IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コンバイン 図1
  • 特開-コンバイン 図2
  • 特開-コンバイン 図3
  • 特開-コンバイン 図4
  • 特開-コンバイン 図5
  • 特開-コンバイン 図6
  • 特開-コンバイン 図7
  • 特開-コンバイン 図8
  • 特開-コンバイン 図9
  • 特開-コンバイン 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117915
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
A01D41/12 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024006
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】山根 達也
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】岩成 康
【テーマコード(参考)】
2B074
【Fターム(参考)】
2B074AA01
2B074AB01
2B074AC02
2B074AF02
2B074BA16
2B074CH01
2B074DA01
2B074DA02
2B074DA04
2B074DC07
(57)【要約】
【課題】脱穀部から離し、刈取搬送部と運転座席との間の狭いスペースに排気ガス浄化装置を設置できる。
【解決手段】エンジン14から排気される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置21を備えたコンバインである。排気ガス浄化装置21は、刈取搬送部5と運転座席11との間に取り付けられ、長手方向の一端側がエンジン14に接続された略円柱状の浄化装置本体22と、浄化装置本体22の長手方向の他端側に接続されたテールパイプ29とを有する。浄化装置本体22は、他端側ほど脱穀部6から離れるように長手方向を傾斜させ、基端面22aをグレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせて設置されている。テールパイプ29は、一端側を浄化装置本体22に対して略垂直に接続され、グレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせながら後方へ延出させて取り付けられている。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取搬送部を有する走行機体の後方左側に設けられた脱穀部と、
前記走行機体の前方右側に設けられ、運転座席およびエンジンが設置された運転部と、
前記走行機体の後方右側に設けられ、前面左側に傾斜面が形成されたグレンタンクと、
前記エンジンから排気される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置と、を備えたコンバインであって、
前記排気ガス浄化装置は、前記刈取搬送部と前記運転座席との間に取り付けられ、長手方向の一端側が前記エンジンに接続された略円柱状の浄化装置本体と、この浄化装置本体の長手方向の他端側に接続された排気管とを有し、
前記浄化装置本体は、前記他端側ほど前記脱穀部から離れるように長手方向を傾斜させ、前記他端側の底面を前記グレンタンクの前記傾斜面に沿わせて設置され、
前記排気管は、一端側を前記浄化装置本体に対して略垂直に接続され、前記グレンタンクの前記傾斜面に沿わせながら後方へ延出させて取り付けられている、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記エンジンから排気される排気ガスを前記排気ガス浄化装置へ取り込むエンジン排気管を備え、
前記排気ガス浄化装置は、支持フレームを介して前記走行機体に支持されて前記エンジンより上方に設置され、
前記エンジン排気管は、上方斜めから前記浄化装置本体に接続されている、
ことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記排気ガス浄化装置は、前記浄化装置本体の前記他端側を前記エンジンより後方へ突出させて取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化装置を備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体の一側方に脱穀部を配置し、機体の他側方にグレンタンクを配置し、グレンタンクの前方にエンジン7を配置し、エンジン7の排気配管17に排気ガスを機体後方に流出する排気ガス浄化装置18を設けたコンバインにおいて、排気ガス浄化装置18を脱穀部4とグレンタンク8の間に設けると共に、排気ガス浄化装置18の左右側面、前後面及び上面を覆うDPFカバー35を設けた構成のコンバインが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7156419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコンバインでは、脱穀部4とグレンタンク8との間に排気ガス浄化装置18を設けた構成としているため、この排気ガス浄化装置18の設置スペースを確保しなければならない関係から、グレンタンク8の容量が少なくなってしまう。また、この排気ガス浄化装置18を設置したことに伴い脱穀部4とグレンタンク8との間にスペースができてしまい、このスペースに多くの藁屑が堆積してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として発明されたものであって、請求項1の発明は、刈取搬送部を有する走行機体の後方左側に設けられた脱穀部と、前記走行機体の前方右側に設けられ、運転座席およびエンジンが設置された運転部と、前記走行機体の後方右側に設けられ、前面左側に傾斜面が形成されたグレンタンクと、前記エンジンから排気される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置と、を備えたコンバインであって、前記排気ガス浄化装置は、前記刈取搬送部と前記運転座席との間に取り付けられ、長手方向の一端側が前記エンジンに接続された略円柱状の浄化装置本体と、この浄化装置本体の長手方向の他端側に接続された排気管とを有し、前記浄化装置本体は、前記他端側ほど前記脱穀部から離れるように長手方向を傾斜させ、前記他端側の底面を前記グレンタンクの前記傾斜面に沿わせて設置され、前記排気管は、一端側を前記浄化装置本体に対して略垂直に接続され、前記グレンタンクの前記傾斜面に沿わせながら後方へ延出させて取り付けられている、ことを特徴としている。
また、請求項2の発明は、請求項1記載のコンバインであって、前記エンジンから排気される排気ガスを前記排気ガス浄化装置へ取り込むエンジン排気管を備え、前記排気ガス浄化装置は、支持フレームを介して前記走行機体に支持されて前記エンジンより上方に設置され、前記エンジン排気管は、上方斜めから前記浄化装置本体に接続されている、ことを特徴としている。
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載のコンバインであって、前記排気ガス浄化装置は、前記浄化装置本体の前記他端側を前記エンジンより後方へ突出させて取り付けられている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、長手方向の他端側ほど脱穀部から離れるように長手方向を傾斜させ、この他端側の面をグレンタンクの傾斜面に沿わせて浄化装置本体が設置され、一端側が浄化装置本体に対して略垂直に接続され、グレンタンクの傾斜面に沿わせながら後方へ延出させて排気管を取り付けた構成としている。この結果、刈取搬送部と運転座席との間に排気ガス浄化装置を取り付けた構成であっても、脱穀部から離して排気ガス浄化装置を設置できる。この脱穀部との間の隙間への藁屑の堆積を防止できるとともに、刈取搬送部と運転座席との間の狭いスペースに排気ガス浄化装置を設置できる。
請求項2の発明によれば、支持フレームを介してエンジンより上方に排気ガス浄化装置が設置され、上方斜めからエンジン排気管が浄化装置本体に接続されているため、エンジン排気管の配管スペースが確保でき、エンジン排気管の配管を容易にできるとともに、エンジン排気管の横方向への突出を抑えることができる。
請求項3の発明によれば、排気ガス浄化装置の高温箇所となる浄化装置本体の他端側を、エンジンより後方へ突出させて取り付けたことにより、この排気ガス浄化装置の高温箇所を効率よく冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの平面図である。
図2】コンバインの右側面図
図3】コンバインの一部を取り外した状態の平面図である。
図4】コンバインの排気ガス浄化装置のレイアウトを示す斜視図である。
図5】コンバインの排気ガス浄化装置のレイアウトを示す右側面図である。
図6】コンバインの排気ガス浄化装置のレイアウトを示す正面図である。
図7】排気ガス浄化装置を示す右側面図である。
図8】排気ガス浄化装置を示す左側面図である。
図9】排気ガス浄化装置を示す背面図である。
図10】排気ガス浄化装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<全体構成>
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1ないし図6に示すように、1はコンバインで、このコンバイン1は、機体フレーム2の下方にクローラ式の走行部3を有する走行機体4を備えている。走行機体4の前部には昇降自在に刈取搬送部5が連結され、走行機体4の後方左側には、刈取搬送部5が刈り取った茎稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀装置としての脱穀部6が設置されている。
【0009】
また、走行機体4の後方右側には、脱穀部6が選別した穀粒を貯留する貯留部となる穀粒タンクとしてのグレンタンク7と、グレンタンク7内の穀粒を機外に排出する排出オーガ8とが設置されている。そして、走行機体4の前方右側かつグレンタンク7の前側には、運転操作部としての運転部9が設置されている。運転部9には、オペレータが座る運転座席11や運転操作レバー12等の各種の操作具が配置されている。
【0010】
図3ないし図5に示すように、運転座席11の後下方かつグレンタンク7の前方には、エンジン14などを収容するエンジンルーム15が形成されている。エンジン14の右側近傍には、ラジエータ(図示せず)、オルタネータ(図示せず)および送風ファン17が配置され、送風ファン17の駆動に応じて機体フレーム2の右側からエンジンルーム15内にエンジン冷却風が導入される。
【0011】
エンジン14の左側には、オイルフィルタ(図示せず)やコンバイン1の各部を駆動する出力プーリ18が駆動源となるフライホイール(図示せず)に接続されて取り付けられ、この出力プーリ18が、機体フレーム2の中央側となるように取り付けられている。出力プーリ18には、コンバイン1の各部へ駆動力を伝達する作動ベルトとしての作業機ベルト19が巻回されて取り付けられている。そして、エンジンルーム15は、前方、後方および上方が覆われ、左側方が開放された構成となっている。これにより、エンジンルーム15に導入されたエンジン冷却風は、ラジエータ16を通過した後、エンジン14の前方、後方及び上方を通ってエンジンルーム15の左側方から排出される。
【0012】
そして、エンジン14には、その吸気を機外から導入するための吸気経路(図示せず)と、排気ガスを機外に排出するためのエンジン排気管となる排気経路とが接続されている。排気経路には、粒子状物質除去装置(DPF:Diesel Particulate Filter)および窒素酸化物浄化装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)を備えた排気ガス浄化装置21が取り付けられている。
【0013】
よって、エンジン14の排気ガスは、エンジン14の排気口と排気ガス浄化装置21の排気入口とを接続するエキゾーストパイプである排気パイプ28を介して排気ガス浄化装置21に排出される。そして、排気ガス浄化装置21にて浄化された排気ガスは、一端側(先端側)に排気出口29aを有し、他端側(基端側)が排気ガス浄化装置21の排気出口22cに接続されたテールパイプ29を介して機外に排出される。
【0014】
運転部9には、図4ないし図6に示すように、運転座席11の下方で運転部9とエンジンルーム15とを仕切る壁部30を備えている。壁部30は、運転部9の床部31の後端から垂直に立ち上がり、エンジン14の前方を覆う垂直面部32と、垂直面部32の上端から上側ほど後退するように傾斜状に延出し、エンジン14の上方空間の前方および上方を覆う傾斜面部33と、を備えている。傾斜面部33は、運転座席11の下方から運転座席11の後方に亘って広い範囲に設けられている。
【0015】
<特徴的な構成>
次に、本発明の特徴的な構成について、図面を参照して説明する。
【0016】
グレンタンク7は、図1ないし図4および図6に示すように、機体フレーム2上に設置され、このグレンタンク7の前側が垂直に立設された平板状の前面部7aにて覆われている。前面部7aの左側部は、前方から後方に向けて左側へ傾斜した平板状の傾斜面部7bにて覆われている。傾斜面部7bの後側は、垂直に立設された平板状の左側面部7cにて覆われた構成となっている。左側面部7cには、脱穀部6にて脱穀した穀粒をグレンタンク7へ移送する揚穀装置6aの揚穀管6bの基端部が接続されている。揚穀管6bは、その軸方向を略上下方向に向けて取り付けられ、グレンタンク7の左側面部7cの上端寄りかつ前寄りの位置に基端部が接続されている。
【0017】
排気ガス浄化装置21は、図1ないし図10に示すように、円柱状の浄化装置本体22を備えている。浄化装置本体22は、長手方向の一端側(先端側)をエンジン14のフライホイール側、要するに前方かつ左側向け、長手方向の他端側(基端側)を後方かつ右側に向けて、この浄化装置本体22の長手方向を傾斜させた状態として、運転座席11と脱穀部6との間の空間に収容されて取り付けられている。また、浄化装置本体22は、図3ないし図5に示すように、基端側をエンジン14より後方へ突出させて取り付けられている。さらに、浄化装置本体22の基端側に位置する底面は、平板状の基端面22aとされ、この基端面22aが、グレンタンク7の傾斜面部7bに沿って、要するにこの傾斜面部7bに対して所定の間隔を空けて略平行に設置されている。すなわち、浄化装置本体22は、基端側ほど脱穀部6から離れるように長手方向を傾斜させて取り付けられている。
【0018】
また、浄化装置本体22は、機体フレーム2上に取り付けられたステー部材41にブラケット42を介して取り付けられて支持され、エンジン14の斜め上方に位置させて取り付けられている。ステー部材41は、図3に示すように、略コ字状に形成され、このステー部材41の両端部がエンジン14の右側に立設させた状態で取り付けられている。また、ステー部材41は、図5に示すように、上端側がエンジン14に沿って右側に屈曲した形状とされ、このステー部材41の上端部にブラケット42が取り付けられている。そして、ステー部材41の上端部にはブラケットとしての連結部材43の一端が接続され、この連結部材43の他端側が脱穀部6のフレーム部6cに接続され、排気ガス浄化装置21の位置決めを固定させて補強させている。
【0019】
さらに、浄化装置本体22は、この浄化装置本体22の上側および右側が、カバー体44にて覆われている。カバー体44は、矩形平板状に形成され、このカバー部材44の幅方向の中間部を長手方向に沿って屈曲させた形状に形成され、ブラケット42を介してステー部材41に取り付けられている。そして、カバー体44は、運転座席11と浄化装置本体22との間に位置させて取り付けられ、浄化装置本体22やエンジン14等から生じる熱を運転座席11側へ遮熱する機能を有している。
【0020】
排気ガス浄化装置21の排気パイプ28は、エンジン14から排気される排気ガスを浄化装置本体22に取り込むエンジン排気管であって、浄化装置本体22と脱穀搬送部5との間を通過させてエンジン14の上側の左側部に先端側が接続されている。また、排気パイプ28は、中間部が蛇腹状の湾曲可能なフレキシブルパイプ28aにて構成され、この排気パイプ28の他端側(基端側)を屈曲させて浄化装置本体22の先端側の上側左寄りの側部に設けられた排気入口22bに上方斜めから接続されている。
【0021】
そして、テールパイプ29の一端側(先端側)は、浄化装置本体22の基端側の上側右寄りの側部に設けられた排気出口22cに、浄化装置本体22の軸方向(長手方向)に対して略垂直に接続されている。また、テールパイプ29は、図1図3および図4に示すように、このテールパイプ29の他端側(基端側)の部分をグレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせて取り付けられている。
【0022】
そして、テールパイプ29の基端側の部分は、右下方から左上方に傾斜して運転座席22の後方に配置されている。さらに、テールパイプ29の先端側は、図1ないし図6に示すように、湾曲させて脱穀部6の揚穀管6bの左側を迂回して、脱穀部6より上方かつグレンタンク7の左側面部に沿って脱穀部6より上方に突出させて取り付けられている。要するに、テールパイプ29は、先端側が浄化装置本体22に対して略垂直に接続され、グレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせながら後方へ延出させて取り付けられている。
【0023】
さらに、図7および図9に示すように、浄化装置本体22の側面部の他端(基端)寄りの位置には、排気ガス浄化装置21の温度等を検出するセンサ群22dが取り付けられている。センサ群22dは、浄化装置本体22の上側かつ左寄りの位置に取り付けられている。よって、センサ群22dは、上面視で、エンジン14の出力プーリ18側の上方に位置させて取り付けられている。
【0024】
<作用効果>
叙述の如く構成された本一実施形態によれば、排気ガス浄化装置21の浄化装置本体22を、基端側ほど脱穀部6から離れるように傾斜させ、この浄化装置本体22の基端面2aをグレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせて配置し、さらにテールパイプ29の先端側を浄化装置本体22に対して略垂直に接続し、このテールパイプ29の基端側をグレンタンク7の傾斜面部7bに沿わせながら後方へ延出させた構成としている。
【0025】
この結果、刈取搬送部5と運転座席11との間に排気ガス浄化装置21を取り付けた構成のコンバイン1としても、排気ガス浄化装置21を脱穀部6から可能な限り離して設置できる。よって、脱穀部6と排気ガス浄化装置21との間の隙間への藁屑の堆積を防止できると同時に、刈取搬送部5と運転座席11との間の狭いスペースに排気ガス浄化装置21を設置できるから、この排気ガス浄化装置21を収容させるために必要なスペースを小さくでき、排気ガス浄化装置21をコンパクトに配置できる。
【0026】
また、浄化装置本体22の基端面22aをグレンタンク7の傾斜面部7bと略平行に設置したことにより、浄化装置本体22の基端面22aとグレンタンク7の傾斜面部7bとの間に隙間が形成される。このため、グレンタンク7を回動させた場合に生じるおそれのある排気ガス浄化装置21との干渉を抑制できるとともに、グレンタンク7内に貯留した穀粒への熱影響を抑制でき、グレンタンク7と間に配置するカバー体44を簡単な構成にできる。
【0027】
さらに、排気ガス浄化装置21の浄化装置本体22の基端側をエンジン14の出力プーリ18側に突出させて配置させた構成としている。このため、排気ガス浄化装置21が操作運転レバー12の邪魔にならず、排気ガス浄化装置21から生じる熱に起因した操作運転レバー12への熱影響を抑制できる。
【0028】
そして、排気ガス浄化装置21の浄化装置本体22を、ステー部材41を介してエンジン14より上方に設置させ、この浄化装置本体22の排気入口22bに対し排気パイプ28を上方斜めから接続させた構成としている。要するに、浄化装置本体22の排気入口22b側が上面視でエンジン14の出力プーリ18側となり、この浄化装置本体22の排気入口22b側を斜め上方に配置している。この結果、狭いスペースであっても排気パイプ28の配管スペースを確保でき、排気パイプ28の中間部に接続されたフレキシブルパイプ28aを含む排気パイプ28の配策を容易にできるとともに、排気パイプ28の横方向への突出(出っ張り)を抑えることができる。
【0029】
さらに、排気ガス浄化装置21の高温箇所となる浄化装置本体22の基端側を、エンジン14より後方へ突出させて取り付けた構成としている。よって、エンジン14の出力プーリ18側には比較的大きな空間が存在するため、エンジン14を冷却するための冷却風を排気ガス浄化装置21の高温箇所となる浄化装置本体22の基端部へ送るためのスペースを確保できるから、この冷却風が浄化装置本体22の基端側に当たりやすくなる。このため、排気ガス浄化装置21の高温箇所を効率良く冷却でき、排気ガス浄化装置21を適切に冷却できる。
【0030】
また、排気ガス浄化装置21の浄化装置本体22の排気出口22cが、上面視でエンジンの吸気ファン17側に位置するように浄化装置本体22を斜めに配置したことにより、この浄化装置本体22と作業機ベルト19との距離を確保できる。よって、作業機ベルト19への浄化装置本体22から生じる熱の影響を抑制でき、この浄化装置本体22上への藁屑の堆積を低減できる。
【0031】
そして、排気ガス浄化装置21の温度や差圧等を検出するセンサ群22dを、上面視でエンジン14の出力プーリ18側となるように配置した構成としている。このため、刈取搬送部5と運転座席11との間に排気ガス浄化装置21を取り付け、この排気ガス浄化装置21が運転座席11に近接した構成のコンバイン1としても、排気ガス浄化装置21のセンサ群21dの配置や、これらセンサ群21dに接続するハーネス(配線)の配策を容易にできる。
【0032】
<その他>
なお、上記一実施形態においては、機体フレーム2上にステー部材41を取り付け、このステー部材41上にブラケット42を介して排気ガス浄化装置21を取り付けて、エンジン14の上方に排気ガス浄化装置21を設置した構成としたが、この排気ガス浄化装置21をエンジン14より上方の適切位置に設置できる構成であれば、どのような構成のフレーム材やステー等を用いてもよい。
【0033】
また、排気ガス浄化装置21とステー部材41との間に介在させたブラケット42に連結部材43の一端を接続し、この補強部材43の他端側を脱穀部6のフレーム部6cに接続して、排気ガス浄化装置21の位置決めを補強する構成としたが、ステー部材41上に取り付けた排気ガス浄化装置21の位置固定を補強できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 コンバイン
4 走行機体
5 刈取搬送部
6 脱穀部
7 グレンタンク
7b 傾斜面部(傾斜面)
9 運転部
11 運転座席
14 エンジン
21 排気ガス浄化装置
22 浄化装置本体
22a 基端面(底面)
28 排気パイプ(エンジン排気管)
29 テールパイプ(排気管)
41 ステー部材(支持フレーム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10