IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特開2024-117932情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117932
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024034
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】利用者がより早い時間で目的地まで到達することを支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、決定部と、生成部と、出力部と、対価処理部とを備える。決定部は、第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する。生成部は、優先的な移動のための制御情報を生成する。出力部は、第1の移動対象の移動先にある信号機を制御する制御装置に制御情報を出力する。対価処理部は、決定部によって決定された第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、前記優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における前記影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する決定部と、
前記優先的な移動のための制御情報を生成する生成部と、
前記第1の移動対象の移動先にある信号機を制御する制御装置に前記制御情報を出力する出力部と、
前記決定部によって決定された前記第1の対価の徴収および前記第2の対価の支払いの処理を行う対価処理部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の移動対象および前記第2の移動対象の各々は、
車両または歩行者である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部による対価の対象となる移動体である対象移動体の出発地から目的地までの移動ルートにおける前記第1の移動対象としての前記優先的な移動の前記第1の対価と前記第2の移動対象としての前記影響の前記第2の対価との合計値を算出する算出部と、
前記対象移動体の装置に対して前記移動ルートにおける前記合計値を示す情報を通知する通知部と、を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記対象移動体の前記目的地への各到着予定時刻に応じた前記第1の対価と前記第2の対価とを決定し、
前記算出部は、
前記各到着予定時刻に応じた前記第1の対価と前記第2の対価の前記合計値を算出し、
前記通知部は、
前記各到着予定時刻に応じた前記合計値を示す情報を通知する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記合計値の上限値を示す情報を含む上限値情報を受け付ける上限値受付部を備え、
前記決定部は、
前記合計値が前記上限値以下になるように前記第1の対価および前記第2の対価を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記合計値の下限値を示す情報を含む下限値情報を受け付ける下限値受付部を備え、
前記決定部は、
前記合計値が前記下限値以上になるように前記第1の対価および前記第2の対価を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部によって決定された前記第2の対価の許諾の有無を前記対象移動体の装置に問い合わせる問い合わせ部と、
前記問い合わせ部による問い合わせに応じて前記対象移動体の装置から出力される前記許諾の有無を示す情報を含む許諾有無情報を受け付ける許諾有無情報受付部と、を備え、
前記生成部は、
前記許諾有無情報受付部によって受け付けられた前記許諾有無情報で前記許諾があることが示される場合に、前記制御情報を生成する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記移動ルートの前記目的地までにおける許容遅延時間を示す情報を含む許容情報を受け付ける許容情報受付部を備え、
前記決定部は、
前記許容情報で示される許容遅延時間内で前記第1の対価および前記第2の対価を決定する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、
前記影響によって前記対象移動体の前記第2の移動対象としての移動時間が長くなる時間に対応する対価を前記第2の対価として決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定部は、
前記優先的な移動によって前記第1の移動対象としての前記対象移動体の移動時間が短くなる時間に対応する対価を前記第1の対価として決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定部は、
前記対象移動体の過去の移動速度が閾値以下である場合、前記合計値が負の値になるように、前記第1の対価と前記第2の対価とを決定する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記合計値が第1閾値未満となる第1のモード、前記合計値が前記第1閾値以上かつ第2閾値未満となる第2のモード、および前記合計値が前記第2閾値以上となる第3のモードを含む複数のモードのうち前記対象移動体に対するモードの指定を受け付ける指定受付部を備え、
前記決定部は、
前記指定受付部によって前記指定が受け付けられたモードに基づいて、前記第1の対価と前記第2の対価とを決定する
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1閾値および前記第2閾値は、
前記移動ルートの距離が長いほど絶対値が大きい値に設定される
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1閾値および前記第2閾値は、
前記移動ルート上にある信号機の数が多いほど絶対値が大きい値に設定される
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、前記優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における前記影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する決定工程と、
前記優先的な移動のための制御情報を生成する生成工程と、
前記第1の移動対象の移動先にある信号機を制御する制御装置に前記制御情報を出力する出力工程と、
前記決定工程によって決定された前記第1の対価の徴収および前記第2の対価の支払いの処理を行う対価処理工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、前記優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における前記影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する決定手順と、
前記優先的な移動のための制御情報を生成する生成手順と、
前記第1の移動対象の移動先にある信号機を制御する制御装置に前記制御情報を出力する出力手順と、
前記決定手順によって決定された前記第1の対価の徴収および前記第2の対価の支払いの処理を行う対価処理手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地から目的地までの移動ルートを検索する技術が知られている。例えば、特許文献1には、出発地と目的地の入力を受け付け、かかる出発地から目的地までの移動ルートが複数ある場合に、移動ルートの移動にかかる時間が最も短いルートを出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-009308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、移動ルートの移動にかかる時間が最も短いルートの情報を得ることができるものの、利用者が他の車両や歩行者などとの関係において優先的に移動するための技術については何ら開示も示唆もされておらず、利用者がより早い時間で目的地まで到達したい場合に対応できない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者がより早い時間で目的地まで到達することを支援することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、決定部と、生成部と、出力部と、対価処理部とを備える。決定部は、第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する。生成部は、優先的な移動のための制御情報を生成する。出力部は、第1の移動対象の移動先にある信号機を制御する制御装置に制御情報を出力する。対価処理部は、決定部によって決定された第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理を行う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者がより早い時間で目的地まで到達することを支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における受付部の構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における通知部によって通知される提案移動ルート情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による提案移動ルート通知処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による選択ルート処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、各利用者Uに対して、車両または徒歩による優先的な移動を支援する移動支援サービスを提供する。各利用者Uの端末装置2は、例えば、移動支援アプリケーションプログラムなどがインストールされており、利用者Uは、端末装置2を操作することで、情報処理装置1によって提供される移動支援サービスを利用することができる。
【0012】
各利用者Uの端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、またはウェアラブルデバイスなどの携帯端末であり、利用者Uが携帯する装置である。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。
【0013】
情報処理装置1によって提供される移動支援サービスにおいて、利用者Uは、第1の移動支援と、第2の移動支援とを受けることができる。第1の移動支援は、利用者Uが車両で移動する場合の移動支援であり、第2の移動支援は、利用者Uが徒歩で移動する場合の移動支援である。
【0014】
利用者Uが移動に利用する車両は、自動車(自動二輪車を含む)であるが、自転車などであってもよい。利用者Uが移動に利用する車両または車両に搭乗して移動する利用者Uは、移動支援サービスの提供対象となる移動体である対象移動対象の一例である。
【0015】
まず、情報処理装置1は、各利用者Uの位置を示す情報である位置情報を各利用者Uの端末装置2から取得する(ステップS1)。端末装置2には、例えば、端末装置2の位置を検出する位置センサである測位センサが設けられており、端末装置2は、測位センサによって検出された端末装置2の位置を示す情報を位置情報として情報処理装置1に所定の周期で送信する。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、各利用者Uによって入力または選択される上限値の情報および下限値の情報を含む設定情報を各端末装置2から移動モード毎に受け付ける(ステップS2)。移動モードの種類には、車両モードおよび歩行モードなどが含まれる。上限値の情報は、上限値情報の一例であり、下限値の情報は、下限値情報の一例である。
【0017】
車両モードは、利用者Uが車両に搭乗して移動する場合に利用者Uによって選択されるモードである。歩行モードは、利用者Uが徒歩で移動する場合に利用者Uによって選択されるモードである。
【0018】
移動モードの種類には、例えば、利用者Uがジョギングで移動する場合に利用者Uによって選択されるジョギングモード、利用者Uがランニングで移動する場合に利用者Uによって選択されるランニングモードなどが含まれていてもよい。
【0019】
上限値は、移動支援サービスの利用で予め定められた条件を満たす毎に利用者Uが徴収される徴収対価の上限値である。下限値は、移動支援サービスの利用で予め定められた条件を満たす毎に利用者Uに支払われる支払い対価の下限値である。徴収対価および支払い対価は、移動支援サービスの利用によって生じる対価である。
【0020】
予め定められた条件の種類は、第1の予め定められた条件および第2の予め定められた条件などである。第1の予め定められた条件は、例えば、利用者Uによって指定されたルートである移動ルートの出発地を出発してから移動ルートの目的地に到着するという条件である。第2の予め定められた条件は、利用者Uによる1回当たりの優先的な移動、または他の利用者Uによる優先的な移動での1回当たりの影響である。
【0021】
以下において、第1の予め定められた条件での上限値をトータル上限値と記載し、第1の予め定められた条件での下限値をトータル下限値と記載し、第2の予め定められた条件での上限値を単位上限値と記載し、第2の予め定められた条件での下限値を単位下限値と記載する。
【0022】
つづいて、情報処理装置1は、各利用者Uによって入力または選択される目的地の情報と移動モードの情報とを含む検索用情報を各端末装置2から受け付ける(ステップS3)。例えば、目的地の入力または選択は、目的地の住所、名称、または電話番号などの入力または選択によって行われるが、地図上における目的地の位置を指定することによって行われてもよい。以下において、検索用情報で示される移動モードを指定移動モードと記載する場合がある。
【0023】
また、情報処理装置1は、利用者Uによって入力または選択される目的地の情報と移動モードの情報とに加えて、さらに、利用者Uによって入力または選択される出発地の情報を端末装置2から受け付けることもできる。なお、情報処理装置1は、端末装置2において利用者Uによる出発地の入力または選択がない場合、利用者Uの現在地を出発地として扱う。
【0024】
端末装置2から送信される検索用情報に情報が含まれる移動モードは、例えば、上述した車両モードおよび歩行モードなどのうちのいずれかであり、情報処理装置1は、車両モードおよび歩行モードなどの中から利用者Uによる移動モードの選択を受け付ける。
【0025】
なお、情報処理装置1は、端末装置2から送信される検索用情報に移動モードの情報が含まれていない場合、ステップS1で取得した位置情報で示される位置やその変化(例えば、移動速度)に基づいて、車両モードおよび歩行モードなどの中から移動モードを選択することができる。また、情報処理装置1は、端末装置2から送信される検索用情報に移動モードの情報が含まれない場合、利用者Uのスケジュール情報などに基づいて、車両モードおよび歩行モードなどの中から移動モードを選択することもできる。
【0026】
つづいて、情報処理装置1は、各利用者Uの出発地から目的地までの移動ルートを検索する(ステップS4)。情報処理装置1は、例えば、道路管理情報を有しており、かかる道路管理情報に基づいて、出発地から目的地までの複数の移動ルートを検索する。
【0027】
道路管理情報は、例えば、交差点やT字路などのノードの情報と、ノード間を接続する車道や歩道であるリンクの情報とを各々複数含む。ノードの情報には、例えば、信号機4の情報やノードの距離を示す情報などが含まれる。ノードの距離は、ノードの端部間の位置であり、例えば、交差点の距離またはT字路の距離などである。
【0028】
リンクの情報には、例えば、リンクで示される車道や歩道の走行方向の情報、リンクで示される車道や歩道の距離を示す情報、リンクで示される車道や歩道に設けられた交通標識の情報などが含まれる。リンクで示される車道や歩道の距離は、リンクで示される車道や歩道の端部間の距離である。リンクで示される車道や歩道の端部の一端部は、例えば、リンクで示される車道や歩道の始点位置であり、リンクで示される車道や歩道の端部の他端部は、例えば、リンクで示される車道や歩道の終点位置である。
【0029】
交通標識は、例えば、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識などの道路標識などである。規制標識は、例えば、通行止め、速度規制、Uターン禁止、重量規制などを示す標識である。
【0030】
情報処理装置1は、例えば、出発地から目的地までのリンクとノードとを繋いでいくことで、出発地から目的地までの移動ルートを特定し、移動ルートを検索する。情報処理装置1によって検索される移動ルートの情報には、出発地から目的地までのノードの情報とリンクの情報とが含まれる。
【0031】
情報処理装置1は、例えば、出発地から目的地までの距離が最も短い移動ルートを検索したり、出発地から目的地までの距離が閾値以内の移動ルートであってかつ出発地から目的地までの間の信号機4の数が最も少ない移動ルートを検索したりする。また、情報処理装置1は、有料道路を優先する移動ルートを検索したり、一般道路を優先する移動ルートを検索したりすることもできる。
【0032】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4で検索した移動ルートである対象移動ルートにおける指定移動モードでの移動支援サービスの予測利用額を複数算出する処理を対象移動ルート毎に行う(ステップS5)。複数の予測利用額は、例えば、移動支援サービスによる互いに異なる移動支援によって互いに到着予測時刻が異なる場合における移動支援サービスの予測利用額である。到着予測時刻は、対象移動ルートの目的地への到着予測時刻である。
【0033】
情報処理装置1は、例えば、交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、および移動支援履歴情報などに基づいて、複数の予測利用額を算出する処理を移動ルート毎に行う。情報処理装置1は、例えば、交通情報提供装置3から交通量情報、制御パターン情報、および移動履歴情報などを取得することができる。
【0034】
交通量情報は、対象移動ルートにおける交通量の情報である。制御パターン情報は、対象移動ルート上の信号機4の制御パターンの情報である。移動履歴情報は、対象移動ルートにおける車両や歩行者の移動履歴の情報であり、例えば、移動速度の予測に用いられる。
【0035】
移動支援履歴情報は、例えば、対象移動ルート上の信号機4の移動支援サービスによる制御履歴の情報、移動支援サービスを提供時における対象移動ルートの交通量の履歴の情報、移動支援サービスにおいて各利用者Uに対して決定した第1の対価および第2の対価の履歴の情報などを含む。
【0036】
情報処理装置1は、例えば、交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、および移動支援履歴情報などに基づいて、対象移動ルート上の信号機4で交通整理される交差点毎に、第1の対価と第2の対価とを対象移動ルート毎に予測値として決定する。
【0037】
第1の対価は、利用者Uが優先的な移動の対象である優先対象となる場合に利用者Uから徴収される対価であり、上述した徴収対価である。第2の対価は、利用者Uが他の利用者Uの優先的な移動によって影響を受ける対象である影響対象となる場合に利用者Uに支払わされる対価であり、上述した支払い対価である。
【0038】
第1の対価および第2の対価などの各対価は、例えば、通貨、電子マネー、ポイントなどである。ポイントは、例えば、電子商取引サイトで使用可能なポイント、または移動支援サービスで使用可能なポイントである。
【0039】
情報処理装置1は、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく交差点を信号機4の信号によって停止しないと予測される場合には、第1の対価および第2の対価の決定は行わない。
【0040】
情報処理装置1は、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号によって停止しないと予測される信号機4で交通整理される交差点を除き、対象移動ルートにおける各交差点での優先対象および影響対象の組み合わせが互いに異なる複数の組み合わせの各々の第1の対価および第2の対価の合計額を予測利用額として対象移動ルート毎に算出する。
【0041】
例えば、対象移動ルート上の信号機4が、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機であるとし、対象移動ルートにおいて、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号によって停止しないと予測される信号機4がないとする。また、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の各々において利用者Uが優先対象および影響対象のいずれにもなり得ると推定されるとする。この場合、情報処理装置1は、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の各々での優先対象および影響対象のうちの1つの組み合わせとして、互いに異なる8つの組み合わせの各々の第1の対価および第2の対価の合計額を予測利用額として算出する。
【0042】
例えば、優先対象を1と表し、影響対象を0で表し、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の対象を{T1,T2,T3}とする。この場合、8つの組み合わせは、{0,0,0},{0,1,0},{0,0,1},{0,1,1},{1,0,0},{1,1,0},{1,0,1},{1,1,1}である。以下において、上述した組み合わせを対象組み合わせと記載する場合がある。なお、情報処理装置1は、交通量情報や移動履歴情報などから利用者Uが優先対象および影響対象の一方になると推定される場合には、他方が要素になる組み合わせを対象組み合わせから除外する。
【0043】
このように、情報処理装置1は、対象組み合わせ毎の予測利用額を対象移動ルート毎に算出する。情報処理装置1は、予測利用額を算出した対象組み合わせ毎の対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外するか否かを決定する処理を対象移動ルート毎に行う。以下において、対象移動ルートが互いに異なる複数の提案移動ルート候補を種類が異なる提案移動ルート候補とする。
【0044】
例えば、情報処理装置1は、利用者Uからのトータル上限値やトータル下限値が受け付けられている場合、予測利用額がトータル上限値を上回る対象組み合わせの対象移動ルート、および移動支援サービスの予測される利用額がトータル下限値を下回る対象組み合わせの対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。これにより、情報処理装置1によって、予測利用額がトータル上限値以下になるように第1の対価および第2の対価が決定され、予測利用額がトータル下限値以上になるように第1の対価および第2の対価が決定される。
【0045】
また、情報処理装置1は、利用者Uからの単位上限値や単位下限値が受け付けられている場合、第1の対価が単位上限値を上回る対象移動ルート、および第2の対価が単位下限値を下回る対象組み合わせの対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。
【0046】
また、情報処理装置1は、例えば、対象組み合わせで示される優先対象と影響対象の組み合わせ、交通量情報、および移動履歴情報などに基づいて、対象組み合わせ毎に、提案移動ルート候補における目的地への到着予測時刻を判定する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。
【0047】
情報処理装置1は、例えば、複数の提案移動ルート候補の中から、到着予測時刻の範囲(以下、到着予測時刻範囲と記載する場合がある)毎に1つの提案移動ルート候補を提案移動ルートとして決定する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。これにより、各到着予定時刻に応じた第1の対価と第2の対価とが決定されることになる。
【0048】
到着予測時刻範囲は、例えば、提案移動ルート候補での出発地から目的地までの平均移動時間に応じた単位時間刻みの範囲であり、例えば、5分間隔の範囲、10分間隔の範囲などであり、提案移動ルート候補での平均移動時間が長いほど時間間隔が長くなる。提案移動ルート候補での出発地から目的地までの平均移動時間は、例えば、各提案移動ルート候補での出発地から目的地までの移動予測時間の平均値である。提案移動ルート候補での移動予測時間は、出発予定時刻(例えば、現時刻や利用者Uに設定された時刻)と到着予定時刻との差である。
【0049】
情報処理装置1は、各到着予測時刻範囲に1つの提案移動ルート候補を提案移動ルートとして提案移動ルート候補の種類毎に決定することができる。提案移動ルート候補の種類は、例えば、出発地から目的地までの距離が最も短い移動ルート、出発地から目的地までの距離が閾値以内の移動ルートであってかつ出発地から目的地までの間の信号機4の数が最も少ない移動ルートなどである。
【0050】
つづいて、情報処理装置1は、提案移動ルート情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに提案移動ルート情報を提供する(ステップS6)。提案移動ルート情報は、例えば、提案移動ルートを示す情報であるルート情報と、提案移動ルートにおける到着予測時刻を示す到着予測時刻情報と、提案移動ルーでの予測利用額を示す情報である予測利用額情報とを提案移動ルート毎に含む。
【0051】
利用者Uの端末装置2は、情報処理装置1から送信される提案移動ルート情報を受信した場合、受信した提案移動ルート情報を表示する。利用者Uは、端末装置2を操作して、端末装置2に表示されている提案移動ルート情報で示される提案移動ルートと到着予測時刻を選択することができる。端末装置2は、利用者Uによって提案移動ルートと到着予測時刻とが選択された場合、提案移動ルートと到着予測時刻とを示す情報である選択情報を情報処理装置1に送信する。
【0052】
情報処理装置1は、端末装置2から送信される選択情報を受け付けた場合、受け付けた選択情報に基づいて、利用者Uへの移動支援サービスの提供を開始する(ステップS7)。情報処理装置1は、利用者Uへの移動支援サービスの提供を開始すると、利用者Uが選択した提案移動ルートである選択ルート上で交通整理を行う信号機4毎に、上述した第1の対価、第2の対価、および対価なしのいずれかを決定する対価決定処理を行う(ステップS8)。
【0053】
ステップS8において、情報処理装置1は、選択ルート上の信号機4で交通整理される各交差点を通過する前に、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるか、利用者Uが優先的な移動の対象となるか、利用者Uが優先的な移動によって影響を受ける対象となるかを判定する。
【0054】
例えば、情報処理装置1は、選択ルートと交差点において交差する道路に他の利用者Uがおらず、かつ信号機4の制御パターンの変更なしに利用者Uが信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できる場合に、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できると判定する。
【0055】
また、情報処理装置1は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uがいる場合において、例えば、利用者Uの単位上限値と他の利用者Uの単位上限値とを比較する。そして、情報処理装置1は、利用者Uの単位上限値が他の利用者Uの単位上限値よりも高い場合に、利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。
【0056】
この場合、情報処理装置1は、例えば、他の利用者Uの単位上限値よりも高く利用者Uの単位上限値以下の範囲内において、利用者Uの第1の対価を決定する。例えば、情報処理装置1は、利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を利用者Uの第1の対価として決定する。このように、情報処理装置1は、優先的な移動によって移動時間が短くなる時間に対応する対価を第1の対価として決定することができる。
【0057】
また、情報処理装置1は、他の利用者Uの第2の対価の額として、利用者Uの第1の対価以下の額(例えば、第1の対価から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。
【0058】
情報処理装置1は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uが複数である場合、各他の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように、利用者Uの第1の対価を分割した額を他の利用者Uの第2の対価として他の利用者U毎に決定することもできる。
【0059】
また、情報処理装置1は、利用者Uの単位上限値が他の利用者Uの単位上限値よりも低い場合に、他の利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。この場合、情報処理装置1は、例えば、利用者Uの単位上限値よりも高く他の利用者Uの単位上限値以下の範囲内において、他の利用者Uの第1の対価を決定する。
【0060】
例えば、情報処理装置1は、他の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を他の利用者Uの第1の対価として決定する。このように、情報処理装置1は、優先的な移動によって移動時間が短くなる時間に対応する対価を第1の対価として決定することができる。
【0061】
また、情報処理装置1は、利用者Uの第2の対価の額として、他の利用者Uの第1の対価以下の額(例えば、第1の対価から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。
【0062】
また、情報処理装置1は、他の利用者Uの優先的な移動によって利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど高い対価を他の利用者Uの第1の対価として決定することもできる。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの第2の対価の額として、利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど高い対価を決定することができる。このように、情報処理装置1は、他の利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が長くなる時間に対応する対価を第2の対価として決定することができる。
【0063】
また、情報処理装置1は、選択ルート上の交差点に同一の道路から近づく利用者Uが選択ルートを選択した利用者Uを含めて複数おり、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uが複数いるとする。この場合、情報処理装置1は、第1の最大単位上限値と第2の最大単位上限値とを比較する。
【0064】
第1の最大単位上限値は、選択ルートを選択した利用者Uと同一の道路から交差点に近づく複数の利用者U(以下、第1の利用者Uと記載する場合がある)の単位上限値のうち最大の単位上限値である。第2の最大単位上限値は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている複数の他の利用者U(以下、第2の利用者Uと記載する場合がある)の単位上限値のうち最大の単位上限値である。
【0065】
情報処理装置1は、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも高いか否かを判定し、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも高い場合に、第1の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。
【0066】
この場合、情報処理装置1は、例えば、第2の最大単位上限値よりも高く第1の最大単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第1の利用者Uの第1の対価の合計値である。情報処理装置1は、第1の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第1の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0067】
また、情報処理装置1は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、情報処理装置1は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0068】
また、情報処理装置1は、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも低い場合に、第2の利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。この場合、情報処理装置1は、例えば、第1の最大単位上限値よりも高く第2の最大単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第2の利用者Uの第1の対価の合計値である。情報処理装置1は、第2の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第2の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0069】
また、情報処理装置1は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、情報処理装置1は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0070】
また、情報処理装置1は、第1の最大単位上限値と第2の最大単位上限値との比較に代えて、第1の総単位上限値と第2の総単位上限値とを比較し、かかる比較結果に基づいて、第1の対価および第2の対価を決定することもできる。第1の総単位上限値は、複数の第1の利用者Uの単位上限値の合計値であり、第2の総単位上限値は、複数の第2の利用者Uの単位上限値の合計値である。
【0071】
情報処理装置1は、例えば、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、利用者Uの第1の対価または第2の対価を決定する毎に、提案移動ルートを利用者Uが移動を開始してからの対価の合計値を算出する。
【0072】
情報処理装置1は、算出した合計値がトータル上限値を上回る場合または上回ると予測される場合、後述する決定利用額がトータル上限値を上回らないように、利用者Uが優先対象よりも影響対象になるように一時的に優先したり、利用者Uに対する移動支援サービスを終了したりすることができる。情報処理装置1は、例えば、単位下限値を一時的に大きくしたり、単位上限値を一時的に小さくしたりすることによって、利用者Uが優先対象よりも影響対象になるように一時的に優先することができる。
【0073】
また、情報処理装置1は、算出した合計値がトータル下限値を下回る場合または下回ると予測される場合、後述する決定利用額がトータル下限値を下回らないように、利用者Uが影響対象よりも優先対象になるように一時的に優先したり、利用者Uに対する移動支援サービスを終了したりすることができる。情報処理装置1は、例えば、単位下限値を一時的に小さくしたり、単位上限値を一時的に大きくしたりすることによって、利用者Uが影響対象よりも優先対象になるように一時的に優先することができる。
【0074】
つづいて、情報処理装置1は、利用者Uが優先対象となると判定した場合、利用者Uの優先的な移動のための制御情報を生成し、利用者Uが影響対象となると判定した場合、他の利用者Uの優先的な移動のための制御情報を生成する(ステップS9)。情報処理装置1は、利用者Uが優先対象または影響対象になると判定する毎に、判定結果に対応する制御情報を生成する。
【0075】
情報処理装置1は、例えば、交差点を通過する前において利用者Uが優先対象となると判定した場合、利用者Uが優先的な移動をできるように通過前の交差点の信号機4を制御するための制御信号を生成する。例えば、情報処理装置1は、利用者Uが優先的な移動の対象となることによって信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるように利用者Uの進行方向における信号機4の信号が青信号に維持または変更するための制御信号を生成する。
【0076】
また、情報処理装置1は、交差点を通過する前において利用者Uが影響対象となると判定した場合、他の利用者Uが優先的な移動をできるように通過前の交差点の信号機4を制御するための制御信号を生成する。例えば、情報処理装置1は、他の利用者Uが優先的な移動の対象となることによって信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるように他の利用者Uの進行方向における信号機4の信号が青信号に維持または変更するための制御信号を生成する。
【0077】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS9で生成した制御信号を利用者Uの移動先にある信号機4を制御する制御装置5に出力する(ステップS10)。このように、情報処理装置1は、信号機4を制御する制御装置5に対して制御信号を出力することによって、利用者Uの優先的な移動ができるように制御装置5に信号機4を制御させたり、他の利用者Uが優先的な移動ができるように制御装置5に信号機4を制御させたりすることができる。
【0078】
つづいて、情報処理装置1は、利用者Uが提案移動ルートの目的地に到達した後に、利用者Uが提案移動ルートの移動を開始してから提案移動ルートの目的地に到達するまでの間に決定した第1の対価および第2の対価の合計値を決定利用額として算出する(ステップS11)。
【0079】
なお、情報処理装置1は、ステップS8,S11の処理を行わず、ステップS5で算出した予測利用額を決定利用額として決定することもできる。ステップS5の処理において、情報処理装置1は、例えば、移動支援サービスにおいて利用者Uの移動に関係する他の利用者Uを予測し、ステップS8と同様の処理によって第1の対価および第2の対価を予測値して決定する。
【0080】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS11で算出した決定利用額の情報である決定利用額情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに決定利用額情報を提供する(ステップS12)。
【0081】
利用者Uの端末装置2は、情報処理装置1から決定利用額情報を受信した場合、受信した決定利用額情報を表示する。これにより、利用者Uは、移動支援サービスの利用額を把握することができる。
【0082】
なお、情報処理装置1は、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、利用者Uの第1の対価または第2の対価を決定する毎に、提案移動ルートを利用者Uが移動を開始してからの対価の合計値を示す情報である合計値情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに合計値情報を提供することもできる。
【0083】
なお、情報処理装置1は、利用者Uの第1の対価または第2の対価を決定する毎に、決定した対価の情報である対価情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに対価情報を提供することもできる。
【0084】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS8で決定した第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理である対価処理を行う(ステップS13)。情報処理装置1は、第1の対価および第2の対価の合計値である決定利用額に対して対価処理を行うことで、第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理である対価処理を行う。
【0085】
例えば、情報処理装置1は、決定利用額がマイナスである場合、利用者Uからの決定利用額の徴収の処理を行い、決定利用額がプラスである場合、利用者Uへの決定利用額の支払いの処理を行う。これにより、情報処理装置1は、利用者Uからの第1の対価の徴収や利用者Uへの第2の対価の支払いの処理を行うことができる。
【0086】
また、ステップS13において、情報処理装置1は、ステップS8で第1の対価が決定される毎に、利用者Uからの第1の対価の徴収の処理を行い、ステップS8で第2の対価が決定される毎に、利用者Uへの第2の対価の支払いの処理を行うこともできる。
【0087】
情報処理装置1は、例えば、対価が通貨である場合、決定利用額の徴収や第1の対価の徴収を、利用者Uの口座などから決定利用額や第1の対価の額の引き落すことによって行う。また、情報処理装置1は、例えば、対価が通貨である場合、決定利用額の支払いや第2の対価の支払いを、利用者Uの口座などに決定利用額や第2の対価の額を振り込むことによって行う。
【0088】
なお、情報処理装置1は、第2の対価の許諾の有無を利用者Uや他の利用者Uに問い合わせる情報である問い合わせ情報を利用者Uや他の利用者Uの端末装置2に送信することで、第2の対価の許諾の有無を利用者Uや他の利用者Uに問い合わせることができる。
【0089】
この場合、情報処理装置1は、問い合わせに応じて利用者Uや他の利用者Uの端末装置2から出力される許諾の有無を示す情報を含む許諾有無情報を受け付ける。情報処理装置1は、受け付けた許諾有無情報で許諾があることが示される場合、制御情報を生成し、許諾有無情報で許諾があることが示されない場合、制御情報を生成しないことができる。情報処理装置1は、制御情報を生成した場合に、生成した制御情報を制御装置5に送信する。
【0090】
また、情報処理装置1は、移動ルートの目的地までにおける許容遅延時間を示す情報を含む許容情報を受け付け、許容情報で示される許容遅延時間内で第1の対価および第2の対価を決定することもできる。
【0091】
例えば、情報処理装置1は、移動支援サービスを利用者Uが利用しない場合の移動ルートの予測到着時刻または移動支援サービスがない場合の移動ルートの予測到着時刻を基準予測到着時刻として算出する。
【0092】
そして、情報処理装置1は、例えば、対象組み合わせで示される優先対象と影響対象の組み合わせ、交通量情報、制御パターン情報、および移動履歴情報などに基づいて、移動ルートの出発地から目的地までの移動時間を予測し、かかる移動時間に基づいて、移動ルートの基準予測到着時刻を算出することができる。
【0093】
例えば、情報処理装置1は、許容情報で示される許容遅延時間を基準予測到着時刻に加算することで下限予測到着時刻を算出する。そして、情報処理装置1は、例えば、複数の提案移動ルート候補のうち到着予測時刻が下限予測到着時刻よりも遅い提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。これにより、情報処理装置1は、許容遅延時間よりも到着予測時刻が遅くなる提案移動ルート候補が提案ルートとなることを避けることができる。
【0094】
なお、許容情報には、移動ルートの目的地までにおける許容早着時間を示す情報が含まれていてもよい。この場合、情報処理装置1は、許容情報で示される許容早着時間を基準予測到着時刻から減算することで上限予測到着時刻を算出する。そして、情報処理装置1は、例えば、複数の提案移動ルート候補のうち到着予測時刻が上限予測到着時刻よりも早い提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。これにより、情報処理装置1は、許容早着時間よりも到着予測時刻が早くなる提案移動ルート候補が提案ルートとなることを避けることができる。
【0095】
また、情報処理装置1は、利用者Uの過去の移動速度が閾値以下である場合、予測利用額または決定利用額が負の値になるように、第1の対価と第2の対価とを決定することもできる。これにより、情報処理装置1は、例えば、急がない傾向にある利用者Uが移動支援サービスの利用料を支払うことを抑制することができる。なお、利用者Uの過去の移動速度は、例えば、提案移動ルートでの利用者Uの過去の移動速度の平均値であるが、移動ルートを限定しない利用者Uの過去の移動速度の平均値などであってもよい。
【0096】
また、情報処理装置1は、複数の対価決定モードの中から利用者Uによる対価決定モードの指定を受け付けることもできる。この場合、情報処理装置1は、利用者Uによって指定された対価決定モードに基づいて、第1の対価と第2の対価とを決定することができる。
【0097】
複数の対価決定モードは、例えば、第1の対価決定モード、第2の対価決定モード、および第3の対価決定モードを含む。第1の対価決定モードは、第1のモードの一例であり、第2の対価決定モードは、第2のモードの一例であり、第3の対価決定モードは、第3のモードの一例である。
【0098】
第1の対価決定モードは、予測利用額または決定利用額が第1閾値Th1未満となる対価決定モードである。第2の対価決定モードは、予測利用額または決定利用額が第1閾値Th1以上かつ第2閾値Th2未満となる対価決定モードである。第3の対価決定モードは、予測利用額または決定利用額が第2閾値Th2以上となる対価決定モードである。第1閾値Th1は、例えば、負の値であり、第2閾値Th2は、正の値であるが、かかる例に限定されない。
【0099】
例えば、情報処理装置1は、第1の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第1閾値Th1以上の提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。また、情報処理装置1は、第2の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第1閾値Th1未満の提案移動ルート候補と第2閾値Th2以上の提案移動ルート候補とを提案移動ルートの対象から除去する。また、情報処理装置1は、第3の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第2閾値Th2未満の提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。
【0100】
情報処理装置1は、例えば、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、利用者Uの第1の対価または第2の対価を決定する毎に、提案移動ルートを利用者Uが移動を開始してからの対価の合計値を算出する。
【0101】
そして、情報処理装置1は、第1の対価決定モードが指定されている場合において、算出した合計値が第1閾値Th1以上になる場合または予測される場合、合計値が第1閾値Th1以上にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第1の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0102】
例えば、情報処理装置1は、第2の対価決定モードが指定されている場合において、算出した合計値が第1閾値Th1未満または第2閾値Th2以上になる場合または予測される場合、合計値が第1閾値Th1未満または第2閾値Th2以上にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第2の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0103】
また、情報処理装置1は、第3の対価決定モードが指定されている場合において、算出した合計値が第2閾値Th2未満になる場合または予測される場合、合計値が第2閾値Th2未満にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第3の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0104】
第1閾値Th1および第2閾値Th2は、例えば、移動ルートの距離が長いほど絶対値が大きい値に設定される。また、第1閾値Th1および第2閾値Th2は、例えば、移動ルート上にある信号機4の数が多いほど絶対値が大きい値に設定される。
【0105】
このように、情報処理装置1は、第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する。そして、情報処理装置1は、優先的な移動のための制御情報を生成し、第1の移動対象の移動先にある信号機4を制御する制御装置5に制御情報を出力する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uがより早い時間で目的地まで到達することを支援することができる。
【0106】
以下、このような処理を行う情報処理装置1、端末装置2、交通情報提供装置3、複数の信号機4、および制御装置5を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0107】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2と、交通情報提供装置3と、複数の信号機4と、制御装置5とを含む。
【0108】
複数の端末装置2は、互いに異なる利用者Uによって用いられる。端末装置2は、例えば、車載装置または携帯端末である。携帯端末は、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。
【0109】
情報処理装置1、複数の端末装置2、交通情報提供装置3、複数の信号機4、および制御装置5は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1、交通情報提供装置3、および制御装置5などが複数含まれてもよい。また、制御装置5は、交通情報提供装置3に含まれる構成であってもよい。
【0110】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0111】
端末装置2は、移動体通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0112】
〔3.情報処理装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0113】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2、交通情報提供装置3、および制御装置5などとの間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0114】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、利用者情報記憶部20と、移動支援履歴情報記憶部21と、交通関連情報記憶部22と、道路管理情報記憶部23とを有する。
【0115】
〔3.2.1.利用者情報記憶部20〕
利用者情報記憶部20は、利用者Uに関する各種の情報を記憶する。図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【0116】
図4に示す例では、利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID(Identifier)」、「属性情報」、「履歴情報」、「位置情報」、および「設定情報」といった項目の情報を含む。
【0117】
「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子であり、利用者U毎に付される情報である。「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性を示す属性情報である。利用者Uの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0118】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった利用者Uの興味関心を有する対象である。
【0119】
「履歴情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの移動履歴の情報などを含む。利用者Uの移動履歴は、利用者Uの過去の位置の履歴、利用者Uの移動ルートの履歴、利用者Uの信号待ちの履歴などを含む。利用者Uの移動ルートの履歴は、移動モードが車両であるか歩行者であるかを示す情報、利用者Uの移動速度を示す情報などを含む。利用者Uの信号待ちの履歴は、信号待ちを行った位置、信号待ちの時間などの情報を含む。
【0120】
「位置情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの現在位置を示す位置情報を含む。位置情報は、例えば、端末装置2によって検出され端末装置2から送信される検出情報に含まれる情報であり、処理部12によって端末装置2から取得され利用者情報記憶部20に記憶される。
【0121】
「設定情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの設定情報であり、例えば、利用者Uによって設定され処理部12によって受け付けられた許容情報、利用者Uによって入力または選択される上限値の情報および下限値の情報を含む設定情報などである。
【0122】
〔3.2.2.移動支援履歴情報記憶部21〕
移動支援履歴情報記憶部21は、移動支援サービスの適用履歴を示す情報などを含む移動支援履歴情報を記憶する。
【0123】
例えば、移動支援履歴情報は、各利用者Uに対する移動支援サービスの提供履歴を示す提供履歴情報、移動支援サービスによる信号機4の制御履歴を示す制御履歴情報、移動支援サービスを提供時における各移動ルートの交通量の履歴を示す交通量履歴情報などを含む。
【0124】
提供履歴情報には、移動支援サービスにおける各利用者Uのサービス提供内容を示す情報、移動支援サービス提供時の各利用者Uのトータル上限値、トータル下限値、単位上限値、単位下限値などの上下限値を示す情報、移動支援サービスにおいて各利用者Uに対して決定した第1の対価および第2の対価を示す情報などが含まれる。
【0125】
〔3.2.3.交通関連情報記憶部22〕
交通関連情報記憶部22は、交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、制御履歴情報などを記憶する。これらの交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、制御履歴情報は、例えば、処理部12が交通情報提供装置3から取得して交通関連情報記憶部22に記憶される。
【0126】
交通量情報は、各移動ルートにおける交通量の情報である。制御パターン情報は、各移動ルート上の信号機4の制御パターンの情報である。移動履歴情報は、各移動ルートにおける車両や歩行者の移動履歴の情報であり、例えば、移動速度の予測に用いられる。制御履歴情報は、例えば、各移動ルート上の信号機4の移動支援サービスによる制御履歴の情報である。
【0127】
〔3.2.4.道路管理情報記憶部23〕
道路管理情報記憶部23は、道路管理情報などを記憶する。道路管理情報は、例えば、交差点やT字路などのノードの情報と、ノード間を接続する歩道や車道であるリンクの情報とを各々複数含む。
【0128】
ノードの情報には、例えば、信号機4の情報やノードの距離を示す情報などが含まる。信号機4の情報は、例えば、信号機4を特定するための情報を含む。信号機4を特定するための情報は、例えば、信号機4の識別情報である。ノードの距離は、ノードの端部間の位置であり、例えば、交差点の距離を示す情報またはT字路の距離を示す情報である。
【0129】
リンクの情報には、例えば、リンクで示される歩道や車道の移動方向の情報、リンクで示される歩道や車道の距離を示す情報、リンクで示される歩道や車道に設けられた交通標識の情報などが含まれる。
【0130】
リンクで示される歩道や車道の距離は、リンクで示される歩道や車道の端部間の距離である。リンクで示される歩道や車道の端部の一端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の起点位置であり、リンクで示される歩道や車道の端部の他端部は、例えば、リンクで示される歩道や車道の終点位置である。
【0131】
交通標識は、例えば、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識などの道路標識などである。規制標識は、例えば、通行止め、速度規制、Uターン禁止、重量規制などを示す標識である。
【0132】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMなどを作業領域として実行されることにより実現される。
【0133】
また、処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。
【0134】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、検索部32と、決定部33と、算出部34と、問い合わせ部35と、生成部36と、出力部37と、通知部38と、対価処理部39とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0135】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、種々の情報を取得する。例えば、取得部30は、交通情報提供装置3や外部の情報処理装置などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した種々の情報を記憶部11に記憶させる。
【0136】
例えば、取得部30は、交通情報提供装置3や外部の情報処理装置などから通信部10を介して、交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、制御履歴情報などを取得し、取得した交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、制御履歴情報などを交通関連情報記憶部22に記憶させる。
【0137】
また、取得部30は、外部の情報処理装置などから通信部10を介して利用者Uの属性を示す情報を取得し、取得した利用者Uの属性を示す情報を利用者情報記憶部20に記憶させることもできる。
【0138】
また、取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、利用者Uの情報である利用者情報を利用者情報記憶部20などから取得する。取得部30によって取得される利用者情報は、例えば、上述した属性情報、履歴情報、位置情報、および設定情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0139】
また、取得部30は、移動支援サービスの適用履歴を示す情報などを含む移動支援履歴情報を移動支援履歴情報記憶部21などから取得する。取得部30によって取得される移動支援履歴情報は、例えば、上述した提供履歴情報、制御履歴情報、および交通量履歴情報などのうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0140】
また、取得部30は、交通関連情報を交通関連情報記憶部22などから取得する。取得部30によって取得される交通関連情報は、例えば、上述した交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、および制御履歴情報などのうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0141】
また、取得部30は、道路管理情報を道路管理情報記憶部23などから取得する。取得部30によって取得される道路管理情報は、例えば、交差点やT字路などのノードの情報と、ノード間を接続する車道や歩道であるリンクの情報などのうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0142】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して種々の要求や情報を受け付ける。例えば、受付部31は、設定情報、検索用情報、対象移動ルート情報、許諾有無情報などを受け付ける。
【0143】
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における受付部31の構成の一例を示す図である。図5に示すように、受付部31は、設定情報受付部40と、検索用情報受付部41と、選択情報受付部42と、許諾有無情報受付部43とを備える。
【0144】
設定情報受付部40は、端末装置2から送信される設定情報を移動モード毎に受け付ける。移動モードの種類には、車両モードおよび歩行モードなどが含まれる。車両モードは、利用者Uが車両に搭乗して移動する場合に利用者Uによって選択されるモードである。歩行モードは、利用者Uが徒歩で移動する場合に利用者Uによって選択されるモードである。
【0145】
移動モードの種類には、例えば、利用者Uがジョギングで移動する場合に利用者Uによって選択されるジョギングモード、利用者Uがランニングで移動する場合に利用者Uによって選択されるランニングモードなどが含まれていてもよい。
【0146】
設定情報は、例えば、上限値を示す情報を含む上限値情報、下限値を示す情報を含む下限値情報、利用者Uによって指定された対価決定モードを示す情報を含むモード指定情報、移動ルートの目的地までにおける許容遅延時間や許容早着時間などを示す情報を含む許容情報などを含む。
【0147】
上限値は、移動支援サービスの利用で予め定められた条件を満たす毎に利用者Uが徴収される徴収対価の上限値である。下限値は、移動支援サービスの利用で予め定められた条件を満たす毎に利用者Uに支払われる支払い対価の下限値である。徴収対価および支払い対価は、移動支援サービスの利用によって生じる対価である。
【0148】
予め定められた条件の種類は、第1の予め定められた条件および第2の予め定められた条件などである。第1の予め定められた条件は、例えば、利用者Uによって指定されたルートである移動ルートの出発地を出発してから移動ルートの目的地に到着するという条件である。また、第2の予め定められた条件は、利用者Uによる1回当たりの優先的な移動、または他の利用者Uによる優先的な移動での1回当たりの影響である。
【0149】
設定情報受付部40は、図5に示すように、上限値受付部50と、下限値受付部51と、指定受付部52と、許容情報受付部53とを備える。
【0150】
上限値受付部50は、端末装置2から送信される設定情報に含まれる上限値情報を受け付ける。上述した合計値の上限値であるトータル上限値を示す情報と上述した単位上限値を示す情報とを含む。トータル上限値および単位上限値は、例えば、利用者Uによって設定される値であるが、利用者Uの属性や利用者Uの過去の上限値情報などに基づいて算出部34によって算出される値であってもよい。
【0151】
下限値受付部51は、端末装置2から送信される設定情報に含まれる下限値情報を受け付ける。算出部34によって算出される合計値の下限値であるトータル下限値を示す情報と上述した単位下限値を示す情報とを含む。トータル下限値および単位下限値は、例えば、利用者Uによって設定される値であるが、利用者Uの属性や利用者Uの過去の下限値情報などに基づいて算出部34によって算出される値であってもよい。
【0152】
指定受付部52は、端末装置2から送信される指定情報を受け付ける。指定情報は、利用者Uによって指定された対価決定モードを特定する情報を含む。例えば、指定受付部52は、第1の対価決定モード、第2の対価決定モード、および第3の対価決定モードを含む複数の対価決定モードの中から利用者Uによる対価決定モードの指定を受け付ける。上述したように、第1の対価決定モードは、第1のモードの一例であり、第2の対価決定モードは、第2のモードの一例であり、第3の対価決定モードは、第3のモードの一例である。
【0153】
例えば、第1の対価決定モードは、算出部34によって算出される合計値が第1閾値Th1未満となる対価決定モードである。第2の対価決定モードは、算出部34によって算出される合計値が第1閾値Th1以上かつ第2閾値Th2未満となる対価決定モードである。第3の対価決定モードは、算出部34によって算出される合計値が第2閾値Th2以上となる対価決定モードである。
【0154】
許容情報受付部53は、端末装置2から送信される許容情報を受け付ける。許容情報は、移動ルートの目的地までにおける許容遅延時間を示す情報を含む。許容遅延時間は、移動ルートの目的地への到着に対して利用者Uが許容する遅延時間であり、例えば、上述した基準予測到着時刻からの遅延時間である。基準予測到着時刻は、例えば、移動支援サービスを利用者Uが利用しない場合の移動ルートの予測到着時刻または移動支援サービスがない場合の移動ルートの予測到着時刻である。
【0155】
なお、許容情報には、移動ルートの目的地までにおける許容早着時間を示す情報が含まれていてもよい。許容早着時間は、移動ルートの目的地への到着に対して利用者Uが許容する早着時間であり、例えば、上述した基準予測到着時刻に対する早着時間である。
【0156】
検索用情報受付部41は、端末装置2から送信される検索用情報を受け付ける。検索用情報は、例えば、利用者Uによって入力または選択される目的地の情報、利用者Uによって入力または選択される出発地の情報、移動モードの情報などを含む。
【0157】
検索用情報に情報が含まれる移動モードは、例えば、上述した車両モードおよび歩行モードなどのうちのいずれかであり、検索用情報受付部41は、車両モードおよび歩行モードなどの中から利用者Uによる移動モードの選択を受け付ける。
【0158】
なお、検索用情報受付部41は、検索用情報に移動モードの情報が含まれていない場合、取得部30によって取得された利用者Uの位置情報で示される位置やその変化(例えば、移動速度)に基づいて、車両モードおよび歩行モードなどの中から移動モードを選択することができる。また、検索用情報受付部41は、検索用情報に移動モードの情報が含まれない場合、利用者Uのスケジュール情報などから移動モードを選択したりすることもできる。
【0159】
選択情報受付部42は、端末装置2からの選択情報を受け付ける。選択情報は、提案移動ルート情報で示される複数の提案移動ルートおよび到着予測時刻の組み合わせのうち利用者Uによって選択された提案移動ルートおよび到着予測時刻の組み合わせを示す情報を含む。
【0160】
許諾有無情報受付部43は、端末装置2から送信される許諾有無情報を受け付ける。許諾有無情報は、問い合わせ部35による問い合わせに応じて端末装置2から出力される許諾の有無を示す情報を含む。端末装置2は、対象移動体の装置の一例である。
【0161】
〔3.3.3.検索部32〕
検索部32は、受付部31によって検索用情報が受け付けられた場合、検索用情報に基づいて、利用者Uの出発地から目的地までの移動ルートを検索する。検索部32は、例えば、取得部30によって取得された道路管理情報に基づいて、出発地から目的地までの複数の移動ルートを検索する。
【0162】
検索部32は、例えば、出発地から目的地までのリンクとノードとを繋いでいくことで、出発地から目的地までの移動ルートを特定し、移動ルートを検索する。検索部32によって検索される移動ルートの情報には、出発地から目的地までのノードの情報とリンクの情報とが含まれる。
【0163】
検索部32は、例えば、出発地から目的地までの距離が最も短い移動ルートを検索したり、出発地から目的地までの距離が閾値以内の移動ルートであってかつ出発地から目的地までの間の信号機4の数が最も少ない移動ルートを検索したりする。また、検索部32は、有料道路を優先する移動ルートを検索したり、一般道路を優先する移動ルートを検索したりすることもできる。
【0164】
〔3.3.4.決定部33〕
決定部33は、第1の対価と第2の対価とを決定する。第1の対価は、利用者Uが優先的な移動の対象である優先対象となる場合に利用者Uから徴収される対価であり、上述した徴収対価である。第2の対価は、利用者Uが他の利用者Uの優先的な移動によって影響を受ける対象である影響対象となる場合に利用者Uに支払わされる対価であり、上述した支払い対価である。優先対象になる場合の利用者Uまたは車両は、第1の移動対象の一例であり、利用者Uが影響対象となる場合の利用者Uまたは車両は、第2の移動対象の一例である。
【0165】
例えば、決定部33は、取得部30によって取得された交通量情報、制御パターン情報、移動履歴情報、および移動支援履歴情報などに基づいて、対象移動ルート上の信号機4で交通整理される交差点毎に、第1の対価と第2の対価とを対象移動ルート毎に予測値として決定する。対象移動ルートは、検索部32によって検索された複数の移動ルートの各々である。
【0166】
第1の対価および第2の対価などの各対価は、例えば、通貨、電子マネー、ポイントなどである。ポイントは、例えば、電子商取引サイトで使用可能なポイント、または移動支援サービスで使用可能なポイントである。
【0167】
決定部33は、利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が短くなる時間を判定し、判定した時間に対応する対価を第1の対価として決定することができる。また、決定部33は、他の利用者Uの優先的な移動による影響によって利用者Uの移動時間が長くなる時間を判定し、判定した時間に対応する対価を第2の対価として決定することができる。
【0168】
決定部33は、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく交差点を信号機4の信号によって停止しないと予測される場合には、第1の対価および第2の対価の決定は行わない。
【0169】
決定部33は、利用者Uが優先対象となることなく信号によって停止しないと予測される信号機4で交通整理される交差点を除き、対象移動ルートにおける各交差点での優先対象および影響対象の組み合わせが互いに異なる複数の組み合わせの各々の第1の対価および第2の対価を予測値として決定する。
【0170】
例えば、対象移動ルート上の信号機4が、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機であるとし、対象移動ルートにおいて、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号によって停止しないと予測される信号機4がないとする。また、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の各々において利用者Uが優先対象および影響対象のいずれにもなり得ると推定されるとする。この場合、決定部33は、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の各々での優先対象および影響対象のうちの1つの組み合わせとして、互いに異なる8つの組み合わせの各々の第1の対価および第2の対価を予測値として決定する。
【0171】
例えば、優先対象を1と表し、影響対象を0で表し、第1の信号機、第2の信号機、および第3の信号機の対象を{T1,T2,T3}とする。この場合、8つの組み合わせは、{0,0,0},{0,1,0},{0,0,1},{0,1,1},{1,0,0},{1,1,0},{1,0,1},{1,1,1}である。なお、決定部33は、交通量情報や移動履歴情報などから利用者Uが優先対象および影響対象の一方になると推定される場合には、他方が要素になる組み合わせを対象組み合わせから除外する。
【0172】
このように、決定部33は、対象組み合わせ毎の予測利用額を対象移動ルート毎に算出する。決定部33は、予測利用額を算出した対象組み合わせ毎の対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外するか否かを決定する処理を対象移動ルート毎(提案移動ルート候補を種類毎)に行う。
【0173】
例えば、決定部33は、利用者Uからのトータル上限値やトータル下限値が受け付けられている場合、予測利用額がトータル上限値を上回る対象組み合わせの対象移動ルート、および移動支援サービスの予測される利用額がトータル下限値を下回る対象組み合わせの対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。
【0174】
これにより、決定部33によって、予測利用額がトータル上限値以下になるように第1の対価および第2の対価が決定され、予測利用額がトータル下限値以上になるように第1の対価および第2の対価が決定される。予測利用額は、合計値の一例である。このように、決定部33は、予測利用額がトータル上限値以下になるように第1の対価および第2の対価を決定し、予測利用額がトータル下限値以上になるように第1の対価および第2の対価を決定することができる。
【0175】
また、決定部33は、利用者Uからの単位上限値や単位下限値が受け付けられている場合、第1の対価が単位上限値を上回る対象移動ルート、および第2の対価が単位下限値を下回る対象組み合わせの対象移動ルートを提案移動ルート候補から除外する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。
【0176】
また、決定部33は、例えば、対象組み合わせで示される優先対象と影響対象の組み合わせ、交通量情報、および移動履歴情報などに基づいて、対象組み合わせ毎に、提案移動ルート候補における目的地への到着予測時刻を判定する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。
【0177】
決定部33は、例えば、複数の提案移動ルート候補の中から、到着予測時刻の範囲である到着予測時刻範囲毎に1つの提案移動ルート候補を提案移動ルートとして決定する処理を提案移動ルート候補の種類毎に行う。これにより、各到着予定時刻に応じた第1の対価と第2の対価とが決定されることになる。このように、決定部33は、目的地への各到着予定時刻に応じた第1の対価と第2の対価とを決定する。
【0178】
到着予測時刻範囲は、例えば、提案移動ルート候補での出発地から目的地までの平均移動時間に応じた単位時間刻みの範囲であり、例えば、5分間隔の範囲、10分間隔の範囲などであり、提案移動ルート候補での平均移動時間が長いほど時間間隔が長くなる。提案移動ルート候補での出発地から目的地までの平均移動時間は、例えば、各提案移動ルート候補での出発地から目的地までの移動予測時間の平均値である。提案移動ルート候補での移動予測時間は、出発予定時刻(例えば、現時刻や利用者Uに設定された時刻)と到着予定時刻との差である。
【0179】
決定部33は、各到着予測時刻範囲に1つの提案移動ルート候補を提案移動ルートとして提案移動ルート候補の種類毎に決定することができる。提案移動ルート候補の種類は、例えば、出発地から目的地までの距離が最も短い移動ルート、出発地から目的地までの距離が閾値以内の移動ルートであってかつ出発地から目的地までの間の信号機4の数が最も少ない移動ルートなどである。
【0180】
決定部33は、受付部31によって選択情報が受け付けられて移動支援サービスの提供が開始される場合に、選択ルート上で交通整理を行う信号機4毎に、第1の対価、第2の対価、および対価なしのいずれかを決定する。選択情報は、利用者Uが選択した提案移動ルートである選択ルートの情報である。
【0181】
決定部33は、例えば、選択ルート上の信号機4で交通整理される各交差点を通過する前に、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるか、利用者Uが優先的な移動の対象となるか、利用者Uが優先的な移動によって影響を受ける対象となるかを判定する。
【0182】
例えば、決定部33は、選択ルートと交差点において交差する道路に他の利用者Uがおらず、かつ信号機4の制御パターンの変更なしに利用者Uが信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できる場合に、利用者Uが優先的な移動の対象となることなく信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できると判定する。
【0183】
また、決定部33は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uがいる場合において、例えば、利用者Uの単位上限値と他の利用者Uの単位上限値とを比較する。そして、決定部33は、利用者Uの単位上限値が他の利用者Uの単位上限値よりも高い場合に、利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。
【0184】
この場合、決定部33は、例えば、他の利用者Uの単位上限値よりも高く利用者Uの単位上限値以下の範囲内において、利用者Uの第1の対価を決定する。例えば、決定部33は、利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を利用者Uの第1の対価として決定する。このように、決定部33は、優先的な移動によって移動時間が短くなる時間に対応する対価を第1の対価として決定することができる。
【0185】
また、決定部33は、他の利用者Uの第2の対価の額として、利用者Uの第1の対価以下の額(例えば、第1の対価から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。
【0186】
決定部33は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uが複数である場合、各他の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように、利用者Uの第1の対価を分割した額を他の利用者Uの第2の対価として他の利用者U毎に決定することもできる。
【0187】
また、決定部33は、利用者Uの単位上限値が他の利用者Uの単位上限値よりも低い場合に、他の利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。この場合、決定部33は、例えば、利用者Uの単位上限値よりも高く他の利用者Uの単位上限値以下の範囲内において、他の利用者Uの第1の対価を決定する。
【0188】
例えば、決定部33は、他の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を他の利用者Uの第1の対価として決定する。このように、決定部33は、優先的な移動によって移動時間が短くなる時間に対応する対価を第1の対価として決定することができる。
【0189】
また、決定部33は、利用者Uの第2の対価の額として、他の利用者Uの第1の対価以下の額(例えば、第1の対価から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。
【0190】
また、決定部33は、他の利用者Uの優先的な移動によって利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど高い対価を他の利用者Uの第1の対価として決定することもできる。これにより、決定部33は、利用者Uの第2の対価の額として、利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど高い対価を決定することができる。このように、決定部33は、他の利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が長くなる時間に対応する対価を第2の対価として決定することができる。
【0191】
また、決定部33は、利用者Uの単位上限値と他の利用者Uの単位上限値との比較に代えて、利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が短く時間に対応する対価と他の利用者Uの優先的な移動によって他の利用者Uの移動時間が短くなる時間に対応する対価との比較を行うこともできる。
【0192】
移動時間が短くなる時間に対応する対価は、移動時間が短くなる時間が長いほど高い額の対価であるが、その上限値は、単位上限値である。この場合、決定部33は、移動時間が短くなる時間に対応する対価が高い方の利用者Uを優先的な移動の対象として判定することができる。
【0193】
また、決定部33は、選択ルート上の交差点に同一の道路から近づく利用者Uが選択ルートを選択した利用者Uを含めて複数おり、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている他の利用者Uが複数いるとする。この場合、決定部33は、第1の最大単位上限値と第2の最大単位上限値とを比較する。
【0194】
第1の最大単位上限値は、選択ルートを選択した利用者Uと同一の道路から交差点に近づく複数の利用者U(以下、第1の利用者Uと記載する場合がある)の単位上限値のうち最大の単位上限値である。第2の最大単位上限値は、選択ルートと交差点において交差する道路から交差点に近づいている複数の他の利用者U(以下、第2の利用者Uと記載する場合がある)の単位上限値のうち最大の単位上限値である。
【0195】
決定部33は、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも高いか否かを判定し、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも高い場合に、第1の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。
【0196】
この場合、決定部33は、例えば、第2の最大単位上限値よりも高く第1の最大単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第1の利用者Uの第1の対価の合計値である。決定部33は、第1の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第1の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0197】
また、決定部33は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、決定部33は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0198】
また、決定部33は、第1の最大単位上限値が第2の最大単位上限値よりも低い場合に、第2の利用者Uが優先的な移動の対象となると判定する。この場合、決定部33は、例えば、第1の最大単位上限値よりも高く第2の最大単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第2の利用者Uの第1の対価の合計値である。決定部33は、第2の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第2の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0199】
また、決定部33は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、決定部33は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0200】
また、決定部33は、利用者Uの単位上限値と他の利用者Uの単位上限値との比較に代えて、利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が短く時間に対応する対価の最大値と他の利用者Uの優先的な移動によって他の利用者Uの移動時間が短くなる時間に対応する対価の最大値との比較を行うこともできる。
【0201】
この場合、決定部33は、利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が短く時間に対応する対価の最大値が、他の利用者Uの優先的な移動によって他の利用者Uの移動時間が短くなる時間に対応する対価の最大値よりも高い場合に、第1の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。
【0202】
また、決定部33は、利用者Uの優先的な移動によって利用者Uの移動時間が短く時間に対応する対価の最大値が、他の利用者Uの優先的な移動によって他の利用者Uの移動時間が短くなる時間に対応する対価の最大値よりも低い場合に、第2の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。
【0203】
また、決定部33は、第1の対価の総額に代えて、第1の最大単位上限値となる単位上限値が設定された利用者Uに対してのみ第1の対価を決定することもできる。この場合、決定部33は、第2の対価の総額として、第1の最大単位上限値以下の額(例えば、第1の最大単位上限値から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。
【0204】
決定部33は、例えば、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0205】
決定部33は、第1の最大単位上限値と第2の最大単位上限値との比較に代えて、第1の総単位上限値と第2の総単位上限値とを比較することもできる。第1の総単位上限値は、複数の第1の利用者Uの単位上限値の合計値であり、第2の総単位上限値は、複数の第2の利用者Uの単位上限値の合計値である。
【0206】
決定部33は、第1の総単位上限値が第2の総単位上限値よりも高いか否かを判定し、第1の総単位上限値が第2の総単位上限値よりも高い場合に、第1の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。
【0207】
この場合、決定部33は、例えば、第2の総単位上限値よりも高く第1の総単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第1の利用者Uの第1の対価の合計値である。決定部33は、第1の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第1の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0208】
また、決定部33は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、決定部33は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者Uの第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0209】
また、決定部33は、第1の総単位上限値が第2の総単位上限値よりも低い場合に、第2の利用者が優先的な移動の対象となると判定する。この場合、決定部33は、例えば、第1の総単位上限値よりも高く第2の総単位上限値以下の範囲内において、第1の対価の総額を決定する。第1の対価の総額は、複数の第2の利用者Uの第1の対価の合計値である。決定部33は、第2の利用者Uが優先的な移動によって短縮できる時間が大きいほど高い対価を第2の利用者Uの第1の対価として決定する。
【0210】
また、決定部33は、第2の対価の総額として、第1の対価の総額以下の額(例えば、第1の対価の総額から移動支援サービスの手数料を減算した額)を決定する。例えば、決定部33は、各第2の利用者Uが受ける影響(例えば、信号待ち時間)が大きいほど額が高くなるように第2の対価の総額を分割した額を第2の利用者の第2の対価として第2の利用者U毎に決定する。
【0211】
決定部33は、例えば、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、利用者Uの第1の対価または第2の対価を決定する毎に、対価合計値がトータル上限値を上回るか否か、および対価合計値がトータル下限値を下回るか否かを判定する。対価合計値は、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、決定部33が第1の対価または第2の対価を決定する毎に算出部34によって算出される合計値である。
【0212】
決定部33は、対価合計値がトータル上限値を上回る場合または上回ると予測される場合、後述する決定利用額がトータル上限値を上回らないように、利用者Uが優先対象よりも影響対象になるように一時的に優先したり、利用者Uに対する移動支援サービスを終了したりすることができる。決定部33は、例えば、単位下限値を一時的に大きくしたり、単位上限値を一時的に小さくしたりすることによって、利用者Uが優先対象よりも影響対象になるように一時的に優先することができる。
【0213】
また、決定部33は、対価合計値がトータル下限値を下回る場合または下回ると予測される場合、後述する決定利用額がトータル下限値を下回らないように、利用者Uが影響対象よりも優先対象になるように一時的に優先したり、利用者Uに対する移動支援サービスを終了したりすることができる。決定部33は、例えば、単位下限値を一時的に小さくしたり、単位上限値を一時的に大きくしたりすることによって、利用者Uが影響対象よりも優先対象になるように一時的に優先することができる。
【0214】
また、決定部33は、受付部31によって許容情報が受け付けられた場合、許容情報で示される許容遅延時間の範囲内で第1の対価および第2の対価を決定することもできる。決定部33は、例えば、移動支援サービスを利用者Uが利用しない場合の移動ルートの予測到着時刻または移動支援サービスがない場合の移動ルートの予測到着時刻を基準予測到着時刻として算出する。
【0215】
決定部33は、例えば、対象組み合わせで示される優先対象と影響対象の組み合わせ、取得部30によって取得された交通量情報、制御パターン情報、および移動履歴情報などに基づいて、対象移動ルートの出発地から目的地までの移動時間を予測し、かかる移動時間に基づいて、対象移動ルートの基準予測到着時刻を算出することができる。
【0216】
例えば、決定部33は、許容情報で示される許容遅延時間を基準予測到着時刻に加算することで下限予測到着時刻を算出する。そして、決定部33は、例えば、複数の提案移動ルート候補のうち到着予測時刻が下限予測到着時刻よりも遅い提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。これにより、決定部33は、許容遅延時間よりも到着予測時刻の遅延が遅くなる提案移動ルート候補が提案ルートとなることを避けることができる。
【0217】
許容情報には、移動ルートの目的地までにおける許容早着時間を示す情報が含まれていてもよい。この場合、決定部33は、許容情報で示される許容早着時間を基準予測到着時刻から減算することで上限予測到着時刻を算出する。そして、決定部33は、例えば、複数の提案移動ルート候補のうち到着予測時刻が上限予測到着時刻よりも早い提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。これにより、決定部33は、許容早着時間よりも到着予測時刻が早くなる提案移動ルート候補が提案ルートとなることを避けることができる。
【0218】
また、決定部33は、利用者Uの過去の移動速度が閾値以下である場合、予測利用額または決定利用額が負の値になるように、第1の対価と第2の対価とを決定することもできる。決定部33は、例えば、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することなどによって、予測利用額または決定利用額が負の値になるように、第1の対価と第2の対価とを決定する。これにより、決定部33は、例えば、急がない傾向にある利用者Uが移動支援サービスの利用料を支払うことを抑制することができる。なお、利用者Uの過去の移動速度は、例えば、提案移動ルートでの利用者Uの過去の移動速度の平均値であるが、移動ルートを限定しない利用者Uの過去の移動速度の平均値などであってもよい。
【0219】
また、決定部33は、受付部31によって指定情報が受け付けられた場合、指定情報で示される対価決定モードに基づいて、第1の対価と第2の対価とを決定することができる。指定情報で示される対価決定モードは、利用者Uによって指定された対価決定モードである。
【0220】
例えば、決定部33は、第1の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第1閾値Th1以上の提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。また、決定部33は、第2の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第1閾値Th1未満の提案移動ルート候補と第2閾値Th2以上の提案移動ルート候補とを提案移動ルートの対象から除去する。また、決定部33は、第3の対価決定モードが指定されている場合、予測利用額が第2閾値Th2未満の提案移動ルート候補を提案移動ルートの対象から除去する。
【0221】
また、情報処理装置1は、第1の対価決定モードが指定されている場合において、対価合計値が第1閾値Th1以上になる場合または予測される場合、対価合計値が第1閾値Th1以上にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第1の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0222】
例えば、情報処理装置1は、第2の対価決定モードが指定されている場合において、対価合計値が第1閾値Th1未満または第2閾値Th2以上になる場合または予測される場合、対価合計値が第1閾値Th1未満または第2閾値Th2以上にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第2の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0223】
また、情報処理装置1は、第3の対価決定モードが指定されている場合において、対価合計値が第2閾値Th2未満になる場合または予測される場合、対価合計値が第2閾値Th2未満にならないように、単位下限値や単位上限値を一時的に変更することで、決定利用額が第3の対価決定モードで規定される範囲内になるようする。
【0224】
第1閾値Th1および第2閾値Th2は、例えば、移動ルートの距離が長いほど絶対値が大きい値に設定される。また、第1閾値Th1および第2閾値Th2は、例えば、移動ルート上にある信号機4の数が多いほど絶対値が大きい値に設定される。
【0225】
〔3.3.5.算出部34〕
算出部34は、出発地から目的地までの対象移動ルートに対して決定部33によって決定された第1の対価と第2の対価との合計値を予測利用額として対象移動ルート毎に算出する。
【0226】
算出部34は、例えば、対象移動ルートに対して決定部33によって決定された対象組み合わせ毎の第1の対価と第2の対価とに基づいて、対象組み合わせ毎の予測利用額を対象移動ルート毎に算出する。
【0227】
このように、算出部34は、対象組み合わせ毎の予測利用額を算出することで、決定部33によって判定される各到着予測時刻に応じた予測利用額を算出することができる。すなわち、対象組み合わせ毎に決定部33によって判定される到着予測時刻に異なることから、算出部34は、各到着予測時刻に応じた予測利用額を算出することができる。
【0228】
また、算出部34は、出発地から目的地までの選択ルートに対して決定部33によって決定された第1の対価と第2の対価との合計値を決定利用額として算出する。
【0229】
例えば、算出部34は、利用者Uが提案移動ルートの目的地に到達した後に、利用者Uが提案移動ルートの移動を開始してから提案移動ルートの目的地に到達するまでの間に決定部33によって決定された第1の対価および第2の対価の合計値を決定利用額として算出する。
【0230】
また、算出部34は、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、利用者Uの第1の対価または第2の対価が決定部33によって決定される毎に、提案移動ルートを利用者Uが移動を開始してからの対価の最新の合計値を算出することができる。
【0231】
なお、算出部34は、例えば、許諾有無情報受付部43に受け付けられた許諾有無情報に許諾がないことを示す情報が含まれている場合、決定部33によって決定された第2の対価を合計値の算出に用いない。
【0232】
〔3.3.6.問い合わせ部35〕
問い合わせ部35は、決定部33によって決定された第2の対価の許諾の有無を影響対象となる利用者Uの端末装置2に問い合わせる。利用者Uの端末装置2は、対象移動体の装置の一例である。
【0233】
例えば、問い合わせ部35は、第2の対価の許諾の有無を利用者Uに問い合わせる情報である問い合わせ情報を利用者Uの端末装置2に通信部10を介して送信することで、第2の対価の許諾の有無を利用者Uに問い合わせることができる。
【0234】
端末装置2は、問い合わせ部35から送信される問い合わせ情報を受信した場合、かかる問い合わせ情報を不図示の表示部に表示させる。問い合わせ情報には、例えば、利用者Uが影響対象となって第2の対価を得ることを承諾するか否かを選択するためのGUI(Graphical User Interface)として、端末装置2の表示部に承諾ボタンと拒否ボタンを表示させるための情報が含まれている。
【0235】
利用者Uは、影響対象となって第2の対価を得ることを承諾する場合、端末装置2を操作し、端末装置2の表示部に表示されている承諾ボタンを選択することによって、端末装置2から許諾があることを示す情報を含む許諾有無情報が情報処理装置1に送信される。
【0236】
また、利用者Uは、影響対象となって第2の対価を得ることを承諾しない場合、端末装置2を操作し、端末装置2の表示部に表示されている拒否ボタンを選択することによって、端末装置2から許諾がないことを示す情報を含む許諾有無情報が情報処理装置1に送信される。
【0237】
なお、問い合わせ部35は、例えば、第2の対価が閾値以下の場合に限り、決定部33によって決定された第2の対価の許諾の有無を影響対象となる利用者Uの端末装置2に問い合わせることもできる。
【0238】
また、問い合わせ部35は、例えば、単位下限値を設定していない利用者Uに対しては、第2の対価の許諾の有無を利用者Uに問い合わせないが、かかる例に限定されない。例えば、問い合わせ部35は、問い合わせ対象となる第2の対価が単位下限値よりも低い場合には、第2の対価の許諾の有無を利用者Uに問い合わせることもできる。
【0239】
また、問い合わせ部35は、例えば、利用者Uによって問い合わせ不要の設定がされている場合、第2の対価の許諾の有無を利用者Uに問い合わせないこともできる。利用者Uは、提案移動ルート毎に問い合わせ不要の設定を行ったり、すべての提案移動ルートに対して問い合わせ不要の設定を行ったりすることができる。
【0240】
また、問い合わせ部35は、例えば、第2の対価の許諾の有無の問い合わせと同様の処理によって、決定部33によって決定された第1の対価の許諾の有無を優先対象となる利用者Uの端末装置2に問い合わせることもできる。
【0241】
〔3.3.7.生成部36〕
生成部36は、利用者Uの優先的な移動のための制御情報を生成する。例えば、生成部36は、利用者Uが優先対象となると判定した場合、利用者Uの優先的な移動のための制御情報を生成し、利用者Uが影響対象となると判定した場合、他の利用者Uの優先的な移動のための制御情報を生成する。
【0242】
生成部36は、利用者Uが優先対象または影響対象になると判定する毎に、判定結果に対応する制御情報を生成する。かかる制御情報は、信号機4を制御するための制御情報である。
【0243】
生成部36は、例えば、交差点を通過する前において利用者Uが優先対象となると判定した場合、利用者Uが優先的な移動をできるように通過前の交差点の信号機4を制御するための制御信号を生成する。例えば、生成部36は、利用者Uが優先的な移動の対象となることによって信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるように利用者Uの進行方向における信号機4の信号が青信号に維持または変更するための制御信号を生成する。
【0244】
また、生成部36は、交差点を通過する前において利用者Uが影響対象となると判定した場合、他の利用者Uが優先的な移動をできるように通過前の交差点の信号機4を制御するための制御信号を生成する。例えば、生成部36は、他の利用者Uが優先的な移動の対象となることによって信号機4の信号で停止することなく交差点を通過できるように他の利用者Uの進行方向における信号機4の信号が青信号に維持または変更するための制御信号を生成する。
【0245】
生成部36は、問い合わせ部35によって第2の対価の許諾の有無の問い合わせが利用者Uに対して行われた場合、かかる利用者Uの端末装置2から送信されて許諾有無情報受付部43によって受け付けられた許諾有無情報で許諾があることが示される場合に、制御情報を生成する。
【0246】
〔3.3.8.出力部37〕
出力部37は、生成部36によって生成された制御情報を、信号機4を制御する制御装置5に対し、通信部10を介して送信する。
【0247】
例えば、出力部37は、優先対象または影響対象の利用者Uの移動先にある信号機4を制御する制御装置5に対し、生成部36によって生成された制御情報を、通信部10を介して送信する。
【0248】
このように、出力部37は、信号機4を制御する制御装置5に対して制御信号を出力することによって、利用者Uの優先的な移動ができるように制御装置5に信号機4を制御させたり、他の利用者Uが優先的な移動できるように制御装置5に信号機4を制御させたりすることができる。
【0249】
〔3.3.9.通知部38〕
通知部38は、種々の情報を利用者Uに通知する。かかる通知部38は、種々の情報を利用者Uの端末装置2に通信部10を介して送信することで、種々の情報を利用者Uに通知する。
【0250】
通知部38は、例えば、検索用情報が受付部31によって受け付けられた場合、提案移動ルート情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに提案移動ルート情報を通知する。
【0251】
提案移動ルート情報は、例えば、決定部33によって決定された提案移動ルートを示す情報であるルート情報と、決定部33によって判定された到着予測時刻を示す到着予測時刻情報と、算出部34によって算出された予測利用額を示す情報である予測利用額情報とを提案移動ルート毎に含む。予測利用額は、合計値の一例である。
【0252】
複数の提案移動ルートには、同一の対象移動ルートであって対象組み合わせが異なる提案移動ルートであって到着予測時刻範囲毎の提案移動ルートが含まれる。これにより、通知部38は、各到着予定時刻に応じた前記合計値を示す情報を通知することができる。
【0253】
利用者Uの端末装置2は、情報処理装置1から送信される提案移動ルート情報を受信した場合、受信した提案移動ルート情報を不図示の表示部に表示する。利用者Uは、端末装置2を操作して、端末装置2の表示部に表示されている提案移動ルート情報で示される提案移動ルートと到着予測時刻を選択することができる。
【0254】
端末装置2は、利用者Uによって提案移動ルートと到着予測時刻との組み合わせが選択された場合、提案移動ルートと到着予測時刻との組み合わせを示す情報である選択情報を情報処理装置1に送信する。
【0255】
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における通知部38によって通知される提案移動ルート情報の一例を示す図である。図6に示す提案移動ルート情報60は、マップ情報61,63と、選択ボタン62a,62b,62c,62d,62e,64a,64b,64c,64d,64eとを含む。
【0256】
マップ情報61は、第1の提案移動ルートを示す強調線がマップ上に示される情報である。選択ボタン62a,62b,62c,62d,62eは、第1の提案移動ルートにおける互いに異なる予測到着時間および予測利用額を示す情報を含む。
【0257】
図6に示す例では、第1の提案移動ルートは、出発地から目的地までの距離が最も短い移動ルートである最短ルートである。利用者Uは、第1の提案移動ルートを希望する場合、端末装置2を操作し、選択ボタン62a,62b,62c,62d,62eの中から所望する予測到着時間および予測利用額の組み合わせを示す情報を含む選択ボタンを選択する。これにより、選択ボタン62a,62b,62c,62d,62eのうち利用者Uが選択した選択ボタンに対応する予測到着時間および予測利用額の組み合わせを示す情報を含む選択情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。
【0258】
マップ情報63は、第2の提案移動ルートを示す強調線がマップ上に示される情報である。選択ボタン64a,64b,64c,64d,64eは、第2の提案移動ルートにおける互いに異なる予測到着時間および予測利用額を示す情報を含む。
【0259】
図6に示す例では、第2の提案移動ルートは、出発地から目的地までの距離が閾値以内の移動ルートであってかつ出発地から目的地までの間の信号機4の数が最も少ない移動ルートである信号最少ルートである。
【0260】
利用者Uは、第2の提案移動ルートを希望する場合、端末装置2を操作し、選択ボタン64a,64b,64c,64d,64eの中から所望する予測到着時間および予測利用額の組み合わせを示す情報を含む選択ボタンを選択する。これにより、選択ボタン64a,64b,64c,64d,64eのうち利用者Uが選択した選択ボタンに対応する予測到着時間および予測利用額の組み合わせを示す情報を含む選択情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。
【0261】
また、通知部38は、算出部34によって算出された決定利用額の情報である決定利用額情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに決定利用額情報を通知する。決定利用額は、合計値の一例である。
【0262】
利用者Uの端末装置2は、情報処理装置1から決定利用額情報を受信した場合、受信した決定利用額情報を表示する。これにより、利用者Uは、移動支援サービスの利用額を把握することができる。
【0263】
また、通知部38は、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、算出部34が算出した合計値であって移動ルートを利用者Uが移動を開始してからの対価の合計値を示す情報である合計値情報を利用者Uの端末装置2に送信することで、利用者Uに合計値情報を通知する。
【0264】
利用者Uの端末装置2は、情報処理装置1から合計値情報を受信した場合、受信した合計値情報を表示する。これにより、利用者Uは、提案移動ルートを利用者Uが移動している途中において、移動支援サービスのそれまでの利用額を把握することができる。
【0265】
〔3.3.10.対価処理部39〕
対価処理部39は、決定部33によって決定された第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理を行う。
【0266】
例えば、対価処理部39は、提案移動ルートの目的地に到達した後に算出部34によって算出された決定利用額がマイナスである場合、利用者Uからの決定利用額の徴収の処理を行い、決定利用額がプラスである場合、利用者Uへの決定利用額の支払いの処理を行う。これにより、対価処理部39は、利用者Uからの第1の対価の徴収や利用者Uへの第2の対価の支払いの処理を行うことができる。
【0267】
また、対価処理部39は、決定部33で第1の対価が決定される毎に、利用者Uからの第1の対価の徴収の処理を行い、決定部33で第2の対価が決定される毎に、利用者Uへの第2の対価の支払いの処理を行うこともできる。
【0268】
対価処理部39は、例えば、対価が通貨である場合、決定利用額の徴収や第1の対価の徴収を、利用者Uの口座などから決定利用額や第1の対価の額の引き落すことによって行う。また、対価処理部39は、例えば、対価が通貨である場合、決定利用額の支払いや第2の対価の支払いを、利用者Uの口座などに決定利用額や第2の対価の額を振り込むことによって行う。
【0269】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0270】
図7に示すように、情報処理装置1の処理部12は、位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS20)。処理部12は、位置情報を取得したと判定した場合(ステップS20:Yes)、取得した位置情報を記憶部11に記憶させる(ステップS21)。
【0271】
処理部12は、ステップS21の処理が終了した場合、または位置情報を取得していないと判定した場合(ステップS20:No)、設定情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS22)。処理部12は、設定情報を受け付けたと判定した場合(ステップS22:Yes)、取得した設定情報を記憶部11に記憶させる(ステップS23)。
【0272】
処理部12は、ステップS23の処理が終了した場合、または設定情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS22:No)、検索用情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS24)。処理部12は、検索用情報を受け付けたと判定した場合(ステップS24:Yes)、提案移動ルート通知処理を開始する(ステップS25)。提案移動ルート通知処理は、図8に示すステップS30~S33の処理であり、後で詳述する。
【0273】
処理部12は、ステップS25の処理が終了した場合、または検索用情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS24:No)、選択情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS26)。処理部12は、選択情報を受け付けたと判定した場合(ステップS26:Yes)、選択ルート処理を開始する(ステップS27)。選択ルート処理は、図9に示すステップS40~S45の処理であり、後で詳述する。
【0274】
処理部12は、ステップS27の処理が終了した場合、または選択情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS26:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS28)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合、または情報処理装置1の不図示の操作部への操作によって終了操作が行われたと判定した場合に、動作終了タイミングになったと判定する。
【0275】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS28:No)、処理をステップS20へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS28:Yes)、図7に示す処理を終了する。
【0276】
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による提案移動ルート通知処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、処理部12は、移動ルートを検索する(ステップS30)。
【0277】
処理部12は、ステップS30で検索した移動ルートに基づいて、提案移動ルート候補を決定する(ステップS31)。そして、処理部12は、提案移動ルート候補を利用者Uが移動した場合に予測利用額を算出する(ステップS32)。
【0278】
そして、処理部12は、提案移動ルートの情報と、ステップS32で算出した予測利用額の情報とを含む提案移動ルート情報を利用者Uに通知し(ステップS33)、図8に示す処理を終了する。なお、処理部12は、ステップS31で決定された提案移動ルート候補のうち1以上の提案移動ルート候補を提案移動ルートとして選択する。
【0279】
図9は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による選択ルート処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、処理部12は、対価決定タイミングになったか否かを判定する(ステップS40)。対価決定タイミングは、例えば、利用者Uが優先対象または影響対象になると判定されるタイミングである。
【0280】
処理部12は、対価決定タイミングになったと判定した場合(ステップS40:Yes)、第1の対価と第2の対価を決定する(ステップS41)。また、処理部12は、制御信号を生成して制御装置5に出力する(ステップS42)。また、処理部12は、ステップS41に決定された第1の対価と第2の対価に基づいて、関係する各利用者Uの合計額を算出する(ステップS43)。
【0281】
処理部12は、ステップS43の処理が終了した場合、または対価決定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS40:No)、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS44)。処理部12は、目的地に到着していないと判定した場合(ステップS44:No)、処理をステップS40に以降し、目的地に到着したと判定した場合(ステップS44:Yes)、図9に示す処理を終了する。
【0282】
〔5.変形例〕
決定部33は、第1の対価や第2の対価を優先対象や影響対象となる利用者Uの属性に応じて決定することもできる。例えば、決定部33は、利用者Uの年齢が高いほど第1の対価や第2の対価を低くしたり、利用者Uの職業がドライバーである場合、そうでない場合に比べて第1の対価や第2の対価を高くしたりすることができる。
【0283】
また、決定部33は、例えば、移動支援サービスを利用している利用者Uだけに影響がおよぶ場合に限り、第1の対価や第2の対価を決定することもでき、この場合、処理部12は、信号機4を制御しない。
【0284】
また、決定部33は、単位上限値をトータル上限値の大きさに応じて変更でき、単位下限値をトータル下限値の大きさに応じて変更することができる。
【0285】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。図10は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0286】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0287】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0288】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0289】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0290】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0291】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0292】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0293】
例えば、上述した情報処理装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0294】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0295】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、決定部33と、生成部36と、出力部37と、対価処理部39とを備える。決定部33は、第1の移動対象の優先的な移動に対して徴収される対価である第1の対価と、優先的な移動によって影響を受ける第2の移動対象における影響に対して支払われる対価である第2の対価とを決定する。生成部36は、優先的な移動のための制御情報を生成する。第1の移動対象や第2の移動対象の一例である。出力部37は、第1の移動対象の移動先にある信号機4を制御する制御装置5に制御情報を出力する。対価処理部39は、決定部33によって決定された第1の対価の徴収および第2の対価の支払いの処理を行う。これにより、情報処理装置1は、利用者Uがより早い時間で目的地まで到達することを支援することができる。
【0296】
また、第1の移動対象および第2の移動対象の各々は、車両または歩行者である。これにより、情報処理装置1は、車両または歩行者である利用者Uがより早い時間で目的地まで到達することを支援することができる。
【0297】
また、情報処理装置1は、算出部34と、通知部38とを備える。算出部34は、対象移動体の出発地から目的地までの移動ルートにおける第1の移動対象としての優先的な移動の第1の対価と第2の移動対象としての影響の第2の対価との合計値を算出する。通知部38は、対象移動体の装置に対して移動ルートにおける合計値を示す情報を通知する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uがより早い時間で目的地まで到達するために必要な料金を把握することができる。
【0298】
また、決定部33は、決定部33による対価の対象となる移動体である対象移動体の目的地への各到着予定時刻に応じた第1の対価と第2の対価とを決定し、算出部34は、各到着予定時刻に応じた第1の対価と第2の対価の合計値を算出し、通知部38は、各到着予定時刻に応じた合計値を示す情報を通知する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが各到着予測時刻に応じた要な料金を把握することができる。
【0299】
また、情報処理装置1は、合計値の上限値を示す情報を含む上限値情報を受け付ける上限値受付部50を備え、決定部33は、合計値が上限値以下になるように第1の対価および第2の対価を決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが設定した範囲内で第1の対価および第2の対価を決定することができる。
【0300】
また、情報処理装置1は、合計値の下限値を示す情報を含む下限値情報を受け付ける下限値受付部51を備え、決定部33は、合計値が下限値以上になるように第1の対価および第2の対価を決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが設定した範囲内で第1の対価および第2の対価を決定することができる。
【0301】
また、情報処理装置1は、問い合わせ部35と、許諾有無情報受付部43とを備える。問い合わせ部35は、決定部33によって決定された第2の対価の許諾の有無を対象移動体の装置に問い合わせる。許諾有無情報受付部43は、問い合わせ部35による問い合わせに応じて対象移動体の装置から出力される許諾の有無を示す情報を含む許諾有無情報を受け付ける。生成部36は、許諾有無情報受付部43によって受け付けられた許諾有無情報で許諾があることが示される場合に、制御情報を生成する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uの優先的な移動により影響を受ける他の利用者Uが許諾した場合に限り、利用者Uの優先的な移動を許可することができる。
【0302】
また、情報処理装置1は、移動ルートの目的地までにおける許容遅延時間を示す情報を含む許容情報を受け付ける許容情報受付部53を備え、決定部33は、許容情報で示される許容遅延時間内で第1の対価および第2の対価を決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが設定した範囲内で第1の対価および第2の対価を決定することができる。
【0303】
また、決定部33は、影響によって対象移動体の第2の移動対象としての移動時間が長くなる時間に対応する対価を第2の対価として決定する。これにより、情報処理装置1は、他の利用者Uが受ける影響に応じて第2の対価を決定することができる。
【0304】
また、決定部33は、優先的な移動によって第1の移動対象としての対象移動体の移動時間が短くなる時間に対応する対価を第1の対価として決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが受ける利益に応じて第1の対価を決定することができる。
【0305】
また、決定部33は、対象移動体の過去の移動速度が閾値以下である場合、合計値が負の値になるように、第1の対価と第2の対価とを決定する。これにより、情報処理装置1は、通常の移動速度が遅い利用者Uが急がないものと見做して第1の対価と第2の対価を決定することができる。
【0306】
また、情報処理装置1は、合計値が第1閾値未満となる第1のモード、合計値が第1閾値以上かつ第2閾値未満となる第2のモード、および合計値が第2閾値以上となる第3のモードを含む複数のモードのうち対象移動体に対するモードの指定を受け付ける指定受付部52を備え、決定部33は、指定受付部52によって指定が受け付けられたモードに基づいて、第1の対価と第2の対価とを決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが指定した対価決定モードで第1の対価および第2の対価を決定することができる。
【0307】
また、第1閾値Th1および第2閾値Th2は、移動ルートの距離が長いほど絶対値が大きい値に設定される。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが指定した対価決定モードで第1の対価および第2の対価をより適切に決定することができる。
【0308】
また、第1閾値Th1および第2閾値Th2は、移動ルート上にある信号機4の数が多いほど絶対値が大きい値に設定される。これにより、情報処理装置1は、利用者Uが指定した対価決定モードで第1の対価および第2の対価をより適切に決定することができる。
【0309】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0310】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0311】
1 情報処理装置
2 端末装置
3 交通情報提供装置
4 信号機
5 制御装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 利用者情報記憶部
21 移動支援履歴情報記憶部
22 交通関連情報記憶部
23 道路管理情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 検索部
33 決定部
34 算出部
35 問い合わせ部
36 生成部
37 出力部
38 通知部
39 対価処理部
40 設定情報受付部
41 検索用情報受付部
42 選択情報受付部
43 許諾有無情報受付部
50 上限値受付部
51 下限値受付部
52 指定受付部
53 許容情報受付部
60 提案移動ルート情報
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10