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特開2024-118094情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118094
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024290
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 征良
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC17
5L050CC12
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する取得部と、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する分析部と、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する特定部と、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する推定部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する取得部と、
前記アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する分析部と、
前記アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する特定部と、
特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記イベント情報として世界各国のイベントに関する情報が記憶されているイベント情報記憶部から前記イベント情報を読み出して、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部が特定したイベントがアクセス制限の指定がされている国のイベントである場合に、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスを制限する制限部と、さらに備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得するステップと、
前記アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析するステップと、
前記アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定するステップと、
特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項5】
利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得するステップと、
前記アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析するステップと、
前記アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定するステップと、
特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
EC(Electronic Commerce)サイトなどを運営する情報提供サービスを実施する事業者のサーバには、多方面からのアクセスがある。そのため、情報提供サービス事業者のサーバには、アクセスに関する多くのデータが蓄積されており、アクセスデータを監視して、障害や攻撃、不正などを検知することが行われていた。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、アクセスログに含まれるユーザの動線情報を分析するプログラムを実行するプロセッサと、ユーザの過去の動線情報をモデル化したアクセスモデルを格納する記憶装置と、を備え、プロセッサは、ユーザの現時点の動線情報とアクセスモデルとを照合することにより、ユーザの行動の変化の度合いを示す第1の値を算出することを特徴とするデータ分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-21132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のデータ分析装置は、事前に取得されたアクセスログに含まれる動線情報に基づいて作成されたユーザのアクセスモデルを照合してユーザの変化を検出することはできるものの、利用者の属性を推定することはできなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する取得部と、前記アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する分析部と、前記アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する特定部と、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する推定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置のアクセス情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置のイベント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100、利用者端末200により実行される例を示す。以下、実施形態に係る情報処理についてステップごとに順を追って説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者のアクセス情報を取得する(ステップS1)。ここで、アクセス情報とは、利用者が利用者端末200を用いて情報処理装置100にアクセスしたときの行動に関する情報のことを指している。アクセス情報は、例えば、ユーザがWEBサイトにログインした時からWEBサイトからログアウトするまでの情報が記録されていてよく、WEBサイト上でのページ遷移の情報、WEBサイトを訪れた時間の情報、及びWEBサイトでのクリック履歴などの利用者の行動に関する情報が含まれていてよい。情報処理装置100は、利用者端末200からアクセス情報を取得したら、取得したアクセス情報をアクセス情報記憶部121に記憶する。
【0013】
次に、情報処理装置100は、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を判別する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、アクセス情報に含まれるアクセス日時の情報に基づいて、所定の日時にアクセスが集中している利用者を特定する。例えば、情報処理装置100は、利用者のアクセス情報に基づいて、アクセス頻度の時系列変化を集計して、利用者の通常のアクセス頻度とは異なり、通常のアクセス頻度から突出してアクセス頻度が増加した日時を特定することにより、アクセスが集中した日時を特定して、アクセス傾向を判別してよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、アクセス傾向と、イベント情報に基づいて、利用者と関係するイベントを特定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、ステップS2において特定した突出してアクセス頻度が増加した日時に行われたイベントをイベントに関する情報が記憶された後述して説明するイベント情報記憶部122から読み出すことにより、利用者と関係するイベントを特定してよい。
【0015】
次に、情報処理装置100は、特定したイベントに対応する利用者の属性を推定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、イベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122に、イベントと利用者の属性との関係を記憶しておいて、ステップS3において特定したイベントと関係する利用者の属性を、イベント情報記憶部122から読み出して、読み出したイベントと利用者の属性との関係に基づいて、利用者の属性を推定してよい。
【0016】
次に、情報処理装置100は、推定された属性に応じて、コンテンツを提供する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、利用者の属性に対応付けて記憶されたコンテンツをコンテンツ記憶部から読み出して、読み出したコンテンツを利用者に配信することにより、利用者にコンテンツを提供してよい。
【0017】
これによれば、利用者のアクセスを分析したうえで、利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0018】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、イベント情報として世界各国のイベントに関する情報を読み出して、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する。
【0019】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からS3と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0020】
次に、情報処理装置100は、アクセス傾向と、イベント情報に基づいて、利用者と関係する世界各国のイベントを特定する(ステップS3-1)。この場合において、情報処理装置100は、イベント情報を世界各国のイベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122から読み出して、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する。具体的には、イベント情報記憶部122には、世界196か国のイベントが記憶されている。例えば、タイの旧正月の4月上旬のソンクラーンや、中国の旧正月の1月下旬の春節、ベトナムの毎月行われるランタン祭りなどのように、世界各国のイベントに関する情報が記憶されていてよい。
【0021】
次に、情報処理装置100は、図1に示したステップS4、及びステップS5と同じ処理を実行する。ステップS4、及びステップS5は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0022】
これによれば、利用者のアクセス情報から世界各国のイベントとの関係を特定して、イベントと利用者の属性との関係に基づいて利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0023】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、特定したイベントがアクセス制限の指定がされている国のイベントである場合に、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスをブロックする。
【0024】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からS2、及び前述したステップS3-1と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0025】
次に、情報処理装置100は、特定したイベントがアクセス制限の指定がされている国のイベントである場合に、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスをブロックする(ステップS4-1)。この場合において、情報処理装置100には、世界各国のイベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122に、アクセスを制限する国に関する情報も記憶されている。そのため、情報処理装置100は、前述したステップS3-1において特定したイベントが行われる国が、アクセスを制限する国であるか否かをイベント情報記憶部122から読み出して判定し、特定したイベントが行われる国がアクセスを制限する国である場合は、利用者のアクセスを制限する。
【0026】
これによれば、アクセスを分析して、アクセスを制限する国のイベントに関係すると推定された利用者のアクセスを制限することができる。そのため、不正アクセスの危険性があるとされる国からの不正アクセスを防ぐことが可能となる。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、ネットワークNを有する。以下、これらの構成について簡単に順を追って説明する。
【0028】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、例えば、利用者端末200からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0029】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0030】
ネットワークNは、情報処理装置100と、利用者端末200を有線、又は無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(ETHERNET(登録商標))により実現されてよい。また、ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)により実現されてよい。
【0031】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0032】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0033】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200などとの間で情報の送受信を行う。
【0034】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0035】
図3に示すように、記憶部120は、アクセス情報記憶部121と、イベント情報記憶部122を有する。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0036】
(アクセス情報記憶部121について)
アクセス情報記憶部121は、アクセスに関係する情報を記憶する。ここで、図4を用いて、アクセス情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置のアクセス情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0037】
図4に示す例において、アクセス情報記憶部121は、「アクセスID」、「IPアドレス」、「アクセス日時」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0038】
「アクセスID」は、アクセスを識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。なお、「アクセスID」には、アクセスがあった利用者端末200や利用者を識別する識別子が含まれていてもよい。「IPアドレス」は、「アクセスID」によって識別されるアクセスがあったIPアドレスを示す。「アクセス日時」は、「アクセスID」により識別されるアクセスの日時を示し、例えば、ログイン日時とログオフ日時が含まれていてよい。
【0039】
すなわち、図4においては、アクセスID「AID#1」により識別されるアクセスのIPアドレスが「IPAD#1」であり、アクセス日時が「ACTM#1」であることを示している。
【0040】
なお、アクセス情報記憶部121に記憶される情報は、「アクセスID」、「IPアドレス」、「アクセス日時」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者のアクセスに関係する情報が記憶されてよい。
【0041】
(イベント情報記憶部122について)
イベント情報記憶部122は、イベントに関する情報を記憶する。ここで、図5を用いて、イベント情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置のイベント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0042】
図5に示す例において、イベント情報記憶部122は、「イベントID」、「イベント内容」、「日時」、「場所」、「国」、「利用者属性」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0043】
「イベントID」は、イベントを識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「イベント内容」は、「イベントID」によって識別されるイベントの名称や内容を示す情報である。「日時」は、「イベントID」によって識別されるイベントが行われる日時を示す。「場所」は、「イベントID」によって識別されるイベントが行われる国以外の場所、即ち位置情報を示す。「国」は、「イベントID」によって識別されるイベントが行われる国を示す。「国」は、アクセスを制限するか否かに関する情報を含んでいてよい。「利用者属性」は、「イベントID」によって識別されるイベントに関係する利用者の属性を示す。「利用者属性」は、例えば、年齢層、性別、居住地というような利用者の属性に関する情報であってよい。
【0044】
すなわち、図5においては、イベントID「EVTID#1」により識別されるイベントのイベント内容が「EVT#1」であり、当該のイベントが開催される日時が「TIME#1」であり、当該のイベントが開催される場所が「LC#1」であり、当該のイベントが開催される国が「NT#1」であり、当該のイベントに関係する利用者の属性が「UPR#1」であることを示している。
【0045】
なお、イベント情報記憶部122に記憶される情報は、「イベントID」、「イベント内容」、「日時」、「場所」、「国」、「利用者属性」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のイベントに関係する情報が記憶されてよい。
【0046】
(コンテンツ記憶部123について)
コンテンツ記憶部123は、コンテンツに関係する情報を記憶する。図6は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0047】
図6に示す例において、コンテンツ記憶部123は、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「利用者属性」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0048】
「コンテンツID」は、コンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、「コンテンツID」により識別されるコンテンツのデータである。「利用者属性」は、「コンテンツID」により識別されるコンテンツに関係する利用者の属性を示す情報である。
【0049】
すなわち、図6においては、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツであるコンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータに対して、利用者属性「UPR#1」が対応付けられて記憶されていることが示されている。
【0050】
なお、コンテンツ記憶部123は、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「利用者属性」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0051】
(制御部130について)
次に、図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))等の集積回路により実現されてもよい。
【0052】
制御部130は、図3に示すように、取得部131と、分析部132と、特定部133と、推定部134と、提供部135と、制限部136を有する。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することで、これらの機能を実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。以下、これらの処理を、順を追って説明する。
【0053】
(取得部131について)
取得部131は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する。この場合のアクセス情報には、例えば、ユーザがWEBサイトにログインした時からWEBサイトからログアウトするまでの情報が記録されていてよく、WEBサイト上でのページ遷移の情報、WEBサイトを訪れた時間の情報、及びWEBサイトでのクリック履歴などの利用者の行動に関する情報が含まれていてよい。取得部131は、利用者端末200からアクセスがあるたびに、利用者端末200からアクセス情報を取得して、取得したアクセス情報をアクセス情報記憶部121に記憶する。
【0054】
(分析部132について)
分析部132は、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する。例えば、分析部132は、アクセス情報に含まれるアクセス日時の情報に基づいて、所定の日時にアクセスが集中している利用者を特定する。例えば、分析部132は、利用者のアクセス情報に基づいて、アクセス頻度の時系列変化を集計して、利用者の通常のアクセス頻度とは異なり、通常のアクセス頻度から突出してアクセス頻度が増加した日時を特定することにより、アクセスが集中した日時を特定するという分析を行ってよい。
【0055】
(特定部133について)
特定部133は、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する。例えば、特定部133は、分析部132が特定した突出してアクセス頻度が増加した日時に行われたイベントをイベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122から読み出すことにより、利用者と関係するイベントを特定してよい。
【0056】
特定部133は、イベント情報として世界各国のイベントに関する情報が記憶されているイベント情報記憶部122からイベント情報を読み出して、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する。上述したように、イベント情報記憶部122には、世界196か国のイベントが記憶されている。例えば、タイの旧正月の4月上旬のソンクラーンや、中国の旧正月の1月下旬の春節、ベトナムの毎月行われるランタン祭りなどのように、世界各国のイベントに関する情報が記憶されている。そのため、特定部133は、分析部132が特定した突出してアクセス頻度が増加した日時に行われたイベントを世界各国のイベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122から読み出すことにより、利用者に関係する世界各国のイベントを特定することができる。
【0057】
(推定部134について)
推定部134は、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する。例えば、推定部134は、特定部133が特定したイベントと関係する利用者の属性を、イベント情報記憶部122から読み出して、読み出したイベントと利用者の属性との関係に基づいて、利用者の属性を推定してよい。例えば、特定部133が特定したイベントがタイのソンクラーンである場合であれば、タイのソンクラーンに対応付けられた利用者の属性をアジアの若年層と特定してよい。
【0058】
(提供部135について)
提供部135は、利用者端末200に利用者の属性に応じてコンテンツを提供する。例えば、提供部135は、利用者の属性とコンテンツの関係が記憶されたコンテンツ記憶部123から、推定部134が推定した利用者の属性に関係するコンテンツを読み出して、コンテンツを利用者端末200に配信することによって、利用者に提供してよい。
【0059】
(制限部136について)
制限部136は、特定部133が特定したイベントがアクセス制限の指定がされている国のイベントである場合に、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスを制限する。具体的には、制限部136は、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスを全て禁止してもよいし、アクセスの一部を認めないようにしてもよい。世界各国のイベントに関する情報が記憶されたイベント情報記憶部122に、アクセスを制限する国に関する情報も記憶されている。そのため、制限部136は、特定部133が特定したイベントが行われる国が、アクセスを制限する国であるか否かをイベント情報記憶部122から読み出して判定し、特定したイベントが行われる国がアクセスを制限する国である場合は、利用者のアクセスを制限する。
【0060】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。図7は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。図7に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240を有する。
【0061】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0062】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0063】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0064】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0065】
図7に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242を有する。
【0066】
受付部241は、利用者の操作を受け付ける。例えば、受付部241は、利用者の所定のWEBサイトへのアクセスに関する操作を受け付ける。例えば、受付部241は、利用者からWEBサイトに表示されたリンクに対するクリック操作や、文字入力ボックスへの文字入力操作、スクロールバーに対するスワイプ操作といった操作を受け付ける。
【0067】
提供部242は、利用者にコンテンツを提供する。すなわち、提供部242は、情報処理装置100の提供部135から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合、出力部230に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合、出力部230にテキストを表示させることよりコンテンツを利用者に提供してよい。
【0068】
〔5.情報処理のフロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図8に示すフローチャートに沿って、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
【0069】
まず、情報処理装置100は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係する可能性があるイベントを特定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する(ステップS104)。
【0070】
これによれば、利用者のアクセスを分析したうえで、利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【0071】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0072】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0073】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0074】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0075】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0076】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0077】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0078】
〔7.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得する取得部131と、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析する分析部132と、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する特定部133と、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定する推定部134と、を備える。
【0079】
この構成によれば、利用者のアクセスを分析したうえで、利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0080】
本開示に係る情報処理装置100の特定部133は、イベント情報として世界各国のイベントに関する情報が記憶されているイベント情報記憶部122からイベント情報を読み出して、利用者と関係すると推測されるイベントを特定する。
【0081】
この構成によれば、利用者のアクセス情報から世界各国のイベントとの関係を特定して、イベントと利用者の属性との関係に基づいて利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0082】
本開示に係る情報処理装置100の特定部133が特定したイベントがアクセス制限の指定がされている国のイベントである場合に、当該イベントに関係するとされた利用者のアクセスを制限する制限部136と、さらに備える。
【0083】
この構成によれば、アクセスを分析して、アクセスを制限する国のイベントに関係すると推定された利用者のアクセスを制限することができる。そのため、不正アクセスの危険性があるとされる国からの不正アクセスを防ぐことが可能となる。
【0084】
本開示に係る情報処理方法は、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得するステップと、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析するステップと、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定するステップと、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定するステップと、を含む。
【0085】
この構成によれば、利用者のアクセスを分析したうえで、利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理方法を提供することができる。
【0086】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者のアクセスに関する情報を示すアクセス情報を取得するステップと、アクセス情報に基づいて、利用者のアクセス傾向を分析するステップと、アクセス傾向と、イベントに関する情報を示すイベント情報に基づいて、利用者と関係すると推測されるイベントを特定するステップと、特定したイベントと対応する利用者の属性に基づいて、利用者の属性を推定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0087】
この構成によれば、利用者のアクセスを分析したうえで、利用者の属性を把握して、把握した属性に応じたコンテンツを提供することができる。そのため、アクセスを的確に分析して有用な情報を得ることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0088】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0089】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 アクセス情報記憶部
122 イベント情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 分析部
133 特定部
134 推定部
135 提供部
136 制限部
200 利用者端末
210 通信部
220 入力部
230 出力部
240 制御部
241 受付部
242 提供部
N ネットワーク
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9