(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118142
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】まな板
(51)【国際特許分類】
A47J 47/00 20060101AFI20240823BHJP
【FI】
A47J47/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024405
(22)【出願日】2023-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】313014789
【氏名又は名称】新輝合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】山下 陽子
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066AB06
4B066CC22
(57)【要約】
【課題】 まな板用シートを取り付け可能としたまな板とする。
【解決手段】 中央のヒンジ2により左右のまな板片1A、1Bを合掌状に折り畳むことを可能とするともに、左右のまな板片の左右端部前後にまな板用シートSを挿入するためのスリット付き突片3を一対ずつ突設する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央のヒンジにより左右のまな板片を合掌状に折り畳むことを可能とするともに、左右のまな板片の左右端部前後にまな板用シートを挿入するためのスリット付き突片を一対ずつ突設したことを特徴とするまな板。
【請求項2】
一対のL字状の突片を互いの縦辺部の先端が対向するようにまな板片の左右端部前後に配することにより、互いの縦辺部とまな板片の端部間に隙間を生じさせ、この隙間を持ってまな板用シートを挿入するためのスリットとした請求項1記載のまな板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はプラスチック製のまな板に関し、より詳細にはまな板用シートを取り付け可能としたまな板に関する。
【背景技術】
【0002】
食材を包丁で切断する台となるまな板は表面に包丁による傷が付きやすく、これを回避する必要があった。また、例えば肉や魚、あるいは調理済み食品を切断する際にそれらから滲み出る汁がまな板を汚し、これらを切断する後に他の食材を切断する場合の障害となった。
【0003】
以上の問題を解決するために、まな板の上に敷いて使用するまな板用シートが公知である(例えば特許文献1)。前記まな板用シートは樹脂製のものがロール状に巻装した状態で提供され、これを適宜寸法に切断してまな板の上に敷いて使用に供していた。これにより、まな板を傷つけたり汚したりしないで食材を切断することが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-73226
【特許文献2】特開2003-230492
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においては、まな板の上に敷いたまな板用シートに関して何の支えもないのでシートが移動しやすい問題があった。特に例えばキャンプなど屋外でまな板を使用する場合は風によりまな板用シートが煽られて離脱する問題があった。
【0006】
前記の問題を解消する発明として、まな板用シートを載せるための裁置部と、まな板用シートを固定するための固定手段からなるまな板用シート取り付け用台板であって、前記固定手段を、裁置部の両端部に回動自在に設けた押さえ部とし、自重により押さえ部が回動して該押さえ部の上端で、まな板用シートの一端を裁置部に押さえて固定することを特徴とする発明が公知である(特許文献2)。
【0007】
しかしながら前記発明は構造が複雑で製造コストが嵩み、さらにまた、例えばキャンプなど屋外でまな板を使用したい場合に携帯しずらい問題が生じた。一方、まな板の板面に余分な部材が設けられるので洗浄しずらい問題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は以上の従来技術の問題点を解消したまな板を提供することを創作されたものである。
【0009】
すなわち、本願発明のまな板は中央のヒンジにより左右のまな板片を合掌状に折り畳むことを可能とするともに、左右のまな板片の左右端部前後にまな板用シートを挿入するためのスリット付き突片を一対ずつ突設したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記のまな板において、一対のL字状の突片を互いの縦辺部の先端が対向するようにまな板片の左右端部前後に配することにより、互いの縦辺部とまな板片の端部間に隙間を生じさせ、この隙間を持ってまな板用シートを挿入するためのスリットとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のまな板によれば、まな板用シートを使用するに際し、まな板の上に敷いたまな板用シートの左右端を左右のまな板片の左右端部前後に突設したスリット付き突片のスリットに挿入すれば、まな板用シートはスリット付き突片により押さえ付けられてまな板上に固定されることとなる(
図4参照)。
【0012】
前記の場合、本願発明のまな板は中央のヒンジにより左右のまな板片を合掌状に折り畳むことが可能となっているので、左右のまな板片を水平状態でなく少し角度を付けた状態で起き上がらせ、この状態でまな板用シートの左右端を左右のまな板片の左右端部前後に突設したスリット付き突片のスリットに挿入し、その後に左右のまな板片を水平状態とすればまな板用シートにテンションがかかりまな板用シートがまな板の板面に綺麗に密着するという特有の効果が生じる。
【0013】
また、左右のまな板片を重合した折り畳み状態においては重ね合ったスリット付き突片のスリットをまな板を壁などに突設したフックに掛ける際の係止切り欠きとして利用することができる。
【0014】
以上のように本願発明のまな板は折り畳むことによりコンパクトになるので、キャンプなど屋外でまな板を使用したい場合に携帯しやすく、その場合にまな板用シートを確実に固定できるので風によりまな板用シートが煽られて離脱する心配がない。
【0015】
また、シンクや調理台が狭いミニキッチンで使用するに際しても、汚れはまな板用シートにのみ付着するので、まな板用シートを廃棄するだけで済み、まな板を一々洗浄しないで済む。さらにこの場合、同時にまな板は折り畳むことによりコンパクトになり、スリット付き突片のスリットをまな板を壁などに突設したフックに掛ける際の係止切り欠きとして利用できるのでスペース効率に優れたまな板となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】同上、まな板用シートを固定した状態の平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本願発明のまな板の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は本願発明のまな板の斜視図である。本願発明のまな板はプラスチックにより成型され、中央のヒンジ2により左右のまな板片1A、1Bを合掌状に折り畳める構造を有する(
図2参照)。
【0018】
図3は前記のヒンジ2の詳細を示す図である。このヒンジ2は左右のまな板片1A、1Bの連結個所に断面逆三角形の溝2A、2Bを隣接させることにより構成される。
【0019】
図中符号3は左右のまな板片1A、1Bの左右端部前後に突設されるスリット付き突片である。このスリット付き突片3はL字状に構成され、L字底辺部がまな板片の左右端部前後に延設され、互いの縦辺部の先端が対向するように配されることにより互いの縦辺部とまな板片の端部間に隙間を生じさせ、この隙間を持ってまな板用シートを挿入するためのスリット4としている。なお、ここではスリット付き突片3の縦辺部のまな板片の端部側をまな板片の端部に向かってなだらかな山状に膨らませている。
【0020】
以上の構成よりなる本願発明のまな板は、
図4に示すようにまな板の上に敷いたまな板用シートSの左右端を左右のまな板片1A、1Bの左右端部前後に突設したスリット付き突片3のスリット4に挿入すれば、まな板用シートはスリット付き突片により押さえ付けられてまな板上に固定されることとなる。
【0021】
一方、本願発明のまな板は中央のヒンジ2により左右のまな板片1A、1Bを合掌状に折り畳むことができるが、この機能を利用して左右のまな板片を水平状態でなく少し角度を付けた状態で起き上がらせ、この状態でまな板用シートSの左右端を左右のまな板片の左右端部前後に突設したスリット付き突片3のスリット4に挿入し、その後に左右のまな板片を水平状態とすればまな板用シートにテンションがかかりまな板用シートがまな板の板面に綺麗に密着するという特有の効果が生じる。
【符号の説明】
【0022】
1A まな板片
1B まな板片
2 ヒンジ
2A 溝
2B 溝
3 スリット付き突片
4 スリット
S まな板用シート