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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118118
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】ワーク挟持装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20240823BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20240823BHJP
   B23B 31/30 20060101ALI20240823BHJP
   B23B 31/10 20060101ALI20240823BHJP
【FI】
B23Q3/06 303B
B23Q7/04 J
B23B31/30 A
B23B31/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024369
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】591033755
【氏名又は名称】エヌティーツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高津 悠
【テーマコード(参考)】
3C016
3C032
3C033
【Fターム(参考)】
3C016CA03
3C016CA07
3C016CB06
3C016CC01
3C032KK11
3C033HH22
(57)【要約】
【課題】複数のアームの、ワークを挟持する爪の清掃を、簡単な構成で容易に行うことができるワーク挟持装置を開示する。
【解決手段】支持部材通路30aを介して加圧室37、38に加圧媒体が供給されて、加圧室37、38内の圧力が高くなると、第1のアーム100および第2のアーム200は、第1のスプリング330の弾性力に抗して、第2の方向(Y方向)に沿って保持部中心線Pと反対側(Y1側、Y2側)に移動する。これにより、第1のアーム100の爪110と第2のアーム200の爪210によるワーク400の挟持が解除される挟持解除モードに設定される。挟持解除モードでは、支持部材通路30a内の加圧媒体が、ノズル40の噴射口41から、第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210の方向に向けて噴射される。これにより、爪110および210が清掃される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、複数のアームと、駆動機構と、を備え、
前記本体部は、第1の方向に延在する本体部中心線を有し、
前記複数のアームは、前記本体部中心線を中心とする周方向に沿って離間する位置に、前記第1の方向と交差する方向に沿って、前記本体部に対して前記本体部中心線側および前記本体部中心線と反対側に移動可能に配置されているとともに、爪を有し、
前記駆動機構は、前記各アームを、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線側に移動させる第1の力を発生する第1の駆動機構と、前記各アームを、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線と反対側に移動させる第2の力を発生する第2の駆動機構を有し、
前記第1の力が前記第2の力より大きいと、前記各アームが、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線側に移動し、前記各アームの前記爪によってワークが挟持される挟持モードに設定され、前記第2の力が前記第1の力より大きいと、前記アームが、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線と反対側に移動し、前記各アームの前記爪によるワークの挟持が解除される挟持解除モードに設定されるように構成されているワーク挟持装置であって、
前記第2の駆動機構は、加圧室と、前記加圧室に連通している通路を有し、前記通路を介して加圧媒体が前記加圧室に供給されることによって前記第2の力を発生するように構成され、
さらに、前記通路に連通しているとともに噴射口を有するノズルを備え、
前記通路を介して前記加圧室に前記加圧媒体を供給することにより前記挟持解除モードに設定する時に、前記ノズルの噴射口から、前記各アームの前記爪の方向に前記加圧媒体が噴射されるように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク挟持装置であって、
さらに、位置調整機構を備え、
前記位置調整機構は、前記本体部中心線に対する、前記各アームの前記爪によって挟持されるワークのワーク中心線の、前記第1の方向と交差する前記方向に沿ったずれを調整するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が設けられている、工作機械の主軸に装着可能に構成されており、
前記主軸の前記冷却媒体供給路から供給される前記冷却媒体が、前記加圧媒体として前記通路に供給されることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のワーク挟持装置であって、
前記複数のアームは、前記本体部より前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って第1側に、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されている第1のアームと、前記本体部より前記第2の方向に沿って第2側に、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されている第2のアームと、を有することを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項5】
請求項4に記載のワーク挟持装置であって、
前記第1の駆動機構は、第1の弾性力発生部材を有し、
前記第1の弾性力発生部材の弾性力によって前記第1の力が発生するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項6】
請求項5に記載のワーク挟持装置であって、
前記第1の弾性力発生部材は、前記第1のアームと前記第2のアームの間に配置されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項7】
請求項6に記載のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿って延在する第1の連通孔を有し、
前記第1の駆動機構は、さらに、前記第1の連通孔内に挿入されるケースと、前記ケース内に挿入される可動部材と、を有し、
前記ケースは、前記第2の方向に沿って延在する有底筒状に形成され、外径が前記第1の連通孔の内径より小さく設定されている側壁と、第2の連通孔が形成されている底壁と、開口部と、を有し、
また、前記ケースは、前記開口部が前記第2の方向に沿って前記第1側に配置され、前記底壁が前記第2の方向に沿って前記第2側に配置されるように、前記第1の連通孔内に挿入され、
前記可動部材は、前記第2の方向に沿って延在し、前記第2の方向に沿って前記第1側の端部に鍔部を有し、前記第2の方向に沿って前記第2側の端部の外径が、前記ケースの前記第2の連通孔の内径より小さく設定され、
また、前記可動部材は、前記第2の方向に沿って第2側の端部が、前記ケースの前記第2の連通孔を通るように、前記ケース内に挿入され、
前記第1の弾性力発生部材は、前記可動部材の前記鍔部と前記ケースの前記底壁の間に配置され、
前記ケースの前記側壁に前記第1のアームが連結され、前記可動部材の、前記第2の方向に沿って前記第2側の端部に前記第2のアームが連結されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項8】
請求項5に記載のワーク挟持装置であって、
前記第1の弾性力発生部材としてスプリングが用いられていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項9】
請求項4に記載のワーク挟持装置であって、
前記第2の駆動機構は、さらに、第1の押圧部材と、第2の押圧部材を有し、
前記第1の押圧部材は、前記第2の押圧部材より前記第2の方向に沿って前記第1側に、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って移動可能に配置され、
前記第2の押圧部材は、前記第1の押圧部材より前記第2の方向に沿って前記第2側に、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って移動可能に配置され、
前記加圧室は、前記第1の押圧部材と前記第2の押圧部材の間に形成され、
前記加圧媒体が前記加圧室に供給されて前記加圧室内の圧力が高められると、前記第1の押圧部材が、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、それによって、前記第1のアームが、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、また、前記第2の押圧部材が、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第2側に移動し、それによって、前記第2のアームが、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第2側に移動するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項10】
請求項9に記載のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿って延在する第3の連通孔を有し、
前記第1の押圧部材および前記第2の押圧部材は、前記第3の連通孔内に配置され、
前記加圧室は、前記第3の連通孔内に形成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項11】
請求項4に記載のワーク挟持装置であって、
前記位置調整機構は、第1の位置調整部材と、第2の位置調整部材と、第3の位置調整部材と、第2の弾性力発生部材と、を有し、
前記第1の位置調整部材は、前記第2の位置調整部材より前記第2の方向に沿って前記第1側に、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第2の方向に沿って前記第2側の端面に第1のテーパー面を有し、前記第1のテーパー面は、前記第1の位置調整部材の外径が、前記第2の方向に沿って前記第1側から前記第2側に向って小さくなるように形成され、
前記第2の位置調整部材は、前記第1の位置調整部材より前記第2の方向に沿って前記第2側に、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第2の方向に沿って前記第1側の端面に第2のテーパー面を有し、前記第2のテーパー面は、前記第2の位置調整部材の外径が、前記第2の方向に沿って前記第2側から前記第1側に向って小さくなるように形成され、
前記第3の位置調整部材は、前記第1の位置調整部材および前記第2の位置調整部材より、前記第1の方向および前記第2の方向と交差する第3の方向に沿って第1側に、前記本体部に対して前記第3の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第3の方向に沿って第2側の端面に第3のテーパー面を有し、前記第3のテーパー面は、前記第3の位置調整部材の外径が、前記第3の方向に沿って前記第1側から前記第2側に向って小さくなるように形成され、
前記第3のテーパー面は、前記第1のテーパー面および前記第2のテーパー面とテーパー係合可能に形成され、
前記第2の弾性力発生部材の弾性力によって、前記第3の位置調整部材を、前記本体部に対して前記第3の方向に沿って前記第2側に移動させて、前記第3のテーパー面を前記第1のテーパー面および前記第2のテーパー面にテーパー係合させる力が発生するように構成され、
前記第1の位置調整部材が、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第1側に移動すると、前記第1のアームが、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、また、前記第2の位置調整部材が、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第2側に移動すると、前記第2のアームが、前記本体部に対して前記第2の方向に沿って前記第2側に移動するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項12】
請求項11に記載のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿った前記第1側と前記第2側および前記第3の方向に沿った前記第1側に開口部を有する第4の連通孔を有し、
前記第4の連通孔は、前記第2の方向に沿った前記第1側および前記第2側に開口部を有し、前記第2の方向に延在する第1の連通孔部分と、前記第3の方向に沿った前記第1側および前記第1の連通孔部分に開口部を有し、前記第3の方向に延在する第2の連通孔部分により形成され、
前記第1の位置調整部材および前記第2の位置調整部材は、前記第1の連通孔部分内に挿入され、前記第3の位置調整部材は、前記第2の連通孔部分内に挿入されていることを特徴とするワーク挟持装置。
【請求項13】
請求項11に記載のワーク挟持装置であって、
前記第2の弾性力発生部材としてスプリングが用いられていることを特徴とするワーク挟持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の爪によってワークを挟持するワーク挟持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械等を用いて加工するワークを搬送する際に、ワークを挟持する(クランプする)ワーク挟持装置が用いられている。
従来、特許文献1(特開2008-264981号公報)に開示されているワーク挟持装置が知られている。
特許文献1に開示されているワーク挟持装置は、シリンダ内を移動するピストンに固定されたプレートと、第1のレバーおよび第2のレバーと、第1のアームおよび第2のアームを有している。第1のレバーは、一方端に設けられている回転軸により、プレートに回転可能に連結されている。第1のアームは、第1のレバーの他方端に設けられている回転軸により、第1のレバーに回転可能に連結されている。また、第2のレバーは、他方端に設けられている回転軸により、プレートに回転可能に連結されている。第2のアームは、第2のレバーの一方端に設けられている回転軸により、第2のレバーに回転可能に連結されている。第1のアームおよび第2のアームの先端には、爪が設けられている。
ピストンがシリンダ内を上昇すると、ピストンに固定されているプレートが上昇する。これにより、第1のアームおよび第2のアームが回転し、第1のアームおよび第2のアームに設けられている爪によってワークがクランプされる。ピストンがシリンダ内を下降すると、プレートが下降する。これにより、第1のアームおよび第2のアームが逆方向に回転し、ワークのクランプが解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-264981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているワーク挟持装置では、ワークを挟持する第1のアームおよび第2のアームの爪、特に、ワークと当接する個所に汚れが発生する。爪の当接箇所が汚れると、ワークの挟持精度が低下するおそれがある。このため、従来は、作業員が、第1のアームおよび第2のアームの爪を手作業で清掃している。作業員による爪の清掃作業は、面倒であり、時間を要する。
本開示は、ワークを挟持する爪の清掃を、簡単な構成で容易に行うことができるワーク挟持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のワーク挟持装置は、本体部と、複数のアームと、駆動機構と、を備えている。
本体部は、第1の方向に延在する本体部中心線を有している。
複数のアームは、本体部中心線を中心とする周方向に沿って離間する位置に配置されている。各アームは、第1の方向と交差する方向に沿って、本体部に対して本体部中心線側および本体部中心線と反対側に移動可能に配置されている。また、各アームは、爪を有している。各ワークの爪によって、ワークが挟持される。各アームは、例えば、周方向に沿った等間隔に配置される。アームの数は、適宜設定可能である。「第1の方向と交差する方向」は、アーム毎に規定される。
駆動機構は、第1の駆動機構と第2の駆動機構を有している。第1の駆動機構は、各アームを、本体部に対して、第1の方向と交差する方向に沿って本体部中心線側に移動させる第1の力を発生する。第2の駆動機構は、各アームを、本体部に対して、第1の方向と交差する前記方向に沿って本体部中心線と反対側に移動させる第2の力を発生する。
第1の力が第2の力より大きいと、各アームが、本体部に対して、第1の方向と交差する方向に沿って本体部中心線側に移動する。この場合、各アームの爪によってワークが挟持される挟持モードに設定される。また、第2の力が第1の力より大きいと、各アームが、本体部に対して、第1の方向と交差する方向に沿って本体部中心線と反対側に移動する。この場合、各アームの爪によるワークの挟持が解除される挟持解除モードに設定される。
本開示のワーク挟持装置では、第2の駆動機構は、加圧室と、加圧室に連通している通路を有している。第2の駆動機構は、通路を介して加圧媒体が加圧室に供給されることによって、第2の力を発生する。加圧媒体としては、加圧室内の圧力を高めることができる適宜の媒体を用いることができる。
さらに、通路に連通しているとともに噴射口を有するノズルを備えている。
通路を介して加圧室に加圧媒体を供給することにより挟持解除モードに設定する時に、ノズルの噴射口から加圧媒体が噴射される。ノズルの構成(噴射特性)や配置位置は、ノズルの噴射口から、各アームの爪の方向に加圧媒体が噴射されるように選択される。
本開示のワーク挟持装置では、ワークを挟持する前段階である挟持解除状態に設定する際に、加圧室に供給される冷却媒体の一部が、ノズルから各アームの爪の方向に噴射されることにより、各アームの爪が清掃される。これにより、各アームの爪の清掃を、簡単な構成で容易に行うことができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態は、さらに、位置調整機構を備えている。
位置調整機構は、本体部中心線に対する、各アームの爪によって挟持されるワークのワーク中心線の、第1の方向と交差する方向に沿ったずれを調整するように構成されている。位置調整機構としては、種々の構成の位置調整機構を用いることができる。
本形態では、各アームの爪によって挟持されるワークのワーク中心線を、ワーク挟持装置の本体部中心線に確実に一致させることができる。これにより、ワークを確実に挟持することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、本体部は、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が設けられている、工作機械の主軸に装着可能に構成されている。そして、主軸の冷却媒体供給路から供給される冷却媒体が、加圧媒体として通路に供給される。
本形態では、工作機械の主軸から供給される冷却媒体を用いることができるため、第2の駆動機構を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、複数のアームは、第1のアームと第2のアームを有している。第1のアームは、本体部より第1の方向と交差する第2の方向に沿って第1側に、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。第2のアームは、本体部より第2の方向に沿って第2側に、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。
本形態では、ワーク挟持装置を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、第1の駆動機構は、第1の弾性力発生部材を有している。そして、第1の弾性力発生部材の弾性力によって第1の力が発生するように構成されている。
本形態では、第1の駆動機構を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、第1の弾性力発生部材は、第1のアームと第2のアームの間に配置されている。
本形態では、第1の駆動機構をより簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、本体部は、第2の方向に沿って延在する第1の連通孔を有している。
そして、第1の駆動機構は、第1の連通孔内に挿入されるケースと、ケース内に挿入される可動部材を有している。
ケースは、第2の方向に沿って延在する有底筒状に形成され、側壁、底壁および開口部を有している。側壁の外径は、第1の連通孔の内径より小さく設定されている。これにより、ケースを、本体部の第1の連通孔内に挿入することができる。底壁には、第2の連通孔が形成されている。
また、ケースは、開口部が第2の方向に沿って第1側に配置され、底壁が第2の方向に沿って第2側に配置されるように、第1の連通孔内に挿入される。
可動部材は、第2の方向に沿って延在し、第2の方向に沿って第1側の端部に鍔部を有しているとともに、第2側の端部の外径が、ケースの第2の連通孔の内径より小さく設定されている。
可動部材は、第2の方向に沿った第2側の端部が、第2の連通孔を通るように、ケース内に挿入される。
第1の弾性力発生部材は、可動部材の鍔部とケースの底壁の間に配置される。また、ケースの側壁に第1のアームが連結され、可動部材の、第2の方向に沿って第2側の端部に第2のアームが連結されている。
本形態では、第1の駆動機構をより簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、第1の弾性力発生部材としてスプリングが用いられている。
本形態では、第1の駆動機構をより簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、第2の駆動機構は、さらに、第1の押圧部材と、第2の押圧部材を有している。
第1の押圧部材は、第2の押圧部材より第2の方向に沿って第1側に、本体部に対して、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。第2の押圧部材は、第1の押圧部材より第2の方向に沿って第2側に、本体部に対して、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。加圧室は、第1の押圧部材と第2の押圧部材の間に形成されている。
加圧媒体が加圧室に供給されて加圧室内の圧力が高められると、第1の押圧部材が、本体部に対して、第2の方向に沿って第1側に移動するとともに、第2の押圧部材が、本体部に対して、第2の方向に沿って第2側に移動する。これにより、第1のアームが、本体部に対して、第2の方向に沿って第1側に移動するとともに、第2のアームが、本体部に対して、第2の方向に沿って第2側に移動する。
本形態では、第2の駆動機構を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、本体部は、第2の方向に沿って延在する第3の連通孔を有している。
そして、第3の連通孔内に、第1の押圧部材および第2の押圧部材が配置されているとともに、加圧室が形成されている。
本形態では、第2の駆動機構をより簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、位置調整機構は、第1の位置調整部材と、第2の位置調整部材と、第3の位置調整部材と、第2の弾性力発生部材と、を有している。
第1の位置調整部材は、第2の位置調整部材より、第2の方向に沿って第1側に、本体部に対して、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。また、第1の位置調整部材は、第2の方向に沿って第2側の端面に第1のテーパー面を有している。第1のテーパー面は、第1の位置調整部材の外径が、第2の方向に沿って第1側から第2側に向って小さくなるように形成されている。
第2の位置調整部材は、第1の位置調整部材より、第2の方向に沿って第2側に、本体部に対して、第2の方向に沿って移動可能に配置されている。また、第2の位置調整部材は、第2の方向に沿って第1側の端面に第2のテーパー面を有している。第2のテーパー面は、第2の位置調整部材の外径が、第2の方向に沿って第2側から第1側に向って小さくなるように形成されている。
第3の位置調整部材は、第1の位置調整部材および第2の位置調整部材より、第1の方向および第2の方向と交差する第3の方向に沿って第1側に、本体部に対して、第3の方向に沿って移動可能に配置されている。また、第3の位置調整部材は、第3の方向に沿った第2側の端面に第3のテーパー面を有している。第3のテーパー面は、第3の位置調整部材の外径が、第3の方向に沿って第1側から第2側に向って小さくなるように形成されている。
第3のテーパー面は、第1のテーパー面および第2のテーパー面とテーパー係合可能に形成されている。
第2の弾性力発生部材の弾性力によって、第3の位置調整部材を、本体部に対して、第3の方向に沿って第2側に移動させて、第3のテーパー面を第1のテーパー面および第2のテーパー面にテーパー係合させる力が発生するように構成されている。
第1の位置調整部材が、本体部に対して、第2の方向に沿って第1側に移動すると、第1のアームが、本体部に対して、第2の方向に沿って第1側に移動し、また、第2の位置調整部材が、本体部に対して、第2の方向に沿って第2側に移動すると、第2のアームが、本体部に対して、第2の方向に沿って第2側に移動するように構成されている。
本形態では、位置調整機構を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、本体部は、第2の方向に沿った第1側と第2側および第3の方向に沿った第1側に開口部を有する第4の連通孔を有している。
第4の連通孔は、第1の連通孔部分と第2の連通孔部分を有している。第1の連通孔部分は、第2の方向に沿った第1側および第2側に開口部を有し、第2の方向に延在している。第2の連通孔部分は、第3の方向に沿った第1側および第1の連通孔部分に開口部を有し、第3の方向に延在している。
そして、第1の位置調整部材および第2の位置調整部材は、第1の連通孔部分内に挿入され、第3の位置調整部材は、第2の連通孔部分内に挿入されている。
本形態では、位置調整機構を簡単に構成することができる。
本開示のワーク挟持装置の異なる形態では、第2の弾性力発生部材としてスプリングが用いられている。
本形態では、位置調整機構をより簡単に構成することができる。
【発明の効果】
【0006】
本開示のワーク挟持装置を用いることにより、各アームの爪の清掃を、簡単な構成で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態のワーク挟持装置とワークを示す図である。
図2図1を矢印II-II方向から見た断面図である。
図3図2に示されている一実施形態のワーク挟持装置の拡大図である。
図4図3を矢印1V-IV方向から見た断面図である。
図5図3を矢印V-V方向から見た断面図である。
図6】一実施形態のワーク挟持装置を構成する部品を示す図である。
図7】一実施形態のワーク挟持装置を構成する部品を示す図である。
図8】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
図9】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
図10】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
図11】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
図12】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
図13】一実施形態のワーク挟持装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示のワーク挟持装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
本明細書では、本体部中心線Pの延在方向(図1図3において、矢印Xで示されている左右方向)を「第1の方向」という。第1の方向に沿って、爪110、210が設けられている側(図1図3において、矢印X1で示されている右側)を「第1の方向に沿って第1側(第1の方向第1側)」あるいは「第1の方向に沿って先端側」という。第1の方向に沿って、爪110、210が設けられている側と反対側(図1図3において、矢印X2で示されている左側)を「第1の方向に沿って第2側(第1の方向第2側)」あるいは「第1の方向に沿って後端側」という。
また、第1の方向と交差する方向(図2図3において、矢印Yで示されている上下方向)を「第2の方向」という。第2の方向に沿って、第1のアーム100が配置されている側(図2図3において、矢印Y1で示されている上側)を「第2の方向に沿って第1側(第2の方向第1側)」という。第2の方向に沿って、第2のアーム200が配置されている側(図2図3において、矢印Y2で示されている下側)を「第2の方向に沿って第2側(第2の方向第2側)」という。
また、第1の方向および第2の方向と交差する方向(図1において、矢印Zで示されている上下方向)を「第3の方向」という。第3の方向に沿って、本体部中心線Pより一方側(図1において、矢印Z1で示されている上側)を「第3の方向に沿って第1側(第3の方向第1側)」という。第3の方向に沿って、本体部中心線Pより他方側(図1において、矢印Z2で示されている下側)を「第3の方向に沿って第2側(第3の方向第2側)」という。
また、第1の方向と直角な方向から見て、本体部中心線Pを中心とする円に沿った方向を「周方向」という。
なお、各部材に対しては、「第1の方向」、「第2の方向」という記載は、それぞれが本体部に配置された状態における「第1の方向」、「第2の方向」を示す。
勿論、「第1側」と「第2側」は、逆であってもよい。
【0009】
本開示のワーク挟持装置の一実施形態を、図1図7を参照して説明する。
図1は、一実施形態のワーク挟持装置10とワーク400を示す図である。図2は、図1を矢印II-II方向から見た断面図である。図3は、図2に示されている一実施形態のワーク挟持装置10の拡大図である。図4は、図3を矢印IV-IV方向から見た断面図であり、図5は、図3を矢印V-V方向から見た断面図である。図6は、第1のアーム100、第2のアーム200、ケース310、可動部材320および第1のスプリング330の構成および配置関係を説明する図である。図7は、本体部(本体部材20、支持部材30)の構成および本体部とケース310の配置関係を説明する図である。
【0010】
一実施形態のワーク挟持装置10は、本体部、第1のアーム100、第2のアーム200、駆動機構、位置調整機構、ノズル40を備えている。
【0011】
本体部は、図7に示されているように、本体部材20と支持部材30により構成されている。
本体部材20は、第1の方向(X方向)に延在する筒状に形成され、本体部材先端面20A、本体部材後端面20B、本体部材内周面21、本体部材外周面22、本体部材内周面21により形成される本体部材内側空間20aを有している。
本体部材内周面21は、本体部材内周面部分21a~21cを有している。本体部材内周面部分21a、21cは、断面が円形に形成され、第1の方向に延在している。本体部材内周面部分21bは、本体部材内周面部分21aと21cを接続する段差面に形成され、径方向および周方向に延在している。本体部材内周面部分21aと21bにより、本体部材内側空間部分20bが形成され、本体部材内周面部分21cにより本体部材内側空間部分20cが形成される。
また、本体部材20は、第2の方向(Y方向)に延在し、本体部材内周面部分21aおよび本体部材外周面22に開口している(開口部を有する)連通孔23を有している。連通孔23を形成する壁面23aには、ねじ36Aの外周面に形成されている雄ねじにねじ結合可能な雌ねじが形成されている。
【0012】
支持部材30は、第1の方向に延在し、支持部材先端面30A、支持部材後端面30B、支持部材外周面32、第1の凹部33、第2の凹部34、連通孔35、支持部材通路30aを有している。
支持部材通路30aは、支持部材通路壁面31により形成されている。支持部材通路30aは、支持部材後端面30Bに開口し(開口部を有し)、加圧室37、38、ノズル40(後述する)に連通している。
支持部材外周面32は、支持部材外周面部分32a~32cを有している。支持部材外周面部分32a、32cは、断面が円形に形成されている。
第1の凹部33および第2の凹部34は、支持部材外周面部分32aを切り欠いて形成されている。第1の凹部33は、第2の方向第1側に配置され、底面33aを有している。第2の凹部34は、第2の方向第2側に配置され、底面34aを有している。底面33a、34aは、平面に形成されている。
連通孔35は、第2の方向に延在し、第1の凹部33の底面33aと第2の凹部34の底面34aに開口している(開口部を有している)。
支持部材外周面部分32cには、本体部材20の連通孔23に対応する位置に、周方向に延在する溝36が形成されている。溝36は、壁面36aにより形成されている。溝36は、ねじ36Aの先端部が挿入可能に形成されている。
支持部材30は、支持部材後端面30Bと支持部材外周面部分32cにより形成される後端部が、本体部材20の本体部材内側空間部分20b内に挿入される。この時、溝36が連通孔23に対向するように挿入される。そして、ねじ36Aを、連通孔23内に、ねじ36Aの先端部が溝36内に配置されるまで挿入する。これにより、支持部材30の、本体部材20に対する第1の方向に沿った移動が規制される。
なお、支持部材30を本体部材20に取り付ける方法としては、適宜の方法を用いることができる。
支持部材30が本体部材20に取り付けられることによって、本体部材内側空間部分20cと支持部材通路30aが連通する。これにより、本体部材内側空間部分20cと支持部材通路30aを介して加圧媒体が加圧室37、38(後述する)に供給される。なお、本実施形態では、加圧室37、38に供給する加圧媒体として、冷却媒体(クーラント)を用いている。
【0013】
本実施形態では、本体部材20と支持部材30によって、本開示の「本体部」が構成される。
また、連通孔35が、本開示の「第1の連通孔」に対応する。
また、本体部材内側空間部分20cと支持部材通路30aにより、本開示の「加圧媒体を加圧室に供給する通路」が形成される。
【0014】
支持部材30の凹部33および34内には、第1の方向および周方向に延在する第1のアーム100および第2のアーム200が配置される。すなわち、第1のアーム100と第2のアーム200は、第2の方向に沿って、対向する位置に配置される。
図6に、第1のアーム100と第2のアーム200が示されている。
第1のアーム100は、第2の方向両側に、第1の方向および周方向に延在する端面101および102を有している。
端面101には、側面103aと底面103bを有し、第2の方向第2側(第2のアーム200と対向する側)が開口している凹部103が形成されている。側面103aには、ケース310(後述する)の外周面310Cに形成されている雄ねじとねじ結合可能な雌ねじが形成されている。側面103aは、円形に形成されている。
第2のアーム200は、第2の方向両側に、第1の方向および周方向に延在する端面201および202を有している。
端面201には、側面203aと底面203bを有し、第2の方向第1側(第1のアーム100と対向する側)が開口している凹部203が形成されている。凹部203の底面203bと第2のアーム200の端面202の間に、第2の方向に延在し、底面203bと端面202に開口している(開口部を有する)連通孔204が形成されている。連通孔204を形成する壁面204aには、可動部材320(後述する)の可動部材外周面部分322eに形成されている雄ねじがねじ結合可能な雌ねじが形成されている。側面203aは、円形に形成されている。
凹部203の内径は、ケース310の外周面310Cの外径より大きく設定されている。
第1のアーム100おび第2のアーム200の第1の方向第1側の部分は、支持部材先端面30Aより飛び出ている。第1のアーム100の端面101および第2のアーム200の端面201の、第1の方向第1側の端部には、互いに対向する側に突出する爪110および210が設けられている。爪110および210には、ワーク400の外周面402に当接する当接面が形成されている。本実施形態では、図9cに示されているように、爪110に当接面111、112が形成され、爪210に当接面211、212が形成されている。当接面111と112(211と212)は、V字状に配置されている。勿論、爪110、210の当接面の形状は、ワーク400の外周面の形状等に応じて適宜変更可能である。
【0015】
駆動機構は、第1の駆動機構と第2の駆動機構を有している。
第1の駆動機構は、第1のアーム100と第2のアーム200を、第2の方向に沿って互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動させる第1の力を発生する。
第1の駆動機構は、図6に示されているように、ケース310、可動部材320、第1のスプリング330を有している。
ケース310は、第2の方向に延在する有底筒状に形成されている。ケース310は、側壁、底壁、開口部、ケース内周面311により形成されるケース内側空間310a、ケース端面310Aおよび310B、ケース外周面310Cを有している。
ケース内周面311は、ケース内周面部分311a~311dを有している。ケース内周面部分311a、311cは、断面が円形に形成されている。
ケース内周面部分311a~311cにより、ケース内側空間310aの側面が形成される。ケース内周面部分311dにより、ケース内側空間310aの底面が形成される。
ケース内周面部分311aと311cは、第2の方向に延在している。ケース内周面部分311bは、ケース内周面部分311aと311cを接続する段差面を形成する。ケース内周面部分311aによりケース内側空間部分310bが形成される。ケース内周面部分311cにより、ケース内側空間部分310bの内径より小さい内径を有するケース内側空間部分310cが形成される。
底壁には、第2の方向に延在し、ケース内周面部分311dと端面310Bに開口している(開口部を有する)連通孔313が形成されている。連通孔313は、壁面313aにより形成されている。連通孔313の内径は、可動部材320の本体部分320a(可動部材外周面部分322c)の外径より大きく設定されている。
ケース外周面310Cの、第2の方向第1側の端部312aに、第1のアーム100の凹部103の側面103aに形成されている雌ねじとねじ結合可能な雄ねじが形成されている。
連通孔313が、本開示の「第2の連通孔」に対応する。
【0016】
可動部材320は、第2の方向に延在し、第2の方向第1側に端面320Aを有し、第2の方向第2側に端面320Bを有している。
可動部材外周面は、可動部材外周面部分322a~322eを有している。可動部材外周面部分322a、322c、322eは、第2の方向に延在している。可動部材外周面部分322bは、可動部材外周面部分322aと322cを接続する段差面に形成されている。可動部材外周面部分322dは、可動部材外周面部分322cと322eを接続する段差面に形成されている。
可動部材320は、本体部分320a、第2の方向第1側の端部に形成されている鍔部320b、第2の方向第2側の端部に形成されている先端部320cを有している。
本体部分320aは、可動部材外周面部分322cにより形成され、円形の断面を有している。本体部分320aの外径(可動部材外周面部分322cの外径)は、第1のスプリング330が本体部分320aの外側に配置可能に設定されている。
鍔部320bは、端面320A、可動部材外周面部分322a、322bにより形成され、本体部分320aの外径より大きい外径を有する円形に形成されている。鍔部320bの外径は、ケース内周面部分311aの内径より小さく、ケース内周面部分311cの内径より大きく設定されている。
先端部320cは、可動部材外周面部分322eにより形成され、本体部分320aの外径より小さい外径を有する円形に形成されている。先端部320cの外周(可動部材外周面部分322e)には、第2のアーム200の連通孔204の壁面204aに形成されている雌ねじにねじ結合可能な雄ねじが形成されている。
【0017】
第1のスプリング330は、可動部材320の可動部材外周面部分322bとケース310のケース内周面部分311dの間で、可動部材320の可動部材外周面部分322cの回りに配置される。また、第1のスプリング330は、第1のスプリング330により発生する弾性力によって、可動部材320とケース310を、第2の方向に沿って互いに近づく方向に(本体部中心線P側に)移動させる第1の力が発生するように配置される。
第1のスプリング330が、本開示の「第1の弾性力発生部材」に対応する。
【0018】
第1の駆動機構は、以下のように組み立てられる。
可動部材320は、先端部320c側から、ケース310のケース内側空間310a内に、開口部を介して挿入される。この時、本体部分320aおよび先端部320cが、ケース310の連通孔313を通される。そして、可動部材外周面部分322eに形成されている雄ねじが、第2のアーム200の連通孔204の壁面204aに形成されている雌ねじにねじ結合される。
ケース310のケース外周面310Cの第2の方向第1側の端部312aに形成されている雄ねじが、第1のアーム100の凹部103の側面103aに形成されている雌ねじにねじ結合される。
第1のスプリング330は、可動部材320の可動部材外周面部分322bとケース310のケース内周面部分311dの間に配置される。
また、ケース310は、図7に示されているように、支持部材30の連通孔35内に挿入される。
第1のスプリング330は、第1のスプリング330により発生する弾性力によって、可動部材320とケース310を、第2の方向に沿って互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動させる第1の力が発生するように配置される。これにより、第1のスプリング330により発生する弾性力によって、ケース310に連結されている第1のアーム100と可動部材320に連結されている第2のアーム200を、第2の方向に沿って互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動させる第1の力が発生する。すなわち、第1のスプリング330により発生する弾性力によって、第1のアーム100の爪110と第2のアーム200の爪210を、第2の方向に沿って互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動させる力が発生する。
なお、ケース310、可動部材320および第1のスプリング330を組み付ける方法は、適宜変更可能である。また、ケース310、可動部材320および第1のスプリング330を、第1のアーム100および第2のアーム200に組み付ける方法も、適宜変更可能である。
【0019】
第2の駆動機構は、第1のアーム100と第2のアーム200を、第1の駆動機構により発生する第1の力に抗して、第2の方向に沿って互いに離れる方向(本体部中心線Pと反対側)に移動させる第2の力を発生する。
第2の駆動機構は、図4図5に示されているように、押圧部材120、130、220、230、加圧室37、38を有している。
本実施形態では、第2の駆動機構が複数設けられている。すなわち、押圧部材120、220および加圧室38により構成される第1のグループの第2の駆動機構と、押圧部材130、230および加圧室37により構成される第2のグループの第2の可動機構を有している。
【0020】
第1のグループの第2の駆動機構と第2のグループの第2の駆動機構は同じ構成であるため、以下では、第1のグループの第2の駆動機構について説明する。
支持部材30には、凹部33の底面33aと凹部34の底面34aの間に、第2の方向に沿って延在し、底面33aおよび34aに開口している(開口部を有する)連通孔38Aが形成されている。連通孔38Aは、壁面38aによって形成されている。
押圧部材120は、第2の方向第2側に押圧面121を有し、第2の方向第1側に押圧部材端面122を有している。
また、押圧部材120の押圧部材外周面は、押圧部材外周面部分123a~123cを有している。押圧部材外周面部分123a、123cは、断面が円形を有している。押圧部材外周面部分123aと123cは、第2の方向に延在している。押圧部材外周面部分123bは、押圧部材外周面部分123aと123cを接続する段差面に形成されている。押圧部材外周面部分123cには、雄ねじが形成されている。押圧部材外周面部分123cにより、第1のアーム100の連通孔104(後述する)内に挿入される突部が形成される。
同様に、押圧部材220は、第2の方向第1側に押圧面221を有し、第2の方向第2側に押圧部材端面222を有している。
また、押圧部材120の押圧部材外周面は、押圧部材外周面部分223a~223cを有している。押圧部材外周面部分223a、223cは、断面が円形を有している。押圧部材外周面部分223bは、押圧部材外周面部分223aと223cを接続する段差面に形成されている。押圧部材外周面部分223cには、雄ねじが形成されている。押圧部材外周面部分223cにより、第2のアーム200の連通孔104(後述する)内に挿入される突部が形成される。
【0021】
第1のアーム100には、端面101と102の間に、第2の方向に沿って延在し、端面101と102に開口している(開口部を有する)連通孔104が形成されている。連通孔104は、壁面104aにより形成されている。壁面104aには、押圧部材120の押圧部材外周面部分123cに形成されている雄ねじにねじ結合可能な雌ねじが形成されている。
同様に、第2のアーム200には、端面201と202の間に、連通孔204が形成されている。連通孔204の壁面204aには、押圧部材220の押圧部材外周面部分223cに形成されている雄ねじにねじ結合可能な雌ねじが形成されている。
【0022】
押圧部材120は、押圧部材外周面部分123cが連通孔104の壁面104aとネジ結合された状態で、連通孔38A内に挿入される。また、押圧部材220は、押圧部材外周面部分223cが連通孔204の壁面204aとネジ結合された状態で、連通孔38A内に挿入される。この時、連通孔38Aの壁面38a、押圧部材120の押圧面121および押圧部材220の押圧面221によって加圧室38が形成される。すなわち、連通孔38A内に、加圧室38を挟んで、第2の方向第1側および第2側に押圧部材120および220が配置される。
加圧室38は、支持部材通路30aに連通している。これにより、支持部材通路(30a)を介して加圧室38内に加圧媒体を供給することができる。加圧媒体としては、例えば、本体部材20が装着される、工作機械の主軸に設けられている冷却媒体供給路から供給される冷却媒体が用いられる。
加圧室38内の圧力により、押圧面121に、押圧部材120を第2の方向第1側に移動させる力が作用するとともに、押圧面221に、押圧部材220を第2の方向第2側に移動させる力が作用する。すなわち、加圧室38内の圧力は、押圧部材120と220を、第2の方向に沿って、互いに離れる方向(本体部中心線Pと反対側)に移動させる第2の力として作用する。
加圧室38内の圧力が高いと、押圧部材120と220は、第1のスプリング330の弾性力に抗して、第2の方向に沿って、互いに離れる方向(本体部中心線Pと反対側)に移動する。
一方、加圧室38内の圧力が低いと、押圧部材120と220は、第1のスプリング330の弾性力によって、第2の方向に沿って、互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動する(詳しくは、後述する)。
加圧室38内の圧力を低くする場合には、加圧室38への加圧媒体の供給を停止する。この時、加圧室38内の加圧媒体を排出してもよい。加圧室38内の加圧媒体を排出する方法としては、適宜の方法を用いることができる。
【0023】
第2のグループの第2の駆動機構は、第1のグループの第2の駆動機構と同様に構成される。
すなわち、支持部材30に、連通孔37Aが形成される。
また、第1のアーム100に、連通孔105が形成され、第2のアーム200に連通孔205が形成される。
そして、押圧部材130を、押圧部材外周面部分133cが連通孔105の壁面105aにねじ結合された状態で、連通孔37A内に配置する。また、押圧部材230を、押圧部材外周面部分233cが連通孔205の壁面205aにねじ結合された状態で、連通孔37A内に配置する。これにより、連通孔37A内に、加圧室37を挟んで、第2の方向第1側および第2側に押圧部材130および230が配置される。
加圧室37は、加圧室38と同様に、支持部材通路30aを介して加圧媒体が供給される。
押圧部材120と220(130と230)のうちの一方が、本開示の「第1の押圧部材」に対応し、他方が、本開示の「第2の押圧部材」に対応する。
第2の駆動機構のグループの数は、1を含めて適宜選択可能である。
連通孔37A、38Aが、本開示の「第3の連通孔」に対応する。
【0024】
次に、位置調整機構を、図4を参照して説明する。
位置調整機構は、位置調整部材140、240、350および第2のスプリング360により構成されている。
位置調整部材140は、第2の方向第2側および第1側に位置調整部材端面141および142を有している。位置調整部材端面141は、テーパー面141aと頂面141bを有している。テーパー面141aは、位置調整部材140の外径が、第2の方向に沿って第1側から第2側に向って小さくなるように形成されている。
また、位置調整部材外周面は、位置調整部材外周面部分143a~143cを有している。位置調整部材外周面部分143aと143cは、第2の方向に延在し、断面が円形を有している。位置調整部材外周面部分143bは、位置調整部材外周面部分143aと143cを接続する段差面に形成されている。位置調整部材外周面部分143cには、雄ねじが形成されている。位置調整部材外周面部分143cにより、第1のアーム100の連通孔106内に挿入される突部が形成される。
同様に、位置調整部材240は、第2の方向第1側および第2側に位置調整部材端面241および242を有している。位置調整部材端面241は、テーパー面241aと頂面241bを有している。テーパー面241aは、位置調整部材240の外径が、第2の方向に沿って第2側から第1側に向って小さくなるように形成されている。
また、位置調整部材外周面は、位置調整部材外周面部分243a~243cを有している。位置調整部材外周面部分243bは、位置調整部材外周面部分243aと243cを接続する段差面に形成されている。位置調整部材外周面部分243cには、雄ねじが形成されている。位置調整部材外周面部分243cにより、第2のアーム200の連通孔206内に挿入される突部が形成される。
【0025】
第1のアーム100には、端面101と102の間に、第2の方向に沿って延在し、端面101と102に開口している(開口部を有する)連通孔106が形成されている。連通孔106は、壁面106aにより形成されている。壁面106aには、位置調整部材140の位置調整部材外周面部分143cに形成されている雄ねじにねじ結合可能な雌ねじが形成されている。
同様に、第2のアーム200には、端面201と202の間に、連通孔206が形成されている。連通孔206の壁面206aには、位置調整部材240の位置調整部材外周面部分243cに形成されている雄ねじにねじ結合可能な雌ねじが形成されている。
【0026】
位置調整部材350は、位置調整部材140および240より、第1の方向(X方向)および第2の方向(Y方向)と交差する第3の方向に沿って一方側に配置されている。
本実施形態では、第3の方向として、図5に示されているように、第1の方向(X方向)および第2の方向(Y方向)に直交する方向(図5において、矢印Zで示されている左右方向)が設定されている。そして、位置調整部材350は、位置調整部材140および240より、第3の方向に沿って第1側(図5において、矢印Z1で示されている右側)に配置されている。
位置調整部材350は、第3の方向に沿って第2側(図4において、矢印Z2で示される左側)に位置調整部材端面351を有している。位置調整部材端面351は、テーパー面351aと頂面351bを有している。テーパー面351aは、位置調整部材350の外径が、第3の方向に沿って第1側から第2側に向って小さくなるように形成されている。テーパー面351aは、位置調整部材140のテーパー面141aおよび位置調整部材240のテーパー面241aとテーパー係合可能に形成されている。
また、位置調整部材350は、第2のスプリング360により発生する弾性力によって、第3の方向第2側に移動する力が加えられている。
なお、第3の方向は、第1の方向および第2の方向と交差していればよい。また、位置調整部材350は、第3の方向第2側に配置してもよい。この場合には、テーパー面351aの配置位置と傾き、第2のスプリング360の弾性力の方向が、逆となる。
【0027】
支持部材30には、第2の方向に沿って第1側と第2側および第3の方向に沿って第1側に開口している(開口部を有する)連通孔39が形成されている。
連通孔39は、連通孔部分39Aと39Bを有している。
連通孔部分39Aは、凹部33の底面33aと凹部34の底面34aの間に、第2の方向に沿って延在し、底面33aおよび34aに開口している(開口部を有している)。連通孔部分39Aは、内壁39aにより形成されている。
連通孔部分39Bは、第3の方向に沿って延在し、連通孔部分39Bの中心線が本体部中心線Pを通るように形成されている。連通孔部分39Bは、支持部材30の、第3の方向第1側および連通孔部分39Aに開口している(開口部を有している)。連通孔部分39Bは、壁面39bにより形成されている。壁面39bには、雌ねじが形成されている。
連通孔39が、本開示の「第4の連通孔」に対応し、連通孔部分39Aが、本開示の「第4の連通孔の第1の連通孔部分」に対応し、連通孔部分39Bが、本開示の「第4の連通孔の第2の連通孔部分」に対応する。
【0028】
位置調整部材140は、位置調整部材外周面部分143cが連通孔106の壁面106aとネジ結合された状態で、連通孔部分39A内に挿入される。また、位置調整部材240は、位置調整部材外周面部分243cが連通孔206の壁面206aとネジ結合された状態で、連通孔部分39A内に挿入される。これにより、位置調整部材140のテーパー面141aと位置調整部材240のテーパー面が、第2の方向に沿って対向配置される。
なお、位置調整部材140と240の位置は、通常状態において、テーパー面141aと241aの間の中央点が、本体部中心線Pを通り、第3の方向に延在する線上に配置されるように調整される。
位置調整部材350は、テーパー面351aが第3の方向第2側(テーパー面141aおよび241aと対向する側)に配置されるように連通孔部分39B内に挿入される。
また、ねじ340を連通孔部分39B内に挿入する。この時、ねじ340の外周面に形成されている雄ねじを壁面39bに形成されている雌ねじにねじ結合させることによって、ねじ340を連通孔部分39B内の所定位置に配置する。
そして、位置調整部材350とねじ340の間に第2のスプリング360を配置する。第2のスプリング360は、弾性力によって、位置調整部材350を、ねじ340に対して第3の方向第2側に移動させる力が発生するように配置される。これにより、位置調整部材350のテーパー面351aは、位置調整部材140のテーパー面141aおよび位置調整部材240のテーパー面241aに当接して、テーパー面141aおよび241aを押圧する。位置調整部材350のテーパー面351aによって位置調整部材140のテーパー面141aおよび位置調整部材240のテーパー面241aが第2の方向第2側に押圧されることにより、連通孔部分39A内における、位置調整部材140および240の、第2の方向に沿った位置が調整される。
【0029】
位置調整部材140と240のうちの一方が、本開示の「第1の位置調整部材」に対応し、他方が、本開示の「第2の位置調整部材」に対応する。
位置調整部材350が、本開示の「第3の位置調整部材」に対応する。
第2のスプリング360が、本開示の「第2の弾性力発生部材」に対応する。
【0030】
第1の駆動機構および第2の駆動機構により第1のアーム100および第2のアーム200を移動させる際、損傷等を防止するために、第1のアーム100および第2のアームの移動を規制する必要がある。
本実施形態では、第1の駆動機構により、第1のアーム100を第2の方向第2側に移動させるとともに、第2のアーム200を第2の方向第1側に移動させる(第1のアーム100および第2のアーム200を、第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動させる)場合には、第1のアーム100は、支持部材30の凹部33の底面33aに当接することによって、また、第2のアーム200は、支持部材30の凹部34の底面34aに当接することによって移動が規制される。
一方、第2の駆動機構により、第1のアーム100を第2の方向第1側および第2のアーム200を第2の方向第2側に移動させる(第1のアーム100および第2のアーム200を、第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側に移動させる)場合には、移動が規制されない。
【0031】
以下に、第1のアーム100の、第2の方向第1側への移動および第2のアーム200の、第2方向第2側への移動を規制する移動規制機構を、図4を参照して説明する。
支持部材30には、凹部33の底面33aに、底面33aから突出する筒状部33Aが設けられている。筒状部33Aの筒状部内側空間を形成する筒状部内周面には、雌ねじが形成されている。
筒状部内側空間内には、ねじ150が挿入される。ねじ150は、胴部150aと鍔部150bを有している。鍔部150bには、胴部150aの外周面から飛び出ている移動規制面151が形成されている。胴部150aの外周面には、筒状部内周面に形成されている雌ねじにねじ結合可能な雄ねじが形成されている。ねじ150は、胴部150aの外周面に形成されている雄ねじを、筒状部内周面に形成されている雌ねじにねじ結合させることによって、筒状部内側空間内に挿入される。
第1のアーム100には、端面101に開口部107Aを有する孔107が形成されている。孔107を形成する内壁面は、内壁面部分107a~107cを有している。内壁面部分107aによって、開口部107Aが形成される。
内壁面部分107cの内径は、ねじ150の鍔部150bの外径より大きく設定され、開口部107Aの内径より大きく設定されている。内壁面部分107bは、第3の方向に延在しており、移動規制面151が当接可能な当接面として作用する。
第1のアーム100に設けられている内壁面部分(当接面)107bと支持部材30に設けられている移動規制面151によって、第1のアーム100の、第2の方向第1側への移動が規制される。
第2のアーム200の第2方向第2側への移動を規制する移動規制機構も、同様に構成される。
すなわち、支持部材30に設けられている筒状部34Aの筒状部内側空間内に、ねじ250が挿入れている。ねじ250の鍔部250bに形成されている移動規制面251と、第2のアーム200に設けられている内壁面部分(当接面)207bによって、第2のアーム200の、第2の方向第2側への移動が規制される。
移動規制面および当接面の形状や配置箇所は、適宜変更可能である。
なお、可動部材320の鍔部320b(可動部材外周面部分322b)が、ケース310のケース内周面部分311b(移動規制面)に当接することによっても、第1のアーム100の第2の方向第1側への移動および第2のアーム200の第2の方向第2側への移動が規制される。
第1のアーム100および第2のアーム200の、第2の方向に沿った移動を規制する方法としては、種々の方法を用いることができる。
【0032】
第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210によるワーク400の挟持動作と挟持解除動作を繰り返すと、爪110及び爪210の、ワーク400との当接部に汚れが発生する。爪110および210の汚れを除去するために、爪110および210を清掃するノズル40が設けられている。
本実施形態では、図1図3に示されているように、噴射口41を有するノズル40が支持部材30に設けられている。
ノズル40は、支持部材通路30aに連通している。すなわち、支持部材通路30aを介して加圧室37、38に供給される加圧媒体の一部が、ノズル40に供給される。
ノズル40の構成(噴射特性)や配置位置は、ノズル40の噴射口41から、第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210に向けて加圧媒体が噴射されるように選択される。「第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪に向けて加圧媒体が噴射される」という記載は、「ワーク400によって遮られていない状態において(ワーク400が爪110と爪210の間に配置されていない状態において)、爪110の少なくとも一部および爪210の少なくとも一部に届くように加圧媒体が噴射される」ことを示している。好適には、加圧媒体は、爪110の、ワーク400との当接部(当接面)の少なくとも一部および爪210の、ワーク400との当接部(当接面)の少なくとも一部に届くように噴射される。例えば、ノズル40は、支持部材30の支持部材先端面30Aの、本体部中心線Pに対応する箇所に配置される。また、加圧媒体が、噴射口41から、本体部中心線Pに対して第3の方向第1側および第2側に照射角度(α/2)で照射される(図1参照)とともに、本体部中心線Pに対して第2の方向第1側および第2側に照射角度(β/2)で照射される(図2参照)ように選択される。勿論、ノズル40の配置位置や、噴射口41からの加圧媒体の噴射特性は、これに限定されない。
【0033】
次に、本実施形態のワーク挟持装置10の動作を説明する。
載置部600にワーク400が固定されている場合の動作を、図8図13を参照して説明する。
なお、以下では、ワーク挟持装置10が工作機械の主軸に装着され、工作機械の主軸に設けられている冷却媒体供給路から供給される冷却媒体(クーラント)が加圧媒体として加圧室に供給される場合について説明する。また、本体部中心線Pが鉛直方向に延在するようにワーク挟持装置10が配置されている場合について説明する。
また、ワーク400は、ワーク中心線Qが本体部中心線Pの延在方向(鉛直方向)に平行に延在するように載置部500に固定される場合について説明する。
【0034】
通常状態(待機状態)では、各部材は、図8に示されている位置にある。
通常状態では、工作機械の主軸から冷却媒体が供給されない。すなわち、本体部材内側空間部分20cと支持部材通路30aにより形成される通路を介して加圧室37および38内に冷却媒体は供給されない。
この場合、第1のスプリング330の弾性力による第1の力によって、第1のアーム100および第2のアーム200は、第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動する。すなわち、第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210が、第2の方向に沿って、互いに近づく方向(本体部中心線P側)に移動する挟持モードに設定される。
この時、第1のアーム100は、端面101が、支持部材30の凹部33の底面33aに当接する。また、第2のアーム200は、端面201が、支持部材30の凹部34の底面34aに当接する。これにより、第1のアーム100および第2のアーム200の、第2の方向に沿った本体部中心線P側への移動が規制される。
なお、第1のアーム100(200)に設けられている当接面107b(207b)と、支持部材30に設けられている移動規制面151(251)との当接は、解除されている。
【0035】
ワーク400を挟持する際には、先ず、第1のアーム100(爪110)および第2のアーム200(爪210)を、第2の方向に沿って、互いに離れる方向(本体部中心線Pと反対側)に移動させて挟持解除モードに設定する。
挟持解除モードに設定するには、工作機械の主軸に設けられている冷却媒体供給から通路(本体部材内側空間部分20c、支持部材通路30a)を介して冷却媒体を加圧室27および38に供給し、加圧室37および38内の圧力を高める。
加圧室37および38内の圧力による、第1のアーム100および第2のアーム200を第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側に移動させる第2の力が、第1のスプリング330の弾性力による、第1のアーム100および第2のアーム200を第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動させる第1の力より大きくなると、第1のアーム100および第2のアーム200が、第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側に移動して挟持解除モードに設定される(図8参照)。
挟持解除モードに設定するために、通路を介して加圧室37および38に冷却媒体を供給する際、冷却媒体の一部が通路を介してノズル40に供給される。このため、図8に示されているように、ノズル40の噴射口41から、第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210に向けて冷却媒体が噴射される。ノズル40の噴射口41から噴射される冷却媒体によって、第1のアーム100の爪110および第2のアーム200の爪210(好ましくいは、当接面111、112、211、212)が清掃される。
なお、挟持解除モードでは、第1のアーム100(200)に設けられている当接面107b(207b)が、支持部材30に設けられている移動規制面151(251)と当接することによって、第1のアーム100(第2のアーム200)の、第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側への移動が規制される。
そして、図8に示されている挟持解除モードに設定されている状態において、ワーク挟持装置10を、爪110と210の間にワーク400が配置される位置に移動させる。
図8(d)に示されている状態では、ワーク400のワーク中心線Qが本体部中心線Pに対して、第2の方向第2側にずれている。
ここで、ノズル40の噴射口41からの冷却媒体の噴射は、通路を介して加圧室37および38に冷却媒体が供給されている間(挟持解除モードに設定されている間)継続される。
このため、図10に示されているように、ノズル40の噴射口41から噴射される冷却媒体は、爪110と爪210の間に配置されたワーク400にも噴射される。この場合、冷却媒体によって、ワーク400のワーク外周面402も清掃される。
【0036】
この状態で、工作機械の主軸に設けられている冷却媒体供給路から通路(支持部材通路30aを含む)への冷却媒体の供給を停止する。すなわち、通路を介した加圧室37および38への冷却媒体の供給を停止する。加圧室37および38への冷却媒体の供給が停止すると、加圧室37および38内の圧力が低下する。
これにより、図11に示されているように、第1のスプリング330の弾性力による第2の力によって、第1のアーム100および第2のアーム200が、第2の方向に沿って、本体部中心線P側に移動し、挟持モードに設定される。
なお、工作機械の主軸に設けられている冷却媒体供給路から通路(支持部材通路30aを含む)への冷却媒体の供給が停止される(挟持モードに設定される)と、通路に連通しているノズル40の噴射口41からの冷却媒体の噴射も停止する。
【0037】
そして、11(d)に示されているように、先ず、第2のアーム200の爪210の当接面211および212がワーク400の外周面402に当接する。
ここで、ワーク400は、載置部600に固定されている。
このため、さらに、第1のアーム100および第2のアーム200に、第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動させる力が作用すると、図12に示されている状態となる。図12では、第1のアーム100の爪110の当接面111および112もワーク400の外周面402に当接している。
図12(d)に示されている状態では、ワーク400は、ワーク中心線Qが、本体部中心線Pに対して、第2の方向第2側にずれた状態で挟持されている。
この場合、図12(c)に示されているように、位置調整部材350のテーパー面351aは、位置調整部材240のテーパー面241aに当接しているが、位置調整部材140のテーパー面141aには当接していない。
【0038】
図12に示されている状態で、載置部600によるワーク400の固定を解除する。
この場合、位置調整部材350のテーパー面351aは、第2のスプリング360の弾性力によって、位置調整部材240のテーパー面241aを第3の方向第2側に押圧する。そして、テーパー面351aと241aとのテーパー係合により、位置調整部材240は、第1のスプリング330の弾性力に抗して、第2の方向第2側に移動する。同時に、位置調整部材140も、第2の方向第2側に移動する。
位置調整部材140および240が移動することによって、第1のアーム100および第2のアーム200も移動する。
そして、図12(d)に示されているように、ワーク中心線Qが本体部中心線Pと一致する状態で、位置調整機構による位置調整動作が終了する。
【0039】
以上は、本体部中心線Pとワーク中心線Qが第2の方向にずれている場合における位置調整機構の動作を説明したが、本体部中心線Pとワーク中心線Qがずれていない場合には、位置調整機構は動作しない。
また、本実施形態のワーク挟持装置10は、載置部600に固定されていないワーク400を挟持する場合においても、位置調整機構によって、ワーク中心線Qを本体部中心線Pに一致させることができる。
具体的には、ワーク400が載置部600に固定されている場合には、第1のアーム1の爪110と第2のアーム200の爪210によってワーク400を挟持した後に、ワーク中心線Qを本体部中心線Pに一致させる処理が実行される。
一方、ワーク400が載置部600に固定されていない場合には、第1のアーム1の爪110と第2のアーム200の爪210によってワーク400を挟持する際に、ワーク中心線Qを本体部中心線Pに一致させる処理が実行される。
【0040】
以上の実施形態では、押圧部材120、130、位置調整部材140を、第1のアーム100に連結している。すなわち、押圧部材120、130、位置調整部材140が、第2の方向第1側に移動すると、第1のアーム100が連動して第2の方向第1側に移動するように構成されている。
また、押圧部材220、230、位置調整部材240を、第2のアーム200に連結している。すなわち、押圧部材220、230、位置調整部材240が、第2の方向第2側に移動すると、第2のアーム200が連動して第2の方向第2側に移動するように構成されている。
ここで、本実施形態のワーク挟持装置10は、押圧部材120、130(220、230)および位置調整部材140(240)の移動によって、第1のアーム100(第2のアーム200)を移動させることができればよく、押圧部材120、130(220、230)および位置調整部材140(240)が、第1のアーム100(第2のアーム200)に連結されていなくてもよい。
【0041】
以下に、本実施形態のワーク挟持装置10の変更例を説明する。
変更例では、押圧部材120、130および位置調整部材140は、第1のアーム100に連結されていない。すなわち、前述した、押圧部材120(130)の押圧部材外周面部分123c(133c)および位置調整部材140の位置調整部材外周面部分143cに形成されている雄ねじ、押圧部材220(230)の押圧部材外周面部分223c(233c)および位置調整部材240の位置調整部材外周面部分243cに形成されている雄ねじ、第1のアーム100の壁面104a(105a、106a)に形成されている雌ねじ、第2のアーム200の壁面204a(205a、206a)に形成されている雌ねじが省略されている。
変更例では、例えば、加圧室38内の圧力が高くなると、押圧部材120(220)が、支持部材30に対して、第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側に移動する。
そして、押圧部材120(220)の押圧部材外周面部分123b(223b)が第1のアーム100の端面101(第2のアーム200の端面201)に当接すると、第1のアーム100(第2のアーム200)が、押圧部材120(220)により押圧される。これにより第1のアーム100(第2のアーム200)は、支持部材30に対して、第2の方向に沿って本体部中心線Pと反対側に移動する。
加圧室38内の圧力が低くなると、第1のアーム100(第2のアーム200)は、第1のスプリング330の弾性力によって、支持部材30に対して、第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動する。そして、押圧部材120(220)は、第1のアーム100(第2のアーム200)によって押圧される。これにより、押圧部材120(220)も、第2の方向に沿って本体部中心線P側に移動する。
位置調整部材140と240、第1のアーム100および第2のアーム200も、第1のスプリング330の弾性力および第2のスプリング360の弾性力に基づいて、同様に移動する。
なお、第1のアーム100(第2のアーム200)の連通孔104、105、106(204、205、206)、押圧部材120(130、220、230)および位置調整部材140(240)の突部は、省略することもできる。
【0042】
本開示は、以下のように構成することもできる。
(態様1)本体部と、複数のアームと、駆動機構と、を備え、
前記本体部は、第1の方向に延在する本体部中心線を有し、
前記複数のアームは、前記本体部中心線を中心とする周方向に沿って離間する位置に、前記第1の方向と交差する方向に沿って、前記本体部に対して前記本体部中心線側および前記本体部中心線と反対側に移動可能に配置されているとともに、爪を有し、
前記駆動機構は、前記各アームを、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線側に移動させる第1の力を発生する第1の駆動機構と、前記各アームを、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線と反対側に移動させる第2の力を発生する第2の駆動機構を有し、
前記第1の力が前記第2の力より大きいと、前記各アームが、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線側に移動し、前記各アームの前記爪によってワークが挟持される挟持モードに設定され、前記第2の力が前記第1の力より大きいと、前記アームが、前記本体部に対して、前記第1の方向と交差する前記方向に沿って前記本体部中心線と反対側に移動し、前記各アームの前記爪によるワークの挟持が解除される挟持解除モードに設定されるように構成されているワーク挟持装置であって、
前記第2の駆動機構は、加圧室と、前記加圧室に連通している通路を有し、前記通路を介して加圧媒体が前記加圧室に供給されることによって前記第2の力を発生するように構成され、
さらに、前記通路に連通しているとともに噴射口を有するノズルを備え、
前記通路を介して前記加圧室に前記加圧媒体を供給することにより前記挟持解除モードに設定する時に、前記ノズルの噴射口から、前記各アームの前記爪の方向に前記加圧媒体が噴射されるように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様2)態様1のワーク挟持装置であって、
さらに、位置調整機構を備え、
前記位置調整機構は、前記本体部中心線に対する、前記各アームの前記爪によって挟持されるワークのワーク中心線の、前記第1の方向と交差する前記方向に沿ったずれを調整するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様3)態様1または2のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が設けられている、工作機械の主軸に装着可能に構成されており、
前記主軸の前記冷却媒体供給路から供給される前記冷却媒体が、前記加圧媒体として前記通路に供給されることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様4)態様1~3のうちのいずれかのワーク挟持装置であって、
前記複数のアームは、前記本体部より前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って第1側に、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されている第1のアームと、前記本体部より前記第2の方向に沿って第2側に、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されている第2のアームと、を有することを特徴とするワーク挟持装置。
(態様5)態様4のワーク挟持装置であって、
前記第1の駆動機構は、第1の弾性力発生部材を有し、
前記第1の弾性力発生部材の弾性力によって前記第1の力が発生するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様6)態様5のワーク挟持装置であって、
前記第1の弾性力発生部材は、前記第1のアームと前記第2のアームの間に配置されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様7)態様6のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿って延在する第1の連通孔を有し、
前記第1の駆動機構は、さらに、前記第1の連通孔内に挿入されるケースと、前記ケース内に挿入される可動部材と、を有し、
前記ケースは、前記第2の方向に沿って延在する有底筒状に形成され、外径が前記第1の連通孔の内径より小さく設定されている側壁と、第2の連通孔が形成されている底壁と、開口部と、を有し、
また、前記ケースは、前記開口部が前記第2の方向に沿って前記第1側に配置され、前記底壁が前記第2の方向に沿って前記第2側に配置されるように、前記第1の連通孔内に挿入され、
前記可動部材は、前記第2の方向に沿って延在し、前記第2の方向に沿って前記第1側の端部に鍔部を有し、前記第2の方向に沿って前記第2側の端部の外径が、前記ケースの前記第2の連通孔の内径より小さく設定され、
また、前記可動部材は、前記第2の方向に沿って第2側の端部が、前記ケースの前記第2の連通孔を通るように、前記ケース内に挿入され、
前記第1の弾性力発生部材は、前記可動部材の前記鍔部と前記ケースの前記底壁の間に配置され、
前記ケースの前記側壁に前記第1のアームが連結され、前記可動部材の、前記第2の方向に沿って前記第2側の端部に前記第2のアームが連結されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様8)態様5~7のうちのいずれかのワーク挟持装置であって、
前記第1の弾性力発生部材としてスプリングが用いられていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様9)態様4~8のうちのいずれかのワーク挟持装置であって、
前記第2の駆動機構は、さらに、第1の押圧部材と、第2の押圧部材を有し、
前記第1の押圧部材は、前記第2の押圧部材より、前記第2の方向に沿って前記第1側に、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って移動可能に配置され、
前記第2の押圧部材は、前記第1の押圧部材より、前記第2の方向に沿って前記第2側に、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って移動可能に配置され、
前記加圧室は、前記第1の押圧部材と前記第2の押圧部材の間に形成され、
前記加圧媒体が前記加圧室に供給されて前記加圧室内の圧力が高められると、前記第1の押圧部材が、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、それによって、前記第1のアームが、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、また、前記第2の押圧部材が、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第2側に移動し、それによって、前記第2のアームが、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第2側に移動するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様10)態様9のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿って延在する第3の連通孔を有し、
前記第1の押圧部材および前記第2の押圧部材は、前記第3の連通孔内に配置され、
前記加圧室は、前記第3の連通孔内に形成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様11)態様4~10のうちのいずれかのワーク挟持装置であって、
前記位置調整機構は、第1の位置調整部材と、第2の位置調整部材と、第3の位置調整部材と、第2の弾性力発生部材と、を有し、
前記第1の位置調整部材は、前記第2の位置調整部材より、前記第2の方向に沿って前記第1側に、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第2の方向に沿って前記第2側の端面に第1のテーパー面を有し、前記第1のテーパー面は、前記第1の位置調整部材の外径が、前記第2の方向に沿って前記第1側から前記第2側に向って小さくなるように形成され、
前記第2の位置調整部材は、前記第1の位置調整部材より、前記第2の方向に沿って前記第2側に、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第2の方向に沿って前記第1側の端面に第2のテーパー面を有し、前記第2のテーパー面は、前記第2の位置調整部材の外径が、前記第2の方向に沿って前記第2側から前記第1側に向って小さくなるように形成され、
前記第3の位置調整部材は、前記第1の位置調整部材および前記第2の位置調整部材より、前記第1の方向および前記第2の方向と交差する第3の方向に沿って第1側に、前記本体部に対して、前記第3の方向に沿って移動可能に配置されているとともに、前記第3の方向に沿った第2側の端面に第3のテーパー面を有し、前記第3のテーパー面は、前記第3の位置調整部材の外径が、前記第3の方向に沿って前記第1側から前記第2側に向って小さくなるように形成され、
前記第3のテーパー面は、前記第1のテーパー面および前記第2のテーパー面とテーパー係合可能に形成され、
前記第2の弾性力発生部材の弾性力によって、前記第3の位置調整部材を、前記本体部に対して、前記第3の方向に沿って前記第2側に移動させて、前記第3のテーパー面を前記第1のテーパー面および前記第2のテーパー面にテーパー係合させる力が発生するように構成され、
前記第1の位置調整部材が、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第1側に移動すると、前記第1のアームが、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第1側に移動し、また、前記第2の位置調整部材が、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第2側に移動すると、前記第2のアームが、前記本体部に対して、前記第2の方向に沿って前記第2側に移動するように構成されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様12)態様11のワーク挟持装置であって、
前記本体部は、前記第2の方向に沿った前記第1側と前記第2側および前記第3の方向に沿った前記第1側に開口部を有する第4の連通孔を有し、
前記第4の連通孔は、前記第2の方向に沿った前記第1側および前記第2側に開口部を有し、前記第2の方向に延在する第1の連通孔部分と、前記第3の方向に沿った前記第1側および前記第1の連通孔部分に開口部を有し、前記第3の方向に延在する第2の連通孔部分により形成され、
前記第1の位置調整部材および前記第2の位置調整部材は、前記第1の連通孔部分内に挿入され、前記第3の位置調整部材は、前記第2の連通孔部分内に挿入されていることを特徴とするワーク挟持装置。
(態様13)態様11または12のワーク挟持装置であって、
前記第2の弾性力発生部材としてスプリングが用いられていることを特徴とするワーク挟持装置。
【0043】
本開示は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
本体部材と支持部材により構成される本体部を用いたが、本体部は、1つの部材で構成することもできるし、3以上の部材により構成することもできる。
2つのアームを設けたが、アームの数は適宜選択可能である。
本体部材や支持部材の構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。
実施形態では、押圧部材と加圧室により構成される駆動機構を2つ設けたが、駆動機構の数は、1を含めて適宜選択可能である。
第1の駆動機構と第2の駆動機構により構成される駆動機構を用いたが、駆動機構の構成はこれに限定されない。
弾性力発生部材の弾性力によりアームを駆動したが、弾性力以外の力によりアームを駆動するように構成することもできる。
位置調整機構の構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。また、移動規制機構は省略することもできる。
移動規制機構の構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。また、位置調整機構は省略することもできる。
爪に設けられる当接面の形状は、実施形態で説明した形状に限定されない。
実施形態で説明した構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した構成を組み合わせて用いることもできる。
【符号の説明】
【0044】
10 ワーク挟持装置
20 本体部材
20a 本体部材内側空間
20b、20c 本体部材内側空間部分
21 本体部材内周面
21a~21c 本体部材内周面部分
22 本体部材外周面
23 連通孔
23a 壁面
30 支持部材
30a 支持部材通路
31 支持部材通路壁面
32 支持部材外周面
32a~32c 支持部材外周面部分
33、34 凹部
33a、34a 底面
33A、34A 筒状部
35 連通孔
35a 壁面
36 溝
36a 壁面
36A ねじ
37、38 加圧室
37A、38A 孔
37a、38a、39a、39b 壁面
39 連通孔
39A、39B 連通孔部分
40 ノズル
41 噴射口
100、200 アーム
101、102、201、202 端面
103、203 凹部
103a、203a 側面
103b、203b 底面
104、105、106、204、205、206 連通孔
104a、105a、106a、204a、205a、206a 壁面
107 孔
107A 開口部
107a~107c 内壁部分
110、210 爪
111、112、211、212 当接面
120、130、140、220、230、240 押圧部材
121、122、131、132、141、142、221、222、231、232、241、242 押圧部材端面
123a~123c、133a~133c、143a~143c、223a~223c、233a~233c、243a~243c 押圧部材外周面部分
140、240、350 位置調整部材
141a、241a、351a テーパー面
141b、241b、351b 頂面
150、250 ねじ
150a、250a 胴部
150b、250b 鍔部
151、251 移動規制面
310 ケース
310A、310B ケース端面
310C ケース外周面
310a ケース内側空間
310b、310c ケース内側空間部分
311 ケース内周面
311a~311d ケース内周面部分
312 ケース外周面
313 孔
313a 壁面
320 可動部材
320A、320B 可動部材端面
320a 本体部分
320b 鍔部
320c 先端部
322a~322e 可動部材外周面部分
330 第1のスプリング(第1の弾性力発生部材)
340 ねじ
360 第2のスプリング(第2の弾性力発生部材)
400 ワーク
402 ワーク外周面
600 ワーク載置部
P 本体部中心線
Q ワーク中心線
図1
図2
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図5
図6
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図13