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特開2024-117905可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ
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  • 特開-可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ 図1
  • 特開-可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ 図2
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  • 特開-可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ 図4
  • 特開-可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117905
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 1/324 20200101AFI20240823BHJP
【FI】
F04B1/324
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023989
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000241267
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム
(72)【発明者】
【氏名】三浦 恵史
(72)【発明者】
【氏名】高木 賢一
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀記
【テーマコード(参考)】
3H070
【Fターム(参考)】
3H070BB04
3H070BB06
3H070CC31
3H070CC35
3H070CC37
3H070DD53
3H070DD96
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作用室から本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を容易に製作し得る可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプを提供する。
【解決手段】制御シリンダ25には排出孔31に連接して排出溝32を表面に窪み形成する。斜板に対向作用する作用室の圧力流体に基づく作用力とばねのばね力とが略平衡作用して斜板の傾転角が最小となる状態において、作用室から排出孔31を流れて本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を排出溝32と制御ピストン24とにより構成する。絞り部は制御シリンダ25の表面と略直交する方向の排出溝32の深さ寸法Lと、この深さ寸法Lと略直交する方向の排出溝32の幅寸法とに基づく面積の開口とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内へ収装して回転軸と回転方向に係合したシリンダブロックと、シリンダブロックに軸方向へ往復動自在に配置した複数のピストンと、各ピストンとシリンダブロックとにより区画形成して流体を吸入吐出する複数の作動室と、シリンダブロックより突出した各ピストンの先端部が摺接して各ピストンの往復動量を設定する傾転自在な斜板と、斜板を傾転角の減少方向へ押圧する軸方向へ移動自在な制御ピストンと、制御ピストンを嵌合して制御ピストンを押圧する圧力流体を導入する作用室を区画形成する制御シリンダと、制御シリンダに形成して作用室の圧力流体を本体内へ排出する排出孔と、制御ピストンの押圧に抗して斜板の傾転角を増加方向へ斜板にばね力を付与するばねとを備え、制御シリンダには排出孔に連接して排出溝を表面に窪み形成し、斜板に対向作用する作用室の圧力流体に基づく作用力とばねのばね力とが略平衡作用して斜板の傾転角が最小となる状態において、作用室から排出孔を流れて本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を排出溝と制御ピストンとにより構成し、絞り部は制御シリンダの表面と略直交する方向の排出溝の深さ寸法とこの深さ寸法と略直交する方向の排出溝の幅寸法とに基づく面積の開口としたことを特徴とする可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダブロックに複数のピストンを軸方向へ往復摺動自在に配置し、ピストンの往復動量を傾転自在な斜板で設定し、斜板の傾転角を軸方向へ移動自在な制御ピストンで調整する可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプは、シリンダブロックに軸方向へ往復動自在に複数のピストンを配置し、各ピストンの往復動量を傾転自在な斜板で設定し、斜板に制御ピストンの押圧力とばね(スプリング)のばね力とを対向作用して斜板の傾転角を調整し、シリンダブロックの回転で各ピストンが往復摺動して圧力流体を吸入吐出している。制御ピストンは制御シリンダ(シリンダ)に嵌合して圧力流体を導入する作用室を区画形成し、作用室に導入する圧力流体に基づく作用力を制御ピストンの押圧力として斜板を傾転角の減少方向に押圧する。制御シリンダには作用室の圧力流体を本体(ハウジング)内へ排出する排出孔(連通孔)を形成し、斜板に対向作用する作用室の圧力流体に基づく作用力とばねのばね力とが略平衡作用して斜板の傾転角が最小となる状態において、排出孔の一部を制御ピストンの後端部で覆い、作用室から本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を構成している。そして、排出孔は平面視で略扇形状に形成し、制御ピストンの軸方向移動により絞り部の開口面積が急変することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58-6971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる従来の可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプでは、作用室から本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を制御ピストンと排出孔から構成しているため、排出孔を加工形成する制御シリンダが、特に、肉厚であると、孔加工が面倒で製作に手間がかかる問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、作用室から本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を容易に製作し得る可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
本体内へ収装して回転軸と回転方向に係合したシリンダブロックと、シリンダブロックに軸方向へ往復動自在に配置した複数のピストンと、各ピストンとシリンダブロックとにより区画形成して流体を吸入吐出する複数の作動室と、シリンダブロックより突出した各ピストンの先端部が摺接して各ピストンの往復動量を設定する傾転自在な斜板と、斜板を傾転角の減少方向へ押圧する軸方向へ移動自在な制御ピストンと、制御ピストンを嵌合して制御ピストンを押圧する圧力流体を導入する作用室を区画形成する制御シリンダと、制御シリンダに形成して作用室の圧力流体を本体内へ排出する排出孔と、制御ピストンの押圧に抗して斜板の傾転角を増加方向へ斜板にばね力を付与するばねとを備え、制御シリンダには排出孔に連接して排出溝を表面に窪み形成し、斜板に対向作用する作用室の圧力流体に基づく作用力とばねのばね力とが略平衡作用して斜板の傾転角が最小となる状態において、作用室から排出孔を流れて本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を排出溝と制御ピストンとにより構成し、絞り部は制御シリンダの表面と略直交する方向の排出溝の深さ寸法とこの深さ寸法と略直交する方向の排出溝の幅寸法とに基づく面積の開口としたことを特徴とする可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプがそれである。
【発明の効果】
【0007】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明は、制御シリンダには排出孔に連接して排出溝を表面に窪み形成し、斜板に対向作用する作用室の圧力流体に基づく作用力とばねのばね力とが略平衡作用して斜板の傾転角が最小となる状態において、作用室から排出孔を流れて本体内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部を排出溝と制御ピストンとにより構成し、絞り部は制御シリンダの表面と略直交する方向の排出溝の深さ寸法とこの深さ寸法と略直交する方向の排出溝の幅寸法とに基づく面積の開口とした。このため、絞り部を構成する排出溝は、制御シリンダの表面に窪み形成するから、制御シリンダが肉厚であっても影響を受け難くでき、絞り部を制御ピストンと排出孔から構成する従来ポンプに比し、容易に製作することができる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明は、絞り部は制御シリンダの表面と略直交する方向の排出溝の深さ寸法とこの深さ寸法と略直交する方向の排出溝の幅寸法とに基づく面積の開口とした。このため、深さ寸法や幅寸法は簡単に設定することができるから、用途に応じた最適な開口の面積を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示した可変容量形斜板式アキシャルピストンポンプの縦断面図である。
図2図1の要部Aの拡大断面図である。
図3図2の線B-Bに沿った断面図である。
図4図2の矢視Cから見た図である。
図5】他の実施形態を示した図4に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、1は本体で、前方端を閉塞して後方端を開口した円筒状のハウジング2とハウジング2の後方端開口を閉塞する後蓋部材3とから構成している。4は回転軸で、本体2の内部を挿通し、ハウジング2の前方端に配置したラジアル玉軸受5と後蓋部材3に配置したラジアルころ軸受6とで回転自在に軸支し、先端をハウジング2の前方端より外部に突出して図示しない電動機と結合する。
【0011】
7は斜板で、本体1内部に傾転自在に軸支し、回転軸4の軸線と直交する線に対して一定の角度傾転する。8はシリンダブロックで、本体1内部へ収装し、自身の軸心で回転軸4とスプライン係合して回転方向に係合し、回転軸4で回転駆動される。シリンダブロック8は、軸心より径方向外方で周方向へ等間隔に複数のピストン孔9を形成している。各ピストン孔9は斜板7と対向するシリンダブロック8の一端面に開口している。10はピストンで、シリンダブロック8の各ピストン孔9に軸方向へ往復動自在に嵌挿し、シリンダブロック8とにより作動室11を区画形成している。各ピストン10は先端を球状の凸部に形成してシュー12を枢動自在に枢着している。斜板7には各ピストン10のシュー12が摺接し、斜板7は傾転した角度に基づき各ピストン10の往復動量を設定する。
【0012】
各シュー12は、シリンダブロック8の軸心に収装したばね13のばね力がピン14、リテーナ15、リテーナ板16を介して付与され、斜板7に押し付けられる。作動室11は、各ピストン10の図1左方向への往動で容積が増加して流体を吸入すると共に、各ピストン10の図1右方向への複動で容積が減少して圧力流体を吐出する。各作動室11には接続孔17を接続し、各接続孔17はシリンダブロック8の一端面と対向する他端面に周方向へ等間隔に開口している。
【0013】
18はシリンダブロック8の他端面と摺接する円板状の弁板で、各作動室11に各接続孔17を介して吸入する流体が流通する吸入ポート19と、吐出する圧力流体が流通する吐出ポート20とを貫通形成している。吸入ポート19、吐出ポート20は半円弧状で弁板18の軸心に対して対称位置に配置している。弁板18はラジアルころ軸受6の外周にインロー嵌合し、回転軸4と同芯に本体1内部へ配置している。弁板18はばね13のばね力がシリンダブロック8を介して付与され、後蓋部材3に押し付けられる。21は円柱状のピン部材で、後蓋部材3の内面に軸方向へ突設し、弁板18に係合して弁板18を回り止めする。
【0014】
22は流体の吸入流路、23は圧力流体の吐出流路で、それぞれ後蓋部材3に形成し、吸入流路22は吸入ポート19に接続し、吐出流路23は吐出ポート20に接続している。24は制御ピストンで、後蓋部材3の内面に軸方向へ突設した円柱状の制御シリンダ25に軸方向へ移動自在に嵌装し、斜板7を傾転角の減少方向へ押圧する。26はばねで、本体1内部で斜板7の背部に配置し、制御ピストン24の押圧に抗して斜板7に傾転角の増加方向へばね力を付与する。
【0015】
27は圧力流体を導入する作用室で、制御シリンダ25に制御ピストン24を嵌合して区画形成する。28は作用室27に導入する圧力流体を流通する流通孔で、制御シリンダ25の軸心に軸方向へ貫通形成する。29は後蓋部材3に備える圧力調整弁で、吐出流路23の圧力がカットオフ圧力に達すると圧力流体を流通孔28より作用室27に導入する。制御ピストン24は作用室27に導入する圧力流体に基づく作用力で斜板7を押圧する。30は棒状の最大吐出量調整部材で、流通孔28の内部を挿通して後蓋部材3に螺合し、外部からの回動操作により軸方向先端を作用室27内に進退自在にして制御ピストン24の作用室27に面する内面と当接自在に設け、斜板7の最大傾転角を規制してポンプの最大吐出量を設定する。
【0016】
31は制御シリンダ25に形成した排出孔で、作用室27の圧力流体を本体1内部へ排出する。排出孔31は制御シリンダ25の軸方向の略中間部で、径方向の対称位置に2個設け、制御シリンダ25の表面と流通孔28との間を貫通している。32は排出溝で、排出孔31の後蓋部材3側に連接して制御シリンダ25の表面に窪み形成している。図2ないし図4に示す如く、排出溝32は制御シリンダ25表面からの平面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて幅寸法Wが漸減する略V字形状に形成する。また、排出溝32は制御シリンダ25表面と略直交する断面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて深さ寸法Lが漸減する傾斜形状に形成する。
【0017】
33は排出溝32と制御ピストン24の後端部24Rとにより構成した絞り部で、斜板7に対向作用する作用室27の圧力流体に基づく作用力とばね26のばね力とが略平衡作用して斜板7の傾転角が最小となる状態(図1に示す状態)において、作用室27から流通孔28、排出孔31を流れて本体1内へ排出する圧力流体を絞り制御する。絞り部33は、制御ピストン24の後端部24Rと排出溝32とが重合する位置において、制御シリンダ25表面と略直交する方向の排出溝32の深さ寸法Lと、深さ寸法Lと略直交する方向の排出溝32の幅寸法Wとに基づく略三角形状の面積Sの開口とする。
【0018】
次にかかる構成の作動を説明する。
図1の状態は、吐出流路23の吐出圧力が圧力調整弁29で設定したカットオフ圧力に達している状態を示し、斜板7に対向作用する作用室27の圧力流体に基づく作用力とばね26のばね力とが略平衡作用して斜板7の傾転角を最小としている。作用室27には圧力調整弁29より流通孔28を流れて圧力流体が導入されると共に、作用室27の圧力流体が流通孔28、排出孔31を流れ絞り部33で絞り制御され、本体1内に排出される。
【0019】
この状態では、斜板7の傾転角が最小であるから、各ピストン10の往復動量が略零となり、回転軸4の回転駆動に伴うシリンダブロック8の回転により、各ピストン10が往復動せず各作動室11の容積が増減しないから、吐出流路23から吐出する圧力流体の吐出量は略零となっている。
【0020】
この状態で、吐出流路23の吐出圧力が圧力調整弁29で設定したカットオフ圧力より低下すると、作用室27の圧力流体が流通孔28を流れて圧力調整弁29より低圧側に排出されて作用室27の圧力が低下し、斜板7はばね26のばね力で付勢されて制御ピストン24を押圧して図1右方向に傾転し、傾転角を最大にする。このとき、排出孔31、排出溝32は制御ピストン24で塞がれる。
【0021】
斜板7の傾転角を最大にした状態では、各ピストン10の往復動量が最大となり、シリンダブロック8の回転により容積が増加する作動室11には、吸入流路22より吸入ポート19を流通して流体が吸入される。また、シリンダブロック15の回転により容積が減少する作動室11の圧力流体は、吐出ポート20を流通して吐出流路23より吐出される。このように、シリンダブロック8の回転に伴い流体の吸入と圧力流体の吐出を連続して行うポンプ作動をする。そして、回転軸4の回転駆動を停止すると、ポンプ作動を停止する。
【0022】
かかる作動において、制御シリンダ25には排出孔31に連接して排出溝32を表面に窪み形成し、斜板7に対向作用する作用室27の圧力流体に基づく作用力とばね26のばね力とが略平衡作用して斜板7の傾転角が最小となる状態において、作用室27から排出孔31を流れて本体1内へ排出する圧力流体を絞り制御する絞り部33を排出溝32と制御ピストン24とにより構成し、絞り部33は制御シリンダ25の表面と略直交する方向の排出溝32の深さ寸法Lとこの深さ寸法Lと略直交する方向の排出溝32の幅寸法Wとに基づく面積Sの開口とした。このため、絞り部33を構成する排出溝32は、制御シリンダ25の表面に窪み形成するから、制御シリンダ25表面と流通孔28との間の厚さ寸法が肉厚であっても影響を受け難くでき、絞り部を制御ピストンと排出孔から構成する従来ポンプに比し、容易に製作することができる。
【0023】
また、絞り部33は制御シリンダ25の表面と略直交する方向の排出溝32の深さ寸法Lとこの深さ寸法Lと略直交する方向の排出溝32の幅寸法Wとに基づく面積Sの開口とした。このため、深さ寸法Lや幅寸法Wは簡単に設定することができるから、用途に応じた最適な開口の面積Sを容易に得ることができる。
【0024】
また、排出溝32は、制御シリンダ25表面からの平面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて幅寸法Wが漸減する略V字形状に形成すると共に、制御シリンダ25表面と略直交する断面視が排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて深さ寸法Lが漸減する傾斜形状に形成する。このため、絞り部33の開口の面積Sは制御ピストン24の軸方向位置に応じて漸増漸減するから、作用室27の急激な圧力変動を抑制する機能を良好に維持できる。
【0025】
図5は本発明の他の実施形態を示し、一実施形態と同一個所には同符号を付して説明を省略し、異なる個所についてのみ説明する。
絞り部を構成する排出溝34は、制御シリンダ25表面からの平面視を楕円形状に形成し、楕円の長径部を制御シリンダ25の軸方向に配置すると共に、楕円の短径部を制御シリンダ25の軸方向との直交方向に配置ている。また、排出溝34は、制御シリンダ25表面と略直交する断面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて深さ寸法が漸減する傾斜形状に形成する。
【0026】
作動は、一実施形態と同様にポンプ作動を行う。
この作動で、絞り部を構成する排出溝34は、制御シリンダ25の表面に窪み形成するから、制御シリンダ25表面と流通孔28(図1に示す)との間の厚さ寸法が肉厚であっても影響を受け難くでき、絞り部を制御ピストンと排出孔から構成する従来ポンプに比し、容易に製作することができる。
【0027】
また、絞り部は制御シリンダ25の表面と略直交する方向の排出溝34の深さ寸法とこの深さ寸法と略直交する方向の排出溝34の幅寸法W1とに基づく面積の開口とした。このため、深さ寸法や幅寸法は簡単に設定することができるから、一実施形態と同様に、用途に応じた最適な開口の面積を容易に得ることができる。
【0028】
また、排出溝34は、制御シリンダ25表面からの平面視を楕円形状に形成すると共に、制御シリンダ25表面と略直交する断面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて深さ寸法が漸減する傾斜形状に形成する。このため、絞り部の開口の面積は制御ピストン24の軸方向位置に応じて漸増漸減するから、一実施形態と同様に、作用室の急激な圧力変動を抑制する機能を良好に維持できる。
【0029】
なお、前述の実施形態では、排出溝32、34は、制御シリンダ25表面からの平面視を略V字形状や楕円形状に形成したが、略U字形状に形成してもよい。また、排出溝32、34は、制御シリンダ25表面と略直交する断面視を排出孔31との連接側から先端側(後蓋部材3側)に向けて深さ寸法が漸減する傾斜形状に形成したが、制御シリンダ25表面と略直交する断面視を平坦状に形成してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1:本体
4:回転軸
7:斜板
8:シリンダブロック
10:ピストン
11:作動室
24:制御ピストン
25:制御シリンダ
26:ばね
27:作用室
31:排出孔
32、34:排出溝
33:絞り部
図1
図2
図3
図4
図5