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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117980
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】超音波洗浄装置および洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 19/00 20060101AFI20240823BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
D06F19/00
D06F39/08 311C
D06F39/08 311E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024109
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】米澤 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】直野 浩樹
【テーマコード(参考)】
3B166
3B168
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AB04
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA52
3B166BA82
3B166CA01
3B166CA02
3B166CA03
3B166CA04
3B166CA21
3B166CB01
3B166CB03
3B166CB11
3B166DA31
3B166DC03
3B166DC13
3B166DC22
3B166DC40
3B166DC43
3B166DC45
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE06
3B166DF01
3B166FA01
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB05
3B166FB08
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA12
3B166GA22
3B168AA11
3B168AB04
3B168AE01
3B168AE02
3B168AE07
3B168BA52
3B168BA82
3B168CE01
3B168FA01
3B168FA12
(57)【要約】
【課題】一対の電極端子により貯水槽内の水位を精度良く検出でき得る超音波洗浄装置を提供する。
【解決手段】超音波洗浄装置50は、洗浄水が溜められる貯水槽210が形成された貯水部200と、貯水槽210内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部100と、貯水部200が離脱可能に装着される基体部300と、貯水槽210内の水位を検出するための一対の電極端子610と、基体部300に固定され、一対の電極端子610を、規定水位Lまで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダ620と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水が溜められる貯水槽が形成された貯水部と、
前記貯水槽内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、
前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、
前記貯水槽内の水位を検出するための一対の電極端子と、
前記基体部に固定され、前記一対の電極端子を、規定水位まで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダと、
を備えることを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波洗浄装置において、
各前記電極端子は、棒状を有して上下方向に延びる端子部を含み、
前記ホルダは、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部を含み、
各前記端子保持部は、
前記端子部が貫通する孔部であって、当該孔部から前記端子部の下側部分が下方に突出する孔部と、
前記下側部分の周壁面を囲む囲い部と、を含み、
前記囲い部は、周方向に途切れて開放部を有し、
前記開放部は、前記超音波洗浄装置を正面から見たときに、前記開放部を通じて前記下側部分の周壁面を視認できない位置に設けられる、
ことを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の超音波洗浄装置において、
前記ホルダは、
水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、
前記一対の端子保持部に接続された、直立する縦壁部と、を含み、
前記縦壁部における2つの前記端子保持部の間の部分の下端縁は、前記規定水位よりも高い位置に存在する、
ことを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の超音波洗浄装置において、
前記ホルダは、
水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、
前記一対の端子保持部の上部に接続された、横倒する横壁部を、さらに含み、
前記横壁部には、一方の前記端子保持部側から他方の前記端子保持部側に向かって傾斜する傾斜面が設けられる、
ことを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の超音波洗浄装置において、
前記ホルダは、
水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、
前記一対の端子保持部の上部に接続された、横倒する横壁部と、
前記横壁部から立ち上がり、2つの前記端子保持部の間を遮るに遮壁部と、を含む、
ことを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項6】
請求項2に記載の超音波洗浄装置において、
前記貯水部および前記貯水槽は、後側部分の左右方向の幅が前側部分の左右方向の幅より狭い形状を有し、
前記基体部は、前記貯水部の後側部分が通される開口部を有し、
前記ホルダは、前記開口部内に、当該開口部の一方の側面側に寄せられて配置され、
前記開放部は、前記開口部の他方の側面の方向を向く、
ことを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項7】
超音波洗浄装置と、給水部と、を備え、
前記超音波洗浄装置は、
洗浄水が溜められる貯水槽が形成された貯水部と、
前記貯水槽内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、
前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、
前記貯水槽内の水位を検出するための一対の電極端子と、
前記基体部に固定され、前記一対の電極端子を、規定水位まで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダと、を含み、
前記給水部は、前記貯水槽内に洗浄水を供給する、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項8】
請求項7に記載の洗濯機において、
前記給水部は、供給部材を介して前記貯水槽内に洗浄水を供給し、
前記供給部材は、下方に開口する流出口を有し、
前記流出口と前記ホルダとが前記超音波洗浄装置の左右方向に並んだ状態において、前記流出口から洗浄水が前記貯水槽内に流れ落ち、
前記貯水槽には、前記流出口と前記ホルダとの間に位置し、前記超音波洗浄装置の前後方向に長尺な壁部が設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波洗浄装置および洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波を利用して被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置を備える洗濯機が、特許文献1に記載されている。超音波洗浄装置は、超音波発生体を有する超音波洗浄部と、超音波洗浄部を保持する本体部と、本体部に離脱可能に装着されて超音波発生体の下方に位置し、貯水槽が設けられた貯水部と、を備える。水と洗剤とを含む洗浄水が貯水槽内に溜められ、貯水槽内の洗浄水に浸した被洗浄物に超音波発生体から発生した超音波が作用する。これにより、被洗浄物に付着した汚れが除去される。
【0003】
特許文献1の洗濯機では、給水ユニットにより、水道栓から送られてきた水に洗浄タンクから供給された洗剤が混合されて洗浄水が生成される。生成された洗浄水は、貯水槽の後方に配置された貯留タンクに貯められる。貯留タンクから貯水槽へ供給ノズルが延び、貯留タンク内の洗浄水が供給ノズルを介して貯水槽に供給される。供給ノズルの先端部は下方に屈曲し、先端部の下面に、洗浄水が放出される放出口が形成される。
【0004】
貯水タンクからの洗浄水の供給により、貯水槽内の水位が放出口の高さまで上昇し、放出口が洗浄水で塞がれると、貯留タンク内の空気圧と外部の空気圧とが釣り合い、貯留タンクからの給水が停止する。これにより、放出口の高さ位置である規定水位まで、貯水槽内に洗浄水を溜めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-23547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記洗濯機において、供給ノズルの放出口の高さ位置を規定水位に合わせるような構成に替えて、規定水位を検出する手段として、一対の電極端子を用いることが考えられる。この場合、一対の電極端子は、その下端部の高さ位置が規定水位の位置となるように、貯水槽の底面から上方に離されて配置される。
【0007】
貯水槽内への給水時には、一対の電極端子の間に電圧が印加される。貯水槽内の洗浄水の水位が規定水位に達すると、一対の電極端子の下端部が洗浄水に接触し、一対の電極端子が通電状態となる。これにより、規定水位が検出され、貯水槽内への給水が停止される。
【0008】
上記のように、貯水槽内の水位を検出するために一対の電極端子が用いられる場合、貯水槽に対する一対の電極端子の高さ位置が組立誤差によりばらつきやすいと、貯水槽内の水位を精度良く検出できなくなり得る。
【0009】
そこで、本発明は、一対の電極端子により貯水槽内の水位を精度良く検出でき得る超音波洗浄装置および洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、超音波洗浄装置に関する。本態様に係る超音波洗浄装置は、洗浄水が溜められる貯水槽が形成された貯水部と、前記貯水槽内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、前記貯水槽内の水位を検出するための一対の電極端子と、前記基体部に固定され、前記一対の電極端子を、規定水位まで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダと、を備える。
【0011】
たとえば、洗浄水は、洗剤が含まれた水であってもよく、洗剤が含まれない水であってもよい。
【0012】
本態様に係る超音波洗浄装置によれば、一対の電極端子が保持されたホルダが、貯水部の装着先である基体部に固定されるので、貯水槽に対する一対の電極端子の高さ位置が組立誤差によりばらつきにくい。これにより、規定水位の検出を精度良く行うことが可能となる。
【0013】
本態様に係る超音波洗浄装置において、各前記電極端子は、棒状を有して上下方向に延びる端子部を含むような構成とされ得る。この場合、前記ホルダは、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部を含むような構成とされ得る。各前記端子保持部は、前記端子部が貫通する孔部であって、当該孔部から前記端子部の下側部分が下方に突出する孔部と、前記下側部分の周壁面を囲む囲い部と、を含むような構成とされ得る。前記囲い部は、周方向に途切れて開放部を有し得る。前記開放部は、前記超音波洗浄装置を正面から見たときに、前記開放部を通じて前記下側部分の周壁面を視認できない位置に設けられ得る。
【0014】
上記の構成によれば、外部に露出した端子部の下側部分が囲い部に覆われているため、洗浄運転の際、被洗浄物やユーザの指などが、一対の電極端子の端子部に接触することが防止される。
【0015】
さらに、囲い部の開放部を通じて端子部の下側部分が外部に露出するので、洗浄水の接触する下側部分の表面積を十分に確保でき、一対の電極端子による水位の検出精度を十分に確保できる。しかも、被洗浄物や指などが開放部を通じて一対の電極端子の端子部に接触しにくいので、囲い部による被洗浄物等の電極端子への接触防止効果が低下しにくい。
【0016】
本態様に係る超音波洗浄装置において、前記ホルダは、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、前記一対の端子保持部に接続された、直立する縦壁部と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記縦壁部における2つの前記端子保持部の間の部分の下端縁は、前記規定水位よりも高い位置に存在し得る。
【0017】
上記の構成によれば、端子保持部の間の部分の下端縁が、規定水位まで溜められた洗浄水に浸らない。このため、洗浄水が排出された後も端子保持部の間の部分の下端縁に洗浄水が付着して残り一対の電極端子が導通状態となってしまう、ということが防止される。よって、一対の電極端子による規定水位の誤検出を防止できる。
【0018】
本態様に係る超音波洗浄装置において、前記ホルダは、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、前記一対の端子保持部の上部に接続された、横倒する横壁部と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記横壁部には、一方の前記端子保持部側から他方の前記端子保持部側に向かって傾斜する傾斜面が設けられ得る。
【0019】
上記の構成によれば、横壁部上に洗浄水が掛かっても、洗浄水は傾斜面を流れることにより横壁部上に残りにくい。
【0020】
本態様に係る超音波洗浄装置において、前記ホルダは、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各前記電極端子を保持する一対の端子保持部と、前記一対の端子保持部の上部に接続された、横倒する横壁部と、前記横壁部から立ち上がり、2つの前記端子保持部の間を遮るに遮壁部と、を含むような構成とされ得る。
【0021】
上記の構成によれば、横壁部上に洗浄水が残っても、残った洗浄水は遮壁により分断される。よって、横壁部上に残った洗浄水により一対の電極端子が導通状態となってしまうことを防止できる。
【0022】
本態様に係る超音波洗浄装置において、前記貯水部および前記貯水槽は、後側部分の左右方向の幅が前側部分の左右方向の幅より狭い形状を有し得る。この場合、前記基体部は、前記貯水部の後側部分が通される開口部を有するような構成とされ得る。前記ホルダは、前記開口部内に、当該開口部の一方の側面側に寄せられて配置され得る。前記開放部は、前記開口部の他方の側面の方向を向き得る。
【0023】
上記の構成によれば、ユーザは、他の側面側に形成されるスペースに清掃具を挿入し、当該清掃具により、開放部を通じて一対の電極端子の端子部を容易に清掃でき、端子部にこびりついた洗剤を良く除去できる。
【0024】
本発明の第2の態様は、洗濯機に関する。本態様に係る洗濯機は、超音波洗浄装置と、給水部と、を備える。前記超音波洗浄装置は、洗浄水が溜められる貯水槽が形成された貯水部と、前記貯水槽内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、前記貯水槽内の水位を検出するための一対の電極端子と、前記基体部に固定され、前記一対の電極端子を、規定水位まで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダと、を含む。前記給水部は、前記貯水槽内に洗浄水を供給する。
【0025】
本態様に係る洗濯機によれば、第1の態様と同様な効果を奏し得る。
【0026】
本態様に係る洗濯機において、前記給水部は、供給部材を介して前記貯水槽内に洗浄水を供給し得る。この場合、前記供給部材は、下方に開口する流出口を有するような構成とされ得る。前記流出口と前記ホルダとが前記超音波洗浄装置の左右方向に並んだ状態において、前記流出口から洗浄水が前記貯水槽内に流れ落ち得る。前記貯水槽には、前記流出口と前記ホルダとの間に位置し、前記超音波洗浄装置の前後方向に長尺な壁部が設けられ得る。
【0027】
上記の構成によれば、流出口から流れ落ちた洗浄水により水面に生じた波は、壁部によって止められることにより、一対の電極端子が位置する領域に伝播しにくい。よって、波立ちの影響を受けにくくなり、一対の電極端子により精度良く水位の検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、一対の電極端子により貯水槽内の水位を精度良く検出でき得る超音波洗浄装置および洗濯機を提供できる。
【0029】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、給水ユニットの構成を示す概略図である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置および上面板の斜視図である。図3(b)および(c)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置および上面板の要部の斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置および供給ノズルを前方上方から見た図である。
図5図5は、実施の形態に係る、水位検出モジュールの左側の位置で切断された超音波洗浄装置の側面断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る、貯水部が基体部から離脱した状態の超音波洗浄装置の前方斜視図である。
図7図7は、実施の形態に係る、貯水部が無い状態の超音波洗浄装置の後方斜視図である。
図8図8は、実施の形態に係る、貯水部が無い状態の超音波洗浄装置の側面断面図である。
図9図9(a)は、実施の形態に係る、水位検出モジュールを右側前方から見た分解斜視図であり、図9(b)は、実施の形態に係る、水位検出モジュールを左側前方から見た斜視図である。
図10図10(a)および(b)は、それぞれ、実施の形態に係る、水位検出モジュールの平面図および底面図である。
図11図11(a)は、変更例に係る、水位検出モジュールを左側前方から見た斜視図であり、図11(b)は、変更例に係る、水位検出モジュールの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の超音波洗浄装置および洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、全自動洗濯機1の側面断面図である。
【0033】
全自動洗濯機1は、外郭を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物の投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。上面板12の前部には、内部に制御部16が配置される。制御部16は、マイクロコンピュータ等により構成され、全自動洗濯機1による洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を制御する。
【0034】
筐体10内には、上面が開口する外槽20が配置される。外槽20は、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20内には、内槽である洗濯脱水槽22が配置される。洗濯脱水槽22は、上面が開口し、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する。洗濯脱水槽22の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔22aが形成される。洗濯脱水槽22の上部には、バランスリング23が設けられる。洗濯脱水槽22の底部には、パルセータ24が配置される。パルセータ24の表面には、放射状に複数の羽根24aが設けられる。
【0035】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽22およびパルセータ24を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配置される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構32aを有し、当該クラッチ機構32aによる切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24のみに伝達してパルセータ24のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24および洗濯脱水槽22に伝達してパルセータ24および洗濯脱水槽22を一体的に回転させる。
【0036】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽22および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0037】
外槽20の上部には、溢水口20bが形成される。外槽20内に所定の溢水水位以上の水が溜められると、溢水口20bから水が排出される。外槽20の外面には、溢水口20bを覆うように溢水受け部25が設けられる。溢水受け部25の底部には、溢水パイプ26の一端が接続される。溢水パイプ26の他端は、排水ホース41に接続される。溢水口20bから排出された水は、溢水受け部25により受けられた後、溢水パイプ26を通って排水ホース41へ流れる。
【0038】
上面板12の後部には、ほぼ中央に超音波洗浄装置50が配置される。超音波洗浄装置50では、洗浄運転が行われることにより、被洗浄物に部分的に付着した汚れを、全自動洗濯機1での洗濯に先立って除去できる。
【0039】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50の下方に排水受け部60が配置される。排水受け部60は、貯水槽210から排出された水を受ける。排水受け部60には、受けた水が排出される排出孔61が形成される。排出孔61には、排水パイプ62の一端が接続される。排水パイプ62の他端は、溢水パイプ26の上部に接続される。
【0040】
上面板12の後部には、給水ユニット70が配置される。給水ユニット70は、水道栓に繋がり、水道栓から送られてきた水を洗濯脱水槽22内に供給する。
【0041】
図2は、給水ユニット70の構成を示す概略図である。
【0042】
給水ユニット70は、給水バルブ71を有する。給水バルブ71は、いわゆる2連バルブであり、電磁バルブであるメインバルブ72とサブバルブ73とを有する。給水バルブ71の入水口71aは、図示しない給水ホースを介して水道栓に接続される。メインバルブ72の出口には、メイン給水路74が接続される。メイン給水路74は、洗濯脱水槽22の上部に位置する注水ボックス75に接続される。注水ボックス75の底面には、注水口75aが形成される。
【0043】
給水ユニット70には、洗濯脱水槽22内に洗濯用の液剤の一つである液体洗剤を自動投入するための自動投入機構80が含まれる。自動投入機構80は、水道栓から送られてきた水と洗剤とを含む洗浄水を生成して貯水槽210に供給する機能も備える。給水ユニット70は、本発明の給水部に相当する。
【0044】
自動投入機構80は、洗剤タンク81と、供給パイプ82と、第1三方バルブ83と、サブ給水路84と、洗剤供給路85と、第2三方バルブ86と、洗浄水供給路87と、供給ポンプ88とを備える。給水バルブ71のサブバルブ73も、自動投入機構80に含まれる。
【0045】
洗剤タンク81には、液体洗剤が原液の状態で貯留される。供給パイプ82は、洗剤タンク81の液体洗剤を第1三方バルブ83の一方の入口へと導く。
【0046】
サブ給水路84は、サブバルブ73の出口と第1三方バルブ83の他方の入口とに接続される。
【0047】
第1三方バルブ83の出口に洗剤供給路85が接続される。洗剤供給路85は、注水ボックス75に接続される。
【0048】
第1三方バルブ83は、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態と、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態との間で切り替えることができる。
【0049】
洗剤供給路85には、第2三方バルブ86が設けられる。第2三方バルブ86の入口には、洗剤供給路85の上流側供給路85aが接続され、第2三方バルブ86の一方の出口には、洗剤供給路85の下流側供給路85bが接続される。また、第2三方バルブ86の他方の出口には、洗浄水供給路87の一端が接続される。洗浄水供給路87の他端は、供給ノズル500に接続される。
【0050】
第2三方バルブ86は、上流側供給路85aを下流側供給路85bに連通させる状態と、上流側供給路85aを洗浄水供給路87に連通させる状態との間で切り替えることができる。
【0051】
上流側供給路85aには、供給ポンプ88が配置される。供給ポンプ88は、たとえば、ピストン式ポンプとすることができる。
【0052】
サブ給水路84、上流側供給路85aおよび洗浄水供給路87により、水道栓からの水が供給ノズル500に向かって流れる給水流路89が構成される。給水ユニット70は、給水流路89内で水と洗剤とを混合することにより洗浄水を生成し、生成した洗浄水を、供給ノズル500を介して貯水槽210内に供給する。
【0053】
次に、超音波洗浄装置50の構成について、詳細に説明する。
【0054】
図3(a)は、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置50および上面板12の斜視図である。図3(b)および(c)は、超音波洗浄装置50が収納部17に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置50および上面板12の要部の斜視図である。図3(c)では、収納部17の内部が見えるよう、カバー19の図示が省略されている。
【0055】
上面板12には、後部の中央部に、超音波洗浄装置50が収納される収納部17が設けられる。上面板12は、収納部17の前方が出入口18として開口する。出入口18には、カバー19が設けられる。
【0056】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100と、貯水部200と、基体部300とを備える。超音波洗浄部100は、超音波を発生させる超音波発生体110を有する。基体部300は、超音波洗浄部100を保持する。貯水部200は、基体部300に離脱可能に装着され、超音波発生体110の下方に位置する。貯水部200には、洗浄水が溜められる貯水槽210が設けられる。
【0057】
図3(a)に示すように、洗浄運転が行われるとき、超音波洗浄装置50は、収納部17から前方に引き出されて上面板12の投入口14の内側に張り出す。一方、図3(b)および(c)に示すように、洗浄運転が行われないとき、超音波洗浄装置50は、収納部17に収納される。出入口18がカバー19により閉じられる。
【0058】
図4は、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置50および供給ノズル500を前方上方から見た図である。図5は、水位検出モジュール600の左側の位置で切断された超音波洗浄装置50の側面断面図である。図6は、貯水部200が基体部300から離脱した状態の超音波洗浄装置50の前方斜視図である。図7は、貯水部200が無い状態の超音波洗浄装置50の後方斜視図である。図8は、貯水部200が無い状態の超音波洗浄装置50の側面断面図である。なお、図5では、検出回路400が、超音波洗浄装置50とともに描かれている。さらに、図5には、断面位置より左側にあって本来は表れない壁部213が破線により描かれている。
【0059】
超音波洗浄部100は、超音波発生体110と、ハウジング120とを備える。超音波発生体110は、超音波振動子111と、超音波振動子111に結合される振動ホーン112とを含む。超音波発生体110は、超音波振動子111の高周波振動により、振動ホーン112の先端から超音波を発生させる。
【0060】
ハウジング120は、前後方向に長く、その先端部121が下方に屈曲するようなアーム形状を有する。ハウジング120内の前部に超音波発生体110が配置される。超音波発生体110は、枠状の固定部材130により上側から押さえ付けられる。振動ホーン112の先端部がハウジング120の開口部122から露出する。
【0061】
貯水部200は、樹脂材料により形成され、前後方向にやや長く且つ上下方向に扁平であって、後側部分200bの左右方向の幅が前側部分200aの左右方向の幅よりも狭くなった形状を有する。貯水部200には、前面に取っ手201が形成される。
【0062】
貯水部200には、貯水槽210が形成される。貯水槽210は、貯水部200の形状に沿った、平面視ほぼL字の皿形状を有し、後側部分210bの左右方向の幅が前側部分210aの左右方向の幅よりも狭くされている。前側部分210aの周壁面(前後左右の側壁面)は、左前、右前および右後の角部が大きなR形状を有している。
【0063】
貯水槽210には、その左側の中央部に、当該貯水槽210の底面部の一部を上方に凹ませるようにして、ほぼ直方体状の隆起部211が形成される。隆起部211における後面部211aには、円形の排水口212が形成される。
【0064】
排水口212は、隆起部211の裏側の凹み部分211bに配置された弁体220により閉塞される。弁体220は、ゴム製のOリング221を有し、当該Oリング221を排水口212の周縁部に当接させることにより排水口212を閉塞する。
【0065】
弁体220には、弁可動部材230が連結される。弁可動部材230は、後部231が貯水部200よりも後方に張り出す。弁可動部材230は、スプリング232により、弁体220が閉じる後方向に付勢される。
【0066】
収納部17から超音波洗浄装置50、即ち貯水部200が前方に引き出された状態にあるとき、弁体220により排水口212が閉鎖される。超音波洗浄装置50、即ち貯水部200が収納部17に収納されると、弁可動部材230の後部231が排水受け部60の後壁に当接し、弁可動部材230が前方へ移動する。これにより、弁体220が前方へ移動し、排水口212が開放される。
【0067】
貯水部200の後部には、基体部300に装着された貯水部200が前方へ離脱しないよう固定するためのロック機構240が設けられる。ロック機構240は、爪部241とボタン242とを有する。爪部241は、図示しないバネより上方に付勢され、ボタン242が押し下げられると下がり、ボタン242が離されると元の位置に戻る。
【0068】
基体部300は、正面視において、ほぼ方形状を有する。基体部300の左右の下端部には、前方へ延びるレール部301が設けられる。また、基体部300には、左側に、前後方向および下方向に開口する開口部302が形成される。開口部302は、方形状の下開口部302aと、当該下開口部302aより上下の寸法が大きく、左右の寸法が小さい方形状の上開口部302bとにより構成される。さらに、基体部300には、開口部302の右隣りに、ロック機構240の爪部241が挿入される方形状の挿入口303が形成される。
【0069】
超音波洗浄部100のハウジング120の後部123が、基体部300の上部に固定される。基体部300の前面の上部から超音波洗浄部100が前方へ延び出す。
【0070】
貯水部200は、前方から基体部300に装着される。基体部300の左右のレール部301が、貯水部200の左右の端部に設けられた挿入部202に挿入されることにより、貯水部200がレール部301に案内される。貯水部200の後側部分200bが、基体部300の開口部302(下開口部302a)を通過する。また、ロック機構240の爪部241が、基体部300の挿入口303の上縁に当たって押し下げられ、挿入口303を通過する。貯水部200の基体部300への装着が完了すると、基体部300の裏側において、爪部241が挿入口303の上縁と係合する。これにより、貯水部200が、基体部300から前方に離脱できなくなる。
【0071】
貯水部200が基体部300に装着された状態において、超音波発生体110の振動ホーン112の先端面の位置は、貯水槽210の上面の位置よりも低く、振動ホーン112の先端部は、貯水槽210内に入り込んだ状態となる。
【0072】
貯水部200が基体部300から離脱される際には、ロック機構240のボタン242が押し下げられ、爪部241が下げられる。これにより、爪部241と挿入口303の上縁との係合が解除される。貯水部200が前方に引き出されることにより、貯水部200が基体部300から離脱する。離脱の際、振動ホーン112などが貯水槽210に引っ掛からないように、貯水部200が下方に移動するようになっている。
【0073】
図4に示すように、収納部17内において、超音波洗浄装置50の背後には、図示されない設置板が配置され、当該設置板から供給ノズル500が前方へ延びる。供給ノズル500は、貯水槽210の上方に、貯水槽210と重なるように配置される。供給ノズル500は、本発明の供給部材に相当する。
【0074】
供給ノズル500は、樹脂材料により形成され、前後方向に長尺な形状を有する。供給ノズル500は、その後端部、即ち基端部500aに、設置板に固定される固定部501と、上方に突出する円筒状の流入口部502とが設けられる。流入口部502は、上方に開口する流入口502aを有する。流入口部502には、給水ユニット70の洗浄水供給路87に含まれる、図示されない供給ホースが接続される。さらに、供給ノズル500には、その前端部、即ち先端部500bに、所定形状の筒状を有し、下方に突出する流出口部503が形成される。流出口部503は、下方に開口する流出口503aを有する。
【0075】
供給ノズル500は、収納部17内に固定されていて動かない。一方、貯水部200は、収納部17に対する超音波洗浄装置50の出し入れに伴い、前後方向に移動する。よって、超音波洗浄装置50が収納部17内に収納された状態にあるとき、供給ノズル500は、ほぼ全体が貯水槽210に重なる。一方、超音波洗浄装置50が収納部17内から引き出された状態にあるとき、供給ノズル500は、その先端部500bが貯水槽210の後側部分210bに重なる。供給ノズル500の流出口503aの位置は、貯水部200の上面の位置よりも高い。
【0076】
超音波洗浄装置50は、水位検出モジュール600を備える。水位検出モジュール600は、貯水槽210内の水位を検出するための一対の電極端子610と、基体部300に固定され、一対の電極端子610を、規定水位Lまで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダ620と、を含む。規定水位Lは、洗浄運転の際に洗浄水が溜められる貯水槽210内の水位である。
【0077】
ホルダ620は、基体部300の開口部302(上開口部302b)の右側面に接するように、2つのネジ700によって基体部300に固定される。これにより、ホルダ620は、開口部302内に、開口部302の右側面側に寄せられて配置される。ホルダ620の後側部分は、開口部302の後方にはみ出す。一対の電極端子610は、所定の間隔を有して前後方向に並ぶ。開口部302内では、ホルダ620、即ち一対の電極端子610の左側に大きなスペースが生じる。
【0078】
図4に示すように、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるとき、供給ノズル500の流出口503aと、水位検出モジュール600、即ちホルダ620とが、基体部300の開口部302内において左右方向に並ぶ。貯水槽210には、供給ノズル500の流出口503aとホルダ620との間に位置し、前後方向に長尺な壁部213が設けられる。壁部213は、たとえば、細長い方形状のリブである。図5に示すように、壁部213は、一対の電極端子610の下端面よりも高く、また、規定水位Lよりも高い。さらに、壁部213は、一対の電極端子610が並ぶ前後方向において、前側の電極端子610よりも前方向に延びるとともに後側の電極端子610よりも後方向に延びる。
【0079】
図5に示すように、ホルダ620に保持された一対の電極端子610は、貯水槽210内へ入り込む。一対の電極端子610は、検出回路400にリード線等の接続線630によって接続される。検出回路400は、制御部16に接続される。
【0080】
水位検出の際、一対の電極端子610の間に所定の電圧が印加される。貯水槽210内の洗浄水の水位が規定水位Lに達すると、一対の電極端子610の下端部が洗浄水に接触する。検出回路400は、矩形波発生回路を含み、洗浄水への接触によって一対の電極端子610が導通状態になると、制御部16へパルス状の検出信号を出力する。これにより、制御部16は、貯水槽210内の水位が規定水位Lに達したことを検出できる。
【0081】
さらに、検出回路400は、一対の電極端子610間を流れる電流の大きさに応じて検出信号のパルス幅を変化させる。これにより、制御部16は、貯水槽210内の洗浄水の導電率を検出でき、導電率に基づいて洗浄水の中の洗剤濃度を把握できる。
【0082】
なお、貯水槽210内の洗浄水の水位が規定水位Lに達したときに水没する各電極端子610の下端面からの量(長さ)は、一対の電極端子610の間に、検出回路400から適正に検出信号が出力されて精度良く規定水位Lが検出できる程度の電流が流れるような長さとされる。
【0083】
図9(a)は、水位検出モジュール600を右側前方から見た分解斜視図であり、図9(b)は、水位検出モジュール600を左側前方から見た斜視図である。図10(a)および(b)は、それぞれ、水位検出モジュール600の平面図および底面図である。
【0084】
各電極端子610は、鋼などの導電性を有する材料により形成され、丸棒状を有し上下方向に延びる端子部611と、端子部611の上端部に設けられた頭部612とを含む。端子部611の上部には、雄ネジ部613が形成される。また、頭部612には、電極端子610をドライバにより回すことができように、十字形状の溝が形成される。
【0085】
ホルダ620は、たとえば、樹脂材料により形成される。ホルダ620は、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各電極端子610を保持する一対の端子保持部640を含む。
【0086】
各端子保持部640は、円柱状のボス部641と、当該ボス部641を上下方向に貫通する孔部642と、囲い部643とを有する。各電極端子610の端子部611が孔部642を貫通し、端子部611の下側部分611aが孔部642から下方に突出する。各電極端子610は、ドライバにより回されながら各孔部642に挿入される。これにより、各電極端子610は、雄ネジ部613が孔部642の内壁面に食い込み、孔部642から上方に抜けなくなって端子保持部640に固定される。
【0087】
本実施の形態では、孔部642から露出する端子部611の下側部分611aは、端子部611全体の半部程度である。しかしながら、下側部分611aは、これより短くてもよく、たとえば、端子部611全体の3分の1程度でもよい。
【0088】
囲い部643は、ボス部641の下に設けられ、周方向に途切れて開放部644を有するU字の筒状に形成される。囲い部643は、ボス部641から下方に突出する端子部611の下側部分611aを囲む。囲い部643の両開放端部643aは、ボス部641よりも左方に直線的に延びるとともにボス部641の上端まで延長されている。前側の囲い部643における後側の開放端部643aの下端部と、後側の囲い部643における両開放端部643aの下端部は、斜めに削られている。
【0089】
ホルダ620は、一対の端子保持部640の前方、後方、左方および右方のそれぞれ位置する前縦壁部651、後縦壁部652、左縦壁部653および右縦壁部654を含む。前縦壁部651および右縦壁部654は、ほぼ方形の板状を有する。後縦壁部652および左縦壁部653は、ほぼL字の板状を有する。前縦壁部651および後縦壁部652は、それらの厚み方向が前後方向となる向きで直立し、左縦壁部653および右縦壁部654は、それらの厚み方向が左右方向となる向きで直立する。左縦壁部653は、本発明の縦壁部に相当する。
【0090】
前縦壁部651の下端部651aは、後方に折れ曲がり、前側の端子保持部640における囲い部643の下端部に接続される。左縦壁部653は、一対の端子保持部640に接続される。即ち、前側の端子保持部640では、囲い部643の前側の開放端部643aの全体と後側の開放端部643aの上側部分とが左縦壁部653に接続され、後側の端子保持部640では、囲い部643の前側の開放端部643aの上側部分が左縦壁部653に接続される。
【0091】
右縦壁部654には、上下方向に長い開口部654aと、当該開口部654aから右縦壁部654の上端へと延びる溝部654bとか形成される。
【0092】
ホルダ620は、横倒する第1横壁部661および第2横壁部662を含む。第1横壁部661は、前後方向に長いほぼ方形の板状を有する。第2横壁部662は、左右方向に長いほぼ方形の板状を有し、第1横壁部661の後部から右方に延びる。第1横壁部661および第2横壁部662は、それらの厚み方向が上下方向となる。図10(a)および(b)には、便宜上、第1横壁部661と第2横壁部662との間の境界が破線で示されている。第1横壁部661は、本発明の横壁部に相当する。
【0093】
第1横壁部661は、一対の端子保持部640の上部に接続される。さらに、第1横壁部661は、前縦壁部651、後縦壁部652および左縦壁部653に接続される。第2横壁部662は、後縦壁部652および右縦壁部654に接続される。
【0094】
第1横壁部661は、前側の端子保持部640の周辺部分が後側の端子保持部640の周辺部分よりも低く、一対の端子保持部640の間に、後側の端子保持部640側から前側の端子保持部640側に向かって下り傾斜する傾斜面661aを有する。第1横壁部661には、一対の端子保持部640の間であって傾斜面661aの後方に、上面から立ち上がる第1壁部663が設けられ、傾斜面661aの位置に、下面から垂下する第2壁部664が設けられる。第1壁部663および第2壁部664は、それらの厚み方向が前後方向となる向きを有し、左縦壁部653に接続される。第1壁部663には、下方に凹む凹部663aが形成される。第1壁部663は、本発明の遮壁部に相当する。
【0095】
第2横壁部662には、後側の端子保持部640の右方に、上面から立ち上がる第3壁部665が設けられる。第3壁部665は、その厚み方向が左右方向となる向きを有し、後縦壁部652に接続される。第3壁部665には、下方に凹む凹部665aが形成される。
【0096】
左縦壁部653の後上部には、左方に張り出す第1取付部671が設けられる。第1取付部671には、前後方向を向くネジ孔671aが形成される。第2横壁部662の右前部には、下方に張り出す第2取付部672が設けられる。第2取付部672には、前後方向を向くネジ孔672aが形成される。
【0097】
図10(a)に示すように、各電極端子610には、その頭部612と各端子保持部640のボス部641の上端面との間に挟まれるようにして、接続線630の端子631が接続される。前側の電極端子610に接続された接続線630は、第1壁部663の凹部663aを通された後、右方に曲げられて第3壁部665の凹部665aを通され、さらに、右縦壁部654の開口部654aを通されてホルダ620の外に引き出される。後側の電極端子610に接続された接続線630は、第3壁部665の凹部665aを通された後、開口部654aを通されてホルダ620の外に引き出される。2つの接続線630は、溝部654bを通されて開口部654aに入り、開口部654a内で上下に並ぶ。
【0098】
ホルダ620の第1取付部671および第2取付部672が、それぞれのネジ孔671a,672aを通されたネジ700により基体部300の後面に取り付けられる(図7参照)。これにより、一対の電極端子610が保持されたホルダ620、即ち水位検出モジュール600が基体部300に固定される。ホルダ620は、基体部300の開口部302内に配置され、貯水槽210の前側部分210aに近い前側の端子保持部640の右方および上方が、それぞれ、開口部302の右側面および天面で塞がれる。
【0099】
図5に示すように、ホルダ620が基体部300に固定された状態において、ホルダ620の左縦壁部653における2つの端子保持部640の間の部分653a(以下、「端子間部分653a」と称する)の下端縁653bは、規定水位Lよりも高い位置に存在する。これにより、端子間部分653aの下端縁653bが、規定水位Lまで溜められた洗浄水に浸らないないので、貯水槽210内から洗浄水が排出された後に端子間部分653aの下端縁653bに洗浄水が付着して残り、一対の電極端子610が導通状態となってしまう、ということが防止される。
【0100】
なお、端子間部分653aの下端縁653bが規定水位Lよりも低い位置に存在する場合には、貯水槽210から洗浄水が排出された状態になっても、2つの端子保持部640の囲い部643の下端と端子間部分653aの下端縁653bとに付着して残った洗剤水により、一対の電極端子610が導通状態のままとなる虞がある。
【0101】
さらに、洗浄運転時に洗浄水が激しく飛散するなど、何らかの要因により、洗浄水がホルダ620の後部上方からホルダ620内に浸入し、第1横壁部661に掛かっても、洗浄水は、第1横壁部661の傾斜面661aを流れることにより第1横壁部661上に残りにくい。また、第1横壁部661上に洗浄水が残っても、残った水は、2つの端子保持部640の間に設けられた第1壁部663により分断される。これにより、一対の電極端子610が導通状態となってしまうことを防止できる。
【0102】
貯水部200は、収納部17から出し入れでき、基体部300から取り外すことができる。このため、一対の電極端子610が保持されたホルダ620が貯水部200に固定されるような構成が採られた場合、貯水部200が引き出されたときに接続線630を延ばすことができる構造と、一対の電極端子610と接続線630とを、貯水部200の着脱に応じて接続したり切り離したりできる構造とが必要となり、一対の電極端子610を配置するための構造が複雑になりやすい。
【0103】
本実施の形態では、ホルダ620が、超音波洗浄装置50から取り外されない基体部300に固定されているので、上記の特殊な構造が不要であり、一対の電極端子610を配置するための構造が簡素になる。
【0104】
さらに、本実施の形態では、一対の電極端子610が保持されたホルダ620が、貯水部200の装着先である基体部300に固定されるので、貯水槽210に対する一対の電極端子610の高さ位置が組立誤差によりばらつきにくい。これにより、規定水位Lの検出を精度良く行うことが可能となる。
【0105】
なお、ホルダ620が、供給ノズル500等の基体部300でない他の部材に固定された場合、ホルダ620と他の部材との間の組立誤差および基体部300と貯水部200との間の組立誤差に加えて、他部材と基体部300との間の組立誤差が影響してくるため、貯水槽210に対する一対の電極端子610の高さ位置が組立誤差によりばらつきにやすい。
【0106】
全自動洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転を行うことができる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。
【0107】
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽22内に水が溜められた状態で、パルセータ24が右方向および左方向に回転する。パルセータ24の回転により洗濯脱水槽22内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
【0108】
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽22およびパルセータ24が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
【0109】
洗い工程での給水時には、自動投入機構80により、洗濯脱水槽22内に液体洗剤が自動投入される。この際、まず、第1三方バルブ83が、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられる。また、第2三方バルブ86が、上流側供給路85aを下流側供給路85bに連通させる状態に切り替えられる。
【0110】
次に、供給ポンプ88が作動する。供給ポンプ88のポンプ作用によって、図2の破線矢印に示すように、洗剤タンク81内の液体洗剤が洗剤供給路85に排出される。供給ポンプ88は、予め決められた時間だけ動作し、これにより、予め決められた量の液体洗剤が洗剤供給路85に溜まる。
【0111】
次に、第1三方バルブ83が、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられ、メインバルブ72とサブバルブ73が開かれる。水道栓からの水がメイン給水路74を流れて注水ボックス75の注水口75aから洗濯脱水槽22内に放出される。
【0112】
同時に、図2の実線矢印に示すように、水道栓からの水が、サブ給水路84、第1三方バルブ83を通って洗剤供給路85へと流れ、液体洗剤を押し流す。水に押し流された液体洗剤は、図2の一点鎖線矢印に示すように、水とともに洗剤供給路85を流れ、注水口75aから洗濯脱水槽22内へ投入される。洗濯脱水槽22内の水位が所定の洗い水位に到達すると、メインバルブ72とサブバルブ73が閉じられて、給水が終了する。
【0113】
さらに、全自動洗濯機1では、超音波洗浄装置50による洗浄運転を行うことができる。
【0114】
ユーザは、洗浄運転を行う場合、図3(a)のように、超音波洗浄装置50を収納部17から引き出す。貯水槽210は、弁体220により排水口212が閉鎖された状態となる。ユーザは、洗浄運転を開始させるため、所定の開始操作を行う。
【0115】
洗浄運転が開始されると、自動投入機構80、即ち給水ユニット70により、貯水槽210内への洗浄水の供給が行われる。
【0116】
第1三方バルブ83が、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられる。また、第2三方バルブ86が、上流側供給路85aを洗浄水供給路87に連通させる状態に切り替えられる。供給ポンプ88が所定時間動作し、所定量の液体洗剤が洗剤供給路85に溜まる。
【0117】
次に、第1三方バルブ83が、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられ、サブバルブ73が開かれる。水道栓からの水が、サブ給水路84、第1三方バルブ83を通って洗剤供給路85へと流れ、液体洗剤を押し流す。水と液体洗剤とが混合されて洗浄水となる。
【0118】
図2の太線矢印に示すように、洗浄水は、洗浄水供給路87を通り、供給ノズル500内に流入する。洗浄水は、流入口502aから供給ノズル500内へ流入し、流出口503aから貯水槽210内に流れ落ちる。
【0119】
このとき、貯水槽210には、供給ノズル500の流出口503aの真下位置、即ち流出口503aから洗浄水が流れ落ちる位置とホルダ620、即ち一対の電極端子610との間の位置に壁部213が配置されている。このため、図4の矢印に示すように、貯水槽210内に流れ落ちた洗浄水は、ホルダ620側、即ち一対の電極端子610側には向かわず、壁部213に案内され、貯水槽210の後側部分210bの左側壁面に沿うようにして貯水槽210の前側部分210aに流れる。そして、洗浄水は、前側部分210aにおいて周壁面(左側壁面、前側壁面、右側壁面および後側壁面)伝いに流れ、前側部分210aを周回し、後側部分210bにおける壁部213よりも右側の領域に向かう。後側部分210bにおける壁部213よりも左側の領域では、流れ落ちた洗浄水により水面に波立ちが生じ得るが、生じた波は壁部213によって止められ、一対の電極端子610が位置する壁部213よりも右側の領域に伝播しにくい。
【0120】
供給ノズル500から供給された洗浄水が貯水槽210内に溜まり、貯水槽210内の水位が上昇していく。そして、貯水槽210内の水位が規定水位Lに到達すると、一対の電極端子610が洗浄水に接触して導通状態となる。これにより、検出回路400から制御部16に検出信号が出力される。制御部16によりサブバルブ73が閉じられ、自動投入機構80、即ち給水ユニット70からの洗浄水の供給が停止する。
【0121】
上述の通り、流れ落ちた洗浄水により水面に生じた波は、一対の電極端子610が位置する領域に伝播しにくい。よって、波立ちの影響を受けにくくなり、一対の電極端子610により精度良く水位の検出を行うことができる。
【0122】
さらに、上述の通り、供給ノズル500から供給された洗浄水が貯水槽210内で周回するため、洗剤が水に混ざりながら流れる距離が長くなる。このため、洗浄水に含まれる水と洗剤とが混ざりやすくなり、洗剤濃度が均一な洗浄水が得られやすくなる。
【0123】
なお、洗浄水の洗剤濃度により一対の電極端子610間に流れる電流が変化し、検出回路400からの検出信号のパルス幅が変化する。制御部16は、検出信号のパルス幅に基づいて洗剤が不足している、あるいは、洗剤が含まれてないと判断した場合、図示しない報知部により報知を行う。
【0124】
こうして、給水ユニット70からの洗浄水の供給により、貯水槽210内に規定水位Lに対応する所定量の洗浄水であって、所定洗剤濃度の洗浄水が溜められる。
【0125】
貯水槽210内に洗浄水が溜められると、ユーザは、被洗浄物の汚れの付着部分を、貯水槽210と超音波発生体110の振動ホーン112との間にセットする。被洗浄物の汚れの付着部分が洗浄水に浸され、被洗浄物の内部に浸透した洗浄水が表面に浸み出す。被洗浄物の表面には薄い水の層が形成され、この水の層に振動ホーン112が接触する状態となる。
【0126】
超音波振動子111に通電が行われて、超音波発生体110が作動する。振動ホーン112の先端から超音波が発生し、超音波の作用によって被洗浄物から汚れが剥離する。この際、洗剤の力が加わることにより、洗浄力が高まる。
【0127】
超音波発生体110の動作が開始されてから定期的に、水位検出モジュール600により貯水槽210内の水位が検出される。検出の結果、一対の電極端子610が導通状態になく、貯水槽210内の水位が規定水位Lより低いと制御部16により判定された場合、規定水位Lに到達するまで、給水ユニット70により洗浄水の補給が行われる。
【0128】
超音波発生体110が動作を開始してから、所定の運転時間が経過すると、超音波発生体110の動作が停止され、洗浄運転が終了する。
【0129】
ユーザは、図3(b)および(c)のように、超音波洗浄装置50を収納部17に収納する。弁可動部材230の動作により、弁体220が排水口212から離れ、排水口212が開放される。排水口212が開放されると、貯水槽210内の洗浄水が排水受け部60へ排出される。排水受け部60に排出された洗浄水は、排出孔61から排出され、排水パイプ62、溢水パイプ26および排水ホース41を流れて、機外へ排出される。
【0130】
洗浄運転の際、ユーザは、汚れ部分を振動ホーン112の位置に持っていくため、貯水部200上で、適宜、被洗浄物を動かす。ホルダ620では、一対の電極端子610における外部に露出した端子部611の下側部分611aが囲い部643に覆われている。このため、動かされた被洗浄物やユーザの指などが、一対の電極端子610の端子部611に接触することが防止される。
【0131】
さらに、囲い部643は開放部644を有しており、当該開放部644を通じて端子部611の下側部分611aが外部に露出する。これにより、洗浄水の接触する下側部分611aの表面積を十分に確保でき、一対の電極端子610による水位の検出精度を十分に確保できる。しかも、開放部644は、超音波洗浄装置50を正面から見たときに、開放部644を通じて端子部611の下側部分611aの周壁面を視認できない位置に設けられる。このため、囲い部643が開放部644を有していても、被洗浄物や指などが開放部644を通じて一対の電極端子610の端子部611に接触しにくい。よって、囲い部643による被洗浄物等の電極端子610への接触防止効果が低下しにくい。
【0132】
超音波洗浄装置50の使用回数が重ねられている間に、洗剤水に含まれいた洗剤が乾いた状態で一対の電極端子610の端子部611の下側部分611aにこびりつき得る。こうなると、水位検出モジュール600による水位検出の精度の低下が生じ得る。よって、ユーザにより、定期的な一対の電極端子610の清掃が行われ得る。この際、超音波洗浄装置50は収納部17から引き出され、貯水部200は取り外される。
【0133】
上述の通り、ホルダ620は、基体部300の開口部302内に、当該開口部302の右側面側に寄せられて配置されており、開口部302内では、ホルダ620の左側に大きなスペースが開いている。そして、ホルダ620の開放部644は、開口部302の左側面の方向を向いている。これにより、ユーザは、上記スペースにブラシ等の清掃具を挿入し、当該清掃具により、開放部644を通じて一対の電極端子610の端子部611を容易に清掃でき、端子部611にこびりついた洗剤を良く除去できる。
【0134】
さらに、開口部302内には、上部、即ち上開口部302bのホルダ620の左側に、供給ノズル500の先端部500bが存在するが、当該先端部500bでは、流出口部503が、ホルダ620から離れる方向、即ち左方向に、前方から見て下側部分の幅が上側部分の幅より小さくなるように凹んでいる。よって、供給ノズル500の先端部500bが存在していても、清掃具が挿入される上記スペースが確保されやすい。
【0135】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、超音波洗浄装置50が、洗浄水が溜められる貯水槽210が形成された貯水部200と、貯水槽210内の洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部100と、貯水部200が離脱可能に装着される基体部300と、貯水槽210内の水位を検出するための一対の電極端子610と、基体部300に固定され、一対の電極端子610を、規定水位Lまで溜められた洗浄水が接触する位置に保持するホルダ620と、を備える。
【0136】
この構成によれば、一対の電極端子610が保持されたホルダ620が、貯水部200の装着先である基体部300に固定されるので、貯水槽210に対する一対の電極端子610の高さ位置が組立誤差によりばらつきにくい。これにより、規定水位Lの検出を精度良く行うことが可能となる。
【0137】
また、ホルダ620が、超音波洗浄装置50から取り外されない基体部300に固定されているので、一対の電極端子610と接続線630とを接続したり切り離したりできる構造が不要であり、一対の電極端子610を配置するための構造が簡素になる。
【0138】
さらに、本実施の形態によれば、ホルダ620が、水平方向に所定の間隔を開けて配置され、それぞれが各電極端子610を保持する一対の端子保持部640を含む。各端子保持部640は、各電極端子610の端子部611が貫通する孔部642であって、当該孔部642から端子部611の下側部分611aが下方に突出する孔部642と、下側部分611aの周壁面を囲む囲い部643と、を含む。囲い部643は、周方向に途切れて開放部644を有する。そして、開放部644は、超音波洗浄装置50を正面から見たときに、開放部644を通じて下側部分611aの周壁面を視認できない位置に設けられる。
【0139】
この構成によれば、外部に露出した端子部611の下側部分611aが囲い部643に覆われているため、洗浄運転の際、被洗浄物やユーザの指などが、一対の電極端子610の端子部611に接触することが防止される。
【0140】
さらに、囲い部643の開放部644を通じて端子部611の下側部分611aが外部に露出するので、洗浄水の接触する下側部分611aの表面積を十分に確保でき、一対の電極端子610による水位の検出精度を十分に確保できる。しかも、開放部644は、超音波洗浄装置50を正面から見たときに、開放部644を通じて端子部611の下側部分611aの周壁面を視認できない位置に設けられる。このため、被洗浄物や指などが開放部644を通じて一対の電極端子610の端子部611に接触しにくい。よって、囲い部643による被洗浄物等の電極端子610への接触防止効果が低下しにくい。
【0141】
さらに、本実施の形態によれば、ホルダ620が、一対の端子保持部640に接続された、直立する左縦壁部653を含み、左縦壁部653における端子間部分653aの下端縁653bが規定水位Lよりも高い位置に存在する。
【0142】
この構成によれば、端子間部分653aの下端縁653bが、規定水位Lまで溜められた洗浄水に浸らないないので、貯水槽210内から洗浄水が排出された後も端子間部分653aの下端縁653bに洗浄水が付着して残り一対の電極端子610が導通状態となってしまう、ということが防止される。よって、一対の電極端子610による規定水位Lの誤検出を防止できる。
【0143】
さらに、本実施の形態によれば、ホルダ620が、一対の端子保持部640の上部に接続された、横倒する第1横壁部661を含む。第1横壁部661には、一方の端子保持部640側から他方の端子保持部640側に向かって傾斜する傾斜面661aが設けられる。
【0144】
この構成によれば、第1横壁部661上に洗浄水が掛かっても、洗浄水は傾斜面661aを流れることにより第1横壁部661上に残りにくい。
【0145】
さらに、本実施の形態によれば、ホルダ620が、第1横壁部661から立ち上がり、2つの端子保持部640の間を遮るに第1壁部663を含む。
【0146】
この構成によれば、第1横壁部661上に洗浄水が残っても、残った洗浄水は第1壁部663より分断される。よって、第1横壁部661上に残った洗浄水により一対の電極端子610が導通状態となってしまうことを防止できる。
【0147】
さらに、本実施の形態によれば、基体部300が、貯水部200の後側部分210bが通される開口部302を有する。ホルダ620は、開口部302内に、当該開口部302の右側面側に寄せられて配置される。各囲い部643の開放部644は、開口部302の左側面の方向を向く。
【0148】
この構成によれば、ユーザは、ホルダ620の左側のスペースに清掃具を挿入し、当該清掃具により、開放部644を通じて一対の電極端子610の端子部611を容易に清掃でき、端子部611にこびりついた洗剤を良く除去できる。
【0149】
さらに、本実施の形態によれば、供給ノズル500が、下方に開口する流出口503aを有する。流出口503aとホルダ620とが超音波洗浄装置50の左右方向に並んだ状態において、流出口503aから洗浄水が貯水槽210内に流れ落ちる。貯水槽210には、流出口503aとホルダ620との間に位置し、超音波洗浄装置50の前後方向に長尺な壁部213が設けられる。
【0150】
この構成によれば、流出口503aから流れ落ちた洗浄水により水面に生じた波は、一対の電極端子610が位置する領域に伝播しにくい。よって、波立ちの影響を受けにくくなり、一対の電極端子610により精度良く水位の検出を行うことができる。
【0151】
さらに、供給ノズル500から供給された洗浄水が貯水槽210内で周回するため、洗浄水に含まれる水と洗剤とが混ざりやすくなり、洗剤濃度が均一な洗浄水が得られやすくなる。
【0152】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0153】
たとえば、上記実施の形態では、ホルダ620は、基体部300の開口部302の右側面側に寄せて配置されるようにして基体部300に固定される。しかしながら、ホルダ620は、基体部300に固定され、一対の電極端子610を、規定水位Lまで溜められた洗浄水が接触する位置に保持できれば、如何なる形態で基体部300に保持されてもよい。たとえば、ホルダ620は、基体部300の開口部302の左側面側に寄せられてもよい。この場合、供給ノズル500は、先端部500bがホルダ620の右側に位置するように配置される。さらに、各端子保持部640の囲い部643の開放部644は、開口部302の右側面の方向を向く。また、たとえば、ホルダ620は、基体部300の開口部302内に配置されなくてもよい。
【0154】
さらに、上記実施の形態では、各端子保持部640の囲い部643は、U字の筒状を有しており、開放部644によって左方向にのみ開放されている。しかしながら、囲い部643は、開放部644を通じて端子部611の下側部分611aの周壁面を視認できない位置に設けられれば、開放部644によって一方向のみに開放されていなくてよい。たとえば、図11(a)および(b)に示すように、囲い部643が、J字の筒状を有し、開放部644によって左方向および後方向に開放されるような構成とされてもよい。
【0155】
さらに、ホルダ620の構成は、上記実施の形態の構成に限られない。即ち、ホルダ620は、一対の電極端子610を保持できれば、上記実施の形態の構成以外の構成とされてもよい。
【0156】
さらに、上記実施の形態では、ホルダ620と供給ノズル500の先端部500bとが左右方向に並んでいる。しかしながら、ホルダ620と供給ノズル500の先端部500bとが並ばない構成が採られてもよい。この場合、貯水槽210には、壁部213が設けられなくてもよい。
【0157】
さらに、上記実施の形態では、給水ユニット70により、洗剤が混合された水が、洗浄水として、貯水槽210に供給される。しかしながら、給水ユニット70により、洗剤が混入されていない水が貯水槽210に供給されてもよい。この場合、水のみが、洗浄水として貯水槽210に溜められてもよいし、貯水槽210内で水と洗剤とを含む洗浄水が生成されるよう、直接、貯水槽210内に液体洗剤等の洗剤を自動投入する洗剤投入装置が設けられてもよい。
【0158】
さらに、上記実施の形態において、自動投入機構80は、洗剤と柔軟剤とを自動投入可能な構成とされてもよい。この場合、液体の柔軟剤を収容する柔軟剤タンクが設けられる。柔軟剤タンクは、供給パイプと三方バルブとを介して、サブ給水路84に繋がる。すすぎ工程の際、洗剤タンク81からの洗剤の供給と同様な動作により、柔軟剤タンク内の柔軟剤が洗濯脱水槽22内へ供給される。
【0159】
さらに、超音波洗浄部100、貯水部200、基体部300、給水ユニット70および供給ノズル500の構成は、上記実施の形態に示された構成に限られない。
【0160】
さらに、上記実施の形態では、超音波洗浄装置50が全自動洗濯機1に備えられる。しかしながら、超音波洗浄装置50が、全自動洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、ドラム式洗濯機に備えられてもよい。
【0161】
また、超音波洗浄装置50が、たとえば、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機やドラム式洗濯乾燥機に備えられてもよい。ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯乾燥機では、外槽内に、内槽であるドラムが配置される。
【0162】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0163】
1 全自動洗濯機(洗濯機)
50 超音波洗浄装置
70 給水ユニット(給水部)
100 超音波洗浄部
200 貯水部
200a 前側部分
200b 後側部分
210 貯水槽
210a 前側部分
210b 後側部分
213 壁部
300 基体部
302 開口部
500 供給ノズル(供給部材)
500b 先端部
503a 流出口
610 電極端子
611 端子部
611a 下側部分
612 頭部
620 ホルダ
640 端子保持部
642 孔部
643 囲い部
644 開放部
653 左縦壁部(縦壁部)
653a 端子間部分
653b 下端縁
661 第1横壁部(横壁部)
661a 傾斜面
663 第1壁部(遮壁部)
L 規定水位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11