IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立エルジーデータストレージの特許一覧

特開2024-117931無線充電装置、車両用スマートフォンキーシステム、キー認証装置、スマートフォン、車両、方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117931
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】無線充電装置、車両用スマートフォンキーシステム、キー認証装置、スマートフォン、車両、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/40 20130101AFI20240823BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240823BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240823BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240823BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240823BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20240823BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20240823BHJP
   H04B 5/48 20240101ALI20240823BHJP
【FI】
B60R25/40
E05B49/00 K
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 301D
B60R25/24
H04B1/59
H04B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024033
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩三
【テーマコード(参考)】
2E250
5G503
5K012
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB04
2E250BB08
2E250FF23
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
2E250LL01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD05
5G503GD06
5K012AC06
5K012AC08
5K012AC10
5K012AE13
(57)【要約】
【課題】認証のための無線通信への悪影響を避けることできると共に充電の所要時間が増加してしまう可能性を低下できる無線充電装置、車両用スマートフォンキーシステム、キー認証装置、スマートフォン、車両、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】車両用スマートフォンシステムは、キー認証装置と、スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、を含む。車両用スマートフォンキーシステムは、スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、スマートフォンからキー認証装置に無線通信により送信されるマスタ認証情報、及び、記憶部に格納されたコピー認証情報のうちの何れかを選択して認証情報として使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンと無線通信ができるように構成されたキー認証装置であって、認証情報を用いて認証を行う前記キー認証装置と通信可能に接続された、車両に搭載される無線充電装置であって、
送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能である電力送信部と、
前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部と、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、
前記スマートフォンから前記キー認証装置に前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報
のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用するように、前記キー認証装置に指示する制御部と、
を備える、
無線充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記制御部は、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態が、前記スマートフォンに対して充電用の電力を送電している充電実行状態にある場合、前記認証情報として前記コピー認証情報を前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により取得するように、前記キー認証装置に指示し、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態が、充電用の電力の送電を停止している充電非実行状態にある場合、前記認証情報として前記マスタ認証情報を前記無線通信により取得するように、前記キー認証装置に指示する、
ように構成された
無線充電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無線充電装置において、
前記制御部は、
前記スマートフォンから前記充電用の電力の送電の要求があった場合において前記記憶部に前記コピー認証情報が格納されていない場合、前記電力送信部によって前記充電用の電力を送電する前に、前記認証に用いる前記認証情報を前記スマートフォンから前記コイル間通信によって取得し、取得した前記認証情報を前記記憶部に格納し、
その後、所定のタイミングで前記記憶部から前記コピー認証情報を破棄する

ように構成された、
無線充電装置。
【請求項4】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記コイル間通信は、無線充電装置側で、FSK(frequency shift keying)により生成した信号を、前記送電コイルから前記受電コイルに送電される電力を利用して前記スマートフォンに伝送し、
スマートフォン側でASK(Amplitude Shift Keying)により生成した信号を、前記電力を利用して前記無線充電装置に伝送する、
無線充電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記スマートフォンと前記キー認証装置との間の前記無線通信として、Bluetooth通信又はNFC通信が使用され、
前記スマートフォンの電源がOFFの状態にある場合、又は、前記スマートフォンの前記二次電池の充電量が最低起動値以下である場合、前記NFC通信が前記マスタ認証情報を送信するときの前記無線通信として使用される、
無線充電装置。
【請求項6】
請求項2に記載の無線充電装置において、
前記無線通信として、Bluetooth通信が使用され、
前記制御部は、
通信を前記無線通信から前記コイル間通信に切り替えた場合であっても、前記Bluetooth通信を切断しないで接続状態を維持するように、前記スマートフォン及び前記キー認証装置に指示する、
ように構成された、
無線充電装置。
【請求項7】
請求項2に記載の無線充電装置において、
前記無線通信として、Bluetooth通信が使用され、
前記制御部は、
前記Bluetooth通信がエラーである場合、前記認証情報として、前記コピー認証情報を取得するように、前記キー認証装置に指示する、
ように構成された、
無線充電装置。
【請求項8】
請求項1に記載の無線充電装置において、
ドアを施錠及び解錠するときの認証には、前記無線通信として、NFC通信が使用される、
無線充電装置。
【請求項9】
受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンを車両のキーとして使用する車両用スマートフォンキーシステムであって、
前記スマートフォンと無線通信ができるように構成され、認証情報を用いて認証を行うキー認証装置と、
前記キー認証装置と通信可能に接続され、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能であり、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、
を備え、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、
前記スマートフォンから前記キー認証装置に前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報
のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用する、
車両用スマートフォンキーシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の車両用スマートフォンキーシステムにおいて、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態が、前記スマートフォンに対して充電用の電力を送電している充電実行状態にある場合、前記認証情報として、前記コピー認証情報を使用し、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態が、充電用の電力の送電を停止している充電非実行状態にある場合、前記認証情報として、前記マスタ認証情報を使用する、
車両用スマートフォンキーシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の車両用スマートフォンキーシステムにおいて、
前記無線充電装置は、
前記スマートフォンから前記充電用の電力の送電の要求があった場合において前記記憶部に前記コピー認証情報が格納されていない場合、前記電力送信部によって前記充電用の電力を送電する前に、前記認証に用いる前記認証情報を前記スマートフォンから前記コイル間通信によって取得し、取得した前記認証情報を前記記憶部に格納し、
その後、所定のタイミングで前記記憶部から前記コピー認証情報を破棄する、
ように構成された、
車両用スマートフォンキーシステム。
【請求項12】
請求項9の車両用スマートフォンキーシステムに使用されるスマートフォン。
【請求項13】
請求項9の車両用スマートフォンキーシステムが適用された車両。
【請求項14】
受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンを車両のキーとして使用し、
前記スマートフォンと無線通信ができるように構成され、認証情報を用いて認証を行うキー認証装置と、
前記キー認証装置と通信可能に接続され、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能であり、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、
を備えた車両用スマートフォンキーシステムに適用されるコンピュータを用いた方法であって、
前記コンピュータによって、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、
前記スマートフォンから前記キー認証装置に前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報
のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用させる、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線充電装置、車両用スマートフォンキーシステム、キー認証装置、スマートフォン、車両、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンを自動車のキーとして使用する車両用電子キーシステムが普及している。特許文献1は、非接触充電ユニットと無線通信ユニットとを同期制御する制御ユニットを備えた非接触充電システム(以下、「従来技術」と称呼される。)を開示する。
【0003】
従来技術は、制御ユニットと、無線通信ユニットと、非接触充電ユニットとを備える。制御ユニットは、無線通信ユニット及び非接触充電ユニットに接続される。無線通信ユニットは、電子キーと無線通信を行って車両の電装品の動作制御を行う。非接触充電ユニットは、非接触でポータブル機器へ給電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5979377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、ワイヤレス充電を行っている場合において、「ワイヤレス充電の磁界で発生する電波」が「電子キーとの無線通信に使用する電波」に干渉し、認証のための無線通信に悪影響を与えてしまう可能性がある。そこで、制御ユニットは、無線通信ユニットと電子キーとの通信を行わせるタイミングで非接触充電ユニットのポータブル機器への給電動作を停止させるように、それぞれの装置へ制御信号を送信する。
【0006】
しかし、従来技術では、認証のための無線通信へのワイヤレス充電による悪影響を避けるため、充電を停止するので、非接触充電ユニットによる最初の充電開始時点からポータブル機器のバッテリが満充電になる時点までの充電の所要時間が増加してしまう。本発明は上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、認証のための無線通信への悪影響を避けることできると共に充電の所要時間が増加してしまう可能性を低下できる無線充電装置、車両用スマートフォンキーシステム、キー認証装置、スマートフォン、車両、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の無線充電装置は、受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンと無線通信ができるように構成されたキー認証装置であって、認証情報を用いて認証を行う前記キー認証装置と通信可能に接続された、車両に搭載される無線充電装置であって、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能である電力送信部と、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部と、前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、前記スマートフォンから前記キー認証装置に、前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用するように、前記キー認証装置に指示する制御部と、を備える。
【0008】
本発明の車両用スマートフォンキーシステムは、受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンを車両のキーとして使用する車両用スマートフォンキーシステムであって、前記スマートフォンと無線通信ができるように構成され、認証情報を用いて認証を行うキー認証装置と、前記キー認証装置と通信可能に接続され、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能であり、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、を備え、前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、前記スマートフォンから前記キー認証装置に、前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用する。
【0009】
本発明のスマートフォンは、上記車両用スマートフォンキーシステムに使用されるスマートフォンである。
【0010】
本発明の車両は、上記車両用スマートフォンキーシステムが適用された車両である。
【0011】
本発明の方法は、受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンを車両のキーとして使用し、前記スマートフォンと無線通信ができるように構成され、認証情報を用いて認証を行うキー認証装置と、前記キー認証装置と通信可能に接続され、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能であり、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、を備えた車両用スマートフォンキーシステムに適用されるコンピュータを用いた方法であって、前記コンピュータによって、前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、前記スマートフォンから前記キー認証装置に、前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用させる。
【0012】
本発明のプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、認証のための無線通信への悪影響を避けることできると共に充電の所要時間が増加してしまう可能性を低下できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は車両用スマートフォンキーシステム(スマホキーシステム)のシステム構成例を示す構成図である。
図2図2はFSK変調の原理及びASK変調の原理を説明するための図である。
図3A図3Aはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図3B図3Bはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図3C図3Cはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図4図4はキーIDサーバが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図5図5はWCUが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図6図6はスマホが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図7図7は車体制御ECUが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図8図8はキー制御ECUが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図9図9はスマホキーシステムのシステム構成例を示す構成図である。
図10A図10Aはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図10B図10Bはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図10C図10Cはユーザがスマホキーシステムを利用するときのシーケンス図である。
図11A図11Aはスマホが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図11B図11Bはスマホが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図12図12は車体制御ECUが行う処理を説明するためのフローチャートである。
図13図13はキー制御ECUが行う処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一又は対応する部分には同一の符号を付す場合がある。以下の説明では、機能ブロックを主語として処理を説明する場合があるが、処理の主語が、機能ブロックに代えて、CPU又は装置とされてもよい。識別情報について説明する際、「ID」の表現を用いるが、他の表現を用いてもよい。
【0016】
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態に係る無線充電装置を含む車両用スマートフォンキーシステム(以下、「第1スマホキーシステム」)について説明する。
【0017】
図1は第1スマホキーシステムのシステム構成例を示す構成図である。第1スマホキーシステムは、車両SVに適用される。第1スマホキーシステムは、WCU(wireless charging unit(ワイヤレス充電ユニット))10と、スマートフォン(以下、「スマホ」と称呼される。)20と、キーIDサーバ40と、キー制御ECU50と、車体制御ECU60と、を含む。なお、WCU10は、「無線充電装置」とも称呼され、第1実施形態に係る無線充電装置に対応する。車両SVには、WCU10と、キー制御ECU50と、車体制御ECU60と、が搭載されている。
【0018】
スマホ20とキーIDサーバ40とは、無線の移動通信により情報を送受信可能に構成されている。キーIDサーバ40とキー制御ECU50とは、無線の移動通信により情報を送受信可能に構成されている。スマホ20とキー制御ECU50とは、無線通信(Bluetooth通信)により、情報を送受信可能に構成されている。なお、「Bluetooth」は登録商標である。WCU10とキー制御ECU50と車体制御ECU60とは、CAN(Controller Area Network)31を介して互いに情報を送受信可能に構成されている。
【0019】
WCU10は、送電制御部11と、インバータ12と、コイル13と、コイル間通信部14と、メモリ111と、を備える。なお、送電制御部11は、便宜上、「制御部」とも称呼される場合があり、コイル13は、便宜上、「送電コイル」と称呼される場合がある。
【0020】
送電制御部11は、マイクロコンピュータ等を含む送電制御回路を含み、コイル13に供給する交流電力を制御する。また、送電制御部11は、CAN31を介してキー制御ECU50及び車体制御ECU60のそれぞれと通信を行ったりするなどの機能を有する。これらの機能は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。送電制御部11は、コイル間通信部14と情報を入出力可能に接続される。
【0021】
車両SVのアクセサリ電源(ACC電源)が供給されると車両SVのバッテリ電源から供給される直流電力は、インバータ12に入力される。インバータ12は、入力された直流電力を、コイル13の励起に必要となる交流電力に変換し、変換後の交流電力をコイル13に供給する。送電制御部11は、インバータ12が備える図示しないスイッチの状態をON又はOFFに制御することによって、コイル13に供給する交流電力を制御する。
【0022】
コイル間通信部14はコイル13及びコイル21を用いて、スマホ20のコイル間通信部24と双方向のコイル間通信を行う。
【0023】
コイル間通信部14は、インバータ12からコイル13に供給される交流電力を搬送波として利用して、送信したい情報を示す情報信号を重畳して情報を伝送する。具体的に述べると、コイル間通信部14は、コイル13を介してコイル21に送電される交流電力を利用して、情報を変調して伝送する。コイル間通信部14は、コイル間通信部24から交流電力を利用して送信される情報信号を受信し、受信した情報信号を復調して情報を取得する。
【0024】
コイル間通信で用いる変調及び復調の方式は、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(frequency shift keying)などを用いる。図2に示すように、ASKは、搬送波を不連続に変化させるデジタル変調方式の一つであり、搬送波の振幅の変化により伝送するデータを表現する方式である。振幅は例えばΔ110mV変える。FSKは、搬送波を不連続に変化させるデジタル変調方式の一つで、搬送波の周波数の変化により伝送するデータを表現する方式である。周波数は例えばΔ±4%変える。この送電側から受電側への情報の伝送には、例えば、FSKが使用される。
【0025】
コイル13は、コイル状の導電性材料で構成され、スマホ20のコイル21と磁気結合3を行い、スマホ20とコイル間通信を行うため及びスマホ20に電力を送電(給電)するために使用される。
【0026】
メモリ111は、情報(データ)を格納可能な記憶媒体(記憶装置)であり、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性メモリで構成される。
【0027】
スマホ20は、CPU、ROM、RAM、インタフェースI/F及びデータの読み出し及び書き込み可能な不揮発性のメモリ等を含むマイクロコンピュータ等を含む。
【0028】
スマホ20は、コイル21と、整流平滑部22と、受電制御部23と、コイル間通信部24と、二次電池25と、電話制御部26と、移動通信部27と、アンテナ28と、Bluetooth通信部29と、アンテナ210と、を備える。なお、コイル21は、便宜上、「受電コイル」と称呼される場合がある。
【0029】
コイル21は、コイル状の導電性材料で構成され、WCU10のコイル13と磁気結合3を行い、WCU10とコイル間通信を行うため及びWCU10から電力を受電するために使用される。
【0030】
コイル間通信部24は、コイル21及びコイル13を介して、WCU10のコイル間通信部14とコイル間通信を行う。コイル間通信部24は、コイル13を介してコイル21に送電される交流電力を利用して、情報を変調して伝送する。この受電側から送信側への情報の伝送には、例えば、ASKが使用される。コイル間通信部24は、コイル間通信部14から交流電力を利用して送信される情報信号を受信し、受信した情報信号を復調して情報を取得する。
【0031】
整流平滑部22は、例えば、半導体ダイオード及びコンデンサを用いた回路で構成される。整流平滑部22は、コイル21から相互誘電作用により受電したコイル21の交流を整流化及び平滑化することにより、直流に変換して受電制御部23に供給する。受電制御部23は、二次電池25を充電するために二次電池25に供給する充電電流及び充電電圧等を制御する。
【0032】
電話制御部26は、マイクロコンピュータで構成され、スマホキー機能及び電話機能等を含むスマホ20が有する各種機能を実現するための制御を実行する。例えば、ROM及び/又は不揮発性のメモリにはスマホキー機能を実現するためのキーアプリケーションを含むアプリケーション等が格納されており、CPUはROM及び/又は不揮発性のメモリに格納されたキーアプリケーションを実行することにより、スマホ20をキーとして使用するための各種機能を実現する。
【0033】
メモリ211は、情報(データ)を格納可能な記憶媒体(記憶装置)であり、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性メモリで構成される。
【0034】
移動通信部27は、アンテナ28に接続された移動通信モジュールで構成され、キーIDサーバ40の移動通信部42との間で無線通信可能に接続される。Bluetooth通信部29は、アンテナ210に接続されたBluetooth通信モジュールで構成され、キー制御ECU50のBluetooth通信部55との間で無線通信可能に接続される。
【0035】
キーIDサーバ40は、CPU、ROM、RAM、インタフェースI/F及びデータの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置等を含むコンピュータ(サーバ、情報処理装置)等で構成される。CPUはROMに格納されたプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。キーIDサーバ40は、複数のサーバで構成されてもよく、物理的なサーバに限らず、クラウド上の仮想的なサーバであってもよい。
【0036】
キーIDサーバ40は、記憶部41と、移動通信部42と、アンテナ43とを備える。記憶部41は、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置で構成される。記憶部41は、キー認証に使用されるキーIDが格納されたデータベース44を保持(記憶、格納)している。なお、キーIDは、「認証情報」と称呼される場合がある。
【0037】
移動通信部42は、アンテナ43に接続された移動通信モジュールで構成され、スマホ20の移動通信部27及びキー制御ECU50の移動通信部52のそれぞれとの間で無線通信可能に接続される。
【0038】
キー制御ECU50は、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)である。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性メモリ及びインタフェース等を含む。CPUはROMに格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現するようになっている。キー制御ECU50は、便宜上、「キー認証装置」とも称呼される場合がある。
【0039】
キー制御ECU50は、キー制御部51と、移動通信部52と、アンテナ53と、メモリ54と、Bluetooth通信部55と、アンテナ56と、を備える。キー制御部51はマイクロコンピュータで構成される。移動通信部52は、アンテナ53に接続された移動通信モジュールで構成され、キーIDサーバ40の移動通信部42との間で移動通信可能に接続される。Bluetooth通信部55は、アンテナ56に接続されたBluetooth通信モジュールで構成され、スマホ20のBluetooth通信部29との間で無線通信可能に接続される。
【0040】
車体制御ECU60は、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)である。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性メモリ及びインタフェース等を含む。CPUはROMに格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現するようになっている。
【0041】
車体制御ECU60は、車体制御部61を備える。車体制御部61はマイクロコンピュータで構成される。車体制御ECU60は、ドアSW62及びエンジンSW64に接続されている。ドアSW62は、例えば、車両SVが備える図示しないアウトサイドハンドルに設けられている。ドアSW62は、ユーザによって押下されることにより操作される。ドアSW62は、ユーザによって操作されると、ドアSWが操作されたことを示す操作信号を車体制御ECU60に送信する。
【0042】
エンジンSW64は、例えば、運転席の正面に設けられている。エンジンSW64は、図示しないエンジンを始動又は停止するためにユーザ(運転者)によって操作されるスイッチである。エンジンSW64は、ユーザ(運転者)によって押下されることにより操作される。エンジンSW64は、ユーザによって操作されると、エンジンSW64が操作されたことを示す操作信号を車体制御ECU60に送信する。
【0043】
例えば、ブレーキを踏まないでエンジンSW64が1回押下されると、車体制御ECU60は、WCU10を含む車載アクセサリに電力を供給するアクセサリ電源をONにする。ブレーキを踏んだ状態でエンジンSW64が1回押下されると、車体制御ECU60は、アクセサリ電源及びエンジンの運転制御に使用されるイグニッション電源(IG電源)の両方をオンにする。車体制御ECU60は、イグニッション電源をオンにして、エンジンを始動させるためのスタータを作動させ、エンジンを始動させる。シフトレバーのポジションが「P」の位置にある状態で、エンジンSW64が1回押下されると、車体制御ECU60は、アクセサリ電源及びイグニッション電源をオフにして、エンジンを停止する。
【0044】
車両制御ECU60は、ドアロック機構63に接続される。車両制御ECU60は、ドアロック機構63を動作することにより、車両SVのドアをロック状態(「ドアロック状態」とも称呼される。)及びアンロック状態(「ドアアンロック状態」とも称呼される。)の何れかの状態にする。
【0045】
車体制御ECU60は、エンジンアクチュエータ65に接続されている。エンジンアクチュエータ65は、車両SVが備えるエンジン(内燃機関)のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。車体制御ECU60は、図示しないアクセルの操作等に応じてエンジンアクチュエータ65を制御することによって、車両SVの駆動力を制御する。
【0046】
<概要>
本発明の概要について説明する。第1スマホキーシステムは、スマホ20を車両SVのキーとして使用したスマートエントリーシステム(smart entry system)であり、スマホ20を車両SVのキーとして使用して、車両SVが備えるドアの施錠及び解錠、並びに、エンジンの始動及び停止などを実行する。第1スマホキーシステムでは、車両SVの一定距離の範囲内に入ったスマホ20と、車両SVに搭載された装置とが通信を行い、キー認証を行う。認証に必要なキーIDは、キーIDサーバ40からスマホ20及びキー制御ECU50のそれぞれに送信され、スマホ20のメモリ211及びキー制御ECU50のメモリ54のそれぞれに格納される。
【0047】
キー制御ECU50は、キー認証を要求された場合、スマホ20から直接又はスマホ20から取得されWCU10に保存されているキーIDを受信し、受信したキーIDとキー制御ECU50が保持するキーIDとが一致するか否かを判定する(即ち、キー照合を行う)ことにより、キー認証を行う。受信したキーIDとキー制御ECU50が保持するキーIDとが一致する場合、キー制御ECU50はキー認証が成功したと判定する。受信したキーIDとキー制御ECU50が保持するキーIDとが一致しない場合、キー制御ECU50はキー認証が失敗したと判定する。
【0048】
ところで、従来のスマホキーシステムでは、WCU10がスマホ20に対してワイヤレス充電を行っている状態(充電実行状態)にある場合において、「ワイヤレス充電の磁界で発生する電波」が、「スマホ20とキー制御ECU50とがキー認証のための通信(無線通信)に使用する電波」に干渉し、認証のための無線通信に悪影響を与えてしまう可能性がある。
【0049】
これに対して、キー認証の通信時に充電を停止すれば、この問題を回避できる可能性がある。しかし、この場合、充電の時間効率が低下してしまうので、充電を開始してから満充電になるまでにかかる充電の所要時間が長くなってしまう。更に、充電回数が増加してしまうので、スマホ20の二次電池25が劣化し易くなってしまう可能性がある。
【0050】
そこで、第1スマホキーシステムでは、WCU10がスマホ20に対して充電を行っていない状態(充電非実行状態)にある場合、スマホ20とキー制御ECU50との無線通信により、キー認証を行う。このときキー認証に使用されるスマホ20のメモリ211に保存されたキーIDは、便宜上、「マスタ認証情報」と称呼される場合がある。
【0051】
WCU10がスマホ20に対して充電を行っている状態(充電実行状態)にある場合、スマホ20とWCU10とのコイル間通信により取得したキーIDをWCU10のメモリ111に保存し、保存したキーIDをWCU10とキー制御ECU50とのCAN通信によりキー制御ECU50に送信して、キー認証を行う。このメモリ111に保存したキーIDは、便宜上、「コピーキーID」又は「コピー認証情報」と称呼される場合がある。
【0052】
第1スマホキーシステムによれば、WCU10がスマホ20に対して充電を行っている状態(充電実行状態)にある場合、充電を停止しないで、スマホ20は、WCU10に保存したキーIDを用いて、WCU10とキー制御ECU50とキー認証のための通信(有線の通信)を行うことにより、キー認証を行うことができる。従って、第1スマホキーシステムは、認証のための無線通信への悪影響を避けることできると共に充電の所要時間が増加してしまう可能性を低下できる。更に、第1スマホキーシステムは、充電中、キーIDを回答する必要がないので最大効率で充電できる。更に、第1スマホキーシステムは、充電回数を減らすことができるので、二次電池25が劣化し易くなってしまう可能性を低下できる。更に、第1スマホキーシステムは、充電中キーIDをWCU10にコピーして優先でキー検出を行うので、通信が安定化する。
【0053】
<第1スマホキーシステムの全体動作>
図3A乃至図3Cは、ユーザUs1が第1スマホキーシステムを利用するときのキーIDサーバ40、スマホ20、WCU10、キー制御ECU50及び車体制御ECU60の各動作を説明するためのシーケンス図である。
【0054】
S301:キーIDサーバ40はキーID(図中、「Key ID」と表記される。)をスマホ20及びキー制御ECU50に送信する。スマホ20は、キーIDを受信しメモリ211に保存(記憶、格納)する。キー制御ECU50は、キーIDを受信しメモリ54に保存(記憶、格納)する。なお、吹き出しSB1の説明に示すように、S301の動作は、例えば、車購入時やレンタカーの場合、レンタル時などに実行される。
【0055】
S302:ユーザUs1がスマホ20を携帯した状態でドアSW62を押下する。
【0056】
S303:車体制御ECU60は、ドアSW62からの操作信号を受信し、キー認証要求をキー制御ECU50に送信する。
【0057】
S304:キー制御ECU50は、キー認証要求を受信すると、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。
【0058】
S305:スマホ20は、キーIDリクエストをキー制御ECU50から受信すると、Bluetooth通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。なお、吹き出しSB2の説明に示すように、キー制御ECU50は、S304のキーIDリクエストを、車両SVの走行状態(停止又は走行)に応じた周期(例えば、数秒又は数分の周期)で、定期的に繰り返し送信する。キーIDリクエストに応じたキーIDをスマホ20から受信できない場合、エンジンがON状態であるにもかかわらずスマホ20が車両SVの所定範囲外に存在する可能性が高いので、ユーザUs1がエンジンを切り忘れている車両SVから離れている可能性が高いと判定できる。エンジンを切り忘れる状況は車両SVが停止状態にある場合に生じやすいので、キーIDリクエストは、停止状態の方が走行状態に比べて頻繁に送信されることが好ましい。従って、例えば、周期は、車両SVが停止状態の周期が、車両SVが走行状態の周期より短くなるように、設定されることが好ましい。
【0059】
S306:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。即ち、キー制御ECU50は、受信したキーIDとメモリ54に保存されたキーIDとが一致するか否かを判定することにより、キー認証を行う。受信したキーIDとメモリ54に保存されたキーIDとが一致する場合、キー認証は成功し、受信したキーIDとメモリ54に保存されたキーIDとが一致しない場合、キー認証は失敗する。
【0060】
S307:キー制御ECU50はキー認証を成功し、キー認証結果を車体制御ECU60に送信する。
【0061】
S308:車体制御ECU60は、キー認証結果を受信すると、ドアロック機構63によりドアをロックしている状態(ドアロック状態)を解除する(ドアロック機構63によりドアをロックしていない状態(ドアアンロック状態)にする。)。
【0062】
S309:ユーザUs1は車両SVに乗り込んで、スマホ20をWCU10に置く。なお、吹き出しSB3の説明に示すように、WCU10にはバッテリ電源(常時電源)は供給されているが、アクセサリ電源が供給されていないので、WCU10は送電を行わないスタンバイ状態となる。
【0063】
S310:ユーザUs1は、エンジンSW64を押下する。
【0064】
S311:車体制御ECU60は、エンジンSW64からの操作信号を受信し、キー認証要求をキー制御ECU50に送信する。
【0065】
S312:キー制御ECU50は、キー認証要求を受信すると、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。
【0066】
S313:スマホ20は、キーIDリクエストをキー制御ECU50から受信すると、Bluetooth通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。
【0067】
S314:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。
【0068】
S315:キー制御ECU50はキー認証を成功し、キー認証結果を車体制御ECU60に送信する。
【0069】
S316:車体制御ECU60は、キー認証結果を受信すると、アクセサリ電源及びイグニッション電源をONにし、エンジンを始動する。
【0070】
S316a:ユーザUs1は車両SVを走行させるための走行操作(ハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作)を行う。
【0071】
S316b:車体制御ECU60は、ユーザUs1の走行操作に従った車両SVの走行を開始する。
【0072】
S317:WCU10は車体制御ECU60がアクセサリ電源をONしたことを検出する。
【0073】
S318:WCU10は、スタンバイ状態(スマホ20の検出及び送電を待機している状態)を解除する。
【0074】
S319:WCU10は、FSKを用いてコイル間通信により、スマホ20に対して受電デバイスID要求を送信する。
【0075】
S320:スマホ20は、受電デバイスID要求を受信すると、ASKを用いてコイル間通信により、受電デバイスIDをWCU10に送信する。
【0076】
S321:スマホ20は、ASKを用いてコイル間通信により、送電開始要求をWCU10に送信する。
【0077】
S322:WCU10は、スマホ20から送電開始要求を受信すると、FSKを用いてコイル間通信により、キーID取得要求をスマホ20に送信する。
【0078】
S323:スマホ20は、キーID取得要求を受信すると、ASKを用いてコイル間通信により、キーIDをWCU10に送信する。
【0079】
S324:WCU10は、キーIDを受信すると、キーIDをメモリ211に保存(格納、記憶)する。
【0080】
S325:WCU10は、スマホ20に対する送電を開始する。
【0081】
S326:WCU10は、CAN通信により、代替キー検出開始の指令をキー制御ECU50に送信する。
【0082】
S327:キー制御ECU50は、WCU10から代替キー検出開始の指令を受信すると、WCU10経由のキーID検出に切り替える。なお、このとき、後に再度Bluetooth通信を用いる必要がある場合の接続遅延を防止するため、Bluetooth通信は切断しないようにすることが好ましい。
【0083】
S328:キー制御ECU50は、CAN通信により、キーIDリクエストをWCU10に送信する。なお、吹き出しSB4の説明に示すように、このキーIDリクエストは、上述したエンジンきり忘れを判定するための定期キー確認要求である。
【0084】
S329:WCU10は、FSKを用いてコイル間通信により、キーID取得要求をスマホ20に送信する。
【0085】
S330:スマホ20は、ASKを用いてコイル間通信により、送電停止要求をWCU10に送信する。
【0086】
S331:WCU10は、送電停止要求を受信すると、スマホ20に対する送電を停止する(送電を終了する。)。
【0087】
S332:WCU10は、CAN通信により、代替キー検出終了の指令をキー制御ECU50に送信する。
【0088】
S333:キー制御ECU50は、WCU10から代替キー検出終了の指令を受信すると、Bluetooth直接に切り替える(キー検出に用いる通信をBluetooth通信に切り替える。)。なお、このとき、上記のようにBluetooth通信を切断していない場合、キー検出に用いる通信をスムーズにBluetooth通信に切り替えることができる。
【0089】
S334:キー制御ECU50は、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。なお、吹き出しSB4の説明に示すように、このキーIDリクエストは、上述したエンジンきり忘れを判定するための定期キー確認要求である。
【0090】
S335:スマホ20は、キー制御ECU50からキーIDリクエストを受信すると、Bluetooth通信により、キー制御ECU50にキーIDを送信する。
【0091】
S336:ユーザUs1は、エンジンSW64を押下する。
【0092】
S337:車体制御ECU60は、エンジンSW64から操作信号を受信すると、CAN通信により、キー認証要求をキー制御ECU50に送信する。
【0093】
S338:キー制御ECU50は、車体制御ECU60からキー認証要求を受信すると、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。
【0094】
S339:スマホ20は、Bluetooth通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。
【0095】
S340:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。
【0096】
S341:キー制御ECU50はキー認証を成功し、CAN通信により、キー認証結果を車体制御ECU60に送信する。
【0097】
S342:車体制御ECU60は、キー認証結果を受信すると、アクセサリ電源及びイグニッション電源をOFFにし、エンジンを停止する。
【0098】
S343:WCU10は車体制御ECU60がアクセサリ電源をOFFしたことを検出する。
【0099】
S344:WCU10は、アクセサリ電源がOFFになると、スタンバイ状態になる。この時にキーIDを破棄する。
【0100】
S345:ユーザUs1は、WCU10からスマホ20を取り外す。
【0101】
S346:ユーザUs1は、ドアSW62を押下する。
【0102】
S347:車体制御ECU60は、ドアSW62からの操作信号を受信し、CAN通信により、キー認証要求をキー制御ECU50に送信する。
【0103】
S348:キー制御ECU50は、車体制御ECU60からキー認証要求を受信すると、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。
【0104】
S349:スマホ20は、キーIDリクエストをキー制御ECU50から受信すると、Bluetooth通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。
【0105】
S350:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。
【0106】
S351:キー制御ECU50は、キー認証を成功し、CAN通信により、キー認証結果を車体制御ECU60に送信する。
【0107】
S352:車体制御ECU60は、キー認証結果を受信すると、ドアを施錠する(ドアアンロック状態からドアロック状態にする。)。
【0108】
<具体的作動>
以下、キーIDサーバ40、スマホ20、WCU10、キー制御ECU50及び車体制御ECU60の具体的作動について説明する。
【0109】
図4は上述したように例えば車購入時又はレンタル時などで実行されるキー登録(図3AのS301を参照。)のために、キーIDサーバ40が行う処理を説明するためのフローチャートである。キーIDサーバ40のキー制御部51はステップ400から処理を開始してステップ401に進み、スマホ20及びキー制御ECU50からキーID送信要求が有るか否かを判定する。
【0110】
キーID送信要求がない場合、キー制御部51はステップ401にて「No」と判定してステップ401の処理を再び実行する。キーID送信要求が有る場合、キー制御部51はステップ401にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ402及びステップ403の処理を順に実行した後、ステップ401に戻る。
【0111】
ステップ402:キー制御部51は移動通信部27経由でキーIDをスマホ20に送信する。
【0112】
ステップ403:キー制御部51は移動通信部27経由でキーIDをキー制御ECU50に送信する。
【0113】
図5は上述したようにWCU10がスマホ20を充電するため、及び、スマホ20の充電時にキー認証を行うために、WCU10の送電制御部11が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【0114】
WCU10の送電制御部11はステップ500から処理を開始してステップ501に進み、アクセサリ電源がONの状態にあるか否かを判定する。
【0115】
アクセサリ電源がONの状態にない場合、送電制御部11はステップ501にて「No」と判定して再びステップ501の処理を実行する。
【0116】
アクセサリ電源がONの状態にある場合、送電制御部11はステップ501にて「Yes」と判定してステップ502に進み、送電制御回路でコイルのQ値を検出する。
【0117】
その後、送電制御部11はステップ503に進み、Q値に変化が有るか否かを判定する。この判定は、Q値の変化を示すパラメータ(例えば、Q値の所定の基準値からの変化量)と所定の閾値との比較により行われる。
【0118】
Q値に変化がない場合、送電制御部11はステップ503にて「No」と判定してステップ501に戻る。
【0119】
Q値に変化がある場合、送電制御部11はステップ503にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ504及びステップ505の処理を順に実行した後、ステップ506に進む。
【0120】
ステップ504:送電制御部11はインバータ12からコイル13に通信用電力を送電する。
【0121】
ステップ505:送電制御部11はFSKを用いて受電デバイスID取得要求を送電波(送電電力)に重畳してスマホ20に送信する。
【0122】
送電制御部11はステップ506に進むと、受電デバイスIDの取得が成功したか否かを判定する。
【0123】
受電デバイスIDの取得が成功していない場合、送電制御部11はステップ506にて「No」と判定してステップ501に戻る。
【0124】
受電デバイスIDの取得が成功した場合、送電制御部11はステップ506にて「Yes」と判定してステップ507に進み、スマホ20から送電要求が有るか否かを判定する。
【0125】
送電要求がない場合、送電制御部11はステップ507にて「No」と判定してステップ501に戻る。
【0126】
送電要求がある場合、送電制御部11はステップ507にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ508乃至ステップ510の処理を順に実行した後、ステップ511に進む。
【0127】
ステップ508:送電制御部11はスマホ20からキーIDを取得してメモリ111に保存する。
【0128】
ステップ509:送電制御部11はインバータ12からコイル13に充電用電力(交流電力)を送電する。
【0129】
ステップ510:送電制御部11はCAN経由でキー制御ECU50のキー制御部51にキー検出代替モード開始を通知する。
【0130】
送電制御部11はステップ511に進むと、CAN通信でキー制御ECU50からスマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)があるか否かを判定する。
【0131】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がない場合、送電制御部11はステップ511にて「No」と判定して再びステップ511の処理を実行する。
【0132】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がある場合、送電制御部11はステップ511にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ512及びステップ513の処理を順に実行した後、ステップ514に進む。
【0133】
ステップ512:送電制御部11はキー制御ECU50からCAN通信で送信されたキーID取得要求を受信する。
【0134】
ステップ513:送電制御部11はメモリ111からキーIDを取得してCANでキー制御ECU50のキー制御部51に送信する。
【0135】
送電制御部11はステップ514に進むと、スマホ20から送電停止要求が有るか否かを判定する。
【0136】
送電停止要求がない場合、送電制御部11はステップ514にて「No」と判定してステップ510に戻る。
【0137】
送電停止要求がある場合、送電制御部11はステップ514にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ515及びステップ516の処理を順に実行した後、ステップ501に戻る。
【0138】
ステップ515:送電制御部11はスマホ20に対する送電を停止する。
【0139】
ステップ516:送電制御部11はCAN経由でキー制御ECU50のキー制御部51にキー検出代替モード終了を通知する。なお、その後、アクセサリ電源がOFFになった場合、送電制御部11は、セキュリティ向上の観点から、メモリ111に保存(記憶、格納)したキーIDを破棄する(枠Fm1の説明を参照。)。
【0140】
図6は上述したようにスマホ20の充電時及び非充電時にキー認証を行うために、スマホ20が行う処理を説明するためのフローチャートである。スマホ20の受電制御部23は、ステップ600から処理を開始してステップ601に進み、キーIDサーバ40からキーIDを受信してメモリ211に保存する。
【0141】
その後、受電制御部23は、ステップ602に進み、キー制御ECU50からBluetooth通信でキーIDリクエストがあるか否かを判定する。
【0142】
キーIDリクエストがある場合、受電制御部23はステップ602にて「Yes」と判定してステップ603に進み、Bluetooth通信でキー制御ECU50にキーIDを送信し、ステップ604に進む。
【0143】
キーIDリクエストがない場合、受電制御部23はステップ602にて「No」と判定してステップ604に直接進む。
【0144】
受電制御部23はステップ604に進むと、WCU10からFSKで受電デバイスID要求を受信したか否かを判定する。
【0145】
受電デバイスID要求を受信していない場合、受電制御部23はステップ604にて「No」と判定してステップ602に戻る。
【0146】
受電デバイスID要求を受信した場合、受電制御部23はステップ604にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ605及びステップ606の処理を順に実行した後、ステップ607に進む。
【0147】
ステップ605:受電制御部23はASKで受電デバイスIDをWCU10に対して回答する。
【0148】
ステップ606:受電制御部23はASKで送電開始をWCU10に対して指示する。受電制御部23は、WCU10から送電された電力による二次電池25への充電を開始する。
【0149】
受電制御部23はステップ607に進むと、WCU10からFSKでスマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)があるか否かを判定する。
【0150】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がある場合、受電制御部23はステップ607にて「Yes」と判定してステップ608に進み、ASKでキーIDをWCU10に送信し、ステップ609に進む。
【0151】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がない場合、受電制御部23はステップ607にて「No」と判定してステップ609に直接進む。
【0152】
受電制御部23はステップ609に進むと、充電が終了したか否かを判定する。充電が終了していない場合、受電制御部23はステップ609にて「No」と判定してステップ607に戻る。充電が終了した場合、受電制御部23はステップ609にて「Yes」と判定してステップ610に進み、ASKでWCU10の送電部に送電停止を指示してステップ602に戻る。
【0153】
図7は上述したようにキー認証を行うため、並びに、ユーザUs1による各SWの操作及びキー認証の結果に応じた車両SVの動作の制御を行うために、車体制御ECU60が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【0154】
車体制御ECU60の車体制御部61は、ステップ700から処理を開始してステップ701に進み、ドアSW62からの操作信号に基づき、ドアSW62が押下されたか否かを判定する。
【0155】
ドアSW62が押下されていない場合、車体制御部61はステップ701にて「No」と判定してステップ701の処理を再び実行する。
【0156】
ドアSW62が押下された場合、車体制御部61はステップ701にて「Yes」と判定してステップ702に進み、CAN通信でキー制御ECU50にキー認証要求を発行する。
【0157】
その後、車体制御部61は、ステップ703に進み、キー制御ECU50によるキー認証が成功したか否かを判定する。キー認証が成功していない場合、車体制御部61は、ステップ703にて「No」と判定してステップ701に戻る。キー認証が成功した場合、車体制御部61は、ステップ703にて「Yes」と判定してステップ704に進み、ドアロック機構63によるドアロック状態を解除する。
【0158】
その後、車体制御部61は、ステップ705に進み、エンジンSW64からの操作信号に基づき、エンジンSW64が押下されたか否かを判定する。
【0159】
エンジンSW64が押下されていない場合、車体制御部61は、ステップ705にて「No」と判定してステップ705の処理を再び実行する。
【0160】
エンジンSW64が押下された場合、車体制御部61は、ステップ705にて「Yes」と判定してステップ706に進み、キー制御ECU50にキー認証要求を発行した後、ステップ707に進む。
【0161】
車体制御部61はステップ707に進むと、キー制御ECU50によるキー認証が成功したか否かを判定する。
【0162】
キー認証が成功していない場合、車体制御部61は、ステップ707にて「No」と判定してステップ707に戻る。
【0163】
キー認証が成功した場合、車体制御部61は、ステップ707にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ708及びステップ709の処理を順に実行した後、ステップ710に進む。
【0164】
ステップ708:車体制御部61は、アクセサリ電源及びイグニッション電源をONの状態にし、エンジンを始動する。
【0165】
ステップ709:車体制御部61は、ハンドル操作、ブレーキ操作及びアクセル操作に応じて車両SVの走行を制御することにより、車両SVの走行を開始する。
【0166】
車体制御部61は、ステップ710に進むと、エンジンSW64が押下されたか否かを判定する。
【0167】
エンジンSW64が押下されていない場合、車体制御部61はステップ710にて「No」と判定して再びステップ710の処理を実行する。
【0168】
エンジンSW64が押下された場合、車体制御部61はステップ710にて「Yes」と判定してステップ711に進み、キー制御ECU50にキー認証要求を発行してステップ712に進む。
【0169】
車体制御部61はステップ712に進むと、キー認証が成功したか否かを判定する。
【0170】
キー認証が成功していない場合、車体制御部61はステップ712にて「No」と判定して再びステップ712の処理を実行する。
【0171】
キー認証が成功した場合、車体制御部61はステップ712にて「Yes」と判定してステップ713に進み、アクセサリ電源及びイグニッション電源をOFFの状態にし、エンジンを停止してステップ714に進む。
【0172】
車体制御部61は、ステップ714に進むと、ドアSW62からの操作信号に基づいて、ドアSW62が押下されたか否かを判定する。
【0173】
ドアSW62が押下されていない場合、車体制御部61はステップ714にて「No」と判定して再びステップ714の処理を実行する。
【0174】
ドアSW62が押下された場合、車体制御部61はステップ714にて「Yes」と判定してステップ715に進み、CAN通信でキー制御ECU50にキー認証要求を発行してステップ716に進み、キー制御ECU50によるキー認証が成功したか否かを判定する。
【0175】
キー認証が成功していない場合、車体制御部61はステップ716にて「No」と判定して再びステップ714の処理を実行する。
【0176】
キー認証が成功した場合、車体制御部61はステップ716にて「Yes」と判定してステップ717に進み、ドアを施錠した(ドアロック機構63によりドアをドアロック状態にした)後、ステップ701に戻る。
【0177】
図8は上述したようにスマホ20の充電時及び非充電時に車体制御ECU60から要求されたキー認証を行うために、キー制御ECU50が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【0178】
キー制御ECU50のキー制御部51はステップ800から処理を開始してステップ801に進み、キーIDサーバ40からキーIDを受信してメモリ54に保存する。
【0179】
その後、キー制御部51はステップ802に進み、車体制御ECU60からのキー認証要求が発生したか否かを判定する。
【0180】
キー認証要求が発生していない場合、キー制御部51はステップ802にて「No」と判定してステップ802の処理を再び実行する。
【0181】
キー認証要求が発生した場合、キー制御部51はステップ802にて「Yes」と判定してステップ803に進み、WCU10から代替キー検出コマンド(代替キー検出開始の指令)を受信したか否かを判定する。
【0182】
WCU10から代替キー検出コマンドを受信した場合、キー制御部51はステップ803にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ804及びステップ805の処理を順に実行した後、ステップ808に進む。
【0183】
ステップ804:キー制御部51は、CAN通信でWCU10を経由してキーID取得要求(キーIDリクエスト)をスマホ20に発行する。
【0184】
ステップ805:キー制御部51は、CAN通信でWCU10を経由してスマホ20からのキーIDを受信する。
【0185】
WCU10から代替キー検出コマンドを受信しない場合、キー制御部51はステップ803にて「No」と判定し、以下に述べるステップ806及びステップ807の処理を順に実行した後、ステップ808に進む。
【0186】
ステップ806:キー制御部51は、Bluetooth通信でスマホ20にキーID取得要求(キーIDリクエスト)を発行する。
【0187】
ステップ807:キー制御部51は、Bluetooth通信でスマホ20からキーIDを受信する。
【0188】
キー制御部51は、ステップ808に進むと、キーIDが一致しているか否かを判定する。
【0189】
キーIDが一致していない場合、キー制御部51はステップ808にて「No」と判定してステップ802に戻る。
【0190】
キーIDが一致している場合、キー制御部51はステップ808にて「Yes」と判定してステップ809に進み、車体制御ECU60にCAN経由で認証成功を通知した後、ステップ802に戻る。
【0191】
<効果>
以上説明したように、第1スマホキーシステムは、認証のための無線通信への悪影響を避けることできると共に充電の所要時間が増加してしまう可能性を低下できる。更に、第1スマホキーシステムは、充電回数を低減できるので、二次電池25の劣化が促進されてしまう可能性を低下できる。第1スマホキーシステムは、充電中キーIDをWCU10にコピーして優先でキー検出を行うので、通信が安定化する。
【0192】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態に係るWCU10を含む車両用スマートフォンキーシステム(以下、「第2スマホキーシステム」と称呼される。)について説明する。第2スマホキーシステムは、以下の点のみにおいて、第1スマホキーシステムと相違点する。
・第2スマホキーシステムは、ドアの施錠及び解錠動作のためのキー認証を近距離無線通信(NFC(Near Field Communication))で行う。
【0193】
以下、この相違点を中心として説明する。
【0194】
図9は第2スマホキーシステムの構成例を示す構成図である。図9に示すように、この第2スマホキーシステムでは、スマホ20がアンテナ212及びNFC通信部213を備え、キー制御ECU50がアンテナ57(例えば、アンテナ57は車両SVのアウトサイドハンドルに内蔵されている。)及びNFC通信部58を備える。NFC通信部213は、アンテナ212に接続されたNFC通信モジュールで構成される。NFC通信部58は、アンテナ57に接続されたNFC通信モジュールで構成される。キー制御ECU50とスマホ20とは、NFC通信により、情報を送受信可能に構成されている。以上の点以外、図1に示した第1スマホキーシステムの構成と同様である。
【0195】
<概要>
第2スマホキーシステムでは、車両SVのドアの施錠及び解錠のためのキー認証を行うための通信が、NFCで行われる。以上の点以外、第1スマホキーシステムと同様である。第2スマホキーシステムによれば、WCU10がスマホに対して充電を行っている状態(充電実行状態)にある場合、充電を停止しないで、スマホ20は、WCU10に保存したキーIDを用いて、WCU10とキー制御ECU50とキー認証のための通信を行うことにより、キー認証を行うことができる。更に、第2スマホキーシステムでは、ドアの解錠のためのキー認証の通信に、近距離で無線通信を行うNFC通信を用いるので、リレーアタックを防止できる。
【0196】
第2スマホキーシステムでは、スマホ20は、スマホ20をアンテナ57に近付けたときに発生する誘電電力を起電力として給電なしに動作して、メモリ211に格納されたキーIDをNFC通信により送信することができるように構成されている。従って、キー制御ECU50は、スマホ20が起動していないとき(電源OFF時又は二次電池の残量が最低起動値(スマホ20を起動するのに必要な起電電力)以下である場合であっても、NFCでキーIDをスマホ20から検出することができる。
【0197】
<第2スマホキーシステムの全体動作>
図10A乃至図10Cは、ユーザUs1が第2スマホキーシステムを利用するときのキーIDサーバ40、スマホ20、WCU10、キー制御ECU50及び車体制御ECU60の各動作を説明するためのシーケンス図である。
【0198】
図10Aは、図3AのS302乃至S308が、S1001乃至S1010に置換された点以外、図3Aと同様である。図10B図3Aと同様である。図10Cは、図3CのS345乃至S352が、S1020乃至S1027に置換された点以外、図3Cと同様である。従って、以下では、相違する点のみについて説明し、図3A乃至図3Cと重複する点については、既に説明したので説明を省略する。
【0199】
S1001:ユーザUs1は、スマホ20のロック状態を解除するための指紋認証を行う。
【0200】
S1002:スマホ20は、ロック状態のスマホ20をアンロック状態にする。
【0201】
S1003:ユーザUs1は、スマホ20をドアアンテナ(アンテナ212)にタッチする。
【0202】
S1004:スマホ20は、NFC通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。
【0203】
S1005:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。
【0204】
S1006:キー制御ECU50はキー認証を成功し、キー認証結果を車体制御ECU60に送信する。
【0205】
S1007:車体制御ECU60は、キー認証結果を受信すると、ドアのドアロック状態を解除する(ドアロック状態からドアアンロック状態にする。)。
【0206】
S1008:スマホ20は、Bluetooth通信をONにし、キーアプリ(キーアプリケーション)を立ち上げる。
【0207】
S1009:キー制御ECU50は、Bluetooth通信により、キーIDリクエストをスマホ20に送信する。
【0208】
S1010:スマホ20は、キー制御ECU50からキーIDリクエストを受信すると、Bluetooth通信により、キーIDをキー制御ECU50に送信する。なお、S1009及びS1010では、キー制御ECU50は、S1009のキーIDリクエストを、車両SVの走行状態(停止又は走行)に応じた周期(例えば、数秒又は数分の周期)で、定期的に繰り返し送信する(所定の時間毎に繰り返し行われる。)。キー制御ECU50は、キーIDリクエストに対してスマホ20から応答がない場合、エンジンの切り忘れと判定し、スマホ20にアラートを通知する。このときの通信は、移動通信によって行われる。
【0209】
図10CのS1020乃至S1026について説明する。
【0210】
S1020:ユーザUs1は、指紋認証によりスマホ20のロックを解除する。
【0211】
S1021:スマホ20は、ロック状態のスマホ20をアンロック状態にする。
【0212】
S1022:ユーザUs1は、スマホ20をドアアンテナ(アンテナ212)にタッチする。
【0213】
S1023:スマホ20は、NFCによりドアロック要求をキー制御ECU50に送信する。
【0214】
S1024:キー制御ECU50は、スマホ20からキーIDを受信すると、受信したキーIDを用いてキーを照合することにより、キー認証を行う。
【0215】
S1025:キー制御ECU50はキー認証を成功し、ドアロック要求を車体制御ECU60に送信する。
【0216】
S1026:車体制御ECU60は、ドアロック要求を受信すると、ドアを施錠する(ドアをドアロック状態にする。)。
【0217】
S1027:スマホ20は、Bluetooth通信をOFFにし、キーアプリ(キーアプリケーション)を終了する。
【0218】
<具体的作動>
以下、キーIDサーバ40、スマホ20、WCU10、キー制御ECU50及び車体制御ECU60の具体的作動について説明する。なお、キーIDサーバ40の具体的作動は、図4を用いて説明した処理と同様であるので、説明を省略する。WCU10の具体的作動は、図5を用いて説明した処理と同様であるので、説明を省略する。
【0219】
図11A及び図11Bは上述したように、ドアの施錠及び解錠時、並びに、スマホ20の充電時及び非充電時にキー認証を行うために、スマホ20が行う処理を説明するためのフローチャートである。スマホ20の受電制御部23は、ステップ1100から処理を開始してステップ1101に進み、キーIDサーバ40からキーIDを受信してメモリ211に保存する。
【0220】
その後、受電制御部23は、ステップ1102に進み、画面のロックが解除されているか否かを判定する。
【0221】
画面のロックが解除されていない場合、受電制御部23は、ステップ1102にて「No」と判定してステップ1101に戻る。
【0222】
画面のロックが解除されている場合、受電制御部23は、ステップ1102にて「Yes」と判定してステップ1103に進みスマホ20が車両SVのアンテナ57に近接している(タッチされた)か否かを判定する(例えば、コイル21により磁界を発生させコマンドに対する応答の有無を判定することにより、これを判定する。)。
【0223】
スマホ20が車両SVのアンテナ57に近接していない(タッチされていない)場合、受電制御部23は、ステップ1103にて「No」と判定して再びステップ1103の処理を実行する。
【0224】
スマホ20が車両SVのアンテナ57に近接している(タッチされている)場合、受電制御部23は、ステップ1103にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1104及びステップ1105の処理を順に実行した後、ステップ1106に進む。
【0225】
ステップ1104:受電制御部23は、NFC通信でキー制御ECU50にキーIDを送信する。
【0226】
ステップ1105:受電制御部23は、Bluetooth通信をONにし、キーアプリを立ち上げる。
【0227】
その後、受電制御部23は、ステップ1106に進み、キー制御ECU50からBluetooth通信でキーIDリクエストがあるか否かを判定する。
【0228】
キーIDリクエストがある場合、受電制御部23はステップ1106にて「Yes」と判定してステップ1107に進み、Bluetooth通信でキーIDをキー制御ECU50に対して送信してステップ1108に進む。
【0229】
キーIDリクエストがない場合、受電制御部23はステップ1106にて「No」と判定してステップ1108に直接進む。
【0230】
受電制御部23は、ステップ1108に進むと、FSKでWCU10から受電デバイスID要求を受信したか否かを判定する。
【0231】
FSKでWCU10から受電デバイスID要求を受信していない場合、受電制御部23はステップ1108にて「No」と判定してステップ1106に戻る。
【0232】
FSKでWCU10から受電デバイスID要求を受信した場合、受電制御部23はステップ1108にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1109及びステップ1110の処理を順に実行した後、ステップ1111に進む。
【0233】
ステップ1109:受電制御部23はASKで受電デバイスIDをWCU10に対して回答する。
【0234】
ステップ1110:受電制御部23はASKで送電開始をWCU10に対して指示する。受電制御部23は、WCU10から送電された電力による二次電池25への充電を開始する。
【0235】
受電制御部23は、ステップ1111に進むと、WCU10からFSKでスマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)があるか否かを判定する。
【0236】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がある場合、受電制御部23はステップ1111にて「Yes」と判定してステップ1112に進み、ASKでキーIDをWCU10に送信し、ステップ1113に進む。
【0237】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がない場合、受電制御部23はステップ1111にて「No」と判定してステップ1113に直接進む。
【0238】
受電制御部23はステップ1113に進むと、充電が終了したか否かを判定する。充電が終了していない場合、受電制御部23はステップ1113にて「No」と判定してステップ1111に戻る。充電が終了した場合、受電制御部23はステップ1113にて「Yes」と判定して図11Bのステップ1114に進み、ASKでWCU10の送電制御部11に送電停止を指示してステップ1115に進む。
【0239】
受電制御部23は、ステップ1115に進むと、キー制御ECU50からBluetooth通信でスマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)があるか否かを判定する。
【0240】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がある場合、受電制御部23はステップ1115にて「Yes」と判定してステップ1116に進み、Bluetooth通信でキーIDを送信した後、ステップ1117に進む。
【0241】
スマホキーデータの要求(キーIDリクエスト)がない場合、受電制御部23はステップ1115にて「No」と判定してステップ1117に直接進む。
【0242】
受電制御部23は、ステップ1117に進むと、画面のロックが解除されているか否かを判定する。
【0243】
画面のロックが解除されていない場合、受電制御部23はステップ1117にて「No」と判定してステップ1115に戻る。
【0244】
画面のロックが解除されている場合、受電制御部23はステップ1117にて「Yes」と判定してステップ1118に進み、スマホ20が車両SVのアンテナに近接している(タッチされた)か否かを判定する。
【0245】
スマホ20が車両SVのアンテナに近接していない(タッチされていない)場合、受電制御部23は、ステップ1118にて「No」と判定して再びステップ1118の処理を実行する。
【0246】
スマホ20が車両SVのアンテナに近接している(タッチされている)場合、受電制御部23は、ステップ1118にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1119及びステップ1120の処理を順に実行した後、図11Aのステップ1102に戻る。
【0247】
ステップ1119:受電制御部23は、NFC通信でキー制御ECU50にキーIDを送信する。
【0248】
ステップ1120:受電制御部23は、Bluetooth通信をOFFにし、キーアプリを終了する。
【0249】
図12は上述したようにキー認証を行うため、並びに、ユーザUs1による各SWの操作及びキー認証の結果に応じた車両SVの動作の制御を行うために、車体制御ECU60が行う処理を説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートは、図7のフローチャートと以下の点のみにおいて異なる。ステップ701乃至ステップ704がステップ1201及びステップ1202に置換され、ステップ714乃至ステップ716がステップ1203及びステップ1204に置換されている。従って、図12のフローチャートの説明においては、図7のフローチャートと相違する処理のみを詳細に説明し、重複する処理の説明は適宜省略する。
【0250】
車体制御ECU60の車体制御部61は、ステップ1200から処理を開始してステップ1201に進み、キー制御ECU50からドアロック解除要求があるか否かを判定する。
【0251】
ドアロック解除要求がない場合、車体制御部61はステップ1201にて「No」と判定してステップ1201に戻る。
【0252】
ドアロック解除要求がある場合、車体制御部61はステップ1201にて「Yes」と判定してステップ1202に進み、ドアロック機構63によるドアロック状態を解除する。
【0253】
その後、車体制御部61は、既述のステップ705からステップ713の処理を順に実行した後、ステップ1203に進み、ドアロック要求があるか否かを判定する。
【0254】
ドアロック要求がない場合、車体制御部61はステップ1203にて「No」と判定してステップ1203の処理を再び実行する。
【0255】
ドアロック要求がある場合、車体制御部61はステップ1203にて「Yes」と判定してステップ1204に進み、ドアを施錠し(ドアロック機構63によりドアをドアロック状態にし)、ステップ1201に戻る。
【0256】
図13は、上述したようにスマホ20の充電時及び非充電時にキー認証を行うために、キー制御ECU50が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【0257】
キー制御ECU50のキー制御部51は、ステップ1300から処理を開始してステップ1301に進み、キーIDサーバ40からキーIDを受信してメモリ54に保存する。
【0258】
その後、キー制御部51は、NFCでキー認証要求が発生したか否かを判定する。
【0259】
NFCでキー認証要求が発生していない場合、キー制御部51は、ステップ1302にて「No」と判定して再びステップ1302の処理を実行する。
【0260】
NFCでキー認証要求が発生した場合、キー制御部51は、ステップ1302にて「Yes」と判定してステップ1303に進み、キー照合がOKであるか否かを判定する。
【0261】
キー照合がOKでない場合、キー制御部51は、ステップ1303にて「No」と判定してステップ1302に戻る。
【0262】
キー照合がOKである場合、キー制御部51は、ステップ1303にて「Yes」と判定してステップ1304に進み、車体制御ECU60にドアロック解除要求を発行してステップ1305に進み、キー認証要求が発生したか否かを判定する。
【0263】
キー認証要求が発生していない場合、キー制御部51は、ステップ1305にて「No」と判定して再びステップ1305の処理を実行する。
【0264】
キー認証要求が発生した場合、キー制御部51は、ステップ1305にて「Yes」と判定してステップ1306に進み、WCU10から代替キー検出コマンドを受信したか否かを判定する。
【0265】
WCU10から代替キー検出コマンドを受信した場合、キー制御部51は、ステップ1306にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1307及びステップ1308の処理を順に実行した後、ステップ1309に進む。
【0266】
ステップ1307:キー制御部51は、CAN通信でWCU10を経由してキーID取得要求(キーIDリクエスト)をスマホ20に発行する。
【0267】
ステップ1308:キー制御部51は、CAN通信でWCU10を経由してスマホ20からのキーIDを受信する。
【0268】
WCU10から代替キー検出コマンドを受信しない場合、キー制御部51はステップ1306にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1310及びステップ1311の処理を順に実行した後、ステップ1309に進む。
【0269】
ステップ1310:キー制御部51は、Bluetooth通信でスマホ20にキーID取得要求(キーIDリクエスト)を発行する。
【0270】
ステップ1311:キー制御部51は、Bluetooth通信でスマホ20からキーIDを受信する。
【0271】
キー制御部51は、ステップ1309に進むと、キーIDの受信が成功したか否かを判定する。
【0272】
キーIDの受信が失敗した場合、キー制御部51は、ステップ1309にて「No」と判定してステップ1312に進み、移動通信でスマホ20にドアアンロックアラームを送信した後、ステップ1305に戻る。なお、例えば、スマホ20は、ドアアンロックアラームを受信すると、エンジンをかけたまま車を離れたことをユーザUs1に通知するための画面を表示する。なお、スマホ20は、音、振動等によりユーザUs1に対してアラートしてもよい。
【0273】
キーIDの受信が成功した場合、キー制御部51は、ステップ1309にて「Yes」と判定してステップ1313に進み、NFCでキー認証要求が発生したか否かを判定する。
【0274】
NFCでキー認証要求が発生していない場合、キー制御部51は、ステップ1313にて「No」と判定してステップ1305に戻る。
【0275】
NFCでキー認証要求が発生した場合、キー制御部51は、ステップ1313にて「Yes」と判定してステップ1314に進み、キー照合がOKである(キー認証が成功した)か否かを判定する。
【0276】
キー照合がOKではない場合(キー認証が失敗した場合)、キー制御部51は、ステップ1314にて「No」と判定してステップ1305に戻る。
【0277】
キー照合がOKである場合、キー制御部51は、ステップ1314にて「Yes」と判定してステップ1315に進み、車体制御ECU60にドアロック要求を発行した後、ステップ1302に戻る。
【0278】
<効果>
以上説明したように、第2スマホキーシステムは、第1スマホキーシステムと同様の効果を奏する。更に、第2スマホキーシステムは、ドアロック制御をNFCで行うことによって、スマホ20をアンテナ57に近付けないと車両SVのドアを解錠できなくなるので、リレーアタックを防止できる。更に、第2スマホキーシステムは、車両SVのドアを施錠する場合には、車両SVの外からアンテナ57にタッチ(近接)しないと、ドアを施錠することができないので、ユーザUs1がスマホ20を車両SVの中に忘れる可能性を低下できる。第2スマホキーシステムは、スマホ20が起動していないとき(電源OFF時又は二次電池25の残量が最低起動値(スマホ20を起動するのに必要な起電電力以下)である)でも、NFCでキーIDを検出することができる。
【0279】
<<変形例>>
本発明は上記各実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。更に、上記各実施形態は、本発明の範囲を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0280】
上記各実施形態において、通信エラー状況に応じて、キー認証時に、キー制御ECU50は、Bluetooth通信で行われているキーIDを取得するための通信を、コイル間通信に切り替えてもよい。例えば、キー制御ECU50は、Bluetooth通信のエラーが生じた場合、Bluetooth通信に代えて、WCU10とキー制御ECU50とのCAN通信により、WCU10からキーID(コピーキーID)を取得するようにしてもよい。これにより、Bluetooth通信が接続できない場合であっても、キー認証を行うことができる。上記各実施形態において、CAN通信においてキーIDを暗号化してもよい。上記各実施形態において、CAN通信に代えてLAN通信が使用されてもよい。
【0281】
本発明は以下の構成をとることもできる。
【0282】
[1]
受電コイルと当該受電コイルから供給される電力によって充電可能な二次電池とを含むスマートフォンを車両のキーとして使用し、
前記スマートフォンと無線通信ができるように構成され、認証情報を用いて認証を行うキー認証装置と、
前記キー認証装置と通信可能に接続され、送電コイルを含み、当該送電コイル及び前記受電コイルを介したコイル間通信により無線で前記スマートフォンと互いに通信可能であり、前記受電コイルに前記送電コイルを介して無線で電力を伝送可能であり、前記スマートフォンが有するマスタ認証情報のコピーの認証情報であるコピー認証情報が格納される記憶部を有する無線充電装置と、
を備えた車両用スマートフォンキーシステムに適用されるコンピュータを用いた方法であって、
前記コンピュータによって、
前記スマートフォンに対する充電動作の状態に応じて、
前記スマートフォンから前記キー認証装置に前記無線通信により送信される前記マスタ認証情報、及び、前記コイル間通信により前記スマートフォンから取得され、前記キー認証装置と無線充電装置との間の通信により送信される前記記憶部に格納された前記コピー認証情報
のうちの何れかを選択して前記認証情報として使用させる、
方法。
【0283】
[2]
[1]に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0284】
10…WCU、11…送電制御部、12…インバータ、13…コイル、14…コイル間通信部、20…スマホ、21…コイル、22…整流平滑部、23…受電制御部、24…コイル間通信部、25…二次電池、26…電話制御部、27…移動通信部、29…Bluetooth通信部、40…キーIDサーバ、41…記憶部、42…移動通信部、50…キー制御ECU、51…キー制御部、60…車体制御ECU、61…車体制御部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13