(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117936
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】構造用木材
(51)【国際特許分類】
E04B 1/26 20060101AFI20240823BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20240823BHJP
E04C 3/14 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
E04B1/26 E
E04B1/58 508L
E04B1/58 504L
E04B1/26 G
E04C3/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024042
(22)【出願日】2023-02-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】591000757
【氏名又は名称】株式会社アクト
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 出
【テーマコード(参考)】
2E125
2E163
【Fターム(参考)】
2E125AA03
2E125AA13
2E125AB12
2E125AC23
2E125AC24
2E125BB19
2E125BB23
2E125BE07
2E125CA03
2E163FA02
2E163FA12
2E163FB07
2E163FC41
(57)【要約】
【課題】建築現場で接着剤の充填作業をせずとも十分な強度を有する接合状態が得られるようにする。
【解決手段】当該構造用木材11の内部に収まる長さの棒線状に形成された本体軸部32と、本体軸部32を収容する保持穴12の中での本体軸部32の位置を規制して、本体軸部32と保持穴12との間に接着剤13が充填される接着剤充填空間12aを形成する、本体軸部32よりも大径に形成された規制部33を有する接合金物31を備える。本体軸部32の端部には、当該構造用木材11と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部34を、軸方向を同一にして設ける。保持穴12における接着剤充填空間の開口に対応する部位には、接着剤充填空間12aを閉塞する閉塞部35を形成する。接着剤充填空間12aに充填されて硬化された接着剤13で、接合金物31を一体化する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該構造用木材の内部に収まる長さの棒線状に形成された本体軸部と、
前記本体軸部を収容する保持穴の中での前記本体軸部の位置を規制して、前記本体軸部と前記保持穴との間に接着剤が充填される接着剤充填空間を形成する、前記本体軸部よりも大径に形成された規制部を備えるとともに、
前記本体軸部の端部に、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部が軸方向を同一にして設けられ、
前記保持穴における前記接着剤充填空間の開口に対応する部位に、前記接着剤充填空間を閉塞する閉塞部が形成され、
前記接着剤充填空間に充填された接着剤が硬化されている
構造用木材。
【請求項2】
前記規制部が複数設けられ、
前記規制部のうちの少なくとも1つが前記閉塞部である
請求項1に記載の構造用木材。
【請求項3】
前記閉塞部に接着剤の充填に必要な連通孔が形成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項4】
前記雌ねじ部が、前記本体軸部に直に形成されたねじ穴で構成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項5】
前記雌ねじ部が、前記本体軸部における外周面に取り付けられるナット部材で構成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項6】
前記規制部または前記本体軸部に、その軸方向と直交する方向にあいた貫通穴を有する
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項7】
前記本体軸部に、その軸方向と直交する方向にあいた貫通穴を有するとともに、
前記貫通穴の内周面に雌ねじが形成され、
前記貫通穴に追加の軸部材の先端部が保持され、
前記軸部材の後端部に、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部が軸方向を同一にして設けられた
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の構造用木材を用いた
構造用木材の接合構造。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の構造用木材に内蔵される、前記本体軸部と前記規制部を備えた
接合金物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば柱と梁などに用いられる構造用木材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強固な接合状態を得られる構造用木材の接合構造としては、構造用木材の内部に接着剤で固定される棒線状の接合金物を用いるものがある。この接合構造は、接合すべき構造用木材同士の対向面に挿入穴を形成して接合金物を挿入し、構造用木材の対向面同士を合わせた状態にしたのち、接合金物と挿入穴との間に接着剤を充填して硬化させるというものである(たとえば下記特許文献1~4)。
【0003】
この接合構造によれば、構造用木材同士が接合金物とともに接着剤で一体化されるので、がたつきのない強固な接合状態が得られる。また、たとえば下記特許文献5などに開示の接合金物のように構造用木材の側面から挿入するピンで固定する構造とは異なり、荷重によってピン穴が破断するというような不都合もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3860704号公報
【特許文献2】特許第3626747号公報
【特許文献3】特開平8-270084号公報
【特許文献4】登録実用新案第3041679号公報
【特許文献5】特許第6846959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、接着剤の充填は建築現場で行うことになるので、多くの不都合がある。すなわち、接合作業はたいていの場合、高所での作業となるので、作業性がよくない。また、気温等の環境条件も、作業性はもとより、接合状態の質にも影響を及ぼす。さらには、所望通りの接合がなされたか否かの検査をすることもできない。
【0006】
この点、構造用木材の接合を工場内で行うとするならば、所望の接合状態・接着状態を得て、その確認をすることもできるようにも思える。しかし、たとえば大断面の構造用木材を接合したものや、大スパンの架構、互いに接合された構造用木材からなる大型のパネル等は、たとえ工場内で製造することができても、搬送には大きさに制限があるため、製品を建築現場に搬入することはできない。また、製品の安全な搬送は必ずしも容易ではない。
【0007】
そこでこの発明は、建築現場で接着剤充填作業をせずとも十分な強度を有する接合状態が得られるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段は、当該構造用木材の内部に収まる長さの棒線状に形成された本体軸部と、前記本体軸部を収容する保持穴の中での前記本体軸部の位置を規制して、前記本体軸部と前記保持穴との間に接着剤が充填される接着剤充填空間を形成する、前記本体軸部よりも大径に形成された規制部を備えるとともに、前記本体軸部の端部に、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部が軸方向を同一にして設けられ、前記保持穴における前記接着剤充填空間の開口に対応する部位に、前記接着剤充填空間を閉塞する閉塞部が形成され、前記接着剤充填空間に充填された接着剤が硬化されている構造用木材である。
【0009】
この構成では、規制部が保持穴の中での本体軸部の位置と姿勢を定めて、本体軸部の周囲の接着剤充填空間を確保する。また閉塞部が接着剤充填空間の接着剤の漏れや損傷を阻止して、所望の接着剤硬化を実現する。硬化後において、閉塞部は接着剤や規制部と共に当該構造用木材に対する本体軸部の、がたつきのない優れた一体性を得る。そして、本体軸部に設けられた雌ねじ部は、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトの螺合を受けて、強固な結合を可能にする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、接合金物の主要部を構成することになる本体軸部が高い一体性をもって内蔵されており、構造用木材の強固な結合を可能にする構成であるので、建築現場では構造用木材の接合のための接着剤充填作業を不要にできる。このため、現場での作業の容易化をはかりつつも、高い接合強度を有する建築物を構築できる。
【0011】
しかも、本体軸部等を内蔵した構造用木材の製造を工場で正しく行うことはもちろん、品質検査も行えるので、均質な接合強度を安定して得られるようにすることもできる。
【0012】
また本体軸部は構造用木材に収まっている構成であるので、搬送中に不測に損傷させたりするリスクもなく、この点からも良質な建築物を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図11】
図10に示した接合金物の一部を示す分離状態の斜視図。
【
図12】
図10に示した構造用木材の接合金物挿入前の平面図。
【
図13】
図10に示した構造用木材の接着剤注入前の横断面図。
【
図14】
図10に示した構造用木材の接着剤充填後横の断面図。
【
図20】他の例に係る接合金物を用いた接合構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0015】
図1に、たとえば柱材や梁材などとして使用される構造用木材11の長手方向の端部を斜めに見た状態を示し、
図2にその断面構造を示す。
【0016】
構造用木材11は、角材状であり、製材や集成材で構成されている。図示例では横断面形状が四角形のものを図示したが、その他の形状であってもよい。
【0017】
構造用木材11には、他の構造用木材と接合する際に利用される接合金物31が内蔵されている。
【0018】
接合金物31は、本体軸部32と複数の規制部33を備えている。本体軸部32は、構造用木材11の内部に収まる長さの棒線状に形成されたものである。規制部33は、本体軸部32を収容する保持穴12の中での本体軸部32の位置を規制して、本体軸部32と保持穴12との間に接着剤13が充填される接着剤充填空間12aを形成するものであって、本体軸部32よりも大径に形成されている。また、本体軸部32には、構造用木材11と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部34が設けられるとともに、接着剤充填空間12aを閉塞する閉塞部35が形成されている。雌ねじ部34は、本体軸部32の端部に、軸方向を同一にして設けられている。閉塞部35は、保持穴12における接着剤充填空間12aの開口に対応する部位に形成されている。
【0019】
このような概略構造の接合金物31は、構造用木材11の保持穴12に挿入保持されたのち、接着剤充填空間12aに接着剤13が充填され、その接着剤13が硬化することにより、構造用木材11に結合一体化される。
【0020】
接合金物31の具体的構造や内蔵の態様には、構造用木材11の接合の仕方に応じて種々あるが、まず、
図1、2に例示の構造、すなわち、長尺の端面をその軸方向に接合する構造用木材11とするのに適した構成を説明する。
【0021】
構造用木材11は長手方向の端面を接合面としており、その中心に雌ねじ部34が開口している。雌ねじ部34は1つである。このような構造用木材11を構成する接合金物31は、
図3に示したように本体軸部32の両端に規制部33を備えている。前述のように雌ねじ部34は1つであり、本体軸部32の一端のみに設けられる構造であるため、両端の規制部33のうちの一方、すなわち雌ねじ部34を有する側の規制部33は、閉塞部35としての機能も有している。
【0022】
具体的には、本体軸部32は鉄筋や異形棒鋼、またはそれらのように製造された、基本的に棒線状の部材で構成され、外周面に凹凸が形成されている。凹凸の形状や大きさには接着剤13との接合力が考慮されており、凹凸は、図示例のようなリブ32aや節32bからなるもののほか、たとえば雄ねじ状や、軸方向に沿った溝状、多数のディンプルや突起等、他の構成からなるものであってもよい。本体軸部32の太さは所望の強度を得られるように設定される。またその長さは、必要な埋め込み長さ(定着長)が得られるように、他の部材、特に差し込み先端側の規制部33(以下、「先端規制部33a」ともいう)との関係で設定される。
【0023】
先端規制部33aは、本体軸部32よりも大径の円柱形であり、本体軸部32の先端に形成された凸部32cを介して軸心を同一にして強固に一体形成されている。先端規制部33aの太さは、断面円形の保持穴12にピタリと嵌まる大きさであり、本体軸部32と保持穴12との間に、適切な厚みの接着剤充填空間12aができるように設定される。
【0024】
前述のように先端規制部33aの軸心と本体軸部32の軸心は同一直線状にあるので、保持穴12に挿入された本体軸部32は、保持穴12の中心に位置することになる。
【0025】
先端規制部33aの先端面には、差し込みやすくするように円錐面36が形成されている。また先端規制部33aには、中心を通ってその軸方向(長手方向)と直交する貫通穴37が形成されている。この貫通穴37は、ドリフトピン等の固定のためのピン38を挿通する部分である。
【0026】
先端規制部33と本体軸部32は、互いに螺合や圧入、圧接、溶接などで一体化され得るが、1つの部材から切り出されるなどして形成してもよい。
【0027】
差し込み後端側の規制部33(以下、「後端規制部33b」ともいう)は、本体軸部32の後端において保持穴12の内部における本体軸部32の位置を規制するとともに、前述のように閉塞部35として保持穴12の接着剤充填空間12aを塞ぐものである。この例の本体軸部32は全体が保持穴12の中に挿入されるものであるので、その後端が接着剤充填空間12aの開口に対応する部位となる。
【0028】
後端規制部33bは、本体軸部32よりはもちろん、保持穴12における接着剤充填空間12aの口径よりも大きな円板形に形成されており、本体軸部32に対して一体である。後端規制部33bの直径は、保持穴12の開口部、換言すれば接着剤充填空間12aの端に中心を同一にして形成された円形の座彫り部12bにピタリと嵌まる大きさである。後端規制部33bの中心は本体軸部32の軸心と一致しており、後端規制部33bは座彫り部12bに嵌まることで、本体軸部32の位置を接着剤充填空間12aの中心に定めることになる。
【0029】
後端規制部33bは前述の雌ねじ部34を有する部分であり、この例の雌ねじ部34は直に形成されたねじ穴39で構成されている。つまり、後端規制部33bの中心点から本体軸部32にかけて、適宜深さのねじ穴39がタッピングによって直に形成される。
【0030】
後端規制部33bの中心から外れた位置には、2種類の貫通穴、すなわち連通孔41と挿入孔42を有している。連通孔41は、接着剤13の充填に必要な貫通穴であって、複数形成されている。そのうちの少なくとも一つの連通孔41は接着剤13の注入のためのもの(注入口)であり、他の連通孔41は充填が確実に行われたことを確認するためのもの(確認口)である。これら接着剤充填のための連通孔41(注入口、確認口)は、後端規制部33bを座彫り部12bに嵌めたときに接着剤充填空間12aに対応することになる部位に形成されている。
【0031】
注入口と確認口には雌ねじ41aが形成されており、接着剤13の注入と確認後に取り付けられる栓部材43が付属されている。栓部材43はねじ部材で構成できる。ねじ部材は皿ねじのように頭部が埋没するものであると、頭部の突出を防止できるのでよい。栓部材43はねじ部材のほか、たとえば木栓など、連通孔41を閉塞できる部材であれば種類や形態を問わない。
【0032】
もう一種類の貫通穴である挿入孔42は、後端規制部33bを構造用木材11に固定するためのねじ等の留め具44を挿通するためのものである。この挿入孔42は、後端規制部33bを座彫り部12bに嵌めたときに接着剤充填空間12aに対応する部位ではなくその周辺部分に対応する位置に形成されている。
【0033】
後端規制部33bと本体軸部32は、1つの部材から切り出されるなどして形成したものでもよいが、別部材を溶接や圧入、螺合などで一体化してもよい。
【0034】
以上のような構成の接合金物31は、予め強度試験がなされ、接合する構造用木材11の断面形状や大きさ、長さ等に応じて使い分けがなされる。つまり、接合金物31は長さや太さが異なる複数種類のものが用意され、用途や接合する構造用木材11に応じて、選定して使用される。
【0035】
使用に当たって接合金物31は、保持穴12が形成された構造用木材11に対して工場内で内蔵される。
【0036】
接合金物31の構造用木材11に対する固定について説明する。
【0037】
図4に示したように、構造用木材11には必要数の所望の保持穴12が形成されており、この保持穴12に接合金物31が挿入される。保持穴12は、円形断面で所定深さに形成されており、開口端、つまり端面には前述の座彫り部12bを有し、奥であって、先端規制部の貫通穴に対応する部位にピン挿入孔12cを有している。
【0038】
保持穴12に挿入された接合金物31は、その先端規制部33がピン38で固定され、後端規制部33bが留め具44で固定される(
図5参照)。この固定により、先端規制部33aと後端規制部33bが、保持穴12における対応部分にピタリと収まり、本体軸部32の軸心を保持穴12の中心に合わせる。本体軸部32は真っすぐに保持され、本体軸部32の周囲における接着剤充填空間12aの径方向での厚みは全周において均等になる。
【0039】
接合金物31の保持穴12に対する取付け後、
図5に矢印で示したように、後端規制部33bの注入口としての連通孔41から接着剤13を注入して、接着剤充填空間12aに満たす。接着剤13には一般的なものが使用される。このとき後端規制部33bは、確認口としての連通孔41からのものを除いて保持穴12からの接着剤13の漏れを防止する。接着剤13が十分に充填されたことは、確認口としての連通孔41から接着剤13が出ることで確認できる。接着剤13の充填後は、
図2に示したように注入口と確認口に栓部材43を嵌めて塞ぐ。その後、所定の養生工程を経て完成された構造用木材11には、品質検査がなされる。
【0040】
つづいて、構造用木材11の接合について説明する。接着剤13を用いた接合金物31の完全な固定がなされた構造用木材11bは、工場内で、または建築現場に運ばれて接合作業がなされる。構造用木材11の接合により構成するものが搬送可能な大きさのものであれば工場内でも、建築現場でも接合ができる。接合により構成するものが大きく輸送ができないものである場合には、建築現場で接合する。
【0041】
接合は、構造用木材11の雌ねじ部34に対して、別の構造用木材14を接合するボルト15を螺合して、構造用木材11,14同士を引き寄せ合って接合する。すなわち、
図6、
図7に示したように、別の構造用木材14の所定位置に貫通等1により保持したボルト15の先端部を、接合金物31が内蔵された構造用木材11の雌ねじ部34に螺合して行う。構造用木材11,14は互いに引き寄せ合い、接合が完了する。別の構造用木材14も、接合金物31を内蔵したものであってもよい。
【0042】
前述のように、接合金物31は、先端規制部33aと後端規制部33bによって、本体軸部32の軸心を保持穴12の中心に合わせて一直線状に保持される。規制部33が保持穴12の中での本体軸部32の位置と姿勢を定めることによって、本体軸部32の周囲の接着剤充填空間12aが確保される。この接着剤充填空間12aは全周において均等である。また、後端規制部33bは閉塞部35として接着剤13の漏れを阻止して、確実な充填を可能にし、接着剤13を本体軸部32の全周に均等に行きわたらせて所望の接着剤硬化を実現する。このため、接着剤13の硬化後において、接合金物31は正確な位置に正確な向きで、強固に固定され、一体化される。固定状態は、構造用木材11に対する一体性がきわめて高い均質なものであって、がたつきもない。接着剤13の充填は、後端規制部33bから行えるので、構造用木材11に接着剤充填のための穴をあける必要はなく、作業性が良いうえに外観を良好に保つことができる。
【0043】
接合金物31が高い一体性を持って内蔵されているため、本体軸部32に設けられた雌ねじ部3はボルト15が螺合されたときに別の構造用木材14の固定を確実かつ強固に行い、剛性の高い結合ができる。
【0044】
このように、接合金物31の主要部を構成することになる本体軸部32が高い一体性をもって内蔵されており、構造用木材11の強固な結合を可能にする構成であることから、建築現場での構造用木材11の接合に接着剤充填を不要にできる。このため、現場での作業の容易化をはかりつつも、高い接合強度を有する建築物を構築できる。
【0045】
しかも、本体軸部32等を内蔵した構造用木材11の製造を工場で正しく行えることはもちろん、品質検査も行えるので、均質な接合強度を安定して得るようにすることもできる。
【0046】
また、接合金物31は構造用木材11に収まっているので、構造用木材11の接合前に搬送を行っても、接合金物31が不測に損傷することを防止でき、確実な接合に貢献する。
【0047】
図8に示したように、複数の接合金物31を用いることで、より高剛性で、大断面の構造用木材11に対応した接合や、大スパンの架構に対応した接合、大型パネルに適した接合ができる。
【0048】
そのうえ、接着剤13の充填が必要な接合金物31の構造用木材11に対する固定は、工場で行える。このため、環境等に左右されることなく確実に、充分な作業が容易に行える。また、接合構造によって得られるものが、工場から建築現場へ搬送ができない大型のものである場合には、構造用木材11を建築現場に搬入してからこれらをボルトで締めて固定すると接合構造を完成させることができる。つまり、建築現場での接着剤13の注入作業を不要にできるので、作業性は極めて良好であり、そのうえ確実である。このため、これまでできなかった建築物が構築できるうえに、現場での作業は至って容易であり、作業性もよい。
【0049】
その構造用木材11の接合において、構造用木材11,14は互いに引き寄せ合って接合されるので、単に棒状の接合金物31を挿入して接着剤13で固定した構造とは異なり、強固な固定ができる。そのうえ分解も可能である。
【0050】
さらには、接合金物31は、予め強度検査等ができるので、主に本体軸部32の太さや長さ、使用する接合金物31の本数の設定によって接合する構造用木材11に応じた規格品とすることができる。このため、接合構造の態様に応じて接合金物31を適宜使い分けて所望の接合構造が確実に、そのうえ信頼性高く得られる。
【0051】
以下、他の例について説明する。この説明において、前述の構成と同一の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0052】
図9は、後端規制部33bの他の例を示す側面図である。すなわち、後端規制部33bは、前述例とは異なり、前面に円筒形の突出部45を有している。突出部45の外周面45aは、座彫り部12bではなく、仮想線で示したように座彫り部12bより奥側に嵌まる部分である。このため、後端規制部33bは、円板状部分の外周面のほか、突出部45の外周面でも位置規制ができる。
【0053】
図10は、雌ねじ部34が本体軸部32の後端部における外周面に取り付けられるナット部材46、より具体的にはその雌ねじで構成された例を示している。
【0054】
この例のナット部材46は、
図11に示したように、本体軸部32の外周面に係止する半割状の係止部材47を介して本体軸部32の外周面に取り付けられる。係止部材47は、内周面に周方向に延びる複数の係止凸部47aを有しており、外周面には雄ねじ47bが形成されている。またナット部材46は、係止部材47の高さより高く形成されており、係止部材47が内側に収まっても、ボルト15が螺合する必要な長さを確保できるようにしている。ナット部材46の内部における螺合先端側には係止部材47を収める大きさの大径ねじ部46aが形成され、螺合後端側には、構造用木材11の接合用のボルト15を螺合するための小径ねじ部46bが形成されている。この小径ねじ部46bが、実質的な意味でのナット部材46で構成される雌ねじ部である。
【0055】
このような雌ねじ部34を有するため、後端規制部33bは、本体軸部32に対して一体であるほか、
図11に示したように、本体軸部32とは別体に形成できる。前述例と同様に円板形をなす後端規制部33bは、その中心に短円筒形をなす軸筒部48を有している。軸筒部48は、横断面円形であり、その直径は本体軸部32に嵌る大きさである。また軸筒部48は、本体軸部32の後端側に嵌めたときに、互いの中心が一致するように形成されている。軸筒部48の長さは、本体軸部32の周面の凹凸との軸方向での位置関係にかかわらず嵌った状態が安定する長さである。この長さは凹凸のパターンを考慮して、少なくともその1.5パターン程度の長さに設定される。
【0056】
このような構成の接合金物31は、その先端規制部33aと本体軸部32が、
図12に示したように構造用木材11の保持穴12に挿入される。なお、保持穴12の座彫り部12bは、ナット部材46を収容できるようにするぶん、前述例の場合よりも長手方向に長く形成されている。
【0057】
つぎに、保持穴12に挿入された本体軸部32に対して後端規制部33bを嵌める。後端規制部33bは本体軸部32上で安定し、互いに中心を位置させる。そして、
図13に示したように、後端規制部33bの外周面を座彫り部12bに嵌合して、後端規制部33b自体と本体軸部32の位置決めをする。
【0058】
このあと、後端規制部33bから接着剤13の充填を行う。
【0059】
接着剤13の充填完了後、注入口と確認口としての連通孔41を栓部材43で閉じて、
図14に示したようにナット部材46を取り付ける。すなわち、本体軸部32における後端規制部33bよりも突出している部分に係止部材47を被せるように合わせてからナット部材46を螺合する。ナット部材46を締めると、
図15に示したように、本体軸部32には引っ張り力が作用する。またナット部材4は栓部材43を押さえつける。
【0060】
このようにして接合金物31が内蔵された構造用木材11を別の構造用木材14と接合すると、
図10に示したようになって、構造用木材11,14同士は互い引き寄せ合う。
【0061】
この例のように雌ねじ部34をナット部材46で構成すると、ナット部材46の締め付けによって、保持穴12に挿入した本体軸部32に引っ張り力を作用させることができる。このため、本体軸部32が長い場合でも、より真っすぐにしかも張力を作用させた状態で保持することが可能である。また接合金物31を製造するための加工が容易であって、生産性がよい。
【0062】
図16は、接着剤13の充填を後端規制部33bから行うのではなく、構造用木材11に形成した穴16を利用して行う例を示している。
図16は、雌ねじ部34をナット部材46で構成した場合を示したが、雌ねじ部34が直に形成されたねじ穴39で構成された場合も同じである。
【0063】
図17は、後端規制部33bの注入口と確認口としての連通孔41に取り付ける栓部材43を省略した例を示している。すなわち、ナット部材46の締め付け面にフランジ部46cが形成されている。フランジ部46cは連通孔41に対応する部分に広がる大きさである。
【0064】
図18は、他の例係る接合金物31の斜視図、
図19は、その接合金物31を内蔵した構造用木材11の接合状態を示す断面図である。この例の接合金物31は、先端規制部33aと後端規制部33bが共に円板状に形成されている。
【0065】
すなわち、先端規制部33aと後端規制部33bは同様の厚みの板状であり、先端規制部33aのほうが後端規制部33bよりも小径に形成されており、その直径は保持穴12の接着剤充填空間12aの口径に対応する大きさである。
【0066】
またこの接合金物31では、本体軸部32の雌ねじ部34が本体軸部32の全長にわたって形成されている。つまり、接合金物31は先端規制部33aから後端規制部33bまで貫通した筒状である。そして本体軸部32の軸方向と直交する方向に貫通穴51が形成されている。
【0067】
貫通穴51は、円柱形に形成された前述例の先端規制部33aの貫通穴37に代わって、保持穴12に対する挿入状態での回り止めをするために用いられる部分であり、本体軸部32の長さに応じてその形成位置が設定される。本体軸部32が長い場合には複数形成してもよい。
【0068】
このような構成の接合金物31は、保持穴12に対する挿入後、本体軸部32の貫通穴51に挿通されるピン38によって、保持穴12に対する回り止めのほか、保持穴12からの抜け止めもなされる。このため、留め具44を挿通するための挿入孔42は、閉塞部35としての後端規制部33bに不要である。
【0069】
図20は、他の例係る接合金物31を内蔵した構造用木材11の接合状態を示す断面図である。この例の接合金物31は、
図18、
図19の接合金物31における本体軸部32をワイヤで構成した例である。ワイヤは鋼線を束ねて撚って構成されているので、外周面に凹凸を有している。
【0070】
ワイヤは二つ折りにして引き揃えられ、その端末に雌ねじ部34を構成するためのナット部材52の一端が結合されている。ナット部材52の他端には、閉塞部35でもある後端規制部33bが形成されている。
【0071】
ワイヤの折り返し部分には、円環状の金具53を保持して、その中心の貫通穴53aに回り止めと抜け止めのためのピン38を挿通可能にしている。またその金具53には先端規制部33aが形成されている。
【0072】
図21は、たとえば
図22に示したような接合態様に応じて変更可能な接合金物31の構成を示す側面図である。
【0073】
上記の例では、長手方向の端面を接合面とする構造用木材11の構造を説明してきた。それは
図22の(a)に示した場合である。ほかにも、構造用木材11には、
図22の(b)のように構造用木材11の長手方向の中間の側面を接合面とするものや、(c)のように相反する両側面を接合面とするもの、(d)のように4側面を接合面とする場合などがある。
図21の接合金物31は、それら側面を接合面とする場合にも使用し得るものである。
【0074】
図21の(a)に示したように接合金物31は、長手方向の一端に規制部33を備えた本体軸部32と、本体軸部32の他端に結合可能で規制部33を構成することになる2種類の規制部材55,56と、規制部材55,56を本体軸部32に取付ける取付けボルト57を有している。
【0075】
本体軸部32は全長にわたってねじ穴39からなる雌ねじ部34を有しており、その一端に設けられる規制部33は、保持穴12の接着剤充填空間12aの口径よりも大径の円板形に形成されている。規制部33には、中央の雌ねじ部34のほか、連通孔41と、必要に応じて留め具44を挿通するための挿入孔42が形成される。
【0076】
本体軸部32の長さは、構造用木材11の横断面の一辺の長さよりも若干短く形成されており、両端の規制部33(栓部材43を含む)を備えた全体で、構造用木材11の横断面の一辺の長さに対応するように構成されている。
【0077】
そしてその本体軸部32の長手方向の中間位置には、軸方向と直交する方向にあいた貫通穴51を有しており、この貫通穴51の内周面には、
図21の(b)に示したように雌ねじ51aが形成されている。
【0078】
貫通穴51は、回り止めや位置決めのためのピン38や追加の軸部材58を保持するために用いられる部分である。追加の軸部材58とは、本体軸部32に準ずる構成であって、別の構造用木材14を接合するためのボルト15が螺合する雌ねじ部58aを有している。すなわち、追加の軸部材58は、貫通穴51の雌ねじ51aに螺合するねじ軸部58bを先端に有し、円筒形の本体部58cには、後端に開口した前述の雌ねじ部58aを有している。雌ねじ部58aの中心はねじ軸部58bの軸芯と一致している。
【0079】
本体軸部32の他端に備えられる規制部材55,56のうちのひとつ、小径の規制部材55は、前述例における先端規制部33aのように保持穴12の接着剤充填空間12aに嵌まる大きさの円板形に形成されている。他のひとつの規制部材56は、保持穴12の接着剤充填空間12aの口径よりも大径の円板形に形成された、大径の規制部材56である。この大径の規制部材56には、本体軸部32の一端の規制部33と同様に連通孔41が形成され、必要に応じて留め具44を挿通するための挿入孔42が形成される。なお、いずれの規制部材55,56も、中央には取付けボルト15の軸部を挿通する挿通孔59を有している。
【0080】
このような構成の接合金物31を、
図22の(a)に示したように長手方向の端面を接合面とする構造用木材11に内蔵した状態の断面図が
図23である。
【0081】
接合金物31に固定にあたっては、
図24の(a)に示したように、本体軸部32の他端に直径の小さい方、つまり小径の規制部材55を取付けボルト57で固定して、保持穴12に挿入する。つづいて、
図24の(b)に示したように、本体軸部32の貫通穴51に対して、構造用木材11の外側からピン38を挿入して突き刺した状態にする。
【0082】
このあと、本体軸部32の一端の規制部33にある栓部材43を外して、接着剤充填空間12aに対する接着剤13の充填を行い、栓部材43で連通孔41を塞ぐ。
【0083】
接着剤13が硬化した後の構造用木材11は、接合面である端面に雌ねじ部34が露出した状態であり、その面を接合する態様の接合に使用される。
【0084】
図25は、
図22の(a)に示したように長手方向の端面を接合面とするとともに、それに隣接する2側面も接合面とする構造用木材11の断面図である。すなわち、
図24の(b)で本体軸部32に挿入したピン38に代えて、追加の軸部材58を貫通穴51に固定している。追加の軸部材58の雌ねじ部58aは、構造用木材11の2つの側面に露出しており、必要に応じて接合に利用できる。
【0085】
図26は、
図22の(b)、(c)に示したように1つの側面または相反する2つの側面を接合面とする構造用木材11に接合金物31を内蔵した状態の断面図である。
【0086】
この構造用木材11に用いられる接合金物31は、本体軸部32の他端に取り付ける規制部材として大径の規制部材56を使用する。すなわちその規制部材56は、本体軸部32の一端の規制部33と同じ大きさであり、これは保持穴12の開口端の座彫り部12bに嵌まる大きさである。一端の規制部33と他端の規制部材56は共に、閉塞部35としての機能を有している。
【0087】
接合金物31の構造用木材11に対する固定は、本体軸部32の他端から保持穴12に挿入し、一端の規制部33を座彫り部12bに嵌めるとともに、本体軸部32の他端に規制部材56を取付けボルト57で固定する。すると、規制部材56は座彫り部12bに嵌った状態になる。本体軸部32の貫通穴51にはピン38を挿入して、接合金物31と構造用木材11の位置関係を固定し、その後、規制部33または規制部材56の連通孔41を利用して接着剤充填を行う。接着剤13の硬化後、不要であれば取付けボルト57を取り外してもよい。
【0088】
図27は、
図22の(d)に示したように、互いに隣接する4つの側面を接合面とする構造用木材11に接合金物31を内蔵した状態の断面図である。すなわち、この接合金物31は、
図26に示した接合金物31において、ピン38に代えて追加の軸部材58を取り付けている。図示例の追加の軸部材58は、周囲に接着剤充填空間12aが形成されているものであるので、外周面に凹凸を有している。また後端面には、座彫り部12bに嵌まる大きさの規制部材56を備えている。
【0089】
図28は、接合金物31を内蔵した構造用木材11同士を接合する場合の一例を示す断面図である。すなわち、構造用木材11の雌ねじ部34に対して、別の構造用木材11の雌ねじ部34に螺合されたボルト17を螺合して、構造用木材11同士を接合する例を示している。
【0090】
一方の構造用木材(被接合構造用木材11a)は、横断する方向に接合金物31を内蔵し、相反する2つの側面に雌ねじ部34が露出している。他の2つの構造用木材(接合構造用木材11b)は、長手方向の端部に、その軸方向に沿って接合金物31を内蔵し、端面に雌ねじ部34が露出している。ただし、この接合構造用木材11bの端部には螺合作業用の切欠き18を有しており、そのぶん、軸方向で後退した位置に雌ねじ部34が存在することになる。
【0091】
接合のためのボルト17は、長手方向の一方側に寄った位置に回転力を入力する固定ナット部17aが形成されており、その反対側に2個のナット17b,17cを有している。そして、これらナット17b,17cを有する側が接合金物31の雌ねじ部34に保持されている。
【0092】
接合に際しては、ボルト17の被接合構造用木材11aに向けて回転して雌ねじ部34に螺合し、固定ナット部17aを接合金物31に当てる。この状態で、他端側のナット17b,17cをいわゆるダブルナットとして機能させて緩み止めを行う。
【0093】
以上のほか、図示は省略するが、たとえば規制部は3個以上あってもよい。
また、本体軸部32は丸鋼のような、外周面に凹凸のない材料で構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
11…構造用木材
12…保持穴
12a…接着剤充填空間
13…接着剤
14…別の構造用木材
15,17…ボルト
31…接合金物
32…本体軸部
33…規制部
34…雌ねじ部
35…閉塞部
37…貫通穴
39…ねじ穴
41…挿通孔
46…ナット部材
51…貫通穴
51a…雌ねじ
52…ナット部材
53a…貫通穴
55,56…規制部材
58…追加の軸部材
58a…雌ねじ部
58b…ねじ軸部
【手続補正書】
【提出日】2023-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該構造用木材の内部に収まる長さの棒線状に形成された本体軸部と、
前記本体軸部を収容する保持穴の中での前記本体軸部の位置を規制して、前記本体軸部と前記保持穴との間に接着剤が充填される接着剤充填空間を形成する、前記本体軸部よりも大径に形成された規制部を備えるとともに、
前記本体軸部の端部に、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部が軸方向を同一にして設けられ、
前記保持穴における前記接着剤充填空間の開口に対応する部位に、前記接着剤充填空間を閉塞する閉塞部が形成され、
前記本体軸部に、その軸方向と直交する方向にあいた貫通穴を有するとともに、
前記貫通穴の内周面に雌ねじが形成され、
前記貫通穴に追加の軸部材の先端部が保持され、
前記軸部材の後端部に、当該構造用木材と別の構造用木材を接合するためのボルトが螺合する雌ねじ部が軸方向を同一にして設けられ、
前記接着剤充填空間に充填された接着剤が硬化されている
構造用木材。
【請求項2】
前記規制部が複数設けられ、
前記規制部のうちの少なくとも1つが前記閉塞部である
請求項1に記載の構造用木材。
【請求項3】
前記閉塞部に接着剤の充填に必要な連通孔が形成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項4】
前記雌ねじ部が、前記本体軸部に直に形成されたねじ穴で構成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項5】
前記雌ねじ部が、前記本体軸部における外周面に取り付けられるナット部材で構成された
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項6】
前記規制部に、その軸方向と直交する方向にあいた貫通穴を有する
請求項1または請求項2に記載の構造用木材。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の構造用木材を用いた
構造用木材の接合構造。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の構造用木材に内蔵される、前記本体軸部と前記規制部を備えた
接合金物。