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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117916
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】駆動ユニットおよび電動補助自転車
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20240823BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20240823BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M6/50
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024007
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(72)【発明者】
【氏名】片山 聡
(72)【発明者】
【氏名】磯部 宏和
(72)【発明者】
【氏名】宇田 庄太
(57)【要約】
【課題】駆動ユニット内の部品の配置の自由度を高める。
【解決手段】ある実施形態に係る駆動ユニット(20)は、電動補助自転車(10)に用いられる駆動ユニット(20)であって、電動モータ(25)と、電動モータ(25)の一部または全部を収容するハウジング(21)と、ハウジング(21)を貫通し、ハウジング(21)によって回転可能に支持されるペダルクランク軸(22)と、電動モータ(25)のトルクをペダルクランク軸(22)に伝達する伝達機構(40)と、電動モータ(25)を動作させるための電気回路(111)が設けられたリジッド基板(110)と、リジッド基板(110)とリジッド基板(110)とは別の所定の部品(110、130)とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板(120)とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動補助自転車に用いられる駆動ユニットであって、
電動モータと、
前記電動モータの一部または全部を収容するハウジングと、
前記ハウジングを貫通し、前記ハウジングによって回転可能に支持されるペダルクランク軸と、
前記電動モータのトルクを前記ペダルクランク軸に伝達する伝達機構と、
前記電動モータを動作させるための電気回路が設けられたリジッド基板と、
前記リジッド基板と前記リジッド基板とは別の所定の部品とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、
を備えた、駆動ユニット。
【請求項2】
前記所定の部品は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタを含み、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記外部接続コネクタとを電気的に接続する、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記所定の部品は、前記リジッド基板とは別のリジッド基板を含み、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記別のリジッド基板とを電気的に接続する、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記リジッド基板および前記別のリジッド基板のうちの一方は、前記電動モータを駆動するための電力を出力する電源回路が設けられた電源回路基板であり、他方は前記電源回路の動作を制御する制御回路が設けられた制御回路基板である、請求項3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記制御回路基板のサイズは、前記電源回路基板のサイズよりも小さい、請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記所定の部品は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタを含み、
前記駆動ユニットは、
前記リジッド基板とは別のリジッド基板と、
前記外部接続コネクタとは別の外部接続コネクタと、
前記フレキシブルプリント基板とは別のフレキシブルプリント基板と、
をさらに備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記外部接続コネクタとを電気的に接続し、
前記別のフレキシブルプリント基板は、前記別のリジッド基板と前記別の外部接続コネクタとを電気的に接続する、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記リジッド基板および前記別のリジッド基板のうちの一方は、前記電動モータを駆動するための電力を出力する電源回路が設けられた電源回路基板であり、他方は前記電源回路の動作を制御する制御回路が設けられた制御回路基板である、請求項6に記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとが重なる位置の前記フレキシブルプリント基板の厚さ方向において、前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとの間に配置された補強板をさらに備える、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとが重なる位置の前記フレキシブルプリント基板の厚さ方向において、前記フレキシブルプリント基板の前記外部接続コネクタが接続される面とは反対の面に設けられた補強板をさらに備える、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記外部接続コネクタのピンは、前記補強板を貫通する、請求項8または9に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとは、はんだ、異方性導電膜および異方性導電ペーストのうちの少なくとも一つを用いて電気的に接続される、請求項2または8に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記フレキシブルプリント基板に設けられたノイズ対策部品をさらに備えた、請求項1または2に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
前記補強板は、ノイズ対策部品が設けられたリジッド基板である、請求項8または9に記載の駆動ユニット。
【請求項14】
請求項1または2に記載の駆動ユニットを備えた電動補助自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットおよび電動補助自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、手軽に利用できる交通手段として、老若男女を問わず、広く普及している。近年、ユーザがペダルを漕ぐ力を電動モータにより補助する電動補助自転車の普及が進んでいる(例えば特許文献1参照)。電動補助自転車では、ユーザがペダルに加えた人力に応じた駆動力を電動モータに発生させ、例えば坂道の走行時や荷物を積んでいるときのユーザの負担を減らすことができる。
【0003】
電動補助自転車は、電動モータ等を含む駆動ユニットを備える。駆動ユニットとして、後輪のハブ内に配置されるタイプや、車体フレームの下端(ボトムブラケット周辺)に取り付けられるタイプが知られている。近年では、後者のタイプの駆動ユニットが主流になりつつある。
【0004】
特許文献1に開示されている電動補助自転車は、車体フレームの下端に取り付けられた駆動ユニットを備える。この駆動ユニットは、ハウジング、電動モータおよびペダルクランク軸等を備える。電動モータは、ハウジングに収容されており、乗員のペダル踏力をアシストするための駆動力を発生させる。ペダルクランク軸は、ハウジングを車両の左右方向に貫通して配置される。ペダルクランク軸には、アームを介してペダルが取り付けられる。ペダルクランク軸の回転は、駆動スプロケット、チェーン、従動スプロケット等を介して、後輪に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-196080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電動補助自転車では、車体の限られたスペースに様々な部品を配置する必要がある。駆動ユニットのサイズが大きいと、駆動ユニット周囲の部品はその配置について制約を受けることになる。また、駆動ユニット自身もその配置について制約を受けることになる。このため、駆動ユニットのサイズを小さくすることが求められている。
【0007】
駆動ユニットの小型化を図るために、駆動ユニット内の部品の配置の自由度を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、以下の項目に記載の駆動ユニットおよび電動補助自転車を開示している。
【0009】
[項目1]
電動補助自転車に用いられる駆動ユニットであって、
電動モータと、
前記電動モータの一部または全部を収容するハウジングと、
前記ハウジングを貫通し、前記ハウジングによって回転可能に支持されるペダルクランク軸と、
前記電動モータのトルクを前記ペダルクランク軸に伝達する伝達機構と、
前記電動モータを動作させるための電気回路が設けられたリジッド基板と、
前記リジッド基板と前記リジッド基板とは別の所定の部品とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、
を備えた、駆動ユニット。
【0010】
本発明のある実施形態によれば、電動モータを動作させるための電気回路が設けられたリジッド基板と所定の部品とをフレキシブルプリント基板を用いて電気的に接続する。一般的に、丸電線と比較してフレキシブルプリント基板は薄い形状を有するとともに、曲げ自由度が大きい。リジッド基板と所定の部品とをフレキシブルプリント基板を用いて電気的に接続することにより、ハウジング内でのリジッド基板および所定の部品の配置の自由度を大きくすることができる。また、ハウジング内の他の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【0011】
フレキシブルプリント基板を配線として使用することで、寸法公差の大きい丸電線で発生する撚れやたわみが発生しないため、配線に必要なスペースを小さくすることができ、駆動ユニットを小型化することができる。
【0012】
[項目2]
前記所定の部品は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタを含み、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記外部接続コネクタとを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット。
【0013】
これにより、ハウジング内でのリジッド基板および外部接続コネクタの配置の自由度を大きくすることができる。
【0014】
[項目3]
前記所定の部品は、前記リジッド基板とは別のリジッド基板を含み、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記別のリジッド基板とを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット。
【0015】
これにより、ハウジング内での複数のリジッド基板の配置の自由度を大きくすることができる。
【0016】
[項目4]
前記リジッド基板および前記別のリジッド基板のうちの一方は、前記電動モータを駆動するための電力を出力する電源回路が設けられた電源回路基板であり、他方は前記電源回路の動作を制御する制御回路が設けられた制御回路基板である、項目3に記載の駆動ユニット。
【0017】
発熱量が大きい電源回路から離れた位置に制御回路を配置することができ、電動モータの動作の制御の安定性を向上させるとともに、電源回路の発熱の許容量を大きくすることができる。
【0018】
電源回路基板と制御回路基板とをフレキシブルプリント基板を用いて電気的に接続することにより、ハウジング内での電源回路基板および制御回路基板の配置の自由度を大きくすることができる。
【0019】
[項目5]
前記制御回路基板のサイズは、前記電源回路基板のサイズよりも小さい、項目4に記載の駆動ユニット。
【0020】
制御回路基板は、ハウジング内の比較的小さいスペースに配置することが可能である。電源回路と制御回路とを別々の基板に分けることで、ハウジング内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0021】
[項目6]
前記所定の部品は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタを含み、
前記駆動ユニットは、
前記リジッド基板とは別のリジッド基板と、
前記外部接続コネクタとは別の外部接続コネクタと、
前記フレキシブルプリント基板とは別のフレキシブルプリント基板と、
をさらに備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板と前記外部接続コネクタとを電気的に接続し、
前記別のフレキシブルプリント基板は、前記別のリジッド基板と前記別の外部接続コネクタとを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット。
【0022】
集約すると大型化する外部接続コネクタおよびフレキシブルプリント基板のそれぞれを分割することで、外部接続コネクタおよびフレキシブルプリント基板のそれぞれを小型化することができ、ハウジング内のより小さいスペースに配置することができる。
【0023】
[項目7]
前記リジッド基板および前記別のリジッド基板のうちの一方は、前記電動モータを駆動するための電力を出力する電源回路が設けられた電源回路基板であり、他方は前記電源回路の動作を制御する制御回路が設けられた制御回路基板である、項目6に記載の駆動ユニット。
【0024】
制御回路基板用の外部接続コネクタおよびフレキシブルプリント基板は小型化が容易であり、ハウジング内の比較的小さいスペースに配置することができる。ハウジング内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0025】
[項目8]
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとが重なる位置の前記フレキシブルプリント基板の厚さ方向において、前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとの間に配置された補強板をさらに備える、項目2に記載の駆動ユニット。
【0026】
フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとを接続するコネクタを用いないことで、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとの接続部分の厚さを小さくすることができる。
【0027】
補強板を用いることで、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとの接続部分の強度を高めることができる。
【0028】
[項目9]
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとが重なる位置の前記フレキシブルプリント基板の厚さ方向において、前記フレキシブルプリント基板の前記外部接続コネクタが接続される面とは反対の面に設けられた補強板をさらに備える、項目2に記載の駆動ユニット。
【0029】
補強板を用いることで、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとの接続部分の強度を高めることができる。
【0030】
[項目10]
前記外部接続コネクタのピンは、前記補強板を貫通する、項目8または9に記載の駆動ユニット。
【0031】
これにより、補強板の周りを迂回させる配線を設けることなくフレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとを電気的に接続することができる。
【0032】
外部接続コネクタのピンが補強板を貫通することで、補強板の位置ずれを抑制することができる。
【0033】
[項目11]
前記フレキシブルプリント基板と前記外部接続コネクタとは、はんだ、異方性導電膜および異方性導電ペーストのうちの少なくとも一つを用いて電気的に接続される、項目2、8または9に記載の駆動ユニット。
【0034】
フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとを接続するコネクタを用いず、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとを直付けすることで、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとの接続部分の厚さを小さくすることができる。
【0035】
[項目12]
前記フレキシブルプリント基板に設けられたノイズ対策部品をさらに備えた、項目1から11のいずれかに記載の駆動ユニット。
【0036】
フレキシブルプリント基板を配線として用いることで、配線上のノイズ対策に効果的な位置にノイズ対策部品を配置することを容易にできる。リジッド基板に設けるノイズ対策部品の個数を低減させることができ、リジッド基板を小型化することができる。
【0037】
[項目13]
前記補強板は、ノイズ対策部品が設けられたリジッド基板である、項目8から10のいずれかに記載の駆動ユニット。
【0038】
これにより、フレキシブルプリント基板と外部接続コネクタとの接続部分の強度を高めることができるとともに、ノイズに対する耐性を高めることができる。
【0039】
[項目14]
項目1から13のいずれかに記載の駆動ユニットを備えた電動補助自転車。
【0040】
駆動ユニットを小型化できることにより、電動補助自転車の駆動ユニット周囲の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明のある実施形態によれば、電動モータを動作させるための電気回路が設けられたリジッド基板と所定の部品とをフレキシブルプリント基板を用いて電気的に接続する。一般的に、丸電線と比較してフレキシブルプリント基板は薄い形状を有するとともに、曲げ自由度が大きい。リジッド基板と所定の部品とをフレキシブルプリント基板を用いて電気的に接続することにより、ハウジング内でのリジッド基板および所定の部品の配置の自由度を大きくすることができる。また、ハウジング内の他の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【0042】
フレキシブルプリント基板を配線として使用することで、寸法公差の大きい丸電線で発生する撚れやたわみが発生しないため、配線に必要なスペースを小さくすることができ、駆動ユニットを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の実施形態に係る電動補助自転車10を示す右側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る電動補助自転車10が備える駆動ユニット20の内部構造を示す断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る基板および配線の例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る基板および配線が配置された駆動ユニット20の内部の例を示す図である。
図5】(a)は、本発明の実施形態に係る外部接続コネクタ130、補強板150、フレキシブルプリント基板120aを示しており、(b)は、補強板150を間に挟んで接続された外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120aを示している。
図6】(a)は、本発明の実施形態に係る外部接続コネクタ130、フレキシブルプリント基板120a、補強板150を示しており、(b)は、フレキシブルプリント基板120aの外部接続コネクタ130が接続される面とは反対の面に配置された補強板150を示している。
図7】本発明の実施形態に係る外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続方法の別の例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るノイズ対策部品125が設けられた補強板150を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント基板120およびコネクタ130の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る駆動ユニット、および駆動ユニットを備えた電動補助車両を説明する。実施形態の説明においては、同様の構成要素には同様の参照符号を付し、重複する場合にはその説明を省略する。本発明の実施形態における前後、左右、上下とは、電動補助車両のサドル(シート)に乗員がハンドルに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。図面に付した符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0045】
[電動補助自転車]
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る電動補助車両の一例である電動補助自転車10を説明する。図1は、電動補助自転車10の概略構成を示す右側面図である。
【0046】
電動補助自転車10は、車体フレーム60、前輪14F、後輪14R、ハンドル16およびサドル18を備える。電動補助自転車10は、駆動ユニット20およびバッテリユニット26をさらに備える。
【0047】
車体フレーム60は、ヘッドチューブ61、トップチューブ62、ダウンチューブ63、シートチューブ64およびブラケット65を含む。
【0048】
ヘッドチューブ61は、車体フレーム60の前部に配置され、上下方向に延びている。ヘッドチューブ61には、ステム27が回転自在に挿入されている。ステム27の上端には、ハンドル16が固定されている。ステム27の下端には、フロントフォーク28が固定されている。フロントフォーク28の下端には、前輪14Fが回転可能に取り付けられている。つまり、前輪14Fは、ステム27およびフロントフォーク28を介して、車体フレーム60に支持されている。
【0049】
トップチューブ62は、ヘッドチューブ61の後方に配置され、前後方向に延びている。トップチューブ62の前端は、ヘッドチューブ61に接続されている。トップチューブ62の後端は、シートチューブ64に接続されている。
【0050】
ダウンチューブ63は、ヘッドチューブ61の後方に配置され、前後方向に延びている。ダウンチューブ63は、トップチューブ62の下方に配置されている。ダウンチューブ63の前端は、ヘッドチューブ61に接続されている。なお、図1に示す例では、ダウンチューブ63の前端部は、トップチューブ62の前端部にも接続されている。ダウンチューブ63の後端は、ブラケット65に接続されている。
【0051】
ダウンチューブ63には、バッテリユニット26が取り付けられている。図1に示す例では、バッテリユニット26はダウンチューブ63の内部に取り付けられている。バッテリユニット26は、駆動ユニット20に電力を供給する。バッテリユニット26は、バッテリおよび制御回路を有する。バッテリは、充放電可能な充電池である。制御回路は、バッテリの充放電を制御するとともに、バッテリの出力電流および残量等を監視する。
【0052】
シートチューブ64は、トップチューブ62およびダウンチューブ63の後方に配置され、上下方向に延びている。シートチューブ64の下端は、ブラケット65に接続されている。つまり、シートチューブ64は、ブラケット65から上方に延びている。
【0053】
図1に示す例では、シートチューブ64は、上下方向の中間部分で折れ曲がっている。その結果、シートチューブ64の下部は上下方向に延びているが、シートチューブ64の上部は上下方向に対して傾斜した方向に延びている。
【0054】
シートチューブ64には、シートポスト29が挿入されている。シートポスト29の上端には、サドル18が取り付けられている。
【0055】
ブラケット65は、車体フレーム60の下端に位置している。ブラケット65は、駆動ユニット20を支持する。車体フレーム60に取り付けられた駆動ユニット20は、車輪(ここでは後輪14R)に伝達される駆動力を発生させる。駆動ユニット20の詳細については、後述する。
【0056】
車体フレーム60は、さらに、スイングアーム30、一対の接続アーム303およびサスペンション304をさらに含む。スイングアーム30は、一対のチェーンステー301および一対のシートステー302を含む。
【0057】
一対のチェーンステー301は、それぞれ前後方向に延びている。一対のチェーンステー301は、左右方向に並んで配置されている。一対のチェーンステー301の間には、後輪14Rが配置されている。一対のチェーンステー301は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側のチェーンステー301だけが図示されている。
【0058】
各チェーンステー301の前端部は、ブラケット65に取り付けられている。つまり、各チェーンステー301は、ブラケット65から後方に延びている。各チェーンステー301は、ブラケット65に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
【0059】
各チェーンステー301の後端部には、後輪14Rの車軸341が回転不能に取り付けられている。つまり、一対のチェーンステー301により、後輪14Rが車軸341の周りで回転可能に支持されている。言い換えると、後輪14Rは、車体フレーム60によって支持されている。後輪14Rには、複数段の従動スプロケット32が固定されている。
【0060】
一対のシートステー302は、それぞれ前後方向に延びている。一対のシートステー302は、左右方向に並んで配置されている。一対のシートステー302の間には、後輪14Rが配置されている。一対のシートステー302は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側のシートステー302だけが図示されている。
【0061】
左側のシートステー302の後端部は、左側のチェーンステー301の後端部に接続さ れている。右側のシートステー302の後端部は、右側のチェーンステー301の後端部に接続されている。
【0062】
一対の接続アーム303は、それぞれ前後方向に延びている。一対の接続アーム303は、左右方向に並んで配置されている。一対の接続アーム303の間には、シートチューブ64が配置されている。一対の接続アーム303は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側の接続アーム303だけが図示されている。
【0063】
各接続アーム303は、シートチューブ64に取り付けられている。各接続アーム303は、シートチューブ64に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
【0064】
車両の側面から見たときに、各接続アーム303の前端は、シートチューブ64よりも前方に位置している。車両の側面から見たときに、各接続アーム303の後端は、シートチューブ64よりも後方に位置している。
【0065】
右側の接続アーム303の後端部は、右側のシートステー302の前端部に取り付けられている。右側の接続アーム303は、右側のシートステー302に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
【0066】
左側の接続アーム303の後端部は、左側のシートステー302の前端部に取り付けられている。左側の接続アーム303は、左側のシートステー302に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
【0067】
サスペンション304は、シートチューブ64の前方であって、且つ、ダウンチューブ63の後方に配置されている。サスペンション304の上端部は、一対の接続アーム303に取り付けられている。サスペンション304は、一対の接続アーム303に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。サスペンション304の下端部は、ブラケット65に取り付けられている。サスペンション304は、ブラケット65に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。サスペンション304のブラケット65への取付位置は、シートチューブ64のブラケット65への取付位置よりも前方にある。
【0068】
駆動ユニット20には、支持部材33を介して、駆動スプロケット34が取り付けられている。駆動スプロケット34および従動スプロケット32には、チェーン36が巻き掛けられている。
【0069】
[駆動ユニット]
図2を参照しながら、駆動ユニット20の構成例を説明する。図2は、駆動ユニット20の内部構造の一例を示す断面図である。
【0070】
図2に示すように、駆動ユニット20は、ハウジング21、ペダルクランク軸22、回転軸23、伝達機構40および電動モータ25を備える。
【0071】
まず、本実施形態に係るハウジング21の構成を説明する。
【0072】
ハウジング21は、複数の締結具により、ブラケット65(図1)に固定される。ハウジング21は、第1ケース211、第2ケース212およびカバー213を含む。第1ケース211、第2ケース212およびカバー213は、それぞれ金属材料(例えばアルミニウム合金)で形成されている。
【0073】
第1ケース211は、第2ケース212に対して、左右方向で左側から重ね合わせられる。第1ケース211と第2ケース212とは、複数の締結具により固定される。その結果、第1ケース211と第2ケース212との間には、空間214が形成されている。
【0074】
カバー213は、第1ケース211に対して、左右方向で左側から重ね合わせられる。カバー213と第1ケース211とは、複数の締結具により固定される。その結果、第1ケース211の左側には、カバー213で覆われた空間215が形成されている。この空間215には電動モータ25が収容される。
【0075】
次に、本実施形態に係るペダルクランク軸22の構成を説明する。
【0076】
ペダルクランク軸22は、ハウジング21を車両の左右方向に貫通して配置され、ハウジング21によって回転可能に支持されている。ペダルクランク軸22の中心軸線CL4は、左右方向に延びている。中心軸線CL4は、ペダルクランク軸22の軸方向(スラスト方向)から見た場合に、ペダルクランク軸22の回転中心軸RC4(第4中心軸)となる。ペダルクランク軸22は、中心軸線CL4周りでハウジング21に対して回転する。
【0077】
ペダルクランク軸22は、第4中心軸RC4に沿ってハウジング21を貫通し、ハウジング21によって第4中心軸RC4の周りに回転可能に支持される。ペダルクランク軸22は、ハウジング21内で一対のベアリング(軸受)38Lおよび38Rによって回転可能に支持されている。ベアリング38Lは、軸方向における左側に配置され、第1ケース211に固定されている。ベアリング38Rは、軸方向における右側に配置され、第2ケース212に固定されている。
【0078】
ペダルクランク軸22は、回転軸23を貫通して配置されている。回転軸23は、ハウジング21に収容されている。回転軸23の詳細については、後述する。ペダルクランク軸22には、左右一対のクランクアーム35(図1)が取り付けられる。クランクアーム35のそれぞれには、ペダル37(図1)が取り付けられる。
【0079】
次に、本実施形態に係る電動モータ25および伝達機構40の構成を説明する。
【0080】
電動モータ25は、ハウジング21に収容され、ハウジング21に固定されている。電動モータ25は、電動補助自転車10の走行をアシストするための駆動力を発生する。電動モータ25は、ステータ251およびロータ252を有する。
【0081】
ステータ251は、コイル2511が巻き回されたボビン2512を複数個有する。各ボビン2512には、鉄心2513が挿入されている。ステータ251は、空間215内に配置されている。この状態で、ステータ251は、第1ケース211に固定されている。
【0082】
ロータ252は、ステータ251の内側に配置されている。ロータ252の中心軸線CL1は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4と平行である。つまり、ロータ252は、ペダルクランク軸22と平行に配置されている。中心軸線CL1は、ペダルクランク軸22の軸方向から見たときに、ロータ252の回転中心軸RC1(第1中心軸)となる。
【0083】
ロータ252は、ロータ本体2521と、出力軸2522とを含む。ロータ本体2521の外周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁されている。
【0084】
出力軸2522は、ロータ本体2521を貫通して配置されている。出力軸2522は、ロータ本体2521に固定されている。つまり、出力軸2522は、ロータ本体2521とともに回転する。
【0085】
出力軸2522は、ハウジング21の内部において第1中心軸RC1の周りに回転可能なようにハウジング21によって支持される。出力軸2522は、2つのベアリング42Lおよび42Rにより、中心軸線CL1周りで、ハウジング21に対して、回転可能に支持されている。ベアリング42Lは、カバー213に固定されている。ベアリング42Rは、ロータ本体2521よりも右側に配置され、第1ケース211に固定されている。出力軸2522は第1ケース211を貫通して配置されている。出力軸2522のうち、空間214内に位置する部分には、出力歯車252Aが形成されている。出力歯車252Aは、例えば、はすば歯車である。
【0086】
伝達機構40は、ハウジング21に収容されている。具体的には、伝達機構40は、空間214内に配置されている。伝達機構40は、減速機24、アイドルギア41および回転軸43を有する。伝達機構40は、電動モータ25のトルクをペダルクランク軸22に伝達する。
【0087】
減速機24は、ハウジング21によって回転可能に支持されており、電動モータ25の出力歯車252Aのトルクを増加させる。減速機24は、第1伝達歯車241、第2伝達歯車242および伝達軸243を有する。伝達軸243の中心軸線CL2は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4と平行である。つまり、伝達軸243は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4に対して平行に延びる。中心軸線CL2は、伝達軸243の軸方向、つまり、ペダルクランク軸22の軸方向から見たときに、伝達軸243の回転中心軸RC2(第2中心軸)となる。減速機24は、ハウジング21の内部においてハウジング21によって第2中心軸RC2の周りに回転可能に支持される。
【0088】
第1伝達歯車241は、軸方向における伝達軸243の右部分に配置される。伝達軸243の左部分は、ベアリング44Lにより回転可能に支持される。伝達軸243の右部分に配置された第1伝達歯車241は、ベアリング44Rにより回転可能に支持される。伝達軸243および第1伝達歯車241は、2つのベアリング44Lおよび44Rにより、中心軸線CL2周りで回転可能に支持される。ベアリング44Lは、第1ケース211に固定される。ベアリング44Rは、第2ケース212に固定される。
【0089】
第1伝達歯車241は、電動モータ25の出力歯車252Aと噛み合う。これにより、電動モータ25で発生した駆動力が出力歯車252Aから第1伝達歯車241に伝達される。
【0090】
第1伝達歯車241と伝達軸243との間には、ワンウェイクラッチ244が配置されている。ワンウェイクラッチ244は、伝達軸243と第1伝達歯車241とを結合する。ワンウェイクラッチ244は、伝達軸243に対する第1伝達歯車241の回転を一方向に規制する。電動補助自転車10の後輪14R(図1)を前転させる方向の出力歯車252Aの回転力は、第1伝達歯車241を介して伝達軸243に伝達されるが、後輪14Rを後転させる方向の出力歯車252Aの回転力は、伝達軸243には伝達されない。また、ワンウェイクラッチ244は、乗員の人力により発生したペダルクランク軸22の前転方向の回転力が、電動モータ25に伝達されることを防止している。
【0091】
第1伝達歯車241は、電動モータ25の出力歯車252Aよりも大径であり、出力歯車252Aよりも多い歯を有する。つまり、第1伝達歯車241は、出力歯車252Aよりも減速される。
【0092】
第2伝達歯車242は、金属材料(例えば鉄)から形成されている。第2伝達歯車242は、伝達軸243に配置される。第2伝達歯車242は、伝達軸243の軸方向で第1伝達歯車241と異なる位置に配置される。第2伝達歯車242は、第1伝達歯車241よりも小径であり、第1伝達歯車241よりも少ない歯を有する。本実施形態では、伝達軸243と第2伝達歯車242とは一体に形成されているが、それに限定されない。第2伝達歯車242は、セレーション結合(または圧入)により、伝達軸243に固定されていてもよい。第2伝達歯車242は伝達軸243とともに回転する。伝達軸243は、第1伝達歯車241の回転を第2伝達歯車242に伝達する。
【0093】
アイドルギア41は、金属材料(例えば鉄)から形成されている。アイドルギア41は回転軸43に配置されている。アイドルギア41は、例えば締結具により回転軸43に固定されるが、それに限定されない。アイドルギア41は、セレーション結合(または圧入)により、回転軸43に固定されていてもよい。また、アイドルギア41と回転軸43とは一体に形成されていてもよい。アイドルギア41は回転軸43とともに回転する。
【0094】
回転軸43の中心軸線CL3は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4と平行である。つまり、回転軸43は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4に対して平行に延びる。中心軸線CL3は、回転軸43の軸方向、つまり、ペダルクランク軸22の軸方向から見たときに、回転軸43の回転中心軸RC3(第3中心軸)となる。回転軸43に固定されたアイドルギア41は、ハウジング21の内部においてハウジング21によって第3中心軸RC3の周りに回転可能に支持される。
【0095】
回転軸43は、2つのベアリング46Lおよび46Rにより、中心軸線CL3周りで回転可能に支持される。ベアリング46Lおよび46Rは、第1ケース211に固定される。アイドルギア41は、回転軸43の軸方向でベアリング46Lよりもベアリング46Rの近くに配置される。アイドルギア41は、減速機24の第2伝達歯車242と噛み合う。これにより、減速機24により増加された電動モータ25の出力トルクがアイドルギア41に伝達される。
【0096】
次に、ペダルクランク軸22周りの構成を説明する。
【0097】
回転軸23は、ペダルクランク軸22と同軸に配置され、ペダルクランク軸22とともに回転可能である。回転軸23は、連結軸231およびワンウェイクラッチ50を含む。
【0098】
連結軸231は、円筒形状を有する。連結軸231には、ペダルクランク軸22が挿入されている。連結軸231は、ペダルクランク軸22と同軸に配置されている。
【0099】
連結軸231の左端部は、ペダルクランク軸22に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、ペダルクランク軸22が前転方向および後転方向の何れに回転しても、連結軸231はペダルクランク軸22とともに回転する。
【0100】
連結軸231の周囲には、トルク検出装置232が配置されている。トルク検出装置232は連結軸231に支持されており、第1ケース211に対しては回転不能となっている。トルク検出装置232は、運転者がペダルを漕ぐときに連結軸231に発生するトルクを検出する。トルク検出装置232は、例えば磁歪式のトルクセンサである。トルク検出装置232は、検出したトルクに応じた信号を、後述する基板に実装された制御回路に出力する。制御回路は、トルク検出装置232が検出したトルクを参照して、運転者によるペダリングの状態を把握し、電動モータ25を制御する。
【0101】
ワンウェイクラッチ50は、ペダルクランク軸22の軸方向でトルク検出装置232よりも右側に配置されている。ワンウェイクラッチ50は、連結軸231を介してペダルクランク軸22に設けられている。ワンウェイクラッチ50は、ペダルクランク軸22と同軸に配置されている。ワンウェイクラッチ50は、インナ部材51およびアウタ部材52を備える。
【0102】
ワンウェイクラッチ50のインナ部材51は、円筒形状を有する。インナ部材51には、連結軸231の右部分が挿入されている。インナ部材51は、連結軸231と同軸に配置されている。この状態で、連結軸231の右部分は、インナ部材51に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、連結軸231が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、インナ部材51は、連結軸231とともに回転する。つまり、ペダルクランク軸22が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、インナ部材51は、ペダルクランク軸22とともに回転する。連結軸231およびインナ部材51は、ペダルクランク軸22と一体的に回転するクランク回転入力軸として機能する。
【0103】
ワンウェイクラッチ50のアウタ部材52は、円筒形状を有する。アウタ部材52には、ペダルクランク軸22が挿入されている。アウタ部材52とペダルクランク軸22との間には、滑り軸受49が配置されている。これにより、アウタ部材52は、ペダルクランク軸22に対して同軸で回転可能に配置されている。
【0104】
アウタ部材52とインナ部材51との間には、ワンウェイクラッチ機構としてのラチェット機構が形成されている。これにより、インナ部材51の前転方向の回転力は、アウタ部材52に伝達されるが、インナ部材51の後転方向の回転力は、アウタ部材52に伝達されない。また、電動モータ25の回転により発生したアウタ部材52の前転方向の回転力は、インナ部材51に伝達されない。
【0105】
アウタ部材52は、ベアリング38Rにより、ペダルクランク軸22の中心軸線CL4周りで、ハウジング21に対して回転可能に支持されている。アウタ部材52は、第2ケース212を貫通して配置されている。アウタ部材52のうち、ハウジング21の外側(右側)に位置する部分には、駆動スプロケット34が取り付けられる。
【0106】
アウタ部材52は、被駆動歯車233を有する。被駆動歯車233は、ワンウェイクラッチ50および連結軸231を介してペダルクランク軸22に設けられている。被駆動歯車233は、アイドルギア41と噛み合っている。被駆動歯車233は、第2伝達歯車242およびアイドルギア41よりも大径であって、且つ、第2伝達歯車242およびアイドルギア41よりも多い歯を有する。つまり、被駆動歯車233の回転速度は、第2伝達歯車242およびアイドルギア41のそれぞれの回転速度よりも遅くなる。アイドルギア41が第2伝達歯車242および被駆動歯車233のそれぞれと噛み合うことにより、減速機24により増加された電動モータ25の出力トルクを、単一のアイドルギア41を介して被駆動歯車233に伝達することができる。
【0107】
アウタ部材52は、連結軸231に伝達された人力(ペダル踏力)と、電動モータ25の補助駆動力との合力を駆動スプロケット34に伝達する。アウタ部材52により、ワンウェイクラッチ50を介して入力される人力と、被駆動歯車233を介して入力される補助駆動力とを合成して出力する合力出力軸235が実現されている。合力出力軸235は、ペダルクランク軸22と同軸で回転する。合力出力軸235は、回転軸23に含まれる。
【0108】
[基板および配線]
次に、本実施形態の駆動ユニット20内に配置される基板および配線について説明する。
【0109】
上述したように、駆動ユニット20内には多くの部品が配置される。そのため、電動モータ25を動作させるための電気回路が設けられた基板および配線は、他の部品と同様に配置の制約を受ける。本実施形態では、それら基板および配線を、駆動ユニット20内での配置の自由度を高めた構成とすることで、他の部品の配置の自由度を高めることができるとともに、駆動ユニット20の小型化を図ることができる。
【0110】
図3は、本実施形態の基板および配線の例を示す図である。図4は、本実施形態の基板および配線が配置された駆動ユニット20の内部の例を示す図である。図4は、駆動ユニット20を右側方から見たときの駆動ユニット20の内部を示している。本実施形態では、部品同士を電気的に接続する配線の少なくとも一部として、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)を用いる。
【0111】
この例では、駆動ユニット20は、電源回路基板110a、制御回路基板110b、フレキシブルプリント基板120a-120d、外部接続コネクタ130を備える。
【0112】
電源回路基板110aおよび制御回路基板110bは、リジッド基板である。電源回路基板110aには、電動モータ25を駆動するための電力を出力する電源回路111aが設けられている。電源回路111aは、例えば、バッテリユニット26(図1)から出力された直流電圧を平滑化する平滑回路、およびモータ駆動電流を生成するインバータ回路を備える。電源回路111aは、例えば三相交流のモータ駆動電流を生成する。制御回路基板110bには、電源回路111aの動作を制御する制御回路111bが設けられている。外部接続コネクタ130は、駆動ユニット20と外部装置(例えばバッテリユニット26および操作盤等)とを電気的に接続するためのコネクタである。
【0113】
制御回路基板110bと外部接続コネクタ130とは、フレキシブルプリント基板120aを介して電気的に接続される。
【0114】
制御回路基板110bとフレキシブルプリント基板120aとは、例えばコネクタ140aを介して電気的に接続される。コネクタ140aは、例えば基板対基板コネクタまたはFPCコネクタである。基板対基板コネクタを用いることで接続部分の厚さを小さくすることができる。後述するコネクタ140b-140eも、基板対基板コネクタまたはFPCコネクタであり得る。
【0115】
フレキシブルプリント基板120aは、複数のピンが延びる外部接続コネクタ130の背面部を覆うように広がっており、外部接続コネクタ130は、フレキシブルプリント基板120aに直付けされ得る。外部接続コネクタ130は、コネクタを介してフレキシブルプリント基板120aと電気的に接続されてもよい。
【0116】
制御回路基板110bと電源回路基板110aとは、フレキシブルプリント基板120bを介して電気的に接続される。制御回路基板110bとフレキシブルプリント基板120bとは、例えばコネクタ140bを介して電気的に接続される。電源回路基板110aとフレキシブルプリント基板120bとは、例えばコネクタ140cを介して電気的に接続される。電源回路111aと制御回路111bとは、フレキシブルプリント基板120bを介して信号の送受信を行うことができる。
【0117】
制御回路111bは、外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120aを介して、外部装置との信号の送受信を行うことができる。バッテリユニット26の出力電流は、外部接続コネクタ130、フレキシブルプリント基板120a、制御回路基板110b、フレキシブルプリント基板120bを介して電源回路111aに供給される。電源回路111aは、電動モータ25を駆動するためのモータ駆動電流を生成して出力する。
【0118】
電源回路基板110aと電動モータ25とは、フレキシブルプリント基板120cを介して電気的に接続される。電源回路基板110aとフレキシブルプリント基板120cとは、例えばコネクタ140dを介して電気的に接続される。電動モータ25のステータ251にはバスバーが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板120cは、コネクタ142を介してバスバーと電気的に接続される。電源回路111aが出力したモータ駆動電流は、フレキシブルプリント基板120cおよびバスバーを介してステータ251に供給され、ステータ251に磁力を発生させることができる。
【0119】
制御回路基板110bとトルク検出装置232とは、フレキシブルプリント基板120dを介して電気的に接続される。制御回路基板110bとフレキシブルプリント基板120dとは、例えばコネクタ140eを介して電気的に接続される。フレキシブルプリント基板120dにはコネクタ145が設けられている。フレキシブルプリント基板120dは、コネクタ145を介してトルク検出装置232と電気的に接続される。コネクタ145は、フレキシブルプリント基板120dに直付けされ得る。コネクタ145は、コネクタを介してフレキシブルプリント基板120dと電気的に接続されてもよい。制御回路基板110bは、フレキシブルプリント基板120dを介してトルク検出装置232の出力信号を受信することができる。ペダルクランク軸22の回転を検出する回転検出装置を駆動ユニット20が備える場合は、制御回路基板110bは、フレキシブルプリント基板120dを介して回転検出装置の出力信号を受信することができる。
【0120】
図4に示す例では、制御回路基板110bおよびフレキシブルプリント基板120aは、ハウジング21内の上部の隙間に主に配置される。電源回路基板110aおよびフレキシブルプリント基板120cは、ハウジング21内の右側部の隙間に主に配置される。フレキシブルプリント基板の曲げ自由度は大きいため、図4に示すように、狭い空間内でフレキシブルプリント基板120bを大きな曲率で曲げることができる。
【0121】
制御回路基板110bから延びるフレキシブルプリント基板120aは、ハウジング21内の後方下部で概ね90度曲がって、外部接続コネクタ130と接続される。この例では、図2に示すように、外部接続コネクタ130は、ハウジング21の左側壁に設けられた開口部から外部に露出する。外部接続コネクタ130には、外部装置から延びるコネクタが接続される。
【0122】
本実施形態では、制御回路基板110bと外部接続コネクタ130とをフレキシブルプリント基板120aを用いて電気的に接続する。一般的に、丸電線と比較してフレキシブルプリント基板は薄い形状を有するとともに、曲げ自由度が大きい。制御回路基板110bと外部接続コネクタ130とをフレキシブルプリント基板120aを用いて電気的に接続することにより、ハウジング21内での制御回路基板110bおよび外部接続コネクタ130の配置の自由度を大きくすることができる。また、ハウジング21内の他の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【0123】
本実施形態では、フレキシブルプリント基板を配線として用いることにより、寸法公差の大きい丸電線で発生する撚れやたわみが発生しないため、配線に必要なスペースを小さくすることができ、駆動ユニット20を小型化することができる。駆動ユニット20を小型化できることにより、電動補助自転車10の駆動ユニット20周囲の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【0124】
本実施形態では、電源回路基板110aと制御回路基板110bとを別々に設けている。これにより、発熱量が大きい電源回路111aから離れた位置に制御回路111bを配置することができ、電動モータ25の動作の制御の安定性を向上させるとともに、電源回路111aの発熱の許容量を大きくすることができる。
【0125】
電源回路基板110aと制御回路基板110bとをフレキシブルプリント基板120bを用いて電気的に接続することにより、ハウジング21内での電源回路基板110aおよび制御回路基板110bの配置の自由度を大きくすることができる。
【0126】
また、図3に示すように、制御回路基板110bは、電源回路基板110aと比較してサイズを小さくすることができる。このため、制御回路基板110bは、ハウジング21内の比較的小さいスペースに配置することが可能である。電源回路111aと制御回路111bとを別々の基板に分けることで、ハウジング21内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0127】
図3に示す例では、フレキシブルプリント基板120aにノイズ対策部品125が設けられている。ノイズ対策部品125は、例えばキャパシタおよび/またはインダクタを含む。フレキシブルプリント基板を配線として用いることで、配線上のノイズ対策に効果的な位置にノイズ対策部品125を配置することを容易にできる。制御回路基板110b等のリジッド基板に設けるノイズ対策部品の個数を低減させることができ、リジッド基板を小型化することができる。
【0128】
次に、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続方法の例を説明する。
【0129】
図5は、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続方法の例を示す図である。図5(a)は、外部接続コネクタ130、補強板150、フレキシブルプリント基板120aを示している。図5(b)は、補強板150を間に挟んで接続された外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120aを示している。この例では、フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130とが重なる位置のフレキシブルプリント基板120aの厚さ方向Dtにおいて、フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130との間に補強板150を配置する。補強板150は例えばリジッド基板であるが、それに限定されない。補強板150は、フレキシブルプリント基板120aおよび/または外部接続コネクタ130と接着され得る。
【0130】
外部接続コネクタ130から延びる複数のピン135は、補強板150およびフレキシブルプリント基板120aを貫通する。フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130のピン135とは、例えば、はんだ161を用いて電気的に接続される。はんだ161の代わりに、異方性導電膜または異方性導電ペーストが用いられてもよい。
【0131】
外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとを接続するコネクタを用いず、外部接続コネクタ130をフレキシブルプリント基板120aに直付けすることで、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続部分の厚さを小さくすることができる。補強板150を用いることで、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続部分の強度を高めることができる。
【0132】
図6は、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続方法の別の例を示す図である。図6(a)は、外部接続コネクタ130、フレキシブルプリント基板120a、補強板150を示している。図6(b)は、フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130とが重なる位置のフレキシブルプリント基板120aの厚さ方向Dtにおいて、フレキシブルプリント基板120aの外部接続コネクタ130が接続される面とは反対の面に配置された補強板150を示している。
【0133】
外部接続コネクタ130のピン135は、フレキシブルプリント基板120aおよび補強板150を貫通する。フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130のピン135とは、例えば、はんだ161を用いて電気的に接続される。はんだ161の代わりに、異方性導電膜または異方性導電ペーストが用いられてもよい。例えば、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの間に配置された異方性導電膜または異方性導電ペーストにより、フレキシブルプリント基板120aとピン135とが電気的に接続されてもよい。
【0134】
図7は、外部接続コネクタ130とフレキシブルプリント基板120aとの接続方法の別の例を示す図である。図7に示す例では、外部接続コネクタ130は、表面実装によりフレキシブルプリント基板120aと電気的に接続される。接続には、はんだ161、異方性導電膜または異方性導電ペーストが用いられ得る。補強板150は、フレキシブルプリント基板120aの外部接続コネクタ130が接続される面とは反対の面に配置される。この例では、補強板150はリジッド基板でなくてもよく、必要な強度が得らえる任意の板を補強板150として用いることができる。
【0135】
図3に示す例では、ノイズ対策部品125はフレキシブルプリント基板120aに設けられていたが、ノイズ対策部品125は補強板150に設けられていてもよい。図8は、補強板150に設けられたノイズ対策部品125を示す図である。図8に示す例では、補強板150はリジッド基板であり、補強板150はコネクタ140gを介してフレキシブルプリント基板120aと電気的に接続される。コネクタ140gは、例えば基板対基板コネクタまたはFPCコネクタである。ノイズ対策部品125は例えばコネクタ140gの近傍に配置される。ノイズ対策部品125が設けられたリジッド基板110を用いることにより、フレキシブルプリント基板120aと外部接続コネクタ130との接続部分の強度を高めることができるとともに、ノイズに対する耐性を高めることができる。図5から図7に示す補強板150にノイズ対策部品125が設けられてもよい。
【0136】
次に、フレキシブルプリント基板120およびコネクタ130の別の例を説明する。図9は、フレキシブルプリント基板120およびコネクタ130の別の例を示す図である。
【0137】
図9に示す例では、バッテリユニット26の出力電流を受け取るコネクタ130aと、制御回路基板110bと外部装置との間で制御信号を送受信するためのコネクタ130bとが別々に設けられる。コネクタ130bはフレキシブルプリント基板120aに電気的に接続されている。制御回路基板110bは、フレキシブルプリント基板120aおよびコネクタ130bを介して外部装置と電気的に接続される。
【0138】
コネクタ130aはフレキシブルプリント基板120eに電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板120eと電源回路基板110aとは、コネクタ140fを介して電気的に接続される。コネクタ140fは、例えば基板対基板コネクタまたはFPCコネクタである。バッテリユニット26の出力電流は、外部接続コネクタ130a、フレキシブルプリント基板120eを介して電源回路111aに供給される。
【0139】
外部接続コネクタ130は、機能を集約すると大型化しやすい。また、フレキシブルプリント基板120も機能を集約すると大型化しやすい。集約すると大型化する外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120のそれぞれを分割することで、外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120のそれぞれを小型化することができ、ハウジング21内のより小さいスペースに配置することができる。
【0140】
制御回路基板110b用の外部接続コネクタ130bおよびフレキシブルプリント基板120aは小型化が容易であり、ハウジング21内の比較的小さいスペースに配置することができる。ハウジング21内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0141】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、サスペンションを備える電動補助自転車を例示したが、本発明は、サスペンションを備えていない電動補助自転車にも好適に用いることができる。
【0142】
上述の実施形態において、駆動ユニット20(図2)は、出力軸2522、伝達軸243、回転軸43およびペダルクランク軸22の4軸を備えていたが、軸の数は4軸に限定されない。本発明は、5軸以上を備える駆動ユニットにも適用される。例えば、電動モータ25の出力歯車252Aと減速機24の第1伝達歯車241との間に歯車が配置され、その歯車を介して出力歯車252Aから第1伝達歯車241へトルクが伝達されるような駆動ユニットにも本発明は適用される。
【0143】
上述の実施形態において、駆動ユニット20はアイドルギア41を備えていたが、アイドルギア41を備えない駆動ユニット20にも本発明は適用される。
【0144】
上述した実施形態では、電動モータ25の全体がハウジング21内に収容されていたが、ハウジング21の構造はこれに限定されない。電動モータ25の一部のみがハウジング21内に収容されてもよい。例えば、第1ケース211の左部分に電動モータ25が通ることのできる開口部があり、その開口部を通って、電動モータ25の一部がハウジング21内に位置するように取り付けられてもよい。また、その場合、防塵および防水のために開口部をカバーで覆ってもよい。
【0145】
カバー213(図2)は、ハウジング21の一部であり得、ハウジング21に含まれ得る。カバー213は、電動モータ25の側面を覆う形状を有し、電動モータ25はカバー213によって支持されてもよい。電動モータ25がカバー213によって支持される形態も、電動モータ25がハウジング21によって支持される形態に含まれる。
【0146】
上述した実施形態では、電動補助自転車10として二輪の電動補助自転車を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電動補助自転車10は三輪以上の電動補助自転車であってもよい。
【0147】
上述した実施形態では、乗員がペダルを踏んで発生させる人力および電動モータが発生させる補助力が伝達される駆動輪は後輪であったが、本発明はこれに限定されない。電動補助自転車の形態に応じて、それら人力および補助力は前輪に伝達されてもよいし、前輪および後輪の両方に伝達されてもよい。
【0148】
上述した実施形態では、車両は電動補助自転車であったが、電動補助自転車以外の車両であってもよい。駆動ユニットの小型化が求められる車両において、本発明は好適に用いられ得る。
【0149】
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。本明細書は、以下の項目に記載の駆動ユニットおよび電動補助自転車を開示している。
【0150】
[項目1]
電動補助自転車10に用いられる駆動ユニット20であって、
電動モータ25と、
電動モータ25の一部または全部を収容するハウジング21と、
ハウジング21を貫通し、ハウジング21によって回転可能に支持されるペダルクランク軸22と、
電動モータ25のトルクをペダルクランク軸22に伝達する伝達機構40と、
電動モータ25を動作させるための電気回路111が設けられたリジッド基板110と、
リジッド基板110とリジッド基板110とは別の所定の部品110、130とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板120と、
を備えた、駆動ユニット20。
【0151】
本発明のある実施形態によれば、電動モータ25を動作させるための電気回路111が設けられたリジッド基板110と所定の部品110、130とをフレキシブルプリント基板120を用いて電気的に接続する。一般的に、丸電線と比較してフレキシブルプリント基板120は薄い形状を有するとともに、曲げ自由度が大きい。リジッド基板110と所定の部品110、130とをフレキシブルプリント基板120を用いて電気的に接続することにより、ハウジング21内でのリジッド基板110および所定の部品110、130の配置の自由度を大きくすることができる。また、ハウジング21内の他の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【0152】
フレキシブルプリント基板120を配線として使用することで、寸法公差の大きい丸電線で発生する撚れやたわみが発生しないため、配線に必要なスペースを小さくすることができ、駆動ユニット20を小型化することができる。
【0153】
[項目2]
所定の部品110、130は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタ130を含み、
フレキシブルプリント基板120は、リジッド基板110と外部接続コネクタ130とを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット20。
【0154】
これにより、ハウジング21内でのリジッド基板110および外部接続コネクタ130の配置の自由度を大きくすることができる。
【0155】
[項目3]
所定の部品110、130は、リジッド基板110とは別のリジッド基板110を含み、
フレキシブルプリント基板120は、リジッド基板110と別のリジッド基板110とを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット20。
【0156】
これにより、ハウジング21内での複数のリジッド基板110の配置の自由度を大きくすることができる。
【0157】
[項目4]
リジッド基板110および別のリジッド基板110のうちの一方は、電動モータ25を駆動するための電力を出力する電源回路111aが設けられた電源回路基板110aであり、他方は電源回路111aの動作を制御する制御回路111bが設けられた制御回路基板110bである、項目3に記載の駆動ユニット20。
【0158】
発熱量が大きい電源回路111aから離れた位置に制御回路111bを配置することができ、電動モータ25の動作の制御の安定性を向上させるとともに、電源回路111aの発熱の許容量を大きくすることができる。
【0159】
電源回路基板110aと制御回路基板110bとをフレキシブルプリント基板120を用いて電気的に接続することにより、ハウジング21内での電源回路基板110aおよび制御回路基板110bの配置の自由度を大きくすることができる。
【0160】
[項目5]
制御回路基板110bのサイズは、電源回路基板110aのサイズよりも小さい、項目4に記載の駆動ユニット20。
【0161】
制御回路基板110bは、ハウジング21内の比較的小さいスペースに配置することが可能である。電源回路111aと制御回路111bとを別々の基板に分けることで、ハウジング21内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0162】
[項目6]
所定の部品110、130は、外部装置と電気的に接続するための外部接続コネクタ130を含み、
駆動ユニット20は、
リジッド基板110とは別のリジッド基板110と、
外部接続コネクタ130とは別の外部接続コネクタ130と、
フレキシブルプリント基板120とは別のフレキシブルプリント基板120と、
をさらに備え、
フレキシブルプリント基板120は、リジッド基板110と外部接続コネクタ130とを電気的に接続し、
上記別のフレキシブルプリント基板120は、上記別のリジッド基板110と上記別の外部接続コネクタ130とを電気的に接続する、項目1に記載の駆動ユニット20。
【0163】
集約すると大型化する外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120のそれぞれを分割することで、外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120のそれぞれを小型化することができ、ハウジング21内のより小さいスペースに配置することができる。
【0164】
[項目7]
リジッド基板110および上記別のリジッド基板110のうちの一方は、電動モータ25を駆動するための電力を出力する電源回路111aが設けられた電源回路基板110aであり、他方は電源回路111aの動作を制御する制御回路111bが設けられた制御回路基板110bである、項目6に記載の駆動ユニット20。
【0165】
制御回路基板110b用の外部接続コネクタ130およびフレキシブルプリント基板120は小型化が容易であり、ハウジング21内の比較的小さいスペースに配置することができる。ハウジング21内の比較的小さい空きスペースを有効利用することができる。
【0166】
[項目8]
フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とが重なる位置のフレキシブルプリント基板120の厚さ方向Dtにおいて、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との間に配置された補強板150をさらに備える、項目2に記載の駆動ユニット20。
【0167】
フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とを接続するコネクタを用いないことで、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との接続部分の厚さを小さくすることができる。
【0168】
補強板150を用いることで、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との接続部分の強度を高めることができる。
【0169】
[項目9]
フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とが重なる位置のフレキシブルプリント基板120の厚さ方向Dtにおいて、フレキシブルプリント基板120の外部接続コネクタ130が接続される面とは反対の面に設けられた補強板150をさらに備える、項目2に記載の駆動ユニット20。
【0170】
補強板150を用いることで、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との接続部分の強度を高めることができる。
【0171】
[項目10]
外部接続コネクタ130のピン135は、補強板150を貫通する、項目8または9に記載の駆動ユニット20。
【0172】
これにより、補強板150の周りを迂回させる配線を設けることなくフレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とを電気的に接続することができる。
【0173】
外部接続コネクタ130のピン135が補強板150を貫通することで、補強板150の位置ずれを抑制することができる。
【0174】
[項目11]
フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とは、はんだ161、異方性導電膜および異方性導電ペーストのうちの少なくとも一つを用いて電気的に接続される、項目2、8または9に記載の駆動ユニット20。
【0175】
フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とを接続するコネクタを用いず、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130とを直付けすることで、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との接続部分の厚さを小さくすることができる。
【0176】
[項目12]
フレキシブルプリント基板120に設けられたノイズ対策部品125をさらに備えた、項目1から11のいずれかに記載の駆動ユニット20。
【0177】
フレキシブルプリント基板120を配線として用いることで、配線上のノイズ対策に効果的な位置にノイズ対策部品125を配置することを容易にできる。リジッド基板110に設けるノイズ対策部品125の個数を低減させることができ、リジッド基板110を小型化することができる。
【0178】
[項目13]
補強板150は、ノイズ対策部品125が設けられたリジッド基板110である、項目8から10のいずれかに記載の駆動ユニット20。
【0179】
これにより、フレキシブルプリント基板120と外部接続コネクタ130との接続部分の強度を高めることができるとともに、ノイズに対する耐性を高めることができる。
【0180】
[項目14]
項目1から13のいずれかに記載の駆動ユニット20を備えた電動補助自転車10。
【0181】
駆動ユニット20を小型化できることにより、電動補助自転車10の駆動ユニット20周囲の部品の配置の自由度を大きくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明は、電動補助車両および電動補助車両に搭載される駆動ユニットの分野において特に有用である。
【符号の説明】
【0183】
10:電動補助車両(電動補助自転車)、 20:駆動ユニット、 21:ハウジング、 22:ペダルクランク軸、 24:減速機、 25:電動モータ、 26:バッテリユニット、 34:駆動スプロケット、 35:クランクアーム、 37:ペダル、 40:伝達機構、 41:アイドルギア、 50:ワンウェイクラッチ、 51:インナ部材、 52:アウタ部材、 60:車体フレーム、 61:ヘッドチューブ、 62:トップチューブ、 63:ダウンチューブ、 64:シートチューブ、 65:ブラケット、 233:被駆動歯車、 235:合力出力軸、 241:第1伝達歯車、 242:第2伝達歯車、 243:伝達軸、 252A:出力歯車、 2522:出力軸、 110:リジッド基板(電源回路基板、制御回路基板)、 111:電気回路(電源回路、制御回路)、 120:フレキシブルプリント基板、 125:ノイズ対策部品、 130:外部接続コネクタ、 135:ピン、 140:コネクタ、 142:コネクタ、 145:コネクタ、 150:補強板、 161:はんだ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9