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特開2024-118106情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118106
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240823BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024344
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】千田 浩一
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181FF03
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】移動体の到着予測時刻をより精度高く算出することが可能な技術を提供する。
【解決手段】路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得する取得部と、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、前記取得部により新たに取得された前記移動体の前記通信時刻に基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出する算出部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得する取得部と、
前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、前記取得部により新たに取得された前記移動体の前記通信時刻とに基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出する算出部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部により算出された、前記移動体の前記到着予測時刻を示す情報を、予め設定された通知先に通知する通知制御部、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、互いに異なる複数の前記移動体の各々の前記路側機収集データを取得し、
前記算出部は、前記移動体ごとに設定された前記目的地までの到着予測時刻を、前記移動体の各々の前記移動体識別情報に対応する前記路側機収集データに含まれる前記通信時刻に基づいて算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記路側機収集データは、前記路側機の識別情報を示す路側機識別情報を含み、
前記取得部は、互いに異なる複数の前記路側機の各々により収集された前記路側機収集データを取得する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記移動体が、前記路側機収集データに含まれる前記路側機識別情報が示す前記路側機と通信を行ってから前記目的地に到着した前記到着時刻の過去の実績に基づき、前記到着予測時刻を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記移動体の各々の前記目的地には、1以上の対応する前記路側機の前記路側機識別情報が設定され、
前記算出部は、前記取得部において取得された前記路側機収集データが、前記移動体の前記目的地に設定された、対応する前記路側機識別情報を含む場合に、当該路側機収集データに基づき前記到着予測時刻の算出処理を行う、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記移動体の各々の前記目的地には、前記移動体が前記目的地へ到着するまでの1以上の移動経路の各々に位置する前記路側機のうち、前記路側機の位置から前記目的地までの前記移動体の移動距離が所定の条件を満たす前記路側機の前記路側機識別情報が設定される、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記移動体が前記路側機の位置から前記目的地まで前記移動経路を通って移動する移動距離が、所定の長さの範囲内であることである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件は、前記移動体が前記路側機の位置から前記目的地まで前記移動経路を通って移動する移動距離が、前記移動経路に位置する複数の前記路側機のなかで、最も短いことである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に前記目的地に到着した時刻を示す前記到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績を、過去実績データとして記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記算出部は、前記過去実績データに基づき前記到着予測時刻の算出処理を行う、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶部は、前記移動体の前記移動体識別情報、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、前記移動体が前記通信を行った前記路側機の前記路側機識別情報、および、前記移動体が前記路側機との通信後に前記目的地に到着した前記到着時刻、の過去の実績を関連付けて、過去実績データとして記憶する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記移動体が前記目的地に到着した実際の時刻を示す前記到着時刻の情報を取得し、
前記記憶部は、前記取得部により取得された前記路側機収集データに含まれる前記移動体識別情報、前記通信時刻、および、前記路側機識別情報と、前記到着時刻の情報と、を関連付けて、前記過去実績データとして記憶する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、ユーザの利用する情報端末と通信を行うことにより、前記到着時刻の情報を取得する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記記憶部は、前記過去実績データに含まれる前記移動体の前記移動体識別情報、前記通信時刻、前記路側機識別情報、および前記到着時刻の情報に、前記移動体の操作者を示す操作者識別情報をさらに関連付けて記憶し、
前記算出部は、前記移動体の前記操作者ごとの前記過去実績データに基づき、前記移動体の前記到着予測時刻を算出する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記算出部により算出された前記到着予測時刻の表示を含む画面を生成し、
前記画面の表示制御を行う画面制御部、
をさらに備える、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項16】
ユーザによる、前記目的地ごとの、1以上の対応する前記路側機識別情報の設定操作を受け付ける操作部、
をさらに備える、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記操作部は、ユーザによる、前記移動体の各々の前記目的地の設定操作を受け付ける、請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータを、
路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得する取得部と、
前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、前記取得部により新たに取得された前記移動体の前記通信時刻とに基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出する算出部、
として機能させる、プログラム。
【請求項19】
路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得することと、
前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、新たに取得された前記移動体の前記通信時刻とに基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体が、目的地に到達する時刻を予測するための技術が検討されている。例えば、特許文献1には、GPS(Global Positioning System)を用いて取得された車両の現在位置と、目的地までの距離および平均走行速度の情報に基づき、当該車両の運転者に対し到着予測時刻の情報提供を行うカーナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-092785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、移動体の到着予測時刻をより精度高く算出することが可能な技術が望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、移動体の到着予測時刻をより精度高く算出することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得する取得部と、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、前記取得部により新たに取得された前記移動体の前記通信時刻に基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出する算出部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0007】
前記情報処理装置は、前記算出部により算出された、前記移動体の前記到着予測時刻を示す情報を、予め設定された通知先に通知する通知制御部、をさらに備えてもよい。
【0008】
前記取得部は、互いに異なる複数の前記移動体の各々の前記路側機収集データを取得し、前記算出部は、前記移動体ごとに設定された前記目的地までの到着予測時刻を、前記移動体の各々の前記移動体識別情報に対応する前記路側機収集データに含まれる前記通信時刻に基づいて算出してもよい。
【0009】
前記路側機収集データは、前記路側機の識別情報を示す路側機識別情報を含み、前記取得部は、互いに異なる複数の前記路側機の各々により収集された前記路側機収集データを取得してもよい。
【0010】
前記算出部は、前記移動体が、前記路側機収集データに含まれる前記路側機識別情報が示す前記路側機と通信を行ってから前記目的地に到着した前記到着時刻の過去の実績に基づき、前記到着予測時刻を算出してもよい。
【0011】
前記移動体の各々の前記目的地には、1以上の対応する前記路側機の前記路側機識別情報が設定されていてもよく、前記算出部は、前記取得部において取得された前記路側機収集データが、前記移動体の前記目的地に設定された、対応する前記路側機識別情報を含む場合に、当該路側機収集データに基づき前記到着予測時刻の算出処理を行ってもよい。
【0012】
前記移動体の各々の前記目的地には、前記移動体が前記目的地へ到着するまでの1以上の移動経路の各々に位置する前記路側機のうち、前記路側機の位置から前記目的地までの前記移動体の移動距離が所定の条件を満たす前記路側機の前記路側機識別情報が設定されてもよい。
【0013】
前記所定の条件は、前記移動体が前記路側機の位置から前記目的地まで前記移動経路を通って移動する移動距離が、所定の長さの範囲内であることであってもよい。
【0014】
前記所定の条件は、前記移動体が前記路側機の位置から前記目的地まで前記移動経路を通って移動する移動距離が、前記移動経路に位置する複数の前記路側機のなかで、最も短いことであってもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に前記目的地に到着した時刻を示す前記到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績を、過去実績データとして記憶する記憶部、をさらに備えていてもよく、前記算出部は、前記過去実績データに基づき前記到着予測時刻の算出処理を行ってもよい。
【0016】
前記記憶部は、前記移動体の前記移動体識別情報、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、前記移動体が前記通信を行った前記路側機の前記路側機識別情報、および、前記移動体が前記路側機との通信後に前記目的地に到着した前記到着時刻、の過去の実績を関連付けて、過去実績データとして記憶してもよい。
【0017】
前記取得部は、前記移動体が前記目的地に到着した実際の時刻を示す前記到着時刻の情報を取得してもよく、前記記憶部は、前記取得部により取得された前記路側機収集データに含まれる前記移動体識別情報、前記通信時刻、および、前記路側機識別情報と、前記到着時刻の情報と、を関連付けて、前記過去実績データとして記憶してもよい。
【0018】
前記取得部は、ユーザの利用する情報端末と通信を行うことにより、前記到着時刻の情報を取得してもよい。
【0019】
前記記憶部は、前記過去実績データに含まれる前記移動体の前記移動体識別情報、前記通信時刻、前記路側機識別情報、および前記到着時刻の情報に、前記移動体の操作者を示す操作者識別情報をさらに関連付けて記憶し、前記算出部は、前記移動体の前記操作者ごとの前記過去実績データに基づき、前記移動体の前記到着予測時刻を算出してもよい。
【0020】
前記情報処理装置は、前記算出部により算出された前記到着予測時刻を表示部に表示させる制御を行う、画面制御部をさらに備えてもよい。
【0021】
前記情報処理装置は、ユーザによる、前記目的地ごとの、1以上の対応する前記路側機識別情報の設定操作を受け付ける操作部、をさらに備えてもよい。
【0022】
前記操作部は、ユーザによる、前記移動体の各々の前記目的地の設定操作を受け付けてもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得する取得部と、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、前記取得部により新たに取得された前記移動体の前記通信時刻に基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出する算出部として機能させる、プログラムが提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、路側機と通信を行った移動体の識別情報を示す移動体識別情報および通信時刻の情報を少なくとも含む路側機収集データを取得することと、前記移動体が前記路側機と通信を行った前記通信時刻、および、前記移動体が前記路側機との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、前記移動体ごとまたは前記移動体の操作者ごとの過去の実績と、新たに取得された前記移動体の前記通信時刻に基づき、前記移動体の前記目的地への到着予測時刻を算出することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、移動体の到着予測時刻をより精度高く算出することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの好適な適用例を示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置40の機能構成例を示すブロック図である。
図4】本実施形態による記憶部450に記憶される目的地設定テーブルの一例を示す説明図である。
図5】本実施形態による記憶部450に記憶される過去実績データの一例を示す説明図である。
図6】本実施形態に係る情報処理装置40の動作例を説明するフローチャートである。
図7】本実施形態の変形例による記憶部450に記憶される運転担当者テーブルの一例を示す説明図である。
図8】本発明の一実施形態による情報処理装置40のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字またはアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0029】
<1.概要>
本発明の一実施形態は、路側機が設置された道路を経由して目的地まで移動する移動体の到着予測時刻を、路側機により収集された移動体に関するデータに基づいて算出する情報処理システムに関する。
【0030】
<1-1.課題の整理>
従来、車両等の移動体が目的地に到達する時刻を予測するための技術が検討されている。例えば、特許文献1には、GPSを用いて取得された車両の現在位置と、目的地までの距離および平均走行速度の情報に基づき、当該車両の運転者に対し到着予測時刻の情報提供を行うカーナビゲーションシステムが開示されている。
【0031】
上記のようなカーナビゲーションシステム等での到着予測時刻の算出方法として、車両が走行する経路が決定した時点で、経路に含まれる一般道路、または高速道路等の走行距離を計算し、予め設定された各道路の平均走行速度(例えば、一般道路は時速30km、高速道路は時速80kmなど)で割って合計の時間を算出する方法が採られている。
【0032】
しかし、上記のような平均走行速度を用いた計算方法では、車両の種類、または、車両の運転者の運転特性による走行速度の差は考慮されていない。
【0033】
また、従来のカーナビゲーションシステム等の到着予測時刻算出システムは、車両の運転者に対して到着予測時刻の情報を提供する一方、運転者とは別の他のユーザに到着予測時刻を通知する手段を有していなかった。
【0034】
この点、トラック等の車両により貨物の輸送を行う運送事業者等において、各車両の運行状況の管理、または、輸送先での荷物の受け渡し時間の管理の目的で、運転者以外の車両と別の位置に居るユーザにも、各車両の運行状況を知らせたいというニーズがあった。
【0035】
そこで、本発明の実施形態は、上記事情を一着眼点として発想されたものであり、移動体の到着予測時刻をより精度高く算出することが可能な技術を提供するものである。以下、図1および図2を参照して、このような技術を実現する、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概要を説明する。
【0036】
<1-2.本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの好適な適用例を示す説明図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成例を示す説明図である。
【0037】
本実施形態に係る情報処理システムは、図1および図2に示すように、移動体10、路側機20、配信サーバ30、情報処理装置40、および、情報端末50を含む。図2に示すように、配信サーバ30、情報処理装置40、および、情報端末50は、ネットワーク8を介して通信可能に構成される。また、配信サーバ30は、1以上の複数の路側機20の各々と、有線接続または無線接続により通信可能に構成される。さらに、路側機20の各々は、移動体10と無線通信により相互に通信可能に接続される。
【0038】
(移動体10)
移動体10は、車両等の移動体である。図1に示した例では、移動体10は、運送事業者等により貨物の運送に利用されるトラックである。移動体10は、出発地W1から目的地D1へ移動する。このとき、移動体10は、出発地W1から目的地D1まで移動する際に採り得る複数の経路Rの中から、いずれかの1の経路Rを通行して移動する。
【0039】
移動体10は、後述する路側機20と無線通信を行うことが可能な通信装置を搭載する。通信装置は、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication;狭域通信)方式の通信を行う機能を有する車載装置であってもよい。
【0040】
(路側機20)
路側機20は、道路等の交通経路沿いに設置され、通信範囲内に入った移動体10と通信を行うことにより、移動体10に関する情報を取得することが可能な通信装置である。路側機20は、例えば、高速道路または直轄道路沿いに設置されたITSスポット(ETCスポット)であってもよい。図1に示した例では、本情報処理システムは、路側機20A~路側機20Gの、複数の路側機20を含む。
【0041】
路側機20は、路側機20の通信範囲内に入った移動体10と無線通信を行い、移動体10に関する情報を収集する。移動体10に関する情報は、例えば、移動体10と路側機20が通信を行った時刻を示す、通信時刻を含む。
【0042】
さらに、移動体10に関する情報は、移動体10を一意に識別可能とする識別情報を示す、移動体識別情報を含む。移動体識別情報は、移動体10に割り振られた識別情報であってもよいし、移動体10の車載装置の識別情報であってもよい。
【0043】
また、移動体10に関する情報は、移動体10の走行経路、および、急減速箇所等の情報を含んでいてもよい。
【0044】
また、路側機20は、移動体10に対し、渋滞情報、事故発生状況の情報、または、路面状況等の、安全な運転を支援する各種の交通情報を移動体10へ送信してもよい。
【0045】
路側機20は、収集した移動体10に関する情報を配信サーバ30へ送信する。
【0046】
なお、図1に示した例では、移動体10が出発地W1から目的地D1まで移動する複数の経路の道路沿いに、路側機20A~路側機20Gの7の路側機20が設置されている例を示した。しかし、路側機20の数は特に限定されない。例えば、本実施形態による情報処理システムは、1の路側機20を有していてもよい。また、本実施形態による情報処理システムは、2以上の複数の路側機20を有していてもよい。
【0047】
(配信サーバ30)
配信サーバ30は、複数の路側機20の各々から、路側機20により収集された移動体10に関する情報を受信する。配信サーバ30は、路側機20から受信した移動体10に関する情報のうち、少なくとも通信時刻の情報および移動体10の移動体識別情報を、路側機収集データとして情報処理装置40へ配信する。
【0048】
さらに、配信サーバ30は、上記通信時刻の情報と移動体識別情報を収集した路側機20の識別情報を示す、路側機識別情報を、上記路側機収集データに含めて情報処理装置40へ送信してもよい。
【0049】
路側機収集データは、例えば、日本において高速道路または直轄道路沿いの路側機(ITSスポット)により、当該路側機が通行車両と通信を行うことで収集される、ETC2.0特定プローブ情報であってもよい。日本においては、安全な交通を実現するための社会インフラとして、通行車両の車載器と通信を行いETC2.0プローブ情報を収集する路側機(ETCスポット、ITSスポット)の導入が進められている。また、当該路側機により収集された路側機収集データは、配信サーバで集約されて、予め登録した事業者へ配信される。このため、日本においては、ユーザは移動体10に路側機の通信規格に対応した車載機を導入することで、当該路側機により収集される移動体10の路側機収集データを利用することが出来る。
【0050】
(情報処理装置40)
情報処理装置40は、配信サーバ30から受信した路側機収集データに基づき、移動体10が目的地D1に到着する到着予測時刻を算出する機能を有する。情報処理装置40は、ワークステーション、または、PC(Personal Computer)のような汎用コンピュータであってもよい。または、情報処理装置40は、クラウドサーバであってもよい。
【0051】
情報処理装置40は、配信サーバ30から移動体10の路側機20との通信時刻を含む路側機収集データを新たに取得すると、当該移動体10の過去の路側機20との通信時刻、および、路側機20との通信を行った後に実際に目的地D1に到着した過去の到着時刻の実績に基づき、到着予測時刻の算出処理を行う。
【0052】
例えば、情報処理装置40は、移動体10の路側機20との通信時刻と、目的地D1への到着時刻に基づき、当該路側機20の位置から目的地までの移動体10の所要時間の実績を算出してもよい。情報処理装置40は、当該所要時間の実績の統計情報から導出される所要時間の平均値の幅(信頼区間)を、移動体10と路側機20との通信時刻に加算することにより、移動体10の目的地への到着予測時刻を算出してもよい。
【0053】
到着予測時刻は、上述したように、一定の幅を持った時間帯として算出されてもよい。または、到着予測時刻は、特定の時刻として算出されてもよい。
【0054】
このように、情報処理装置40は、移動体10ごとの、ある路側機20と通信してから目的地まで到着した所要時間の過去の実績に基づき、移動体10が目的地D1に到着する到着予測時刻を算出する。これにより、情報処理装置40は、移動体10ごとの走行特性、および、運転特性を反映した到着予測時刻を算出し得る。従って、より精度の高い移動体10の到着予測時刻の算出が可能となる。
【0055】
また、情報処理装置40は、あらかじめ移動体10の目的地D1に設定された、目的地D1に対応する路側機20の路側機収集データを受信した際に、上述したような到着予測時刻の算出処理を開始してもよい。
【0056】
より具体的に、例えば、図1に示した目的地D1に対応する路側機20として、目的地D1への複数の経路Rの各々において目的地D1との距離が最も近い位置にある、路側機20C、路側機20E、および、路側機20Gが、当該目的地D1に対応する路側機20として設定されていてもよい。情報処理装置40は、目的地D1に対応する路側機20に設定されている路側機20C、路側機20E、または、路側機20Gのいずれかによって収集された移動体10の路側機収集データを配信サーバ30から受信した際に、到着予測時刻の算出処理を開始してもよい。このとき、情報処理装置40は、移動体10が路側機20C、路側機20E、または、路側機20Gのいずれかと通信を行ってから目的地D1に到着した過去の到着時刻、および、路側機20C、路側機20E、または路側機20Gとの通信時刻の過去の実績に基づいて、到着予測時刻の算出処理を行ってもよい。
【0057】
これにより、経路R上でより目的地D1に近い位置に位置する路側機20と移動体10が通信を行った時点から、移動体10が目的地D1に到着するまでの、所要時間の過去の実績に基づき、移動体10の到着予測時刻の算出処理が行われる。従って、経路R上で目的地D1からより遠い位置に位置する路側機20と移動体10が通信を行った時点と比較して、目的地D1に到着するまでに渋滞等の到着時刻の変動要因が発生する可能性のある区間がより短い時点において、予測時刻の算出処理が行われ得る。従って、移動体10の到着予測時刻がより精度高く算出される。
【0058】
また、情報処理装置40は、算出した移動体10の到着予測時刻を、予め設定された通知先に通知する機能を有していてもよい。例えば、図1に示した例では、情報処理装置40は、予め移動体10の到着予測時刻の通知先に設定された情報端末50へ、到着予測時刻を通知するメールを送信する。
【0059】
これにより、情報端末50を利用するユーザU1は、移動体10の目的地D1への到着予測時刻を知ることが出来る。情報端末50を利用するユーザU1としては、好適な一例として、例えば、目的地D1で移動体10により輸送されている荷物の到着を待つ作業員、または、作業員の人員配置等を行う労務管理者等が考えられる。この場合、ユーザU1は、目的地D1へ移動体10が到着する予測時刻を知ることで、作業員が荷物を待つ無駄な待ち時間を削減したり、作業員の適切な人員配置を行ったりすることができる。
【0060】
または、情報処理装置40は、情報処理装置40の備える表示部に、移動体10が目的地に設定された路側機20を通過したことを示す情報を表示してもよい。例えば、情報処理装置40は、移動体10と、目的地に設定された路側機20との通信時刻を表示してもよい。または、情報処理装置40は、算出した到着予測時刻を表示してもよい。これにより、移動体10の管理者が、移動体10の現在位置とは遠隔地にいながら移動体10の運行状況を管理することが出来る。
【0061】
また、情報処理装置40は、配信サーバ30から取得した路側機収集データに含まれる移動体10の移動体識別情報、および、通信時刻を、当該移動体10が目的地D1に到着した実際の時刻を示す到着時刻の情報とともに、移動体10の過去実績データとして、記憶部に記憶させてもよい。
【0062】
情報処理装置40は、移動体10が目的地D1に到着した到着時刻の情報を、他の装置と通信を行うことにより取得してもよい。例えば、情報処理装置40は、移動体10の運転者または目的地D1で移動体10の到着を待つ作業員等のユーザが利用する情報端末において入力された到着時刻の情報を、当該情報端末から受信してもよい。または、情報処理装置40の操作者が情報処理装置40の操作部を操作することにより、到着時刻の情報を情報処理装置40へ入力してもよい。
【0063】
また、情報処理装置40のユーザは、日本においては、移動体10に車載器を導入することで、予めインフラとして整備された路側機および路側機収集データの配信サーバを利用し、上述したような移動体10の路側機収集データを利用することが出来る。
【0064】
(情報端末50)
情報端末50は、ユーザU1が利用する情報端末である。情報端末50は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット型端末、または、スマートウォッチ等により実現される。ユーザU1は、情報端末50が情報処理装置40から受信したメール等の通知により、移動体10が目的地D1に到着する到着予測時刻を知ることが出来る。
【0065】
以上、図1および図2を参照して、本実施形態による情報処理システムの好適な適用例およびシステム構成例を説明した。次に、上記を実現する情報処理装置40の機能構成例について詳細に説明する。
【0066】
<2.機能構成例>
図3は、本実施形態に係る情報処理装置40の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置40は、操作表示部410、通信部430、記憶部450、および、制御部470を有する。
【0067】
(操作表示部410)
操作表示部410は、情報処理装置40のユーザによる各種操作を受け付けることが可能な操作部としての機能を有する。例えば、操作表示部410は、各移動体10の移動体識別情報、および、各移動体10の目的地の情報の入力を受け付けてもよい。
【0068】
また、操作表示部410は、情報処理装置40のユーザによる、移動体10の目的地の各々に対応する路側機20の路側機識別情報の設定を受け付けてもよい。目的地に対応する路側機20については、後により詳細に説明する。
【0069】
また、操作表示部410は、後述する制御部470の制御に従い、各種の情報を画面出力する表示部としての機能を有する。例えば、操作表示部410は、制御部470の制御に従い、移動体10と路側機20との通信時刻を表示してもよい。また、操作表示部410は、制御部470により算出された到着予測時刻を表示する画面を出力してもよい。
【0070】
操作表示部410の操作部としての機能は、例えば、タッチパネルまたはキーボードにより実現され得る。また、操作表示部410の表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0071】
また、情報処理装置40は、図3に図示しないマイクを備えていてもよく、その場合、ユーザは、移動体10の移動体識別情報および目的地の情報を音声入力してもよい。また、情報処理装置40は図3に図示しないスピーカをさらに備えていてもよく、その場合、制御部470により算出された到着予測時刻がスピーカから音声出力されてもよい。
【0072】
(通信部430)
本実施形態に係る通信部430は、制御部470の制御に従い、他の装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部430は、配信サーバ30から、路側機20と通信を行った移動体10の移動体識別情報、および、当該路側機20と当該路側機20の通信時刻の情報を少なくとも含む、移動体10の路側機収集データを受信する。
【0073】
路側機収集データは、路側機20の通信範囲内を移動体10が通行した際に、当該路側機20と移動体10が通信を行うことにより収集される。このとき、路側機収集データは、当該移動体10の移動体識別情報を含む。従って、情報処理装置40は、通信部430が受信した路側機収集データに含まれる移動体識別情報により、いずれの移動体10の路側機収集データであるかを判定することが出来る。
【0074】
また、路側機収集データは、当該移動体10と通信を行った路側機20の路側機識別情報を含む。従って、情報処理装置40は、通信部430が受信した路側機収集データがいずれの路側機20によって収集された情報であるかを、当該路側機収集データに含まれる路側機識別情報により判定することが出来る。
【0075】
通信部430は、配信サーバ30から、互いに異なる複数の移動体10の各々の路側機収集データを取得してもよい。例えば、移動体10の移動体識別情報によって予め指定された複数の移動体10の路側機収集データが、配信サーバ30から情報処理装置40へ送信されてもよい。
【0076】
また、通信部430は、複数の路側機20の各々により収集された路側機収集データを、配信サーバ30から取得する。例えば、図1に示した例では、移動体10が、経路R2を通って、出発地W1から目的地D1に移動する。この場合、経路R2の経路沿いに位置する路側機20A、路側機20D、路側機20Eの3の路側機20が、各路側機20の通信範囲内を通行した移動体10と通信を行って、当該移動体10の路側機収集データを取得する。このような場合、情報処理装置40は、配信サーバ30から、路側機20A、路側機20D、路側機20Eにより収集された路側機収集データを、移動体10の路側機収集データとして取得してよい。
【0077】
また、通信部430は、移動体10の運転者、または、目的地D1で移動体10の到着を待つ作業員等のユーザが利用する情報端末から、移動体10が目的地D1に実際に到着した時刻を示す到着時刻の情報を受信してもよい。
【0078】
または、通信部430は、目的地D1に位置する路側機20が有る場合には、当該路側機20により収集された路側機収集データに含まれる通信時刻を、移動体10の到着時刻として取得してもよい。この場合、情報処理装置40の管理者は、路側機収集データに含まれる移動体10との通信時刻を、当該移動体10の目的地D1への到着時刻として扱う対象の路側機20を、予め設定していてもよい。
【0079】
上述したような通信部430は、情報処理装置40の取得部の一例である。
【0080】
さらに、通信部430は、制御部470により算出された到着予測時刻を、予め宛先に設定された情報端末50に送信してもよい。
【0081】
(記憶部450)
記憶部450は、制御部470を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶する。また、記憶部450は、制御部470の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。
【0082】
例えば、記憶部450は、移動体10の移動体識別情報、移動体10の目的地、および、移動体10の目的地に対応する路側機20の路側機識別情報を関連付けて、目的地設定テーブルとして記憶してもよい。
【0083】
図4は、本実施形態による記憶部450に記憶される目的地設定テーブルの一例を示す説明図である。図4に示すように、目的地設定テーブルT1において、移動体識別情報、目的地、および、対応する路側機識別情報が関連付けられている。
【0084】
移動体識別情報は、移動体10の各々を一意に識別可能とする情報である。例えば、移動体識別情報は、目的地設定テーブルT1に示すように、12桁の番号であってもよい。移動体識別情報は、移動体10の車載器の管理番号であってもよい。
【0085】
目的地は、移動体識別情報が示す移動体10に設定された目的地の情報である。目的地は、操作表示部410におけるユーザの入力操作に基づき設定されてもよい。また、目的地は、当該移動体10の運行計画に応じて都度設定されてもよい。
【0086】
対応する路側機識別情報は、目的地ごとに設定された、1以上の路側機20の路側機識別情報である。路側機識別情報は、例えば8桁の数字とアルファベットの組合せの情報であってもよい。図4に示す例では、移動体識別情報が「xxxxxxxxxxxx」である移動体10の目的地「aa拠点」に対応する路側機20の路側機識別情報として、「bbbbbbbb」、「cccccccc」、および、「dddddddd」の3の路側機20の路側機識別情報が設定されている。
【0087】
後述する制御部470は、配信サーバ30から受信した路側機収集データに含まれる路側機識別情報が、対応する路側機識別情報に設定された路側機識別情報に該当し、かつ、当該路側機収集データに含まれる移動体識別情報が、目的地設定テーブルT1において当該路側機識別情報と対応付けられた移動体識別情報に該当する場合に、当該移動体識別情報が示す移動体10の、目的地への到着予測時刻の算出処理を開始する。
【0088】
各目的地には、移動体識別情報が示す移動体10が当該目的地へ到着するまでの1以上の移動経路の各々に位置する路側機20のうち、当該路側機20の位置から目的地までの移動体10の移動距離が所定の条件を満たす路側機20の路側機識別情報が設定されてもよい。
【0089】
所定の条件は、移動体10が路側機20の位置から目的地まで移動経路を通って移動する移動距離が、所定の長さの範囲内であることであってもよい。
【0090】
または、所定の条件は、移動体10が路側機20の位置から目的地まで移動経路を通って移動する移動距離が、移動経路に位置する複数の路側機20のなかで、最も短いことであってもよい。
【0091】
以上、図4を参照して、記憶部450に記憶される目的地設定テーブルの一例を説明した。
【0092】
また、記憶部450は、制御部470の制御に従い、制御部470による移動体10の到着予測時刻の算出に用いられる過去実績データを記憶してもよい。より具体的には、記憶部450は、移動体10の移動体識別情報、当該移動体10が路側機20と通信を行った通信時刻、当該移動体10が通信を行った当該路側機20の路側機識別情報、および、当該移動体10が当該路側機20との通信後に目的地に到着した到着時刻、の過去の実績を関連付けて、過去実績データとして記憶してもよい。
【0093】
図5は、本実施形態による記憶部450に記憶される過去実績データの一例を示す説明図である。図5に示したように、過去実績データテーブルT2においては、移動体識別情報、目的地、路側機識別情報、通信時刻、および、到着時刻(実績)が関連付けられる。
【0094】
過去実績データテーブルT2に含まれる情報のうち、移動体識別情報、路側機識別情報、および、通信時刻の情報には、通信部430が配信サーバ30から受信した路側機収集データに含まれる情報が記憶される。通信時刻は、図5に示したように、例えば年月日および時間、分数、秒数の情報であってもよい。
【0095】
また、過去実績データテーブルT2に含まれる情報のうち、目的地の情報には、上記で参照した目的地設定テーブルT1において予め移動体識別情報に関連付けて設定された目的地の情報が記憶される。
【0096】
また、過去実績データテーブルT2に含まれる情報のうち、到着時刻(実績)は、移動体識別情報列が示す移動体10が、目的地列の示す目的地に、路側機識別情報列が示す路側機20と通信時刻列が示す時刻に通信を行った後で実際に到着した時刻である、到着時刻の情報である。到着時刻(実績)の情報としては、例えば通信部430がユーザの利用する情報端末と通信を行うことにより取得した到着時刻の情報が記憶される。
【0097】
記憶部450は、過去実績データテーブルT2に示したような過去実績データを、制御部470の制御に従って蓄積する。
【0098】
(制御部470)
制御部470は、情報処理装置40の動作全般を制御する。例えば、制御部470は、通信部430と他の装置との通信を制御する。
【0099】
このような制御部470は、算出部471、画面制御部473、および、通知制御部475としての機能を有する。
【0100】
算出部471は、移動体10が路側機20と通信を行った通信時刻、および、移動体10が路側機20との通信後に目的地に到着した時刻を示す到着時刻の、移動体10ごとの過去の実績と、通信部430により新たに取得された移動体10の通信時刻に基づき、移動体10の目的地への到着予測時刻を算出する機能を有する。
【0101】
算出部471は、上記で図4を参照して説明した目的地設定テーブルT1において、移動体10ごとに設定された目的地までの到着予測時刻を算出する。算出部471は、目的地設定テーブルT1において、当該目的地に設定された路側機識別情報を含む路側機収集データを通信部430が受信した際に、到着予測時刻の算出処理を開始する。
【0102】
算出部471は、ある移動体10の目的地への到着予測時刻を、当該移動体10が過去に同一の目的地に対応する路側機20と通信を行った後に当該目的地に到着した際の通信時刻および到着時刻の実績を示す過去実績データに基づき算出する。
【0103】
例えば、算出部471は、記憶部450に蓄積された過去実績データを参照して、移動体10ごとに、当該移動体10が目的地に対応する路側機20と通信を行ってから当該目的地に到着するまでの所要時間の統計情報を算出してもよい。ここで、算出部471は、当該所要時間の算出に用いる移動体10の過去実績のデータ数に応じて異なる方法で到着予測時刻に関する算出を行ってもよい。例えば、算出部471は、当該所要時間の算出に用いる移動体10の過去実績のデータ数が50以上ある場合には、当該所要時間の95%信頼区間情報を算出してもよい。算出部471は、算出した95%信頼区間情報の値を、新たに受信した路側機収集データに含まれる通信時刻に加算して、到着予測時刻の時間帯を算出してもよい。
【0104】
または、算出部471は、当該所要時間の算出に用いる過去実績のデータ数が10以上50未満の場合には、過去実績データに含まれる所要時間の最小値および最大値のそれぞれを通信時刻に加算して導出した時間帯を、到着予測時刻として算出してもよい。
【0105】
または、算出部471は、当該所要時間の算出に用いる過去実績のデータ数が10未満である場合には、予め設定された初期値を通信時刻に加算することにより、到着予測時刻を算出してもよい。
【0106】
(画面制御部473)
画面制御部473は、算出部471により移動体10の到着予測時刻の予測処理が行われた際に、当該移動体10が目的地に対応する路側機20の位置を通過したことを示す情報を操作表示部410に表示させる。例えば、画面制御部473は、当該移動体10と路側機20との通信時刻を、操作表示部410に表示させてもよい。
【0107】
また、画面制御部473は、算出部471により算出された到着予測時刻を、操作表示部410に表示させてもよい。
【0108】
より詳細に、画面制御部473は、例えば、算出部471により算出された到着予測時刻の表示を含む画面を生成してもよい。また、画面制御部473は、生成した当該画面を操作表示部410に表示させる、表示制御を行ってもよい。
【0109】
(通知制御部475)
通知制御部475は、算出部471により算出された、移動体10の到着予測時刻を示す情報を、予め設定された通知先に通知する機能を有する。通知制御部475は、例えば、算出された到着予測時刻を通知するメールを生成し、当該メールを予め設定されたメールアドレスに宛てて通信部430に送信させてもよい。または、通知制御部475は、到着予測時刻を音声出力する音声データを生成し、予め設定された通知先の情報端末へ通信部430に送信させてもよい。
【0110】
以上、図3を参照して、本実施形態による情報処理装置40の機能構成例を説明した。続いて、図6を参照して、本実施形態による情報処理装置40の動作例を説明する。
【0111】
<3.動作例>
図6は、本実施形態に係る情報処理装置40の動作例を説明するフローチャートである。
【0112】
まず、情報処理装置40の通信部430は、配信サーバ30から路側機収集データを受信する(S101)。
【0113】
算出部471は、受信した路側機収集データに含まれる移動体識別情報が、目的地設定テーブルにおいて目的地が設定された、到着予測時刻の算出処理対象の移動体10の移動体識別情報であるか否かを判定する(S103)。
【0114】
受信した路側機収集データに含まれる移動体識別情報が、対象の移動体識別情報ではない場合(S103/NO)、情報処理装置40は処理を終了する。
【0115】
受信した路側機収集データに含まれる移動体識別情報が、対象の移動体識別情報に該当する場合(S103/YES)、算出部471は、受信した路側機収集データに含まれる路側機識別情報が、目的地設定テーブルT1において、対象の移動体識別情報の目的地に対応する路側機20の路側機識別情報として設定されているか否かを判定する(S105)。
【0116】
受信した路側機収集データに含まれる路側機識別情報が、対象の路側機識別情報ではない場合(S105/NO)、情報処理装置40は処理を終了する。
【0117】
受信した路側機収集データに含まれる路側機識別情報が、対象の路側機識別情報に該当する場合(S105/YES)、算出部471は、記憶部450に記憶された過去実績データテーブルT2に基づき、到着予測時刻の算出処理を行う(S107)。
【0118】
通知制御部475は、算出部471により算出された到着予測時刻の通知メールを、予め設定された宛先へ通信部430に送信させる(S109)。
【0119】
画面制御部473は、算出部471により到着予測時刻の算出処理が行われた移動体10の、路側機20との通信時刻を、操作表示部410に表示させる(S111)。
【0120】
次いで、画面制御部473は、一定の待機時間が経過するまで待機する(S113/NO)。待機時間は、予め情報処理装置40のユーザにより設定されていてもよい。待機時間が経過すると(S113/YES)、S115に進む。
【0121】
待機時間が経過した時点で、通信部430が移動体10の運転者等のユーザが利用する情報端末から目的地への到着時刻の実績の情報を受信した場合(S115/YES)、算出部471は、S101において受信した路側機収集データに含まれる移動体10の移動体識別情報、路側機識別情報、および通信時刻と、S115において受信した到着時刻の情報を関連付けて、通信部430の過去実績データテーブルT2に記憶させる。また、算出部471は、過去実績データテーブルT2のデータに基づき、統計情報を更新する(S121)。
【0122】
S115において、通信部430が目的地への到着時刻の情報を受信していない場合(S115/NO)、算出部471は、当該情報端末へ到着時刻の実績の入力操作のリクエストを送信する(S117)。リクエストの送信後、到着時刻の情報を受信した場合(S119/YES)、S121に進む。リクエストの送信後、到着時刻の情報を受信しなかった場合(S119/NO)、S123に進む。
【0123】
通知制御部475は、操作表示部410に表示させた移動体10の通信時刻の表示を消去して表示を更新する(S123)。次いで、算出部471は、記憶部450の目的地設定テーブルT1に設定された移動体10の目的地の設定情報を削除し(S125)、一連の処理を終了する。
【0124】
以上、本発明の一実施形態による情報処理装置40の動作例を説明した。上述したように、本実施形態による情報処理装置40の算出部471は、移動体10と路側機20との通信時刻、および、当該移動体10が当該路側機20との通信後に目的地に到着した到着時刻の、移動体10ごとの過去の実績に基づき、到着予測時刻の算出処理を行う。これにより、移動体10によって、車両の性能の違い等の要因で走行特性に差が生じるような場合であっても、情報処理装置40は、移動体10の各々の走行特性を反映した到着予測時刻の処理を行うことが可能となる。従って、情報処理装置40は、より精度高く移動体10の到着予測時刻を算出することが出来る。さらに、同一の移動体10が同一の運転者により運転されることが主に想定される場合には、上記の構成により、実質的に運転者ごとの運転特性差を考慮した到着予測時刻の算出が可能となる。
【0125】
なお、同一の移動体10が、異なる運転者により運転されることが想定される場合には、次のような変形例が有効である。例えば、情報処理装置40は、移動体10の運転者(操作者)ごとの、移動体10と路側機20との通信時刻、および、当該路側機20との通信後に目的地に到着した到着時刻の実績に基づいて、到着予測時刻の算出を行ってもよい。
【0126】
この場合、情報処理装置40の記憶部450は、例えば移動体10の日時および時間帯ごとの運転担当者が設定された運転担当者テーブルをさらに記憶していてもよい。図7は、本実施形態の変形例による記憶部450に記憶される運転担当者テーブルの一例を示す説明図である。
【0127】
図7に示した運転担当者テーブルT3では、移動体識別情報に、運転担当者識別情報、開始日時、および終了日時が関連付けられている。
【0128】
情報処理装置40の算出部471は、当該運転担当者テーブルを参照して、通信部430が受信した路側機収集データに含まれる移動体識別情報が示す移動体10の、当該路側機収集データ受信時点における運転者を判定してもよい。
【0129】
また、記憶部450が記憶する過去実績データテーブルT2に含まれる移動体10の移動体識別情報、通信時刻、路側機識別情報、および到着時刻の情報に、移動体10の運転担当者を示す運転担当者識別情報がさらに関連付けて記憶されていてもよい。算出部471は、運転担当者ごとの過去実績データに基づき、到着予測時刻の算出処理を行ってもよい。運転担当者識別情報は、移動体10の操作者の識別情報を示す操作者識別情報の一例である。
【0130】
このような変形例によれば、算出部471は、移動体10の運転者ごとの過去の実績に基づき、移動体10の目的地への到着予測時刻を算出する。従って、移動体10の運転者ごとに運転特性が異なる場合であっても、より精度高く移動体10の到着予測時刻が算出され得る。
【0131】
<4.ハードウェア構成例>
以上、本発明の一実施形態を説明した。上述した、情報処理装置40による、到着予測時刻の算出処理は、ソフトウェアと、情報処理装置40のハードウェアとの協働により実現される。以下では、本発明の実施形態による情報処理装置40のハードウェア構成例について説明する。
【0132】
なお、以下に説明する情報処理装置40のハードウェア構成例は、情報処理装置40のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、情報処理装置40のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置40のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0133】
図8は、本発明の一実施形態による情報処理装置40のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置40は、プロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)1002と、RAM(Random Access Memory)1003と、内部バス1004と、入出力インターフェース1010と、表示装置1011と、入力装置1012と、音声出力部1013と、記憶装置1014と、ドライブ1015と、ネットワークインターフェース1016と、外部インターフェース1017と、を備えることができる。
【0134】
プロセッサ1001は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置40内の動作全般を制御する。プロセッサ1001が後述するROM1002、RAM1003およびソフトウェアと協働することにより、例えば、制御部470の機能が実現され得る。
【0135】
ROM1002は、プロセッサ1001が使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAM1003は、プロセッサ1001の実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0136】
プロセッサ1001、ROM1002、RAM1003は、内部バス1004によって相互に接続され、さらに入出力インターフェース1010を介して後述する表示装置1011、入力装置1012、音声出力部1013、記憶装置1014、ドライブ1015、ネットワークインターフェース1016および外部インターフェース1017と接続される。
【0137】
表示装置1011は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力装置1012は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチおよび制御回路などから構成され得る。また、音声出力部1013は、スピーカおよびヘッドフォンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0138】
記憶装置1014は、本実施形態による記憶部450の一例として構成されたデータ記憶用の装置である。記憶装置1014は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでいてもよい。記憶装置1014は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶装置1014は、ストレージを駆動し、プロセッサ1001により実行されるプログラムまたは各種データを記憶する。
【0139】
ドライブ1015は、記憶媒体用リーダライタであり、路側機20に内蔵、または外付けされる。ドライブ1015は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAM1003に出力する。また、ドライブ1015は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0140】
ネットワークインターフェース1016は、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース1016は、無線LAN(Local Area Network)または/および有線LAN対応の通信装置であってもよい。
【0141】
外部インターフェース1017は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0142】
<5.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0143】
例えば、上記実施形態では、目的地D1に対応する路側機20として、目的地D1から当該路側機20の位置までの移動体10の移動距離が所定の条件を満たす路側機20が設定されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、移動体10が出発地W1から目的地D1に到達するまでに通行する経路上に含まれる任意の数の複数の路側機20が、目的地D1に対応する路側機20として設定されていてもよい。
【0144】
また、上記実施形態では、本発明の好適な適用例として、高速道路または直轄道路沿いに設置された路側機により収集される路側機収集データを用いて、移動体10の到着予測時刻を算出する例を説明した。また、上記では、移動体10がトラック等の車両である例を説明した。しかし、本発明の好適な適用例は、係る例に限定されない。
【0145】
例えば、本発明は、トラック等の車両以外の移動体の到着予測時刻の算出に適用されてもよい。例えば、移動体10は、自律制御により移動するドローン(Drone)、管理者による遠隔操作により移動する無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)、無人地上車両(UGV:Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する車両、または海路または川路等の水上を移動する船舶であってもよい。
【0146】
また、移動体10は、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。また、移動体10は、出発地と目的地のような2地点の位置等に関する入力情報を用いて自律制御により移動する無人移動体であってもよい。または、移動体10は、操作者により遠隔で操作入力される操作情報を用いて、遠隔操作により移動する無人移動体であってもよい。
【0147】
このような場合、移動体10の経路沿いに、移動体10と通信を行って移動体10の識別情報を取得することが可能な通信装置を予め設置しておくことで、情報処理装置40による当該移動体10の到着予測時刻の算出処理を行うことが出来る。
【0148】
また、上記では、情報処理装置40が移動体10の目的地D1への実際の到着時刻を取得する方法として、通信部430が、ユーザが利用する情報端末において入力された到着時刻の情報を取得する例を主に説明した。しかし、本発明は係る例に限定されない。例えば、路側機20により収集される路側機収集データは、移動体10の走行履歴の情報を含んでいてもよい。移動体10の走行履歴の情報は、移動体10が通行した複数の位置の位置情報(例えば、緯度経度)および、各位置を移動体10が通行した時点の時刻の情報を含んでいてもよい。この場合には、情報処理装置40は次のような方法により移動体10の到着時刻を取得してもよい。
【0149】
通信部430は、移動体10の移動体識別情報を含む、目的地D1に対応する路側機20の路側機収集データを受信した後に、最初に受信した移動体10の移動体識別情報を含む路側機収集データを算出部471に出力する。算出部471は、最初に受信した当該路側機収集データに含まれる走行履歴の位置情報のうち、目的地D1の緯度経度を基準として所定の範囲内に含まれる位置の、移動体10の通行時刻を抽出してもよい。算出部471は、抽出した時刻のうち最も早い時刻を、移動体10が目的地D1に到着した到着時刻として取得してもよい。
【0150】
このような変形例によれば、移動体10の運転者、または、作業員等のユーザが、到着時刻の入力操作を行う手間を省くことが出来る。
【0151】
また、本実施形態による情報処理装置40の動作の処理におけるステップは、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理装置40の動作の処理における各ステップは、説明図として記載した順序と異なる順序で処理されてもよく、並列的に処理されてもよい。
【0152】
また、上述した情報処理装置40に内蔵されるプロセッサ、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、本実施形態による情報処理システムの機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0153】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0154】
10 移動体
20 路側機
30 配信サーバ
40 情報処理装置
410 操作表示部
430 通信部
450 記憶部
470 制御部
471 算出部
473 画面制御部
475 通知制御部
50 情報端末
8 ネットワーク
図1
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