IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通フロンテック株式会社の特許一覧

特開2024-118051自動取引装置および自動取引プログラム
<>
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図1
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図2
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図3
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図4
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図5
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図6
  • 特開-自動取引装置および自動取引プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118051
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】自動取引装置および自動取引プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/60 20190101AFI20240823BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240823BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20240823BHJP
【FI】
G07D11/60
G07F19/00
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024226
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正子
【テーマコード(参考)】
3E141
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA07
3E141AA08
3E141BA07
3E141BA18
3E141CB04
3E141DA02
3E141DA03
3E141FH04
3E141FJ05
3E141GA06
3E141HA01
3E141JA09
3E141KB16
5L020AA39
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】自動取引装置における取引を容易にすることができる。
【解決手段】自動取引装置10は、入力部11と制御部12とを有する。入力部11は、ユーザからの入力操作を受け付ける。制御部12は、照合に成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加された合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、取引番号に対応する取引を特定する。そして、制御部12は、特定した取引を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力操作を受け付ける入力部と、
照合に成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加された合成情報の入力を前記入力部が受け付けると、前記取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する制御部と、
を有する自動取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、暗証番号に前記取引番号が付加された前記合成情報の入力を前記入力部が受け付けると、前記暗証番号を照合し、前記暗証番号の照合に成功した場合に、前記取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する、
請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記暗証番号に前記取引番号が連結された番号である前記合成情報の入力を前記入力部が受け付けると、前記合成情報を所定の桁数で分離して前記暗証番号と前記取引番号とを特定する、
請求項2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記制御部は、生体情報に前記取引番号が付加された前記合成情報の入力を前記入力部が受け付けると、前記生体情報を照合し、前記生体情報の照合に成功した場合に、前記取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する、
請求項1記載の自動取引装置。
【請求項5】
自動取引装置に、
照合が成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加された合成情報の入力を、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部が受け付けると、前記取引番号に対応する取引を特定し、
特定した取引を実行する、
処理を実行させる自動取引プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置および自動取引プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)による金融取引は、例えば、ユーザがATMにキャッシュカードを挿入し、取引種別、暗証番号および取引金額などの情報を入力することで行われる。
【0003】
ATMを用いた取引に関する技術としては、例えば、利用者のニーズに合わせて、その利用者が連続して行う取引について、取引処理にかかる時間の短縮を図り、処理効率を向上させた取引処理装置が提案されている。また、例えば、現金処理以外の取引を事前に実施する、音声認識PCを用いた現金取引ネットワークシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-129071号公報
【特許文献2】特開2009-140272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、高齢者や障害者は、ATMを用いた取引をする際の金額入力等の操作が負担となることがある。そこで、ATMの入力操作を少なくし、取引が容易になることが好ましい。
【0006】
1つの側面では、本件は、自動取引装置における取引を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、入力部と制御部とを有する自動取引装置が提供される。入力部は、ユーザからの入力操作を受け付ける。制御部は、照合に成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加された合成情報の入力を入力部が受け付けると、取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、自動取引装置における取引を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る自動取引装置の一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図3】ATMのハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】ATMおよびホストサーバの機能例を示すブロック図である。
図5】口座情報の一例を示す図である。
図6】取引時の画面遷移の一例を示す図である。
図7】取引制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る自動取引装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、自動取引装置10による自動取引が行われるものである。自動取引装置10は、ユーザの操作に従って金融取引を実行する装置である。自動取引装置10は、例えば、金融機関などに設置されたATMである。
【0012】
自動取引装置10は、入力部11と制御部12とを有する。入力部11は、ユーザからの入力操作を受け付ける。入力部11は、例えば、テンキー、タッチパネル、生体センサ等である。例えば、テンキーである入力部11は、番号の入力を受け付ける。また、例えば、タッチパネルである入力部11は、ディスプレイに表示したテンキーへのタッチ操作による番号の入力を受け付ける。また、例えば、生体センサである入力部11は、指紋、静脈、虹彩等の生体情報を読み取る。
【0013】
制御部12は、自動取引装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。制御部12は、例えば、自動取引装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。制御部12は、ユーザから入力部11への入力内容に応じて取引を実行する。入力部11は、合成情報1の入力を受け付ける。合成情報1は、照合に成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加されたものである。認証情報は、取引をするユーザを認証するための情報である。例えば、認証情報は、暗証番号や生体情報である。取引番号は、あらかじめ登録された取引を識別するための番号である。例えば、取引番号は、1桁の数字である。
【0014】
制御部12は、合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、合成情報1から認証情報と取引番号とを特定する。例えば、制御部12は、暗証番号に取引番号が連結された番号である合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、合成情報1を所定の桁数で分離して暗証番号と取引番号とを特定する。
【0015】
一例として、入力部11は、5桁の番号である「12341」を、合成情報1の入力として受け付ける。すると、制御部12は、合成情報1を、左から4桁の「1234」と、右から1桁の「1」とに分離する。制御部12は、「1234」を暗証番号として特定し、「1」を取引番号として特定する。
【0016】
制御部12は、特定した認証情報を照合する。例えば、制御部12は、暗証番号の照合では、ユーザが操作開始時に挿入したキャッシュカードから読み取った、ユーザの口座番号に対応する暗証番号を、口座を管理するホストサーバに問合わせる。制御部12は、ホストサーバから通知された暗証番号と、合成情報1から特定した暗証番号とを比較し、一致した場合、照合に成功したと判定する。また、例えば、制御部12は、生体情報の照合では、ユーザの口座番号に対応する生体情報をホストサーバに問合わせ、ホストサーバから通知された生体情報と、合成情報1から特定した生体情報とを比較し、一致した場合、照合に成功したと判定する。
【0017】
制御部12は、認証情報の照合に成功した場合、取引番号に対応する取引を特定する。例えば、制御部12は、ユーザについて設定された、特定した取引番号に対応する取引をホストサーバに問合わせる。制御部12は、ホストサーバから通知された取引を、実行する取引として特定する。そして、制御部12は、特定した取引を実行する。例えば、制御部12は、所定の金額の出金取引を特定した場合、自動取引装置10の現金処理ユニットに当該金額の現金を出金させ、ユーザの口座から当該金額を減額するようホストサーバに要求する。
【0018】
第1の実施の形態によれば、自動取引装置10の入力部11は、ユーザからの入力操作を受け付ける。自動取引装置10の制御部12は、照合に成功した場合に取引を実行する認証情報に、取引番号が付加された合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する。
【0019】
これにより、自動取引装置10は、自動取引装置10による取引におけるユーザの入力回数を低減させることができる。よって、自動取引装置10は、自動取引装置10における取引を容易にすることができる。
【0020】
また、制御部12は、暗証番号に取引番号が付加された合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、暗証番号を照合し、暗証番号の照合に成功した場合に、取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する。これにより、自動取引装置10は、暗証番号を用いた取引におけるユーザの入力回数を低減させることができる。
【0021】
また、制御部12は、暗証番号に取引番号が連結された番号である合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、合成情報1を所定の桁数で分離して暗証番号と取引番号とを特定する。これにより、自動取引装置10は、ユーザが1つの番号を記憶しているだけで取引できるようにし、取引の利便性を向上させることができる。
【0022】
また、制御部12は、生体情報に取引番号が付加された合成情報1の入力を入力部11が受け付けると、生体情報を照合し、生体情報の照合に成功した場合に、取引番号に対応する取引を特定し、特定した取引を実行する。これにより、自動取引装置10は、生体情報を用いた取引におけるユーザの入力回数を低減させることができる。
【0023】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、ATMによる自動取引を提供するものである。
【0024】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、ATM100およびホストサーバ200を有する。ATM100は、操作者(操作者)による入力操作をタッチパネルから受け付け、受け付けた入力に基づいて、入金、出金、振込等の金融取引を実行する装置である。また、ATM100は、取引番号と対応する取引とを事前に登録したユーザによって、暗証番号または静脈情報の入力時に取引番号が入力されると、入力された取引番号に対応する取引を実行する。なお、第2の実施の形態の情報処理システムは、ATM100と同様のATMを複数有していてもよい。
【0025】
ATM100は、ネットワーク20を介してホストサーバ200に接続されている。ネットワーク20は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。また、ネットワーク20は、専用回線であってもよい。ホストサーバ200は、銀行口座等の情報を記憶するデータベースを管理するためのサーバコンピュータである。ホストサーバ200は、ATM100から取引内容を取得し、取得した取引内容に基づいてデータベースに記憶された情報を更新する。
【0026】
図3は、ATMのハードウェアの一構成例を示す図である。ATM100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス108を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0027】
メモリ102は、ATM100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0028】
バス108に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、ネットワークインタフェース104、表示処理ユニット105、タッチパネル処理ユニット106およびI/O(Input/Output)制御ユニット107がある。
【0029】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、ATM100の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および取引履歴情報等を含む各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0030】
ネットワークインタフェース104は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース104は、ネットワーク20を介して、ホストサーバ200との間でデータの送受信を行う。
【0031】
表示処理ユニット105には、ディスプレイ111が接続される。表示処理ユニット105は、プロセッサ101からの命令に従って、操作案内等の各種情報をディスプレイ111の画面に表示させる。ディスプレイ111としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0032】
タッチパネル処理ユニット106には、タッチパネル112が接続される。タッチパネル112は、例えば、ディスプレイ111の前面に配置される。タッチパネル処理ユニット106は、操作者の指がタッチパネル112に接触あるいは接近した画面上の位置を検出し、プロセッサ101に通知する。
【0033】
I/O制御ユニット107には、カード処理ユニット113、通帳処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、紙幣処理ユニット116および静脈センサ117が接続される。I/O制御ユニット107は、プロセッサ101の命令に従って、接続する各部にプロセッサ101からの指示を通知する。また、I/O制御ユニット107は、各部から取得した情報をバス108経由でプロセッサ101に通知する。
【0034】
カード処理ユニット113は、カードの取り込みおよび放出を制御する。カード処理ユニット113は、取り込んだカードに付された磁気で記録された情報(口座番号等)を読み込む。
【0035】
通帳処理ユニット114は、通帳の取り込みと放出を制御する。また、通帳処理ユニット114は、取り込んだ通帳に付された磁気で記録された情報(口座番号等)を読み込む。また、通帳処理ユニット114は、通帳に印字を行う機能も備えており、通帳の記帳が可能である。
【0036】
硬貨処理ユニット115は、プロセッサ101の指示に従って硬貨の入出金と、硬貨の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット116は、プロセッサ101の指示に従って紙幣の入出金と、紙幣の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット116は、紙幣の種別および記番号を読み取る機能を備える。紙幣処理ユニット116は、入出金の際に出し入れした紙幣の記番号を読み取り、プロセッサ101に出力する。
【0037】
静脈センサ117は、静脈情報を読み取るためのセンサである。静脈センサ117は、触れられた手のひらから静脈を読み取り、読み取った静脈の画像(静脈情報)を生成する。静脈センサ117は、生成した静脈情報をプロセッサ101に送信する。
【0038】
また、I/O制御ユニット107は、可搬型記録媒体31からデータを読み込みまたは、可搬型記録媒体31にデータを書き込むことができる。可搬型記録媒体31は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)等の記録媒体である。可搬型記録媒体31は、取引履歴情報等を格納できる。
【0039】
なお、第1の実施の形態に示した自動取引装置10も、図3に示したATM100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した制御部12の一例である。また、タッチパネル112および静脈センサ117は、第1の実施の形態に示した入力部11の一例である。
【0040】
ATM100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。ATM100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、ATM100に実行させるプログラムを、ストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またATM100に実行させるプログラムを、可搬型記録媒体31に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体31に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体31から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、ATM100およびホストサーバ200の機能について詳細に説明する。
【0041】
図4は、ATMおよびホストサーバの機能例を示すブロック図である。ホストサーバ200は、記憶部210を有する。記憶部210は、ホストサーバ200が有するメモリまたはストレージ装置の記憶領域を用いて実現される。記憶部210は、口座情報211を記憶する。口座情報211は、ホストサーバ200が管理する銀行口座に関する情報である。
【0042】
ATM100は、入出力処理部120および取引処理部130を有する。入出力処理部120および取引処理部130は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0043】
入出力処理部120は、取引時の入出力を管理する。入出力処理部120は、取引開始時、取引種別を選択する画面をディスプレイ111に表示させ、取引種別の選択を受け付ける。また、入出力処理部120は、キャッシュカードの挿入を受け付ける。
【0044】
入出力処理部120は、静脈情報を用いた取引では、静脈情報を入力するための画面をディスプレイ111に表示させ、画面の表示中に、静脈センサ117によって、静脈センサ117にかざされた手のひらから静脈情報を読み取る。また、入出力処理部120は、静脈情報を入力するための画面において、取引番号の入力を受け付ける。入出力処理部120は、暗証番号を用いた取引では、番号を入力するための画面をディスプレイ111に表示させ、5桁の番号の入力を受け付ける。
【0045】
取引処理部130は、静脈情報または暗証番号の照合をし、照合に成功した場合、取引を実行する。取引処理部130は、静脈情報を用いた取引では、静脈情報の照合をする。例えば、取引処理部130は、キャッシュカードから読み取った口座番号と、入力された静脈情報とをホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号に対応付けて口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致するか否かをホストサーバ200に問い合わせる。取引処理部130は、口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致するとホストサーバ200から通知された場合、静脈情報の照合に成功したと判定する。また、取引処理部130は、口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致しないとホストサーバ200から通知された場合、静脈情報の照合に失敗したと判定する。
【0046】
取引処理部130は、暗証番号を用いた取引では、入力された5桁の番号を暗証番号と取引番号とに分離する。例えば、取引処理部130は、入力された番号のはじめの4桁を暗証番号として特定し、5桁目を取引番号として特定する。そして、取引処理部130は、暗証番号の照合をする。例えば、取引処理部130は、キャッシュカードから読み取った口座番号と、特定した暗証番号とをホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号に対応付けて口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致するか否かをホストサーバ200に問い合わせる。取引処理部130は、口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致するとホストサーバ200から通知された場合、暗証番号の照合に成功したと判定する。また、取引処理部130は、口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致しないとホストサーバ200から通知された場合、暗証番号の照合に失敗したと判定する。
【0047】
取引処理部130は、静脈情報または暗証番号の照合に成功した場合、取引番号に対応する取引内容を特定する。例えば、取引処理部130は、キャッシュカードから読み取った口座番号および取引番号をホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号と取引番号とに対応付けて口座情報211に登録された取引内容をホストサーバ200に問い合わせる。そして、取引処理部130は、特定した取引を実行する。
【0048】
なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部210に記憶される口座情報211について詳細に説明する。
【0049】
図5は、口座情報の一例を示す図である。口座情報211は、ホストサーバ200が管理する銀行口座に関する情報である。口座情報211は、口座番号、生体認証登録有無、暗証番号、静脈情報、取引種別、取引内容、明細票発行有無および取引番号の項目を有する。
【0050】
口座番号の項目には、銀行口座の口座番号が登録される。生体認証登録有無の項目には、銀行口座に生体認証のための静脈情報が登録されているか否かが登録される。例えば、静脈情報が登録されている銀行口座についての生体認証登録有無の項目には、「有」が登録される。また、例えば、静脈情報が登録されていない銀行口座についての生体認証登録有無の項目には、「無」が登録される。
【0051】
暗証番号の項目には、銀行口座に対応付けられた暗証番号が登録される。静脈情報の項目には、銀行口座に対応付けられた静脈情報が登録される。なお、生体認証登録有無の項目が「無」の場合、静脈情報の項目には、静脈情報が登録されない。取引種別の項目には、事前に登録した取引の取引種別が登録される。取引内容の項目には、事前に登録した取引の取引内容が登録される。明細票発行有無の項目には、事前に登録した取引において、明細票を発行するか否かが登録される。例えば、事前に登録した取引において、明細票を発行する場合、明細票発行有無の項目には、「有」が登録される。また、例えば、事前に登録した取引において、明細票を発行しない場合、明細票発行有無の項目には、「無」が登録される。取引番号の項目には、事前に登録した取引に対応する取引番号が設定される。
【0052】
次に、取引時にATM100が表示する画面について説明する。
図6は、取引時の画面遷移の一例を示す図である。ATM100は、暗証番号または静脈情報とともに取引番号が入力された場合、入力された取引番号に対応づけて登録された取引を実行する。まず、ATM100の入出力処理部120は、取引種別を選択する画面をディスプレイ111に表示させ、取引種別の選択をタッチパネル112から受け付ける。そして、入出力処理部120は、カード処理ユニット113によってキャッシュカードの挿入を受け付け、口座番号を読み取る。
【0053】
ATM100の取引処理部130は、キャッシュカードから読み取った口座番号に対応する静脈情報の登録があるか否かをホストサーバ200に問い合わせる。入出力処理部120は、静脈情報の登録がない場合、画面41をディスプレイ111に表示させる。画面41は、暗証番号の入力を受け付ける画面である。画面41は、「暗証番号を入力してください」等の暗証番号の入力を促すメッセージを含む。また、画面41は、番号の入力欄を含む。番号の入力欄は、5桁または4桁の番号を入力可能である。また、画面41は、テンキーを含む。入出力処理部120は、タッチパネル112から画面41のテンキーへのタッチ操作を検出し、番号の入力を受け付ける。また、画面41は、次の画面へ進むボタンを含む。
【0054】
入出力処理部120は、静脈情報の登録がある場合、画面42をディスプレイ111に表示させる。画面42は、静脈情報の入力を受け付ける画面である。画面42は、「生体認証を行ってください」等の静脈情報の入力を促すメッセージを含む。入出力処理部120は、画面42の表示中に、静脈センサ117によって、静脈センサ117にかざされた手のひらから静脈情報を読み取る。また、画面42は、1桁の取引番号の入力欄を含む。また、画面42は、テンキーを含む。入出力処理部120は、タッチパネル112から画面42のテンキーへのタッチ操作を検出し、取引番号の入力を受け付ける。また、画面42は、次の画面へ進むボタンを含む。
【0055】
画面41,42において、暗証番号または静脈情報の入力を受け付けると、取引処理部130は、取引番号の入力があるか否かを判定する。取引処理部130は、画面41において、5桁の番号が入力された場合または画面42において、取引番号が入力された場合、取引番号の入力があると判定する。また、取引処理部130は、画面41において、4桁の番号が入力された場合または画面42において、取引番号が入力されなかった場合、取引番号の入力がないと判定する。なお、取引処理部130は、取引番号を用いないことを示す番号(例えば、「0」)が画面41において入力された番号の5桁目または画面42における取引番号として入力された場合、取引番号の入力がないと判定してもよい。
【0056】
取引処理部130は、取引番号の入力があると判定した場合、取引番号に対応する取引を実行する。なお、取引処理部130は、画面41で暗証番号入力がされた場合、画面41において入力された番号の5桁目を取引番号として用いる。取引処理部130は、キャッシュカードから読み取った口座番号と、入力された取引番号とに対応する取引と、明細票発行有無とをホストサーバ200に問い合わせる。そして、取引処理部130は、ホストサーバ200から通知された取引を実行し、明細票発行ありとホストサーバ200から通知された場合、明細票を発行する。
【0057】
入出力処理部120は、取引処理部130が取引番号の入力がないと判定した場合、画面43をディスプレイ111に表示させる。画面43は、取引金額の入力を受け付ける画面である。画面43は、「引き出し金額を入力してください」等の取引金額の入力を促すメッセージを含む。また、画面43は、取引金額の入力欄を含む。また、画面43は、テンキーを含む。入出力処理部120は、タッチパネル112から画面43のテンキーへのタッチ操作を検出し、取引金額の入力を受け付ける。また、画面43は、次の画面へ進むボタンを含む。
【0058】
そして、入出力処理部120は、取引金額や明細票発行有無を確認する。例えば、入出力処理部120は、入力された取引金額を表示して、確認したか否かの入力を受け付ける画面をディスプレイ111に表示させる。また、入出力処理部120は、明細票発行をするか否かの入力を受け付けるための画面をディスプレイ111に表示させる。そして、取引処理部130は、操作開始時に入力された取引種別および画面43において入力された取引金額での取引を実行し、明細票発行ありと入力された場合、明細票を発行する。
【0059】
このようにして、ATM100は、取引を実行する。ATM100は、暗証番号または静脈情報に取引番号が付加されている場合、取引番号に対応する取引を実行する。これにより、ATM100は、取引金額の入力等の操作を低減することができる。また、ATM100は、取引番号に対応付けて登録された明細票発行有無に従って、明細票を発行するため、明細票発行有無の操作も低減することができる。よって、ATM100は、ATM100における取引を容易にすることができる。
【0060】
また、ATM100は、画面41において、5桁の番号として暗証番号および取引番号の入力を受け付ける。これにより、ATM100は、ユーザが5桁の番号を記憶しているだけで取引できるようにし、取引の利便性を向上させることができる。次に、ATM100による取引制御処理の手順について説明する。
【0061】
図7は、取引制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]入出力処理部120は、取引種別の選択を受け付ける。例えば、入出力処理部120は、取引種別を選択する画面をディスプレイ111に表示させ、取引種別の選択をタッチパネル112から受け付ける。
【0062】
[ステップS12]入出力処理部120は、キャッシュカードの挿入を受け付ける。例えば、入出力処理部120は、カード処理ユニット113によってキャッシュカードの挿入を受け付け、口座番号を読み取る。
【0063】
[ステップS13]取引処理部130は、ホストサーバ200に静脈情報登録の問合せをする。例えば、取引処理部130は、ステップS12でキャッシュカードから読み取った口座番号をホストサーバ200に通知し、通知した口座番号に対応する静脈情報が口座情報211に登録されているか否かをホストサーバ200に問い合わせる。
【0064】
[ステップS14]取引処理部130は、静脈情報の登録があるか否かを判定する。例えば、取引処理部130は、ホストサーバ200から静脈情報が登録されていることを通知された場合、静脈情報の登録があると判定し、ホストサーバ200から静脈情報が登録されていないことを通知された場合、静脈情報の登録がないと判定する。取引処理部130は、静脈情報の登録があると判定した場合、処理をステップS15に進める。また、取引処理部130は、静脈情報の登録がないと判定した場合、処理をステップS17に進める。
【0065】
[ステップS15]入出力処理部120は、静脈情報を入力するための画面42をディスプレイ111に表示させる。入出力処理部120は、画面42の表示中に、静脈センサ117によって、静脈センサ117にかざされた手のひらから静脈情報を読み取る。また、入出力処理部120は、タッチパネル112から画面42のテンキーへのタッチ操作を検出し、取引番号の入力を受け付ける。
【0066】
[ステップS16]取引処理部130は、静脈情報の照合に成功したか否かを判定する。例えば、取引処理部130は、ステップS12でキャッシュカードから読み取った口座番号と、ステップS15で入力された静脈情報とをホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号に対応付けて口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致するか否かをホストサーバ200に問い合わせる。取引処理部130は、口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致するとホストサーバ200から通知された場合、静脈情報の照合に成功したと判定する。また、取引処理部130は、口座情報211に登録された静脈情報と、通知した静脈情報とが一致しないとホストサーバ200から通知された場合、静脈情報の照合に失敗したと判定する。
【0067】
取引処理部130は、静脈情報の照合に成功したと判定した場合、処理をステップS20に進める。また、取引処理部130は、静脈情報の照合に失敗したと判定した場合、処理をステップS26に進める。なお、取引処理部130は、静脈情報の照合に失敗したと判定した場合に、ステップS15に戻って再度静脈情報の入力を促してもよい。
【0068】
[ステップS17]入出力処理部120は、暗証番号を入力するための画面41をディスプレイ111に表示させる。入出力処理部120は、タッチパネル112から画面41のテンキーへのタッチ操作を検出し、番号の入力を受け付ける。
【0069】
[ステップS18]取引処理部130は、ステップS17で入力された番号を暗証番号と取引番号とに分離する。例えば、取引処理部130は、ステップS17で入力された番号のはじめの4桁を暗証番号として特定し、5桁目を取引番号として特定する。
【0070】
[ステップS19]取引処理部130は、暗証番号の照合に成功したか否かを判定する。例えば、取引処理部130は、ステップS12でキャッシュカードから読み取った口座番号と、ステップS18で特定した暗証番号とをホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号に対応付けて口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致するか否かをホストサーバ200に問い合わせる。取引処理部130は、口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致するとホストサーバ200から通知された場合、暗証番号の照合に成功したと判定する。また、取引処理部130は、口座情報211に登録された暗証番号と、通知した暗証番号とが一致しないとホストサーバ200から通知された場合、暗証番号の照合に失敗したと判定する。
【0071】
取引処理部130は、暗証番号の照合に成功したと判定した場合、処理をステップS20に進める。また、取引処理部130は、暗証番号の照合に失敗したと判定した場合、処理をステップS26に進める。なお、取引処理部130は、暗証番号の照合に失敗したと判定した場合に、ステップS17に戻って再度暗証番号の入力を促してもよい。
【0072】
[ステップS20]取引処理部130は、取引番号があるか否かを判定する。例えば、取引処理部130は、ステップS17において、5桁の番号が入力された場合またはステップS15において、取引番号が入力された場合、取引番号の入力があると判定する。また、取引処理部130は、ステップS17において、4桁の番号が入力された場合またはステップS15において、取引番号が入力されなかった場合、取引番号の入力がないと判定する。取引処理部130は、取引番号があると判定した場合、処理をステップS21に進める。また、取引処理部130は、取引番号がないと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0073】
[ステップS21]取引処理部130は、取引番号に対応する取引内容を特定する。例えば、取引処理部130は、ステップS12でキャッシュカードから読み取った口座番号およびステップS15において入力された取引番号またはステップS18で特定した取引番号をホストサーバ200に通知する。そして、取引処理部130は、通知した口座番号と取引番号とに対応付けて口座情報211に登録された取引内容と明細票発行有無とをホストサーバ200に問い合わせる。取引処理部130は、ホストサーバ200から通知した口座番号と取引番号とに対応付けて口座情報211に登録された取引内容と明細票発行有無とを取得する。そして、処理がステップS25に進む。
【0074】
[ステップS22]入出力処理部120は、取引金額の入力を受け付けるための画面43をディスプレイ111に表示させる。入出力処理部120は、タッチパネル112から画面43のテンキーへのタッチ操作を検出し、取引金額の入力を受け付ける。
【0075】
[ステップS23]入出力処理部120は、取引金額確認画面をディスプレイ111に表示させる。例えば、入出力処理部120は、入力された取引金額を表示して、確認したか否かの入力を受け付ける。
【0076】
[ステップS24]入出力処理部120は、明細票発行をするか否かの入力を受け付けるための画面をディスプレイ111に表示させる。入出力処理部120は、明細票発行をするか否かの入力を受け付ける。
【0077】
[ステップS25]取引処理部130は、取引を実行する。取引処理部130は、ステップS21で特定した取引内容またはステップS11で入力された取引種別とステップS23で入力された取引金額とでの取引を実行する。例えば、取引処理部130は、所定の金額の出金取引では、硬貨処理ユニット115および紙幣処理ユニット116に当該金額の現金を出金させ、ステップS12で読み取った口座番号の口座から当該金額を減額するようホストサーバ200に要求する。また、例えば、取引処理部130は、所定の金額の入金取引では、硬貨処理ユニット115および紙幣処理ユニット116に当該金額の現金の投入を受け付けさせ、ステップS12で読み取った口座番号の口座に当該金額を加算するようホストサーバ200に要求する。
【0078】
[ステップS26]取引処理部130は、キャッシュカードおよび明細票を放出する。なお、取引処理部130は、暗証番号または静脈情報の照合に失敗した場合、ステップS21で明細票発行なしとホストサーバ200から通知された場合およびステップS24で明細票発行なしと入力された場合、明細票を放出しない。
【0079】
このようにして、ATM100は、取引を実行する。ATM100は、暗証番号または静脈情報に取引番号が付加されている場合、取引番号に対応する取引を実行する。これにより、ATM100は、暗証番号を用いた取引および静脈情報を用いた取引において、取引金額の入力等の操作を低減することができる。よって、ATM100は、ATM100における取引を容易にすることができる。
【0080】
また、ATM100は、暗証番号と取引番号とを連結した番号の入力を受け付ける。ATM100は、入力された番号を所定の桁数で分離して暗証番号と取引番号とを特定する。これにより、ATM100は、ユーザが1つの番号を記憶しているだけで取引できるようにし、取引の利便性を向上させることができる。
【0081】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 合成情報
10 自動取引装置
11 入力部
12 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7