(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118015
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024165
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】513215177
【氏名又は名称】株式会社P-CUBE
(74)【代理人】
【識別番号】100135839
【弁理士】
【氏名又は名称】大南 匡史
(72)【発明者】
【氏名】松山 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】松山 泰行
(72)【発明者】
【氏名】赤間 唯儀
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA88
2C088BB05
2C088BB07
2C088CA02
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技場用システムにおいて、遊技媒体貸出機と、認証部を有し、認証部は、認証媒体から認証情報を取得可能であり、認証媒体から取得した認証情報に基づいて以下の(1)~(3)のいずれかの条件を満たすか否かを判別し、いずれかの条件を満たした場合に遊技媒体貸出機による遊技媒体の貸出を制限する構成とする。
(1)単位期間当たりの遊技時間が所定時間以上
(2)単位期間当たりの遊技頻度が所定の回数以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体貸出機と、認証部を有し、
前記認証部は、認証媒体から認証情報を取得可能であり、
前記認証媒体から取得した認証情報に基づいて以下の(1)~(3)のいずれかの条件を満たすか否かを判別し、いずれかの条件を満たした場合に遊技媒体貸出機による遊技媒体の貸出を制限する、遊技場用システム。
(1)単位期間当たりの遊技時間が所定時間以上
(2)単位期間当たりの遊技頻度が所定の回数以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
【請求項2】
機械学習部と推定部を有し、
前記機械学習部は、過去の遊技者の履歴に関する履歴情報を含む第1データと、遊技者の遊技依存度に関する依存度情報を含む第2データとのデータセットを教師データとして、学習モデルを作成可能であり、
前記推定部は、前記学習モデルを用いて、前記認証情報で特定される遊技者の履歴情報から依存度情報を推定し、推定した依存度情報に基づいて前記所定時間及び/又は前記所定の回数を設定する、請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
遊技場の外部に設置された情報管理サーバから、事前登録された遊技への依存が高い人に関する情報の取得が可能であり、
前記情報管理サーバから取得した情報に基づいて遊技者の遊技依存度を判断する、請求項2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場での遊技を管理する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ぱちんこ機やスロットマシン等の遊技機で遊技が可能な遊技場が広く知られている。そのような遊技場の多くは、18歳未満の人の遊技が禁止されており、年齢による入場制限が設けられている。つまり、18歳未満の人の遊技場への立ち入りを禁止することで、遊技客として不適切な18歳未満の人が遊技できないようにしている。
【0003】
そして、遊技場へ遊技客の入場を管理するシステムとして、例えば、特許文献1に開示された遊技管理システムがある。
特許文献1の遊技管理システムは、遊技店の入口ゲートの外側にカード発行機を配しており、このカード発行機によって遊技許可カードを発行している。そして、遊技許可カードの発行時には、遊技を希望する者は、運転免許証などの身分証明書の提示(又はカード発行機のスキャナによる身分証明書の読み取り)と、指紋情報の入力を行う。このとき、遊技を希望する者が制限の対象である場合は、遊技許可カードの発行を禁止する。
【0004】
さらに、特許文献1の遊技管理システムでは、遊技店の入場ゲートに、遊技許可カードに記憶された指紋情報を読み取るためのカードリーダと、入場希望者の指紋情報を入力する指紋センサを設けている。そして、遊技許可カードに記憶された指紋情報と、入場希望者の指紋情報の照合が取れた場合、入場ゲートを開く構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、ぱちんこ機やスロットマシン等の電子ゲーム機への依存が問題になることがあり、このような人は、遊技場での遊技を制限されることが好ましいとする風潮がある。しかしながら、実際に遊技場で依存症の人の遊技を制限することは困難である。
例えば、依存症となった人の遊技を制限する場合、依存症となった人を見分ける必要があるが、遊技場の従業員が見た目等で依存症であるか否かを見分けることは困難である。また、運転免許証、パスポート、健康保険被保険者証等の一般的な身分証明書として使用される物(文書)から取得され得る情報では、所持者が依存症であるのか否かを判別できないため、身分証明書の提示を求めても依存症となった人を見分けることができない。
【0007】
以上のことから、従来の遊技場用のシステムには、電子ゲーム機への依存が強い人等、遊技客として不適切な人の遊技をより正しく制限するという点において、改良の余地があった。つまり、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理することで、遊技場のより健全な運営に資する遊技場用システムが望まれていた。
【0008】
そこで本発明は、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能な遊技場用システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、遊技媒体貸出機と、認証部を有し、前記認証部は、認証媒体から認証情報を取得可能であり、前記認証媒体から取得した認証情報に基づいて以下の(1)~(3)のいずれかの条件を満たすか否かを判別し、いずれかの条件を満たした場合に遊技媒体貸出機による遊技媒体の貸出を制限する、遊技場用システムである。
(1)単位期間当たりの遊技時間が所定時間以上
(2)単位期間当たりの遊技頻度が所定の回数以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
【0010】
本様相によると、それぞれ遊技客毎に遊技媒体の貸出を適切に制限できるので、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能となる。
【0011】
上記した様相は、機械学習部と推定部を有し、前記機械学習部は、過去の遊技者の履歴に関する履歴情報を含む第1データと、遊技者の遊技依存度に関する依存度情報を含む第2データとのデータセットを教師データとして、学習モデルを作成可能であり、前記推定部は、前記学習モデルを用いて、前記認証情報で特定される遊技者の履歴情報から依存度情報を推定し、推定した依存度情報に基づいて前記所定時間及び/又は前記所定の回数を設定する、ことが好ましい。
【0012】
係る様相によると、遊技者の遊技依存度の高さを正確に判断可能であり、遊技依存度が異なる各遊技客に応じて遊技媒体の貸出を制限する条件を適切に可変させることが可能であるので、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能となる。
【0013】
上記した好ましい様相は、遊技場の外部に設置された情報管理サーバから、事前登録された遊技への依存が高い人に関する情報の取得が可能であり、前記情報管理サーバから取得した情報に基づいて遊技者の遊技依存度を判断する、ことがさらに好ましい。
【0014】
係る様相によると、遊技者の遊技依存度の高さをより正確に判断可能であり、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理できる。
【0015】
本発明に関連する関連発明の一つの様相は、遊技媒体貸出機と、認証部を有し、前記認証部は、認証媒体から認証情報を取得可能であり、前記認証媒体から取得した認証情報に基づいて以下の(1)~(4)のいずれかの条件を満たすか否かを判別し、いずれかの条件を満たした場合に遊技媒体貸出機による遊技媒体の貸出を制限する、遊技場用システムである。
(1)単位期間当たりの遊技時間が所定時間以上
(2)単位期間当たりの遊技頻度が所定の回数以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
(4)単位期間当たりの使用金額が所定金額以上
【0016】
本様相においても、それぞれ遊技客毎に遊技媒体の貸出を適切に制限できるので、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、遊技客として不適切な人の遊技をより適切に管理可能な遊技場用システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技場用システムを模式的に示す説明図である。
【
図2】
図1のホールコンピュータを示すブロック図である。
【
図3】
図2の機械学習部の機械学習プログラムを示すブロック図である。
【
図5】
図1の遊技場用システムが学習モデルを再構築する動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の遊技場用システムが遊技媒体の貸し出し制限の条件を設定する際の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態に係る遊技場用システム1について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0020】
本実施形態の遊技場用システム1は、
図1で示されるように、ホールコンピュータ2と、複数の遊技機3と、複数の遊技媒体貸出機4と、情報管理サーバ5と、遊技者に割り当てられる会員カード6(認証媒体)とを備えた構成となっている。なお、作図の都合上、遊技機3、遊技媒体貸出機4は、一部にのみ符号を付して他への符号を省略する。
ここで、遊技機3、遊技媒体貸出機4は、遊技機島10の長側面に取り付けられて遊技場内に配されている。遊技機島10は、遊技機3、遊技媒体貸出機4等を遊技場内に配するための構造物であり、本実施形態では、一つの遊技機島10に複数の遊技機3、遊技媒体貸出機4が取り付けられている。
【0021】
ホールコンピュータ2は、管理装置として機能するコンピュータであり、遊技場内の所定の場所(バックヤード等)に配され、遊技場の管理者や店員等により操作される。
本実施形態のホールコンピュータ2は、
図2で示されるように、制御部12、記憶部13、通信部14、入力部15、表示部16、遊技管理部17、記憶媒体管理部18、遊技者管理部19、機械学習部20、推定部21、調整部22を有する。
【0022】
制御部12は、各種演算処理を行うCPU(中央演算装置)、主メモリであるROM、各種データを一時記憶するためのRAMから主に構成され、ホールコンピュータ2を構成する各部を統括的に制御する。すなわち、CPUがROM、RAMに格納されたプログラムやデータを用いて演算処理を行うことで、ホールコンピュータ2の各部の制御が行われ、各機能が実現される。
【0023】
記憶部13は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等の記憶装置を有しており、データベース等を含む各種情報、各種プログラムが記憶されている。
【0024】
通信部14は、通信I/Fを有する。すなわち、ホールコンピュータ2は、ネットワークを介して遊技機3、遊技媒体貸出機4等の遊技機島10に属する各機器と情報(データ、信号)の送受信が可能となっている。
より詳細には、ホールコンピュータ2は、島コンピュータ(図示しない)、台コンピュータ(図示しない)等を介して遊技機島10に属する各機器と情報の送受信が可能な状態で接続されている。なお、島コンピュータとは、1つの遊技機島10に属する機器を制御対象とする制御装置であり、台コンピュータとは、1台又は少数台(2乃至3台)の遊技機3を制御対象とする制御装置である。
さらに、ホールコンピュータ2は、遊技場の外部に設置された情報管理サーバ5と、インターネット回線等の適宜なネットワークを介して接続されており、情報管理サーバ5と情報(データ、信号)の送受信が可能となっている。
【0025】
入力部15は、主にキーボード、マウス等の入力装置から構成されており、遊技場の管理者等のホールコンピュータ2の使用者の入力を受け付ける。
【0026】
表示部16は、ディスプレイ等の表示装置から構成され、各種情報の表示を行う。
【0027】
遊技管理部17は、遊技機3から送信された信号に基づいて、様々な遊技に関する情報を管理するように構成されている。この遊技管理部17は、制御部12のCPUがROM、RAMに格納されたプログラムやデータを用いて演算処理を行うことで実現される。つまり、制御部12の演算処理により、上記した管理等の遊技管理部17の動作が実行される。
【0028】
より詳細には、遊技管理部17は、遊技機3を個別に特定可能な情報と、様々な遊技に関する情報を関連付け、集計を実行し、記憶部13のデータベース等に記憶して記憶管理する。
ここで、「遊技機3を個別に特定可能な情報」とは、それぞれの遊技機3に付された台番号情報(ID番号)等である。
「遊技に関する情報」は、例えば、それぞれの遊技機3の大当り回数、アウト数、セーフ数等の情報を含む。
また、「遊技に関する情報」は、稼働の有無や、稼働中である場合に大当り状態であるか否か、高確率状態であるか否か、通常遊技状態であるか否か等の現在の遊技機3の状態を示す情報を含む。
さらに、「遊技に関する情報」は、それぞれの遊技機3で遊技が行われた日時に関する情報を含む。
以上のことから、遊技管理部17による関連付け、集計等を実行されたデータを参照することで、例えば、YY年MM月DD日のn番台の大当たり回数はX回である、といった情報の取得が可能となる。
【0029】
記憶媒体管理部18は、遊技媒体貸出機4から送信された信号に基づいて、会員カード6等の記憶媒体(情報記憶媒体)を管理するように構成されている。この記憶媒体管理部18は、制御部12のCPUがROM、RAMに格納されたプログラムやデータを用いて演算処理を行うことで実現される。つまり、制御部12の演算処理により、上記した管理等の記憶媒体管理部18の動作が実行される。
【0030】
詳細には、記憶媒体毎に割り当てられた識別情報であるID情報(認証情報)と、金銭的価値(有価価値)に関する情報とを関連付け、記憶部13のデータベース等に記憶して記憶管理する。
ここで、「金銭的価値に関する情報」は、残金情報(度数情報)、持玉数情報(遊技媒体所持情報)である。
残金情報は、入金等によって付与された記憶媒体の金銭的価値であり、遊技球(遊技媒体)の貸し出しに使用可能な金銭的価値の残りを示す情報である。持玉数情報は、遊技者が所持している遊技媒体の数を示す情報、すなわち、記憶媒体を所持している遊技者が遊技に使用可能な遊技球の数を示す情報である。言い換えると、遊技者が所有する遊技球の数(遊技者が借り受けた、及び/又は、遊技によって獲得した遊技媒体の数)を示す情報である。
【0031】
遊技者管理部19は、遊技機3、遊技媒体貸出機4等から送信された信号に基づいて、それぞれの遊技者の遊技履歴に関する情報を集計、管理する。この遊技者管理部19は、制御部12のCPUがROM、RAMに格納されたプログラムやデータを用いて演算処理を行うことで実現される。つまり、制御部12の演算処理により、上記した管理等の遊技者管理部19の動作が実行される。
【0032】
詳細には、遊技者管理部19は、遊技者が会員カード6を使用して遊技を行なった際(詳しくは後述する)に、会員カード6を特定する情報と、遊技者が行った遊技の内容に関する情報を関連付け、集計を実行し、記憶部13のデータベース等に記憶して記憶管理する。
なお、「会員カード6を特定する情報」は、本実施形態では、会員カード6に割り当てられたID情報(認証情報)である。
「遊技者が行った遊技の内容に関する情報」は、遊技者が遊技を行った日時に関する情報、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の数を示す情報、遊技者が遊技した時間(遊技時間)等である。
以上のことから、遊技者管理部19による関連付け、集計等を実行されたデータを参照することで、例えば、会員カード6を所有する遊技者が所定期間(単位期間)の遊技に使用された遊技媒体の数を示す情報が取得できる。この他、会員カード6を所有する遊技者の所定期間(単位期間)内の遊技時間の合計値を示す情報等が取得できる。
【0033】
ここで、本実施形態では、会員カード6を発行するとき、遊技者に対して氏名、住所、年齢等の「遊技者に関する情報」の申請を行ってもらい、「遊技者に関する情報」を登録している。すなわち、上記した「会員カード6を特定する情報」と、「遊技者に関する情報」とが関連付けられて記憶部13のデータベース等に記憶されることで、「遊技者に関する情報」の登録が完了する。
すなわち、本実施形態では、遊技者管理部19が「遊技者に関する情報」を管理しており、会員カード6を特定する情報と、遊技者に関する情報と、遊技者が行った遊技の内容に関する情報とが関連付けられて管理されている。
【0034】
さらに、本実施形態では、会員カード6を発行したそれぞれの遊技者に遊技依存度を示す値が割り当てられている。この遊技依存度を示す値は、例えば、依存度1から依存度5といった複数段階(例では5段階)に区分された値であり、遊技者の遊技状況(遊技状況)に応じて割り当てられる値である。なお、本実施形態では、遊技依存が大きい程高い値としており、会員カード6の発行直後に割り当てられる値は、最小の値である依存度1としている。
さらに、遊技依存度を示す値を示す情報(以下、依存度情報とも称す)は、上記した「会員カード6を特定する情報」と「遊技者に関する情報」に関連付けられて記憶管理されている。すなわち、本実施形態では、遊技者管理部19が依存度情報を管理しており、遊技者管理部19が管理する他の情報と関連付けられて管理されている。つまり、会員カード6を特定する情報と、遊技者に関する情報と、遊技者が行った遊技の内容に関する情報と、依存度情報とが関連付けられて管理されている。
【0035】
機械学習部20は、機械学習プログラムによって実行されるものであり、いわゆる教師あり学習で学習する機能があり、後述するLasso回帰等の機械学習アルゴリズムに則して教師あり学習を行うことが可能となっている。
ここで、「教師あり学習」とは、教師データ、すなわち、ある入力(説明変数)と結果(目的変数)のデータの組を大量に機械学習部20に与えることで、それらのデータセットにある特徴を学習し、入力から結果を推定するモデル(誤差モデル)、すなわち、入力と結果の関係性を帰納的に獲得するものである。
すなわち、機械学習部20は、
図3のように、入力部と、出力部を有しており、教師データをもとに機械学習することによって、入力部に入力された説明変数から出力部から出力される目的変数を算出する学習モデルを構築可能となっている。
【0036】
具体的には、機械学習部20は、過去の遊技者の遊技の履歴に関する情報(履歴情報)を含む説明データ(第1データ)と、遊技者の依存度情報を含む目的データ(第2データ)とのデータセットを教師データとして、機械学習して学習モデルを作成可能である。
【0037】
推定部21は、機械学習部20が構築した学習モデルに基づいて、遊技者の依存度情報を推定する。
【0038】
調整部22は、推定部21で推定した依存度情報に基づいて、遊技媒体の貸出動作における貸出制限の条件の調整を行う(詳しくは後述する)。
【0039】
遊技機3は、ぱちんこ機であり、遊技球(遊技媒体)を使用した遊技が可能な弾球遊技機である。詳細には、遊技球を本体内の遊技領域に打ち出し、遊技領域に形成された入賞口に入賞させる遊技が可能となっている。
【0040】
遊技媒体貸出機4は、遊技者に対して遊技球(遊技媒体)を貸し出すための装置であり、隣接配置される遊技機3に対応付けられている。
本実施形態の遊技媒体貸出機4は、
図4で示されるように、現金投入部32、媒体受付部33、操作表示部34、遊技媒体排出部35、認証部36を有している。
【0041】
現金投入部32は、紙幣を遊技媒体貸出機4内に投入する紙幣投入口と、投入された紙幣の種類を判別する紙幣判別部を有する。
【0042】
媒体受付部33は、金銭的価値に関する情報(以下、残金情報とも称す)を記録した記録媒体から情報を読み取る部分である。本実施形態の媒体受付部33は、残金情報を記録した記録媒体(会員カード6等)からの情報を読み取るリーダとして機能する部分であり、遊技媒体貸出機4内に記録媒体を投入する媒体投入口を有する。
本実施形態の媒体受付部33の媒体投入口は、会員カード6を投入可能なカード投入口であり、会員カード6を媒体投入口に投入することで、会員カード6に記録された情報(残金情報等)の読み取りが可能となっている。
【0043】
操作表示部34は、遊技媒体貸出機4の運用状態に関する情報を表示する表示部と、遊技媒体の貸し出しを行う際に遊技者の入力を受け付ける操作部が一体化されたものであり、具体的にはタッチパネルである。
なお、遊技媒体貸出機4の運用状態に関する情報には、遊技媒体の貸し出しに使用可能な金銭的価値に関する情報が含まれる。すなわち、操作表示部34には、投入した紙幣の金銭的価値に関する情報と、会員カード6等の記録媒体から読み取った残金情報の少なくとも一方が表示される。また、操作表示部34にこれらの双方を表示する場合、それぞれ個別に表示してもよく、それぞれの金銭的価値の合計に関する情報を表示してもよい。
また、表示部と操作部は、それぞれ別に形成してもよく、液晶ディスプレイ等の表示部とは別に、操作部として操作ボタンを設けてもよい。
【0044】
遊技媒体排出部35は、遊技媒体の貸し出しが実行された際に遊技媒体を外部に排出する部分である。本実施形態では、遊技媒体の貸し出しが実行された際、ノズル部分の先端に位置する排出口部分から遊技媒体が排出される。
【0045】
認証部36は、記録媒体から遊技者の遊技の認証に関する情報を読み取る部分である。本実施形態の認証部36は、上記した認証情報を記録した記録媒体である会員カード6から情報を読み取るカードリーダとして機能する部分であり、会員カード6をかざすことで、会員カード6に記録された情報の読み取りが可能となっている。
【0046】
情報管理サーバ5は、依存者情報を管理するサーバである。
本実施形態の情報管理サーバ5は、遊技場の外部に設置される外部サーバであり、詳細には、公共機関、民間の会社、協会、団体といった遊技場を運営(管理)する会社とは別の機関が管理する外部サーバである。この情報管理サーバ5は、上記したようにホールコンピュータ2と情報の送受信が可能である。
【0047】
この情報管理サーバ5は、各種演算処理を行うCPU(中央演算装置)、主メモリであるROM、各種データを一時記憶するためのRAM、通信I/F、SSD(ソリッドステートドライブ)等の記憶装置を有している。また、キーボード、マウス等の入力装置、液晶ディスプレイ等の表示装置を備えている。
つまり、情報管理サーバ5は、制御部、記憶部、通信部、入力部、表示部を有する。そして、情報管理サーバ5の記憶装置(記憶部)には、依存者情報が記憶されている。
【0048】
ここで、「依存者情報」は、複数の遊技依存の高い人をリスト化(データベース化)した情報である。例えば、リストの1レコードが一人の人に対応し、それぞれのフィールドに、氏名、住所、年齢、電話番号、勤務先名、勤務先の電話番号等を示す情報が格納されたものである。
詳細に説明すると、本実施形態の遊技場用システム1では、遊技者又はその関係者(遊技者の家族等)が、情報管理サーバ5を管理する機関に申請をすることで、遊技者が遊技依存の高い人として登録される。
例えば、遊技者又はその関係者が所有する端末でアプリ等を操作し、遊技者に関する情報(上記した氏名等)を入力して登録ボタンを押下する等の登録操作を行うことで、遊技者が遊技依存の高い人として登録される。したがって、判別対象となる遊技者の氏名、住所等を示す情報に基づいて、依存者情報を参照することで、判別対象となる遊技者が遊技依存の高い人として登録された遊技者か否かの判別が可能となる。
なお、本実施形態では、遊技依存の高い人として登録する際に申請する「遊技者に関する情報」と、上記した会員カード6の発行時に申請する「遊技者に関する情報」とは、氏名、住所等の項目の少なくとも一部が同じとなっている。
【0049】
会員カード6は、情報の記憶が可能なカードであり、具体的には、磁気カード、接触型又は非接触型のICカード、磁気とICの併用型のカード等である。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、会員カード6として磁気カードを採用している。
【0050】
本実施形態の会員カード6には、上記した認証情報と、上記した残金情報と、上記した持玉数情報が記録(記憶)されている。
【0051】
さらに、本実施形態の会員カード6には、遊技者が所有するポイントに関する情報であるポイント情報が記憶されている。このポイント情報は、会員カード6が割り当てられた遊技者が所有するポイントの数(量)を示す情報を含む。
また、このポイントは、遊技場を運営(管理)する会社とは別のポイント管理会社が管理するポイントであり、ポイント管理会社と提携する提携会社で商品又はサービスの提供を受ける際に使用可能である。すなわち、提携会社で会員カード6を使用することで、所定数(所定量)のポイントと引き換えに所定の商品又は所定のサービスの提供を受けることが可能となっている。
【0052】
続いて、遊技者が会員カード6を用いて遊技する際に実行される遊技媒体貸出機4による遊技媒体の貸出動作について説明する。本実施形態では、遊技場用システム1が会員カード6を所持(使用)する遊技者に遊技媒体の貸し出しを行うとき、遊技者の遊技依存度に応じて遊技媒体の貸し出しを制限する。
【0053】
本実施形態では、まず、あらかじめ機械学習部20が学習モデルを生成する。このとき機械学習部20が生成する学習モデルは、過去の遊技者の履歴情報を含む説明データと、遊技者の依存度情報を含む目的データとのデータセットを教師データとして、教師あり学習して形成される。学習モデルの作成手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、部分的最小二乗回帰(PLS回帰)、勾配ブースティング回帰(GB回帰)、サポートベクター回帰(SVR)、Lasso回帰、ElasticNet回帰、RandomForest回帰などが使用できる。本実施形態の学習モデルでは、Lasso回帰を使用している。
【0054】
そして、
図5で示されるように、学習モデルを生成してから、又は、前回学習モデルを再構築してから一定期間経過したことを条件として(STEP1でYesの場合)、学習モデルを再構築している。すなわち、遊技場用システム1の運用開始時から時間が経過するごとに、教師データ(過去の遊技者の履歴情報と対応する遊技者の依存度情報)が記憶部13に蓄積されていく。このため、一定期間経過するごとに学習モデルを再構築することで、より精度の高い学習モデルの構築が可能となる。
【0055】
そして、遊技場用システム1は、
図6で示されるように、遊技者への遊技媒体の貸し出しを制限する貸出制限の条件を設定する。すなわち、遊技者が会員カード6を用いて遊技する際、まず、会員カード6に記憶された情報を読み取るカード読取動作(認証情報読取動作)が実行される(STEP21)。本実施形態では、遊技者が会員カード6を認証部36にかざすことで(
図4参照)、カード読取動作が実行される。すなわち、遊技者が会員カード6を認証部36にかざし、その後に、会員カード6を媒体受付部33の媒体投入口(カード投入口)に投入する。
本実施形態のカード読取動作では、会員カード6に記憶されたID情報(認証情報)の読み取りが実行される。
【0056】
次に、カード読取動作で取得したID情報に基づき、依存者判別動作を実行する(STEP22)。依存者判別動作は、会員カード6を所有する遊技者が、情報管理サーバ5の依存者情報に遊技依存の高い人として登録された人であるのか否かを判別する動作である。
【0057】
詳細には、ホールコンピュータ2は、カード読取動作で取得したID情報と、ID情報に関連付けられた遊技者に関する情報に基づき、情報管理サーバ5に問い合わせを行う。すなわち、ID情報と、ID情報に対応する遊技者に関する情報を情報管理サーバ5に送信する。
情報管理サーバ5は、ホールコンピュータ2から送信された情報に基づき、送信された情報に基づいて依存者情報を参照し、送信された情報から特定される遊技者が依存者情報に遊技依存の高い人として登録された人であるのか否かを判別する。そして、情報管理サーバ5は、この判別動作の結果をホールコンピュータ2に送信する。
【0058】
依存者判別動作と前後して、推定部21が、機械学習部20が構築した学習モデルに基づいて、会員カード6を用いて遊技しようとする遊技者の依存度情報を推定する(STEP23)。すなわち、会員カード6を用いて遊技しようとする遊技者の過去の履歴情報と、学習モデルに基づき、遊技者の依存度の値を推定する。
【0059】
続いて、調整部22は、遊技者の依存度情報を設定する(STEP24)。具体的には、依存者判別動作(STEP22)の結果、会員カード6を用いて遊技しようとする遊技者が遊技依存の高い人として登録された人であった場合、この遊技者を依存度の値を依存度5として設定する。対して、遊技依存の高い人として登録されていない人であった場合、推定部21が推定した依存度の値をこの遊技者の依存度として設定する。
そして、調整部22は、設定した遊技者の依存度の値(依存度情報)に基づいて、遊技媒体の貸出制限の際の条件の設定を行う(STEP25)。
【0060】
本実施形態では、以下の(1)~(3)のいずれかの条件を満たしたときに遊技球(遊技媒体)の貸し出しを制限する。
(1)単位期間A1当たりの遊技時間が所定時間T1以上
(2)単位期間A2当たりの遊技頻度が所定回数X1以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
【0061】
詳細に説明すると、まず、設定された依存度の値が5である遊技者の場合、遊技依存度が高い遊技者であるとして、遊技球の貸し出し動作を実行しないようにしている。
すなわち、通常であれば、上記したように遊技者が会員カード6を媒体受付部33の媒体投入口に投入し、その後に操作表示部34で所定の操作を行うことで、遊技球の貸し出しが実行される。しかしながら、依存度の値が5である遊技者の場合、遊技球の貸し出しが制限され、遊技球の貸し出しが実行されない。このとき、例えば、操作表示部34にメッセージを表示するといった、貸し出しが実行されないことを報知する報知動作を実行してもよい。
【0062】
対して、設定された依存度の値が4以下である場合、設定した遊技者の依存度の値(依存度情報)に応じて、所定時間T1、所定回数X1の値が設定される。本実施形態では、依存度の値が大きい程、所定時間T1が短く、所定回数X1が少なくなるように設定される。
例えば、依存度の値が3である場合、所定時間T1が300時間、所定回数X1が80回となり、依存度の値が4である場合、所定時間T1が100時間、所定回数X1が40回となる、といった具合である。なお、本実施形態では、単位期間A1,A2は、予め設定された規定値(固定値)である。また、本実施形態では、会員カード6が媒体受付部33の媒体投入口(カード投入口)に投入されてから、遊技機3で遊技が実行されてアウト玉が1回以上発生し、その後に会員カード6が媒体投入口に投入されたことをもって、1回の遊技(遊技回数1)としている。
【0063】
そして、設定された依存度の値が4以下の場合、上記した(1)、(2)の条件を満たしているか否かの判別を行う。すなわち、カード読取動作で取得したID情報と、ID情報に関連付けられた遊技者の履歴情報(上記した「遊技者が行った遊技の内容に関する情報」)に基づき、上記(1)、(2)の条件を満たしているか否かの判別を行う。
そして、上記(1)、(2)の条件のいずれかが満たされていた場合、遊技球の貸し出し動作を実行しないようにする。
【0064】
上記した実施形態では、上記(1)~(3)のいずれかの条件を満たした場合、遊技球の貸し出し動作を実行しないようにする例について説明したが、遊技場用システム1が実行する遊技媒体の貸出の制限は、これに限るものではない。
例えば、遊技媒体の貸出可能な数の上限を設定し、遊技者が貸出可能な数の上限までは貸し出しを受けることが可能なようにしてもよい。また、この場合、設定された依存度の値に応じて、貸出可能な数の上限を可変させてもよい。そして、依存度の値が高くなる(遊技者の遊技への依存が高くなる)につれ、貸出可能な数の上限が小さくなるようにしてもよい。
【0065】
上記した実施形態では、遊技機3としてぱちんこ機を採用した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。遊技機3としてパチスロ機(回胴式遊技機)を採用してもよい。この場合、遊技媒体は、遊技球に替わってメダルを採用してもよく、遊技媒体貸出機4をメダル貸出機(メダルの貸し出しを行う装置)としてもよい。すなわち、遊技機島10は、所謂ぱちんこ島ではなく、所謂スロット島と称される形態であってもよい。
【0066】
上記した実施形態では、認証媒体として会員カード6を採用した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。認証媒体は、例えば、遊技者が所有する端末(スマートフォン等の携帯端末)で稼働するアプリであってもよい。この場合、アプリを起動し、所定の画面を表示させ、端末を認証部36に近づけることで、認証情報の読み取り動作(認証情報読取動作)を実行してもよい。
なお、上記したように、認証媒体として会員カード6を採用する場合、必ずしも媒体受付部33と、認証部36とを別途設ける必要はない。媒体受付部33と認証部36を一体に形成し、会員カード6を媒体受付部33の媒体投入口(カード投入口)投入したとき、カード読取動作以下の一連の動作を実行してもよい。
【0067】
上記した実施形態では、情報管理サーバ5が、遊技者が依存者情報に遊技依存の高い人として登録された人であるのか否かを判別する判別動作(以下、登録判別動作)を行った例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、ホールコンピュータ2からの要求(送信された信号)に基づき、情報管理サーバ5が依存者情報の少なくとも一部をホールコンピュータ2に送信し、ホールコンピュータ2が登録判別動作を実行してもよい。すなわち、上記した各動作は、遊技場用システム1に属するいずれの機器(装置、コンピュータ)で実行してもよい。
この他、例えば、上記したようにホールコンピュータ2を一台のコンピュータ(装置)とする例に替わって、ホールコンピュータ2を二台のコンピュータによって構成してもよい。この場合、上記した遊技管理部17、記憶媒体管理部18、遊技者管理部19、機械学習部20、推定部21、調整部22の一部を一方のコンピュータの演算処理によって実現し、他部を他方のコンピュータの演算処理によって実現してもよい。一例として、遊技管理部17、記憶媒体管理部18、遊技者管理部19を一方のコンピュータの演算処理によって実現し、機械学習部20、推定部21、調整部22を他方のコンピュータの演算処理によって実現してもよい。
すなわち、上記した遊技場用システム1に属する機器(装置、コンピュータ)の数は、適宜変更してもよく、各部を遊技場用システム1に属するどの装置で実現するかについても適宜変更してもよい。
【0068】
上記した実施形態では、遊技媒体貸出機4の本体部分から延設されたノズル部分を有する遊技媒体排出部35の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。遊技媒体貸出機4は、ノズル部分は必ずしも必要ではなく、所定位置に遊技媒体を排出できればよい。
【0069】
さらに、遊技媒体貸出機4は、外部に遊技媒体を排出しないものであってもよい。このとき、遊技媒体貸出機4に対応付けられた遊技機3は、所謂スマートパチンコのような遊技媒体を内部封入する遊技機3としてもよい。この他、所謂スマートスロットのような有体物としての遊技媒体を使用せずに電子化した遊技媒体を使用する遊技機3であってもよい。すなわち、遊技媒体貸出機4は、遊技機3と通信可能とし、遊技機3と遊技媒体貸出機4とが遊技媒体(電子化した遊技媒体)に関する情報を送受信する構成としてもよい。
【0070】
詳細に説明すると、遊技媒体貸出機4が遊技媒体を内部封入する遊技機3に対応付けられている場合、会員カード6から情報を読み取り、カード読取動作以下の一連の動作を実行する。そして、カード読取動作以下の一連の動作の結果、遊技者に遊技媒体を貸し出し可能である場合、又は、遊技者に貸出可能な数の上限まで貸し出しが可能である場合、貸し出し動作を実行する。
この場合の貸し出し動作は、遊技者による遊技媒体貸出機4の操作に基づいて、貸し出される遊技媒体の量が決定され、貸し出される遊技媒体の量を示す情報が遊技機3に送信される。そして、遊技機3の液晶画面等の表示装置に貸し出された遊技媒体の量(遊技者が所有する遊技媒体の量)を示す情報が表示される。そして、遊技者は、表示されている遊技媒体の量に応じて遊技が可能となる。また、遊技者の遊技完了時に所有する遊技媒体が残っていた場合、遊技者が遊技機3に対して所定の操作を行うことで、所有する遊技媒体の量を示す情報が遊技媒体貸出機4に送信される。そして、会員カード6に記憶される持玉数情報(遊技媒体所持情報)が更新される。
また、電子化した遊技媒体を使用する遊技機3に対応付けられている場合もまた、遊技媒体を内部封入する遊技機3に対応付けられている場合と同様に、上記した貸し出しが実行され、遊技媒体所持情報が更新される。
【0071】
つまり、本発明における「遊技媒体の貸出」は、実質的な遊技媒体の貸し出しをいい、有体物としての遊技媒体を遊技者が手に取れる状態で貸し出す貸出に限るものではなく、手に取れない状態の遊技媒体の貸出、電子化された遊技媒体の貸出を含む。つまり、遊技媒体貸出機4は、有体物としての遊技媒体の他、電子化した遊技媒体等の実質的に遊技媒体として取り扱われる無体物(遊技媒体に相当する無体物)を貸し出してもよい。
なお、遊技媒体を内部封入する遊技機3や、電子化した遊技媒体を使用する遊技機3の場合、遊技機3と遊技媒体貸出機4とは別々に形成するものに限らず、一体に形成してもよい。すなわち、遊技機3が内部に遊技媒体貸出機を有する(遊技機3が遊技媒体貸出機としても機能する)ものであってもよい。言い換えると、本発明の「遊技媒体貸出機」は、遊技機としての機能を有するものであってもよい。
【0072】
本実施形態では、上記した(1)~(3)のいずれかの条件を満たしたときに遊技球(遊技媒体)の貸し出しを制限した。しかしながら、上記した(1)~(3)の条件に下記(4)の条件を加え、(1)~(4)のいずれかの条件を満たしたときに遊技球(遊技媒体)の貸し出しを制限することも考えられる。
(1)単位期間A1当たりの遊技時間が所定時間T1以上
(2)単位期間A2当たりの遊技頻度が所定回数X1以上
(3)遊技依存度が高い遊技者である
(4)単位期間A3当たりの使用金額が所定金額Y1以上
【0073】
この場合、上記したように、依存度の値(依存度情報)に応じて所定時間T1、所定回数X1の値が設定されることに加え、依存度の値(依存度情報)に応じて所定金額Y1が設定される。また、単位期間A3は、本実施形態では、予め設定された規定値(固定値)である。さらにまた、本実施形態では、依存度の値が大きい程、所定金額Y1が少なくなるように設定されている。例えば、依存度の値が3である場合は、所定金額Y1が10万円であり、依存度の値が4である場合、所定金額Y1が7万円である、といった具合である。すなわち、推定した依存度情報に基づいて、上記した所定時間、所定回数(所定の回数)、所定金額の少なくとも一以上を設定してもよい。
また、「使用金額」とは、遊技者が遊技に使用した(遊技のために使用した)金額であり、遊技媒体の借り受けのために使用した金額である。ここでいう「金額」は、紙幣、硬貨による支払の金額に限らず、電子マネー、ポイント等を消費して遊技媒体を借り受ける場合に消費する金銭的価値を含む。すなわち、「金額」は、単に金銭の量を示す値ではなく、有体物及び/又は無体物の金銭的価値の量を示す値であり、「所定金額Y1」は、「所定金額Y1」に相当する金銭的価値とする。例えば、遊技媒体をポイントで借り受ける際に、100ポイントを消費して500円相当の遊技媒体を借り受けた場合には、使用金額が500円分加算されるものとする。
【符号の説明】
【0074】
1 遊技場用システム
4 遊技媒体貸出機
5 情報管理サーバ
6 会員カード(認証媒体)
20 機械学習部
21 推定部
36 認証部