IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジタの特許一覧

<>
  • 特開-設置器具 図1
  • 特開-設置器具 図2
  • 特開-設置器具 図3
  • 特開-設置器具 図4
  • 特開-設置器具 図5
  • 特開-設置器具 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117907
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】設置器具
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20240823BHJP
【FI】
G03B17/56 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023992
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】森時 悠
(72)【発明者】
【氏名】森 大樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 洋治
【テーマコード(参考)】
2H105
【Fターム(参考)】
2H105AA02
2H105AA25
2H105AA28
2H105EE08
(57)【要約】
【課題】保安用品を利用して建設現場等に設置されたカメラにより撮影する場合の制限を緩和する。
【解決手段】物品を設置する設置器具(1)は、脚部(100)と、脚部の上方に位置し、伸縮可能でありかつ物品を取り付け可能に構成された支持部(120)と、を備え、設置器具は、上端(801)及び下端(802)が開口した中空体であるロードコーン(8)と組み合わせて用いられ、脚部と支持部とは、設置器具及びロードコーンが設置面(9)に設置されるときに、脚部がロードコーンの内部空間に収容され、支持部がロードコーンの上端の開口から突出して上方に延伸するように構成される。支持部に取り付けられる物品は、カメラ(2)であり得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を設置する設置器具であって、
脚部と、
前記脚部の上方に位置し、伸縮可能でありかつ前記物品を取り付け可能に構成された支持部と、を備え、
前記設置器具は、上端及び下端が開口した中空体であるロードコーンと組み合わせて用いられ、
前記脚部と前記支持部とは、前記設置器具及び前記ロードコーンが設置面に設置されるときに、前記脚部が前記ロードコーンの内部空間に収容され、前記支持部が前記ロードコーンの前記上端の前記開口から突出して上方に延伸するように構成される
設置器具。
【請求項2】
前記支持部に取り付けられる前記物品は、カメラである、請求項1に記載の設置器具。
【請求項3】
前記脚部と前記支持部とは、前記設置器具及び前記ロードコーンが設置面に設置されるときに、前記ロードコーンの内部空間に第2の物品を収容可能な空間が画成されるように構成される、請求項1又は2に記載の設置器具。
【請求項4】
前記第2の物品は、前記支持部に取り付けられる前記物品を動作させる外付けバッテリである、請求項3に記載の設置器具。
【請求項5】
前記脚部は、前記第2の物品を載せ置くことが可能な棚部を有する、請求項3に記載の設置器具。
【請求項6】
前記支持部が前記ロードコーンの前記上端の開口を通っているときに、前記設置器具と前記ロードコーンとの相対的な位置関係を固定した状態と変更可能な状態とに切り替え可能なストッパをさらに備える、請求項1に記載の設置器具。
【請求項7】
前記ロードコーンをさらに備え、
前記ロードコーンは、前記設置器具の前記支持部が前記ロードコーンの前記上端の開口を通っているときに、前記設置器具と前記ロードコーンとの相対的な位置関係を固定した状態と変更可能な状態とに切り替え可能なストッパをさらに備える、請求項1に記載の設置器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置器具に関し、より具体的には、外部電源で動作可能なカメラ等の電子機器を設置するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場(建築現場)で監視等に利用するカメラの設置方法として、一般にロードコーンと呼ばれる円錐形の保安用品の頂部にカメラを装着して現場内に設置する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-175125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ロードコーンの頂部に装着したカメラは、視点が作業員等の身長と比べて低く、かつ定期的にバッテリの充電や交換を行わなければならない。そのため、ロードコーンの頂部に装着したカメラで画像(動画)を撮影する場合、撮影可能な範囲や連続撮影時間等に制限がある。
【0005】
1つの側面において、本発明は、保安用品を利用して建設現場等に設置されたカメラにより撮影する場合の制限を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様に係る設置器具は、物品を設置する設置器具であって、脚部と、前記脚部の上方に位置し、伸縮可能でありかつ前記物品を取り付け可能に構成された支持部と、を備え、前記設置器具は、上端及び下端が開口した中空体であるロードコーンと組み合わせて用いられ、前記脚部と前記支持部とは、前記設置器具及び前記ロードコーンが設置面に設置されるときに、前記脚部が前記ロードコーンの内部空間に収容され、前記支持部が前記ロードコーンの前記上端の前記開口から突出して上方に延伸するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様によれば、保安用品を利用して建設現場等に設置されたカメラで映像を撮影する場合の制限を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る設置器具の外観構成を例示する斜視図である。
図2】一実施形態に係る設置器具を利用したカメラの設置例を説明する図である。
図3】一実施形態に係る設置器具と保安用品の設置方法の一例を説明する図である。
図4】一実施形態に係る設置器具の使用方法の一例を説明する図である。
図5】一実施形態に係る設置器具のいくつかの利点を説明する図である。
図6】設置器具の別の構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る設置器具の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
本明細書における「上」、「上方」、「下」、「下方」等の上下関係を示す用語は、建設現場等における設置器具の設置面からの高さと関係づけられ、特に明示がない場合には鉛直方向における上下と関連付けられる。また、各図に示したX方向、Y方向、及びZ方向は、例示する設置器具における平面や方向を定義する目的で示されており、X方向、Y方向、Z方向は互いに直交し、右手系を成している。各図において、X方向及びY方向は、設置面に平行な方向(すなわち、XY平面は設置面と平行)である。Z方向は、設置面に対して垂直であり、かつ+Z方向が設置面からより上方に向かう方向である。以下の説明では、Z方向を上下方向と呼ぶことがある。これらの方向や面は、説明の便宜上用いる文言であり、設置器具の設置姿勢によっては、X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれとの対応関係が変わることがある。
【0011】
また、各図における縦横比や各部材同士の大小関係は、あくまで模式的に表されており、実際に製造される設置器具等における関係とは必ずしも一致しない。説明の便宜上、各部材同士の大小関係を誇張して表現している場合も想定される。
【0012】
図1は、一実施形態に係る設置器具の外観構成を例示する斜視図である。図2は、一実施形態に係る設置器具を利用したカメラの設置例を説明する図である。
【0013】
図1及び図2に例示した本実施形態の設置器具1は、建設現場(建築現場)の環視等に利用するカメラ2を現場内に設置するための器具であり、ロードコーン8と組み合わせて用いられる。ロードコーン8は、外形が円錐台形状である本体部800と、本体部の下端から径外方向に張り出した台座部820とを含む。ロードコーン8は、上端及び下端が開口した中空体であり、中空部である内部空間840にポータブル電源等の外付けバッテリ3を収容することができる。
【0014】
設置器具1は、脚部100と、支持部120とを含む。
【0015】
脚部100は、設置器具1を現場の設置面9に安定して設置するための部位であり、外付けバッテリ3等の物品を載せ置くことが可能な棚部101と、棚部101の下面から下方に突出した複数の凸部102とを有する。脚部100における棚部101及び複数の凸部102は、設置器具1を設置面9に設置した状態で設置面9に設置されるロードコーン8の内部空間840に収容可能な寸法で形成される。
【0016】
支持部120は、脚部100から上方に延伸する部位であり、支柱部121と、カメラ取付部122とを含む。支柱部121は、脚部100がロードコーン8の内部空間に収容されるときに、ロードコーン8の本体部800の上端の開口を通るように、下端が脚部100の上面に接続されている。支柱部121の上端は、ロードコーン8の本体部800上端よりも上方に位置し、カメラ取付部122と接続されている。支柱部121は、上下方向に伸縮可能(言い換えると、脚部100とカメラ取付部122との距離を変更可能)であり、かつ所望の長さを維持することが可能なように構成されている。例えば、支柱部121は、スチルカメラやビデオカメラを支持する三脚や一脚等における周知の高さ調節機構を備えたものであり得る。また、カメラ取付部122は、スチルカメラやビデオカメラを支持する三脚や一脚等に取り付け可能な周知のカメラ取付機構(雲台)と同一の、または類似の機構を有するものであり得る。
【0017】
カメラ取付部122に取り付け可能なカメラ2は、例えば、無線通信機能を有し、撮影した画像(動画)を所定の外部装置(例えば、クラウド上の監視サーバ等)に送信することができるものであり得る。また、カメラ2は、例えば、給電ケーブル4を介して外付けバッテリ3と接続することができ、外付けバッテリ3から供給される電力により動作するものであり得る。カメラ2は、撮影範囲の観点では、例えば、全天球カメラであってもよいし、その他のカメラであってもよい。カメラ2は、取得する情報の観点では、例えば、可視光画像(動画)を撮影するカメラであってもよいし、赤外線画像(動画)等の不可視光の情報を含む画像(動画)を撮影するカメラであってもよい。
【0018】
なお、カメラ2は、無線通信機能を有するものに限定されない。例えば、ロードコーン8の内部空間840に無線通信機能を有する電子機器を収容して当該電子機器とカメラ2とを伝送ケーブルで接続し、当該電子機器を介して、カメラ2で撮影した画像(動画)を所定の外部装置に送信してもよい。
【0019】
図3は、一実施形態に係る設置器具と保安用品の設置方法の一例を説明する図である。図4は、一実施形態に係る設置器具の使用方法の一例を説明する図である。
【0020】
本実施形態の設置器具1を利用して建設現場(建築現場)にカメラ2を設置するときには、例えば、図3の(a)に示したように、カメラ2を取り付けていない設置器具1を設置面9に設置し、続けてロードコーン8を設置面9に設置する。ロードコーン8は、設置器具1の支持部120の上端側の部分(例えば、図1及び図2に示した、カメラ取付部122や支柱部121の長さ調節のための部品123)が、ロードコーン8の下端802の開口から内部空間840に進入し、上端801の開口を通って外部に突出するように、設置面9に設置する。このような方法で設置する場合、設置器具1の支持部120における支柱部121の部品123やカメラ取付部122は、ロードコーン8の上端801の開口を通過可能な寸法で形成される。
【0021】
なお、設置器具1及びロードコーン8を設置面9に設置するときには、設置場所とは異なる場所で設置器具1の脚部100がロードコーン8の内部空間840に収容された状態にしておき、それを設置位置まで運んで設置面9に設置してもよい。例えば、図3の(b)に示したように、ロードコーン8の上端801の開口と設置器具1の支柱部121との間に楔状のストッパ5を噛ませることで、設置器具1とロードコーン8とを一体的にすることができる。設置器具1とロードコーン8とを一体的にすることにより、カメラ2の設置位置を変更するときなどに、設置器具1及びロードコーン8を容易に移動させることができる。また、設置器具1とロードコーン8とを一体的にすることにより、例えば、ロードコーン8を設置器具1の付加的な脚部として機能させることができ、設置器具1の転倒を防ぐことができる。楔状のストッパ5は、例えば、ゴムなどの弾性体により製造される。なお、ストッパ5は、図3の(b)に例示したような楔状のものに限定されない。また、ストッパ5は、例えば、ロードコーン8の上端801又はその近傍にロードコーン8と一体的に設けられてもよい。例えば、ストッパ5は、ロードコーン8の上端801に設けられ、設置器具1の支柱部121を固定した状態と解放した状態とに切り替え可能な、クイックレバークランプ又はクイックリリースクランプ等と呼ばれるクランプであってもよい。
【0022】
設置器具1及びロードコーン8を設置面9に設置した後、例えば、図4の(a)に示したように、設置器具1のカメラ取付部122にカメラ2を取り付ける。カメラ取付部122は伸縮可能な支柱部121の上端に接続されているので、支柱部121の長さを調整することにより、カメラ2の設置面9からの高さ(視点)を適宜変更することができる。
【0023】
また、支柱部121を伸ばすことにより、図4の(b)に示したように、ロードコーン8を上方に移動させて(持ち上げて)設置器具1の脚部100を露出させることができる。また、例えば、ロードコーン8を上方に移動させた(持ち上げた)状態でロードコーン8の上端801の開口と設置器具1の支柱部121との間に楔状のストッパ5を噛ませることで、作業員等がロードコーン8を持っていなくても、脚部100が露出した状態を維持することができる。このため、脚部100上に外付けバッテリ3を載せる作業、または脚部100上の外付けバッテリ3を交換する作業や取り外す作業を容易に行うことができる。また、カメラ2に接続された給電ケーブル4の一部を設置器具1の支柱部121とともにロードコーン8の上端801の開口から内部空間840内に挿入しておくと、余剰の給電ケーブル4をロードコーン8の本体部800に巻き付ける、又は内部空間840内に収容することができる。このため、例えば、設置面9を這う余剰の給電ケーブル4よる作業員等の躓きや転倒を防止することができる。
【0024】
図5は、一実施形態に係る設置器具のいくつかの利点を説明する図である。
【0025】
図5に例示したように、建設現場(建築現場)等で保安用品として用いられるロードコーン8は、設置面9からの高さH1が約70cmのものであることが多く、作業員10の身長と比べて低い。このため、ロードコーン8の上端801の高さにカメラ2を設置した場合、カメラ2の視点は、作業員10の腰部くらいの高さにある。カメラ2の視点が低い場合、例えば、カメラ2の周囲に置かれている建築資材や他の保安用品等により死角が生じて十分な監視を行うことができないことがある。また、カメラ2の視点が低い場合、カメラ2の撮影範囲によっては、カメラ2の近くにいる作業員10の顔(上半身)を撮影できない、建築物の天井部分を撮影できないといったことが起こり得る。
【0026】
これに対し、本実施形態の設置器具1は、支柱部121を伸ばすことにより、カメラ2の高さH2を、例えば、図5に示したような作業員10の頭部とほぼ同じ高さにすることができる。そのため、カメラ2の周囲に置かれている建築資材や他の保安用品等による死角が生じにくくなる。また、カメラ2の撮影範囲が狭い場合(例えば、画角θが50度程度の場合)、カメラ2の視点を高くすることにより、例えば、カメラ2の近くにいる作業員10の顔(上半身)も撮影することができる。そのため、例えば、作業員10の顔を撮影した画像に基づいて作業員10の体調を監視する場合などに、カメラ2の近くにいる作業員10の顔も撮影することができ、検出漏れ等による事故を防ぐことができる。また、カメラ2の高さH2をより高くすることが可能であり、かつカメラ取付部122によりカメラ2の向きを変更可能な場合には、例えば、カメラ2により作業エリアの俯瞰画像を撮影することができる。このような俯瞰画像は、例えば、躓きやスリップ等による転倒事故を防止するために床面の状態を監視することに利用できる。なお、支持部120の高さは、遠隔操作もしくは手動で調整できることが好ましい。
【0027】
更に、ロードコーン8の上端801の開口と設置器具1の支柱部121との間にストッパ5を噛ませて設置器具1とロードコーン8とを一体的にすることにより、設置器具1の転倒によるカメラ2の破損等を防止することができる。設置器具1の転倒は、特に、カメラ2の視点を高くした場合に起こりやすくなる。そのため、ロードコーン8を利用して設置器具1の転倒を防ぐことは、本実施形態の設置器具1を利用する際の利点となる。
【0028】
加えて、本実施形態の設置器具1を利用することにより、保安用品として建設現場等に設置されるロードコーン8の設置位置の上方にカメラ2を配置することができる。このため、ロードコーン8等の設置位置とは異なる位置にカメラ2の三脚等の設置スペースを確保する必要がない。したがって、ロードコーン8とは異なる位置に設置された三脚等が作業員10の動線の妨げになることを防げる。また、ロードコーン8等の保安用品とは別個に三脚等を利用してカメラ2を設置した場合、設置されたカメラ2が異物(現場には不必要なもの)として撤去される可能性がある。しかしながら、本実施形態の設置器具1を利用することにより、設置されたカメラ2に対する異物感が緩和される。
【0029】
しかも、本実施形態の設置器具1は、支柱部121が伸縮可能であるため、例えば、設置器具1を移動させる際に支柱部121を短くすることができ、持ち運びが容易になる。例えば、支柱部121を短くしてカメラ2をロードコーン8の上端801に近接させることにより、持ち運び時にカメラ2が周囲の物品に接触して破損すること等を容易に防げる。
【0030】
なお、本開示の設置器具1は、図1図5を参照して上述した構成に限定されるものではなく、様々な変形、変更が可能である。
【0031】
例えば、本開示の設置器具1の脚部100は、上述した棚部101及び複数の凸部102を有する構成に限らず、カメラ2の設置に利用可能な周知の三脚と同様の構成であってもよい。また、例えば、本開示の設置器具1における支柱部121を伸縮可能にするための構成(機構)は、特定の構成に限定されない。更に、例えば、本開示の設置器具1の支柱部121における1つの管は、複数の管を継手により接続したものであってもよい。
【0032】
図6は、設置器具の別の構成例を説明する図である。
【0033】
図6に例示した設置器具1は、脚部100の棚部101に接続された第1の管124aの上端に、第2の管124bの下端を着脱自在な態様で接続することができるようになっている。第1の管124aは、第1の管124aの下端が接続された脚部100を設置面9に設置したときの設置面9から第1の管124aの上端までの高さが、設置面9からロードコーン8の上端801までの高さ以上になるような長さになっている。また、第1の管124aの内周面における上端側の部分には雌ねじが形成されており、第2の管124bの外周面における下端側の部分には、第1の管124aの雌ねじと螺合する雄ねじが形成されている。
【0034】
第2の管124bには、長さ調節用の柱部品125が挿通されており、柱部品125の上端はカメラ取付部122に接続されている。第2の管124bの上端には、上述した長さ調節用の部品123が設けられている。長さ調節用の部品123は、例えば、第2の管124bに対する柱部品125の相対位置を柱部品125の軸心方向(Z方向)に変更可能な状態と、変更不可の状態とに切り替え可能な構成になっている。長さ調節用の部品123は、例えば、柱部品125との接触面に生じる摩擦を利用して第2の管124bに対する柱部品125の相対位置を固定する部品であってもよいし、ピンを部品123及び柱部品125の穴に差し込んで固定する部品であってもよい。
【0035】
図6に例示した設置器具1及びロードコーン8を設置面9に設置する作業は、例えば、第2の管124b、柱部品125、およびカメラ取付部122を含む設置器具1の第2の部分を第1の管124aから外した状態で行うことができる。このとき、設置面9に先に設置されている脚部100及び第1の管124aを含む設置器具1の第1の部分における設置面9から上端までの高さは、例えば、ロードコーン8の高さよりも数cmだけ高い。そのため、ロードコーン8を設置面9に設置するためにロードコーン8を持ち上げるときの高さを、図3の(a)に例示した場合と比べてより低くすることができる。また、設置面9に先に設置されている設置器具1の第1の部分における第1の管124aの上端のXY面内の寸法は第1の管124aの外径であり、かつ第1の管124aの上端には外周面から径外方向に張り出した部分がない。したがって、図3の(a)に例示した場合と比べて、ロードコーン8を設置面9に設置するときに第1の管124aの上端をロードコーン8の上端801の開口に通す作業をより簡単に行うことができる。
【0036】
また、設置器具1の第1の部分及びロードコーン8を設置面9に設置した後で、カメラ取付部122を含む設置器具1の第2の部分の第2の管124bを第1の部分の第1の管124aに接続する場合、カメラ取付部122等のXY平面内の寸法を、ロードコーン8の上端801の開口の寸法よりも大きくすることができる。このため、例えば、カメラ取付部122に取り付けられたカメラ2のカメラ取付部122による支持を、より安定させることができる。
【0037】
また、例えば、本開示の設置器具1と組み合わせるロードコーン8は、特定の形状のものに限定されない。ロードコーン8は、市販の汎用品であってもよいし、設置器具1と組み合わせることを想定して設計、製造されたものであってもよい。設置器具1と組み合わせるロードコーン8は、例えば、上述したように、上端801又は上端801の近傍に、設置器具1の支柱部121を固定した状態と解放した状態とを切り替え可能なクランプが設けられていてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態に係る設置器具1は、カメラ2を設置するものに限定されない。設置器具1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして利用可能な通信機器を設置するもの、照明装置を設置するもの等であってもよい。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0040】
1 設置器具
100 脚部
101 棚部
102 凸部
120 支持部
121 支柱部
122 カメラ取付部
123 (長さ調節のための)部品
124a、124b 管
125 柱部品
2 カメラ
3 外付けバッテリ
4 給電ケーブル
5 ストッパ
8 ロードコーン
800 本体部
801 上端
802 (本体部の)下端
820 台座部
840 内部空間
9 設置面
10 作業員
図1
図2
図3
図4
図5
図6