末20と無線LAN又はBluetooth(登録商標)等の無線チャネルWを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
情報処理装置10は、投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける装置である。具体的には、情報処理装置10は、端末20を使用するユーザである投票者が、競輪、競馬及び競艇等の競技において、競技に勝つと予想した競技者(選手又は動物を含む)に所定価値を賭けて投票するための支援をする装置である。
【0011】
情報処理装置10は、端末20を使用する投票者が投票した投票対象を記憶する処理、投票者が所有する価値の大きさを記憶する処理、及び競技の結果に応じた報酬額(すなわち払戻額)を決定する処理等を実行する。
【0012】
情報処理装置10は、例えば1又は複数の物理的なサーバから構成されている。情報処理装置10は、ハイパーバイザ(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよく、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0013】
端末20(端末20a、端末20b)は、投票する投票者が利用する端末であり、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の情報処理端末である。投票者は、端末20を操作することで投票対象に投票することができる。
【0014】
端末20は、投票者が投票した投票対象と投票対象に賭けた所定価値とに基づいて、端末20が備えるディスプレイに投票券を表示する。端末20が表示する投票券には、1つ以上の投票対象と当該投票対象に賭けた所定価値とが示されている。
【0015】
投票の対象となる競技が競輪である場合、投票対象は、例えば、賭け式「2連単」において選択された「1着が5番、2着が3番」、又は賭け式「3連複」において選択された「1番、2番及び5番」である。なお、2連単とは、1着と2着の競技者を着順どおりに予想することであり、3連複とは、着順を問わずに1着から3着までに入る競技者を予想することである。
【0016】
所定価値は、金銭でもよく、所定のサービス又はゲームで利用可能なポイント等であってもよい。また、ポイントは、投票者が無償で受け取ることが可能なポイント(無償ポイント)であってもよく、金銭の支払いと引き換えに受け取ることが可能なポイント(有償ポイント)であってもよい。
【0017】
端末20a及び端末20bは、第1端末モードと第2端末モードとを有しており、投票者から受け付けた操作に基づいて、第1端末モード又は第2端末モードを切り替えて動作する。本明細書においては、端末20aが第1端末モードで動作する第1端末であり、端末20bが第2端末モードで動作する第2端末であるという場合を例にして説明する。
【0018】
端末20aを使用する第1ユーザは、競技に勝つと予想した複数の競技者又は競技者に対応する出走枠と投票方式(すなわち賭式)との組み合わせにより定められる投票対象を決定し、決定した投票対象と、投票対象に対する所定価値の投票数又は投票額とを端末20aにおいて操作することにより投票する。
【0019】
第1端末モードで動作する端末20aは、端末20aを使用する第1ユーザが競技に投票した内容を示す投票情報を表示したり送信したりすることにより、投票情報を出力する。端末20aは、第2ユーザが使用する端末20bが投票情報を取得できる状態である共有状態に端末20aを設定した後に、投票情報を出力する。
【0020】
共有状態は、端末20aが記憶している投票情報を端末20bが取得できるように投票情報を出力するように設定された状態である。端末20aを使用する第1ユーザは、投票した投票情報のうち、端末20bが取得することを許可する投票情報を選択する操作を行い、端末20aは、第1ユーザが選択した投票情報を共有状態に設定する。投票情報の出力は、例えば、無線チャネルWを介した投票情報の送信、又は端末20aが有するディスプレイへの投票情報の表示である。
【0021】
第2端末モードで動作する端末20bは、端末20aから投票情報を取得し、取得した投票情報に基づいて、第2ユーザによる競技への投票を可能にする。端末20aが投票情報を表示する場合、端末20bは、端末20aに表示された投票情報を撮像することにより、投票情報を取得する。端末20aが投票情報を送信する場合、端末20bは、無線チャネルWを介して投票情報を取得する。
【0022】
端末20bは、取得した投票情報を表示して、端末20bを使用する第2ユーザが、第1ユーザが投票した内容を確認することを可能にする。第2ユーザは、表示された内容を確認して、表示された投票情報の少なくとも一部を用いた投票をすることができる。投票が行われる競技に採用されている投票の方法は複雑であり、投票初心者にとっては、投票することに対する敷居が高い場合がある。例えば、競輪、競馬、競艇等の場合、投票初心者は、投票方式及び競技者を多くの投票パターンの中から選択しなければならないため、どのように投票すればよいかを把握しづらいことがある。これに対して、端末20a及び端末20bが上述のように動作することで、第2ユーザが投票初心者であるとしても、第1ユーザの投票の内容を参考にして競技に投票することができるので、競技に投票しやすくなる。
【0023】
以下、端末20a及び端末20bの構成及び動作を詳細に説明する。以下の説明において、端末20a及び端末20bに共通する機能及び動作について説明する際には、端末20と称することがある。
【0024】
<ハードウエア構成>
図2は、端末20のハードウエア構成例を示す図である。端末20は、プロセッサ21、記憶部22、通信IF(Interface)23、入力デバイス24、及び出力デバイス25を有する。
【0025】
プロセッサ21は、例えばCPUであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0026】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部22は、プロセッサ21が実行するプログラムと投票情報とを記憶する。
【0027】
図3は、記憶部22が記憶する投票情報の一例を示す図である。
図3に示す投票情報においては、競技を識別するための競技IDと、投票方式と、組番と、投票額と、投票額の表示方法と、投票情報の共有状態の設定とが関連付けられている。投票額の表示方法は、端末20が第1端末モードで動作する場合に投票額をそのまま表示するか、投票額の概数を示す記号又は画像等のマークを表示するかを示す項目である。投票額の表示方法の詳細については後述する。共有設定は、端末20が第1端末モードで動作する場合に投票情報を共有状態するか否かを示す項目である。
【0028】
通信IF23は、通信ネットワークNを介して情報処理装置10との間で有線通信又は無線通信を行うための通信コントローラと、無線チャネルWを介して他の端末20との間で無線通信を行うための通信コントローラとを有する。通信IF23は、プロセッサ21から入力されたデータを情報処理装置10又は他の端末20に送信する。通信IF23は、情報処理装置10又は他の端末20から入力されたデータをプロセッサ21に通知する。
【0029】
入力デバイス24は、例えばユーザから入力操作を受け付ける。入力デバイス24は、例えばタッチパネルである。
【0030】
出力デバイス25は、各種の情報を出力する。出力デバイス25は、例えば、ディスプレイである。出力デバイス25は、ユーザが各種の設定を行ったり投票を行ったりするための画面を表示する。また、出力デバイス25は、第1端末モードで動作する場合に、投票情報を表示する。
【0031】
<機能ブロック構成>
図4は、プロセッサ21の機能ブロック構成例を示す図である。プロセッサ21は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部211、設定受付部212、設定部213、投票処理部214、出力部215及び情報取得部216として機能する。
【0032】
表示制御部211は、画面データを出力デバイス25に出力する。表示制御部211は、例えばユーザによる投票を受け付けるための投票受付画面を出力デバイス25に表示させる。また、表示制御部211は、設定受付部212からの指示に基づいて、設定画面を出力デバイス25に表示させる。さらに、表示制御部211は、第1端末モードにおいて、出力部215からの指示に基づいて投票情報を示す投票情報画面データを出力デバイス25に表示させる。
【0033】
設定受付部212は、端末20のユーザの入力操作に対応する各種の設定を受け付ける。具体的には、設定受付部212は、例えば表示制御部211を介して設定画面を出力デバイス25に表示させ、設定画面を介してユーザの入力操作を受け付ける。設定受付部212は、受け付けた入力操作に基づいてユーザが入力した設定内容を特定した後に、特定した設定内容を設定部213に通知する。
【0034】
各種の設定は、例えば端末20が第1端末モードで動作するか第2端末モードで動作するかの設定、及びユーザが投票した投票額の表示態様の設定である。第1端末モードで動作するか第2端末モードで動作するかの設定は、例えば、投票情報を他の端末20と共有する共有状態にするか、他の端末20に表示された投票情報を読み取る読取状態にするかの設定である。
【0035】
投票額の表示態様の設定は、第1ユーザが指定した投票内容の投票額を示す投票額情報を端末20aに表示する態様の設定である。表示する態様は、例えば、第1ユーザが投票した投票額をそのまま表示するか、第1ユーザが投票した投票額が具体的にわからないように表示態様を変えたマークを表示するかである。
【0036】
設定受付部212は、第1ユーザが投票した競技、組番又は賭け式ごとに、共有状態にするか否かの設定、及び投票額情報を表示する態様の設定を受け付けてもよい。この場合、設定受付部212は、第1ユーザが投票した複数の競技、組番又は賭け式から一以上の競技、組番又は賭け式を第1ユーザに選択させ、第1ユーザが選択した競技、組番又は賭け式の投票情報を共有状態にするか否かの設定、及び投票額情報を表示する態様の設定を受け付ける。このように設定受付部212が動作することで、全ての投票情報は第2ユーザと共有されず、第1ユーザが許容する投票情報に限定して第2ユーザと共有されるようにすることができる。
【0037】
設定部213は、ユーザの入力操作に対応する設定内容を設定受付部212から取得し、取得した設定内容に基づいて、端末20の動作モードを設定する。端末20aの設定部213は、例えば、設定受付部212が第1端末モードで動作するという設定(すなわち共有状態にする設定)を受け付けた場合、端末20aの第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を第2端末モードで動作する端末20bが取得できる共有状態に設定する。設定部213は、共有状態に設定したことを記憶部22に記憶させる。
【0038】
設定部213は、設定受付部212が競技、組番又は賭け式ごとに、共有状態に設定するか否かの設定を受け付けた場合、競技IDに関連付けて、共有状態を記憶部22に記憶させる。具体的には、設定部213は、
図3に示すように、例えば競技ID「NGY-3」に関連付けられた投票を共有状態(
図3における「ON」)に設定したことを記憶部22に記憶させる。
【0039】
投票処理部214は、ユーザの入力操作により受け付けた投票内容に基づいて投票するための処理を実行する。具体的には、投票処理部214は、投票するための処理として、ユーザにより入力された投票内容を情報処理装置10に送信する。投票処理部214は、端末20が第2端末モードで動作する場合に、情報取得部216が取得した投票情報に基づいて、競技への投票を可能にする。具体的には、端末20bの投票処理部214は、情報取得部216が端末20aから取得した投票情報と少なくとも一部が一致する投票情報を情報処理装置10に送信する。投票処理部214がこのように動作することで、第2端末モードで動作する端末20bを操作する第2ユーザは、第1端末モードで動作する端末20aを操作する第1ユーザの投票情報に基づいて競技に投票できる。
【0040】
出力部215は、端末20aが第1端末モードで動作する場合に、共有状態にある投票情報を出力する。出力部215は、例えば
図3に示す投票情報において、共有設定が「ON」である競技ID(
図3においては、競技ID「NGY-3」)に関連付けられた投票情報を記憶部22から取得した後に、取得した投票情報を出力デバイス25に表示させる。
【0041】
出力部215は、設定受付部212が受け付けた設定に対応する態様で、投票額を表示する態様を制御して出力する。投票額をそのまま表示するという表示態様の設定を設定受付部212が受け付けた場合、出力部215は、第1ユーザが投票した投票額をそのまま出力デバイス25に表示させる。第1ユーザが投票した投票額に対応するマークを表示するという表示態様の設定を設定受付部212が受け付けた場合、出力部215は、投票額に対応するマークを出力デバイス25に表示させる。
【0042】
図5は、出力部215が出力する投票情報の一例を示す図である。
図5に示す投票情報においては、投票対象の競技を特定するための情報を表示するための領域221、投票方式を表示するための領域222、投票対象と投票額とを表示するための領域223、及び領域221、222、223に示されている情報を含む投票情報コードであるQRコード224(登録商標)が示されている。
【0043】
図5は、出力部215が、投票額が★(星形)のマークの数により示された投票情報の例を示している。1つの★が所定の金額又は金額の範囲に対応しており、★が多いほど投票額が大きい。例えば、1つの★が1000円に対応しており、「★★★★★」は、投票額が5000円以上6000円未満であることを示す。出力部215がこのような投票情報を出力デバイス25に表示させることで、第2ユーザは、第1ユーザが2連単で1着を3番、2着を5番として多くの投票額を投票したことを認識することができる。また、出力部215が投票額ではなく投票額に対応するマークを出力することで、投票額を知られたくない第1ユーザが、どのような投票をしたかを開示しやすくなる。
【0044】
投票額に対応するマークと投票額との関係は任意であり、マークの数と投票額の範囲とが関連付けられていてもよい。例えば、出力部215は、「投票額が1000円から5000円の場合は★1つ、投票額が5000円から8000円の場合は★2つ」として作成した投票情報を出力してもよい。また、投票額に対応するマークは★に限定されず、出力部215は、投票額を棒の長さで表してもよい。
【0045】
出力部215は、第1価値による第1投票額を表示態様の設定に対応する態様で出力し、第2価値の第2投票額を、表示態様の設定を用いずに出力してもよい。第1価値は、例えば現金である。第2価値は、例えば競技の投票で利用可能なポイントである。このように、出力部215が現金による投票額をマークに変換することで、第1ユーザの現金に関するプライバシーを保護することができる。
【0046】
端末20aの出力部215は、投票情報を出力デバイス25に出力する代わりに、又は投票情報を出力デバイス25に出力するとともに、通信IF23を介して端末20bに投票情報を送信してもよい。端末20aの出力部215は、共有状態に設定されている間に、端末20bとの位置関係が所定の条件を満たす場合(例えば端末20aと端末20bとの距離が所定の距離内の場合)に投票情報を送信してもよい。端末20aの出力部215は、投票情報の送信が許可された端末として端末20bの識別情報又は第2ユーザ名が記憶部22に記憶されていることを条件として、端末20bに投票情報を送信してもよい。
【0047】
情報取得部216は、端末20bが第2端末モードで動作する場合に、第1端末モードで動作する他端末である端末20aが出力した投票情報を取得する。情報取得部216は、例えば端末20aの出力部215がディスプレイに表示させた投票情報を読み取ることで、投票情報を取得する。具体的には、端末20bの情報取得部216は、第2ユーザの操作に基づいて端末20bが読取状態に設定された場合に、カメラ(不図示)を起動して、端末20aに表示されたQRコード224を読み取る。情報取得部216は、例えば
図5に示すQRコード224を読み取った後に、当該QRコード224から投票情報を抽出する。
【0048】
情報取得部216は、無線通信により端末20aの出力部215から出力された投票情報を、通信IF23を介して取得してもよい。情報取得部216は、取得した投票情報を、表示制御部211を介して出力デバイス25に表示させる。
【0049】
さらに、情報取得部216は、取得した投票情報と同一の内容の投票をした他のユーザに関する情報を取得して第2端末に表示させてもよい。情報取得部216は、例えば、取得した投票情報に含まれている投票対象が同一の内容である第1ユーザ以外のユーザの投票情報を情報処理装置10に要求し、該当するユーザを第2ユーザが識別するための他ユーザ情報(例えば、他のユーザの顔画像)を取得する。情報取得部216は、表示制御部211を介して、取得した他ユーザ情報を出力デバイス25に表示させる。第2端末のユーザである第2ユーザは、領域234に表示された他ユーザ情報を見ることにより、第1ユーザ以外のユーザも同じ内容で投票していることを確認できるので、安心して投票をすることができる。
【0050】
情報取得部216は、所定のアプリケーションソフトウェア(例えばSNSアプリケーションソフトウェア)において第2ユーザと他ユーザとの間で共通の友達設定がされている友達ユーザがいて、友達ユーザが第2ユーザに対して他ユーザ情報を公開する設定にしていることを条件として、他ユーザ情報を取得する。情報取得部216がこのように動作することで、他ユーザの顔画像のようなプライバシーに関する情報を適切に保護することができる。
【0051】
情報取得部216は、投票情報に含まれる複数の投票のうち、少なくとも一つの投票において、第1ユーザと同じ投票対象に投票している他ユーザを示す他ユーザ情報と、投票情報に含まれる複数の投票の全てにおいて同じ投票対象に投票している他ユーザを示す他ユーザ情報とを異なる態様で出力デバイス25に表示させてもよい。このように他ユーザ情報が表示されることにより、第2ユーザは、誰がどのような投票をしているかを参考にして、自分自身が第1ユーザと同じ投票対象に投票するかどうかを判断しやすくなる。
【0052】
図6は、端末20bの表示制御部211が表示する投票情報の一例を示す図である。
図6に示す画面においては、投票対象の競技を特定するための情報を表示するための領域231、投票方式を表示するための領域232、投票対象と投票額とを表示するための領域233、他ユーザ情報を表示する領域234、及び表示された投票情報に基づいて投票するための操作画像235が示されている。
【0053】
第2ユーザは、操作画像「購入」を押す(タッチする)ことにより、領域231~233に表示された条件で投票することができる。操作画像「購入」が押されると、投票処理部214が、第2ユーザを識別するための情報(例えば第2ユーザ名)とともに、領域231~233に表示された投票情報を情報処理装置10に送信する。投票処理部214は、操作画像「購入」が押された場合に、購入額を入力したり、投票情報を編集したりする画面を出力デバイス25に表示させてもよい。ユーザは、当該画面において、例えば、投票情報が示す複数の投票のうちの一部を選択することができる。
【0054】
なお、情報取得部216は、端末20aから複数の投票情報を取得した場合、無償のポイントを使って投票した場合の投票情報よりも、現金を使って投票した場合の投票情報を優先的に表示してもよい。第1ユーザが現金を使って投票した投票対象は、無償のポイントを使って投票した投票対象よりも本命である確率が高いと考えられるので、情報取得部216がこのように動作することで、第2ユーザは、第1ユーザが本命と考えている投票対象を把握して投票しやすくなる。
【0055】
また、情報取得部216は、端末20aから複数の投票情報を取得した場合、第1ユーザが投票した頻度が高い投票対象が含まれている投票に対応する投票情報を優先的に表示してもよい。第1ユーザが投票した頻度が高い投票対象も本命である確率が高いと考えられるので、情報取得部216がこのように動作することで、第2ユーザは、第1ユーザが本命と考えている投票対象を把握して投票しやすくなる。
【0056】
<第1端末の処理の流れ>
図7は、端末20aが第1端末モードで動作する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図7においては、端末20aが投票情報を表示する動作の流れを示している。
【0057】
まず、設定部213は、設定受付部212から通知された設定操作の内容に基づいて、投票情報を共有状態にするか否かを判定する(S11)。設定部213は、共有状態にするための設定操作が行われたと判定した場合(S11のYES)、記憶部22が記憶する投票情報を共有状態に設定する(S12)。
【0058】
設定部213は、共有状態に設定した場合、投票額の表示態様を設定する(S13)。具体的には、設定部213は、表示態様の設定を受け付けるための画面を表示制御部211に表示させ、第1ユーザによる表示態様の設定内容を設定受付部212から取得することにより、表示態様を設定する。設定部213は、設定した表示態様を出力部215に通知する。
【0059】
出力部215は、マークを表示するという表示態様が通知された場合(S14においてYES)、記憶部22から取得した投票情報における投票額をマークに変換し、マークが表示された投票情報を出力する(S15)。出力部215は、投票額をそのまま表示するという表示態様が通知された場合(S14においてNO)、記憶部22から取得した投票情報をそのまま出力する(S16)。
【0060】
<第2端末の処理の流れ>
図8は、端末20bが第2端末モードで動作する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図8においては、端末20bが、端末20aから取得した投票情報に基づいて投票処理を実行する動作の流れを示している。
【0061】
まず、端末20bの情報取得部216は、端末20aの出力部215が出力した投票情報を取得する(S21)。続いて、端末20bの情報取得部216は、取得した投票情報に含まれている投票対象(
図3に示す「組番」)と同一の投票対象に投票した他ユーザの情報を、通信ネットワークNを介して情報処理装置10から取得する(S22)。表示制御部211は、情報取得部216が取得した投票情報と他ユーザ情報とを表示する画面(例えば、
図6の画面)を、出力デバイス25に表示させる(S23)。表示制御部211は、第2ユーザが投票対象を選択する操作を受け付け、第2ユーザが選択した投票対象を投票処理部214に通知する(S24)。
【0062】
第2ユーザが、選択した投票対象に基づく投票を行うように操作した場合(S25のYES)、端末20bの投票処理部214は、第2ユーザにより入力された投票額を取得する(S26)。投票処理部214は、選択された投票対象と入力された投票額とを情報処理装置10に送信することで投票処理を行う(S27)。
【0063】
<第1変形例>
以上の説明においては、投票情報コードであるQRコード224が、競技を特定するための情報、投票方式及び投票対象を含む場合を例示したが、QRコード224が、第1ユーザを識別するためのユーザIDをさらに含んでもよい。この場合、情報取得部216は、QRコード224に含まれるユーザIDを情報処理装置10に送信し、送信したユーザIDに対応する第1ユーザが投票した他の投票情報を取得してもよい。情報取得部216は、このようにして取得した投票情報もさらに表示させ、第2ユーザが、当該投票情報に基づいてさらに投票できるようにしてもよい。このように情報取得部216が動作することで、第2ユーザが複数の競技に容易に投票できるようになる。
【0064】
情報取得部216が、このように他の投票情報を取得した場合、情報取得部216は、端末20aから取得した投票情報が示す投票方式と同一の投票方式に対応する投票情報を優先的に出力デバイス25に表示させる。情報取得部216がこのように動作することで、第2ユーザが投票初心者であるとしても、一つの投票方式について理解をすればよいので、投票をしやすくなる。
【0065】
また、情報取得部216が、他の投票情報を取得した場合、複数の投票情報のうち、端末20aから取得した投票情報が示す競技と同一の競技を、第2ユーザが投票する対象としてもよい。情報取得部216がこのように動作することで、第2ユーザが投票初心者である場合に、一つの競技について十分な時間をかけて投票をすることができる。
【0066】
情報取得部216は、他の投票情報のうち、当日開催される他の競技に対応する投票情報を表示する対象としてもよい。一方、情報取得部216は、他の投票情報のうち、既に終了した競技に対応する投票情報を表示する対象から除外してもよい。情報取得部216がこのように動作することで、第2ユーザが、投票ができない競技について無駄な検討をすることなく、投票が可能な当日の各種の競技に投票することが可能になる。
【0067】
なお、情報取得部216が、情報処理装置10から他の投票情報を取得できるか否かの設定を、第1ユーザが情報処理装置10に対して行えるようにしてもよい。この場合、情報処理装置10は、第1ユーザに関連付けて、他の投票情報を開示可能とする第2ユーザ名を記憶しておく。情報処理装置10は、記憶された第2ユーザの端末20bから第1ユーザの他の投票情報を要求された場合に、他の投票情報を端末20bに送信する。情報処理装置10がこのように動作することで、第1ユーザの投票情報に関するプライバシーを適切に保護することができる。
【0068】
<第2変形例>
以上の説明においては、第2ユーザが端末20bを操作することにより、第1ユーザが端末20aを操作して共有状態に設定した投票情報を取得する場合を例示したが、第1ユーザが端末20aを操作することにより端末20bに投票情報を取得させてもよい。
【0069】
具体的には、例えば、端末20aは、投票情報と第2ユーザのユーザ情報(例えば、第2ユーザの顔画像)とを端末20aに表示する。第1ユーザは、端末20aに表示された投票情報を長押しする。続いて、第1ユーザは、長押しした指を第2ユーザのユーザ情報が表示された位置まで移動させた後に端末20aから長押しした指を離す。端末20aは、第1ユーザが長押しした指を離すことで、第1ユーザが指を離した位置に表示されている第2ユーザ情報に関連付けられた端末20bに投票情報を出力する。
【0070】
端末20aがこのように動作することで、第1ユーザの投票情報を共有するユーザを、第1ユーザが決定することができる。その結果、第1ユーザの投票情報に関するプライバシーを適切に保護することができる。
【0071】
<第3変形例>
以上の説明においては、端末20aと端末20bとが同一の構成を有する端末である場合を例示したが、端末20aが第1端末としてのみ動作する端末であり、端末20bが第2端末としてのみ動作する端末であってもよい。
【0072】
<投票システム1の効果>
以上説明したように、投票システム1は、第1端末モードで動作する端末20aと第2端末モードで動作する端末20bとを有する。端末20aは、端末20aを使用する第1ユーザの投票情報を端末20bが取得できる状態である共有状態に設定する設定部213と、設定した共有状態を出力する出力部215とを有する。端末20bは、端末20aが出力した投票情報を取得する情報取得部216と、取得した投票情報に基づく投票を可能にする投票処理部214とを有する。
【0073】
そして、端末20bの投票処理部214が、端末20bの情報取得部216が取得した端末20aから取得した投票情報に基づいて投票処理を行うことで、端末20bを使用する第2ユーザは、第1ユーザと同一の内容の投票を行うことができる。これにより、例えば第2ユーザがどのように競技に投票すればよいかを把握しづらい場合であっても、競技に投票しやすくなる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0075】
上記実施形態に加えて、さらに以下を付記する。
(付記1)
第1端末と第2端末とを備える情報処理システムであって、
前記第1端末は、
前記第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を前記第2端末が取得できる状態である共有状態に設定する設定部と、
前記共有状態にある前記投票情報を出力する出力部と、を有し、
前記第2端末は、
前記投票情報を取得する情報取得部と、
前記投票情報に基づく前記第2端末の第2ユーザの前記競技への投票を可能にする投票処理部と、
を有する情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、投票者が容易に投票できる。
(付記2)
前記情報取得部は、前記出力部が前記第1端末の表示部に表示した前記投票情報を読み取ることで、前記投票情報を取得する、
付記1に記載の情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、他者の情報端末に表示された投票内容に基づいて容易に投票できる。
(付記3)
前記情報取得部は、無線通信により前記出力部から出力された前記投票情報を取得する、
付記1に記載の情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、他者の投票内容を無線通信により取得して容易に投票できる。
(付記4)
前記第1端末は、前記第1ユーザが指定した投票内容の投票額を示す投票額情報を前記第1端末に表示する態様の設定を受け付ける設定受付部をさらに有し、
前記出力部は、前記設定受付部が受け付けた前記設定に対応する態様で、前記投票額を表示する態様を制御して出力する
付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、投票額のプライバシーを投票者が所望するレベルに応じて保護することができる。
(付記5)
前記出力部は、第1価値による第1投票額を前記設定に対応する態様で出力し、第2価値の第2投票額を、前記設定を用いずに出力する、
付記4に記載の情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、投票者の現金に関するプライバシーを保護することができる。
(付記6)
前記第2端末は、取得した前記投票情報と同一の内容の投票をした他のユーザに関する情報を前記第2端末に表示する、
付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
このように情報処理システムが構成されていることにより、第2端末のユーザは、第1端末のユーザと同じ内容で投票するように動機づけることができる。
(付記7)
第1端末と第2端末とが実行する情報処理方法であって、
前記第1端末が、前記第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を前記第2端末が取得できる状態である共有状態に設定するステップと、
前記第1端末が、前記共有状態にある前記投票情報を出力するステップと、
前記第2端末が、前記投票情報を取得するステップと、
前記投票情報に基づく前記第2端末の第2ユーザの前記競技への投票を可能にするステップと、
を実行する情報処理方法。
このような情報処理方法を実行することにより、ユーザ(投票者)が競技への投票を容易に行うことができる。
(付記8)
コンピュータを、
第1端末モードで動作するか第2端末モードで動作するかの設定を受け付ける設定受付部、
前記第1端末モードで動作する場合に、前記第1端末の第1ユーザが競技に投票した投票内容を示す投票情報を前記第2モードで動作する他端末が取得できる状態である共有状態に設定する設定部、
前記第1端末モードで動作する場合に、前記共有状態にある前記投票情報を出力する出力部、
前記第2端末モードで動作する場合に、前記第1端末モードで動作する他端末が出力した前記投票情報を取得する情報取得部、及び
前記第2端末モードで動作する場合に、前記情報取得部が取得した前記投票情報に基づいて、前記競技への投票を可能にする投票処理部、
として機能させるためのプログラム。
このようなプログラムをプロセッサが実行することにより、ユーザ(投票者)が競技への投票を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0076】
1 投票システム
10 情報処理装置
20 端末
21 プロセッサ
22 記憶部
23 通信IF
24 入力デバイス
25 出力デバイス
211 表示制御部
212 設定受付部
213 設定部
214 投票処理部
215 出力部
216 情報取得部
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1ユーザが競技に投票した複数の投票の投票内容を示す投票情報に基づいて第2ユーザから前記競技への投票を受け付け、
取得した前記投票情報と少なくとも一部が同一の内容の投票をした前記第1ユーザ以外の他のユーザの情報を前記第2ユーザに表示し、前記他のユーザが前記第1ユーザの一部の投票情報に基づいて投票した場合と、全ての投票情報に基づいて投票した場合とで、前記他のユーザの情報の表示の態様を異ならせる、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、第1ユーザが競技に投票した複数の投票の投票内容を示す投票情報に基づいて第2ユーザから前記競技への投票を受け付け、
プロセッサが、取得した前記投票情報と少なくとも一部が同一の内容の投票をした前記第1ユーザ以外の他のユーザの情報を前記第2ユーザに表示し、前記他のユーザが前記第1ユーザの一部の投票情報に基づいて投票した場合と、全ての投票情報に基づいて投票した場合とで、前記他のユーザの情報の表示の態様を異ならせる、
方法。
【請求項3】
プロセッサに、第1ユーザが競技に投票した複数の投票の投票内容を示す投票情報に基づいて第2ユーザから前記競技への投票を受け付けさせ、
プロセッサが、取得した前記投票情報と少なくとも一部が同一の内容の投票をした前記第1ユーザ以外の他のユーザの情報を前記第2ユーザに表示させ、前記他のユーザが前記第1ユーザの一部の投票情報に基づいて投票した場合と、全ての投票情報に基づいて投票した場合とで、前記他のユーザの情報の表示の態様を異ならせる、
プログラム。
【請求項4】
サーバと端末備え、
前記サーバは、
第1の端末を有する第1ユーザが競技に投票した複数の投票の投票内容を示す投票情報に基づいて第2の端末を有する第2ユーザから前記競技への投票を受け付け、
取得した前記投票情報と少なくとも一部が同一の内容の投票をした前記第1ユーザ以外の他のユーザの情報を前記第2の端末に表示し、前記他のユーザが前記第1ユーザの一部の投票情報に基づいて投票した場合と、全ての投票情報に基づいて投票した場合とで、前記他のユーザの情報の表示の態様を異ならせる、
システム。