(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117949
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】集塵装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/71 20220101AFI20240823BHJP
B01D 46/72 20220101ALI20240823BHJP
【FI】
B01D46/71
B01D46/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024065
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】阿南 彰
(72)【発明者】
【氏名】田中 博
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 智皓
(72)【発明者】
【氏名】渡部 学
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA02
4D058MA11
4D058MA53
4D058SA20
(57)【要約】
【課題】寿命を延ばすことが可能な集塵装置の制御方法を提供する。
【解決手段】粉塵を捕集するフィルターと、気流による吸引を行うブロアーと、フィルターを気流で洗浄する逆洗部と、を備え、ブロアーを停止する、又は、ブロアーの吸引速度を低下させる、第1ステップと、第1ステップの後に、逆洗部に気流を供給することで逆洗動作を行う第2ステップと、逆洗動作を停止させる第3ステップと、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵を捕集するフィルターと、
気流による吸引を行うブロアーと、
前記フィルターを前記気流で洗浄する逆洗部と、
を備える、集塵装置の制御方法であって、
前記ブロアーを停止する、又は、前記ブロアーの吸引速度を低下させる、第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記逆洗部に前記気流を供給することで逆洗動作を行う第2ステップと、
前記逆洗動作を停止させる第3ステップと、
を有する、集塵装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の集塵装置の制御方法であって、
前記逆洗部は、前記フィルターに前記気流を吹き付けるノズルを備え、
前記第2ステップでは、前記ノズルに前記気流を供給する、集塵装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筒状のフィルターに逆洗気流を発生させ、フィルターに捕集された除去物を洗浄する集塵装置の構成が開示されている。フィルターの下流側には、捕集ブロアーが配置されている。捕集ブロアーは、フィルターを介して、除去物を含む空気を吸引する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、捕集ブロアーの吸引中に逆洗気流を発生させており、フィルターから除去物を効率よく除去することが難しいという課題がある。即ち、フィルターの目詰まりを抑え、フィルターの寿命を更に向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
集塵装置の制御方法は、粉塵を捕集するフィルターと、気流による吸引を行うブロアーと、前記フィルターを前記気流で洗浄する逆洗部と、を備える、集塵装置の制御方法であって、前記ブロアーを停止する、又は、前記ブロアーの吸引速度を低下させる、第1ステップと、前記第1ステップの後に、前記逆洗部に前記気流を供給することで逆洗動作を行う第2ステップと、前記逆洗動作を停止させる第3ステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、シート製造装置100の構成を説明する。
【0008】
図1に示すように、シート製造装置100は、例えば、原料としての機密紙などの使用済みの古紙を乾式で解繊して繊維化した後、加圧、加熱、切断することによって、新しい紙を製造するのに好適な装置である。繊維化された原料に、さまざまな添加物を混合することによって、用途に合わせて、紙製品の結合強度や白色度を向上したり、色、香り、難燃などの機能を付加したりしてもよい。また、紙の密度や厚さ、形状をコントロールして成形することで、A4やA3のオフィス用紙、名刺用紙など、用途に合わせて、さまざまな厚さやサイズの紙を製造することができる。
【0009】
シート製造装置100は、供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウエブ形成部45、回転体49、混合部50、堆積部60、第2ウエブ形成部70、搬送部79、シート形成部80、及び、切断部90を備える。
【0010】
また、シート製造装置100は、原料に対する加湿、及び/または原料が移動する空間を加湿する目的で、加湿部202,204,206,208,210,212を備える。これら加湿部202,204,206,208,210,212の具体的な構成は任意であり、スチーム式、気化式、温風気化式、超音波式等が挙げられる。
【0011】
本実施形態では、加湿部202,204,206,208を、気化式または温風気化式の加湿器で構成する。すなわち、加湿部202,204,206,208は、水を湿潤させる図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を供給する。また、加湿部202,204,206,208は、加湿空気の湿度を効果的に高めるヒーター(図示略)を備えてもよい。
【0012】
また、本実施形態では、加湿部210及び加湿部212を、超音波式加湿器で構成する。すなわち、加湿部210,212は、水を霧化する振動部(図示略)を有し、振動部により発生するミストを供給する。
【0013】
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。シート製造装置100がシートを製造する原料は、繊維を含むものであればよく、例えば、紙、パルプ、パルプシート、不織布を含む布、或いは織物等が挙げられる。本実施形態では、シート製造装置100が古紙を原料とする構成を例示する。供給部10は、例えば、古紙を重ねて蓄積するスタッカーと、スタッカーから古紙を粗砕部12に送り出す自動投入装置と、を備える構成とすることができる。
【0014】
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を粗砕刃14によって裁断(粗砕)して、粗砕片にする。粗砕刃14は、大気中(空気中)等の気中で原料を裁断する。粗砕部12は、例えば、原料を挟んで裁断する一対の粗砕刃14と、粗砕刃14を回転させる駆動部とを備え、いわゆるシュレッダーと同様の構成とすることができる。粗砕片の形状や大きさは任意であり、解繊部20における解繊処理に適していればよい。例えば、粗砕部12は、原料を、1~数cm四方またはそれ以下のサイズの紙片に裁断する。
【0015】
粗砕部12は、粗砕刃14により裁断されて落下する粗砕片を受けるシュート(ホッパー)9を有する。シュート9は、例えば、粗砕片が流れる方向(進行する方向)において、徐々に幅が狭くなるテーパー形状を有する。そのため、シュート9は、多くの粗砕片を受けとめることができる。シュート9には、解繊部20に連通する管2が連結され、管2は粗砕刃14によって裁断された原料(粗砕片)を、解繊部20に搬送させるための搬送路を形成する。粗砕片はシュート9により集められ、管2を通って解繊部20に移送(搬送)される。
【0016】
粗砕部12が有するシュート9、或いはシュート9の近傍には、加湿部202により加湿空気が供給される。これにより、粗砕刃14により裁断された粗砕物が、静電気によってシュート9や管2の内面に吸着する現象を抑制できる。また、粗砕刃14が裁断した粗砕物は、加湿された(高湿度の)空気とともに解繊部20に移送されるので、解繊部20の内部における解繊物の付着を抑制する効果も期待できる。また、加湿部202は、粗砕刃14に加湿空気を供給して、供給部10が供給する原料を除電する構成としてもよい。また、加湿部202とともにイオナイザーを用いて除電してもよい。
【0017】
解繊部20は、粗砕部12で裁断された粗砕物を解繊する。より具体的には、解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料(粗砕片)を解繊処理し、解繊物を生成する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
【0018】
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止剤、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
【0019】
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。本実施形態では、解繊部20がインペラーミルを用いる構成とする。具体的には、解繊部20は、高速回転するローター(図示略)、及び、ローターの外周に位置するライナー(図示略)を備える。粗砕部12で裁断された粗砕片は、解繊部20のローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。解繊部20は、ローターの回転により気流を発生させる。この気流により、解繊部20は、原料である粗砕片を管2から吸引し、解繊物を排出口24へと搬送できる。解繊物は排出口24から管3に送り出され、管3を介して選別部40に移送される。
【0020】
このように、解繊部20で生成される解繊物は、解繊部20が発生する気流により解繊部20から選別部40に搬送される。さらに、本実施形態では、シート製造装置100が気流発生装置である解繊部ブロアー26を備え、解繊部ブロアー26が発生する気流により解繊物が選別部40に搬送される。解繊部ブロアー26は管3に取り付けられ、解繊部20から解繊物とともに空気を吸引し、選別部40に送風する。
【0021】
選別部40は、管3から解繊部20により解繊された解繊物が気流とともに流入する導入口42を有する。選別部40は、導入口42に導入する解繊物を、繊維の長さによって選別する。詳細には、選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物のうち、予め定められたサイズ以下の解繊物を第1選別物とし、第1選別物より大きい解繊物を第2選別物として、選別する。第1選別物は繊維または粒子等を含み、第2選別物は、例えば、大きい繊維、未解繊片(十分に解繊されていない粗砕片)、解繊された繊維が凝集し、或いは絡まったダマ等を含む。
【0022】
本実施形態で、選別部40は、ドラム部(篩部)41と、ドラム部41を収容するハウジング部(覆い部)43と、を有する。
【0023】
ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41は、網(フィルター、スクリーン)を有し、篩(ふるい)として機能する。この網の目により、ドラム部41は、網の目開き(開口)の大きさより小さい第1選別物と、網の目開きより大きい第2選別物と、を選別する。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
【0024】
導入口42に導入された解繊物は、気流とともにドラム部41の内部に送り込まれ、ドラム部41の回転によって第1選別物がドラム部41の網の目から下方に落下する。ドラム部41の網の目を通過できない第2選別物は、導入口42からドラム部41に流入する気流により流されて排出口44に導かれ、管8に送り出される。
【0025】
管8は、ドラム部41の内部と管2とを連結する。管8を通って流される第2選別物は、粗砕部12により裁断された粗砕片とともに管2を流れ、解繊部20の導入口22に導かれる。これにより、第2選別物は解繊部20に戻されて、解繊処理される。
【0026】
また、ドラム部41により選別される第1選別物は、ドラム部41の網の目を通って空気中に分散し、ドラム部41の下方に位置する第1ウエブ形成部45のメッシュベルト46に向けて降下する。
【0027】
第1ウエブ形成部45(分離部)は、メッシュベルト46(分離ベルト)と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。メッシュベルト46は無端形状のベルトであって、3つの張架ローラー47に懸架され、張架ローラー47の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト46の表面は所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。選別部40から降下する第1選別物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子はメッシュベルト46の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト46に堆積し、メッシュベルト46とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト46から落下する微粒子は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を含み、シート製造装置100がシートSの製造に使用しない除去物である。
【0028】
メッシュベルト46は、シートSを製造する通常動作中には、一定の速度V1で移動する。ここで、通常動作中とは、シート製造装置100の始動制御、及び、停止制御の実行中を除く動作中であり、より詳細には、シート製造装置100が望ましい品質のシートSを製造している間を指す。
【0029】
従って、解繊部20で解繊処理された解繊物は、選別部40で第1選別物と第2選別物とに選別され、第2選別物が解繊部20に戻される。また、第1選別物から、第1ウエブ形成部45によって除去物が除かれる。第1選別物から除去物を除いた残りは、シートSの製造に適した材料であり、この材料はメッシュベルト46に堆積して第1ウエブW1を形成する。
【0030】
吸引部48は、メッシュベルト46の下方から空気を吸引する。吸引部48は、管23を介して集塵装置27に連結される。集塵装置27は、微粒子を気流から分離する。集塵装置27の下流には、ブロアーとしての捕集ブロアー28が設置され、捕集ブロアー28は、集塵装置27から空気を吸引する集塵用吸引部として機能する。また、捕集ブロアー28が排出する空気は管29を経てシート製造装置100の外に排出される。なお以降、空気を気流と称することもある。
【0031】
この構成では、捕集ブロアー28により、集塵装置27を通じて吸引部48から空気が吸引される。吸引部48では、メッシュベルト46の網の目を通過する微粒子が、空気とともに吸引され、管23を通って集塵装置27に送られる。集塵装置27は、メッシュベルト46を通過した微粒子を気流から分離して蓄積する。
【0032】
従って、メッシュベルト46の上には、第1選別物から除去物を除去した繊維が堆積して第1ウエブW1が形成される。捕集ブロアー28が吸引を行うことで、メッシュベルト46上における第1ウエブW1の形成が促進され、かつ、除去物が速やかに除去される。
【0033】
ドラム部41を含む空間には、加湿部204により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、選別部40の内部で第1選別物を加湿する。これにより、静電力による第1選別物のメッシュベルト46への付着を弱め、第1選別物をメッシュベルト46から剥離し易くすることができる。さらに、静電力により第1選別物が回転体49やハウジング部43の内壁に付着することを抑制することができる。また、吸引部48によって除去物を効率よく吸引できる。
【0034】
なお、シート製造装置100において、第1解繊物と第2解繊物とを選別し、分離する構成は、ドラム部41を備える選別部40に限定されない。例えば、解繊部20で解繊処理された解繊物を、分級機によって分級する構成を採用してもよい。分級機としては、例えば、サイクロン分級機、エルボージェット分級機、エディクラシファイヤーを用いることができる。これらの分級機を用いれば、第1選別物と第2選別物とを選別し、分離することが可能である。さらに、上記の分級機により、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を含む除去物を、分離して除去する構成を実現できる。例えば、第1選別物に含まれる微粒子を、分級機によって、第1選別物から除去する構成としてもよい。この場合、第2選別物は、例えば解繊部20に戻され、除去物は集塵装置27により集塵され、除去物を除く第1選別物が管54に送られる構成とすることができる。
【0035】
メッシュベルト46の搬送経路において、選別部40の下流側には、加湿部210によって、ミストを含む空気が供給される。加湿部210が生成する水の微粒子であるミストは、第1ウエブW1に向けて降下し、第1ウエブW1に水分を供給する。これにより、第1ウエブW1が含む水分量が調整され、静電気によるメッシュベルト46への繊維の吸着等を抑制できる。
【0036】
シート製造装置100は、メッシュベルト46に堆積した第1ウエブW1を分断する回転体49を備える。第1ウエブW1は、メッシュベルト46が張架ローラー47により折り返す位置で、メッシュベルト46から剥離して、回転体49により分断される。
【0037】
第1ウエブW1は繊維が堆積してウエブ形状となった柔らかい材料であり、回転体49は、第1ウエブW1の繊維をほぐして、後述する混合部50で樹脂を混合しやすい状態に加工する。
【0038】
回転体49の構成は任意であるが、本実施形態では、板状の羽根を有し回転する回転羽形状とすることができる。回転体49は、メッシュベルト46から剥離する第1ウエブW1と羽根とが接触する位置に配置される。回転体49の回転(例えば図中矢印Rで示す方向への回転)により、メッシュベルト46から剥離して搬送される第1ウエブW1に羽根が衝突して分断し、細分体Pを生成する。
【0039】
なお、回転体49は、回転体49の羽根がメッシュベルト46に衝突しない位置に設置されることが好ましい。例えば、回転体49の羽根の先端とメッシュベルト46との間隔を、0.05mm以上0.5mm以下とすることができ、この場合、回転体49によって、メッシュベルト46に損傷を与えることなく第1ウエブW1を効率よく分断できる。
【0040】
回転体49によって分断された細分体Pは、管7の内部を下降して、管7の内部を流れる気流によって混合部50へ移送(搬送)される。また、回転体49を含む空間には、加湿部206により加湿空気が供給される。これにより、管7の内部や、回転体49の羽根に対し、静電気により繊維が吸着する現象を抑制できる。また、管7を通って、湿度の高い空気が混合部50に供給されるので、混合部50においても静電気による影響を抑制できる。
【0041】
混合部50は、樹脂を含む添加物を供給する添加物供給部52(樹脂供給部)、管7に連通し、細分体Pを含む気流が流れる管54、及び、混合ブロアー56を備える。細分体Pは、上述のように選別部40を通過した第1選別物から除去物を除去した繊維である。混合部50は、細分体Pを構成する繊維に、樹脂を含む添加物を混合する。
【0042】
混合部50では、混合ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、細分体Pと添加物とを混合させながら、搬送する。また、細分体Pは、管7及び管54の内部を流れる過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
【0043】
添加物供給部52(樹脂収容部)は、添加物を蓄積する添加物カートリッジ(図示略)に接続され、添加物カートリッジ内部の添加物を管54に供給する。添加物カートリッジは、添加物供給部52に着脱可能な構成であってもよい。また、添加物カートリッジに添加物を補充する構成を備えてもよい。添加物供給部52は、添加物カートリッジ内部の微粉または微粒子からなる添加物をいったん貯留する。添加物供給部52は、いったん貯留した添加物を管54に送る排出部52a(樹脂供給部)を有する。
【0044】
排出部52aは、添加物供給部52に貯留された添加物を管54に送出するフィーダー(図示略)、及び、フィーダーと管54とを接続する管路を開閉するシャッター(図示略)を備える。このシャッターを閉じると、排出部52aと管54とを連結する管路或いは開口が閉鎖され、添加物供給部52から管54への添加物の供給が絶たれる。
【0045】
排出部52aのフィーダーが動作していない状態では、排出部52aから管54に添加物が供給されないが、管54内に負圧が発生した場合等には、排出部52aのフィーダーが停止していても添加物が管54に流れる可能性がある。排出部52aを閉じることにより、このような添加物の流れを確実に遮断できる。
【0046】
添加物供給部52が供給する添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。添加物に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。すなわち、添加物は、単一の物質を含んでもよいし、混合物であってもよく、それぞれ単一または複数の物質で構成される、複数種類の粒子を含んでもよい。また、添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
【0047】
添加物に含まれる樹脂は、加熱により溶融して複数の繊維同士を結着させる。従って、樹脂を繊維と混合させた状態で、樹脂が溶融する温度まで加熱されていない状態では、繊維同士は結着されない。また、添加物供給部52が供給する添加物は、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤を含んでもよい。また、着色剤を含まない添加物は、無色、或いは無色と見なせる程度に薄い色であってもよいし、白色であってもよい。
【0048】
混合ブロアー56が発生する気流により、管7を降下する細分体P、及び、添加物供給部52により供給される添加物は、管54の内部に吸引され、混合ブロアー56内部を通過する。混合ブロアー56が発生する気流及び/または混合ブロアー56が有する羽根等の回転部の作用により、細分体Pを構成した繊維と添加物とが混合され、この混合物(第1選別物と添加物との混合物)は管54を通って堆積部60に移送される。
【0049】
なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよく、これらの機構を混合ブロアー56の前または後に設置してもよい。
【0050】
堆積部60は、解繊部20で解繊された解繊物を堆積させる。より具合的には、堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウエブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
【0051】
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部(覆い部)63と、を有する。ドラム部61は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部61は、網(フィルター、スクリーン)を有し、篩(ふるい)として機能する。この網の目により、ドラム部61は、網の目開き(開口)のより小さい繊維や粒子を通過させ、ドラム部61から下降させる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
【0052】
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
【0053】
ドラム部61の下方には、第2ウエブ形成部70が配置される。第2ウエブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、第2ウエブW2を形成する。第2ウエブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、ローラー74と、サクション機構76と、を有する。
【0054】
メッシュベルト72は無端形状のベルトであって、複数のローラー74に懸架され、ローラー74の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。ドラム部61から降下する繊維や粒子のうち、網の目を通過するサイズの微粒子はメッシュベルト72の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト72に堆積し、メッシュベルト72とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト72は、シートSを製造する動作中には、一定の速度V2で移動する。
【0055】
メッシュベルト72の網の目は微細であり、ドラム部61から降下する繊維や粒子の大半を通過させないサイズとすることができる。サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられる。サクション機構76は、サクションブロアー77を備え、サクションブロアー77の吸引力によって、サクション機構76に下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。
【0056】
サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引する。これにより、メッシュベルト72上における第2ウエブW2の形成を促進し、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
【0057】
サクションブロアー77(堆積吸引部)は、サクション機構76から吸引した空気を、フィルターとしての捕集フィルター240(
図4参照)を通じて、シート製造装置100の外に排出してもよい。或いは、サクションブロアー77が吸引した空気を集塵装置27に送り込み、サクション機構76が吸引した空気に含まれる除去物を捕集してもよい。
【0058】
ドラム部61を含む空間には、加湿部208により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、堆積部60の内部を加湿することができ、静電力によるハウジング部63への繊維や粒子の付着を抑え、繊維や粒子をメッシュベルト72に速やかに降下させ、好ましい形状の第2ウエブW2を形成させることができる。
【0059】
以上のように、堆積部60及び第2ウエブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の第2ウエブW2が形成される。メッシュベルト72に堆積された第2ウエブW2は、シート形成部80へと搬送される。
【0060】
メッシュベルト72の搬送経路において、堆積部60の下流側には、加湿部212によって、ミストを含む空気が供給される。これにより、加湿部212が生成するミストが第2ウエブW2に供給され、第2ウエブW2が含む水分量が調整される。これにより、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制できる。
【0061】
シート製造装置100は、メッシュベルト72上の第2ウエブW2を、シート形成部80に搬送する搬送部79が設けられる。搬送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有する。
【0062】
サクション機構79cは、ブロアー(図示略)を備え、ブロアーの吸引力によってメッシュベルト79aに上向きの気流を発生させる。この気流は第2ウエブW2を吸引し、第2ウエブW2は、メッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの自転により移動し、第2ウエブW2をシート形成部80に搬送する。メッシュベルト72の移動速度と、メッシュベルト79aの移動速度とは、例えば、同じである。このように、搬送部79は、メッシュベルト72に形成された第2ウエブW2を、メッシュベルト72から剥がして搬送する。
【0063】
シート形成部80は、堆積部60で堆積させた堆積物からシートSを形成する。より具体的には、シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積し搬送部79により搬送された第2ウエブW2(堆積物)を、加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、第2ウエブW2が含む解繊物の繊維、及び添加物に対して熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着させる。
【0064】
シート形成部80は、第2ウエブW2を加圧する加圧部82、及び、加圧部82により加圧された第2ウエブW2を加熱する加熱部84を備える。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、第2ウエブW2を所定のニップ圧で挟んで加圧する。第2ウエブW2は、加圧されることによりその厚さが小さくなり、第2ウエブW2の密度が高められる。一対のカレンダーローラー85の一方は、モーター(図示略)により駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。カレンダーローラー85は、モーター(図示略)の駆動力により回転して、加圧により高密度になった第2ウエブW2を、加熱部84に向けて搬送する。
【0065】
加熱部84は、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロアー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いて構成できる。本実施形態では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備える。加熱ローラー86は、内部または外部に設置されるヒーターによって、予め設定された温度に加温される。加熱ローラー86は、カレンダーローラー85によって加圧された第2ウエブW2を挟んで熱を与え、シートSを形成する。また、一対の加熱ローラー86の一方は、モーター(図示略)により駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。加熱ローラー86は、モーター(図示略)の駆動力により回転して、加熱したシートSを、切断部90に向けて搬送する。なお、加圧部82が備えるカレンダーローラー85の数、及び、加熱部84が備える加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
【0066】
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。本実施形態では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有する。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
【0067】
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。排出部96は、所定サイズのシートSを載せるトレイ或いはスタッカーを備える。
【0068】
次に、
図2を参照しながら、シート製造装置100の外観の構成を説明する。
【0069】
図2に示すように、シート製造装置100は、上記した各構成部品を収容する筐体220を備える。筐体220は、正面を構成する正面部221、左右の側面を構成する側面部222、背面を構成する背面部223、及び、上面を構成する上面部224を備える。
【0070】
正面部221には、供給部10が一部を露出して設けられるとともに、各種情報を表示する表示部160、及び開閉扉230が設けられる。表示部160は、各種情報を表示可能な表示パネルと、表示パネルに重ねて配置されるタッチパネルとを有し、タッチパネルによりユーザーの操作を検出可能である。開閉扉230は、添加物を収容したカートリッジを露出可能に開閉する扉である。
【0071】
右の側面部222は、集塵装置27を覆う開閉自在な集塵装置覆い部231を有する。この集塵装置覆い部231を開けることにより、集塵装置27が有する後述する回収ボックス261に外部からアクセス可能となる。この集塵装置覆い部231は、電磁ロック235(
図3)により閉状態に保持可能である。
【0072】
次に、
図3及び
図4を参照しながら、集塵装置27の構成、及び集塵装置27の電気的な構成を説明する。
【0073】
図3に示すように、シート製造装置100は、集塵装置27、表示部160、電磁ロック235、各部を制御する制御部150、を備える。
【0074】
図3及び
図4に示すように、集塵装置27は、シートSの製造に使用されない除去物を含む空気から捕集フィルター240を用いて除去物を捕集する捕集部241と、昇降機構251により捕集部241に対し昇降自在に連結される回収ボックス261とを備える。
【0075】
捕集部241は、複数の捕集フィルター240を収容する第1筐体242と、第1筐体242の上方に設けられ、捕集フィルター240によって除去物が除去された空気が流入する室を形成する第2筐体243と、を備える。第1筐体242には、第1ウエブ形成部45のメッシュベルト46下方(
図1)につながる管23が連結される。第2筐体243には、集塵用吸引部として機能する捕集ブロアー28が連結される。
【0076】
捕集ブロアー28は、制御部150の制御によって作動する。捕集ブロアー28は、捕集フィルター240の下流に位置し、第2筐体243内の空気を吸引する。つまり、捕集ブロアー28は、捕集フィルター240の下流に位置し、捕集フィルター240を介して連通する第1筐体242内に、管23を介してメッシュベルト46下方の除去物を含む空気を吸引する。
【0077】
第1筐体242内には、複数(本実施形態では8本)の捕集フィルター240が互いに間隔を空けて設けられる。これら捕集フィルター240は、内部が中空の円筒形状を有し、各捕集フィルター240の筒内空間306が第2筐体243内に連通する。捕集ブロアー28が作動すると、管23から第1筐体242内に流入した除去物を含む空気は、
図4に気流F1で示すように捕集フィルター240を通過する際に各捕集フィルター240に捕集される。捕集フィルター240で除去物が取り除かれた空気は、各捕集フィルター240の筒内空間306を通って第2筐体243内に流入する。なお、第2筐体243内から捕集ブロアー28を経た空気は、シート製造装置100の外に排出される。
【0078】
本実施形態では、複数の円筒形状の捕集フィルター240を備えることによって、フィルター面積を効率よく確保できる。なお、捕集フィルター240の形状及び本数は適宜に変更してもよい。例えば、捕集フィルター240は、多角筒形状であってもよい。
【0079】
シート製造装置100は、捕集フィルター240に捕集された除去物を逆洗して捕集フィルター240を洗浄する逆洗部300を備える(
図4、
図5参照)。ここで、逆洗とは、捕集フィルター240で除去物を捕集する際の気流F1とは反対方向の逆洗気流F2によって、捕集フィルター240に付着した除去物を吹き飛ばす動作、処理、或いは工程をいう。上記逆洗部300は、逆洗気流F2を発生させる気流発生部301と、捕集フィルター240内に配置される逆洗補助部材302と、逆洗補助部材302を保持する保持部材303とを備える。
【0080】
次に、
図4、
図5、及び
図6を参照しながら、逆洗部300及び捕集フィルター240の構成を説明する。
【0081】
図4~
図6に示すように、捕集フィルター240は、円筒状の筒体305と、筒体305の中央に位置する内周部によって区画される筒内空間306(筒内)とを備える。筒内空間306は、筒体305の軸方向に延びる断面円形の空間である。筒内空間306の中心軸306aは、筒体305の中心軸に一致する。
【0082】
筒体305は、外周部の上端から径方向外側に突出するフランジ部305aを有する。筒体305は、第1筐体242の底面242aから上方に向けて立設されている。筒体305は、その上端が第2筐体243の底面243aを貫通して第2筐体243内に設けられ、フランジ部305aが底面243aに固定される。筒内空間306の上面開口306bは、第2筐体243内の空間に連通している。気流F1は、上面開口306bから第2筐体243内に流入する。
【0083】
気流発生部301は、上面開口306bに向けて圧縮空気である逆洗気流F2を噴射するノズル308と、圧縮空気を発生させるコンプレッサー247(
図3)と、ノズル308とコンプレッサー247を接続する圧縮空気用配管246と、バルブ(不図示)とを備える。
【0084】
ノズル308は、捕集フィルター240の上面開口306bから上方に離間した位置に設けられており、第2筐体243の上面243b(支持壁)に支持されている。ノズル308の噴射口は、筒内空間306の中心軸306aの延長線上に位置する。すなわち、圧縮空気は、上面開口306bの中心に向けて噴射される。
【0085】
制御部150(
図3参照)は、上記バルブを操作してノズル308に圧縮空気を供給する。ノズル308から下方に噴射された逆洗気流F2は、上面開口306bから筒内空間306に流入し、筒内空間306から筒体305を径方向外側に通過して第1筐体242内に流入する。この逆洗気流F2により、筒体305に捕集されていた除去物が筒体305から剥離し、重力によって下方に落下する。落下した除去物は、回収ボックス261に装着された収集袋262に収集される。
【0086】
次に、
図7~
図9を参照しながら、集塵装置27の制御方法を説明する。
【0087】
図7に示すように、ステップS11では、シート製造装置100によって新しい紙の製造が終了した後、ユーザーが、シート製造装置100の駆動電源をOFFにする。これにより、ステップS12では、制御部150は、図示しない記憶部から停止処理シーケンスのプログラムを読み出し、停止処理シーケンスを開始させる。
【0088】
ステップS13(第1ステップ)では、制御部150は、捕集ブロアー28の停止処理を実行させる、又は、捕集ブロアー28の吸引速度、言い換えれば、回転速度が遅く(速度down)なるように処理を実行させる。なお、捕集ブロアー28を停止させると、
図8に示すように、捕集フィルター240に吸引される気流F1が無くなる。また、捕集ブロアー28の回転速度を遅くすると、
図9に示すように、捕集フィルター240に吸引される気流F1の大きさが、速度down前と比べて小さくなる。
【0089】
ステップS14(第2ステップ)では、逆洗シーケンスを開始する。具体的には、制御部150は、図示しないバルブを操作して、ノズル308に圧縮空気を供給する。これにより、ノズル308からは、逆洗気流F2が下方に噴射される。この逆洗気流F2により、捕集フィルター240に捕集されていた除去物が捕集フィルター240から剥離し、重力によって下方に落下する。
【0090】
なお、捕集ブロアー28の回転速度を遅くする場合より、捕集ブロアー28を停止する場合の方が、気流F1が無くなるので、より効果的に捕集フィルター240に捕集されていた除去物を剥離させることができる。
【0091】
ステップS15(第3ステップ)では、逆洗シーケンスを終了する。
【0092】
ステップS16では、ステップS13において、捕集ブロアー28の回転速度を遅くした場合は、捕集ブロアー28の吸引動作を停止する。具体的には、制御部150は、図示しないバルブを操作して、ノズル308への圧縮空気の供給を停止する。
【0093】
ステップS17では、制御部150は、ステップS12で開始した停止処理シーケンスを終了する。
【0094】
ステップS18では、制御部150は、シート製造装置100の電源スイッチをOFFにする。以上により、集塵装置27の制御方法の処理を終了する。
【0095】
以上述べたように、本実施形態の集塵装置27の制御方法は、粉塵を捕集する捕集フィルター240と、気流F1による吸引を行う捕集ブロアー28と、捕集フィルター240を気流F2で洗浄する逆洗部300と、を備え、捕集ブロアー28を停止する、又は、捕集ブロアー28の吸引速度を低下させる、第1ステップと、第1ステップの後に、逆洗部300に気流F2を供給することで逆洗動作を行う第2ステップと、逆洗動作を停止させる第3ステップと、を有する。
【0096】
この方法によれば、捕集ブロアー28を停止、又は、捕集ブロアー28の吸引速度を低下させてから、逆洗部300による逆洗動作を行うので、逆洗動作の気流F2を大きくすることが可能となり、捕集フィルター240に付着した粉塵を効率よく洗浄することができる。よって、捕集フィルター240が目詰まりすることを抑えることが可能となり、捕集フィルター240の寿命を延ばすことができる。
【0097】
また、本実施形態の集塵装置27の制御方法において、逆洗部300は、捕集フィルター240に気流F2を吹き付けるノズル308を備え、第2ステップでは、ノズル308に気流F2を供給することが好ましい。この方法によれば、ノズル308に気流F2を供給するので、ノズル308を介して、集中的に捕集フィルター240に逆洗動作を行うことが可能となり、捕集フィルター240に付着した粉塵を、効率よく洗浄することができる。
【符号の説明】
【0098】
2,3,7,8…管、9…シュート、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、23…管、24…排出口、26…解繊部ブロアー、27…集塵装置、28…ブロアーとしての捕集ブロアー、29…管、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、44…排出口、45…第1ウエブ形成部、46…メッシュベルト、47…張架ローラー、48…吸引部、49…回転体、50…混合部、52…添加物供給部、52a…排出部、54…管、56…混合ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、63…ハウジング部、70…第2ウエブ形成部、72…メッシュベルト、74…ローラー、76…サクション機構、77…サクションブロアー、79…搬送部、79a…メッシュベルト、79b…ローラー、79c…サクション機構、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、150…制御部、160…表示部、202,204,206,208,210,212…加湿部、220…筐体、221…正面部、222…側面部、223…背面部、224…上面部、230…開閉扉、231…集塵装置覆い部、235…電磁ロック、240…フィルターとしての捕集フィルター、241…捕集部、242…第1筐体、242a…底面、243…第2筐体、243a…底面、243b…上面、246…圧縮空気用配管、247…コンプレッサー、251…昇降機構、261…回収ボックス、262…収集袋、300…逆洗部、301…気流発生部、302…逆洗補助部材、303…保持部材、305…筒体、305a…フランジ部、306…筒内空間、306a…中心軸、306b…上面開口、308…ノズル。