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特開2024-118082生体情報表示装置、表示制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118082
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】生体情報表示装置、表示制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/339 20210101AFI20240823BHJP
   A61B 5/352 20210101ALI20240823BHJP
【FI】
A61B5/339
A61B5/352
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024272
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】信国 明
(72)【発明者】
【氏名】重松 壱
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅武根
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 公嗣
(72)【発明者】
【氏名】宮村 昂宏
(72)【発明者】
【氏名】國井 綾乃
(72)【発明者】
【氏名】新井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】早▲瀬▼ 亮
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG05
4C127HH16
(57)【要約】
【課題】対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形の分析支援性を高める。
【解決手段】プロセッサは、対象者の心電図波形EWをディスプレイ11に表示させる。ユーザインタフェースは、心電図波形EWにおける第一部分と第二部分を指定する第一区間指定指示、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定指示を受け付ける。プロセッサは、前記第一区間指定指示に基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパ画像CP1をディスプレイ11に表示させる。プロセッサは、前記第二区間指定指示に基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパ画像CP2をディスプレイ11に表示させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形を前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定指示、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定指示を受け付けるユーザインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記第一区間指定指示に基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、
前記第二区間指定指示に基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させる、
生体情報表示装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ディスプレイにおける上下方向の位置が相違するように前記第一キャリパと前記第二キャリパを表示させる、
請求項1に記載の生体情報表示装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第一区間指定指示の受付中と前記第一時間長さの特定後とで相違する色で前記第一キャリパを表示させ、
前記第二区間指定指示の受付中と前記第二時間長さの特定後とで相違する色で前記第二キャリパを表示させる、
請求項1に記載の生体情報表示装置。
【請求項4】
前記第一時間長さと前記第二時間長さは、同種のパラメータに対応付けられている、
請求項1に記載の生体情報表示装置。
【請求項5】
前記同種のパラメータは、心電図波形におけるRR間隔である、
請求項4に記載の生体情報表示装置。
【請求項6】
前記第一キャリパと前記第二キャリパが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データを記録するストレージを備えており、
前記ユーザインタフェースは、前記画像データを指定する記録指定指示を受け付け可能であり、
前記プロセッサは、前記記録指定指示に基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる、
請求項1に記載の生体情報表示装置。
【請求項7】
ディスプレイと、
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形を前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定指示を受け付けるユーザインタフェースと、
ストレージと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記区間指定指示に基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させ、
前記ストレージは、前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データを記録可能であり、
前記ユーザインタフェースは、前記画像データを指定する記録指定指示を受け付け可能であり、
前記プロセッサは、前記記録指定指示に基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる、
生体情報表示装置。
【請求項8】
前記波形は、前記対象者の心電図波形である、
請求項7に記載の生体情報表示装置。
【請求項9】
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置であって、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定データ、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定データを受け付けるインタフェースと、
前記第一区間指定データに基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、前記第二区間指定データに基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
を備えている、
表示制御装置。
【請求項10】
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記表示制御装置は、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定データ、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定データを受け付け、
前記第一区間指定データに基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、
前記第二区間指定データに基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させる、
コンピュータプログラム。
【請求項11】
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置であって、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定データを受け付けるインタフェースと、
前記区間指定データに基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データをストレージに記録し、
前記インタフェースが前記画像データを指定する記録指定データを受け付けると、前記ディスプレイに前記画像を表示させる、
表示制御装置。
【請求項12】
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記表示制御装置は、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定データを受け付け、
前記区間指定データに基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させ、
前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データをストレージに記録し、
前記画像データを指定する記録指定データを受け付け、
前記記録指定データに基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象者の生体情報を表示するディスプレイを備えた生体情報表示装置に関連する。本開示は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置、および当該表示制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なプロセッサにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形の一例として心電図波形を表示する装置を開示している。当該装置は、キャリパと称される一対の計測ラインを当該心電図波形に重ねて表示する機能を有している。心電図波形における特定の二時点を指定するようにユーザが一対の計測ラインの位置を調節すると、当該一対の計測ライン間の長さに対応する時間が計測され、表示に供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9400874号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形の分析支援性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される第一の態様例は、生体情報表示装置であって、
ディスプレイと、
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形を前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定指示、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定指示を受け付けるユーザインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記第一区間指定指示に基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、
前記第二区間指定指示に基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させる。
【0006】
本開示により提供される第二の態様例は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置であって、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定データ、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定データを受け付けるインタフェースと、
前記第一区間指定データに基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、前記第二区間指定データに基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
を備えている。
【0007】
本開示により提供される第三の態様例は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記表示制御装置は、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定データ、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定データを受け付け、
前記第一区間指定データに基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、
前記第二区間指定データに基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させる。
【0008】
第一から第三の態様例の各々に係る構成によれば、ディスプレイの一画面中に複数のキャリパ画像を表示させることができる。これにより、ユーザは、生体情報の経時変化に対応する波形において特定される複数の異なる区間の時間長さ同士を一画面中で比較できるので、当該異なる区間の時間長さの一致度に基づく分析を容易化できる。したがって、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形の分析支援性を高めることができる。
【0009】
本開示により提供される第四の態様例は、生体情報表示装置であって、
ディスプレイと、
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形を前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定指示を受け付けるユーザインタフェースと、
ストレージと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記区間指定指示に基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させ、
前記ストレージは、前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データを記録可能であり、
前記ユーザインタフェースは、前記画像データを指定する記録指定指示を受け付け可能であり、
前記プロセッサは、前記記録指定指示に基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる。
【0010】
本開示により提供される第五の態様例は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置であって、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定データを受け付けるインタフェースと、
前記区間指定データに基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データをストレージに記録し、
前記インタフェースが前記画像データを指定する記録指定データを受け付けると、前記ディスプレイに前記画像を表示させる。
【0011】
本開示により提供される第六の態様例は、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形をディスプレイに表示させる表示制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記表示制御装置は、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する区間指定データを受け付け、
前記区間指定データに基づいて、各々が前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の時間長さを特定する複数の区画を含んでいるディバイダを前記ディスプレイに表示させ、
前記ディバイダが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データをストレージに記録し、
前記画像データを指定する記録指定データを受け付け、
前記記録指定データに基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる。
【0012】
第四から第六の態様例の各々に係る構成によれば、生体情報の経時変化に対応する波形にディバイダが適用された状態の画像を、再現可能に保存できる。再現される画像は、特定の拍間隔の測定値だけでなく、その前後の拍間隔との一致度、波形のどの部分を選んでディバイダを適用したのか、などの情報を含んでいる。これらの情報を視覚的に確認できることにより、単に測定値をカルテに記録する場合と比較して、治療や薬剤投与などの方針決定のためにより多くの情報を抽出できる。したがって、対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形の分析支援性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る心電計の機能構成を例示している。
図2図1のディスプレイに表示される画面の一例を示している。
図3図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図4図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図5図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図6図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図7図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図8図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図9図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図10図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図11図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図12図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
図13図1のディスプレイに表示される画面の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について詳細に説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る心電計10の機能構成を例示している。心電計10は、対象者に装着されたセンサ20を通じて取得された当該対象者の心電図波形を可視化する装置である。心電図波形は、生体情報の経時変化を示す波形の一例である。心電計10は、生体情報表示装置の一例である。
【0016】
心電計10は、ディスプレイ11と表示制御装置12を備えている。図2に例示されるように、表示制御装置12は、センサ20を通じて取得された対象者の心電図波形EWをディスプレイ11に表示させるように構成されている。
【0017】
具体的には、表示制御装置12は、入力インタフェース121を備えている。センサ20は、対象者の心臓の筋電位に対応する心電図信号ESを出力するように構成されている。入力インタフェース121は、センサ20から出力された心電図信号ESを受け付け可能なハードウェアインタフェースとして構成されている。
【0018】
心電図信号ESは、センサ20の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。心電図信号ESがアナログ信号である場合、入力インタフェース121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述される入力インタフェース121が受け付け可能な他の信号についても同様に適用される。
【0019】
表示制御装置12は、プロセッサ122と出力インタフェース123を備えている。プロセッサ122は、心電図信号ESの信号レベルの経時変化に対応する心電図波形をディスプレイ11に表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力するように構成されている。出力インタフェース123は、表示制御信号DCを出力可能なハードウェアインタフェースとして構成されている。
【0020】
表示制御信号DCは、ディスプレイ11の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。表示制御信号DCがアナログ信号である場合、出力インタフェース123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0021】
図2は、ディスプレイ11に表示された心電図波形EWを例示している。本例においては、複数の波形部分が上下方向に並ぶように表示されている。各波形部分の横方向の長さは、例えば1分間に対応している。
【0022】
図1に例示されるように、表示制御装置12は、ストレージ124を備えている。プロセッサ122は、心電図信号ESに対応するデータをストレージ124に保存するように構成されている。データの保存は一時的であってもよいし、永続的であってもよい。ストレージ124は、半導体メモリ、ハードディスク装置、磁気テープ装置などにより構成されうる。
【0023】
プロセッサ122は、入力インタフェース121により受け付けられた心電図信号ESに基づいて実時間的に心電図波形EWをディスプレイ11に表示させてもよいし、ストレージ124に格納された過去の特定の時点における心電図信号ESに対応するデータを読み出すことによって心電図波形EWをディスプレイ11に表示させてもよい。
【0024】
心電計10は、ユーザインタフェース13を備えている。ユーザインタフェース13は、ディスプレイ11に表示されている心電図波形EWに含まれる特定の波形部分を指定する指示を受け付けるように構成されている。本例においては、ユーザインタフェース13は、ディスプレイ11の表面の少なくとも一部をタッチパネル装置として構成することにより実現されている。ユーザインタフェース13は、マウスなどの入力装置を通じて操作されるカーソルやポインタにより実現されてもよい。
【0025】
例えばユーザがディスプレイ11に表示されている心電図波形EWにおける所望の箇所をなぞる操作がタッチパネル装置により検出されると、ユーザインタフェース13から当該操作に対応する指示信号ISが出力される。指示信号ISは、ユーザインタフェース13の仕様に応じて、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0026】
指示信号ISは、入力インタフェース121により受け付けられる。プロセッサ122は、図2に例示されるように、ディスプレイ11における心電図波形EWに対する操作がなされた箇所に枠画像Fを表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力する。この説明は、後述されるユーザインタフェース13を通じて入力される他の操作に基づいてディスプレイ11における表示に生じる他の変更についても同様に適用される。
【0027】
枠画像Fによる範囲指定を確定する所定の操作がユーザによりなされると、図3に例示されるように、枠画像Fにより囲まれた心電図波形EWの一部が、ディスプレイ11に拡大表示される。
【0028】
心電図波形EWの一部を拡大表示する画面は、ユーザインタフェース13としての第一機能選択ボタンF1を含んでいる。ユーザが第一機能選択ボタンF1を操作すると、図4に例示されるキャリパ分析画面への遷移がなされる。
【0029】
キャリパ分析画面は、ユーザインタフェース13としての第一キャリパ選択ボタンC1を含んでいる。ユーザが第一キャリパ選択ボタンC1を操作すると、図5に例示されるように、第一キャリパ画像CP1が表示される。
【0030】
第一キャリパ画像CP1は、第一左ラインLL1、第一右ラインRL1、および第一接続ラインCL1を含んでいる。第一左ラインLL1と第一右ラインRL1は、ディスプレイ11の上下方向に延びている。第一接続ラインCL1は、第一左ラインLL1と第一右ラインRL1を接続するように、ディスプレイ11の左右方向に延びている。
【0031】
キャリパ分析画面は、ユーザインタフェース13としての左ライン調節ボタンLAと右ライン調節ボタンRAを含んでいる。ユーザが左ライン調節ボタンLAを操作すると、第一左ラインLL1が左右方向に移動する。ユーザが右ライン調節ボタンRAを操作すると、第一右ラインRL1が左右方向に移動する。
【0032】
ユーザは、左ライン調節ボタンLAと右ライン調節ボタンRAを適宜に操作することにより、心電図波形EWに対する第一左ラインLL1と第一右ラインRL1の位置を決定できる。第一接続ラインCL1の長さは、第一左ラインLL1と第一右ラインRL1の位置に応じて自動的に伸縮する。
【0033】
第一左ラインLL1は、心電図波形EWにおける第一部分を特定している。第一右ラインRL1は、心電図波形EWにおける第二部分を特定している。第一部分は、第一時点に対応している。第二部分は、第二時点に対応している。第一接続ラインCL1の長さは、第一時点と第二時点の間の第一時間長さに対応している。第一時間長さは、第一キャリパ画像CP1の上方に表示される。
【0034】
すなわち、第一キャリパ画像CP1は、心電図波形EWにおける第一部分と第二部分の間の第一区間を指定する指示に基づいて、第一区間の長さに対応する時間を特定する機能を有している。本例においては、第一キャリパ画像CP1は、心電図波形EWにおける特定のR波同士の間隔(RR間隔)を計測するために使用されている。
【0035】
なお、左ライン調節ボタンLAに加えてあるいは代えて、第一左ラインLL1の下端に表示されている第一左ライン調節マークLM1を用いて第一左ラインLL1の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で第一左ライン調節マークLM1に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第一左ラインLL1が追随して左右に移動する。
【0036】
同様に、右ライン調節ボタンRAに加えてあるいは代えて、第一右ラインRL1の下端に表示されている第一右ライン調節マークRM1を用いて第一右ラインRL1の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で第一右ライン調節マークRM1に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第一右ラインRL1が追随して左右に移動する。
【0037】
第一接続ラインCL1の上方には第一キャリパ位置調節マークCM1が表示されうる。この場合、ユーザが手指で第一キャリパ位置調節マークCM1に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第一接続ラインCL1の長さが維持された状態で第一キャリパ画像CP1が追随して左右に移動する。これにより、心電図波形EWにおける所望の部分の長さを、第一接続ラインCL1の長さと比較できる。
【0038】
図6に例示されるように、キャリパ分析画面は、ユーザインタフェース13としての第二キャリパ選択ボタンC2も含んでいる。ユーザが第二キャリパ選択ボタンC2を操作すると、図7に例示されるように、第二キャリパ画像CP2が表示される。
【0039】
第二キャリパ画像CP2は、第二左ラインLL2、第二右ラインRL2、および第二接続ラインCL2を含んでいる。第二左ラインLL2と第二右ラインRL2は、ディスプレイ11の上下方向に延びている。第二接続ラインCL2は、第二左ラインLL2と第二右ラインRL2を接続するように、ディスプレイ11の左右方向に延びている。
【0040】
第二キャリパ画像CP2が表示されている状態においては、ユーザが左ライン調節ボタンLAを操作すると、第二左ラインLL2が左右方向に移動する。ユーザが右ライン調節ボタンRAを操作すると、第二右ラインRL2が左右方向に移動する。
【0041】
ユーザは、左ライン調節ボタンLAと右ライン調節ボタンRAを適宜に操作することにより、心電図波形EWに対する第二左ラインLL2と第二右ラインRL2の位置を決定できる。第二接続ラインCL2の長さは、第二左ラインLL2と第二右ラインRL2の位置に応じて自動的に伸縮する。
【0042】
第二左ラインLL2は、心電図波形EWにおける第三部分を特定している。第二右ラインRL1は、心電図波形EWにおける第四部分を特定している。第三部分は、第三時点に対応している。第四部分は、第四時点に対応している。第二接続ラインCL2の長さは、第三時点と第四時点の間の第二時間長さに対応している。第二時間長さは、第二キャリパ画像CP2の上方に表示される。
【0043】
すなわち、第二キャリパ画像CP2は、心電図波形EWにおける第三部分と第四部分の間の第二区間を指定する指示に基づいて、第二区間の長さに対応する時間を特定する機能を有している。本例においては、第二キャリパ画像CP2は、第一キャリパ画像CP1により特定されたRR間隔とは別のRR間隔を計測するために使用されている。
【0044】
なお、左ライン調節ボタンLAに加えてあるいは代えて、第二左ラインLL2の下端に表示されている第二左ライン調節マークLM2を用いて第二左ラインLL2の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で第二左ライン調節マークLM2に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第二左ラインLL2が追随して左右に移動する。
【0045】
同様に、右ライン調節ボタンRAに加えてあるいは代えて、第二右ラインRL2の下端に表示されている第二右ライン調節マークRM2を用いて第二右ラインRL2の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で第二右ライン調節マークRM2に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第二右ラインRL2が追随して左右に移動する。
【0046】
第二接続ラインCL2の上方には第二キャリパ位置調節マークCM2が表示されうる。この場合、ユーザが手指で第二キャリパ位置調節マークCM2に触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第二接続ラインCL2の長さが維持された状態で第二キャリパ画像CP2が追随して左右に移動する。これにより、心電図波形EWにおける所望の部分の長さを、第二接続ラインCL2の長さと比較できる。
【0047】
本実施形態例に係る構成によれば、ディスプレイ11の一画面中に二つのキャリパ画像を表示させることができる。これにより、ユーザは、心電図波形EWにおいて特定される二つの異なる区間の時間長さ同士を一画面中で比較できるので、当該異なる区間の時間長さの一致度に基づく分析を容易化できる。したがって、心電図波形EWの分析支援性を高めることができる。
【0048】
特に異なるRR間隔同士が比較に供されることにより、単なる心拍数のモニタリングでは予測できない心臓の刺激伝導の変化を捉えることが容易化されるので、心疾患患者の診断や治療を支援できる。加えて、心疾患患者の状態の悪化を予知予測することもできる。また、刺激伝導系の微細な変化を把握することは、ナトリウムイオンチャネルで変化する心臓に対して適切な薬剤投与のための情報を提供できることにも繋がる。
【0049】
図7に例示されるように、表示制御装置12のプロセッサ122は、ディスプレイ11における上下方向の位置が相違するように第一キャリパ画像CP1と第二キャリパ画像CP2を表示させる。
【0050】
このような構成によれば、第一キャリパ画像CP1と第二キャリパ画像CP2がディスプレイ11の左右方向に近づいて表示されている場合においても、両者の区別を容易化できる。これにより、ユーザによる心電図波形EWの分析支援性をさらに高めることができる。
【0051】
図6は、第一キャリパ画像CP1により第一時間長さが特定された状態を例示している。プロセッサ122は、図5に例示される第一区間を指定する指示の受付中と第一時間長さの特定後とで相違する色で第一キャリパ画像CP1を表示するように構成されうる。この場合、図7に例示される第二区間を指定する指示に受付中においては、図5に例示される第一キャリパ画像CP1と同じ色で第二キャリパ画像CP2が表示される。第二時間長さの特定後においては、第二キャリパ画像CP2は、図6に例示される第一キャリパ画像CP1と同じ色で表示される。
【0052】
このような構成によれば、同一画面に複数のキャリパ画像が表示されている状況においても、いずれのキャリパ画像が区間指定に供されているのかをユーザに容易に認識させることができる。特に本実施形態例のように区間指定に使用されるボタンが複数のキャリパ画像に対して共用される場合においては、その有利性がより顕著となる。
【0053】
図8に例示されるように、心電図波形EWの一部を拡大表示する画面は、ユーザインタフェース13としての第二機能選択ボタンF2を含んでいる。ユーザが第二機能選択ボタンF2を操作すると、図9に例示されるディバイダ分析画面への遷移がなされ、ディバイダ画像DVが表示される。
【0054】
ディバイダ画像DVは、各々がディスプレイ11の上下方向に延びる第一ラインL1、第二ラインL2、第三ラインL3、第四ラインL4、第五ラインL5、および第六ラインL6を含んでいる。加えて、ディバイダ画像DVは、各々がディスプレイ11の左右方向に延びる第一接続ラインCN1、第二接続ラインCN2、第三接続ラインCN3、第四接続ラインCN4、および第五接続ラインCN5を含んでいる。
【0055】
第一接続ラインCN1は、第一ラインL1と第二ラインL2を接続している。第二接続ラインCN2は、第二ラインL2と第三ラインL3を接続している。第三接続ラインCN3は、第三ラインL3と第四ラインL4を接続している。第四接続ラインCN4は、第四ラインL4と第五ラインL5を接続している。第五接続ラインCN5は、第五ラインL5と第六ラインL6を接続している。
【0056】
第一接続ラインCN1、第二接続ラインCN2、第三接続ラインCN3、第四接続ラインCN4、および第五接続ラインCN5は、同じ長さを有している。したがって、第一ラインL1、第二ラインL2、第三ラインL3、第四ラインL4、第五ラインL5、および第六ラインL6は、ディスプレイ11の左右方向に等間隔で並んでいる。
【0057】
第一ラインL1、第二ラインL2、第三ラインL3、第四ラインL4、第五ラインL5、および第六ラインL6のうち、中央に位置する第三ラインL3と第四ラインL4の位置が調節可能とされている。ユーザが左ライン調節ボタンLAを操作すると、第三ラインL3が左右方向に移動する。ユーザが右ライン調節ボタンRAを操作すると、第四ラインL4が左右方向に移動する。
【0058】
ユーザは、左ライン調節ボタンLAと右ライン調節ボタンRAを適宜に操作することにより、心電図波形EWに対する第三ラインL3と第四ラインL4の位置を決定できる。図10に例示されるように、第三接続ラインCN3の長さは、第三ラインL3と第四ラインL4の位置に応じて自動的に伸縮する。加えて、第一接続ラインCN1、第二接続ラインCN2、第四接続ラインCN4、および第五接続ラインCN5の各々の長さが、第三接続ラインCN3の長さと一致するように自動的に伸縮する。
【0059】
第三ラインL3は、心電図波形EWにおける第一部分を特定している。第四ラインL4は、心電図波形EWにおける第二部分を特定している。第一部分は、第一時点に対応している。第二部分は、第二時点に対応している。第三接続ラインCN3の長さは、第一時点と第二時点の間の時間長さに対応している。当該時間長さは、ディバイダ画像DVの上方に表示される。
【0060】
すなわち、ディバイダ画像DVは、心電図波形EWにおける第一部分と第二部分の間の区間を指定する指示に基づいて、当該区間の長さに対応する時間を特定する機能を有している。加えて、ディバイダ画像DVは、当該区間の左方と右方に同じ時間長さに対応する区間を二つずつ規定する。本例においては、ディバイダ画像DVは、心電図波形EWにおける特定のRR間隔を計測するとともに、その前後二拍分のRR間隔を当該特定のRR間隔と比較するための複数の基準線を提供する機能を有している。
【0061】
なお、左ライン調節ボタンLAに加えてあるいは代えて、第三ラインL3の下端に表示されている左ライン調節マークLMを用いて第三ラインL3の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で左ライン調節マークLMに触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第三ラインL3が追随して左右に移動する。
【0062】
同様に、右ライン調節ボタンRAに加えてあるいは代えて、第四ラインL4の下端に表示されている右ライン調節マークRMを用いて第四ラインL4の位置が調節されてもよい。この場合、ユーザが手指で右ライン調節マークRMに触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第四ラインL4が追随して左右に移動する。
【0063】
第三接続ラインCN3の上方にはディバイダ位置調節マークDMが表示されうる。この場合、ユーザが手指でディバイダ位置調節マークDMに触れた状態で当該手指を左右に動かすことにより、第三接続ラインCN3の長さが維持された状態でディバイダ画像DVが追随して左右に移動する。これにより、心電図波形EWにおける所望の部分の長さを、第三接続ラインCN3の長さと比較できる。
【0064】
表示制御装置12のストレージ124は、ディバイダ画像DVが心電図波形EWとともに表示されている画像に対応する画像データを記録できるように構成されている。例えば図10に例示されている状態の画像の記録を希望する場合、ユーザは、所定の記録指示操作をユーザインタフェース13に対して入力する。
【0065】
記録指示操作に対応する指示信号ISが入力インタフェース121により受け付けられると、プロセッサ122は、ディスプレイ11に表示されている画像に対応する画像データをストレージ124に保存する。なお、当該画像データを特定するための情報も併せて保存される。当該情報の例としては、当該画像の記録日時、当該画像に含まれる心電図波形EWが測定された日時、当該画像に含まれるディバイダ画像DVにより測定されたRR間隔の値などが挙げられる。当該画像に含まれる心電図波形EWから取得されうる他の生体情報の測定値が含まれていてもよい。そのような生体情報の例としては、心拍数、血圧、血中酸素飽和度、呼吸情報、などが挙げられる。
【0066】
ストレージ124に保存された画像データは、図11に例示されるようにディスプレイ11に表示されるリストを通じて閲覧されうる。ユーザインタフェース13は、当該リストに含まれる画像データを指定する記録指定指示を受け付け可能に構成されている。
【0067】
例えばユーザがディスプレイ11に表示されている特定の画像データを示す領域に触れる操作がタッチパネル装置により記録指定指示として検出されると、ユーザインタフェース13から記録指定指示に対応する指示信号ISが出力される。本例においては、図10に例示されている画像に対応する画像データが指定されている。
【0068】
指示信号ISは、入力インタフェース121により受け付けられる。プロセッサ122は、指示信号ISに対応する記録指定指示によって指定された画像データをストレージ124から読み出し、当該画像データに対応する画像をディスプレイ11に表示させる表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力する。結果として、図10に例示された画像がディスプレイ11に表示される。
【0069】
このような構成によれば、心電図波形EWにディバイダが適用された状態の画像を、再現可能に保存できる。再現される画像は、特定の拍間隔の測定値だけでなく、その前後の拍間隔との一致度、心電図波形EWのどの部分を選んでディバイダを適用したのか、などの情報を含んでいる。これらの情報を視覚的に確認できることにより、単に測定値をカルテに記録する場合と比較して、治療や薬剤投与などの方針決定のためにより多くの情報を抽出できる。したがって、心電図波形EWの分析支援性を高めることができる。
【0070】
図11に例示されているリスト表示画面においては、タブT1を選択する操作により、ディバイダ分析画面を通じて取得された画像データの選択が可能とされている。図示を省略するが、タブT2を選択する操作により、キャリパ分析画面を通じて取得された画像データの選択も可能とされる。各画像データを特定する情報には、第一キャリパ画像CP1を用いて測定されたRR間隔の値と第二キャリパ画像CP2を用いて測定されたRR間隔の値とが含まれうる。
【0071】
このような構成によれば、心電図波形EWに複数のキャリパが適用された状態の画像を、再現可能に保存できる。再現される画像は、特定の拍間隔の測定値だけでなく、測定値同士の一致度、心電図波形EWのどの部分を選んで複数のキャリパを適用したのか、などの情報を含んでいる。これらの情報を視覚的に確認できることにより、単に測定値をカルテに記録する場合と比較して、治療や薬剤投与などの方針決定のためにより多くの情報を抽出できる。したがって、心電図波形EWの分析支援性を高めることができる。
【0072】
上述した様々な機能を有する表示制御装置12のプロセッサ122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。ストレージ124が汎用メモリとして使用されてもよい。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされてから汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0073】
プロセッサ122は、上記のコンピュータプログラムを実行可能なマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読媒体の一例である。プロセッサ122は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0074】
これまで説明した様々な構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨の範囲内で適宜に変更や相互の組合せがなされうる。
【0075】
上記の実施形態例においては、第一キャリパ画像CP1により特定される第一時間長さと第二キャリパ画像CP2により特定される第二時間長さとが、RR間隔に対応付けられている。換言すると、第一キャリパ画像CP1と第二キャリパ画像CP2は、同種の心電図パラメータの値を測定するために用いられている。しかしながら、第一キャリパ画像CP1と第二キャリパ画像CP2は、相違する心電図パラメータの値を測定するために用いられうる。
【0076】
例えば図12に示されるように、第一キャリパ画像CP1がRR間隔の測定に用いられるのに対し、第二キャリパ画像CP2はQRS幅の測定に用いられうる。測定対象とされる他の心電図パラメータの例としては、PR間隔、ST間隔などが挙げられる。
【0077】
ユーザインタフェース13は、各キャリパ画像の位置を変更する操作を受け付け可能に構成されている。図13に示される例においては、第二時間長さの特定後に第二キャリパ画像CP2の位置が変更されている。
【0078】
このような構成によれば、あるキャリパ画像を用いて測定された特定の心電図パラメータに係る時間長さと心電図波形EWにおける他の部位における時間長さとの比較に基づく分析を容易化できる。
【0079】
表示制御装置12によりディスプレイ11に表示されうるキャリパ画像の数は、三つ以上であってもよい。
【0080】
キャリパとディバイダの少なくとも一方が適用される波形は、心電図波形EWに限られない。対象者から取得される生体情報の経時変化に対応する波形に時間長さの特定が必要な部分が含まれる場合、当該波形に対して上記の実施形態例を参照して説明したキャリパとディバイダの少なくとも一方が適用されうる。そのような生体情報の例としては、観血血圧値、呼吸気における特定のガス濃度などが挙げられる。
【0081】
以下に列挙される構成もまた、本開示の一部を構成する。

項目1:
ディスプレイと、
対象者から取得された生体情報の経時変化を示す波形を前記ディスプレイに表示させるプロセッサと、
前記波形における第一部分と第二部分を指定する第一区間指定指示、および前記波形における第三部分と第四部分を指定する第二区間指定指示を受け付けるユーザインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記第一区間指定指示に基づいて、前記第一部分に対応する第一時点と前記第二部分に対応する第二時点の間の第一時間長さを特定する第一キャリパを前記ディスプレイに表示させ、
前記第二区間指定指示に基づいて、前記第三部分に対応する第三時点と前記第四部分に対応する第四時点の間の第二時間長さを特定する第二キャリパを前記ディスプレイに表示させる、
生体情報表示装置。

項目2:
前記プロセッサは、前記ディスプレイにおける上下方向の位置が相違するように前記第一キャリパと前記第二キャリパを表示させる、
項目1に記載の生体情報表示装置。

項目3:
前記プロセッサは、
前記第一指示の受付中と前記第一時間長さの特定後とで相違する色で前記第一キャリパを表示させ、
前記第二指示の受付中と前記第二時間長さの特定後とで相違する色で前記第二キャリパを表示させる、
項目1または2に記載の生体情報表示装置。

項目4:
前記第一時間長さと前記第二時間長さは、同種のパラメータに対応付けられている、
項目1から3のいずれか一項に記載の生体情報表示装置。

項目5:
前記同種のパラメータは、心電図波形におけるRR間隔である、
項目4に記載の生体情報表示装置。

項目6:
前記第一キャリパと前記第二キャリパが前記波形とともに表示されている画像に対応する画像データを記録するストレージを備えており、
前記ユーザインタフェースは、前記画像データを指定する記録指定指示を受け付け可能であり、
前記プロセッサは、前記記録指定指示に基づいて、前記ディスプレイに前記画像を表示させる、
項目1から5のいずれか一項に記載の生体情報表示装置。
【符号の説明】
【0082】
10:心電計、11:ディスプレイ、12:表示制御装置、121:入力インタフェース、122:プロセッサ、124:ストレージ、13:ユーザインタフェース、CP1:第一キャリパ画像、CP2:第二キャリパ画像、DV:ディバイダ画像、EW:心電図波形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13