(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117922
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】ネットワークコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/45 20130101AFI20240823BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240823BHJP
【FI】
G06F21/45
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024017
(22)【出願日】2023-02-20
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】519388701
【氏名又は名称】立花 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】立花 良一
(57)【要約】
【課題】セキュリティ性能に優れたネットワークコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】ネットワークコンピュータシステム1は、所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイト11が稼働する第1サーバ10と、
Webサイト11へネットワークを介してアクセス可能なクライアント端末40と、少なくともWebサーバ機能を備える第2サーバ20と、少なくともデータベースサーバ機能を備える第3サーバ30とで構成する。Webサイト11の認証用のパスワードは、クライアント端末40上で稼働するWeb閲覧ソフト41からの操作によって生成されるクライアントアクションパスワードのみとし、当該クライアントアクションパスワードは、第2サーバ20を介して第3サーバ30によって生成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイト(11)が稼働する第1サーバ(10)と、前記Webサイトへネットワークを介してアクセス可能なクライアント端末(40)と、を少なくとも包含するネットワークコンピュータシステムであって、
前記Webサイトの認証用のパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって生成されるクライアントアクションパスワードのみとしたネットワークコンピュータシステム。
【請求項2】
少なくともWebサーバ機能を備える第2サーバ(20)及び少なくともデータベースサーバ機能を備える第3サーバ(30)をも包含し、前記クライアントアクションパスワードが、前記第2サーバを介して前記第3サーバによって生成される請求項1のネットワークコンピュータシステム。
【請求項3】
前記クライアントアクションパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって削除することも可能な請求項1又は請求項2のネットワークコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はネットワークを介してクライアント端末がWebサイトなどを構成するサーバにアクセスをするいわゆるクライアントサーバシステム形態のネットワークコンピュータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のWebサイトを構成するサーバを閲覧する際に認証が必要なコンピュータシステムは多く存在し、当該認証の際にログインID及びパスワードにより認証を行う方法も多くのインターネットサイトで採用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の様なログインID及びパスワードによって認証が行われるコンピュータシステムにおいて、当該ログインID及びパスワードは、あらかじめいずれかのサーバ上で生成されいずれかのサーバ上のデータベースに格納されることが多い。
【0005】
あらかじめ生成されたパスワードは、流出する可能性がありセキュリティ上の問題が存在していた。
【0006】
そこで、パスワードの生成プロセスに工夫を施しセキュリティ性を高めたネットワークコンピュータシステムを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、上述の課題を解決するために、所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイトが稼働する第1サーバと、前記Webサイトへネットワークを介してアクセス可能なクライアント端末と、を少なくとも包含するネットワークコンピュータシステムであって、前記Webサイトの認証用のパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって生成されるクライアントアクションパスワードのみとしたネットワークコンピュータシステムを提供する。
【0008】
本願発明は、上述の課題を解決するために、少なくともWebサーバ機能を備える第2サーバ及び少なくともデータベースサーバ機能を備える第3サーバをも包含し、前記クライアントアクションパスワードが、前記第2サーバを介して前記第3サーバによって生成されるネットワークコンピュータシステムを提供する。
【0009】
本願発明は、上述の課題を解決するために、前記クライアントアクションパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって削除することも可能なネットワークコンピュータシステムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願発明のネットワークコンピュータシステムは、所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイトが稼働する第1サーバと、前記Webサイトへネットワークを介してアクセス可能なクライアント端末と、を少なくとも包含するネットワークコンピュータシステムであって、前記Webサイトの認証用のパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって生成されるクライアントアクションパスワードのみとしたため、当該クライアントアクションパスワードを生成した操作者以外はパスワードを知る手段がなくセキュリティの高いWebサイトを包含するネットワークコンピュータシステムを構築することができる。
【0011】
本願発明のネットワークコンピュータシステムは、少なくともWebサーバ機能を備える第2サーバ及び少なくともデータベースサーバ機能を備える第3サーバをも包含し、前記クライアントアクションパスワードが、前記第2サーバを介して前記第3サーバによって生成されるため、セキュリティの高さを維持しつつ各サーバの負荷分散にも優れるネットワークコンピュータシステムを構築することができる。
【0012】
本願発明のネットワークコンピュータシステムは、前記クライアントアクションパスワードを、前記クライアント端末上で稼働するWeb閲覧ソフトからの操作によって削除することも可能なため、よりセキュリティの高いネットワークコンピュータシステムを構築及び運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1はネットワークコンピュータシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2はクライアント端末でのパスワードの生成操作及び当該パスワード生成の流れの初期(前半)を示す図である。
【
図3】
図3はクライアント端末側のWeb閲覧ソフトに表示されるログイン画面(第1画面)表示を示した図である。
【
図4】
図4はクライアント端末でのパスワードの生成操作及び当該パスワード生成の流れの後期(後半)を示す図である。
【
図5】
図5はクライアント端末側のWeb閲覧ソフトに表示される第2画面表示を示した図である。
【
図6】
図6はEメールで受信したパスワード通知を目視確認しながら、Webサイトにログインする様子を示したイメージ図である。
【
図7】
図7はスマートフォンのSMSで受信したパスワード通知を目視確認しながら、Webサイトにログインする様子を示したイメージ図である。
【
図8】
図8はクライアント端末側のWeb閲覧ソフトに表示されるログアウト画面(パスワード削除ボタンを含む。)表示を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイトが稼働する第1のWebサーバと、Webサーバ機能を備える第2のWebサーバと、データベースサーバとで構成するサーバ群に、インターネットを介してクライアント端末が利用する形態のネットワークコンピュータシステムとして実施する。
【実施例0015】
コンピュータシステムのハードウェア、ソフトウェア及びネットワークの構成、並びに各サーバが備える機能について、
図1に従い説明する。
【0016】
ネットワークコンピュータシステム(1)は、所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイト(11)が稼働する第1サーバ(10)と、少なくともWebサーバ機能を備える第2サーバ(20)と、データベースサーバ機能を備える第3サーバ(30)と、インターネットを介して前記第1サーバへアクセス可能なクライアント端末(40)と、所定のスマートフォン(50)とで構成する(
図1)。
【0017】
前記第1サーバ(10)について、所定のパスワード認証を通過しないと閲覧できないコンテンツが存在するWebサイト(11)が稼働していることを要する(
図1)。
【0018】
なお、Webサイトを運営する者が所在する場所に設置するサーバだけではなく、いわゆるクラウドコンピュータの様な遠隔地に設置するサーバでも良いものとする。
【0019】
前記第2サーバ(20)について、Webサーバ機能(21)のほか、HTMLファイルにスクリプトを記述して作動させるJSP(Java Server Pages)サービス機能(22)も備える(
図1)。
【0020】
前記第3サーバ(30)について、少なくともユーザ情報に関する第1テーブル(31)と、ログインに関する第2テーブル(32)と、パスワード有効期限に関する第3テーブル(33)と、を備える(
図1)。
【0021】
前記ユーザ情報に関する第1テーブル(31)について、ログインID列、パスワード生成用のパスワード列、住所列、電話番号列、Eメールアドレス列、SMS受信用のスマートフォンの電話番号列、クレジットカード情報列などとで構成する。なお、主キーは、前記ログインID列とする。
【0022】
前記ログインに関する第2テーブル(32)について、ログインID列、パスワード列とで構成する。なお、主キーは、前記ログインID列とする。
【0023】
前記パスワード有効期限に関する第3テーブル(33)について、ログインID列、パスワード有効日時列、パスワード有効期間列とで構成する。なお、主キーは、前記ログインID列とする。
【0024】
前記クライアント端末(40)について、Web閲覧用ソフト(以下、「ブラウザ」と呼ぶ。)を備えるパソコンやタブレット端末などを想定する。当該クライアント端末上で稼働するブラウザを利用しインターネットを介して少なくとも前記第1サーバにアクセス可能であることを要する。
【0025】
前記スマートフォン(50)について、SMS受信用のアプリ又はソフトウェア及びEメールを受信可能なアプリ又はソフトウェアを備えるハードウェアを想定する(
図1)。
【0026】
次に、ネットワークコンピュータシステムの利用イメージを
図2から
図8に従い説明する。
【0027】
クライアント端末(40)のブラウザ(41)を使用して、第1サーバ(10)上で稼働するWebサイト(11)にアクセスしログイン画面(42)を表示する(
図2及び
図3)。
【0028】
前記ログイン画面(42)の下方側に表示されているID欄(421)及びパスワード欄(422)に、あらかじめ指定されているID(例えば、USER1)及びパスワード(例えば、password)を入力して、パスワード生成ボタン(423)をクリックすることで、当該Webサイトの認証用のパスワードであるクライアントアクションパスワードが生成される(
図3)。
【0029】
(内部処理)
前述の操作により、前記ID欄(421)に入力されたID及び前記パスワード欄(422)に入力されたパスワードと、第3サーバ(30)に格納されているID及びパスワード生成用のパスワードと、が照合できた場合(照合できなかった場合は、エラー表示を出した後に再度ログイン画面(42)表示となる。)、次画面である第2画面(43)に遷移する(
図4及び
図5)。
【0030】
なお、より具体的な照合先について、前記第3サーバ(30)のユーザ情報に関する第1テーブル(31)のパスワード生成用のパスワード列である。
【0031】
ブラウザ(41)上に表示される前記第2画面(43)の上方側に表示されている有効期限を選択するラジオボタン(431)の中から任意のラジオボタン(
図5で示す黒丸で選択をした「15分」)を選択し、さらにその下方側に表示されたパスワードデータ生成方法を選択するラジオボタン(432)の中から任意のラジオボタン(
図5で示す黒丸で選択をした「ランダムに生成」)を選択し、パスワードをEメールに通知ボタン(433)をクリックした場合、前記第3サーバ(30)であらたにクライアントアクションパスワード(例えば、pW123xx)を生成するとともに、当該クライアントアクションパスワードを指定のEメールアドレスに送信(通知)する(
図5)。
【0032】
(内部処理)
前記第1サーバ(10)及び前記第2サーバ(20)は、前記JSPサーバ機能(22)を介して前記第3サーバ(30)上で稼働する前記ログインに関する第2テーブル(32)のログインID列のパスワード情報をあらたに生成したクライアントアクションパスワードに更新する。
【0033】
また、前記第3サーバ(30)上で稼働する前記有効期限に関する第3テーブル(33)のログインID列、パスワード有効日時列、パスワード有効期間列の情報を挿入する。
【0034】
所定のメールソフトで、前記通知されたクライアントアクションパスワードを目視確認した操作者は、当該クライアントアクションパスワードを使用して前記Webサイト(11)にログインする。具体的な操作は、前記ログイン画面(42)の中央部に表示されているログインID欄(424)に、当該クライアントアクションパスワードを入力し、ログインボタン(425)をクリックする(
図6及び
図3)。
【0035】
また、ブラウザ(40)上に表示される前記第2画面(43)の上方側に表示されている有効期限を選択するラジオボタン(431)の中から任意のラジオボタン(
図5で示す黒丸で選択をした「15分」)を選択し、さらにその下方側に表示されたパスワードデータ生成方法を選択するラジオボタン(432)の中から任意のラジオボタン(
図5で示す黒丸で選択をした「ランダムに生成」)を選択し、パスワードをSMS用のスマホに通知ボタン(434)をクリックした場合、前記第3サーバ(30)であらたにクライアントアクションパスワード(例えば、pW123xx)を生成するとともに、当該クライアントアクションパスワードを指定のSMS番号に送信(通知)する(図示せず)。
【0036】
所定のスマートフォン(50)で、前記通知されたクライアントアクションパスワードを目視確認した操作者は、当該クライアントアクションパスワードを使用して前記Webサイト(11)にログインする。具体的な操作は、前記ログイン画面(42)の中央部に表示されているログインID欄(424)に、当該クライアントアクションパスワードを入力し、ログインボタン(425)をクリックする(
図7及び
図3)。
【0037】
前記Webサイト(11)の閲覧を終えた操作者は、クライアント端末(40)のブラウザ(41)を使用して、ログアウト画面(44)を表示し、ログアウトボタン(442)クリックすることで前記Webサイトからログアウトできる(
図8)。
【0038】
前記ログアウト画面(44)に表示されているパスワード消去ボタン(441)をクリックすることで、当該Webサイトの認証用のパスワードであるクライアントアクションパスワードがNULL状態に更新又は消去される(
図8)。
【0039】
なお、クライアントアクションパスワードがNULL状態に更新された後又は削除された後は、前記Webサイト(11)にはいかなるID及びパスワードを入力したとしてもログインすることはできない。
【0040】
前記ログアウト画面(44)に表示されているパスワード消去ボタン(441)と、前記ログイン画面(42)の最下部に表示されているパスワード消去ボタンと、に関して、クリックをすることで同様の内部処理が行われる(
図8及び
図3)。