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  • 特開-物品搬送装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118059
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/04 20060101AFI20240823BHJP
   B65G 65/44 20060101ALI20240823BHJP
   B65G 11/20 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B65G27/04
B65G65/44 C
B65G11/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024236
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岸川 樹
(72)【発明者】
【氏名】西 道雄
(72)【発明者】
【氏名】春日井 貴英
【テーマコード(参考)】
3F011
3F037
3F075
【Fターム(参考)】
3F011AA03
3F011BA01
3F011BB08
3F011BC03
3F037AA09
3F037BA03
3F075AA07
3F075BA01
3F075BB06
3F075CB01
3F075CC07
(57)【要約】
【課題】物品の搬送性を向上させながら、さらに物品の制御量を制御すること。
【解決手段】一実施形態に係る物品搬送装置は、外部から投入される物品100を受け取り、円周方向へ物品100を排出する分散テーブル10と、排出された物品100を受け取り、更に下流に搬送する搬送フィーダ11とを備え、搬送フィーダ11は、物品100を搬送する平面11Aから突起する突起部11Bを有し、搬送フィーダ11を側面視した場合、突起部11Bが水平方向Hとなす角度は、0度よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から投入される物品を受け取り、円周方向へ前記物品を排出する分散テーブルと、
排出された前記物品を受け取り、更に下流に搬送する搬送フィーダと、を備え、
前記搬送フィーダは、前記物品を搬送する平面から突起する突起部を有し、
前記搬送フィーダを側面視した場合、前記突起部が水平方向となす角度は、0度よりも大きい、物品搬送装置。
【請求項2】
前記分散テーブルは、前記突起部が設けられていない円錐形状を有し、頂点を通る垂線を回転軸として回転しながら前記物品を搬送させる、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
振動成分を発生させる加振部と、を備え、
前記分散テーブルは、前記物品を搬送する平面から突起する突起部を有し、前記加振部から付与される前記振動成分により前記物品を搬送させ、
前記分散テーブルを側面視した場合、前記突起部が水平方向となす角度は、0度よりも大きい、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記分散テーブルの終端より排出された前記物品は、前記突起部に衝突し、前記物品の搬送速度が減速する、請求項1に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着性を有するブロイラー等の物品を計量するスクリューを使用しないタイプの計量装置では、物品の搬送性を向上させるために搬送部に突起を形成する構造が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2014/067533A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、搬送フィーダに突起を形成する構造を採用し搬送性を向上させた場合、分散テーブルから勢いよく供給された物品が搬送フィーダにおいて停止せずにプールホッパまで滑り落ち、搬送量を制御できない問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、物品の搬送性を向上させながら、さらに物品の制御量を制御可能な物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る物品搬送装置は、外部から投入される物品を受け取り、円周方向へ前記物品を排出する分散テーブルと、排出された前記物品を受け取り、更に下流に搬送する搬送フィーダと、を備え、前記搬送フィーダは、前記物品を搬送する平面から突起する突起部を有し、前記搬送フィーダを側面視した場合、前記突起部が水平方向となす角度は、0度よりも大きいことを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送フィーダに対して物品が供給された際、突起部が物品の搬送方向に対して抵抗となり搬送フィーダで停止せずにそのまま滑り降りる減少を回避でき、かつ物品が搬送フィーダ表面で停止した場合であっても突起部の作用により搬送制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る物品搬送装置を含む組合せ計量装置1の全体構成の一例を説明する図である。
図2図2(a)は、第1実施形態に係る物品搬送装置の搬送フィーダ11を側面視した図である。図2(b)は、図2(a)の領域Xの拡大図である。
図3図3は、第1実施形態に係る物品搬送装置の搬送フィーダ11又は分散テーブル10において物品100を搬送する平面11A/10Aの一例を示す図である。
図4図4は、変更例1に係る物品搬送装置の搬送フィーダ11又は分散テーブル10を側面視した図である。
図5図5は、変更例1に係る物品搬送装置の搬送フィーダ11又は分散テーブル10において物品100を搬送する平面11A/10Aの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る物品搬送装置について説明する。
【0011】
本実施形態では、物品搬送装置によって組合せ計量装置1に物品100を供給するケースを例に挙げて説明するが、本発明は、かかるケースに限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、分散テーブル10と、複数の搬送フィーダ11とを有する。ここで、本実施形態に係る物品搬送装置は、かかる分散テーブル10及び複数の搬送フィーダ11によって構成される。
【0013】
分散テーブル10は、外部から投入される物品100を受け取り、円周方向(D1)へ物品100を排出する。具体的に分散テーブル10は、加振機を有し、この加振機により付与される振動成分に基づき物品100を円周方向D1へ搬送させる。
【0014】
なお、上記では分散テーブル10は振動により物品100を搬送させる構成を説明した。しかし、例えば分散テーブルが略円錐形状の部材で構成され、頂点を回転中心として分散テーブルが回転する構成でも構わない。この場合、分散テーブル自体が回転することにより、分散テーブル上に載置される物品100は遠心力により円周方向(D1)へ搬送される。上記の構成では、分散テーブルの頂点は、回転軸部と接続される。また、回転軸部は分散テーブルの下に位置するモータ等の駆動源と接続される。駆動源が回転することにより、回転軸部が回転し、その回転を受けて分散テーブルが回転する。
【0015】
複数の搬送フィーダ11の各々は、分散テーブル10から排出された物品100を受け取り、更に下流に搬送する。具体的に搬送フィーダ11は、加振機を有し、この加振機により付与される振動成分に基づき物品100をさらに下流へ搬送させる。
【0016】
図2(a)及び図2(b)に示すように、各搬送フィーダ11は、物品100を搬送する平面11Aから突起する突起部11Bを有する。かかる突起部11Bは、図2(b)に示すように、平面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0017】
換言すると、図3に示すように、各搬送フィーダ11における平面11Aには、鎧戸加工が施されていてもよい。かかる鎧戸加工は、ルーバー加工でも構わない。
【0018】
具体的に、平面11Aから突起する突起部11Bは、3つの連続する平面で構成される。これらの平面は、台形状の平面を有する主面11C、及び、その主面11Cに連続して形成される2つの側面11Dから構成される。ここで、主面11C及び2つの側面11Dは、平面11Aと接続される。しかしながら、主面11Cの下流側端部については、平面11Aから突出しており、主面11Cと平面11Aとの間には開口が形成される。
【0019】
まとめると、図2(b)及び図3に示すように、複数の突起部11Bは、上流方向Uから下流方向Dに向けて平面11Aから立ち上がるように形成されている。また、各突起部11Bの下流方向Dの下端に、平面11Aの表面から裏面に向けた開口が形成されていてもよい。
【0020】
ここで、図2(a)及び図2(b)に示すように、搬送フィーダ11を側面視した場合、突起部11Bが水平方向Hとなす角度A1は、0度よりも大きい。
【0021】
かかる各搬送フィーダ11の平面11Aでは、図2(a)に示すように、物品100は、各突起部11Bの上側面に沿って、上流方向Uから下流方向Dに滑り落ちる。この際、図2(a)に示すように、分散テーブル10の終端Eより排出された物品100は、各突起部11Bに衝突し、物品100の搬送速度が減速する。
【0022】
また、分散テーブル10は、図1に示すように、上述の突起部11Bが設けられていない円錐形状を有し、頂点Tを通る垂線を回転軸Xとして回転しながら物品100を搬送させる構成であってもよい。
【0023】
かかる構成によれば、物品100の付着がし難く搬送性が高い回転型の分散テーブルを利用した場合でも、搬送フィーダ11の平面11A上において物品が止まらずに、さらに下流へ滑り落ちる現象を低減できる。
【0024】
或いは、分散テーブル10は、円錐形状を有し、図2(b)及び図3に示すように、物品100を搬送する平面10Aから突起する突起部10Bを有する構成であってもよい。かかる突起部10Bは、図2(b)に示すように、平面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0025】
換言すると、図3に示すように、各分散テーブル10における平面10Aには、鎧戸加工が施されていてもよい。かかる鎧戸加工は、ルーバー加工でも構わない。
【0026】
具体的に、平面10Aから突起する突起部10Bは、3つの連続する平面で構成される。これらの平面は、台形状の平面を有する主面10C、及び、その主面10Cに連続して形成される2つの側面10Dから構成される。ここで、主面10C及び2つの側面10Dは、平面10Aと接続される。しかしながら、主面10Cの下流側端部については、平面11Aから突出しており、主面10Cと平面11Aとの間には開口が形成される。
【0027】
まとめると、図2(b)及び図3に示すように、複数の突起部10Bは、上流方向Uから下流方向Dに向けて平面10Aから立ち上がるように形成されている。また、各突起部10Bの下流方向Dの下端に、平面10Aの表面から裏面に向けた開口が形成されていてもよい。
【0028】
かかる構成の分散テーブル10を側面視した場合、図2(b)に示すように、突起部10Bが水平方向Hとなす角度A2は、0度よりも大きい。
【0029】
かかる構成によれば、物品が分散テーブル10の上方から投入される場合であっても、分散テーブル10の搬送平面上において物品が止まらずに、さらに下流へ滑り落ちる現象を低減できる。
【0030】
本実施形態によれば、分散テーブル10から供給された物品100(例えば、ブロイラー等)にブレーキをかけることができ、スクリューを使用することなく適切に物品の搬送を制御できる。
【0031】
(変更例1)
以下、図4及び図5を参照して、本発明の変更例1について、上述の第1実施形態との相違点に着目して説明する。
【0032】
図4及び図5に示すように、本変更例1では、各搬送フィーダ11に形成されている突起部11Bは、図4及び図5に示すように、曲面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0033】
なお、本変更例1では、各突起部11Bの下流方向Dの下端に、平面11Aの表面から裏面に向けた開口が形成されていてもよい。
【0034】
ここで、図4に示すように、搬送フィーダ11を側面視した場合、突起部11Bが水平方向Hとなす角度A1は、0度よりも大きい。具体的には、図4に示すように、かかる角度A1は、突起部11Bの上側端部(頂点)P1と下側端部P2とを結ぶ直線L1と水平方向Hとがなす角度である。
【0035】
同様に、図4及び図5に示すように、本変更例1では、分散テーブル10に形成されている突起部10Bは、図4及び図5に示すように、曲面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0036】
なお、本変更例1では、各突起部10Bの下流方向Dの下端に、平面10Aの表面から裏面に向けた開口が形成されていてもよい。
【0037】
ここで、図4に示すように、分散テーブル10を側面視した場合、突起部10Bが水平方向Hとなす角度A2は、0度よりも大きい。具体的には、図4に示すように、かかる角度A0は、突起部10Bの上側端部(頂点)P1と下側端部P2とを結ぶ直線L1と水平方向Hとがなす角度である。
【0038】
なお、突起部11Bが、曲面形状を有する傾斜面であり、突起部10Bが、平面形状を有する傾斜面であってもよい。或いは、突起部10Bが、曲面形状を有する傾斜面であり、突起部11Bが、平面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0039】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0040】
1…組合せ計量装置
100…物品
10…分散テーブル
11…搬送フィーダ
10A、11A…平面
10B、11B…突起部
D1…円周方向
H…水平方向
図1
図2
図3
図4
図5