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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118096
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】貯水タンク及び貯水タンクユニット
(51)【国際特許分類】
   E03B 11/00 20060101AFI20240823BHJP
   E03B 3/03 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
E03B11/00 B
E03B3/03 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024295
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003915
【氏名又は名称】弁理士法人岡田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 孝
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な構成により安定良く容易に積層することが可能な貯水タンクを提供する。
【解決手段】貯水タンクは、水を内部に貯水するための貯水タンク30であって、貯水タンク本体31と、貯水タンク本体31を下から見た場合の下側外縁31dに沿って環状に貯水タンク本体31の下面から突出するタンク足部32と、貯水タンク本体31を上から見た場合の上側外縁31uから一回り小さい領域において上側外縁31uよりも上方に突出するタンク凸部33と、貯水タンク30が上下方向又は水平方向に並べて配置される場合に、隣接する貯水タンク30を接続して貯水タンク30内の水を通流させるための少なくとも1つの接続部と、を備え、貯水タンク30を上下方向に積層する場合に、下の貯水タンク30のタンク凸部33が、上の貯水タンク30の環状のタンク足部32により囲まれる足部空間32aに対応するように構成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を内部に貯水するための貯水タンクであって、
貯水タンク本体と、
前記貯水タンク本体を下から見た場合の下側外縁に沿って環状に前記貯水タンク本体の下面から突出するタンク足部と、
前記貯水タンク本体を上から見た場合の上側外縁から一回り小さい領域において前記上側外縁よりも上方に突出するタンク凸部と、
前記貯水タンクが上下方向又は水平方向に並べて配置される場合に、隣接する前記貯水タンクを接続して前記貯水タンク内の水を通流させるための少なくとも1つの接続部と、
を備え、
前記貯水タンクを上下方向に積層する場合に、下の前記貯水タンクの前記タンク凸部が、上の前記貯水タンクの環状の前記タンク足部により囲まれる足部空間に対応するように構成されている、貯水タンク。
【請求項2】
前記タンク足部のうち前記足部空間に面する側面である足部内側面は上から下に向かって前記下側外縁側に傾斜するように形成されており、
前記タンク凸部のうち前記貯水タンクの側方に露出する側面である凸部側面は上から下に向かって前記上側外縁側に傾斜しており、
前記貯水タンクを上下に積層した場合に、上の前記貯水タンクにおける前記足部内側面と下の前記貯水タンクにおける前記凸部側面とは対応するように構成されている、請求項1に記載の貯水タンク。
【請求項3】
前記貯水タンクを上下に積層する場合に、上の前記貯水タンクにおける前記足部空間に面する底面である足部空間底面と、下の前記貯水タンクにおける前記タンク凸部の上方に露出する凸部上面と、の間に隙間が形成されるように前記タンク足部及び前記タンク凸部が構成されている、請求項1又は2に記載の貯水タンク。
【請求項4】
前記貯水タンク本体の外側側面の少なくとも一部を凹凸に形成した凹凸部をさらに備える、請求項1又は2に記載の貯水タンク。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の複数の貯水タンクを含むタンク部と、
前記複数の貯水タンクの水温を調整するための温度制御機構と、を備え、
前記複数の貯水タンク間において一方向に水が通流可能なように、前記少なくとも1つの接続部を介して前記複数の貯水タンクが順に接続されている、貯水タンクユニット。
【請求項6】
前記温度制御機構は、
前記複数の貯水タンクのうち少なくとも1つの貯水タンク内の水温を測定するための少なくとも1つの温度計と、
冷媒との熱交換により前記複数の貯水タンクの水温を調整する温度調整部と、
前記少なくとも1つの温度計により測定された水温に基づいて前記温度調整部を制御する温度制御部と、を有し、
前記温度制御部は、前記少なくとの1つの温度計で測定された少なくとの1つの水温が所定値以上の場合に、前記温度調整部により前記複数の貯水タンクの水温を調整する、請求項5に記載の貯水タンクユニット。
【請求項7】
前記少なくとも1つの温度計には、前記複数の貯水タンクのうち上流側の少なくとも1つの貯水タンクにおける水温を測定するための第1温度計と、前記複数の貯水タンクのうち下流側の少なくとも1つの貯水タンクにおける水温を測定するための第2温度計と、が含まれており、
前記温度制御部は、前記第1温度計及び前記第2温度計それぞれにおける水温の温度差が所定温度差以上の場合に、前記温度調整部での水温調整の前に、前記複数の貯水タンク間で水を通流させることにより水温を調整し、前記複数の貯水タンク間で水を通流させた後において、前記第1温度計及び前記第2温度計の少なくともいずれかにより測定された水温に基づいて、前記温度調整部により前記複数の貯水タンク内の水温を調整する、請求項6に記載の貯水タンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯水タンク及び貯水タンクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、雨水等の水を貯水可能であり、上下に積層することができる貯水タンクが開示されている。この貯水タンクの上部には、貯水タンクを上下に積層することが可能なように構成された蓋が設けられている。蓋には、蓋の下面に設けられ、下に位置する貯水タンクの上端部を外側から被覆する鍔と、蓋の上面に設けられ、上に位置する貯水タンクの底部が挿入されて載置可能な形状となっている受枠と、が形成されている。下に位置する貯水タンクの上部に鍔を嵌め込むように蓋を配置し、その蓋の受枠に上に位置する貯水タンクを嵌め込んで載置する。これにより、上下に貯水タンクを安定に配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3033574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、蓋の下面に鍔を形成するとともに蓋の上面に受枠を形成する必要があり、蓋の構成が複雑となっている。また、上下に積層された貯水タンクのうち上の貯水タンクに蓋を嵌め込むと、蓋の上面の受枠が露出した状態となる。この受枠内に雨水等が貯まらないように、受枠を別途の蓋部材により覆う必要があり貯水タンクの積み上げ作業が煩雑である。よって、複数の貯水タンクを安定良く容易に積層することが可能な簡単な構成が求められている。
【0005】
したがって、本発明では、簡単な構成により安定良く容易に積層することが可能な貯水タンク及び貯水タンクユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る貯水タンクは、水を内部に貯水するための貯水タンクであって、貯水タンク本体と、貯水タンク本体を下から見た場合の下側外縁に沿って環状に貯水タンク本体の下面から突出するタンク足部と、貯水タンク本体を上から見た場合の上側外縁から一回り小さい領域において上側外縁よりも上方に突出するタンク凸部と、貯水タンクが上下方向又は水平方向に並べて配置される場合に、隣接する貯水タンクを接続して貯水タンク内の水を通流させるための少なくとも1つの接続部と、を備え、貯水タンクを上下方向に積層する場合に、下の貯水タンクのタンク凸部が、上の貯水タンクの環状のタンク足部により囲まれる足部空間に対応するように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、タンク足部は貯水タンク本体の下側外縁に沿って環状に形成されており、貯水タンク本体の下面には環状のタンク足部により囲まれた足部空間が形成されている。貯水タンクのタンク凸部はこの足部空間に対応して形成されているため、貯水タンクを積層する場合に下の貯水タンクのタンク凸部が上の貯水タンクの足部空間に嵌り込んだ状態となる。よって、環状のタンク足部及びタンク凸部という簡単な構成により、複数の貯水タンクを安定良く容易に積層することができる。
【0008】
タンク足部のうち足部空間に面する側面である足部内側面は上から下に向かって下側外縁側に傾斜するように形成されており、タンク凸部のうち貯水タンクの側方に露出する側面である凸部側面は上から下に向かって上側外縁側に傾斜しており、貯水タンクを上下に積層した場合に、上の貯水タンクにおける足部内側面と下の貯水タンクにおける凸部側面とは対応するように構成されていることが好ましい。
【0009】
貯水タンクを上下に積層する場合に、上の貯水タンクにおける足部空間に面する底面である足部空間底面と、下の貯水タンクにおけるタンク凸部の上方に露出する凸部上面と、の間に隙間が形成されるようにタンク足部及びタンク凸部が構成されていることが好ましい。
【0010】
貯水タンク本体の外側側面の少なくとも一部を凹凸に形成した凹凸部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
本発明に係る貯水タンクユニットは、上記の複数の貯水タンクを含むタンク部と、複数の貯水タンクの水温を調整するための温度制御機構と、を備え、前記複数の貯水タンク間において一方向に水が通流可能なように、前記少なくとも1つの接続部を介して前記複数の貯水タンクが順に接続されている。
【0012】
温度制御機構は、複数の貯水タンクのうち少なくとも1つの貯水タンク内の水温を測定するための少なくとも1つの温度計と、冷媒との熱交換により複数の貯水タンクの水温を調整する温度調整部と、少なくとも1つの温度計により測定された水温に基づいて温度調整部を制御する温度制御部と、を有し、温度制御部は、少なくとの1つの温度計で測定された少なくとの1つの水温が所定値以上の場合に、温度調整部により複数の貯水タンクの水温を調整することが好ましい。
【0013】
少なくとも1つの温度計には、複数の貯水タンクのうち上流側の少なくとも1つの貯水タンクにおける水温を測定するための第1温度計と、複数の貯水タンクのうち下流側の少なくとも1つの貯水タンクにおける水温を測定するための第2温度計と、が含まれており、温度制御部は、第1温度計及び第2温度計それぞれにおける水温の温度差が所定温度差以上の場合に、温度調整部での水温調整の前に、複数の貯水タンク間で水を通流させることにより水温を調整し、複数の貯水タンク間で水を通流させた後において、第1温度計及び第2温度計の少なくともいずれかにより測定された水温に基づいて、温度調整部により複数の貯水タンク内の水温を調整することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、簡単な構成により安定良く容易に積層することが可能な貯水タンクを提供することができる。
【0015】
この発明の上記の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。
図2】タンク部の斜視図である。
図3】タンク部の正面図である。
図4】タンク部の側面図である。
図5】貯水タンクの斜視図である。
図6】貯水タンクの正面図である。
図7】貯水タンクの側面図である。
図8図5におけるVIII-VIII線における貯水タンクの断面図である。
図9】貯水タンクを下側から見た斜視図である。
図10】タンク足部とタンク凸部との嵌め合わせを示す拡大図である。
図11】貯水タンクユニットにおける水温調整のフローの一例を示すフローチャートである。
図12】変形例1に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。
図13】変形例1に係る貯水タンクユニットにおける水温調整のフローの一例を示すフローチャートである。
図14】変形例2に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。
図15】変形例2に係る貯水タンクユニットにおける水温調整のフローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.貯水タンクユニット
この発明の実施の形態にかかる貯水タンクユニットについて説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。貯水タンクユニット100は、雨水等の水をタンク部10に貯水し、タンク部10内に貯水された水の温度を調整して外部に排出する。貯水タンクユニット100は、タンク部10と、タンク部10内の水温を調整するための温度制御機構20と、を備える。本実施の形態では、温度制御機構20は、温度調整部21、温度制御部22及び温度計Tを含む。さらに、貯水タンクユニット100は、複数の配管(第1~第7配管Pi1~Pi7)と、複数のバルブ(第1~第4バルブV1~V4)と、複数のポンプ(第1及び第2ポンプPuA、PuB)と、を備える。
【0018】
第1配管Pi1の一端には樋等が連結されており、樋等から第1配管Pi1の一端に雨水等の水が供給される。第1配管Pi1の他端はタンク部10のタンク部入口10aに接続されており、第1配管Pi1の他端を介してタンク部10に雨水等の水が供給される。タンク部10は、供給された水を貯水し、必要に応じてタンク部出口10bから排出する。タンク部出口10bには第2配管Pi2の一端が接続されており、第2配管Pi2の他端には第2ポンプPuBが接続されている。第2配管Pi2の他端側には第1バルブV1が取り付けられており、第2ポンプPuBが駆動されるとともに第1バルブV1を開状態に設定することにより、タンク部10内に貯水されている水を第2配管Pi2の他端から外部に排出する。
【0019】
第2配管Pi2には第1バルブV1の上流側から分岐する第3配管Pi3の一端が接続されている。第3配管Pi3には第2バルブV2が設けられており、第3配管Pi3の他端には温度調整部21の水入口21aが接続されている。ここで、タンク部10には温度計Tが取り付けられている。また、タンク部10にはタンク部10内の水の貯水量を把握するために液面計Lが取り付けられている。温度調整部21の水出口21bには第4配管Pi4の一端が接続されており、第4配管Pi4の他端と第5配管Pi5の一端との間には第1ポンプPuAが接続されている。第5配管Pi5の他端は第1配管Pi1に合流して接続されている。第1配管Pi1と第5配管Pi5との合流点の手前には第5配管Pi5から第1配管Pi1に一方向に水を通流させるための逆止弁CVが取り付けられている。また、第5配管Pi5の一端側には第3バルブV3が取り付けられており、第1ポンプPuAが駆動されるとともに第2、第3バルブV2、V3を開状態に設定することにより、タンク部10内の水が上流側から下流側に向かって温度調整部21内を通流する。この温度調整部21内を通流する水の温度を調整するため、温度調整部21内の水の上流側から下流側への流れとは逆方向に、温度調整部21内に冷媒を通流させる。そのため、温度調整部21の冷媒入口21cには第6配管Pi6の一端が接続されており、第6配管Pi6配管の他端に設けられた第4バルブV4を開状態に設定することにより第6配管Pi6配管の他端から冷媒が供給される。また、温度調整部21の冷媒出口21dには第7配管Pi7の一端が接続されており、温度調整部21を前記逆方向に通流した冷媒が第7配管Pi7配管の他端から排出される。温度調整部21では、互いに異なる方向に水と冷媒とを通流させることにより、水と冷媒との間で熱交換を行い、水の温度調整を行う。
【0020】
以下において、タンク部10について詳細に説明する。図2は、タンク部の斜視図である。図3は、タンク部の正面図である。図4は、タンク部の側面図である。本実施の形態では、タンク部10は4つの貯水タンク30が一連に接続されることにより構成されている。具体的に、タンク部10は、第1~第4貯水タンク30a~30dを有する。本実施の形態では、第1貯水タンク30aが第4貯水タンク30dの上に配置されており、第2貯水タンク30bが第3貯水タンク30cの上に配置されている。第1~第4貯水タンク30a~30dは順に水が通流可能なように接続されている。
【0021】
タンク部10を構成する1つの貯水タンク30は以下のように構成されている。図5は、貯水タンクの斜視図である。図6は、貯水タンクの正面図である。図7は、貯水タンクの側面図である。図8は、図5におけるVIII-VIII線における貯水タンクの断面図である。
【0022】
貯水タンク30は、貯水タンク本体31と、タンク足部32と、タンク凸部33と、接続部34と、凹凸部35と、蓋部37と、を有する。貯水タンク本体31は、内部に貯水空間を有しており、4つの面部38を有するとともに、上側外縁31uと下側外縁31dとを結ぶ概ね直方体状に構成されている。上側外縁31uは、貯水タンク本体31の最も上側の外縁であり、つまり貯水タンク本体31を上から見た場合の外縁である。下側外縁31dは、貯水タンク本体31の最も下側の外縁であり、つまり貯水タンク本体31を下から見た場合の外縁である。4つの面部38には、一対の側面部38aと一対の正面部38bが含まれている、
【0023】
貯水タンク本体31の上部にはタンク凸部33が形成されており、貯水タンク本体31の下部にはタンク足部32が形成されている。また、貯水タンク本体31の一対の側面部38aのそれぞれには接続部34が形成されている。また、貯水タンク本体31の面部38の全周に亘って凹凸部35が形成されている。
【0024】
タンク凸部33は、貯水タンク30を上下方向に積層した場合に、下の貯水タンク30のタンク凸部33が上の貯水タンク30のタンク足部32に対応するように構成されている。図5図8に示すように、タンク凸部33は、上側外縁31uから一回り小さい領域において上側外縁31uよりも上方に突出する。タンク凸部33を上から見た場合に、上側外縁31uから内方に向かって水平面である凸部外側上面33oが環状に形成されている。凸部外側上面33oにより囲まれた領域が、タンク凸部33が形成されている前述の一回り小さい領域である。タンク凸部33は、この一回り小さい領域において凸部外側上面33oの内縁から上方に突出するように形成されている。
【0025】
タンク凸部33は、凸部上面33uと、凸部側面33sと、を有する。凸部上面33uは、上方に面して水平に形成されている。凸部上面33uには、貯水タンク30内を点検するための点検口37aが形成されている。点検口37aには蓋部37が嵌め込まれる。図5図10に示すように、凸部側面33sは、タンク凸部33のうち側方に露出する側面である。凸部側面33sは、上から下に向かって上側外縁31u側に傾斜している。具体的に、凸部側面33sは、凸部上面33uの外縁から凸部外側上面33oの内縁まで上から下に向かいつつ、外側に向かって傾斜する傾斜面である。このように、凸部上面33u、凸部側面33s及び凸部外側上面33oが連続的に形成されている。
【0026】
タンク足部32は、下側外縁31dに沿って環状に貯水タンク本体31の下面から突出する。図8図10に示すように、タンク足部32は、足部底面32dと、足部内側面32sと、を有する。足部底面32dは、下方に面して水平に形成されている。足部内側面32sは、タンク足部32のうち足部空間32aに面する側面である。足部空間32aは、環状のタンク足部32により囲まれる空間である。足部内側面32sは、上から下に向かって下側外縁31d側に傾斜している。具体的に、足部内側面32sは、足部空間底面32iの外縁から足部底面32dの内縁まで上から下に向かいつつ、外側に向かって傾斜する傾斜面である。貯水タンク本体31には下方において足部空間32aに面する底面である足部空間底面32iが水平に形成されている。そして、足部空間底面32i、足部内側面32s及び足部底面32dが連続的に形成されている。
【0027】
貯水タンク30を上下方向に積層する場合に、下の貯水タンク30のタンク凸部33が、上の貯水タンク30の足部空間32aに対応するように構成されている。図10に示すように、下の貯水タンク30のタンク凸部33が上の貯水タンク30の足部空間32aに嵌り込んでいる。この場合、下の貯水タンク30の凸部側面33sと上の貯水タンク30の足部内側面32sとは対応するように構成されている。具体的に、下の貯水タンク30の凸部側面33sと上の貯水タンク30の足部内側面32sとは互いに接触するように、かつ、下の貯水タンク30の凸部外側上面33oと上の貯水タンク30の足部底面32dとは互いに接触するように構成されている。
【0028】
このようにタンク凸部33は足部空間32aに対応して形成されているため、貯水タンク30を積層する場合に下の貯水タンク30のタンク凸部33が上の貯水タンク30の足部空間32aに嵌り込んだ状態となる。よって、環状のタンク足部32及びタンク凸部33という簡単な構成により、複数の貯水タンク30を安定良く容易に積層することができる。また、凸部側面33s及び足部内側面32sがともに上から下に向かって傾斜しているため、貯水タンク30を積層する場合に、下の貯水タンク30の凸部側面33sの傾斜に沿って上の貯水タンク30の足部内側面32sを沿わせるようにして貯水タンク30をスムーズに積層することができる。また、凸部側面33sの傾斜と足部内側面32sの傾斜とを対応させることでタンク凸部33とタンク足部32との嵌め合わせを良くすることができる。よって、複数の貯水タンク30を安定良く容易に積層することができる。
【0029】
また、貯水タンク30の上部は凸状に突出したタンク凸部33が形成されているため、貯水タンク30を屋外に配置している場合でもタンク凸部33を伝って雨水等の水が流れ落ちる。つまり、貯水タンク30の外部に水が貯まるのを抑制することができる。
【0030】
なお、タンク凸部33の上下方向の長さ及びタンク足部32の上下方向の長さは、下の貯水タンク30のタンク凸部33が上の貯水タンク30の足部空間32aに嵌り込むことにより、ぐらつきが抑制された状態で下の貯水タンク30に上の貯水タンク30が安定に積層することができる程度に設定されている。
【0031】
さらに、下の貯水タンク30の凸部上面33uと上の貯水タンク30の足部空間底面32iとは互いに対向しており、下の貯水タンク30の凸部上面33uと上の貯水タンク30の足部空間底面32iとの間に隙間Sが設けられるように構成されている。隙間Sの上下方向の長さΔtは、上の貯水タンク30内に水が貯水されて上の貯水タンク30の足部空間底面32iが水の重みにより膨張した場合でも、下の貯水タンク30の凸部上面33uに接触することが抑制される程度に設定されている。これにより、上の貯水タンク30の足部空間底面32iが下の貯水タンク30の凸部上面33uに干渉するのを抑制することができる。よって、足部空間底面32iが凸部上面33uに干渉することによる上の貯水タンク30のタンク足部32と下の貯水タンク30のタンク凸部33との嵌め合わせのずれ等、貯水タンク30の積層状態が不安定となることを抑制することができる。
【0032】
接続部34は、貯水タンク30が上下方向又は水平方向に並べて配置される場合に、隣接する貯水タンク30を接続して貯水タンク30内の水を通流させる。接続部34は、貯水タンク30の一対の側面部38aそれぞれに設けられている。接続部34は、上部接続部34uと、下部接続部34dと、接続キャップ34cと、を有する。上部接続部34u及び下部接続部34dは一対の側面部38aに設けられた開口である。上部接続部34uは側面部38aの上部に形成されており、本実施の形態では、凹凸部35が形成されておらず、かつ、上側外縁31uに近い部分に形成されている。下部接続部34dは側面部38aの下部に形成されており、本実施の形態では、凹凸部35が形成されておらず、かつ、下側外縁31dに近い部分よりも上方に形成されている。ここで、貯水タンク30内に貯水された水に砂等の不純物が含まれる場合、不純物は貯水タンク30の下部に沈殿する傾向にある。下部接続部34dは下側外縁31dに近い部分よりも上方に形成されているため、不純物が下部接続部34dを介して別の貯水タンク30に通流するのを抑制することができる。具体的に、不純物を、貯水タンク30の内部底面から一対の側面部38aそれぞれの下部接続部34dの下端までにおいて蓄積することができる。接続キャップ34cは上部接続部34u及び下部接続部34dを覆う。
【0033】
図1図3に示すように、第1貯水タンク30aの一の側面部38aの上部接続部34uには第1配管Pi1の他端が接続されている。第1貯水タンク30aの一の側面部38aの下部接続部34dには接続キャップ34cが取り付けられている。第1貯水タンク30aの他の側面部38aの上部接続部34u及び下部接続部34dは、第2貯水タンク30bの一の側面部38aの上部接続部34u及び下部接続部34dと対向された状態で接続されている。第2貯水タンク30bの他の側面部38aの下部接続部34dと第3貯水タンク30cの他の側面部38aの上部接続部34uとは可撓性のホースHを介して接続されている。第2貯水タンク30bの他の側面部38aの上部接続部34u及び第3貯水タンク30cの他の側面部38aの下部接続部34dにはそれぞれ接続キャップ34cが取り付けられている。
【0034】
さらに、第3貯水タンク30cの一の側面部38aの上部接続部34u及び下部接続部34dは、第4貯水タンク30dの他の側面部38aの上部接続部34u及び下部接続部34dと対向された状態で接続されている。また、第4貯水タンク30dの一の側面部38aの上部接続部34uには第2配管Pi2の一端が接続されている。第4貯水タンク30dの一の側面部38aの下部接続部34dには接続キャップ34cが取り付けられている。
【0035】
凹凸部35は、一対の側面部38a及び一対の正面部38bを含む面部(外側側面)38の全周に亘って形成されている。凹凸部35は、これに限定されないが、上側外縁31uよりも下方の位置と、下側外縁31dよりも上方の位置との間に形成されている。図7に示すように、凹凸部35は山谷をなす凹凸状に形成されている。凹凸部35により貯水タンク本体31の表面積を増やすことができるため、貯水タンク30内の水の放熱を行うことができる。また、凹凸部35のうち例えば凸の部分により貯水タンク本体31に遮光部分を形成することができることによっても、貯水タンク30内の水の放熱を行うことができる。
【0036】
なお、第3貯水タンク30cには図2図4に示すように排出部36を設けてもよい。ただし、排出部36は省略されてもよいし、第1、第2、第4貯水タンク30a、30b、30dのいずれに設けられてもよい。
【0037】
図2図4に示すように、積層された第1~第4貯水タンク30a~30dのうち下の第3及び第4貯水タンク30c、30dは、架台40の上に配置されている。架台40は、架台本体41と、架台本体41から下方に突出する架台足部42と、架台本体41から上方に突出する架台凸部43と、を有する。架台凸部43は、第3及び第4貯水タンク30c、30dのタンク足部32の足部空間32aに対応するように形成されている。これにより、第3及び第4貯水タンク30c、30dは架台40上に安定に配置される。
【0038】
図1に示すようにタンク部10には温度計T及び液面計Lが取り付けられている。これに限定されないが、本実施の形態では第3貯水タンク30cに温度計T及び液面計Lが取り付けられている。
【0039】
2.貯水タンクユニットでの水温調整の流れ
以下に貯水タンクユニット100での水温調整の流れについて説明する。
【0040】
ステップS1:温度制御部22は、温度計Tが測定した水温(以下、単に水温という)がVth1以上と判定するとステップS2に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS5に処理を進行する。Vth1は、例えば、水温が緑化散水及び屋根冷却等に適さないまではいかないものの、冷却が必要であると考えられる温度である。
ステップS2:温度制御部22は、第2~第4バルブV2~V4を開状態に設定し、第1ポンプPuAを駆動するとともに、温度調整部21による水温調整を制御する。これにより、タンク部10内の水が第1~第5配管Pi1~Pi5に沿って上流側から下流側に向かって通流するとともに温度調整部21内を通流し、一方、第6及び第7配管Pi6、Pi7に沿って温度調整部21内を水とは逆方向に冷媒が通流することによって、水と冷媒との間で熱交換が行われタンク部10の水の温度調整が行われる。
ステップS3:温度制御部22は、水温がVth2(>Vth1)以上と判定するとステップS7に処理を進行し、水温がVth2未満と判定するとステップS4に処理を進行する。Vth2は、例えば、水温が緑化散水及び屋根冷却等に適さないと考えられる温度である。
ステップS4:さらに、温度制御部22は、水温がVth1以上と判定すると冷媒による水温の調整を継続しつつステップS3に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS5に処理を進行する。
【0041】
ステップS5:温度制御部22は、第2~第4バルブV2~V4を閉状態に設定し、第1ポンプPuAを停止するとともに、温度調整部21における冷媒による水温の調整を停止する。
ステップS6:温度制御部22は、第1バルブV1を開状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを駆動することにより、適温状態のタンク部10の水を外部に排出する。ステップS6の処理後、ステップS1に処理が戻る。
ステップS7:温度制御部22は、第1バルブV1を閉状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを停止する。これにより、水温がVth2以上の水がタンク部10から排出されるのを抑制することができる。ステップS7の処理後、ステップS1に処理が戻る。
【0042】
例えば、夏の野外に貯水タンク30が置かれている場合には貯水タンク30内の水温が上昇し、貯水タンク30内の水が緑化散水及び屋根冷却等に適さない状態となる。上記構成によれば、温度制御部22の制御により複数の貯水タンク30内の水温を温度調整部21を用いて適温に調整することができ、貯水タンク30内の水を緑化散水及び屋根冷却等に利用することができる。
【0043】
なお、液面計Lの液位に基づいて温度調整を行うか否かを決定してもよい。例えば、貯水タンク30内の液位が所定値未満の場合は温度調整の処理を行わず、貯水タンク30内の液位が所定値以上である場合に温度調整の処理を開始するようにしてもよい。
【0044】
<変形例>
以下、本実施の形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例において、本実施の形態の構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
【0045】
<変形例1>
本変形例に係る貯水タンクユニット100Aは、水温を調整する方法として、上記の実施の形態に係る温度調整部21による冷媒と水との熱交換による方法に加えて、冷媒との熱交換を行わずに水を通流させて複数の貯水タンク30内の水を循環させる方法を含む。図12は、変形例1に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。図13は、変形例1に係る貯水タンクユニットにおける水温調整のフローの一例を示すフローチャートである。
【0046】
上記の実施の形態に係る貯水タンクユニット100と異なる点を中心に説明する。本変形例に係る貯水タンクユニット100Aでは、上記の実施の形態の第3貯水タンク30cに設けられた温度計T及び液面計Lの代わりに、第1貯水タンク30a内の水温を測定するための第1温度計T1と、第4貯水タンク30d内の水温を測定するための第2温度計T2と、第1貯水タンク30a内の液位を測定するための第1液面計L1と、第4貯水タンク30d内の液位を測定するための第2液面計L2と、が設けられている。本変形例では、温度制御機構20は、温度調整部21、温度制御部22、第1温度計T1及び第2温度計T2を含む。
【0047】
以下に、貯水タンクユニット100Aでの水温調整の流れについて説明する。
【0048】
ステップS11:温度制御部22は、第1温度計T1及び第2温度計T2の少なくともいずれかが測定した水温(以下、単に水温という)がVth1以上と判定するとステップS12に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS18に処理を進行する。
ステップS12:温度制御部22は、第1温度計T1と第2温度計T2との水温の温度差がΔT以上であると判定するとステップS13に処理を進行し、温度差がΔT未満と判定するとステップS18に処理を進行する。
ステップS13:温度制御部22は、第2及び第3バルブV2、V3を開状態(第4バルブV4は閉状態)に設定するとともに、第1ポンプPuAを駆動する。これにより、タンク部10内の水が第1~第5配管Pi1~Pi5に沿って通流する。このとき、タンク部10内の水は温度調整部21内を単に通過するのみであり、冷媒と水との熱交換は行われない。これにより、第1~第4貯水タンク30a~30d内の水が混合されて全体として水温を下げることができる。
ステップS14:温度制御部22は、ステップS13を経た後も温度差がΔT以上であると判定するとステップS15に処理を進め、温度差がΔT未満と判定するとステップS16に処理を進行する。前述のように温度差に基づいて処理を行うのとは異なり、ステップS14では、温度制御部22は、ステップS13を経た後も第1温度計T1及び第2温度計T2の少なくともいずれかが測定した水温がVth1以上と判定するとステップS15に処理を進め、そうでない場合はステップS16に処理を進行してもよい。
【0049】
ステップS15:温度制御部22は、ステップS13を経た後も温度差がΔT以上であるので、第4バルブV4をさらに開状態に設定し、温度調整部21による水温調整を制御する。これにより、上記の実施の形態の図11のステップS2と同様に水と冷媒との間で熱交換が行われタンク部10の水の温度調整が行われる。
ステップS16:温度制御部22は、水温がVth2(>Vth1)以上と判定するとステップS20に処理を進行し、水温がVth2未満と判定するとステップS17に処理を進行する。
ステップS17:さらに、温度制御部22は、水温がVth1以上と判定すると冷媒による水温の調整を継続しつつステップS16に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS18に処理を進行する。
【0050】
ステップS18:温度制御部22は、第2~第4バルブV2~V4を閉状態に設定するとともに、第1ポンプPuAを停止する。
ステップS19:温度制御部22は、第1バルブV1を開状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを駆動する。ステップS19の処理後、ステップS11に処理が戻る。
ステップS20:温度制御部22は、第1バルブV1を閉状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを停止する。ステップS20の処理後、ステップS11に処理が戻る。
【0051】
上記構成によれば、複数の貯水タンク30の水温を調整するために、温度調整部21による冷媒を用いた水温調整の前に複数の貯水タンク30間で水を通流させる。例えば、複数の貯水タンク30内の水それぞれは各貯水タンク30が配置されている場所により水温が異なる場合がある。例えば、下に配置されている貯水タンク30は上に配置されている貯水タンク30の陰になっているため、下に配置されている貯水タンク30内の水温は上に配置されている貯水タンク30内の水温より低くなる場合がある。温度調整部21は、各貯水タンク30内の水温の温度差が所定値(ΔT)以上の場合に、まずは貯水タンク30間で水を通流させることにより複数の貯水タンク30内の水温を全体として下げる。そして、この通流による水温調整の後でも複数の貯水タンク30の水温の温度差が所定値(ΔT)以上の場合、あるいは、水温がVth1以上の場合には、温度調整部21による冷媒を用いた水温調整を行う。逆に、通流による水温調整の後において複数の貯水タンク30の水温の温度差が所定値(ΔT)未満の場合、あるいは、水温がVth1未満の場合には、温度調整部21による冷媒を用いた水温調整は行われない。これにより、冷媒を用いた温度調整部21による水温調整の頻度を減らすことができる。
【0052】
本変形例では、第1及び第4貯水タンク30a、30dに第1及び第2温度計T1、T2が設けられているが、タンク部10内での水温の温度差を測定できるのであれば、いずれの貯水タンク30に温度計を設けてもよいし、3つ以上の温度計を設けてもよい。
【0053】
<変形例2>
本変形例に係る貯水タンクユニット100Bは、水温を調整する方法として、上記の実施の形態に係る温度調整部21による冷媒と水との熱交換による方法を用いず、水を通流させて複数の貯水タンク30内の水を循環させる方法を含む。図14は、変形例2に係る貯水タンクユニットを模式的に表した全体模式図である。図15は、変形例2に係る貯水タンクユニットにおける水温調整のフローの一例を示すフローチャートである。
【0054】
上記の実施の形態に係る貯水タンクユニット100と異なる点を中心に説明する。第2配管Pi2には第1バルブV1の上流側から分岐する第8配管Pi8の一端が接続されている。第8配管Pi8の他端には第1ポンプPuAが接続されている。
【0055】
本変形例では、変形例1と同様に、第1及び第2温度計T1、T2と、第1及び第2液面計L1、L2と、が設けられている。
【0056】
その他、貯水タンクユニット100Bでの配管の接続は上記の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0057】
ステップS31:温度制御部22は、第1温度計T1及び第2温度計T2の少なくともいずれかが測定した水温(以下、単に水温という)がVth1以上と判定するとステップS32に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS37に処理を進行する。
ステップS32:温度制御部22は、第1温度計T1と第2温度計T2との水温の温度差がΔT以上であると判定するとステップS33に処理を進行し、温度差がΔT未満と判定するとステップS37に処理を進行する。
ステップS33:温度制御部22は、第2及び第3バルブV2、V3を開状態に設定するとともに、第1ポンプPuAを駆動する。これにより、第1~第4貯水タンク30a~30d内の水が混合されて全体として水温を下げることができる。
ステップS34:温度制御部22は、ステップS33を経た後も温度差がΔT以上であると判定するとステップS33に処理を進行して第1~第4貯水タンク30a~30d内の水の混合による水温の調整を継続し、温度差がΔT未満と判定するとステップS35に処理を進行する。
【0058】
ステップS35:温度制御部22は、水温がVth2(>Vth1)以上と判定するとステップS39に処理を進行し、水温がVth2未満と判定するとステップS36に処理を進行する。
ステップS36:さらに、温度制御部22は、水温がVth1以上と判定すると第1~第4貯水タンク30a~30d内の水の混合による水温の調整を継続しつつステップS35に処理を進行し、水温がVth1未満と判定するとステップS37に処理を進行する。
【0059】
ステップS37:温度制御部22は、第2及び第3バルブV2、V3を閉状態に設定するとともに、第1ポンプPuAを停止する。
ステップS38:温度制御部22は、第1バルブV1を開状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを駆動する。ステップS38の処理後、ステップS31に処理が戻る。
ステップS39:温度制御部22は、第1バルブV1を閉状態に設定するとともに、第2ポンプPuBを停止する。ステップS39の処理後、ステップS31に処理が戻る。
【0060】
上記構成によれば、温度制御部22は、各貯水タンク30内の水温の温度差が所定値(ΔT)以上の場合に、貯水タンク30間で水を通流させることにより複数の貯水タンク30内の水温を全体として下げることができる。
【0061】
<変形例3>
上記の実施の形態では、貯水タンク30の放熱を行うために凹凸部35が設けられている。しかし、凹凸部35に代えて、または加えてアルミ製等の遮光シートをタンク部10を覆うように取り付けてもよい。
【0062】
また、上記の実施の形態では、凹凸部35は、一対の側面部38a及び一対の正面部38bの全周に亘って形成されている。しかし、凹凸部35は、一対の側面部38a及び一対の正面部38bのいずれかに形成されてもよい。あるいは、凹凸部35は省略されてもよい。
【0063】
<変形例4>
上記の実施の形態では、タンク部10は4つの貯水タンク30が接続されて構成されている。しかし、タンク部10を構成する貯水タンク30の数は限定されず、5つ以上の貯水タンク30により構成されていてもよいし、1~3つの貯水タンク30により構成されていてもよい。
【0064】
<変形例5>
上記の実施の形態では、接続部34は一対の側面部38aに設けられているが、接続部34は一対の側面部38aに代えて、又は加えて一対の正面部38bに設けられていてもよい。また、接続部34は、一対の側面部38aのうち一方の側面部38aのみに設けられていてもよい。また、上記の実施の形態では、1つの貯水タンク30は複数の接続部34を有する。しかし、1つの貯水タンク30は1つの接続部34のみを有してもよい。また、上記の実施の形態では、上部接続部34u及び下部接続部34dは側面部38aの上部及び下部に形成されているが、上部接続部34u及び下部接続部34dが形成される位置はこれに限定されず、例えば側面部38aの中部に形成されてもよい。
【0065】
また、隣接する貯水タンク30間の水が接続部34を介して通流できればよく、接続部34の構成は限定されない。上記の実施の形態では上部接続部34u及び下部接続部34dは開口から形成されているが、これに限定されず側面部38aから突出する管であってもよい。そして、接続キャップ34cは管からなる上部接続部34u及び下部接続部34dに嵌め込まれる部材であってもよい。
【0066】
<変形例6>
上記の実施の形態では、架台40が備えられているが、架台40は省略されてもよい。
【0067】
<変形例7>
上記の実施の形態では、液面計L、L1、L2が備えられているが、液面計L、L1、L2は省略されてもよい。
【0068】
以上のように、本発明の実施の形態は、上記した記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0069】
例えば、上記実施の形態並びに各変形例では、本発明に係る貯水タンクは、実装する対象に応じて、また、求める性能に応じて種々の変更を行い得る。また本発明は、上記実施の形態及び変形例の構成の全部又は一部を適宜組み合わせたものも含まれる。
【0070】
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態及び各変形例に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
10 :タンク部
10a :タンク部入口
10b :タンク部出口
20 :温度制御機構
21 :温度調整部
21a、21b :水入口、水出口
21c、21d :冷媒入口、冷媒出口
22 :温度制御部
30 :貯水タンク
30a~30d :第1~第4貯水タンク
31 :貯水タンク本体
31d :下側外縁
31u :上側外縁
32 :タンク足部
32a :足部空間
32d :足部底面
32i :足部空間底面
32s :足部内側面
33 :タンク凸部
33o :凸部外側上面
33s :凸部側面
33u :凸部上面
34 :接続部
34c :接続キャップ
34d :下部接続部
34u :上部接続部
35 :凹凸部
36 :排出部
37 :蓋部
37a :点検口
38 :面部
38a :側面部
38b :正面部
40 :架台
41 :架台本体
42 :架台足部
43 :架台凸部
100 :貯水タンクユニット
100A :貯水タンクユニット
100B :貯水タンクユニット
CV :逆止弁
H :ホース
L :液面計
T :温度計
PuA :第1ポンプ
PuB :第2ポンプ
Pi1~Pi8 :第1~第8配管
PuA :第1ポンプ
PuB :第2ポンプ
S :空間
V1~V5 :第1~第5バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15