(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118021
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】無線通信機
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20240823BHJP
H04W 76/45 20180101ALI20240823BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240823BHJP
H04W 72/121 20230101ALI20240823BHJP
H04J 3/17 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W76/45
H04W72/0446
H04W72/121
H04J3/17 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024180
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】立儀 一臣
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 一郎
【テーマコード(参考)】
5K028
5K067
【Fターム(参考)】
5K028AA14
5K028LL11
5K067AA21
5K067BB01
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067HH21
5K067JJ12
(57)【要約】
【課題】現在通話中の通話相手とは異なる通話相手と通話するために発呼操作をした場合において、全てのスロットが使用中で、その異なる通話相手に送信できなかったときに、現在通話中の通話相手から受信している音声の出力が発呼操作中も中断されることなく継続され、聞き逃しを防ぐことができる無線通信機を提供する。
【解決手段】第1の受信部17は、第1の通話相手と通話するために選択している選択チャンネルの選択スロットで音声信号を受信して出力している。第1の受信部17は、第2の通話相手に発呼するための操作がなされたとき、第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットが決定されるまで、選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び音声信号の出力を継続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットに時分割されているチャンネルの信号を受信する第1及び第2の受信部と、
前記第1の受信部が受信した信号から音声信号を抽出して出力する受信処理部と、
前記第1及び第2の受信部が受信した信号に基づいて、通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定する送信スロット決定部と、
前記通話相手に送信する音声信号を含む信号を生成する送信処理部と、
前記送信処理部が生成した信号を、前記送信スロット決定部が決定したチャンネルのスロットで送信する送信部と、
を備え、
前記第1の受信部が、第1の通話相手と通話するために選択している選択チャンネルの選択スロットで音声信号を受信して出力している状態で、第2の通話相手に発呼するための操作がなされたとき、前記送信スロット決定部が前記第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定するまで、前記第1の受信部は、前記選択チャンネルの前記選択スロットの信号を受信し、音声信号の出力を継続する
無線通信機。
【請求項2】
前記送信スロット決定部が前記第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定すると、前記第1の受信部は前記選択チャンネルの前記選択スロットの信号の受信を停止し、
前記送信部は、前記選択チャンネルの前記選択スロットの信号の受信を停止した後に、前記送信スロット決定部が決定したチャンネルのスロットで前記第2の通話相手に音声信号を含む信号を送信する
請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記第1の受信部が、前記選択チャンネルの前記選択スロットで信号を受信して音声信号を出力している状態で前記発呼するための操作がなされて、前記発呼するための操作が継続されている期間に、前記送信スロット決定部が前記第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定した場合、前記送信部は、前記送信スロット決定部が決定したチャンネルのスロットで前記第2の通話相手に音声信号を含む信号を送信する請求項1に記載の無線通信機。
【請求項4】
前記第1の受信部が、前記選択チャンネルの前記選択スロットで信号を受信して音声信号を出力している状態で前記発呼するための操作がなされてから、前記発呼するための操作が解除された後、前記送信スロット決定部が前記第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定した場合、送信が可能となったことを報知する報知処理部をさらに備える請求項1に記載の無線通信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのチャンネルを時分割することによって2つのスロットを設定し、2つのスロットで別々の通信を可能とする通信規格に対応する無線通信機が普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような無線通信機を用いて、第1のユーザが、第1の通話相手と選択チャンネルの第1のスロット(選択スロット)で通話中に、第1の通話相手とは異なる第2の通話相手と通話したい場合がある。第1のユーザを含む複数のユーザは、第1の通話相手による送信音声を同時に受信することがある。このような場合、従来の無線通信機においては、第1のユーザは、選択チャンネルの第1のスロットでの通話を停止して、選択チャンネルの第2のスロット(非選択スロット)または他のチャンネル(非選択チャンネル)のスロットで第2の通話相手に対して発呼する。
【0005】
ところが、選択チャンネルの非選択スロットまたは非選択チャンネルのスロットが既に使用されている場合、第1のユーザは、第2の通話相手と通話できないだけでなく、選択チャンネルの選択スロットでの通話を停止しているから、第1の通話相手による送信音声を聞き逃してしまう。現在通話中の通話相手とは異なる通話相手と通話するために発呼したときに、選択チャンネルの非選択スロットまたは非選択チャンネルのスロットが使用されていて通話不可であっても、現在通話中の通話相手による送信音声を聞き逃すことがない無線通信機の登場が望まれる。
【0006】
本発明は、現在通話中の通話相手とは異なる通話相手と通話するために発呼操作をした場合において、全てのスロットが使用中で、その異なる通話相手に送信できなかったときに、現在通話中の通話相手から受信している音声の出力が発呼操作中も中断されることなく継続され、聞き逃しを防ぐことができる無線通信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スロットに時分割されているチャンネルの信号を受信する第1及び第2の受信部と、前記第1の受信部が受信した信号から音声信号を抽出して出力する受信処理部と、前記第1及び第2の受信部が受信した信号に基づいて、通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定する送信スロット決定部と、前記通話相手に送信する音声信号を含む信号を生成する送信処理部と、前記送信処理部が生成した信号を、前記送信スロット決定部が決定したチャンネルのスロットで送信する送信部とを備え、前記第1の受信部が、第1の通話相手と通話するために選択している選択チャンネルの選択スロットで音声信号を受信して出力している状態で、第2の通話相手に発呼するための操作がなされたとき、前記送信スロット決定部が前記第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定するまで、前記第1の受信部は、前記選択チャンネルの前記選択スロットの信号を受信し、音声信号の出力を継続する無線通信機を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の無線通信機によれば、現在通話中の通話相手とは異なる通話相手と通話するために発呼操作をした場合において、全てのスロットが使用中で、その異なる通話相手に送信できなかったときに、現在通話中の通話相手から受信している音声の出力が発呼操作中も中断されることなく継続され、聞き逃しを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る無線通信機を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る無線通信機が備える制御部の内部構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、各チャンネルの時分割された2つのスロットを示す概念図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る無線通信機において、PTTボタンが押下されたときに、選択チャンネル以外のチャンネルのいずれかのスロットが未使用である場合の処理を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る無線通信機において、PTTボタンが押下されたときに、選択チャンネル以外のチャンネルの各スロットが既に使用されている場合の処理を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る無線通信機において、PTTボタンが押下されたときに、選択チャンネル以外のチャンネルの各スロットが既に使用されており、PTTボタンの押下継続中に、選択チャンネルの選択スロットでの通話を終了した場合の処理を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る無線通信機において、PTTボタンが押下されたときに、選択チャンネル以外のチャンネルの各スロットが既に使用されており、PTTボタンの押下を解除した後に、選択チャンネルの選択スロットでの通話の終了を報知する場合の処理を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る無線通信機が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8におけるステップS9の具体的な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係る無線通信機について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、一実施形態に係る無線通信機100は、制御部10、音声入力部11、音声出力部12、表示部13、報知部14、操作部15、送信部16、第1の受信部17、第2の受信部18、記憶部19、アンテナ20を備える。アンテナ20は、無線通信機100の外部の構成であってもよい。無線通信機100は、第1の受信部17及び第2の受信部18を備えることによって、2つのチャンネルの信号を同時に受信することができる。
【0011】
制御部10は、無線通信機100全体の動作を制御する。第1の受信部17及び第2の受信部18は、各チャンネルの信号を受信して復調したベースバンド信号を制御部10に供給する。制御部10は、いずれかのチャンネルのベースバンド信号を処理して通話の音声信号を抽出し、音声出力部12に供給する。音声出力部12は、入力された音声信号に基づく音声を出力する。
【0012】
制御部10は、マイクロコンピュータのマイクロプロセッサまたはデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で構成されていてもよく、マイクロプロセッサ及びDSPで構成されていてもよい。第1の受信部17及び第2の受信部18はそれぞれ受信回路で構成することができる。音声出力部12は、スピーカまたは音声出力端子に接続されたイヤホンである。
【0013】
音声入力部11は、ユーザが発した音声を収音する。音声入力部11はマイクロホンである。制御部10は、音声入力部11から入力された音声信号を処理して音声信号を含む信号であるベースバンド信号を生成し、送信部16に供給する。送信部16は、入力されたベースバンド信号を変調して、アンテナ20を介して無線電波を送信する。送信部16は変調回路及び送信回路で構成することができる。
【0014】
表示部13は、制御部10による制御に従って各種の情報を表示する。表示部13は例えば液晶パネルで構成することができる。報知部14は、後述するように、聴覚的情報または視覚的情報でユーザに報知する。報知部14が聴覚的情報で報知する場合、報知部14はスピーカであってもよいし、ビープ音を発生するブザーであってもよい。報知部14が視覚的情報で報知する場合、報知部14は液晶パネルであってもよいし、発光ダイオード(LED)であってもよい。視覚的情報とは、所定のメッセージまたはアイコンであってもよい。
【0015】
報知部14が聴覚的情報で報知する場合、報知部14は音声出力部12と一体的であってもよい。報知部14が視覚的情報で報知する場合、報知部14は表示部13と一体的であってもよい。以下では、報知部14はビープ音を発生するブザーであるとする。
【0016】
ユーザは、操作部15によって無線通信機100に対する各種の操作を実行することができる。操作部15は、PTT(Push To Talk)ボタン151を含む各種のボタンまたはキーで構成されている。操作部15は、表示部13と一体的に設けられているタッチパッドであってもよい。即ち、表示部13はタッチパネルであって、タッチパネルが操作部15として機能してもよい。PTTボタン151を含む各種のボタンまたはキーは物理的なボタンまたはキーであることに限定されず、表示部13に表示されるボタンまたはキーであってもよい。
【0017】
記憶部19は、各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶部19の少なくとも一部は不揮発性のメモリで構成されている。記憶部19には、無線通信機100の動作を制御する制御プログラムが記憶されていてもよく、制御部10が制御プログラムを実行することにより無線通信機100の動作を制御してもよい。制御プログラムを記憶する記憶部19は、非一時的な記憶媒体である。
【0018】
図2は、制御部10の内部構成例を示している。制御部10は、受信処理部101、送信スロット決定部102、送信処理部103、報知処理部104を有する。受信処理部101、送信スロット決定部102、送信処理部103、報知処理部104は、制御部10が記憶部19に記憶されている制御プログラムを実行することに実現される機能的な構成であってもよい。
【0019】
受信処理部101は、第1の受信部17または第2の受信部18が受信した信号を復調したベースバンド信号に対して、フレーム解析処理、圧縮音声の伸張処理等の各種の処理を施して、通話の音声信号を抽出して出力する。送信スロット決定部102は、PTTボタン151が押下されたときに、第1の受信部17及び第2の受信部18が受信した信号に基づいて、通話相手に音声信号を送信するために使用できる空スロットをチャンネルを変更しながら探索して、音声信号を送信するチャンネルのスロットを決定する。
【0020】
送信処理部103は、音声入力部11から入力された音声信号に対して、音声圧縮処理、フレーム作成処理の各種の処理を施す。送信処理部103は、各種の処理が施された音声信号に基づいて、送信スロット決定部102が決定したチャンネルのスロットで通話相手に送信する音声信号を含む信号であるベースバンド信号を生成する。報知処理部104は、報知部14によるユーザへの報知処理を実行する。
【0021】
図3に示すように、複数の無線通信機100が互いに通信するときに使用するチャンネルはチャンネル1~チャンネルnのnチャンネルであるとする。nは2であってもよい。各チャンネルは所定の時間で時分割されて、スロット1とスロット2とが時系列的に交互に配置されて構成されている。スロットの数は、スロット1とスロット2との2つに限定されず、3つ以上であってもよい。チャンネル1を無線通信機100が通話を受信中の選択チャンネルであるとすると、チャンネル2~チャンネルnは使用中ではないが使用できる可能性のある非選択チャンネルである。
【0022】
図3に示すように各チャンネルを時分割することによって2つのスロットを設定し、2つのスロットで別々の通信を可能とする通信規格の一例として、欧州電気通信標準化機構(ETSI)で規格化されたDMR(Digital Mobile Radio)がある。無線通信機100はDMRに準拠してもよい。無線通信機100はDMRに準拠することに限定されないし、DMR以外の特定の規格に準拠することにも限定されない。
【0023】
図4~
図7のシーケンス図を用いて、無線通信機100の動作を具体的に説明する。
図4~
図7においては、簡略化のため、非選択チャンネルはチャンネル2のみであるとする。
図4~
図7に示す無線通信機100A~100Eは、
図1に示す無線通信機100の構成を備える。無線通信機100A~100Eは、基地局200を介して互いに通信する。無線通信機100A~100Eを使用するユーザを、それぞれ、ユーザA~Eとする。
【0024】
図4は、無線通信機100において、PTTボタン151が押下されたときに、選択チャンネル以外のチャンネルのいずれかのスロットが未使用である場合の処理を示している。
図4において、ユーザAが時刻t1でPTTボタン151を押下することにより、無線通信機100Aが、無線通信機100Cに対してチャンネル1のスロット1で音声信号の送信処理Pa1を開始する。
図4~
図7において、チャンネル1のスロット1をCh1S1、チャンネル1のスロット2をCh1S2、チャンネル2のスロット1をCh2S1、チャンネル2のスロット2をCh2S2と表記する。
【0025】
無線通信機100Cは、時刻t2で、無線通信機100Aから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pc1を開始する。無線通信機100Aから基地局200への上りのチャンネル1のスロット1を用いる送信信号の周波数と、基地局200から無線通信機100Cへの下りのチャンネル1のスロット1を用いる送信信号の周波数(無線通信機100Cの受信周波数)とは異なる。上りの送信信号と下りの送信信号との周波数が異なるのは、チャンネル1のスロット2、チャンネル2のスロット1及び2においても同様である。
【0026】
無線通信機100Aは、時刻t1以降、音声信号の送信処理Pa1を継続し、これに伴って、無線通信機100Cは時刻t2以降、受信/復調/音声出力処理Pc1を継続する。
【0027】
ユーザBが時刻t3でPTTボタン151を押下することにより、無線通信機100Bが、無線通信機100Dに対してチャンネル1のスロット2で音声信号の送信処理Pb1を開始したとする。無線通信機100Dは、時刻t4で、無線通信機100Bから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pd1を開始する。
【0028】
無線通信機100Bは、時刻t3以降、音声信号の送信処理Pb1を継続し、これに伴って、無線通信機100Dは時刻t4以降、受信/復調/音声出力処理Pd1を継続する。
【0029】
無線通信機100Eの受信周波数は、無線通信機100C及び100Dの受信周波数と同じである。よって、無線通信機100Eは、時刻t5で無線通信機100Aから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、時刻t6で無線通信機100Bから送信された音声信号を基地局200を介して受信する受信処理Pe1を開始する。無線通信機100A及び100Bから送信された音声信号は無線通信機100E宛ての音声信号ではないため、無線通信機100Eは音声信号を復調せず、音声を出力しない。
【0030】
なお、
図4において、時刻t2と時刻t5との前後は任意であり、同時であってもよい。時刻t4と時刻t6との前後は任意であり、同時であってもよい。基地局200の下方に表示しているバーは、チャンネル1のスロット1及び2、チャンネル2のスロット1及び2の使用状態を示している。各バーのハッチングを付している期間は使用中、ハッチングを付していない白抜きの期間は未使用の状態を示している。チャンネル1のスロット1は時刻t1以降、使用中であり、チャンネル1のスロット2は時刻t3以降、使用中である。
【0031】
ユーザDが、ユーザEと通話するために、時刻t7でPTTボタン151を押下したとする。無線通信機100Dの制御部10は、PTTボタン151の押下直後に音声信号の送信処理を実行せず、PTTボタン151が押下されていることを検出する検出処理Pd20のみを実行する。無線通信機100Dの制御部10は、PTTボタン151の押下に応答して、送信実行判定処理Pd3を実行する。無線通信機100Dは、送信実行判定処理Pd3の実行中も受信/復調/音声出力処理Pd1を継続する。
【0032】
制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、まず、チャンネル1のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定する。第1の受信部17は、チャンネル1のスロット1及びスロット2の音声信号を受信する。制御部10は、チャンネル1のスロット1は無線通信機100Aで使用され、チャンネル1のスロット2は無線通信機100Bで使用中であるから、チャンネル1のスロット1及び2では送信不可と判定する。
【0033】
続けて、制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル2のスロット1で音声信号を送信可能であるか否かを判定する。第2の受信部18は、チャンネル2のスロット1及びスロット2の音声信号を受信する。制御部10は、チャンネル2のスロット1は使用されず空き状態(Not Busy)であるため、チャンネル2のスロット1で送信可能であると判定する。そこで、制御部10は、時刻t8で無線通信機100Bから送信された音声信号の受信/復調/音声出力処理Pd1を終了させる。加えて、制御部10は、ユーザEに対して発呼してチャンネル2のスロット1でユーザEへの音声信号を送信する。
図4では、チャンネルの数を2つとしたが、勿論チャンネルの数は3つ以上であってもよい。その場合、第2の受信部18はチャンネルを切り替えながら空き状態のスロットを探索する。
【0034】
制御部10がチャンネル2のスロット1でユーザEへの音声信号を送信する処理を実行することにより、検出処理Pd20は音声信号の送信処理Pd2へと移行する。
【0035】
無線通信機100Eは、時刻t9で、無線通信機100Dから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pe2を開始する。なお、無線通信機100Eは、受信/復調/音声出力処理Pe2の最中も受信処理Pe1を継続してもよいし、停止してもよい。
【0036】
ユーザDが時刻t10でPTTボタン151の押下を解除し、無線通信機100Dが送信処理Pd2を終了させたとする。無線通信機100Eは、時刻t11で受信/復調/音声出力処理Pe2を終了させる。なお、無線通信機100Eは、受信/復調/音声出力処理Pe2の終了後も受信処理Pe1を継続している。無線通信機100Dがチャンネル2のスロット1による音声信号の送信を終了させることにより、チャンネル2のスロット1は空き状態となる。
【0037】
このように、無線通信機100Dの第1の受信部17は、第1の通話相手(ユーザB)と通話するために選択している選択チャンネルの選択スロットで音声信号を受信して出力している状態である。第2の通話相手(ユーザE)に発呼するためのPTTボタン151の操作がなされたとき、第1の受信部17は、送信スロット決定部102が第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定するまで、選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び復調を継続する。この間、選択チャンネル以外のチャンネルを探索するために第2の受信部18を使用するので、第1の受信部17は選択チャンネルの選択スロットの信号の受信及び音声信号の出力を継続することができる。なお、第1の受信部17は選択チャンネルの非選択スロットを時分割で受信できるため、第1の受信部17が受信した信号に基づいてチャンネルを探索することができる。
【0038】
送信スロット決定部102が第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットを決定すると、第1の受信部17は選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び復調を停止する。送信部16は、送信スロット決定部102が決定したチャンネルのスロットで第2の通話相手に変調したベースバンド信号(音声信号を含む信号)を送信する。
【0039】
図5は、無線通信機100Dが
図4と同様にユーザEと通話するために時刻t7でPTTボタン151を押下したときに、チャンネル2のスロット1及び2が既に使用されている場合の処理を示している。
図5において、
図4と実質的に同一の時刻及び同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0040】
無線通信機100Dの制御部10は、時刻t7でのPTTボタン151の押下に応答して、送信実行判定処理Pd3を実行する。無線通信機100Dは、送信実行判定処理Pd3の実行中も受信/復調/音声出力処理Pd1を継続する。制御部10は、チャンネル1のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定し、チャンネル1のスロット1及び2では送信不可と判定する。
【0041】
続けて、制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル2のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定する。チャンネル2のスロット1及び2は、図示していない他の無線通信機100で既に使用されている。制御部10は、チャンネル2のスロット1及び2では送信不可と判定する。ユーザDは、時刻t12でPTTボタン151の押下を解除し、制御部10による検出処理Pd20が終了する。
【0042】
このように、無線通信機100Dの第1の受信部17は、第2の通話相手に発呼するためのPTTボタン151の操作がなされたとき、第2の通話相手に音声信号を送信するためのチャンネルのスロットが存在しなければ、第1の通話相手と通話するために選択している選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び音声信号の出力を継続する。無線通信機100Dは、受信/復調/音声出力処理Pd1を継続するので、ユーザEとの通話ができない場合でも、ユーザBとの通話におけるユーザBからの送信音声を聞き逃してしまうことはない。
【0043】
図6は、無線通信機100Dが
図4と同様にユーザEと通話するために時刻t7でPTTボタン151を押下したときに、チャンネル2のスロット1及び2が既に使用されており、PTTボタン151の押下継続中に、ユーザAがユーザCとの通話を終了した場合の処理を示している。
図6において、
図4と実質的に同一の時刻及び同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0044】
図6において、ユーザAが時刻t1でPTTボタン151を押下することにより、無線通信機100Aが、無線通信機100Cに対してチャンネル1のスロット1で音声信号の送信処理Pa11を開始する。無線通信機100Cは、時刻t2で、無線通信機100Aから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pc11を開始する。
【0045】
無線通信機100Dの制御部10は、時刻t7でのPTTボタン151の押下に応答して、送信実行判定処理Pd3を実行する。無線通信機100Dは、送信実行判定処理Pd3の実行中も受信/復調/音声出力処理Pd1を継続する。制御部10は、チャンネル1のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定し、チャンネル1のスロット1及び2では送信不可と判定する。
【0046】
続けて、制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル2のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定する。チャンネル2のスロット1及び2は、図示していない他の無線通信機100で既に使用されている。制御部10は、チャンネル2のスロット1及び2では送信不可と判定する。この時点で無線通信機100Dは音声信号を送信できないが、ユーザDはPTTボタン151の押下を継続している。ユーザDがPTTボタン151を押下している期間、制御部10は送信実行判定処理Pd3を継続する。制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル1のスロット1もしくは2、またはチャンネル2のスロット1もしくは2で音声信号を送信可能であるか否かを判定し、送信可能なチャンネルのスロットが発見されるまでその判定を繰り返す。
【0047】
ユーザAは、時刻t13でPTTボタン151の押下を解除し、無線通信機100Aの制御部10は送信処理Pa11を終了させる。無線通信機100Cの制御部10は、時刻t14で受信/復調/音声出力処理Pc11を終了させる。無線通信機100Dの制御部10は、チャンネル1のスロット1が空き状態となったことを検出し、ユーザEと通話するための音声信号をチャンネル1のスロット1で送信可能であると判定する。
【0048】
そこで、無線通信機100Dの制御部10は、時刻t15で無線通信機100Bから送信された音声信号の受信/復調/音声出力処理Pd1を終了させる。加えて、制御部10は、ユーザEに対して発呼してチャンネル1のスロット1でユーザEへの音声信号を送信する。制御部10がチャンネル1のスロット1でユーザEへの音声信号を送信する処理を実行することにより、検出処理Pd20は音声信号の送信処理Pd2へと移行する。
【0049】
無線通信機100Eは、時刻t16で、無線通信機100Dから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pe3を開始する。なお、無線通信機100Eは、受信/復調/音声出力処理Pe3の最中も受信処理Pe1を継続している。ユーザDが時刻t17でPTTボタン151の押下を解除し、無線通信機100Dが送信処理Pd2を終了させたとする。無線通信機100Eは、時刻t18で受信/復調/音声出力処理Pe3を終了させる。
【0050】
このように、無線通信機100Dの第1の受信部17は、選択チャンネルの選択スロットで信号を受信して復調している状態でPTTボタン151の操作がなされた場合、送信可能なチャンネルのスロットが発見されるまで選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び音声信号の出力を継続する。PTTボタン151の押下が継続された状態で、送信可能なチャンネルのスロットが発見されると、第1の受信部17は、選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び復調を停止する。その後、送信部16は、発見されたチャンネルのスロットで第2の通話相手に変調したベースバンド信号を送信する。
【0051】
無線通信機100Dは、受信/復調/音声出力処理Pd1を継続するので、ユーザEとの通話ができない場合でも、ユーザBとの通話におけるユーザBからの送信音声を聞き逃してしまうことはない。また、無線通信機100Dは、PTTボタン151の押下の継続中にチャンネル1のスロット1が空き状態となれば、自動的に無線通信機100Eとの通信へと移行させることができる。
【0052】
図7は、無線通信機100Dが
図4と同様にユーザEと通話するために時刻t7でPTTボタン151を押下したときに、チャンネル2のスロット1及び2が既に使用されており、PTTボタン151の押下を解除した後に、ユーザAとユーザCとの通話の終了を報知する場合の処理を示している。
図7において、
図4と実質的に同一の時刻及び同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
【0053】
図7において、ユーザAが時刻t1でPTTボタン151を押下することにより、無線通信機100Aが、無線通信機100Cに対してチャンネル1のスロット1で音声信号の送信処理Pa12を開始する。無線通信機100Cは、時刻t2で、無線通信機100Aから送信された音声信号を基地局200を介して受信し、復調して、音声を出力する処理である、受信/復調/音声出力処理Pc12を開始する。
【0054】
無線通信機100Dの制御部10は、時刻t7でのPTTボタン151の押下に応答して、送信実行判定処理Pd3を実行する。無線通信機100Dは、送信実行判定処理Pd3の実行中も受信/復調/音声出力処理Pd1を継続する。制御部10は、チャンネル1のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定し、チャンネル1のスロット1及び2では送信不可と判定する。
【0055】
続けて、制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル2のスロット1及び2で音声信号を送信可能であるか否かを順に判定する。チャンネル2のスロット1及び2は、図示していない他の無線通信機100で既に使用されている。制御部10は、チャンネル2のスロット1及び2では送信不可と判定する。この時点で無線通信機100Dは音声信号を送信できず、ユーザDは、時刻t19でPTTボタン151の押下を解除する。無線通信機100Dの制御部10は、PTTボタン151の押下が解除されると、報知判定処理Pd4を実行する。報知判定処理Pd4とは、後述する報知処理Pd5を実行する条件であるか否かを判定する処理である。報知判定処理Pd4を実行するのと同時に、制御部10は送信実行判定処理Pd3を継続する。制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル1のスロット1もしくは2、またはチャンネル2のスロット1もしくは2で音声信号を送信可能であるか否かを判定し、送信可能なチャンネルのスロットが発見されるまでその判定を繰り返す。
【0056】
ユーザAは、時刻t20でPTTボタン151の押下を解除し、無線通信機100Aの制御部10は送信処理Pa12を終了させる。無線通信機100Cの制御部10は、時刻t21で受信/復調/音声出力処理Pc12を終了させる。無線通信機100Dの制御部10は、報知判定処理Pd4で、無線通信機100AにおいてPTTボタン151の押下が解除される前に、無線通信機100DのPTTボタン151の押下を解除しているから、後述する報知処理Pd5を実行する条件であると判定する。
【0057】
無線通信機100Dの制御部10は、送信実行判定処理Pd3でチャンネル1のスロット1が空き状態となったことを検出し、報知判定処理Pd4で、ユーザEと通話するための音声信号をチャンネル1のスロット1で送信可能となったことをユーザDに通知してよい状態となったと判定する。
【0058】
そこで、無線通信機100Dの制御部10は、時刻t22で報知処理Pd5を実行する。報知処理Pd5とは、例えば、報知部14によってビープ音を発生させる処理である。ユーザDは、ビープ音によってユーザEとの通話が可能な状態となったことを認識する。この時点まで、制御部10は受信/復調/音声出力処理Pd1を継続し、その後に、ユーザDは、改めてPTTボタン151を押下してユーザEに対して発呼すればよい。
【0059】
このように、無線通信機100Dの第1の受信部17が選択チャンネルの選択スロットで信号を受信して復調している状態で、PTTボタン151の操作がなされて送信が不可と判定された後に、PTTボタン151の操作が解除される。この間、第1の受信部17は選択チャンネルの選択スロットでの信号の受信及び音声信号の出力を継続する。その後、制御部10は送信実行判定処理Pd3を継続する。制御部10は、送信実行判定処理Pd3で、チャンネル1のスロット1もしくは2、またはチャンネル2のスロット1もしくは2で音声信号を送信可能であるか否かを判定し、送信可能なチャンネルのスロットが発見されるまでその判定を繰り返す。送信可能なチャンネルのスロットが発見されると、報知処理部104は、報知部14によって、音声信号の送信が可能となったことを報知する。
【0060】
無線通信機100Dは、受信/復調/音声出力処理Pd1を継続するので、ユーザEとの通話ができない場合でも、ユーザBとの通話におけるユーザBからの送信音声を聞き逃してしまうことはない。また、無線通信機100Dは、PTTボタン151の押下を解除した後に送信実行判定処理Pd3で音声信号を送信可能となったとの判定に基づいて報知処理Pd5を実行して、ユーザDはユーザEとの通話が可能な状態となったタイミングを認識することができる。
【0061】
図8に示すフローチャートを用いて、無線通信機100の動作を説明する。選択チャンネルはチャンネル1であり、非選択チャンネルは初期状態においてチャンネル2であるとする。
図8において、処理が開始されると、制御部10は、ステップS1にて、PTTボタン151が押下されているか否かを判定する。PTTボタン151が押下されていなければ(NO)、制御部10は、処理をステップS9に移行させる。ステップS9の報知判定処理の詳細については後述する。
【0062】
ステップS1にてPTTボタン151が押下されていれば(YES)、制御部10は、ステップS2にて、選択チャンネルの選択スロットがビジー(使用中)であるか否かを判定する。選択チャンネルの選択スロットがビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS8に移行させる。選択チャンネルの選択スロットがビジーであれば(YES)、制御部10は、処理をステップS3に移行させる。
【0063】
制御部10は、ステップS3にて、選択チャンネルの非選択スロットがビジーであるか否かを判定する。選択チャンネルの非選択スロットがビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS8に移行させる。選択チャンネルの非選択スロットがビジーであれば(YES)、制御部10は、処理をステップS4に移行させる。
【0064】
制御部10は、ステップS4にて、非選択チャンネルのスロット1がビジーであるか否かを判定する。非選択チャンネルのスロット1がビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS8に移行させる。非選択チャンネルのスロット1がビジーであれば(YES)、制御部10は、処理をステップS5に移行させる。
【0065】
制御部10は、ステップS5にて、非選択チャンネルのスロット2がビジーであるか否かを判定する。非選択チャンネルのスロット2がビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS8に移行させる。非選択チャンネルのスロット2がビジーであれば(YES)、制御部10は、処理をステップS6に移行させる。
【0066】
制御部10は、ステップS6にて、選択チャンネルの選択スロットの受信を継続し、ステップS7にて、チャンネルの数が3つ以上で他にも非選択チャンネルがあれば、非選択チャンネルを変更して、処理をステップS1に戻して探索を繰り返す。制御部10は、ステップS8にて、空きを確認したチャンネルのスロットで音声信号を送信して、処理を終了させる。制御部10は、ステップS9にて、報知判定処理を実行して処理を終了させる。
【0067】
図9に示すフローチャートを用いて、ステップS9の報知判定処理の具体的な処理を説明する。
図9において、制御部10は、ステップS901にて、PTTボタン151の押下を解除する前は送信状態であったか否かを判定する。PTTボタン151の押下を解除する前は送信状態であれば(YES)、制御部10は、ステップS911にて、送信を終了させて、処理を終了させる。
【0068】
ステップS901にてPTTボタン151の押下を解除する前が送信状態でなければ(NO)、制御部10は、ステップS902にて、選択チャンネルの選択スロットがビジーであるか否かを判定する。選択チャンネルの選択スロットがビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS908に移行させる。選択チャンネルの選択スロットがビジーであれば、制御部10は、ステップS903にて、選択チャンネルの非選択スロットがビジーであるか否かを判定する。
【0069】
ステップS903にて選択チャンネルの非選択スロットがビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS908に移行させる。ステップS903にて選択チャンネルの非選択スロットがビジーであれば、制御部10は、ステップS904にて、非選択チャンネルのスロット1がビジーであるか否かを判定する。
【0070】
ステップS904にて選択チャンネルの非選択スロットがビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS908に移行させる。ステップS904にて選択チャンネルの非選択スロットがビジーであれば、制御部10は、ステップS905にて、非選択チャンネルのスロット2がビジーであるか否かを判定する。
【0071】
ステップS905にて非選択チャンネルのスロット2がビジーでなければ(NO)、制御部10は処理をステップS908に移行させる。ステップS905にて非選択チャンネルのスロット2がビジーであれば、制御部10は、ステップS906にて、選択チャンネルの選択スロットの受信を継続し、ステップS907にて、チャンネルの数が3つ以上で他にも非選択チャンネルがあれば、非選択チャンネルを変更して、処理をステップS901に戻して探索を繰り返す。
【0072】
制御部10は、ステップS908にて、報知処理を実行する。続けて、制御部10は、ステップS909にて、PTTボタン151が押下されたか否かを判定する。PTTボタン151が押下されなければ(NO)、制御部10は処理を終了させる。PTTボタン151が押下されれば(YES)、制御部10は、ステップS910にて、空きを確認したチャンネルのスロットで受信して処理を終了させる。
【0073】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 制御部
11 音声入力部
12 音声出力部
13 表示部
14 報知部
15 操作部
16 送信部
17 第1の受信部
18 第2の受信部
19 記憶部
20 アンテナ
100,100A~100E 無線通信機
101 受信処理部
102 送信スロット決定部
103 送信処理部
104 報知処理部
200 基地局