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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118007
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
B25J19/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024153
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】出村 暢啓
(72)【発明者】
【氏名】荒木 孝
(72)【発明者】
【氏名】増井 太志
(72)【発明者】
【氏名】谷内 亮
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS12
3C707BT05
3C707CT05
3C707CV08
3C707CW08
3C707CX01
3C707CX03
3C707CX09
3C707CY17
3C707CY27
3C707CY29
3C707CY32
3C707DS01
3C707HS27
3C707KV01
(57)【要約】
【課題】緩衝部材の破片が飛散することを抑制できるロボットを提供する。
【解決手段】このロボット100は、第1アーム部22と、第1アーム部22に対して相対的に移動する回転台21と、第1アーム部22の一部である突出部22aと回転台21の一部である突出部21bとを含み第1アーム部22と回転台21との相対的な移動を規制する第1規制部51と、第1アーム部22の突出部22aと、回転台21の突出部21bとの間に配置される第2緩衝部材62と、突出部22aに配置され、第2緩衝部材62を覆うカバー部材72と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材に対して相対的に移動する第2部材と、
前記第1部材の一部である第1部分と前記第2部材の一部である第2部分とを含み、前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動を規制する規制部と、
前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に、かつ、前記第1部分と前記第2部分との間に配置される緩衝部材と、
前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に配置され、前記緩衝部材を覆うカバー部材と、を備える、ロボット。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記第1部分と前記第2部分とが接近した際に、前記緩衝部材のうちの前記第1部分と前記第2部分とのうちの少なくとも一方に対向する部分以外の部分を取り囲むように覆う、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記緩衝部材は、
前記規制部に接触する第1面と、
前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動方向において、前記第1面とは反対側に配置される第2面と、
前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を含み、
前記カバー部材は、前記緩衝部材の前記第3面を取り囲むように覆う取り囲み部分を含む、請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記取り囲み部分は、前記緩衝部材の前記第3面の全周を取り囲むように覆う、請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
前記取り囲み部分は、前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動方向において、前記緩衝部材の前記第3面の全ては覆わずに、前記緩衝部材の前記第3面の半分以上を覆う、請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に取り付けられる取付部を含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項7】
前記緩衝部材は、ゴム部材または樹脂部材を含み、
前記カバー部材は、板金部材を含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項8】
前記カバー部材は、折り曲げられた板金部材である、請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
前記緩衝部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの一方に配置され、
前記カバー部材は、前記緩衝部材を覆うように、前記第1部材と前記第2部材とのうちの一方に配置されている、請求項1に記載のロボット。
【請求項10】
前記緩衝部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの一方に配置され、
前記カバー部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの他方に配置されている、請求項1に記載のロボット。
【請求項11】
基台と、
前記基台に対して回転する回転台と、を備え、
前記第1部材は、前記基台を含み、
前記第2部材は、前記回転台を含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項12】
回転台と、前記回転台に接続されるアーム部と、を含むロボットアームを備え、
前記第1部材は、前記アーム部を含み、
前記第2部材は、前記回転台を含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項13】
第1アーム部と、前記第1アーム部に対して相対的に回転する第2アーム部と、を含むロボットアームを備え、
前記第1部材は、前記第1アーム部を含み、
前記第2部材は、前記第2アーム部を含む、請求項1に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、緩衝部材を備えるロボットが知られている。特許文献1では、基台と、第1アーム部と、第2アーム部と、を備えるロボットが開示されている。第1アーム部は、基台に対して回転する。第1アーム部と第2アーム部とは、相対的に回転する。第1アーム部には、第1アーム部の回転軸から離間する方向に突出する突出部が形成されている。突出部には、基台に対する第1アーム部の回転を静止させるための制動力を補助するための弾性部材が配置されている。弾性部材は、ゴムである。基台には、規制部が配置されている。規制部は、第1アーム部の回転軸から離間する方向に突出している。そして、第1アーム部が回転することにより、第1アーム部の突出部と、基台の規制部との間に弾性部材が挟み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-76975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、弾性部材がゴムであるため、第1アーム部が回転した際に、第1アーム部の突出部と基台の規制部との間に挟み込まれた弾性部材は押しつぶされる。その結果、緩衝部材としての弾性部材の破片が飛散する。そこで、緩衝部材の破片の飛散を抑制できるロボットが望まれている。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、緩衝部材の破片の飛散を抑制できるロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一の局面によるロボットは、第1部材と、第1部材に対して相対的に移動する第2部材と、第1部材の一部である第1部分と第2部材の一部である第2部分とを含み、第1部材と第2部材との相対的な移動を規制する規制部と、第1部材と第2部材とのうちの少なくとも一方に、かつ、第1部分と第2部分との間に配置される緩衝部材と、第1部材と第2部材とのうちの少なくとも一方に配置され、緩衝部材を覆うカバー部材と、を備える。
【0007】
この開示の一の局面によるロボットは、上記のように、緩衝部材を覆うように配置されているカバー部材を備える。これにより、第1部分と第2部分とが接近した際において、第1部分と第2部分との間に配置される緩衝部材が変形して破片が生じた場合でも、破片はカバー部材により覆われている。その結果、緩衝部材の破片の飛散を抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ロボットは、緩衝部材の破片の飛散を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるロボットを示す図である。
図2】一実施形態によるロボットおよび制御装置のブロック図である。
図3】一実施形態による基台に配置される緩衝部材およびカバー部材を示す図である。
図4】一実施形態による基台に配置される緩衝部材およびカバー部材と、第1アーム部の回転台側の部分に配置される緩衝部材およびカバー部材と、を示す図である。
図5】一実施形態による第1アーム部の回転台側の部分に配置される緩衝部材およびカバー部材を示す図である。
図6】一実施形態による第1アーム部の第2アーム部側の部分に配置される緩衝部材およびカバー部材を示す図である。
図7】一実施形態による第1アーム部の回転台側の部分に配置される緩衝部材およびカバー部材を示す拡大図である。
図8】カバー部材が取り外された状態の緩衝部材を示す図である。
図9】一実施形態によるカバー部材を示す図である。
図10図9に示されるカバー部材を別の角度から見た図である。
図11】変形例による回転台に配置されたカバー部材と第1アーム部に配置された緩衝部材とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を具体化した本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本願明細書において、上下方向をZ方向とする。上方側をZ1側とし、下方側をZ2側とする。Z方向に直交する方向をX方向とする。X方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とする。Z方向およびX方向に直交する方向をY方向とする。Y方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とする。
【0011】
図1に示すように、ロボット100は、垂直多関節ロボットである。ロボット100は、基台10と、基台10に取り付けられるロボットアーム20を含む。ロボットアーム20の先端には、エンドエフェクタが取り付けられる。基台10は、第1部材の一例である。
【0012】
ロボット100は、複数の関節軸JTを含む。たとえば、ロボットアーム20は、6個の関節軸JT1、JT2、JT3、JT4、JT5およびJT6を含む。すなわち、ロボットアーム20は、6軸の垂直多関節ロボットである。関節軸JTの数は、6個以外でもよい。また、関節軸JT1から関節軸JT6までの各々には、図2に示す駆動部40が配置されている。
【0013】
ロボットアーム20は、回転台21と、第1アーム部22と、第2アーム部23と、手首部24と、を含む。基台10と、回転台21とは、関節軸JT1により接続されている。関節軸JT1は、Z方向に沿っている。回転台21と第1アーム部22とは、関節軸JT2により接続されている。関節軸JT2は、水平方向に沿っている。第1アーム部22と第2アーム部23とは、相対的に回転する。第1アーム部22と第2アーム部23とは、関節軸JT3により接続されている。関節軸JT3は、水平方向に沿っている。具体的には、第2アーム部23は、リンク部231とリンク部232と、を含む。第1アーム部22には、リンク部231が接続されている。また、リンク部231とリンク部232とは、関節軸JT4により接続されている。関節軸JT4は、関節軸JT3に対して直交する方向に沿っている。第2アーム部23のリンク部232と手首部24とは、関節軸JT5により接続されている。具体的には、手首部24は、第1部材241と第2部材242と、を含む。第2アーム部23には、第1部材241が接続されている。また、第1部材241と第2部材242とは、関節軸JT6により接続されている。関節軸JT6は、関節軸JT5に対して直交する方向に沿っている。回転台21は、第2部材の一例である。第1アーム部22は、第1部材およびアーム部の一例である。第2アーム部23は、第2部材の一例である。
【0014】
図2に示すように、ロボット100には、制御装置30が接続されている。制御装置30は、メイン制御部31と、サーボ制御部32と、駆動回路部33と、を含む。メイン制御部31、および、サーボ制御部32は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を含む。メイン制御部31は、ロボット100の関節軸JTを制御する。サーボ制御部32は、メイン制御部31からの指令に基づいて関節軸JTの駆動部40に供給される電力を制御する。
【0015】
駆動回路部33は、関節軸JTの駆動部40に駆動電力を供給する。駆動回路部33は、駆動部40に交流電力を供給するインバータ回路を含む。駆動回路部33は、関節軸JTごとに配置されている。
【0016】
駆動部40は、ロボット100を動作させるための駆動源となる。駆動部40は、サーボモータとエンコーダと減速機とを含む。サーボモータは電力が供給されることによって回転する。サーボモータは、たとえば、三相の交流電力により回転軸が回転する。エンコーダは、サーボモータの回転角を検出する。そして、エンコーダは、検出されたサーボモータの回転角を示す検出値をメイン制御部31およびサーボ制御部32に出力する。
【0017】
ここで、本実施形態では、図1に示すように、ロボット100は、規制部50と、緩衝部材60と、カバー部材70と、を備える。規制部50は、第1規制部51と、第2規制部52と、第3規制部53と、を含む。第1規制部51と、第2規制部52と、第3規制部53とは、規制部の一例である。
【0018】
第1規制部51は、図3に示す基台10の一部である突出部11と、図4に示す回転台21の一部である突出部21aとを含み、基台10と回転台21との相対的な移動を規制する。図3に示すように、突出部11は、基台10に固定されている。具体的には、基台10は、回転台21が載置される載置部12を含む。載置部12は、Z1側から見て、円盤形状を有する。突出部11は、載置部12の外縁近傍に配置されている。突出部11は、Z1側に突出している。図4に示すように、突出部21aは、回転台21における位置を変更することが可能である。突出部21aは、回転台21の外周に配置されている。突出部21aは、関節軸JT1周りに、回転台21の外周における位置を変更することが可能である。突出部21aは、回転台21の外周において、Z2側に突出している。回転台21が関節軸JT1周りに過度に回転することにより、基台10の突出部11と、回転台21の突出部21aとが接触する。突出部11は、第1部分の一例である。突出部21aは、第2部分の一例である。
【0019】
図5に示すように、第2規制部52は、回転台21の一部である突出部21bと第1アーム部22の一部である突出部22aとを含み、回転台21と第1アーム部22との相対的な移動を規制する。具体的には、回転台21は、第1アーム部22が取り付けられる取付部21cを含む。取付部21cは、Z1側に沿うように配置されている。突出部21bは、取付部21cに配置されている。突出部21bは、取付部21cからX1側に突出している。なお、突出部21bは、取付部21cのY2側にも配置されている。突出部22aは、第1アーム部22のX2側の側面に配置されている。突出部22aは、第1アーム部22から、X2側に突出している。第1アーム部22が関節軸JT2周りに過度に回転することにより、第1アーム部22の突出部22aと、回転台21の突出部21bとが接触する。突出部21bは、第2部分の一例である。突出部22aは、第1部分の一例である。
【0020】
図6に示すように、第3規制部53は、第1アーム部22の一部である突出部22bと第2アーム部23の一部である突出部23aとを含み、第1アーム部22と第2アーム部23との相対的な移動を規制する。具体的には、突出部22bは、第1アーム部22のX2側の側面に配置されている。突出部22bは、第1アーム部22から、X2側に突出している。突出部23aは、第2アーム部23から、X1側に突出している。図1に示すように、突出部22bと突出部23aとは、ロボット100のY1側にも配置されている。第1アーム部22と第2アーム部23とが相対的に関節軸JT3周りに過度に回転することにより、第1アーム部22の突出部22bと、第1アーム部22の突出部23aとが接触する。突出部22bは、第1部分の一例である。突出部23a、第2部分の一例である。
【0021】
緩衝部材60は、第1緩衝部材61と、第2緩衝部材62と、第3緩衝部材63と、を含む。図4に示すように、第1緩衝部材61は、基台10に配置されており、かつ、基台10の突出部11と回転台21の突出部21aとの間に配置されている。具体的には、図3に示すように、第1緩衝部材61は、突出部11のC1a側とC1b側との両方に配置されている。なお、C1a側およびC1b側は、それぞれ、関節軸JT1周りの回転方向であるC1方向の一方側および他方側を意味する。第1緩衝部材61と、第2緩衝部材62と、第3緩衝部材63とは、緩衝部材の一例である。
【0022】
図5に示すように、第2緩衝部材62は、第1アーム部22に配置されており、かつ、回転台21の突出部21bと第1アーム部22の突出部22aとの間に配置されている。具体的には、第2緩衝部材62は、突出部22aのC2a側とC2b側との両方に配置されている。なお、C2a側およびC2b側は、それぞれ、関節軸JT2周りの回転方向であるC2方向の一方側および他方側を意味する。
【0023】
図6に示すように、第3緩衝部材63は、第1アーム部22に配置されており、かつ、第1アーム部22の突出部22bと第2アーム部23の突出部23aとの間に配置されている。具体的には、第3緩衝部材63は、突出部22bにおいて、第2アーム部23の突出部23aと接触する側に配置されている。図6に示される第3緩衝部材63は、突出部22bのC3a側に配置されている。図1に示される第3緩衝部材63は、突出部22bのC3b側に配置されている。なお、C3a側およびC3b側は、それぞれ、関節軸JT3周りの回転方向であるC3方向の一方側および他方側を意味する。
【0024】
カバー部材70は、第1カバー部材71と、第2カバー部材72と、第3カバー部材73と、を含む。図3に示すように、第1カバー部材71は、基台10に配置され、第1緩衝部材61を覆うように配置されている。第1カバー部材71は、基台10の突出部11に配置されている。図5に示すように、第2カバー部材72は、第1アーム部22に配置され、第2緩衝部材62を覆うように配置されている。第2カバー部材72は、第1アーム部22の突出部22aに配置されている。図1および図6に示すように、第3カバー部材73は、第1アーム部22に配置され、第3緩衝部材63を覆うように配置されている。第3カバー部材73は、突出部22bに配置されている。第1緩衝部材61、第2緩衝部材62および第3緩衝部材63の構成は同様である。また、第1カバー部材71、第2カバー部材72および第3カバー部材73の構成は同様である。したがって、以下では、第2緩衝部材62および第2カバー部材72について説明する。第1カバー部材71と、第2カバー部材72と、第3カバー部材73と、は、カバー部材の一例である。
【0025】
本実施形態では、図7に示すように、第2カバー部材72は、回転台21の突出部21bと第1アーム部22の突出部22aとが接近した際に、第2緩衝部材62のうちの突出部21bに対向する部分以外の部分を取り囲むように覆う。具体的には、図8に示すように、緩衝部材60は、直方体形状を有する。第2緩衝部材62は、第1面60aと、第2面60bと、第3面60cとを含む。第1面60aは、回転台21の突出部21bに接触する面である。第2面60bは、回転台21と第1アーム部22との相対的な移動方向であるC2方向において、第1面60aとは反対側に配置される面である。第3面60cは、第1面60aと第2面60bとを接続する面である。第3面60cは、第1面60aと第2面60bとを接続するように4つ配置されている。また、第2緩衝部材62は、取付部60dを含む。取付部60dは、第1アーム部22の突出部22aの表面に沿うように配置されている。ネジなどの螺合部80によって、取付部60dが第1アーム部22の突出部22aに締結されることにより、第2緩衝部材62が突出部22aに固定されている。
【0026】
本実施形態では、図7に示すように、第2カバー部材72は、取り囲み部分70aを含む。取り囲み部分70aは、第2緩衝部材62の第3面60cを取り囲むように覆う。具体的には、取り囲み部分70aは、第2緩衝部材62の第3面60cの全周を取り囲むように覆う。取り囲み部分70aは、4つの第3面60cを取り囲む。取り囲み部分70aは、4つの第3面60cを取り囲むように、枠形状を有する。
【0027】
本実施形態では、取り囲み部分70aは、回転台21と第1アーム部22との相対的な移動方向であるC2方向において、第2緩衝部材62の第3面60cの全ては覆わずに、第2緩衝部材62の第3面60cの半分以上を覆う。これにより、第2緩衝部材62は、第2カバー部材72よりも、C2b側に突出している。
【0028】
本実施形態では、第2カバー部材72は、取付部70bを含む。取付部70bは、第1アーム部22に取り付けられる。取付部70bは、第1アーム部22の突出部22aに沿うように配置されている。図9に示すように、取付部70bには、孔部70cが形成されている。図7に示すように、孔部70cに挿入されたネジなどの螺合部81が、第1アーム部22の突出部22aに締結されることにより、第2カバー部材72が突出部22aに固定されている。
【0029】
本実施形態では、第2緩衝部材62は、ゴム部材または樹脂部材を含む。また、第2カバー部材72は、板金部材を含む。カバー部材70は、折り曲げられた板金部材である。第2カバー部材72の取り囲み部分70aは、4つの第3面60cを取り囲むように折り曲げられている。図10に示すように、4つの第3面60cを取り囲むように折り曲げられている取り囲み部分70aの端部70d同士は、固定されていない。また、取り囲み部分70aおよび取付部70bは、板金部材により一体的に形成されている。なお、カバー部材70を、取り囲み部分70aの一部および取付部70bを含む部材と、取り囲み部分70aの残りの部分を含む部材とのように、複数の部材から構成してもよい。
【0030】
[本実施形態の効果]
ロボット100は、第2緩衝部材62を覆う第2カバー部材72を備える。これにより、突出部22aと、突出部21bとが接近した際に、突出部22aと突出部21bとの間に配置される緩衝部材60が変形して破片が生じた場合でも、破片は第2カバー部材72により覆われている。その結果、緩衝部材62の破片の飛散を抑制できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0031】
第2カバー部材72は、回転台21の突出部21bと第1アーム部22の突出部22aとが接近した際に、第2緩衝部材62のうちの突出部21bに対向する部分以外の部分を取り囲むように覆う。これにより、第2緩衝部材62の一部分が露出しているので、第2緩衝部材62が劣化しているか否かを目視によって容易に確認できる。
【0032】
第2緩衝部材62は、第2規制部52に接触する第1面60aと、第1アーム部22と、回転台21と、の相対的な移動方向において、第1面60aとは反対側に配置される第2面60bと、第1面60aと第2面60bとを接続する第3面60cと、を含む。第2カバー部材72は、第2緩衝部材62の第3面60cを取り囲むように覆う取り囲み部分70aを含む。回転台21の突出部21bと第2緩衝部材62とが接触した場合、第2緩衝部材62の第3面60cが膨らむように変形する。そこで、第2カバー部材72が、第2緩衝部材62の第3面60cを取り囲むように覆う取り囲み部分70aを含むことにより、第2緩衝部材62の第3面60cが変形することにより生じる破片の飛散を取り囲み部分70aにより抑制できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0033】
取り囲み部分70aは、緩衝部材60の第3面60cの全周を取り囲むように覆う。これにより、取り囲み部分70aが第3面60cの全周を取り囲むように覆うので、緩衝部材60の第3面60cが変形することにより生じる破片の飛散をより抑制できる。
【0034】
取り囲み部分70aは、第1アーム部22と、回転台21と、の相対的な移動方向において、第2緩衝部材62の第3面60cの全ては覆わずに、第2緩衝部材62の第3面60cの半分以上を覆う。これにより、第2緩衝部材62の第3面60cのうち比較的大きな部分が取り囲み部分70aにより覆われるので、第2緩衝部材62の第3面60cが変形することにより生じる破片の飛散を抑制できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0035】
第2カバー部材72は、第1アーム部22に取り付けられる取付部70bを含む。これにより、取付部70bにより、第1アーム部22に第2カバー部材72を容易に取り付けることができる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0036】
第2緩衝部材62は、ゴム部材または樹脂部材を含む。第2カバー部材72は、板金部材を含む。これにより、第2緩衝部材62が比較的柔らかいゴム部材または樹脂部材を含むので、第2緩衝部材62によって、第1アーム部22の突出部22aと回転台21の突出部21bとが直接衝突することによる衝撃が緩和される。また、第2カバー部材72が板金部材であるので、第2カバー部材72は、第2緩衝部材62とともに変形しやすい。これにより、第2カバー部材72が硬すぎることに起因して、第2カバー部材72に接触する回転台21の突出部21bの損傷を抑制できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0037】
第2カバー部材72は、折り曲げられた板金部材である。これにより、板金部材により第2カバー部材72を容易に形成できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0038】
第2緩衝部材62は、第1アーム部22に配置されている。第2カバー部材72は、第2緩衝部材62を覆うように、第1アーム部22の突出部22aに配置されている。これにより、第2緩衝部材62が予め第2カバー部材72により覆われているので、第1アーム部22の突出部22aと回転台21の突出部21bとが接近した際に、第2緩衝部材62の破片が飛散することを確実に抑制できる。なお、第1カバー部材71および第3カバー部材73についても同様の効果を奏する。
【0039】
ロボット100は、基台10と、基台10に対して回転する回転台21と、を備える。回転台21が過度に回転することにより、基台10の突出部21aと第1緩衝部材61とが接触して、第1緩衝部材61の破片が飛散する場合がある。そこで、第1緩衝部材61を覆うように第1カバー部材71を配置することは、第1緩衝部材61の破片の飛散を抑制する点において特に有効である。
【0040】
ロボット100は、回転台21と、回転台21に接続される第1アーム部22と、を含むロボットアーム20を備える。第1アーム部22が過度に回転することにより、回転台21の突出部21aと第2緩衝部材62とが接触して、第2緩衝部材62の破片が飛散する場合がある。そこで、第1アーム部22に配置される第2緩衝部材62を覆うように第2カバー部材72を配置することは、第2緩衝部材62の破片の飛散を抑制する点において特に有効である。
【0041】
ロボット100は、第1アーム部22と、第1アーム部22に対して相対的に回転する第2アーム部23と、を含むロボットアーム20を備える。第1アーム部22および第2アーム部23が相対的に過度に回転することにより、第2アーム部23の突出部23aと第3緩衝部材63とが接触して、第3緩衝部材63の破片が飛散する場合がある。そこで、第3緩衝部材63を覆うように第3カバー部材73を配置することは、第3緩衝部材63の破片の飛散を抑制する点において特に有効である。
【0042】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0043】
上記実施形態では、基台10に第1緩衝部材61および第1カバー部材71が配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、回転台21の突出部21aに、第1緩衝部材61および第1カバー部材71を配置してもよい。
【0044】
上記実施形態では、第1アーム部22に第2緩衝部材62および第2カバー部材72が配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、回転台21の突出部21bに、第2緩衝部材62および第2カバー部材72を配置してもよい。
【0045】
上記実施形態では、第1アーム部22に第3緩衝部材63および第3カバー部材73が配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第2アーム部23の突出部23aに、第3緩衝部材63および第3カバー部材73を配置してもよい。
【0046】
上記実施形態では、本開示の第1部材として第1アーム部22などを適用し、本開示の第2部材として第2アーム部23などを適用する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、本開示の第1部材としてロボットアーム20を適用し、本開示の第2部材としてロボットアーム20を平行移動させる走行軸を適用してもよい。そして、走行軸とロボットアーム20とが接触する部分に緩衝部材60を配置するとともに、緩衝部材60を覆うようにカバー部材70を配置してもよい。
【0047】
上記実施形態では、カバー部材70が、緩衝部材60の第1面60aを覆わない例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、カバー部材70が、緩衝部材60の第1面60aを覆っていてもよい。
【0048】
上記実施形態では、カバー部材70の取り囲み部分70aが、緩衝部材60の第3面60cの全周を取り囲む例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、カバー部材70の取り囲み部分70aが、緩衝部材60の第3面60cの一部を覆っていてもよい。
【0049】
上記実施形態では、緩衝部材60が直方体形状を有する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、緩衝部材60が円柱形状を有していてもよい。緩衝部材60が円柱形状を有する場合、カバー部材70の取り囲み部分70aは、円筒形状となる。
【0050】
上記実施形態では、緩衝部材60およびカバー部材70が、各々、ネジなどの螺合部80および81によって第1アーム部22などに固定されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、緩衝部材60およびカバー部材70を、接着材などにより、第1アーム部22などに固定してもよい。
【0051】
上記実施形態では、緩衝部材60がゴム部材または樹脂部材である例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、緩衝部材60がゴム部材または樹脂部材以外の部材であってもよい。
【0052】
上記実施形態では、カバー部材70が、板金部材により形成されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、カバー部材70が板金部材以外の比較的柔らかい金属部材から形成されていてもよい。
【0053】
上記実施形態では、回転台21などと、第1アーム部22などとが接触する前に、予め緩衝部材60がカバー部材70に覆われている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、図11に示すように、第2緩衝部材62が、第1アーム部22に配置され、第2カバー部材72が回転台21に配置されていてもよい。そして、第1アーム部22が回転台21に対して回転し、第1アーム部22の突出部22aと回転台21の突出部21bとが接近した際に、カバー部材70が緩衝部材60を覆ってもよい。これにより、回転台21と、第1アーム部22とが接近する際以外は、第2緩衝部材62が露出しているので、使用者は、第2緩衝部材62の劣化を容易に視認できる。
【0054】
上記実施形態では、ロボット100が、6軸の垂直多関節ロボットである例を示したが、本開示はこれに限られない。6軸以外の軸数を有する垂直多関節ロボットや、水平多関節ロボットにも本開示を適用することは可能である。
【0055】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0056】
(項目1)
第1部材と、
前記第1部材に対して相対的に移動する第2部材と、
前記第1部材の一部である第1部分と前記第2部材の一部である第2部分とを含み、前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動を規制する規制部と、
前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に、かつ、前記第1部分と前記第2部分との間に配置される緩衝部材と、
前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に配置され、前記緩衝部材を覆うカバー部材と、を備える、ロボット。
【0057】
(項目2)
前記カバー部材は、前記第1部分と前記第2部分とが接近した際に、前記緩衝部材のうちの前記第1部分と前記第2部分とのうちの少なくとも一方に対向する部分以外の部分を取り囲むように覆う、項目1に記載のロボット。
【0058】
(項目3)
前記緩衝部材は、
前記規制部に接触する第1面と、
前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動方向において、前記第1面とは反対側に配置される第2面と、
前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を含み、
前記カバー部材は、前記緩衝部材の前記第3面を取り囲むように覆う取り囲み部分を含む、項目2に記載のロボット。
【0059】
(項目4)
前記取り囲み部分は、前記緩衝部材の前記第3面の全周を取り囲むように覆う、項目3に記載のロボット。
【0060】
(項目5)
前記取り囲み部分は、前記第1部材と前記第2部材との相対的な移動方向において、前記緩衝部材の前記第3面の全ては覆わずに、前記緩衝部材の前記第3面の半分以上を覆う、項目4に記載のロボット。
【0061】
(項目6)
前記カバー部材は、前記第1部材と前記第2部材とのうちの少なくとも一方に取り付けられる取付部を含む、項目1から項目5までのいずれか1項に記載のロボット。
【0062】
(項目7)
前記緩衝部材は、ゴム部材または樹脂部材を含み、
前記カバー部材は、板金部材を含む、項目1から項目6までのいずれか1項に記載のロボット。
【0063】
(項目8)
前記カバー部材は、折り曲げられた板金部材である、項目7に記載のロボット。
【0064】
(項目9)
前記緩衝部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの一方に配置され、
前記カバー部材は、前記緩衝部材を覆うように、前記第1部材と前記第2部材とのうちの一方に配置されている、項目1から項目8までのいずれか1項に記載のロボット。
【0065】
(項目10)
前記緩衝部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの一方に配置され、
前記カバー部材は、前記第1部分と前記第2部分とのうちの他方に配置されている、項目1から項目9までのいずれか1項に記載のロボット。
【0066】
(項目11)
基台と、
前記基台に対して回転する回転台と、を備え、
前記第1部材は、前記基台を含み、
前記第2部材は、前記回転台を含む、項目1から項目10までのいずれか1項に記載のロボット。
【0067】
(項目12)
回転台と、前記回転台に接続されるアーム部と、を含むロボットアームを備え、
前記第1部材は、前記アーム部を含み、
前記第2部材は、前記回転台を含む、項目1から項目11までのいずれか1項に記載のロボット。
【0068】
(項目13)
第1アーム部と、前記第1アーム部に対して相対的に回転する第2アーム部と、を含むロボットアームを備え、
前記第1部材は、前記第1アーム部を含み、
前記第2部材は、前記第2アーム部を含む、項目1から項目12までのいずれか1項に記載のロボット。
【符号の説明】
【0069】
10 基台(第1部材)
11 突出部(第1部分)
20 ロボットアーム
21 回転台(第2部材)
21a、21b 突出部(第2部分)
22 第1アーム部(第1部材、アーム部)
22a、22b 突出部(第1部分)
23 第2アーム部(第2部材)
23a 突出部(第2部分)
50 規制部
51 第1規制部(規制部)
52 第2規制部(規制部)
53 第3規制部(規制部)
60 緩衝部材
60a 第1面
60b 第2面
60c 第3面
61 第1緩衝部材(緩衝部材)
62 第2緩衝部材(緩衝部材)
63 第3緩衝部材(緩衝部材)
70 カバー部材
70a 取り囲み部分
70b 取付部
71 第1カバー部材(カバー部材)
72 第2カバー部材(カバー部材)
73 第3カバー部材(カバー部材)
100 ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11