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特開2024-118086空気調和機の室外機、電源配線中継装置
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  • 特開-空気調和機の室外機、電源配線中継装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118086
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機、電源配線中継装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/22 20110101AFI20240823BHJP
【FI】
F24F1/22
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024279
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】日本キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】半田 雄一
(57)【要約】
【課題】本実施形態は、既設の電源配線では電源配線全体としての長さが不足する場合であっても、電力供給源と電気部品箱との間の電力供給ラインを確保できるようにした空気調和機の室外機、および、電源配線中継装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る空気調和機の室外機は、電気部品箱と、電源配線中継装置と、を備え、前記電源配線中継装置は、電力供給源から延びる既設配線が接続される既設側接続部と、前記電気部品箱から延びる新設配線が接続される新設側接続部と、前記新設配線が通過する開口部と、を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品箱と、
電源配線中継装置と、
を備え、
前記電源配線中継装置は、
電力供給源から延びる既設配線が接続される既設側接続部と、
前記電気部品箱から延びる新設配線が接続される新設側接続部と、
前記新設配線が通過する開口部と、
を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている空気調和機の室外機。
【請求項2】
支柱と、
前記支柱に取り付けられる表面パネルと、
を備え、
前記電源配線中継装置は、前記支柱と前記表面パネルとの間に挟持される被挟持部を有する請求項1に記載の空気調和機の室外機。
【請求項3】
電気部品箱を搭載する空気調和機の室外機に備えられる電源配線中継装置であって、
電力供給源から延びる既設配線が接続される既設側接続部と、
前記電気部品箱から延びる新設配線が接続される新設側接続部と、
前記新設配線が通過する開口部と、
を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている電源配線中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和機の室外機、および、空気調和機の室外機に備えられる電源配線中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、空気調和機の室外機には電気部品箱が備えられている。電気部品箱には、例えば制御回路や駆動回路などを構成する各種の電気部品類が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-202887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気調和機の室外機においては、旧型の構成と新型の構成とで電気部品箱の配置位置が変更される場合があり、従って、旧型の室外機と新型の室外機とで必要とする電源配線の長さが異なる場合がある。そのため、旧型の室外機を新型の室外機に更新して設置する場合に、旧型の室外機に使用されていた既設の電源配線では電源配線全体としての長さが不足してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本実施形態は、既設の電源配線では電源配線全体としての長さが不足する場合であっても、電力供給源と電気部品箱との間の電力供給ラインを確保できるようにした空気調和機の室外機、および、電源配線中継装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る空気調和機の室外機は、電気部品箱と、電源配線中継装置と、を備え、前記電源配線中継装置は、電力供給源から延びる既設配線が接続される既設側接続部と、前記電気部品箱から延びる新設配線が接続される新設側接続部と、前記新設配線が通過する開口部と、を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている。
【0007】
本実施形態に係る電源配線中継装置は、電気部品箱を搭載する空気調和機の室外機に備えられる電源配線中継装置であって、電力供給源から延びる既設配線が接続される既設側接続部と、前記電気部品箱から延びる新設配線が接続される新設側接続部と、前記新設配線が通過する開口部と、を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る空気調和機の室外機の構成例を概略的に示す外観斜視図
図2】本実施形態に係る空気調和機の室外機の構成例を概略的に示す図
図3】本実施形態に係る旧型の空気調和機の室外機の構成例を概略的に示す図
図4】本実施形態に係る新型の空気調和機の室外機において電源配線が不足した状態例を概略的に示す図
図5】本実施形態に係る電源配線中継装置の構成例を概略的に示す斜視図
図6】本実施形態に係る電気部品箱の構成例を概略的に示す斜視図
図7】本実施形態に係る電気部品箱と電源配線中継装置との接続部分の構成例を拡大して示す正面図
図8】本実施形態に係る電気部品箱と電源配線中継装置との接続部分における電源配線の接続例を概略的に示す正面図
図9】本実施形態に係る電気部品箱の一部が支柱および表面パネルにより挟持される状態例を概略的に示す斜視図
図10】本実施形態に係る電気部品箱の一部が支柱および表面パネルにより挟持される状態例を概略的に示す横断平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、空気調和機の室外機および電源配線中継装置に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する空気調和機の室外機10は、屋内に設けられる図示しない室内機とともに空気調和機を構成している。室外機10は、その外郭を構成するほぼ矩形状の室外機本体11の内部に電気部品箱12を搭載している。電気部品箱12は、板金により概ね箱状に形成されている筐体の内部に、例えば制御回路や駆動回路などを構成する各種の電気部品類を収容している。
【0010】
図2に例示するように、電気部品箱12は、端子台12Aを備えている。この場合、端子台12Aは、R相、S相、T相からなる方式、いわゆる三相3線式の構成となっている。なお、室外機10の内部には、熱交換器13が搭載されている。また、室外機10の内部には、図示しない圧縮機、アキュームレータ、送風ファンなども搭載されている。
【0011】
室外機10は、さらに電源配線中継装置100を備えている。電源配線中継装置100は、既設側接続部101および新設側接続部102を備えている。既設側接続部101には、例えば交流電力の電力供給源103から延びる既設配線104が接続可能である。新設側接続部102には、電気部品箱12の端子台12Aから延びる新設配線105が接続可能である。
【0012】
図3には、旧型の室外機10Zの構成例を示している。旧型の室外機10Zによれば、電気部品箱12の端子台12Aには、電力供給源103から延びる既設配線104が接続されている。
【0013】
これに対して、図4には、新型の室外機10の構成例を示している。新型の室外機10によれば、熱交換器13の配置位置の変更に伴い、電気部品箱12の配置位置も旧型の室外機10Zにおける配置位置から変更されている。そのため、旧型の室外機10Zに使用されていた既設配線104では、電気部品箱12の端子台12Aまで届かず、電源配線全体としての長さが不足してしまう。
【0014】
そこで、図2に例示したように、新型の室外機10は、電源配線中継装置100を備えることにより、電気部品箱12の端子台12Aと電源配線中継装置100との間を新設配線105により接続し、電気部品箱12と電力供給源103との間における電源配線全体としての長さの不足を補うようにしている。これにより、既設配線104だけでは電源配線全体としての長さが不足する場合であっても、電力供給源103と電気部品箱12との間における電力供給ラインを十分に確保することが可能となる。
【0015】
次に、電源配線中継装置100の具体的な一構成例について詳細に説明する。図5に例示するように、電源配線中継装置100は、板金により概ね箱状に形成されている筐体110の内部に、中継端子台111を備えている。既設側接続部101は、中継端子台111の一端部、この場合、下端部に設けられている。一方、新設側接続部102は、中継端子台111の他端部、この場合、上端部に設けられている。
【0016】
筐体110の一端面、この場合、上端面には、新設側開口部112が設けられている。新設側開口部112は、筐体110の上端面を概ね矩形状に切り欠いた形状となっている。新設側開口部112の縁部は、クッション材112aにより覆われている。一方、筐体110の他端面、この場合、下端面には、既設側開口部113が設けられている。既設側開口部113は、筐体110の下端面を概ね矩形状に切り欠いた形状となっている。既設側開口部113の縁部は、クッション材113aにより覆われている。なお、新設側開口部112の開口面積は、既設側開口部113の開口面積よりも大きくなっている。
【0017】
筐体110の前面は開放しているが、矩形状の蓋体114により閉塞可能である。蓋体114は、ネジ115により筐体110の前面に取り付けられる。また、電源配線中継装置100の前面側から見て、この場合、筐体110の右側の端部には延出板部116が一体的に設けられている。延出板部116の一部には、矩形状に切り欠かれた切欠部116aが形成されている。この場合、切欠部116aは、電源配線中継装置100の前面側から見て、延出板部116の右端部の下部に設けられている。これにより、延出板部116は、全体として概ねL字状に形成されている。
【0018】
また、延出板部116の先端部は、クッション材116bにより覆われている。この場合、クッション材116bは、延出板部116の先端部のうち切欠部116a以外の部分を覆っている。
【0019】
以上のように構成された電源配線中継装置100は、電気部品箱12の外面に取り付けられる。即ち、図6に例示するように、電気部品箱12の外面、この場合、下面には、固定用金具14が取り付けられている。固定用金具14は、全体として左右方向に長い長尺な構成要素となっており、ベース部14aおよび垂下部14bを一体的に備えた構成である。ベース部14aは、例えば図示しないネジにより電気部品箱12の下面に固定されている。垂下部14bは、ベース部14aの前端部から下方に垂れ下がるように延出している。
【0020】
図7に例示するように、電源配線中継装置100は、筐体110の上端部が固定用金具14の垂下部14bにネジ15により固定されることにより、電気部品箱12の下面に強固に取り付けられる。このとき、筐体110において新設側開口部112が形成されている面である上面は、電気部品箱2の外面である下面にクッション材112aを介して密着した状態となる。
【0021】
そして、図8に例示するように、電源配線中継装置100の既設側接続部101には、電力供給源103から延びる既設配線104が接続される。一方、電源配線中継装置100の新設側接続部102には、電気部品箱12の端子台12Aから延びる新設配線105が接続される。そして、既設配線104は、既設側開口部113を通過した状態となり、新設配線105は、新設側開口部112を通過した状態となる。
【0022】
また、図9には、室外機10を構成する支柱17および表面パネル18を例示している。支柱17は、上下方向に長い長尺な柱状をなしている。支柱17の短手方向における両端部には段部17aが形成されている。表面パネル18は、上下方向に長い長尺な矩形の板状をなしている。表面パネル18は、その短手方向における一端部が支柱17の一方の段部17aに図示しないネジにより固定される。支柱17に固定された表面パネル18は、室外機10の表面、この場合、正面あるいは前面を構成する。
【0023】
図10に例示するように、電源配線中継装置100の延出板部116は、その先端部が支柱17の一方の段部17aと表面パネル18の短手方向における一端部との間に挟持される。即ち、延出板部116は、被挟持部の一例として定義することができる。延出板部116の切欠部116aには、図1および図9に例示するように、例えば温度センサ19などといったセンサ類やその他の構成要素を配置することができる。
【0024】
本開示に係る室外機10の構成例によれば、既設側接続部101および新設側接続部102を有する電源配線中継装置100を備えることにより、既設配線104だけでは電源配線全体としての長さが不足する場合であっても、その不足分を新設配線105により補うことができ、電力供給源103と電気部品箱12との間の電力供給ラインを十分に確保することができる。
【0025】
さらに、電源配線中継装置100は、新設配線105を通過させるための新設側開口部112を備えているが、その新設側開口部112が形成されている筐体110の上面を電気部品箱2の下面に密着させる取付態様となっている。そのため、新設側開口部112から電源配線中継装置100内に例えば水や塵埃などといった異物が入り込むことを抑制することができる。また、新設側開口部112からの異物の侵入を阻止するためのカバーなどを備える必要が無く、部品点数の増加や構造の複雑化を回避することができる。
【0026】
さらに、電源配線中継装置100は、支柱17の一方の段部17aと表面パネル18の短手方向における一端部との間に挟持される延出板部116を有している。この構成例によれば、電源配線中継装置100を、その一部である延出板部116を介して支柱17および表面パネル18により支持することができ、例えば室外機10の運転時や輸送時などにおける電源配線中継装置100の位置ずれや振動などを抑制することができる。また、電源配線中継装置100を、その一部である延出板部116を活用して固定することができ、電源配線中継装置100を例えばネジ止めなどにより固定する箇所を必要最小限に抑えることができる。
【0027】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。例えば、延出板部116は、切欠部116aが形成されていない形状つまり矩形状であってもよい。また、延出板部116は、その全体としての形状が矩形状以外の形状であってもよい。また、電源配線中継装置100は、延出板部116を備えない構成としてもよい。電源配線中継装置100の配置位置は、例えば、室外機10内における電気部品箱2の配置位置などに応じて、適宜変更して実施することができる。
【0028】
以上、本発明に係る一実施形態を説明したが、この実施形態は、あくまでも一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
図面において、10は空気調和機の室外機、12は電気部品箱、17は支柱、18は表面パネル、100は電源配線中継装置、101は既設側接続部、102は新設側接続部、103は電力供給源、104は既設配線、105は新設配線、112は新設側開口部(開口部)、116は延出板部(被挟持部)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台を有する電気部品箱と、
前記端子台とは別の装置である電源配線中継装置と、
を備え、
前記電源配線中継装置は、
電力供給源から延びる配線が接続される接続部と、
前記電気部品箱から延びる配線が接続される接続部と、
前記電気部品箱から延びる配線が通過する開口部と、
を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている空気調和機の室外機。
【請求項2】
支柱と、
前記支柱に取り付けられる表面パネルと、
を備え、
前記電源配線中継装置は、前記支柱と前記表面パネルとの間に挟持される被挟持部を有する請求項1に記載の空気調和機の室外機。
【請求項3】
端子台を有する電気部品箱を搭載する空気調和機の室外機に前記端子台とは別の装置として備えられる電源配線中継装置であって、
電力供給源から延びる配線が接続される接続部と、
前記電気部品箱から延びる配線が接続される接続部と、
前記電気部品箱から延びる配線が通過する開口部と、
を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている電源配線中継装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本実施形態に係る空気調和機の室外機は、端子台を有する電気部品箱と、前記端子台とは別の装置である電源配線中継装置と、を備え、前記電源配線中継装置は、電力供給源から延びる配線が接続される接続部と、前記電気部品箱から延びる配線が接続される接続部と、前記電気部品箱から延びる配線が通過する開口部と、を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本実施形態に係る電源配線中継装置は、端子台を有する電気部品箱を搭載する空気調和機の室外機に前記端子台とは別の装置として備えられる電源配線中継装置であって、電力供給源から延びる配線が接続される接続部と、前記電気部品箱から延びる配線が接続される接続部と、前記電気部品箱から延びる配線が通過する開口部と、を有し、前記開口部が形成されている面を前記電気部品箱の外面に密着させている。