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特開2024-117896電子機器、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117896
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】電子機器、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240823BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20240823BHJP
   G09B 17/00 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G09B5/02
G09B17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023973
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 健夫
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
【Fターム(参考)】
2C028AA02
2C028AA03
2C028AA04
2C028BB01
2C028BC01
5E555AA17
5E555AA22
5E555AA63
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555CA10
5E555CA17
5E555CA44
5E555CB10
5E555CB21
5E555CB76
5E555DA02
5E555DA12
5E555DB41
5E555DC05
5E555DC13
5E555DC31
5E555DC45
5E555DC85
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】学習用画面の表示領域をより広く確保する電子機器、表示制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子機器1は、表示部14と、姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う自装置の動きを検出するためのセンサ16と、センサ16からの出力データに基づいて、自装置の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象を学習するための複数種類の学習用画面のうち、検出した動きに対応付けられて予め定められている学習用画面を表示部14に表示させる処理部(CPU11)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う自装置の動きを検出するためのセンサと、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象を学習するための複数種類の学習用画面のうち、検出した前記動きに対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる処理部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の前記動きとして、前記表示部の表示面に略垂直な軸の回りの第1の回転を検出可能であり、
前記第1の回転を検出した場合に、前記複数種類の学習用画面のうち前記第1の回転に対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記第1の回転における回転方向を検出可能であり、
検出された前記第1の回転における前記回転方向が第1の回転方向である場合と、検出された前記第1の回転における前記回転方向が前記第1の回転方向とは反対の方向である場合とで、前記複数種類の学習用画面のうちの互いに異なる学習用画面を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記処理部は、前記第1の回転の回転量に応じて、前記第1の回転の終了後における前記学習用画面がユーザから見て適正な向きとなるように前記表示部に表示させる前記学習用画面の向きを決定する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の前記動きとして、前記表示部の表示面に略平行な軸の回りの第2の回転を検出可能であり、
前記第2の回転を検出した場合に、前記複数種類の学習用画面のうち前記第2の回転に対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の前記動きとして前記自装置の移動を検出可能であり、
前記移動が検出された場合に、前記複数種類の学習用画面のうち前記移動に対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の前記移動における移動方向を検出可能であり、
第1の移動方向の前記移動が検出された場合と、前記第1の移動方向とは異なる第2の移動方向の前記移動が検出された場合とで、前記複数種類の学習用画面のうち互いに異なる学習用画面を前記表示部に表示させる、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記学習対象は、文字又は単語であり、
前記複数種類の学習用画面は、前記学習対象の構成要素を強調表示する画面、前記学習対象の用法を表示する画面、前記学習対象の読み方を表示する画面、前記学習対象の書き順を動画で表示する画面、及び前記学習対象の意味を表示する画面のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記学習対象は、漢字であり、
前記学習対象の構成要素は、前記漢字の部首である、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記学習対象は、アルファベットからなる単語である、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項11】
前記処理部は、前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置が複数回連続して往復動をしたことを検出した場合に、前記学習対象を、画数が前記往復動の回数に一致するいずれかの文字又は単語に切り替える、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項12】
前記処理部は、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の移動軌跡を特定可能であり、
或る文字又は単語を表す前記移動軌跡を特定した場合に、前記学習対象を、前記或る文字又は単語に切り替える、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項13】
外部からの操作入力を受け付ける操作部を備え、
前記処理部は、前記操作部に対して前記操作入力がなされた場合に前記学習対象を切り替える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項14】
前記操作部は、前記表示部の表示面とは反対側に設けられたスイッチである、
請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
前記複数種類の学習用画面は、前記学習対象を表示する基本画面を含み、
前記処理部は、前記複数種類の学習用画面のうち前記基本画面以外の1つの学習用画面が表示された状態で所定の待機時間が経過した場合に、前記表示部における表示を前記基本画面に遷移させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項16】
表示部と、姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う自装置の動きを検出するためのセンサと、を備えた電子機器のコンピュータが実行する表示制御方法であって、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象を学習するための複数種類の学習用画面のうち、検出した前記動きに対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる、
表示制御方法。
【請求項17】
表示部と、姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う自装置の動きを検出するためのセンサと、を備えた電子機器に設けられたコンピュータに、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象を学習するための複数種類の学習用画面のうち、検出した前記動きに対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漢字や単語といった学習対象を学習するための学習用画面を表示部に表示可能な電子機器がある。このような電子機器においては、学習用画面に操作ボタンを表示し、この操作ボタンに対するユーザの操作に応じて学習用画面の内容を切り替える技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザにより操作ボタンが操作されたことに応じて、漢字の筆順を表す筆順アニメーションを表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-98866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、操作ボタンの表示領域を確保するために学習用画面の表示領域が制限されるという課題がある。
【0005】
本発明は、学習用画面の表示領域をより広く確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、
表示部と、
姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う自装置の動きを検出するためのセンサと、
前記センサからの出力データに基づいて、前記自装置の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象を学習するための複数種類の学習用画面のうち、検出した前記動きに対応付けられて予め定められている学習用画面を前記表示部に表示させる処理部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、学習用画面の表示領域をより広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器の構成を示す正面図である。
図2】電子機器の構成を示す側面図である。
図3】電子機器の機能構成を示すブロック図である。
図4】電子機器をボードに貼り付けた状態を示す側面図である。
図5】漢字及び基本画面の切り替え動作を示す図である。
図6】画面切替設定データの内容例を示す図である。
図7】横方向の移動に応じた部首強調画面の表示動作を示す図である。
図8】縦方向の移動に応じた熟語画面の表示動作を示す図である。
図9】右回りの第1の回転に応じた読み画面の表示動作を示す図である。
図10】左回りの第1の回転に応じた読み画面の表示動作を示す図である。
図11】第2の回転に応じた筆順アニメーション画面の表示動作を示す図である。
図12】画数を指定して学習対象の選択する動作を示す図である。
図13】電子機器の移動軌跡に基づいて学習対象の漢字を検索する動作を示す図である。
図14】画面表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図15】画面表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
図16】変形例に係る電子機器の構成及び動作例を示す図である。
図17】変形例に係る電子機器の他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
<電子機器の構成>
図1は、電子機器1の構成を示す正面図である。
図2は、電子機器1の構成を示す側面図である。
電子機器1は、略直方体形状の筐体10と、筐体10の前面10aに設けられた表示部14と、筐体10のうち表示部14の表示面14aとは反対側の背面10bに設けられた背面スイッチ15(操作部、スイッチ)及びマグネット19等を備える。本実施形態では、筐体10の前面10a、背面10b、及び表示部14の表示領域はいずれも正方形である。筐体10は、ユーザが片手で保持できる大きさであり、例えば、前面10aの一辺は5~10cm程度とすることができる。
【0011】
本実施形態では、表示部14として電子ペーパーが用いられている。表示部14には、学習対象としての漢字(文字)を学習するための学習用画面20が表示される。1つの漢字に対して、内容及び表示態様が互いに異なる複数種類の学習用画面20が用意されている。図1では、複数種類の学習用画面20のうち、学習対象の漢字そのもの(ここでは、「嵐」)を表す基本画面20aが表示部14に表示されている。表示させる学習用画面20を切り替える方法や、学習対象の漢字を切り替える方法については、後述する。なお、学習対象は、漢字以外の任意の文字、又は単語であってもよい。
以下では、ユーザが、学習用画面20を適正に読める向きに電子機器1を保持した状態において、筐体10の前面10aの4辺のうちユーザから見て上下に延在する辺に平行な方向を「縦方向」と記し、左右に延在する辺に平行な方向を「横方向」と記す。
【0012】
図2に示すように、筐体10の背面10bの略中央に、側方(前面10aに平行な方向)から見て背面10bから突出するように、押しボタン状の背面スイッチ15が設けられている。背面スイッチ15は、外部からの操作入力を受け付ける操作部の一態様である。また、背面10bの周縁部には複数のマグネット19が設けられている。側方から見て表示部14及び/又はマグネット19が筐体10から突出しない構成としてもよい。
【0013】
図3は、電子機器1の機能構成を示すブロック図である。
電子機器1は、CPU11(Central Processing Unit)(1以上の処理部)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、表示部14と、背面スイッチ15と、センサ16と、入出力I/F(インターフェース)17と、バス18などを備える。電子機器1の各部は、バス18を介して接続されている。また、電子機器1の各部は、筐体10に格納された図示しないバッテリーから供給される電力により動作する。
【0014】
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、電子機器1の動作を制御するプロセッサである。なお、電子機器1は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサにより1以上の処理部が構成される。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0015】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0016】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部13に記憶されるデータとしては、コンテンツデータ132、及び画面切替設定データ133などがある。このうちコンテンツデータ132は、学習対象の候補となる複数の漢字の各々に係る学習用画面20の内容のデータを含む。コンテンツデータ132は、電子機器1の出荷時に記憶部13に記憶されていてもよいし、出荷後に入出力I/F17を介して、電子辞書、PC、又はスマートフォン等の外部機器や、メモリーカード等の記録媒体から取得可能であってもよい。
【0017】
表示部14は、本実施形態では、電気泳動方式の電子ペーパー(電気泳動ディスプレイ)である。この電子ペーパーは、互いに逆極性に帯電した白色粒子及び黒色粒子が封入された多数のマイクロカプセルを有するシートを備え、当該シートに対して画素ごとに印加された電圧の極性に応じて白色粒子又は黒色粒子を表示面側に移動させて白又は黒の表示を行う。電子ペーパーでは、電圧の印加が終了した後もマイクロカプセル内で白色粒子及び黒色粒子の位置がほぼ変化しないため、表示内容が維持される。
なお、電子ペーパーは電気泳動方式に限られない。また、表示部14として、電子ペーパーに代えて、液晶ディスプレイ等の公知のディスプレイを用いてもよい。
【0018】
背面スイッチ15は、押下されることで所定の信号をCPU11に送信する。
【0019】
センサ16は、加速度及び角速度を検出して検出結果をCPU11に出力する。センサ16は、例えば、3軸加速度センサ、及び3軸ジャイロセンサを備える。3軸加速度センサは、電子機器1に加わる各軸方向の加速度を所定のサンプリング周波数で検出し、検出結果として加速度データをCPU11に出力する。3軸ジャイロセンサは、電子機器1に加わる各軸回りの角速度を所定のサンプリング周波数で検出し、検出結果として角速度データをCPU11に出力する。CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて各種公知のデータ処理を行うことで、姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う電子機器1の動きを検出することができる。検出可能な動きには、任意の軸の回りでの電子機器1の回転(回転方向を含む)、及び、電子機器1の移動(移動方向、移動軌跡を含む)等がある。なお、センサ16の構成は上記に限られず、例えば、電子機器1の向きを検出するための3軸地磁気センサを備えていてもよい。
【0020】
入出力I/F17は、USB(Universal Serial Bus)等の所定の規格の通信ケーブルが接続されるコネクタを備える。入出力I/F17は、この通信ケーブルを介して接続された外部機器とCPU11との間のデータの送受信を媒介する。接続される外部機器は、特には限られないが、例えば電子辞書、PC、又はスマートフォン等であってもよい。
また、入出力I/F17は、所定の規格のメモリーカード(記録媒体)が挿入されるスロットを備える。CPU11は、このスロットに挿入されたメモリーカードからデータを読み出したり、メモリーカードにデータを書き込んだりすることができる。
なお、入出力I/F17に加えて(又は入出力I/F17に代えて)、外部機器との間で所定の通信規格に従って無線通信を行う通信部が設けられていてもよい。
【0021】
<電子機器の動作>
次に、電子機器1の動作について説明する。
まず、学習対象の漢字の切り替えに係る動作について説明する。
【0022】
電子機器1の背面10bにはマグネット19が設けられているので、当該マグネット19の磁力により、電子機器1を金属製のボード30等に貼り付けることができる。
図4は、電子機器1をボード30に貼り付けた状態を示す側面図である。
電子機器1がボード30に貼り付けられると、背面スイッチ15が押された状態となる。本実施形態では、この背面スイッチ15の押下に応じて学習対象の漢字が別の漢字に切り替わる。よって、ユーザは、電子機器1をボード30に貼り付けることで、学習対象の漢字を切り替えることができる。学習対象の漢字が切り替わると、図5に示すように、切り替え後の漢字(ここでは「学」)の基本画面20aが表示部14に表示される。
なお、背面スイッチ15は、ユーザの手によって押下することもできる。
【0023】
背面スイッチ15の押下に応じた切り替え後の漢字は、予め設定された学習範囲(例えば、「小学校2年生で習う範囲」、「テストの出題範囲」等)に属する複数の漢字の中から選択される。本実施形態では、学習範囲に属する複数の漢字の中から毎回ランダムに漢字が選択される。ただし、これに限られず、例えば、学習範囲に属する複数の漢字の順序を予め設定しておき、この順序に従って順番に漢字を選択してもよい。
【0024】
上記の学習範囲は、ユーザが設定可能であってもよい。
例えば、入出力I/F17を介して外部機器が接続された状態で、外部機器において所定の設定操作を行うことで、電子機器1における漢字の学習範囲を設定可能であってもよい。この場合は、コンテンツデータ132に含まれる全ての漢字のデータのうち、設定操作により指定された学習範囲に属する一部の漢字のデータが、学習用画面20の表示に用いられる。
また、入出力I/F17を介して外部機器から、所望の学習範囲に属する漢字のデータを含むコンテンツデータ132を毎回ダウンロードすることで学習範囲が設定される態様であってもよい。特に、外部機器として電子辞書を用いることで、電子辞書に格納された豊富な漢字データを、電子機器1における漢字の学習に用いることができる。
また、所望の学習範囲に属する漢字のデータを含むコンテンツデータ132が記録されたメモリーカードを入出力I/F17のスロットに挿入することで、メモリーカード内のコンテンツデータ132により学習範囲が設定される態様であってもよい。この場合、互いに異なる学習範囲のコンテンツデータ132が記憶された複数のメモリーカードを入れ替えることで、簡易に学習範囲を切り替えることができる。
【0025】
次に、1つの漢字に係る複数種類の学習用画面20の切り替えに係る動作を説明する。
ユーザは、電子機器1を手に取って所定の態様で動かす(姿勢や位置を変化させる)ことで、表示する学習用画面20の種類を切り替えることができる。この動作を実現するために、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1が、予め定められた互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを行ったか否かを判別する。CPU11は、上記の複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、複数種類の学習用画面20のうち、検出した動きに対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。電子機器1の複数の動きの各々と、表示させる学習用画面20との対応関係は、画面切替設定データ133に記憶されている。
【0026】
図6は、画面切替設定データ133の内容例を示す図である。
画面切替設定データ133においては、電子機器1の複数の動きの各々に対して、複数種類の学習用画面20のいずれかが対応付けられている。
本実施形態では、電子機器1の複数の動きは、横方向(第1の移動方向)の移動と、縦方向(第2の移動方向)の移動と、右回り(第1の回転方向)の第1の回転と、左回り(第2の回転方向)の第1の回転と、第2の回転と、を含む。ここで、第1の回転は、表示部14の表示面14aに略垂直な軸A1(図9及び図10参照)の回りの回転であり、第2の回転は、表示部14の表示面14aに略平行な軸A2(図11参照)の回りの回転である。また、表示面14aに略垂直とは、表示面14aに垂直であることを含み、表示面14aの法線との間でなす角が10°以下であることを含む。また、表示面14aに略平行とは、表示面14aに平行であることを含み、表示面14aとの間でなす角が10°以下であることを含む。
また、本実施形態では、複数の学習用画面20は、基本画面20aと、部首強調画面20b(学習対象の構成要素を強調表示する画面)(図7参照)と、熟語画面20c(学習対象の用法を表示する画面)(図8参照)と、音読み画面20da及び訓読み画面20db(学習対象の読み方を表示する画面)(図9図10参照)と、筆順アニメーション画面20e(学習対象の書き順を動画で表示する画面)(図11参照)と、を含む。以下では、音読み画面20da及び訓読み画面20dbのうち任意の一方を指す場合には「読み画面20d」と記す。なお、これらは学習用画面20の一例であり、これらとは異なる学習用画面20が用いられてもよい。
図6に示す例においては、横方向の移動には部首強調画面20bが対応付けられている。また、縦方向の移動には熟語画面20cが対応付けられている。また、右回りの第1の回転には読み画面20d(音読み画面20da、訓読み画面20dbの順)が対応付けられている。また、左回りの第1の回転には読み画面20d(訓読み画面20db、音読み画面20daの順)が対応付けられている。なお、右回りの第1の回転には音読み画面20daのみを対応付け、左回りの第1の回転には訓読み画面20dbのみを対応付けるようにしてもよい。また、第2の回転には筆順アニメーション画面20eが対応付けられている。電子機器1の動きと学習用画面20との対応関係は、ユーザが変更できるようになっていてもよい。
以下、図7図11を参照して、図6に示す電子機器1の動きのそれぞれと、対応する学習用画面20の内容について具体的に説明する。
【0027】
図7は、横方向の移動に応じた部首強調画面20bの表示動作を示す図である。
図7の左側に示すように、ユーザが電子機器1を横方向に振って、電子機器1の横方向の移動が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから、図7の右側に示す部首強調画面20bに遷移する。横方向の移動は、往復動であってもよいし、右方向又は左方向への1回の移動であってもよい。また、移動方向の成分は、厳密に横方向の成分のみでなくてもよく、縦方向の成分が含まれてもよい。この場合、移動方向における横方向の成分が縦方向の成分よりも大きい場合に、横方向の移動であると判別してもよい。
【0028】
部首強調画面20bは、基本画面20aと同様に、表示部14の略全体に大きく表示された1文字の漢字を含み、当該漢字の構成要素である部首(ここでは、「子」)が所定の態様で強調表示されている。部首の強調表示の態様は、特には限られないが、例えば、図7のように部首以外の部分を白抜きで表示することで相対的に部首を強調する態様や、部首のみを赤字等で着色して表示する態様、あるいは、部首の線を太くしたり部首を拡大したりする態様などであってもよい。
【0029】
図8は、縦方向の移動に応じた熟語画面20cの表示動作を示す図である。
図8の左側に示すように、ユーザが電子機器1を縦方向に振って、電子機器1の縦方向の移動が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから、図8の右側に示す熟語画面20cに遷移する。縦方向の移動は、往復動であってもよいし、上方向又は下方向への1回の移動であってもよい。また、移動方向の成分は、厳密に縦方向の成分のみでなくてもよく、横方向の成分が含まれてもよい。この場合、移動方向における縦方向の成分が横方向の成分よりも大きい場合に、縦方向の移動であると判別してもよい。
【0030】
熟語画面20cには、学習対象の漢字を含む熟語(ここでは「学問」)と、その読み方とが表示されている。表示される熟語は、ランダムに選択されてもよいし、所定の順序で選択されてもよい。また、所定の操作(例えば、電子機器1を手前や奥に傾ける操作)が検出されるごとに、表示される熟語が切り替わるようにしてもよい。
【0031】
図9は、右回りの第1の回転に応じた読み画面20dの表示動作を示す図である。
図9では、軸A1を中心に、表示部14と正対する方向から見て右回りに電子機器1が回転している。ここでは、軸A1が電子機器1の外部にある場合が例示されているが、これに限られず、軸A1は電子機器1を通る位置にあってもよい(図10図11においても同様)。右回りの第1の回転が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから読み画面20dに遷移する。詳しくは、まず図9の右側に示す音読み画面20daが表示され、一定時間の後に、又は所定の操作が検出された場合に、訓読み画面20db(図10参照)が表示される。
【0032】
図9に示す例では、回転前における電子機器1の左上隅の点Pが、回転後に右上隅に位置するように、電子機器1が右回りに90°回転している。このため、第1の回転の終了後における読み画面20dがユーザから見て適正な向きとなるように、表示部14における読み画面20dの向きが、電子機器1の回転量(90°)に応じて、回転前の基本画面20aの向きに対して左回りに90°回転した向きに調整される。
【0033】
図10は、左回りの第1の回転に応じた読み画面20dの表示動作を示す図である。
図10では、軸A1を中心に、表示部14と正対する方向から見て左回りに電子機器1が回転している。左回りの第1の回転が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから読み画面20dに遷移する。詳しくは、まず図10の右側に示す訓読み画面20dbが表示され、一定時間の後に、又は所定の操作が検出された場合に、音読み画面20da(図9参照)が表示される。
【0034】
図10に示す例では、電子機器1が左回りに90°回転している。このため、第1の回転の終了後における読み画面20dがユーザから見て適正な向きとなるように、表示部14における読み画面20dの向きが、回転前の基本画面20aの向きに対して右回りに90°回転した向きに調整される。
【0035】
なお、図9及び図10において、電子機器1を最初に90°回転させる操作の後に、回転前の状態に戻す操作(最初とは反対回りに90°回転させる操作)がなされている場合には、読み画面20dの向きは、基本画面20aの向きと同一とすればよい。
また、図9及び図10では、第1の回転の角度として90°を例示したが、これに限られず、180°、270°、360°、又はこれらの中間の角度であってもよい。例えば第1の回転の角度が180°であり、その後に回転前の状態に戻す操作がなされない場合には、読み画面20dの向きは、回転前の基本画面20aの向きに対して180°回転した向きに調整すればよい。
【0036】
図11は、第2の回転に応じた筆順アニメーション画面20eの表示動作を示す図である。
図11では、軸A2を中心に、表示部14の表示面14aを手前に倒す向きで電子機器1が一回転している。このような第2の回転が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから、図11の右側に示す筆順アニメーション画面20eに遷移する。筆順アニメーション画面20eは、学習対象の漢字を、その筆順に従って一画ずつ描いていく動画である。筆順アニメーション画面20eとして、例えば、学習対象の漢字の筆順に沿って表示内容を連続的に変化させていくものが考えられる。また、筆順アニメーション画面20eとして、学習対象の漢字の筆順ごとに表示内容を順次切り替えるもの(学習対象の漢字の第n画目(例えば、1画目)の部分を表示部14に表示させた状態で、所定の時間が経過すると、第n+1画目(例えば、2画目)の部分を表示部14に更に表示させるもの)が考えられる。
【0037】
なお、第2の回転は、図11とは逆方向(表示面14aを奥側に倒す向き)であってもよい。また、第2の回転は、軸A2を中心として一回転する動作に限られず、軸A2を中心に一定の角度だけ回転した後に回転前の状態まで逆方向に回転する動作であってもよい。このような第2の回転は、例えば、表示面14aを手前に傾斜させた後に元に戻す操作を行った場合に検出される。
また、第2の回転の回転方向に応じて異なる学習用画面20を表示させてもよい。
【0038】
基本画面20a以外の1つの学習用画面20(部首強調画面20b、熟語画面20c、又は読み画面20d)が表示された状態で所定の待機時間(例えば、数十秒~数分程度)が経過した場合には、表示部14における表示が自動的に基本画面20aに遷移する。また、図11の筆順アニメーション画面20eが終了した場合にも、表示部14における表示が自動的に基本画面20aに遷移する。
【0039】
ところで、電子機器1の動きの検出結果は、学習対象の漢字の選択や検索に用いることもできる。以下、この動作の例について説明する。
【0040】
図12は、画数を指定して学習対象の漢字を選択する動作を示す図である。
本実施形態では、図12の左側に示すように、電子機器1が同一方向へ複数回連続して往復動したことが検出されると、往復動の回数(N回とする)が特定される。そして、画数が往復動の回数に一致する漢字(すなわち、N画の漢字)の中からランダムに漢字が選択され、学習対象の漢字が、選択された漢字に切り替えられる。また、図12の右側に示すように、切り替え後の漢字の基本画面20aが表示部14に表示される。このように、電子機器1を複数回振る操作により、画数を指定した学習対象の漢字の選択及び切り替えを行うことができる。
【0041】
図13は、電子機器1の移動軌跡に基づいて学習対象の漢字を検索する動作を示す図である。
本実施形態では、電子機器1において所定の移行操作がなされると、手書き検索モードに移行する。移行操作は、特には限られないが、例えば、電子機器1を手に取って所定の態様で動かす操作であってもよいし、背面スイッチ15を手で複数回連続して押下する操作等であってもよい。手書き検索モードでは、センサ16の出力データに基づいて、図13の左側に示すように、電子機器1の移動軌跡Tが導出される。この移動軌跡Tは、二次元ストロークデータに変換され、当該二次元ストロークデータに基づいて所定の漢字認識処理により漢字の認識(検索)が試みられる。漢字認識処理により漢字が認識されると、学習対象の漢字が、認識された漢字に切り替えられ、図13の右側に示すように、切り替え後の漢字(ここでは、「子」)の基本画面20aが表示部14に表示される。このように、手書き検索モードでは、電子機器1の移動軌跡に基づいて学習対象の漢字を検索して切り替えることができる。
【0042】
<画面表示処理>
次に、上述した学習用画面20の表示動作を実現するためにCPU11が実行する画面表示処理について説明する。
図14及び図15は、画面表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
画面表示処理は、電子機器1の電源が投入された場合に開始される。あるいは、画面表示処理は、電子機器1がスリープモードから解除された場合に開始されてもよい。ここで、スリープモードは、例えば、電子機器1が静止した状態で一定時間が経過した場合に開始される動作モードであり、スリープモードからの解除操作を受け付ける機能等を除いた主要機能を停止して電力消費を低減するモードである。スリープモードからの解除操作は、例えば、電子機器1を手で保持して動かす操作や、背面スイッチ15を押下する操作とすることができる。
【0043】
画面表示処理が開始されると、CPU11は、上述した方法で設定された学習範囲に属する漢字のデータをコンテンツデータ132から取得する(ステップS101)。また、CPU11は、背面スイッチ15が押されたか否かを判別し(ステップS102)、押されていないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、再度ステップS102を実行する。背面スイッチ15が押されたと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、CPU11は、学習範囲に属する複数の漢字の中からランダムに漢字を選択し、選択した漢字の基本画面20aを表示部14に表示させる(ステップS103)。
【0044】
CPU11は、背面スイッチ15が離されたか否かを判別し(ステップS104)、離されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、再度ステップS104を実行する。背面スイッチ15が離されたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU11は、センサ16の出力データの取得を開始する(ステップS105)。
【0045】
CPU11は、手書き検索モードへの移行操作がなされたか否かを判別する(ステップS106)。移行操作がなされたと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて電子機器1の移動軌跡を導出して二次元ストロークデータに変換し、二次元ストロークデータに基づいて漢字認識を試みる(ステップS107)。漢字認識に成功した場合には(ステップS108で“YES”)、CPU11は、認識された漢字の基本画面20aを表示部14に表示させる(すなわち、学習対象の漢字を、認識された漢字に切り替える)(ステップS109)。
【0046】
ステップS106において、手書き検索モードへの移行操作がなされていないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、複数回連続する往復動を検出したか否かを判別する(ステップS110)。複数回連続する往復動を検出したと判別された場合には(ステップS110で“YES”)、CPU11は、画数が往復動の回数と一致する漢字の中からランダムに漢字を選択し、選択した漢字の基本画面20aを表示部14に表示させる(すなわち、学習対象の漢字を、選択した漢字に切り替える)(ステップS111)。
【0047】
ステップS109又はS111が終了した場合、若しくは、ステップS110において、複数回連続する往復動を検出していないと判別された場合には(ステップS110で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、電子機器1の横方向の移動を検出したか否かを判別する(ステップS112)。横方向の移動を検出したと判別された場合には(ステップS112で“YES”)、CPU11は、部首強調画面20bを表示部14に表示させる(ステップS113)。
【0048】
横方向の移動を検出していないと判別された場合には(ステップS112で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、電子機器1の縦方向の移動を検出したか否かを判別する(ステップS114)。縦方向の移動を検出したと判別された場合には(ステップS114で“YES”)、CPU11は、熟語画面20cを表示部14に表示させる(ステップS115)。
【0049】
縦方向の移動を検出していないと判別された場合には(ステップS114で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、電子機器1の右回りの第1の回転を検出したか否かを判別する(ステップS116)。右回りの第1の回転を検出したと判別された場合には(ステップS116で“YES”)、CPU11は、読み画面20d(音読み画面20da、訓読み画面20dbの順)を表示部14に表示させる(ステップS117)。
【0050】
右回りの第1の回転を検出していないと判別された場合には(ステップS116で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、電子機器1の左回りの第1の回転を検出したか否かを判別する(ステップS118)。左回りの第1の回転を検出したと判別された場合には(ステップS118で“YES”)、CPU11は、読み画面20d(訓読み画面20db、音読み画面20daの順)を表示部14に表示させる(ステップS119)。
【0051】
ステップS113、S115、S117、S119のいずれかが終了すると、CPU11は、所定の待機時間が経過したか否かを判別し(ステップS120)、待機時間が経過していないと判別された場合には(ステップS120で“NO”)、再度ステップS120を実行する。待機時間が経過したと判別された場合には(ステップS120で“YES”)、CPU11は、表示部14の表示を基本画面20aに遷移させる(ステップS123)。
【0052】
ステップS118において、左回りの第1の回転を検出していないと判別された場合には(ステップS118で“NO”)、CPU11は、センサ16の出力データに基づいて、電子機器1の第2の回転を検出したか否かを判別する(ステップS121)。第2の回転を検出したと判別された場合には(ステップS121で“YES”)、CPU11は、筆順アニメーション画面20eを表示部14に表示させる(ステップS122)。筆順アニメーション画面20eの表示が終了すると、CPU11は、表示部14の表示を基本画面20aに遷移させる(ステップS123)。
なお、各学習用画面20から基本画面20aを経由せずに別の学習用画面20に遷移させることが可能であってもよい。すなわち、CPU11は、ステップS120において待機時間が経過するまでの期間や、ステップS122において筆順アニメーション画面20eを表示している期間に、ステップS112、S114、S116、S118、S121の判別を行い、“YES”に分岐する判別がなされた場合に、対応する学習用画面20に遷移させてもよい。
【0053】
ステップS123が終了した場合、又は、ステップS121において、第2の回転を検出していないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、CPU11は、背面スイッチ15が押されたか否かを判別する(ステップS124)。背面スイッチ15が押されたと判別された場合には(ステップS124で“YES”)、CPU11は、センサ16の出力データの取得を終了し(ステップS125)、処理をステップS103に移行させて次の漢字の基本画面20aを表示部14に表示させる。
【0054】
一方、背面スイッチ15が押されていないと判別された場合には(ステップS124で“NO”)、CPU11は、電子機器1の動作を終了させる所定の動作終了操作(例えば、電源をオフする動作)がなされたか否かを判別する(ステップS126)。動作終了操作がなされていないと判別された場合には(ステップS126で“NO”)、CPU11は、処理をステップS106に戻す。動作終了操作がなされたと判別された場合には(ステップS126で“YES”)、CPU11は、画面表示処理を終了させる。
【0055】
<変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態との相違点について説明し、上記実施形態と共通する構成については共通の符号を付して説明を省略する。
上記実施形態では、学習対象が漢字(文字)である場合を例示したが、本変形例における学習対象は単語であり、より詳しくは、ラテン文字のアルファベットからなる英単語である。ただし、ラテン文字以外のアルファベットからなる単語、例えば、キリル文字のロシア語等、又はギリシャ文字のギリシャ語等であってもよい。
【0056】
図16は、変形例に係る電子機器1の構成及び動作例を示す図である。
本変形例に係る電子機器1は、表示部14の表示領域が長方形をなしている。図16の上側に示すように、基本画面20aにおいては、表示部14の表示領域の長手方向にアルファベットが並ぶように英単語が表示される。
また、本変形例においても、電子機器1の複数の動きの各々に対して、複数種類の学習用画面20のいずれかが対応付けられており、複数の動きのいずれかが検出されると、対応する学習用画面20が表示部14に表示される。例えば、図16の上側に示すように、電子機器1の或る方向への往復動が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから、図16の下側に示す意味画面20f(学習対象の意味を表示する画面)に遷移する。意味画面20fは、学習対象の英単語の和訳を含む。
【0057】
図17は、変形例に係る電子機器1の他の動作例を示す図である。
図17の上側に示すように、軸A1の回りの第1の回転が検出されると、表示部14の表示が、基本画面20aから、図17の下側に示す例文画面20g(学習対象の用法を表示する画面)に遷移する。例文画面20gは、学習対象の英単語を用いた例文を含む。例文画面20gでは、表示部14の長手方向に例文がスクロール表示される。ここでは、図16における筐体10の左上隅の点Pが、図17に示すように右下隅に位置するように、電子機器1が180°回転している。このため、第1の回転の終了後における読み画面20dがユーザから見て適正な向きとなるように、表示部14における読み画面20dの向きが、電子機器1の回転量(180°)に応じて、回転前の基本画面20aの向きに対して180°回転した向きに調整される。
【0058】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る電子機器1は、表示部14と、姿勢及び位置の少なくとも一方の変化を伴う電子機器1の動きを検出するためのセンサ16と、CPU11と、を備え、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象としての文字又は単語を学習するための複数種類の学習用画面20のうち、検出した動きに対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。
これにより、学習用画面20の切り替えのための操作ボタンを表示部14に表示させる必要がなくなるため、学習用画面20の表示領域をより広く確保することができる。よって、必要な学習用画面20の表示領域を確保しつつ、電子機器1を小型化したり、大きさを最適化したりすることができる。また、電子機器1を手に取って動かす簡易かつ直感的な操作で、所望の学習用画面20を表示させることができる。よって、ユーザが楽しみながら継続して学習できる環境を提供することができる。
【0059】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の動きとして、表示部14の表示面14aに略垂直な軸A1の回りの第1の回転を検出可能であり、第1の回転を検出した場合に、複数種類の学習用画面20のうち第1の回転に対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。これにより、電子機器1を手に取って回転させる簡易かつ直感的な操作で所望の学習用画面20を表示させることができる。
【0060】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて第1の回転における回転方向を検出可能であり、検出された第1の回転における回転方向が右回りである場合と、検出された第1の回転における回転方向が右回りとは反対の左回りである場合とで、複数種類の学習用画面20のうちの互いに異なる学習用画面20(音読み画面20da、訓読み画面20db)を表示部14に表示させる。これにより、電子機器1を異なる方向に回転させることで、異なる学習用画面20を表示させることができる。
【0061】
また、CPU11は、第1の回転の回転量に応じて、第1の回転の終了後における学習用画面20がユーザから見て適正な向きとなるように表示部14に表示させる学習用画面20の向きを決定する。これにより、電子機器1の回転後も適正な向きで学習用画面20を表示させることができる。
【0062】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の動きとして、表示部14の表示面14aに略平行な軸A2の回りの第2の回転を検出可能であり、第2の回転を検出した場合に、複数種類の学習用画面20のうち第2の回転に対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。これにより、電子機器1を手前側又は奥側に回転させる簡易かつ直感的な操作で所望の学習用画面20を表示させることができる。
【0063】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の動きとして電子機器1の移動を検出可能であり、移動が検出された場合に、複数種類の学習用画面20のうち移動に対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。これにより、電子機器1を移動させる簡易かつ直感的な操作で所望の学習用画面20を表示させることができる。
【0064】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の移動における移動方向を検出可能であり、横方向の移動が検出された場合と、縦方向の移動が検出された場合とで、複数種類の学習用画面20のうち互いに異なる学習用画面20を表示部14に表示させる。これにより、電子機器1を異なる方向に移動させることで、異なる学習用画面20を表示させることができる。
【0065】
また、学習対象は、文字又は単語であり、複数種類の学習用画面20は、学習対象の構成要素を強調表示する部首強調画面20b、学習対象の用法を表示する熟語画面20c又は例文画面20g、学習対象の読み方を表示する読み画面20d、学習対象の書き順を動画で表示する筆順アニメーション画面20e、及び学習対象の意味を表示する意味画面20fのうちの少なくとも1つを含む。これにより、1つの学習対象について種々の学習用画面20を表示させることができる。
【0066】
また、学習対象は、漢字であり、学習対象の構成要素は、漢字の部首である。これにより、漢字及びその部首を効果的に学習可能な環境を提供することができる。
【0067】
また、学習対象は、アルファベットからなる単語である。これにより、単語を効果的に学習可能な環境を提供することができる。
【0068】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1が複数回連続して往復動をしたことを検出した場合に、学習対象を、画数が往復動の回数に一致するいずれかの文字又は単語に切り替える。これにより、電子機器1を複数回振る簡易かつ直感的な操作で、画数を指定して学習対象の文字又は単語を切り替えることができる。
【0069】
また、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の移動軌跡を特定可能であり、或る文字又は単語を表す移動軌跡を特定した場合に、学習対象を、或る文字又は単語に切り替える。これにより、軌跡を描くように電子機器1を動かす簡易かつ直感的な操作で学習対象の文字又は単語を検索して切り替えることができる。
【0070】
また、電子機器1は、外部からの操作入力を受け付ける背面スイッチ15を備え、CPU11は、背面スイッチ15に対して操作入力がなされた場合に学習対象を切り替える。これにより、背面スイッチ15を押下する簡易な操作で学習対象の文字又は単語を切り替えることができる。
【0071】
また、背面スイッチ15は、表示部14の表示面14aとは反対側に設けられている。これにより、筐体10の背面10b側をボード30等に貼り付ける直感的な操作で学習対象の文字又は単語を切り替えることができる。
【0072】
また、複数種類の学習用画面20は、学習対象を表示する基本画面20aを含み、CPU11は、複数種類の学習用画面20のうち基本画面20a以外の1つの学習用画面20が表示された状態で所定の待機時間が経過した場合に、表示部14における表示を基本画面20aに遷移させる。これにより、特段の操作を行わなくても基本画面20aに戻すことができる。
【0073】
また、本実施形態に係る表示制御方法において、CPU11は、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象としての漢字を学習するための複数種類の学習用画面20のうち、検出した動きに対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる。これにより、学習用画面20の表示領域をより広く確保することができる。また、簡易かつ直感的な操作で所望の学習用画面20を表示させることができる。
【0074】
また、本実施形態に係るプログラム131は、CPU11に、センサ16からの出力データに基づいて、電子機器1の互いに異なる複数の動きのうちいずれかの動きを検出した場合に、学習対象としての漢字を学習するための複数種類の学習用画面20のうち、検出した動きに対応付けられて予め定められている学習用画面20を表示部14に表示させる処理を実行させる。これにより、学習用画面20の表示領域をより広く確保することができる。また、簡易かつ直感的な操作で所望の学習用画面20を表示させることができる。
【0075】
<その他>
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、電子機器1として、学習対象の学習のための専用の機器を例示したが、これに限られず、電子機器1は、学習以外の用途にも用いることが可能な汎用機器であってもよい。例えば、スマートフォンやタブレット端末といった汎用機器に学習用アプリケーションプログラムをインストールして実行することで、上記実施形態の電子機器1と同様の機能が実現されてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、背面スイッチ15が押された場合に学習対象の文字又は単語を切り替えたが、これに代えて、電子機器1の所定の動き(例えば往復動)が検出された場合に学習対象の文字又は単語を切り替えてもよい。この場合には、背面スイッチ15を省略してもよい。また、学習対象として或る文字又は単語が選択されてから所定時間が経過した場合に、自動的に学習対象の文字又は単語が切り替わるようにしてもよい。
【0077】
また、操作部として背面スイッチ15を例示したが、これに限られず、操作部は、筐体10の任意の面に設けられた押しボタンやスイッチ等であってもよい。
【0078】
また、電子機器1の複数の動きは、上記実施形態に例示したものに限られない。例えば、表示部14の表示面14aに垂直な方向への移動、鉛直方向上方への投げ上げ、鉛直方向下方への落下などが検出された場合に、それぞれに対応する学習用画面20に表示を切り替えてもよい。
【0079】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のフラッシュメモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD、SSD、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0080】
上記実施形態における電子機器1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
また、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0081】
1 電子機器
10 筐体
11 CPU(処理部)
13 記憶部
14 表示部
15 背面スイッチ(操作部)
16 センサ
19 マグネット
20 学習用画面
20a 基本画面
20b 部首強調画面
20c 熟語画面
20d 読み画面
20da 音読み画面
20db 訓読み画面
20e 筆順アニメーション画面
20f 意味画面
20g 例文画面
30 ボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17